JPH08127702A - モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物

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JPH08127702A
JPH08127702A JP6286156A JP28615694A JPH08127702A JP H08127702 A JPH08127702 A JP H08127702A JP 6286156 A JP6286156 A JP 6286156A JP 28615694 A JP28615694 A JP 28615694A JP H08127702 A JPH08127702 A JP H08127702A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオキシメチレン100重量部に対して、
(A)ヒンダードアミン系光安定剤0.03〜2重量部
と、(B)カルシウムイオン含有量が1〜50ppmで
あり、且つクロルイオン含有量が10〜100ppmの
脂肪族カルボン酸カルシウム塩0.01〜1.0重量部
とを添加してなるモールドデポジットの改良されたポリ
アセタール樹脂組成物。 【効果】 従来のポリアセタール樹脂に比較して、耐熱
エージング性、エージング変色性に優れ、且つ加工時の
熱安定性が高く又金型表面に付着するモールドデポジッ
トが極めて少ないため、作業環境が大幅に改善されると
同時に長時間の連続成形が可能となり、同時に生産性の
向上に大きく寄与し、自動車用途等の耐熱エージング性
が要求される分野に好適な材料としてのポリアセタール
樹脂組成物を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱エージング性とエ
ージング変色性に優れ、且つ成形加工時における金型表
面に付着するモールドデポジットを大巾に低減せしめ、
作業環境の改善と成形品の表面性、寸法精度を損なうこ
となく長時間の連続成形が可能なポリアセタール樹脂組
成物、に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、優れた機械特性
や成形性を有するためにエンジニアリング樹脂として、
電気・電子部品、及び機械機構部品等幅広い分野で利用
されている。
【0003】しかしながら、ポリアセタール樹脂には、
熱安定性に乏しく成形加工時に熱分解によってホルムア
ルデヒドガスが発生し、作業環境を悪化させたり、又発
生したホルムアルデヒドやポリアセタール樹脂中に含有
されている安定剤等の添加物由来の揮発成分が金型表面
に析出し、いわゆるモールドデポジットを形成し、その
結果成形品の表面を著しく損なったり、あるいは成形品
の寸法精度の低下を来たす等の問題がある。又、モール
ドデポジットが発生した場合には、モールドデポジット
の発生毎に金型の分解掃除をしなければならず、これに
は多大の時間と労力を要し、生産性の低下を来たすとい
う問題も有しており、その改良が強く望まれている。
【0004】上記問題を解決するために、これまでに種
々の提案がされており、例えば、熱分解によって発生す
るホルムアルデヒドの低減を目的として、ポリアミド
(特公昭34−5440号公報)、アミドオリゴマー
(特公昭54−32658号公報)等を添加する方法、
あるいはヒンダードフェノール/カルボン酸の金属塩/
ポリアミド(特開平3−14859号公報)を添加する
方法が提案されている。しかしながらこれらの方法にお
いては、ポリアセタールの安定化が不充分であるために
成形加工時の熱安定性や、モールドデポジットの発生の
点において満足し得るものではなかった。
【0005】又、ポリアセタール樹脂の耐熱エージング
性の向上方法として、脂肪族カルボン酸のアルカリ土類
金属塩をポリアセタールに添加する方法(特公昭55−
22508号公報、特公昭60−56748号公報)が
一般に知られている。しかしながら、ポリアセタール樹
脂に脂肪族カルボン酸のアルカリ土類金属塩を添加した
場合、耐熱エージング性は向上するがエージング変色性
が悪く、また成形加工時の熱安定性、モールドデポジッ
ト性も悪い。そのため、製品の外観を損ない、また成形
作業環境を悪くするなどの問題があり、改善の要求が切
に望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のポリアセタール樹脂が有する欠点を克服し、成形
加工時に金型表面に発生するモールドデポジットが著し
く低減され、かつ耐熱エージング性、エージング変色
性、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱エー
ジング性とエージング変色性に優れ且つ成形加工時にお
けるモールドデポジットの発生を効果的に抑制したポリ
アセタール樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、ポリオキシメチレンにヒンダードアミン系光安定剤
と特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩との混合物を所
定量配合せしめたポリアセタール樹脂組成物が前記目的
を達成し得ることを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、ポリオキシメチレン1
00重量部に対して、(A)ヒンダートアミン系光安定
剤0.03〜2重量部と(B)カルシウムイオン含有量
が1〜50ppmであり、且つクロルイオン含有量が1
0〜100ppmの脂肪族カルボン酸カルシウム塩0.
01〜1.0重量部とを添加してなるモールドデポジッ
トの改良されたポリアセタール樹脂組成物、を提供する
ものである。
【0009】本願発明のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)成分であるヒンダードアミン系光安定剤と(B)
成分である特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩の二者
を組み合せることによってのみ本発明の目的とする効果
を達成することができるものであり、いずれか1種を欠
いても本発明の目的を達成することができない。
【0010】又、本願発明の目的を達成するためには、
特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩としてカルシウム
イオン含有量が1〜50ppmであり、且つクロルイオ
ン含有量が10〜100ppmの脂肪族カルボン酸カル
シウム塩を添加することが必要不可欠である。カルシウ
ムイオン含有量が1〜50ppmであり、且つクロルイ
オン含有量が10〜100ppmの脂肪族カルボン酸カ
ルシウム塩を用いた場合のポリアセタール樹脂組成物
は、上記以外の脂肪族カルボン酸カルシウム塩を添加し
て得られる組成物よりもモールドデポジットが著しく優
れており、カルシウムイオン含有量とクロル含有量のど
ちらか一方でも本発明で規定した含有量の範囲以外の場
合には本願発明の目的は達成できない。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。本発明のポ
リオキシメチレンとは、ホルムアルデヒド、またはトリ
オキサンもしくはテトラオキサン等の環状オリゴマーの
単独重合によって得られる実質的にオキシメチレン単位
−(CH2 O)−からなるポリオキシメチレンホモポリ
マー、及びホルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環
状エーテル又は環状ホルマールあるいはヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤が10〜500ppm添加された環
状ホルマールとの共重合によって得られるオキシメチレ
ン単位−(CH2 O)−からなる連鎖中に下記一般式
(1)で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに
挿入された構造を有するポリオキシメチレンコポリマー
である。
【0012】
【化1】 (式中のR1 及びR2 は、それぞれ水素原子、アルキル
基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異
なっていてもよく、nは2〜6の整数である)
【0013】又、本発明に用いられるポリオキシメチレ
ンには分子鎖の分岐化された分岐ポリオキシメチレンコ
ポリマー、及びオキシメチレンの繰り返えし単位を50
重量%以上含む異種成分ブロックとのポリオキシメチレ
ンブロックコポリマーも含まれる。
【0014】なお、ポリオキシメチレンコポリマー中の
前記オキシアルキレン単位の挿入率は、オキシメチレン
単位100モルに対し、0.05〜50モル、好ましく
は0.1〜20モルの範囲である。該オキシアルキレン
単位としては例えばオキシエチレン単位、オキシプロピ
レン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン
単位、オキシフェニルエチレン単位等が挙げられる。こ
れらのオキシアルキレン単位の中でもポリアセタール樹
脂組成物の物性を向上させる点から、オキシエチレン単
位−〔(CH2 2 O〕−、及びオキシテトラメチレン
単位−〔(CH2 4 O〕−が特に好ましい。
【0015】上記単独重合、あるいは共重合によって得
られるポリオキシメチレンは分子末端の安定化処理を行
なうことが望ましい。分子末端の安定化処理方法として
は例えば末端のヒドロキシル基をエステル化、エーテル
化、ウレタン化等とする方法、あるいは、分子末端の不
安定部分を加水分解によって分子末端の安定化を図る方
法等が用いられる。
【0016】本発明の効果をさらに高めるために、本発
明の組成物に用いられるポリオキシメチレンは、該ポリ
オキシメチレン共重合体を窒素気流下にて230℃で6
0分間加熱した場合のホルムアルデヒドガス発生量が5
00ppm以下のものであることがより好ましい。
【0017】この様なポリオキシメチレンは、例えばホ
ルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状エーテル、
環状ホルマールとの共重合によって得られるポリオキシ
メチレンコポリマーを、重合直後に分子末端の安定化処
理を行ない、さらにその後溶融状態で、水もしくはア
ルコールまたはそれらの混合物を注入・混練する工程、
及び注入された上記水酸基含有化合物の蒸気および遊
離のホルムアルデヒドを解放する脱揮工程、の少なくと
も2段階の工程からなる異方向回転非かみ合型2軸スク
リュー押出機に連続的に供給し、処理することにより、
溶融したポリオキシメチレンコポリマーから揮発成分を
除去すること等により得られる。なお、上記の水、もし
くはアルコール、またはそれらの混合物を注入・混練す
る際、pH調製剤としてトリエチルアミン等の塩基性物
質を添加することが好ましい。
【0018】本願発明で用いられる(A)成分である代
表的なヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば以
下の化合物が挙げられる。 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート 1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−
4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン 8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テ
トラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デ
カン−2,4−ジオン
【0019】 2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル) コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物 ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕 N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕
−7−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物 あるいは、下記構造式のものが挙げられる。
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】これらのヒンダードアミン系光安定剤の中
でも成形品の色調の観点より、8−アセチル−3−ドデ
シル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−ト
リアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、1−
[2−〔3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、及び2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコール
と1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物
である下記構造式
【0024】
【化5】 のものが好適に用いられる。
【0025】本発明に用いられるヒンダードアミン系光
安定剤は単独であるいは1種以上を組合せて用いてもよ
い。又その添加量はポリオキシメチレン100重量部に
対して0.03〜2重量部であり、好ましくは0.05
〜1重量部である。添加量が0.03重量部未満の場合
には、ポリアセタール樹脂組成物の熱安定性が低下し、
本発明の目的を達成できない。又2重量部を越える場合
にはエージング変色性、モールドデポジットが不良とな
る。
【0026】本発明の(B)成分として用いられる脂肪
族カルボン酸カルシウム塩とは、カルシウムイオン含有
量が1〜50ppmの範囲であり、且つクロルイオンを
10〜100ppm含有する、炭素原子が10〜36個
の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸カルシウム塩であ
り、これらのカルボン酸は、ヒドロキシル基で置換され
ていてもよい。飽和脂肪族カルボン酸としては、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン
酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラス
チン酸等が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸として
は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セト
レイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、
ステアロール酸等が挙げられる。これらの脂肪族カルボ
ン酸の中でも特にラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸
が好ましい。
【0027】脂肪族カルボン酸カルシウム塩の製造方法
は、特に限定するものではなく、実質的にカルシウムイ
オン含有量が1〜50ppmの範囲で、且つクロルイオ
ン含有量が10〜100ppmの範囲になる脂肪族カル
ボン酸カルシウム塩の製造方法であればよい。
【0028】例えば、脂肪族カルボン酸ナトリウムと塩
化カルシウムとの反応によって脂肪族カルボン酸カルシ
ウムを製造する場合、水洗回数を増やし、カルシウムイ
オンとして1〜50ppm及びクロルイオンとして10
〜100ppmになるまで水洗し、除去すればよい。ま
た脂肪族カルボン酸と水酸化カルシウムとの反応によっ
て脂肪族カルボン酸カルシウムを製造する場合にも上記
の方法と同様に水洗回数を増やし、カルシウムイオンと
して1〜50ppm及びクロルイオンとして10〜10
0ppmになるまで水洗し、除去すればよい。また、ク
ロルイオン含有量の少ない水酸化カルシウムを用いても
よい。
【0029】脂肪族カルボン酸カルシウム塩中に存在す
るカルシウムイオン含有量の定量方法は、イオンクロマ
トによって定量することが出来る。例えば、脂肪族カル
ボン酸カルウシウム塩をメタノール/水混合液に加え、
超音波処理した後、ろ紙でろ過したろ液をイオンクロマ
トで定量する。クロルイオン含有量の定量方法もまたカ
ルシウムイオン含有量定量方法と同様のイオンクロマト
で定量することができる。
【0030】本発明の目的とする効果を発現するために
は、カルシウムイオン含有量が1〜50ppmの範囲で
あり、且つクロルイオン含有量が10〜100ppmの
範囲の脂肪族カルボン酸カルシウム塩であることが必要
である。更に好ましくは、カルシウムイオン含有量が1
〜30ppmの範囲、クロルイオン含有量が10〜60
ppmの範囲である。脂肪族カルボン酸塩中のカルシウ
ムイオン含有量が50ppmを越える場合には、ポリア
セタール樹脂組成物のエージング変色性は著しく悪化
し、成形品の外観不良を招き、モールドデポジットも不
良となり、1ppm未満の場合には、モールドデポジッ
トは抑制されるが耐熱エージング性が低下する。又、脂
肪族カルボン酸塩中のクロルイオン含有量が100pp
mを越える場合にはポリアセタール樹脂組成物の熱安定
性が低下し、モールドデポジットも不良となり、10p
pm未満の場合にもモールドデポジットの抑制効果が充
分に発揮されない。
【0031】このカルシウムイオン含有量が1〜50p
pmで、且つクロルイオン含有量が10〜100ppm
の脂肪族カルボン酸カルシウム塩の添加量は、ポリオキ
シメチレン100重量部に対して,0.01〜1重量部
の範囲である。好ましくは0.02〜0.5重量部であ
る。更に好ましくは0.02〜0.3重量部である。脂
肪族カルボン酸カルシウム塩の添加量が0.01重量部
未満の場合には、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱エー
ジング性が悪化し、又モールドデポジットの抑制効果が
低下する。又1重量部を越える場合には、ポリアセター
ル樹脂組成物の熱安定性の著しい低下を来たすと共にモ
ールドデポジットの発生が促進され、又エージング変色
性も著しく低下する。
【0032】本発明の組成物においては、成形加工時に
発生するホルムアルデヒド臭とモールドデポジットの抑
制効果をさらに高めるために所望に応じて、ヒンダート
フェノール系酸化防止剤、およびホルムアルデヒドと反
応しうる含窒素化合物を添加することが出来る。
【0033】ヒンダートフェノール系酸化防止剤とし
て、好適に用いられる具体的な化合物の例としては、n
−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オ
クタデシル−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テ
トラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘ
キサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、
1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)メタン、3,9−ビス(2−
(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエ
チル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオ
ニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレ
ンビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,
N′−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−
サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3−
(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、N,N′−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチ
ル)オキシアミド等が挙げられ、特に好ましくは、トリ
エチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ
−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,
10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンが用い
られる。
【0034】これらのヒンダードフェノール系酸化防止
剤は、1種で用いてもよく、あるいは2種類以上を組合
せて用いてもよい。又、その添加量は、ポリオキシメチ
レン100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ま
しくは、0.05〜1重量部の範囲で選ばれる。さらに
該ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加方法は、重
合時に、あるいは重合後の分子末端の安定化処理を行な
う直前のポリオキシメチレンに添加してもよく、また通
常添加される押し出し造粒時に添加してもよく、その添
加方法は何等制限されるものではない。
【0035】ホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化合
物としては、例えばポリアミド樹脂、アミド化合物、尿
素誘導体、トリアジン誘導体、ウレタン化合物等が挙げ
られ、具体的には、ジアミンとジカルボン酸との縮合、
アミノ酸の縮合、ラクタムの開環重合等によって得られ
るナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン
66、ナイロン6・10、ナイロン6/6・10、ナイ
ロン6/6・6、ナイロン6・6/6・10、ナイロン
6/6・6/6・10あるいはポリβ−アラニン等のポ
リアミド樹脂、脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又
は芳香族モノカルボン酸、ジカルボン酸と脂肪族モノア
ミン、ジアミン、又は芳香族モノアミン、ジアミンとか
ら生成されるステアリルステアリン酸アミド、ステアリ
ルオレイン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチ
レンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミ
ン−ジベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンジアミン−ジ
ステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸
アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミド、キシリ
レンジアミン−ジエルカ酸アミド、ジ(キシリレンジア
ミン−ステアリン酸アミド)セバシン酸アミド等のアミ
ド化合物,N−フェニル尿素N,N′−ジフェニル尿
素、N−フェニルチオ尿素、N,N′−ジフェニルチオ
尿素等の尿素誘導体、メラミン、ベンゾグアナミン、N
−フェニルメラミン、メレム、N,N′−ジフェニルメ
ラミン、N−メチロールメラミン、N,N′−トリメチ
ロールメラミン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシ
ルトリアジン、メラム等のトリアジン誘導体等が挙げら
れる。
【0036】これらの含窒素化合物の中で好ましいもの
はポリアミド樹脂であり、さらに好ましくはナイロン6
6、ポリβ−アラニンが用いられる。これらの含窒素化
合物は1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いて
もよく、又その添加量は、ポリオキシメチレン100重
量に対して、0.01〜2重量部、好ましくは、0.0
3〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量
部の範囲で選ばれる。
【0037】本発明で用いられるヒンダードフェノール
系酸化防止剤とホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化
合物は、各々単独で用いてもよいし、それらを組合せて
用いてもよい。本発明の組成物には、所望に応じて従来
公知の他の添加剤、例えば滑剤、離型剤、滞電防止剤、
ガラス繊維等の無機充てん剤や炭素繊維等の補強剤、紫
外線吸収剤、顔料等を所望に応じて添加することが出来
る。
【0038】本発明の組成物においては、ポリオキシメ
チレンに対して添加される前記各成分との混合は、通常
用いられている溶融混合法によって行なうことが出来、
溶融混合機も何等限定されるものではない。又添加され
る各成分の添加形態は、粉体であっても溶融状態であっ
てもよい。溶融混合温度は、180〜240℃であり、
この範囲内で適宜選択すればよく何等限定するものでは
ない。本発明の組成物は、押し出し成形、射出成形、圧
縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれの
成形方法によっても成形できる。
【0039】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例における組成物の
各特性は次のようにして求めた。 (1)連続成形によるモールドデポジットの評価 射出成形機 東洋機械金属(株)製 Ti−30G 射出圧力 :500Kg/cm2 、 射出速度 :6
0% シリンダー温度 :200℃ サックバッ
ク:4mm 射出時間 : 6sec 冷却 : 4sec 金型温度 : 70℃ 成形品 : 長さ35mm、巾14mm、厚さ2m
m 金型 : ピンゲート金型
【0040】上記条件下で連続的に射出成形し、100
00ショット実施後、金型に付着しているモールドデポ
ジットの状態を肉眼で観察し、次の判定基準に従って評
価した。 ◎ ;モールドデポジットが全く認められない。 ○ ;モールドデポジットがほとんど認められない。 △ ;モールドデポジットがうっすらと認められる。 × ;モールドデポジットがはっきりと認められる。 ××;モールドデポジットが金型全面に厚く付着してい
る。
【0041】(2)ホルムアルデヒドガス発生量 3gのポリオキシメチレン重合体をアルミニウム製容器
に入れ、窒素気流下(6Nリットル/min)で230
℃で60分間溶融加熱した時に発生したホルムアルデヒ
ドガスを1mol/リットルの亜硫酸ナトリウム溶液に
導入し、0.01規定の塩酸で滴定して、発生したホル
ムアルデヒドガスの発生量を測定した。サンプル単位重
量当りの(ppm)で表わした。
【0042】(3)耐熱エージング性 ギヤオープン〔(株)田葉井製作所、GPS−222
型、排気ダクト20°開放〕を用いて140℃×100
0時間の長期熱風試験を行なった。評価については初期
成形品と滞留後成形品について、引張伸度(測定はAS
TM D−638に準拠)を測定し、下記式によりその
保持率を求めた。この値が大きいほど耐熱エージング性
に優れる。 保持率(%)=滞留成形品の引張伸度/初期成形品の引
張伸度×100
【0043】(4)エージング変色性 耐熱エージング性で評価した滞留後成形品を以下の装置
(条件)でエージング変色bL値(JIS Z−873
0)を測定した。この値が小さいほどエージング変色性
に優れる。
【0044】(5)熱安定性 理学(株)製熱天秤を用い、電気炉にサンプルを50m
gと空気5Nリットル/hrをフィードし、230℃
(40℃から20℃/分の割合で230℃までに昇温さ
せる)で加熱した時に5%の重量減少に要する時間
(分)を測定した。この値が大きいほど熱安定性に優れ
る。
【0045】(6)カルシウムイオン含有量 脂肪族カルボン酸カルシウム塩1gにメタノール/水
(2/1)10mlを加え、超音波処理を1時間行っ
た。その後、ろ紙を用いてろ過し、ろ液をイオンクロマ
トに注入し、カルシウムイオン含有量を定量した。 装 置:電気伝導度検出器 waters 431 カラム:Shim−pack IC−Cl (150mm × 5.0mm) 注入量:100μL
【0046】(7)クロルイオン含有量 脂肪族カルボン酸カルシウム塩1gにメタノール/水
(2/1)10mlを加え、超音波処理を1時間行っ
た。その後、ろ紙を用いてろ過し、ろ液をイオンクロマ
トに注入し、カルシウムイオン含有量を定量した。 装 置:電気伝導度検出器 WATERS 431 カラム:WATERS IC−PACK Anion
HR (75mm × 4.6mm) 注入量:100μL
【0047】又、表中のヒンダードアミン系光安定剤の
記号は次の化合物を示す。 H−1;1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン〔商品名:サノールLS−
2626(三共株式会社製)〕 H−2;8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9
−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,
5〕デカン−2,4−ジオン〔商品名;サノールLS−
440(三共株式会社製)〕 H−3;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート〔商品名;アデカスタブLA−7
7(旭電化工業株式会社製)〕 H−4;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボン酸との縮合物(構造式を下記に記す)
【0048】
【化6】
【0049】(実施例1〜6)96.3重量%のトリオ
キサンとヒンダートフェノール系酸化防止剤テトラキス
−(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン10
0ppmを含有する1,3ジオキソラン3.7重量%と
をフッ化ホウ素ブチルエーテルコンプレックスを触媒と
して用いて共重合させ粗オキシメチレン共重合体を得
た。これにトリエチルアミンを加え反応を停止させ、重
合体を分離した。次いでこの重合体にトリエチルアミン
−水の混合物を加えて加水分解処理を行ない分子末端の
安定化処理を行ない、MI=9.9(g/10分)、ホ
ルムアルデヒドガス発生量が1200ppmポリオキシ
メチレン製造した。
【0050】このポリオキシメチレン100重量部に第
1表に示したヒンダードアミン系光安定剤と第1表に示
したカルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂
肪族カルボン酸カルシウム塩を第1表に示す添加量で添
加し、さらにヒンダートフェノール系酸化防止剤とし
て、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)0.3重量部、ホルムアルデヒドと反応しうる
含窒素化合物としてナイロン−66 0.05重量部を
添加して、ヘンシェルミキサーにより、均質に混合し
た。次いでこの混合物を50φ押出機に通し、溶融混練
し、ダイヘッドからストランドとして得た。得られたス
トランドはただちに切断しペレットとし、ポリアセター
ル樹脂組成物を製造した。得られたポリアセタール樹脂
組成物を乾燥後、各特性の評価を実施し、その結果を第
1表に示した。
【0051】(実施例7〜13)実施例1〜6で製造し
たホルムアルデヒドガス発生量が1200ppmのポリ
オキシメチレンをさらに溶融状態で、混練工程及び脱気
工程を有する2軸スクリュー押出機に水−トリエチルア
ミンの混合物と共に連続的に供給し、揮発成分の除去を
行ないホルムアルデヒドガス発生量が410ppmのポ
リオキシメチレンを調整した。このポリオキシメチレン
100重量部に第2表に示したヒンダードアミン系光安
定剤と第2表に示したカルシウムイオン量、クロルイオ
ン量を含有する脂肪族カルボン酸カルウシム塩を第2表
に示した添加量で添加し、さらに実施例1〜6で用いた
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホルムアルデヒド
と反応しうる含窒素化合物を実施例1〜4と同じ添加量
で添加してポリアセタール樹脂組成物を製造し、各特性
の評価を行なった。その結果を第1表に示した。
【0052】(実施例14〜19)95重量%のトリオ
キサンとヒンダートフェノール系酸化防止剤であるテト
ラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチ
ル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタ
ン100ppmを含有する1,4ブタンジオールホルマ
ール5重量%とをフッ化ホウ素ブチルエーテルコンプレ
ックスを触媒として用いて共重合させ、粗オキシメチレ
ン共重合体を得た。これにトリエチルアミンを加え反応
を停止させ重合体を分離した。この粗オキシメチレン共
重合体にヒンダードフェノール系酸化防止剤であるテト
ラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル
−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
0.3重量部を添加混合し、次いでトリエチルアミン−
水の混合物を加えて加水分解処理を行ない分子末端の安
定化処理を行なった。この重合体を更に溶融状態で、混
練工程及び脱気工程を有する2軸スクリュー押出機に、
水−トリエチルアミンの混合物と共に連続的に供給し、
揮発成分の除去を行ないMI=11g/10分、ホルム
アルデヒドガス発生量が280ppmポリオキシメチレ
ンを調整した。
【0053】このポリオキシメチレン100重量部に第
2表に示したヒンダードアミン系光安定剤と第2表に示
したカルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂
肪族カルボン酸カルシウム塩を第2表に示す添加量で添
加し、さらにホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化合
物としてナイロン66を0.05重量部を添加して実施
例1〜6と同様な操作を行ないポリアセタール樹脂組成
物を製造した。このポリアセタール樹脂組成物の各特性
の評価結果を第2表に示した。
【0054】(実施例20〜23)実施例7〜13で製
造したポリオキシメチレンに第2表に示したヒンダード
アミン系光安定剤と第2表に示したカルシウムイオン
量、クロルイオン量を含有する脂肪族カルボン酸カルシ
ウム塩を第2表に示す添加量で添加し、さらにヒンダー
ドフェノール系光安定剤として、3,9−ビス(2−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)
2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウン
デカン0.3重量部、ホルムアルデヒドと反応しうる窒
素化合物としてポリ−β−アラニン0.05重量部を添
加し、実施例7〜13と同様な操作を行ないポリアセタ
ール樹脂組成物を製造し、各特性の評価を行なった。そ
の結果を第2表に示した。
【0055】(実施例24〜27)第2表に示したヒン
ダードアミン系光安定剤と第2表に示したカルシウムイ
オン量、クロルイオン量を含有する脂肪族カルボン酸カ
ルシウム塩を第2表に示した添加量で添加した以外は全
て実施例7〜13と同じ操作を行ないポリアセタール樹
脂組成物を製造し各特性の評価を行なった。その結果を
第2表に示した。
【0056】(比較例1〜13)第3表に示したヒンダ
ードアミン系光安定剤とその添加量、及び第3表に示し
たカルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂肪
族カルボン酸カルシウム塩とその添加量以外は全て実施
例5〜11と同様な操作を行ないポリアセタール樹脂組
成物を製造し、各特性の評価を行なった。その結果を第
3表に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】第1表、第2表及び第3表の結果より、次
のことがわかる。 いずれの実施例においても本発明のポリアセタール
樹脂組成物は成形加工時における熱安定製とモールドデ
ポジットの発生量においても優れた効果を有している。
又耐熱エージング性、エージング変色性においても優れ
ていた。 比較例1、2はヒンダードアミン系光安定剤が添加
されていないために、あるいは添加量が過少であるため
に熱安定性が著しく低下し、モールドデポジットの発生
量も著しく増加した。 比較例3はヒンダードアミン系光安定剤の添加量が
過多であるためモールドデポジットの発生量が増加し
た。又エージング変色性も不良となった。
【0061】 比較例4、5は脂肪族カルボン酸カル
シウム塩が添加されていないために、あるいはその添加
量が過少であるためにモールドデポジットの発生量も増
加した。又耐熱エージング性も低下した。 比較例6〜7は脂肪族カルボン酸カルシウム塩の添
加量が過多であるために熱安定性が低下し、モールドデ
ポジットの発生量が著しく増加した。又エージング変色
性も悪化した。 比較例8は、脂肪族カルボン酸カルシウム塩中のカ
ルシウムイオン量が過少であるために耐熱エージング性
が低下した。
【0062】 比較例9は、脂肪族カルボン酸カルシ
ウム塩中のクロルイオンが過少であったためにモールド
デポジットの抑制効果が不充分となった。 比較例10〜11は脂肪族カルボン酸カルシウム塩
中のカルシウムイオン量が過多であったためにエージン
グ変色性が低下し、モールドデポジットの発生も増加し
た。 比較例12〜13は脂肪カルボン酸カルシウム塩中
のクロルイオン量が過多であるために熱安定性が低下
し、モールドデポジットの発生も増加した。
【0063】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
従来のポリアセタール樹脂に比較して、耐熱エージング
性、エージング変色性に優れ、加工時の熱安定性が高く
又金型表面に付着するモールドデポジットが極めて少な
いため、作業環境が大幅に改善されると同時に長時間の
連続成形が可能となり、同時に生産性の向上に大きく寄
与し、自動車用途等の耐熱エージング性が要求される分
野に好適な材料としてのポリアセタール樹脂組成物を提
供できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキシメチレン100重量部に対し
    て (A)ヒンダードアミン系光安定剤0.03〜2重量部
    と (B)カルシウムイオン含有量が1〜50ppmであ
    り、且つクロルイオン含有量が10〜100ppmの脂
    肪族カルボン酸カルシウム塩0.01〜1.0重量部と
    を添加してなるモールドデポジットの改良されたポリア
    セタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキシメチレンが窒素気流下で23
    0℃、60分間加熱した場合のホルムアルデヒドガス発
    生量が500ppm以下である請求項1記載のポリアセ
    タール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.
    01〜2重量部を添加してなる請求項1、2記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化
    合物0.01〜2重量部を添加してなる請求項1〜3記
    載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ヒンダートアミン系光安定剤が、1−
    [2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
    シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3
    −(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プ
    ロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピ
    ペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
    ピペリジル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチ
    ル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,
    2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、8−
    アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチ
    ル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−
    2,4−ジオンである請求項1記載のポリアセタール樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 ヒンダートフェノール系酸化防止剤がト
    リエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−
    5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ
    −t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    ート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブ
    チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
    ニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,
    10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンである
    請求項3記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化
    合物がポリアミド樹脂である請求項4記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアミド樹脂がナイロン66、ポリβ
    −アラニンである請求項7記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
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