JP2009256425A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性に優れ、滞留着色の少ない、更に生産性に優れたポリアセタール樹脂組成物の提供。
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂と(B)第一級アミド基を30〜70mol%含有するポリ−β−アラニン重合体と(C)融点が140℃〜230℃であるポリアミド重合体から成る組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱安定性に優れ、滞留着色の少ない、更に連続生産性に優れるポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
ポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーであるトリオキサンやテトラオキサンの重合により、或いはこれらとの共重合可能なモノマーとを共重合させることにより得られる。通常、重合体の末端基からの解重合を防止するために、エーテル化やエステル化などの種々の方法により末端基処理が施されている。
ポリアセタール樹脂の製造においては、上記の如き末端基処理をするとともに、熱安定剤を配合することは、熱安定性を保持する上で必要なことであり、従来から種々の工夫や提案がなされている。
一方、ポリアセタール樹脂成形品の製造における生産性を向上させることも必要である。製造としては、樹脂組成物を押出し等で製造する段階と、その樹脂組成物を射出成形等で加工する段階を挙げることができる。
製造する段階では、スクリーンメッシュを使用して異物を除去しながら製造するのが一般的であり、異物がスクリーンメッシュを閉塞することに伴いスクリーンメッシュを頻繁に交換する必要が発生している。
加工する段階では、成形品中の異物が少ないことが重要であり、成形品中の異物が多いと、物性低下の要因にもなっている。
上記の課題に対する従来技術としては、例えば、熱安定性の向上のために3元共重合ポリアミドを配合する技術(例えば、特許文献1参照)、熱安定性、滞留着色性の向上のため、ポリ−β−アラニン重合体を配合する技術(例えば、特許文献2参照)、熱安定性、乾熱処理の着色性の向上のため、2種以上のポリアミドを混合した融点180℃以下のポリアミド組成物を配合する技術(例えば、特許文献3参照)が挙げられる。
しかしながら、これらの従来技術は熱安定性の保持に関してはおおむね満足できるものの、生産性に関しては満足のできるものではなかった。
特公昭34−5440号公報 特開昭63−108051号公報 特開昭51−64559号公報
本発明は、熱安定性に優れ、滞留着色が少なく、且つ生産性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、(A)ポリアセタール樹脂と(B)第一級アミド基を30〜70mol%含有するポリ−β−アラニン重合体と(C)融点が140℃〜230℃であるポリアミド重合体から成る組成物が、熱安定性に優れ、滞留着色性が無く、且つ連続生産性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)(A)ポリアセタール樹脂と(B)第一級アミド基を30〜70mol%含有するポリ−β−アラニン重合体と(C)融点が140℃〜230℃であるポリアミド重合体から成ることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
(2)(B)ポリ−β−アラニン重合体が、架橋構造体であることを特徴とする上記1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(3)(C)ポリアミド重合体が、相対粘度2.5以下であることを特徴とする上記1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(4)(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ポリ−β−アラニン重合体0.01〜3.0質量部及び(C)ポリアミド重合体0.001〜0.1質量部から成ることを特徴とする上記1〜3いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(5)(A)、(B)及び(C)を窒素雰囲気下、酸素濃度1000ppm以下で溶融混練することを特徴とする上記1に記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
本発明により熱安定性に優れ、滞留着色が少なく、且つ生産性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することが可能となった。
以下、本発明について、詳細に述べる。
(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基を主鎖に有し、重合体連鎖の両末端がエステル基または、エーテル基により封鎖されたポリオキシメチレンホモポリマーを表し、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節剤を原料とし、公知のオニウム塩系重合触媒を用いて、炭化水素等を溶媒として公知のスラリー法、例えば特公昭47―6420号公報や特公昭47−10059号公報に記載の重合方法で得ることが出来る。ここでホルムアルデヒドは水、メタノール等の不純物を含まないものが望ましい。
重合触媒としては、アニオン系重合触媒で有れば特に限定はされず、例えばオニウム塩系重合触媒があり、下記一般式(1)で表されるものである。
[RM] (1)
(式中、R、R、R、Rは各々独立にアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素、Xは求核性基を示す。)
上記一般式(1)で表されるオニウム塩系重合触媒のなかでも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドの様な第4級ホスホニウム塩系化合物やテトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートの様な第4級アンモニウム塩系化合物が好ましく用いられる。さらに好ましくは、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートが用いられる。
重合触媒の導入量は、モノマー1kgに対して、0.0003〜0.01molが好ましく、さらに好ましくは0.0008〜0.005mol、特に好ましくは0.001〜0.003molである。導入量が0.0003molより少ないと、重合速度が遅くなり、収率が低下し、経済的に好ましくない。導入量が0.01molより多いと、重合系が不均一となり易く、好ましくない。
分子量調節剤としては、アルコール、無水カルボン酸またはカルボン酸が用いられ、好ましくは、メタノール、エタノール、無水プロピオン酸、無水酢酸であり、特に好ましくは無水酢酸である。分子量調節剤の導入量は、モノマー1kgに対して、0.005〜0.008molの範囲である。
炭化水素等の溶媒としては、ホルムアルデヒドと反応しない化合物であればいかなる炭化水素でも可能であるが、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン等が好ましい。特に好ましくはヘキサンである。また、2種以上を混合して用いることも可能である。
重合装置は、ホルムアルデヒド、分子量調節剤、オニウム塩系重合触媒を同時に供給できる装置であれば特に制限するものではなく、公知の装置が使用され、バッチ式、連続式等が可能である。好ましくは連続式重合装置である。
このようにして得られたポリアセタールホモポリマーは末端基の多くが水酸基であるので、熱的に不安定な為、末端を安定化させる必要がある。
その方法としては、公知の温度での末端基の化学処理条件で得る方法を挙げることができる。即ち、重合体1kgに対してその化学処理剤を0.1〜90kg仕込み、温度は140〜150℃で行い、時間は20〜100分で行う。装置は、連続式でもバッチ式でも可能であるが、好ましくは連続式装置である。また、化学処理剤は、エステル化剤やエーテル化剤等の化学処理剤を用いることができるが、本発明における末端基化学処理剤は、好ましくはエステル化剤を用いる方法である。
化学処理剤としてエステル化剤を用いる方法には、米国特許第3459709号明細書記載の大量の酸無水物を用い、スラリー状態で行う方法と、米国特許第3172736号明細書に記載の酸無水物のガスを用いて気相で行う方法がある。
末端基化学処理に用いるエステル化剤としては、スラリー状態で行う方法、ガスを用いて気相で行う方法のいずれにおいても、下記一般式(2)で表される有機酸無水物や、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸などが挙げられる。
10COOCOR11 (2)
(式中、R10、R11は、各々独立にアルキル基を示す。R10、R11は、同じであっても異なっていてもよい。)
上記一般式(2)で表される有機酸無水物の中では、無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、無水酢酸が特に好ましい。有機酸無水物は1種で用いても良いが2種以上を用いることも可能である。
化学処理剤としてエーテル化剤を用いる方法としては、特公昭63−452号公報等があり、本発明の末端安定化に用いるエーテル化剤としては、オルトエステル、通常は脂肪族または芳香族酸と脂肪族、脂環式族または芳香族アルコールとのオルトエステル、例えばメチルまたはエチルオルトホルメート、メチルまたはエチルオルトアセテートおよびメチルまたはエチルオルトベンゾエート、およびオルトカーボネート、例えばエチルオルトカーボネート、から選択する。
エーテル化反応においては、p−トルエンスルホン酸、酢酸及び臭酸のような中強度有機酸、ジメチル及びジエチルスルフェートのような中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒を、エーテル化剤1kgに対して0.001〜0.02kg導入すると良い。
エーテル化反応の好ましい溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びベンゼン等の低沸点脂肪族、脂環式族及び芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族等の有機溶媒である。
本発明で用いる(B)ポリ−β−アラニン重合体は、主として下記式(3)および式(4)で示される構造単位からなるものである。
[−CH−CH−CONH −] ・・・(3)
[−CH−CH−] ・・・(4)

CONH
構成単位(4)は第一級アミド基を含有しており、その量が、30〜70mol%であることが必要であり、40〜60mol%の割合で含有していることが、より好ましい。 第一級アミド基の量がこの範囲であると生産性に優れる。
第一級アミド基の測定方法を説明する。まず、かき混ぜ機付フラスコ内に試料ポリマーと40質量%水酸化カリウム水溶液を加え、かき混ぜながら105〜110℃で20分間加熱し、第一級アミド基をアンモニアに加水分解する。次いでフラスコ内容物を50℃以下に冷却した後、メタノールを加えアンモニアをメタノールと共に抽出させて、この抽出液を0.1規定硫酸水溶液に吸収させ、指示薬にメチルレッドを用いて0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定を行い、アミド基の量を求める。
(B)ポリ−β−アラニン重合体としては、ギ酸可溶性の低分子量のものから、ギ酸不可溶性の高分子量のものまで使用可能であるが、通常還元粘度(ηsp/c)0.5〜15dl/gが好ましく、より好ましくは1〜10dl/g、更に好ましくは2〜5dl/gに相当する分子量を持つものが用いられる。
還元粘度(ηsp/c)の測定は、ポリマー5gをギ酸100mlに入れ常温で2時間かき混ぜ溶解する。次いで減圧下にろ過してギ酸溶液を得る。このギ酸溶液に500mlのメタノールを加えギ酸溶解物を析出させ、この析出物をろ別した後、真空乾燥機中において80℃で10時間減圧乾燥する。得られた試料を純度99%以上のギ酸に溶解した後、200メッシュのろ過材を通して、試料濃度が1g/dlの溶液を調整する。この溶液をオストワルド粘度計を用いて、35℃の温度における還元粘度を測定する。還元粘度ηsp/c(dl/g)は下記式で計算する。
ηsp/c(dl/g)=(t/t−1)/c
(式中、tは試料溶液の落下時間(秒)、tはギ酸溶液の落下時間(秒)である。)
(B)ポリ−β−アラニン重合体は、例えば触媒としてアリカリ土類金属のアルコラートを用い、アクリルアミドを重合させることによって製造することができる。
(B)ポリ−β−アラニン重合体の重合反応は、溶媒の不存在下で行ってもよいし、存在下で行ってもよい。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素などが挙げられる。
重合は、例えば脱水精製したアクリルアミドに所定量の触媒を加えて、不活性ガス雰囲気中で加熱することによって行われる。重合方法としては、バッチ式溶液重合法、バッチ式塊状重合法、連続式溶液重合法、連続式塊状重合法などを用いることができる。
この重合反応の反応温度は、通常70〜150℃が好ましく、より好ましくは80〜130℃の範囲である。
また、架橋構造を持ったものも使用可能である。架橋構造をもったものとしては、メチレンビスアクリルアミドで架橋させたものを挙げることができる。架橋構造をもたせることで凝集性が改善され、連続生産性が更に良くなる。
(B)ポリ−β−アラニン重合体の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜3.0質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0質量部であり、更に好ましくは0.05〜0.5質量部である。添加量が、0.01質量部以上であると熱安定性効果を保持することができ、3.0質量部未満であると滞留着色が少ないレベルを保持できる。
本発明で用いる(C)融点が140〜230℃であるポリアミド重合体としては、ラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類のいずれもが使用でき、これらのうち少なくとも1種以上用いることが必要である。融点がポリアセタール樹脂の加工温度領域付近にあることにより、押出し機での樹脂圧力を低減させ、生産性を向上させているものと考える。融点の測定は、DSC法により測定することができる。
(C)ポリアミド重合体は、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸またはアミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体的には、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明で用いることのできる(C)ポリアミド重合体の例としては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/612、ポリアミド6/66/610などが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド6/66/610が好ましく、ポリアミド12、ポリアミド6/66/610が生産性の観点からより好ましい。
このような(C)ポリアミド重合体としては、更に相対粘度として3.0以下であることが好ましい。更に好ましくは2.5以下である。相対粘度が2.5以下であると生産性に優れる。
相対粘度の測定は、JIS K6920−1:2000に準拠して行う。具体的には、98%濃硫酸に、1g/100cmの濃度でポリアミドを溶解し、オストワルド型粘度計により25℃で測定した流下時間をt、98%濃硫酸単体の25℃での流下時間をtとして、
ηr=t/t
で示される値である。
(C)ポリアミド重合体の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001〜0.1質量部が好ましく、より好ましくは0.005〜0.08質量部、更に好ましくは0.005〜0.05質量部である。
添加量が、0.001質量部以上であると生産性向上し、0.1質量部未満であると滞留着色が少ないレベルを保持できる。
更に、本発明のポリアセタール樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、従来のポリアセタール樹脂に使用されている添加剤、例えば、耐候(光)安定剤、離型剤等を単独、又はこれらを組み合わせて用いることが出来る。
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質および(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。(イ)ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス −(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベ ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、 好ましくは2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス− (α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。
(ロ)シュウ酸アニリド系物質としては、例えば、2−エトキシ−2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル− 2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2− エトキシ−3′−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(ハ)ヒンダードアミン系物質としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2, 2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラ メチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2, 6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4 −ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオ キシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2, 6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメ チル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル− 4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α′−ビス (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、 トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また上記ベンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質とヒンダードアミン系物質の組合せが最も好ましい。
離型剤としては、アルコール、脂肪酸、およびアルコールと脂肪酸のエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、脂肪酸アミド、金属石鹸、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンオイルが挙げられる。アルコールとしては1価アルコール、多価アルコールがあり、例えば1価アルコールの例としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ベンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘブタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ペヘニルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、ユニリンアルコールがあげられる。
多価アルコールとしては、2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールがあげられる。脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラギン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、 セロプラスチン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
アルコールと脂肪酸のエステルとしては脂肪酸化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸エステルがある。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸基は有っても良いし、無くても良い。何等制限するものではない。例えば、モノエステルであってもジエステル、トリエステルで有っても良い。またほう酸等で水酸基が封鎖されていても良い。
好ましい脂肪酸エステルを例示すると、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、 ソルビタントリベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネートソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネートである。また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エステル化合物としてグリセリンモノ脂肪酸エステルのほう酸エステルもあげられる。
アルコールとジカルボン酸のエステルは、アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、 ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の飽和・不飽和アルコールと、ジカルボン酸としてシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸等とのモノエステル、ジエステルである。
脂肪酸アミドとしては、C16以上の脂肪族カルボン酸と脂肪族アミンもしくは脂肪族ジアミンよりなる脂肪族アミド化合物が用いられる。かかる脂肪族アミドを構成するカルボン酸としては、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、セトレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
また、アミンおよびジアミンとしてはアンモニア、エチレンジアミン等が挙げられる。かかるアミド化合物の例としてはステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、エチレンビスオレイルアミド等が挙げられる。金属石鹸としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。ポリオキシアルキレングリコールとして、例えば第一のグループとして、アルキレングリコールをモノマーとする重縮合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックポリマー等が挙げられる。
これらの重合モル数の好ましい範囲は5〜1000、より好ましい範囲は10〜500である。第二のグループは、第一のグループと脂肪族アルコールとのエーテル化合物である。例えば、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールセチルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜20)、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5 〜30)、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数2〜100)、ポリエチレングリコールオキチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数4〜50)等が挙げられる。第三のグループは、第一のグループと高級脂肪酸とのエステル化合物である。
例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜30)、ポリエチレングリコールモノステアレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜50)、ポリエチレングリコールモノオレエート(エチレンオキサイド重合モル数2〜10)等が挙げられる。
平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物とは下記一般式(5)で示される化合物である。
(CHC) ・・・(5)
〔式中、R、Rは水素、アルキル基、アリール基、エーテル基より選ばれ、各々同一でも異なっていても良い。nは平均重合度で10〜500である。〕
アルキル基としては、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等であり、アリール基としては、例えばフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル基、p−ノニルフェニル基、ベンジル基、p−ブチルベンジル基、トリル基、キシリル基等がある。またエーテル基としては例えばエチルエーテル基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基等がある。
具体的にオレフィン化合物を構成するモノマーとしては エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル− 1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等で表されるオレフィン系モノマー、又は、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3 −ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、シクロペンタジエン等で表されるジオレフィン系モノマーがある。これらオレフィン系モノマー、ジオレフィン系モノマーの2種以上を共重合して得られる化合物であってもかまわない。オレフィン化合物がジオレフィン系モノマーを重合して得られる化合物である場合は熱安定性向上の観点から慣用の水素添加法を用いて炭素−炭素不飽和結合を極力少なくしたオレフィン化合物を用いる方が好ましい。
ポリアセタール樹脂組成物の製造方法としては、単軸又は二軸の押出し機を使用して溶融混練できれば特に限定されるものではないが、本発明の効果をより発揮するためには、押出し機を窒素雰囲気下とすることが好ましい。その場合、押出し機中の酸素濃度を1000ppm以下とすることが必要である。好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下である。これは、押出し機での溶融混練中に熱安定剤して消費される(B)ポリ−β−アラニン重合体と(C)ポリアミド重合体の消費量が低減されることで、溶融混錬後にその効果がより発揮されることになるためであると考えられる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を具体的に説明する。しかし、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例中の用語及び測定法は以下の通りである。
(使用する原料)
[(A)ポリアセタール樹脂]以降、POMと省略する。
(POM−1)
攪拌羽根の付いた連続式にモノマー等を供給できるタンクに脱水したホルムアルデヒドガス100質量部、触媒としてジメチレルジステアリルアンモニウムアセテートを0.1質量部、分子量調節剤として無酢酸を0.1質量部を連続的にフィードしながら、58℃で重合した。得られた粗ポリオキシメチレン重合体をヘキサンと無水酢酸の1対1混合溶媒に入れ、140℃、2.0時間末端基を化学処理した。得られた重合体を120℃、3hr、1mmHGで真空乾燥した。
[(B)ポリ−β−アラニン重合体]
(B−1)
攪拌機を備えたバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400gと、触媒としてカルシウムn−プロピラート1.08g(アクリルアミドに対し1/5000mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。反応終了後に固形物を粉砕した後アセトンで洗浄し乾燥した。
得られた重合体の、第一級アミド基の含有量、還元粘度は以下の通りであった。
・第一級アミド基は、45.0mol%
・還元粘度は、2.3dl/g
(B−2)
攪拌機を備えたバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400gと、触媒としてカルシウムn−プロピラート0.81g(アクリルアミドに対し1/7500mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。反応終了後に固形物を粉砕した後アセトンで洗浄し乾燥した。
得られた重合体の、第一級アミド基の含有量、還元粘度は以下の通りであった。
・第一級アミド基は、63.0mol%
・還元粘度は、2.31dl/g
(B−3)
攪拌機を備えたバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400gとメチレンビスアクリルアミド267g、触媒としてジルコニウムテトライソプロポキシド0.54g(アクリルアミドに対し1/10000mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。反応終了後に固形物を粉砕した後アセトンで洗浄し乾燥した。
得られた重合体は架橋構造体であり、第一級アミド基の含有量、還元粘度は以下の通りであった。
・第一級アミド基は、44.5mol%
・還元粘度は、ギ酸に不溶解のため測定できず
(B−4)
攪拌機を備えたバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400gと、触媒としてカルシウムn−プロピラート0.54g(アクリルアミドに対し1/10000mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。反応終了後に固形物を粉砕した後アセトンで洗浄し乾燥した。
得られた重合体の、第一級アミド基の含有量、還元粘度は以下の通りであった。
・第一級アミド基は、75.0mol%
・還元粘度は、2.4dl/g
[(C)ポリアミド]
(C−1)ポリアミド6/66/610共重合体
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.45kgと、セバシン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩0.32kg、ε−カプロラクタム1.67kg、及び純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分N置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm−Gになるが、18kg/cm−G以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続け、内温が230℃に到達したら過熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取出し粉砕し粉状とした。
融点は150℃、相対粘度は2.0であった。
(C−2)ポリアミド12
ダイセル・デグサ(株)製、商品名:ダイアミドL1700
ペレット状では、分散性に問題があるので、粉砕し粉状とした。
融点は178℃、相対粘度は1.7であった。
(C−3)
C−1で得られた粉状ポリマーを10Lのエバポレーターに入れ、窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。
融点は151℃、相対粘度は2.8であった。
(C−4)ポリアミド66
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.5kgと、純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分N置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm−Gになるが、18kg/cm−G以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続け、内温が260℃に到達したら過熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取出し粉砕し粉状とした。
融点は260℃、相対粘度は2.0であった。
(評価方法)
1)押出し生産性
50φでL/D=24の二軸押出し機を用いて、スクリューパターンがダルメージタイプで、表1に記載の押出し条件にて、連続押出しを実施した。
評価は、スクリーン前の樹脂圧が40kg/cmから60kg/cmになるまでの時間を測定し、押出し生産性とした。
この場合、表1記載の各組成物ともに、押出し当初の樹脂圧は39kg/cmであった。
また、この時間と生産性の関係は以下の通りである。
・時間が短いと生産性が悪い。
・時間が長いと生産性が良い。
2)連続生産性
東芝(株)製、IS100GNの成形機を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃、射出時間15秒、冷却時間10秒で、厚み3mmの5mm×10mmの平板を連続射出成形した。
評価は、連続成形回数は3600回で、最後の3500回から3600回の平板の異物ゴミの数を測定し、成形生産性とした。
この場合、異物ゴミとしては、0.1mm以上の目視可能なものとした。
また、この異物ゴミと成形生産性の関係は以下の通りである。
・異物ゴミが少ないと生産性が良い。
・異物ゴミが多いと生産性が悪い。
3)熱安定性
パーキンエルマー(株)製、TGA−7を用いて、温度220℃、Air(空気)雰囲気下で、試料10mgの5%質量減の時間を測定した。
4)滞留着色性
東芝(株)製、IS100GNの成形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間15秒、冷却時間10秒で、厚み3mmの1.3mm×130mmの成形片を射出成形した。
評価は、シリンダー内の滞留時間0minと30minの成形片について、ミノルタ(株)製、色彩色差計CR200にて、そのb値(黄色度)、及び△b値(0minのb値と、30minのb値の差)を測定した。
5)メルトフローレート (以降、MFRと省略する。)
ASTM D1238に従い、東洋精機(株)製、MELT INDEXERを用いて、シリンダー温度190℃、荷重2.16kgでMFRを測定した。
6)一般物性
東芝(株)製、IS100GNの成形機を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度90℃、射出時間60秒、冷却時間15秒にて、ISO試験片を射出成形した。
評価は、以下の通りの試験法にて測定を実施した。
・引張強度、引張伸度、引張弾性率は、ISO527に従った。
・曲げ強度、曲げ弾性率は、ISO178に従った。
・Charpyは、ISO179/1eAに従った。
7)耐熱エージング性
6)の一般物性で得られたISO試験片を用いて、120℃に設定したギヤオーブンに試験片を入れて、試験片の表面にクラックが発生するまでの日数を測定した。
クラックの発生が早いものは、耐熱エージング性が悪いことを示す。
[実施例1]
200℃に設定された、50φでL/=D24の二軸押出し機を用いて、POM−1を100質量部に対して、B−1を0.2質量部、C−1を0.02質量部を配合し、窒素雰囲気下、表1に記載の条件で連続的に溶融混練し、ペレットを得た。
押出し機中の酸素濃度は150ppmであった。
以降、表1に記載の評価を行った。評価結果は、表1に示す。
[実施例2〜6、及び比較例1〜5]
表1に記載の条件で、実施例1と同じ操作を行った。
押出し機中の酸素濃度は150ppmであった。 評価結果は、表1に示す。
Figure 2009256425
[実施例7]
200℃に設定された、50φでL/=D24の二軸押出し機を用いて、窒素を流して押出し機中の酸素濃度を50ppmにして、表2に記載の条件で連続的に溶融混練し、ペレットを得た。以降、表2に記載の評価を行った。評価結果は、表2に示す。
[実施例8]
200℃に設定された、50φでL/=D24の二軸押出し機を用いて、窒素を流して押出し機中の酸素濃度を1000ppmにして、表2に記載の条件で連続的に溶融混練し、ペレットを得た。以降、表2に記載の評価を行った。評価結果は、表2に示す。
Figure 2009256425
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、電気、電子機器部品や自動車部品及び工業材料などに好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. (A)ポリアセタール樹脂と(B)第一級アミド基を30〜70mol%含有するポリ−β−アラニン重合体と(C)融点が140℃〜230℃であるポリアミド重合体から成ることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. (B)ポリ−β−アラニン重合体が、架橋構造体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. (C)ポリアミド重合体が、相対粘度2.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. (A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ポリ−β−アラニン重合体0.01〜3.0質量部及び(C)ポリアミド重合体0.001〜0.1質量部から成ることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. (A)、(B)及び(C)を窒素雰囲気下、酸素濃度1000ppm以下で溶融混練することを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
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