JP2003220667A - 複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

複合成形体及びその製造方法

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JP2003220667A JP2002022646A JP2002022646A JP2003220667A JP 2003220667 A JP2003220667 A JP 2003220667A JP 2002022646 A JP2002022646 A JP 2002022646A JP 2002022646 A JP2002022646 A JP 2002022646A JP 2003220667 A JP2003220667 A JP 2003220667A
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修 柿木
Daisuke Sanada
大輔 真田
Takao Kondo
隆夫 近藤
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    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアセタール系樹脂成形体と他の熱可塑性
樹脂からなる成形体とが高い接着力で接着した複合成形
体を提供する。 【解決手段】 ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
タール系樹脂成形体と他の熱可塑性樹脂からなる熱可塑
性樹脂成形体とが接着した複合成形体であって、前記ポ
リアセタール系樹脂成形体は、ポリアセタール系樹脂1
00重量部に対して、ポリエーテルエステルアミド樹脂
又は融点もしくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹
脂を0.1〜20重量部含有し、且つ前記ポリアセター
ル系樹脂成形体における前記熱可塑性樹脂成形体との接
着面が表面処理されていることを特徴とする複合成形体
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール系
樹脂成形体と熱可塑性樹脂成形体とが接着した、機能的
で、機械的特性及び耐熱性等の性能に優れる有用な複合
成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール系樹脂は、優れた機械的
強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、成形性、電気的特性
を有している為、エンジニアリングプラスチックとして
幅広い分野で利用されている。しかし、ポリアセタール
系樹脂は、耐酸性、接着性、塗装性、印刷適性、染色性
或いは耐候性などの点で必ずしも十分に満足できるもの
ではない。そのため、ポリアセタール系樹脂と他の熱可
塑性樹脂とを複合化した成形品、即ち、ポリアセタール
系樹脂の欠点が他の熱可塑性樹脂によって補われるとと
もに、ポリアセタール系樹脂の優れた特性をそのまま維
持する、双方の樹脂の利点を有効に発現した成形品が期
待されている。しかしながら、ポリアセタール系樹脂
は、他の材料との接着性が極めて小さい為、他の熱可塑
性樹脂と接着した場合に、剥離してしまうなどの問題が
あり、双方の樹脂の優れた特性を併せもつ複合品を安定
的に作製することは困難である。特に、複合化しようと
する熱可塑性樹脂成形品の接合面がポリオレフィン系樹
脂である場合には、接着性が低くなる。
【0003】ポリアセタール系樹脂の接着性を改善する
ためには、ポリアセタールに官能基を導入して変性する
のが有効である。ポリアセタールへの官能基導入方法と
しては、例えば、特公昭43−23467号公報には、
アミノアルデヒドを共重合モノマーとして用い、アミノ
基を導入する方法が提案されている。特公昭47−19
425号公報には、ニトロ基を有する環状エーテル又は
環状アセタールを共重合モノマーとして用い、還元によ
りニトロ基をアミノ基に変換する方法が開示されてい
る。又、特開平3−21618号公報及び特開平3−2
1619号公報には、共重合モノマーを用いてヒドロキ
シル基などを有するポリアセタール共重合体を製造する
ことが提案され、特開平5−25238号公報には、カ
ルボキシル基、アミド基などを有する環状エーテル又は
環状ホルマールをトリオキサンと共重合することが提案
されている。さらに、特開平8−127631号公報に
は、ポリアセタール系樹脂と重合性化合物とを溶融混練
することにより変性基を導入する方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの変性基が導入されたポリア
セタール系樹脂(変性ポリアセタール)であっても、他
の熱可塑性樹脂に対する接着性が低く、積層等により複
合化することは困難である。
【0004】さらに、特開平03−223322号公報
には、ビニル重合体基の片末端に1〜4個のヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルコ
キシ基のいずれかの官能基を有する特定の化合物を分子
量調整剤とし、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを、
必要に応じて環状エーテルと共に共重合させることによ
り、塗装、印刷が良好な表面加飾性を賦与する方法が記
載されている。しかしながら、この方法では、特殊な構
造の高分子化合物を分子量調整剤として使用する為、相
対的に反応速度が下がり、生産性が低下するという問題
がある。さらに、接着性改善効果も十分ではない。一
方、特開平10−29276号公報には、ポリアセター
ル系樹脂中に、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物
基、ヒドロキシル基、アミド基、アミノ基及びイソシア
ネート基よりなる群から選択された少なくとも1種の変
性基を有する重合性化合物の残基が、ポリアセタール成
分に対して導入された特殊な変性ポリアセタールを含有
させることにより、ポリオレフィン系樹脂との密着性を
改善したポリアセタール系樹脂とポリオレフィン系樹脂
との積層体及びその製造方法が開示されている。しかし
ながら、前記方法で使用される変性ポリアセタールは、
官能基を側鎖又は末端に有する重合性ポリアセタール
と、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロ
キシル基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基等
の変性基を有する重合性化合物とを、ラジカル発生剤
(重合開始剤)の存在下で加熱(溶融混練)することに
より製造するため、製造工程が煩雑であるばかりか、ラ
ジカル発生剤を使用するので、反応の制御が難しく、均
一な製品を提供するのが困難である。さらに、これらの
方法は、ポリアセタール系樹脂を重合時に変性するもの
であり、変性のし易さという点では有利なものの、ポリ
アセタール系樹脂の高い結晶性や結晶化速度の速さに基
づく優れた性能、即ち、機械的性質、耐熱性、耐薬品性
或いは易形性等を犠牲にしてしまうという問題がある。
【0005】又、別の改良手段として、ポリアセタール
系樹脂にある特定の化合物を接触又は溶融混練すること
により、接着性を向上させる方法も検討されている。例
えば、特表平03−503655号公報には、ポリオレ
フィンやポリアセタール等のポリマーの表面に、酸化性
酸溶液による溶蝕、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処
理等の表面処理を行った後に、該表面と(多)官能アジ
リジン又はカルボジイミド化合物を液体接触させること
により、ポリマー表面の表面エネルギー及び親水性を高
めることが記載されている。この方法は基体の性質はそ
のままに、表面性能のみを著しく向上させるという点
で、優れた方法である。しかし、一方で、液体の(多)
官能アジリジン又はカルボジイミド化合物を使用する
為、廃液処理といった環境的な問題がある。又、特開平
11−91040号公報には、ポリアセタール系樹脂に
1級又は2級アミノ基を有するアルキレングリコール系
重合体を含有させることにより、接着性を改良したポリ
アセタール系樹脂とポリオレフィン系樹脂との積層体及
びその製造方法が開示されている。さらに、特開平10
−231456号公報には、ピペリジン骨格を有するヒ
ンダードアミン系化合物をブレンドしたポリアセタール
系樹脂等の難接着性材料を、表面処理を施すことなく、
α−シアノアクリレート系接着剤により強固に接着する
方法が例示されている。しかしながら、これら接着性を
改善する為のアミノ化合物は、ポリアセタール系樹脂と
の相溶性が良くない為、接着力も十分でない。又、これ
らの方法の多くは、接着剤としてシアノアクリレート
系、エポキシ系又はウレタン系等の熱硬化性樹脂を主体
とする接着剤を用いており、接着剤の添加により比較的
高い接着力が得られるものの、使用環境下における温度
変化が大きい場合や歪み量の大きい複合成形品を製造す
る場合には、接着力が不十分で、剥離してしまう等の問
題がある。
【0006】樹脂組成物そのものの接着性を改善するた
めの検討と同様、高い接着力で双方の成形品を接合可能
な接合方法についての検討も重要である。特開2000
−1451号公報には、ポリアセタールを含む樹脂組成
物と、酸無水物基やカルボキシル基等の酸性基を有する
熱可塑性樹脂とを加熱下に接触させることにより、ポリ
アセタール系樹脂組成物と酸性基を有する熱可塑性樹脂
からなるポリアセタール複合体の製造方法が記載されて
いる。しかしながら、このポリアセタール複合体の製造
方法においては、高い密着力を付与するために、接着時
にポリアセタール系樹脂を含む樹脂組成物を230℃以
上に加熱しなければならず、ポリアセタール系樹脂の分
解によって多量のホルムアルデヒドガスが発生する。
又、接着に要する時間も長く、生産性に問題がある。
又、特開2000−108205号公報には、ポリアセ
タール系樹脂からなる1次成形品に熱可塑性樹脂からな
る2次成形品を2次成形する前に、2次成形品と接触す
る1次成形品の表面を1.5倍以上に粗面加工するとい
う複合成形品の製造方法が記載されている。しかしなが
ら、本プラスチック複合成形品は極性官能基を多く含
み、非常に接着性に富む熱可塑エラストマーとの複合成
形品であり、官能基を含まないポリオレフィン樹脂との
複合成形品に関する記載が全くない。さらに加えて、複
合成形品を製造する方法が射出成形法によるものなの
で、1次成形品が大型である場合には金型中に収納する
ことができない、又は1次成形品が中空形状である場合
には、2次成形時の射出圧によって変形して不具合が生
じるといった、形状的な制約が大きいという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
アセタール系樹脂成形体と他の熱可塑性樹脂からなる成
形体とが高い密着力で接着した複合成形体、及び該複合
成形体を容易に製造可能な製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の課題は、ポリアセタール系樹脂の優れ
た特性(例えば、機械的強度、耐薬品性、耐熱性など)
を損なうことなく、他の熱可塑性樹脂と複合化した複合
成形体及び該複合成形体を容易に製造可能な製造方法を
提供することにある。本発明の更に他の課題は、成形加
工性の高い汎用的な複合成形体及び該成形体を容易に製
造可能な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、ポリアセタール
系樹脂に、ポリエーテルエステルアミド樹脂又は融点も
しくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹脂を含有す
る材料を用いるとともに、ポリアセタール系樹脂成形品
の接着面に表面処理を施すことによって、ポリアセター
ル系樹脂成形品と他の熱可塑性樹脂成形品とを強固に接
着し得るとの知見を、この知見に基づいてさらに検討を
重ねて、本発明を完成するに至った。ポリアセタール樹
脂にポリエーテルエステルアミド樹脂又は前記特性を有
するポリアミド樹脂を添加することによって、無添加品
に比べて接着性が向上する理由の詳細については、明ら
かではないが、ポリアミド樹脂及びポリエーテルエステ
ルアミド樹脂中のポリアミド単位は、一般的に、高い接
着能を発現するので、これらの樹脂をポリアセタール系
樹脂に添加することにより、熱可塑性樹脂との接着性が
改良されたものと考えられる。さらに、表面処理による
前記ポリアミド樹脂又はポリエーテルエステルアミド樹
脂の表面局在化と相まって、接着に寄与する表面積が広
くなること等が接着性向上の原因と考えられる。特に、
本発明の製造方法により複合成形体を製造する場合は、
ポリアセタール系樹脂成形体を加熱する工程において、
表面に偏析したポリアミド系樹脂又はポリエーテルエス
テルアミド樹脂が軟化もしくは溶融状態になり、ポリア
ミド系樹脂成形体の接着性がより高まるものと推定され
る。
【0009】即ち、前記課題を解決するため、本発明の
複合成形体は、ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
タール系樹脂成形体と他の熱可塑性樹脂からなる熱可塑
性樹脂成形体とが接着した複合成形体であって、前記ポ
リアセタール系樹脂成形体は、ポリアセタール系樹脂1
00重量部に対して、ポリエーテルエステルアミド樹脂
又は融点もしくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹
脂を0.1〜20重量部含有し、且つ前記ポリアセター
ル系樹脂成形体における前記熱可塑性樹脂成形体との接
着面が表面処理されていることを特徴とする。
【0010】本発明の好ましい態様として、前記ポリア
セタール系樹脂成形体の接着面が、酸処理、アルカリ処
理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処
理及び電子線照射処理よりなる群から選ばれるいずれか
の表面処理を施されていることを特徴とする上記複合成
形体;前記ポリエーテルエステルアミド樹脂又は前記融
点もしくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹脂のア
ミン価もしくは酸価が、2mgKOH/g以上であるこ
とを特徴とする上記複合成形体;前記融点もしくは軟化
点が165℃以下のポリアミド樹脂が、PA6/12共
重合体、PA66/12共重合体、PA6/66/61
0共重合体、PA6/66/12共重合体、PA6/6
6/610/12共重合体及びダイマー酸ポリアミドか
らなる群から選ばれる、少なくとも1種のポリアミド樹
脂であることを特徴とする上記複合成形体;前記ポリエ
ーテルエステルアミド樹脂が、ポリアミド構成単位が重
合脂肪酸とジアミンとの重縮合により得られるダイマー
酸ポリアミドであり、且つポリアルキレングリコール構
成単位がポリエチレングリコールであるポリエーテルエ
ステルアミド樹脂であることを特徴とする上記複合成形
体;が提供される。
【0011】本発明の複合成形体には、従来、ポリアセ
タール系樹脂との接着性が特に困難とされていたポリオ
レフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂成形体を用いるこ
とができる。即ち、本発明の一態様として、前記熱可塑
性樹脂成形体が、反応性官能基を有する変性ポリオレフ
ィン系樹脂を少なくとも含むことを特徴とする上記複合
成形体;前記熱可塑性樹脂成形体が、未変性ポリオレフ
ィン系樹脂からなる第一の層と反応性官能基を有する変
性ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層とを積層した
構造を含み、前記熱可塑性樹脂成形体における前記ポリ
アセタール系樹脂成形体との接着面が、前記第二の層の
表面であることを特徴とする上記複合成形体;前記熱可
塑性樹脂成形体が、反応性官能基を有する変性ポリオレ
フィン系樹脂及び未変性ポリオレフィン系樹脂を含むこ
とを特徴とする上記複合成形体;JISK7210法に
基づいて、シリンダー温度190℃、且つ負荷荷重21
60gという条件にて測定された前記変性ポリオレフィ
ン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、2g/1
0min以下であり、さらにJIS 7112法に基づ
いて測定された常温における前記変性ポリオレフィン系
樹脂の密度が0.90g/cm3以上であることを特徴
とする上記複合成形体;が提供される。これらの態様に
おいて、前記変性ポリオレフィン系樹脂が有する反応性
官能基は、好ましくは、酸無水物基、エポキシ基及びカ
ルボキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種で
あるのが好ましい。
【0012】本発明の一態様として、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体及び/又は前記熱可塑性樹脂成形体が中
空部を有することを特徴とする上記複合成形体;前記ポ
リアセタール系樹脂成形体及び/又は前記熱可塑性樹脂
成形体が中空容器であることを特徴とする上記複合成形
体;が提供される。
【0013】又、前記課題を解決するため、本発明の複
合成形体の製造方法は、ポリアセタール系樹脂からなる
ポリアセタール系樹脂成形体と、他の熱可塑性樹脂から
なる熱可塑性樹脂成形体とを接着した複合成形体の製造
方法であって、ポリアセタール系樹脂と、該ポリアセタ
ール系樹脂100重量部に対して、ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂又は融点もしくは軟化点が165℃以下の
ポリアミド樹脂を0.1〜20重量部とを含有する前記
ポリアセタール系樹脂成形体の表面の少なくとも一部に
表面処理を施す表面処理工程と、前記ポリアセタール系
樹脂成形体の表面処理された少なくとも一部の表面が8
0℃以上前記ポリアセタール系樹脂の融点未満の温度に
なるまで加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加
熱された前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理さ
れた少なくとも一部の表面と前記ポリアセタール系樹脂
の融点以上の温度に加熱された前記熱可塑性樹脂成形体
の少なくとも一部の表面とを圧着する圧着工程とを含む
ことを特徴とする。
【0014】本発明の好ましい態様として、前記表面処
理工程が、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、
コロナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処理よ
りなる群から選ばれるいずれかの表面処理を施す工程で
あることを特徴とする上記複合成形体の製造方法;前記
ポリエーテルエステルアミド樹脂又は前記融点もしくは
軟化点が165℃以下のポリアミド樹脂のアミン価もし
くは酸価が、2mgKOH/g以上であることを特徴と
する上記複合成形体の製造方法;前記融点もしくは軟化
点が165℃以下のポリアミド樹脂が、PA6/12共
重合体、PA66/12共重合体、PA6/66/61
0共重合体、PA6/66/12共重合体、PA6/6
6/610/12共重合体及びダイマー酸ポリアミドか
らなる群から選ばれる、少なくとも1種のポリアミド樹
脂であることを特徴とする上記複合成形体の製造方法;
前記ポリエーテルエステルアミド樹脂が、ポリアミド構
成単位が重合脂肪酸とジアミンとの重縮合により得られ
るダイマー酸ポリアミドであり、且つポリアルキレング
リコール構成単位がポリエチレングリコールであるポリ
エーテルエステルアミド樹脂であることを特徴とする上
記複合成形体の製造方法;が提供される。
【0015】本発明の製造方法によれば、従来ポリアセ
タール系樹脂との接着性が特に困難とされていたポリオ
レフィン系樹脂成形体とポリアセタール系樹脂成形体と
を高い接着力で接着することができる。即ち、本発明の
一態様として、前記熱可塑性樹脂成形体が、反応性官能
基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含む
ことを特徴とする上記複合成形体の製造方法;前記熱可
塑性樹脂成形体が、未変性ポリオレフィン系樹脂からな
る第一の層と反応性官能基を有する変性ポリオレフィン
系樹脂からなる第二の層とを積層した構造を含み、前記
熱可塑性樹脂成形体における前記ポリアセタール系樹脂
成形体との接着面が、前記第二の層の表面であることを
特徴とする上記複合成形体の製造方法;前記熱可塑性樹
脂成形体が、反応性官能基を有する変性ポリオレフィン
系樹脂及び未変性ポリオレフィン系樹脂を含むことを特
徴とする上記複合成形体の製造方法;JIS K721
0法に基づいて、シリンダー温度190℃、且つ負荷荷
重2160gという条件にて測定された前記変性ポリオ
レフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、2
g/10min以下であり、さらにJIS 7112法
に基づいて測定された常温における前記変性ポリオレフ
ィン系樹脂の密度が0.90g/cm3以上であること
を特徴とする上記複合成形体の製造方法;が提供され
る。
【0016】本発明の製造方法によれば、2つの成形体
を接着する際に、射出成形圧のような高圧がかからない
ので、前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/又は前記
熱可塑性樹脂成形体が中空部を有する成形体である場
合、前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/又は前記熱
可塑性樹脂成形体が中空容器である場合などに特に有効
である。
【0017】なお、本明細書において、「成形体」の用
語は最も広義に解釈されるべきであり、その形状、製造
方法については限定されず、3次元形状を有する射出成
形体、押出成形等によって製造されたフィルム状、シー
ト状の成形体、及びそれらを一部に含んだ成形体等、あ
らゆる形態の成形体が含まれる。又、本明細書におい
て、「ポリアセタール系樹脂成形体」及び「熱可塑性樹
脂成形体」は、少なくとも一部にポリアセタール系樹脂
成形体及び熱可塑性樹脂成形体を各々含んでいればよ
く、他の材料からなる部分を有していてもよい。又、本
明細書において、「複合成形体」についても、ポリアセ
タール系樹脂成形体と熱可塑性樹脂成形体とが接着した
構造を含む限り、「成形体」と同様、最も広義に解釈さ
れるべきである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の複合成形体は、ポリアセ
タール系樹脂からなるポリアセタール系樹脂成形体と熱
可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂成形体とが接着した複
合成形体である。本発明に用いられるポリアセタール系
樹脂は、オキシメチレンユニット(−CH2O−)を主
たる構成単位として含むポリアセタール系樹脂である。
前記ポリアセタール系樹脂は、オキシメチレン基以外の
ユニットを含むポリアセタールコポリマーであってもよ
く、オキシメチレン基以外のユニットとしては、炭素数
2〜6程度、好ましくは炭素数2〜4程度のオキシアル
キレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2
O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基
など)を構成単位として含むポリアセタールコポリマー
が好ましい。前記ポリアセタールコポリマーは、二成分
で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリ
マー等の複数の成分で構成されていてもよい。ポリアセ
タールコポリマーは、一般にランダムコポリマーである
が、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーなどであ
ってもよい。前記ポリアセタール系樹脂は、ホルムアル
デヒドの環状オリゴマーであるトリオキサンやテトラオ
キサンとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールのホル
マールなどの炭素数2〜6程度のオキシアルキレンユニ
ットを有する環状エーテルとを共重合することにより製
造できる。
【0019】前記ポリアセタール系樹脂としては、トリ
オキサンとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキ
ソランを共重合したコポリマーが好ましい。さらに、前
記ポリアセタール系樹脂のオキシメチレンユニットの重
量構成比が、ポリアセタール系樹脂全体に対して、90
〜99.5重量%であるのが好ましく、94.5〜9
9.5重量%であるのがより好ましい。ポリアセタール
系樹脂のオキシメチレンユニットの重量構成比が、9
9.5重量%を超えると、熱安定性が著しく悪化して、
ポリアセタール系樹脂成形体を作製する際に、モールド
デポジットの増大やシルバー発生等の不具合が生ずるこ
とから好ましくない。さらに、結晶化度の上昇に伴っ
て、異樹脂との親和性が低下し、ポリアミド樹脂やポリ
エーテルエステルアミド樹脂を添加した際に、ウェルド
物性の悪化や2次凝集による剥離等が起こり易くなるこ
とから好ましくない。一方、前記ポリアセタール系樹脂
のオキシメチレンユニットの重量構成比が、90重量%
未満であると、ポリアセタール系樹脂本来の優れた特性
が低下してしまうことに加え、ポリアセタール分子鎖の
化学的安定性が増し、表面処理を実施した場合の接着性
改良効果が低下するので、好ましくない。
【0020】前記ポリアセタール系樹脂の重合度、分岐
度及び架橋度は特に制限はないが、メルトインデックス
(流動性)が高いほうが、熱可塑性樹脂成形体との接着
性が向上するので好ましい。この理由としては、ポリア
セタール系樹脂のメルトインデックス(流動性)が高い
ほど、複合成形体を作製する際の圧着工程において、熱
可塑性樹脂成形体との密着性が上がることに加え、ポリ
アセタール系樹脂の分子量が小さいので、極性末端基数
が多いことに起因して、より接着力が上がるためである
と考えられる。この観点から、前記ポリアセタール系樹
脂のASTMD1238−89E法に基づき、シリンダ
ー温度190℃、負荷荷重2160gという条件にて測
定されたメルトインデックス(MI値)は、5g/10
min以上であるのが好ましく、10g/10min以
上であるのがより好ましい。
【0021】本発明に用いられるポリアセタール系樹脂
成形体は、ポリアセタール系樹脂100重量部に対し
て、0.1〜20重量部のポリアミド樹脂もしくはポリ
エーテルエステルアミド樹脂を含有する(例えば、溶融
混練により含有する)ポリアセタール系樹脂組成物より
作製されている。一般的に、ポリアセタール系樹脂は、
他の樹脂との親和性に乏しく、他の樹脂を大量に溶融混
練することは非常に困難である。例えば、ポリオレフィ
ン樹脂との接着性を向上させる目的で、ポリアセタール
系樹脂にポリオレフィン樹脂を添加しても、接着性は全
く向上しないばかりか、逆に剥離現象やウェルド強度の
低下といった不具合が発生する。従って、ポリアセター
ル系樹脂にポリアミド樹脂を添加する場合には、ポリア
ミド樹脂の選択が重要となる。本発明においては、ポリ
アミド樹脂として、融点もしくは軟化点が165℃以
下、好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃
以下のポリアミド樹脂を用いる。融点もしくは軟化点が
165℃を超えるポリアミド樹脂を用いると、上記した
様に、他の熱可塑性樹脂との接着性が向上しないばかり
か、ポリアセタール系樹脂に溶融混練した場合には、外
観不良現象や熱安定性の低下といった不具合が生じる。
【0022】ポリアミド樹脂とは、(1)ラクタム開環
重縮合体、(2)アミノカルボン酸重縮合体、又は
(3)ジカルボン酸とジアミンとの重縮合体のことをい
う。(1)のアミド樹脂の製造に用いられるラクタムと
しては、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラ
クタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。(2)の
アミド樹脂に用いられるアミノカルボン酸としては、ω
−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミ
ノカプリル酸、ω−アミノペンゴン酸、ω−アミノカプ
リン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸等が挙げられる。(3)のアミド樹脂に用いられ
るジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタ
ル酸、重合脂肪酸等が挙げられ、ジアミンとしては、ヘ
キサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、メタキシ
レンジアミン等が挙げられる。
【0023】本発明に用いられる融点もしくは軟化点が
165℃以下のポリアミド樹脂は、上記(1)〜(3)
のアミド樹脂のアミド単位形成モノマーとして例示した
ものを2種類以上併用することにより、容易に得ること
ができる。これらの中で好ましいものはPA6/12共
重合体、PA66/12共重合体、PA6/66/61
0共重合体、PA6/66/12共重合体、PA6/6
6/610/12共重合体、及び主として重合脂肪酸と
ジアミンとの反応よって得られるダイマー酸ポリアミド
樹脂であり、特に好ましいのは、ダイマー酸ポリアミド
樹脂である。ダイマー酸ポリアミド樹脂は、一般的にホ
ットメルト接着剤として用いられることからもわかるよ
うに、非晶性ポリアミド樹脂であり、非常に接着性に富
んでいるので、本発明において最も好適に用いられる。
【0024】又、本発明に用いられるポリアミド樹脂が
酸価もしくはアミン価を持つ場合は、他の熱可塑性樹脂
が反応性官能基を有する場合に、該反応性官能基と間の
化学反応が進行して、より強固に接着するので好まし
い。前記ポリアミド樹脂の酸価もしくはアミン価が2m
gKOH/g以上であるのが好ましく、4mgKOH/
g以上であるのがより好ましい。
【0025】さらに、本発明におけるポリアミド樹脂の
溶融粘度に関しては、被着体との密着性や表面傾斜性と
いう観点から、低粘度のほうが好ましいが、低粘度品を
使用すると、表層剥離等の不具合が発生し易くなるとい
う観点から、ポリアセタール系樹脂との溶融粘度や親和
性を考慮して、その都度適宜決定すればよい。
【0026】一方、本発明において用いられるポリエー
テルエステルアミド樹脂は、ポリアミド単位とポリオキ
シアルキレングリコール単位とから主に構成されている
セグメント化共重合体である。好ましくは、(a)ポリ
アミド単位15〜90重量部と(b)ポリオキシアルキ
レングリコール単位85〜10重量部とから主として構
成されるセグメント化共重合体である。
【0027】前記ポリエーテルエステルアミド樹脂を構
成する(a)ポリアミド単位とは、(1)ラクタム開環
重縮合体、(2)アミノカルボン酸重縮合体、又は
(3)ジカルボン酸とジアミンとの重縮合体からなる単
位をいう。(1)のポリアミド単位のラクタムとして
は、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタ
ム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。(2)のポリ
アミド単位のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカ
プロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル
酸、ω−アミノペンゴン酸、ω−アミノカプリン酸、1
1−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が
挙げられる。(3)のポリアミド単位のジカルボン酸と
しては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウン
デカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸、重合脂肪酸
等が挙げられ、又ジアミンとしては、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン等
が挙げられる。前記ポリアミド単位の分子量は300〜
15,000であるのが好ましく、800〜5,000
であるのがより好ましい。尚、上記アミド単位形成モノ
マーとして例示したものは、2種類以上を併用してもよ
い。前記ポリエーテルエステルアミド樹脂が有する
(a)ポリアミド単位としては、主として重合脂肪酸と
ジアミンの重縮合反応より得られるダイマー酸ポリアミ
ド単位が好ましい。なお、重合脂肪酸とは、不飽和脂肪
酸の重合体、あるいはかかる重合体を水素添加して不飽
和度を下げたものである。本発明のポリアミド樹脂又は
ポリエーテルエステルアミド樹脂で使用される重合脂肪
酸としては、炭素数10〜24程度で、二重結合又は三
重結合を1個以上有する一塩基酸の二量体(ダイマー
酸)及び/又はその水素添加物が好ましい。この様な一
塩基酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、エ
ルカ酸等が挙げられる。
【0028】前記ポリエーテルエステルアミド樹脂を構
成する(b)ポリオキシアルキレングリコール単位と
は、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位からなり、2
00〜8,000の分子量を有する単位をいう。具体的
には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等が
挙げられるが、これらのうち、好ましいものはポリオキ
シエチレングリコールである。
【0029】本発明に用いられるポリエーテルエステル
アミド樹脂として、ポリアミド構成成分がダイマー酸ポ
リアミド、ポリアルキレングリコール構成成分がポリエ
チレングリコールであるポリエーテルエステルアミド樹
脂が、最適である理由としては、以下のような材料設計
による。すなわち、ポリアミド構成成分がダイマー酸ポ
リアミド樹脂であると、ダイマー酸ポリアミド樹脂が非
晶性であり、融点が低く、接着性に富む。一方、ポリア
ルキレングリコール構成成分がポリエチレングリコール
であると、ポリアセタール系樹脂に混練する際の親和性
が高くなる。従って、前記構成のポリエーテルエステル
アミド樹脂を用いると、ポリアセタール系樹脂に溶融混
練した場合、前記ポリエーテルエステルアミド樹脂は比
較的小さい分散径の微粒子として分散するので、樹脂間
の界面強度を上げることができ、又高い接着性を賦与す
ることができる。
【0030】前記熱可塑性ポリエーテルエステルアミド
樹脂とその製造法は既に知られており、例えば、ポリエ
ーテルとジカルボン酸からなる縮合ポリエステルプレポ
リマーの存在下に陰イオン触媒を用いてラクタムを開環
重合させる方法(米国特許第3993709号公報);
ラクタム又はω−アミノカルボン酸、ジカルボン酸及び
ポリオールを加熱重合させる方法(西独国特許公開第2
712987号及び同第2936976号公報);分子
鎖末端にカルボキシル基を有するジカルボン酸アミドと
ポリオールとをチタン酸塩系触媒を用いて縮合させる方
法(米国特許第4230838号公報);等がある。
【0031】本発明には、ポリエーテルエステルアミド
樹脂として、市販の一般的な材料を使用することができ
るが、ポリエーテルエステルアミド樹脂が酸価もしくは
アミン価を持つ場合は、他の熱可塑性樹脂が反応性官能
基を有する場合に、該反応性官能基と間の化学反応が進
行して、より強固に接着するので好ましい。ポリエーテ
ルエステルアミド樹脂の酸価もしくはアミン価は、2m
gKOH/g以上であるのが好ましく、4mgKOH/
g以上であるのがより好ましい。高酸価のポリエーテル
エステルアミド樹脂はポリエーテルエステルアミド樹脂
の製造時に添加する2価カルボン酸又はポリアルキレン
グリコールの量を調整することによって製造できる。一
方、高アミン価のポリエーテルエステルアミド樹脂は、
例えば、特開平11−228691号公報等に記載され
ている方法により製造することが可能である。
【0032】本発明においては、ポリアセタール系樹脂
に、該ポリアセタール系樹脂100重量部に対して、ポ
リエーテルエステルアミド樹脂又は融点もしくは軟化点
が165℃以下のポリアミド樹脂を、0.1〜20重量
部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは
1〜7重量部添加する。添加量が0.1重量部未満であ
ると、接着性改善効果が十分でではなく、一方、添加量
が20重量部を超えると、ウェルド物性の低下やポリア
ミド樹脂等の2次凝集による外観不良や表層剥離といっ
た不具合が生じるだけでなく、接着性も低下してしま
う。なお、成形性や機械的特性に欠点を生じさせること
なく、最も接着性が向上する添加量としては、1〜7重
量部程度であることが多い。
【0033】本発明において、前記ポリアセタール系樹
脂成形体における熱可塑性樹脂成形体との接着面は、表
面処理を施されていることを特徴とする。これらの表面
処理を実施することによって、ポリアセタール系樹脂の
接着性が向上する理由としては、接着性阻害物質(we
ak boundary layer)の除去、表層部
のポリアセタール系樹脂の分解と処理媒体(処理溶液や
雰囲気ガス)の活性種(イオン、ラジカル)によるイン
プランテーションに基づく極性官能基の生成といったこ
とが挙げられるが、本発明においては、さらに接着性物
質の表層偏析という理由が挙げられる。すなわち、表面
処理を実施することによって、最表層部の接着性阻害物
質やポリアセタール樹脂が分解し、その結果、成形品内
部に埋没していた接着性物質であるポリアミド樹脂又は
ポリエーテルエステルアミド樹脂が成形品最表層部分に
偏在することにより、接着に寄与するポリアミド樹脂又
はポリエーテルエステルアミド樹脂の割合が増える為で
あると考えられる。つまり、ポリアセタール樹脂分子鎖
とポリアミド樹脂或いはポリエーテルエステルアミド樹
脂分子鎖との化学的安定性の違いを利用して、接着性の
高いポリアミド樹脂或いはポリエーテルエステルアミド
樹脂を選択的に表層部分に偏在させるようにしたという
点で、従来の方法とは大きく異なる。
【0034】ポリアセタール系樹脂成形体の表面に施さ
れる表面処理は、表面性状の接着性を、上記の如く向上
させ得る処理であればいずれでもよい。又、表面処理
は、ウェットプロセスであっても、ドライプロセスであ
ってもよい。ウェットプロセスとしては、酸処理、アル
カリ処理等があり、ドライプロセスとして、低温プラズ
マ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射
処理等がある。本発明におけるポリアセタール系樹脂の
好ましい表面処理方法としては、接着性改善効果を重視
した場合、ウェットプロセスとしては酸処理、ドライプ
ロセスとしては低温プラズマ処理であるが、酸処理の場
合には廃液処理を行う必要があり、環境負荷という観点
からは、酸処理よりも低温プラズマ処理のほうが好まし
い。表面処理の詳細については、後述の製造方法にて説
明する。
【0035】なお、本発明において、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外
線吸収剤などの安定化剤、安定剤(アミジン化合物、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、
有機又は無機塩類など)、耐候(光)性安定剤、可塑
剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、着色剤などの添加剤を
添加してもよい。
【0036】本発明において、前記ポリアセタール系樹
脂成形体と接着している熱可塑性樹脂成形体を構成して
いる熱可塑性樹脂(但し、ポリアセタール系樹脂は除
く)については、特に制限はなく、例えば、オレフィン
を主モノマーとするオレフィン系樹脂、ABSやSEB
S等に代表される芳香族ビニル化合物を主モノマーとす
るスチレン系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂、ポリエステルエラストマー、あるいはポリ
ウレタンエラストマー等が挙げられる。前記熱可塑性樹
脂成形体は、2種以上の熱可塑性樹脂を含んでいてもよ
く、又、異なる熱可塑性樹脂を含む層を積層した構造を
含んでいてもよい。
【0037】本発明において、熱可塑性樹脂は他の共重
合成分を含む共重合体であってもよく、又、変性処理
(例えば、酸化、還元、付加、置換、縮合等)されたも
のであってもよい。前記熱可塑性樹脂成形体は、反応性
官能基を主鎖及び/又は側鎖に含む熱可塑性樹脂を含ん
でいるのが好ましく、前記熱可塑性樹脂成形体が積層構
造を有する場合は、接着面となる最外層に前記反応性官
能基を有する熱可塑性樹脂を含んでいるのが好ましい。
反応性官能基を有する熱可塑性樹脂を前記成形体に含有
させると、上記した様に、表面処理によって前記ポリア
セタール系樹脂成形体の表面に偏析したポリアミド樹脂
又はポリエーテルエステルアミド樹脂が有するアミド結
合と、反応性官能基との相互作用により強固に接着す
る。特に、前記ポリアミド樹脂又はポリエーテルエステ
ルアミド樹脂が酸価もしくはアミン価を持つ場合には、
化学反応によって、さらに強固に接着する。
【0038】反応性官能基は、反応性官能基を有する共
重合成分を含ませることによって、又は、熱可塑性樹脂
を変性処理することによって、熱可塑性樹脂中に導入す
ることができる。前記反応性官能基としては、例えば、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、酸無水物基、スルホ
ン酸基、エポキシ基、1級又は2級アミノ基などが挙げ
られる。
【0039】本発明においては、前記ポリアセタール系
樹脂成形体が、酸価を持つポリアミド樹脂又はポリエー
テルエステルアミド樹脂を含有する場合は、熱可塑性樹
脂成形体は、反応性官能基としてエポキシ基又は酸無水
物基を有する熱可塑性樹脂(例えば、エポキシ変性ポリ
オレフィン樹脂又は酸無水物変性ポリオレフィン樹脂)
を少なくとも含有しているのが好ましく、アミン価を持
つポリアミド樹脂又はポリエーテルエステルアミド樹脂
を含有する場合は、熱可塑性樹脂成形体は、反応性官能
基として酸無水物基、エポキシ基又はカルボキシル基を
有する熱可塑性樹脂(例えば、酸無水物変性ポリオレフ
ィン樹脂、エポキシ基変性ポリオレフィン樹脂又はカル
ボキシル基変性ポリオレフィン樹脂)を少なくとも含有
しているのが好ましい。
【0040】前記熱可塑性樹脂成形体には、必要に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、安定剤
(アミジン化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
の酸化物や水酸化物、有機又は無機塩類など)、耐候
(光)性安定剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、
着色剤などの添加剤を添加してもよい。
【0041】前記熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン
系樹脂は、結晶性樹脂であることに加えて、未変性のま
まであると、高い接着力を発現する極性基を持たないの
で、従来の方法ではポリアセタール系樹脂成形体との接
着が非常に困難であった。従って、本発明は、他の熱可
塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である態様において、
その効果が顕著である。以下、熱可塑性樹脂として、ポ
リオレフィン系樹脂を用いた実施の形態について詳細に
説明する。
【0042】本発明の一実施形態は、反応性官能基を有
するポリオレフィン系樹脂、又はこれと未変性ポリオレ
フィン系樹脂の双方を含有し、且つ、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体との接着面に変性ポリオレフィン系樹脂
部分を少なくとも有するポリオレフィン系樹脂成形体
と、前記ポリアセタール系樹脂成形体とが接着した複合
成形体である。又、本発明の他の実施形態は、未変性ポ
リオレフィン系樹脂を含有する第一の層と反応性官能基
を有するポリオレフィン系樹脂を含有する第二の層とを
積層した積層構造を有する熱可塑性樹脂成形体の前記第
二の層と、前記ポリアセタール系樹脂成形体とが接着し
た複合成形体である。これらの実施の形態では、反応性
官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を用い、前者
では前記ポリアセタール系樹脂成形体との接着面に存在
させることにより接着剤として機能させ、後者ではポリ
アセタール系樹脂成形体と未変性ポリオレフィン系樹脂
層との間に配置した層に含有させることにより、該層を
接着層として機能させて、ポリオレフィン系樹脂層とポ
リアセタール系樹脂成形体との強固な接着性を確保して
いる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系単
量体の単独重合体及び共重合体を包含し、これらのう
ち、反応性官能基を含有しない樹脂を本明細書において
は「未変性ポリオレフィン樹脂」と称し、反応性官能基
を有する樹脂を「変性ポリオレフィン系樹脂」と称す
る。
【0043】上記実施形態に用いられる未変性ポリオレ
フィン系樹脂には、例えば、エチレン、プロピレン、ブ
テン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、
ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独
又は共重合体(例えば、ランダム、ブロック又はグラフ
ト共重合体);前記α−オレフィンと共重合性単量体と
の共重合体(例えば、ランダム、ブロック又はグラフト
共重合体);等の未変性樹脂が含まれる。前記共重合性
単量体としては、例えば、共役ジエン成分(ブタジエ
ン、イソプレン、ピペリレンなど)、非共役ジエン成分
(1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエ
ンなど)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチルなど)、ビニルエステル
(酢酸ビニルなど)などの炭化水素系単量体が挙げられ
る。
【0044】前記未変性ポリオレフィン系樹脂として
は、より具体的には、ポリエチレン系重合体(例えば、
低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体など)、ポリプロピレン系重合体(例えば、
アイソタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレン
ホモポリマー、プロピレン−α−オレフィンランダム共
重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体
など)、ポリ(4−メチルペンテン−1)などが例示で
きる。これらの未変性ポリオレフィン系樹脂は単独で又
は二種以上組合せて使用できる。なお、未変性ポリオレ
フィン系樹脂の重合度、側鎖や分岐の有無、分岐度、共
重合組成割合などは、成形性を損わない限り特に制限さ
れない。好ましい未変性ポリオレフィン系樹脂には、エ
チレン及び/又はプロピレンを主たる構成単位とするポ
リエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体が含まれ
る。
【0045】上記実施形態において用いられる変性ポリ
オレフィン系樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、エポキシ
基、1級又は2級アミノ基などの反応性官能基を有する
変性ポリオレフィン系樹脂が含まれる。ここで、「変性
ポリオレフィン系樹脂」には、オレフィン成分以外の反
応性官能基を有する共重合成分を含むポリオレフィン系
樹脂共重合体、及び、オレフィン成分のみからなるポリ
オレフィン樹脂又はオレフィン以外の共重合成分を含む
ポリオレフィン系樹脂共重合体を変性処理したポリマー
の双方が含まれる。前記変性ポリオレフィン系樹脂は、
種類の異なる複数の反応性基を有していてもよい。好ま
しい反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基及び
エポキシ基である。前記変性ポリオレフィン系樹脂は、
これらの反応性官能基のいずれかを有する単量体を共重
合成分として用いることによって、又はポリオレフィン
系樹脂を酸化などの変性処理することによって得られ
る。前記変性ポリオレフィン系樹脂の基本となる未変性
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独
又は共重合体(ランダム、ブロック、又はグラフト共重
合体)、前記α−オレフィンと共重合性単量体との共重
合体(ランダム、ブロック、又はグラフト共重合体)な
どが例示でき、前記共重合性単量体としては、共役ジエ
ン成分、非共役ジエン成分、(メタ)アクリル酸エステ
ル、ビニルエステル(酢酸ビニルなど)の他、(メタ)
アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体(スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルス
チレンなど)、ビニルエーテル(ビニルメチルエーテル
など)などが例示できる。
【0046】前記反応性官能基を有する単量体として
は、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体[例えば、
アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トなど]、カルボキシル基又は酸無水物基を有する単量
体[例えば、(メタ)アクリル酸、プロピロール酸、ク
ロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、ケイ皮酸
などの芳香族不飽和モノカルボン酸、無水マレイン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など
の脂肪族不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノエステル
(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレ
イン酸モノブチルなどのマレイン酸モノエステルやこれ
らに対応するフマル酸モノエステル)などの不飽和ジカ
ルボン酸モノエステルなど]、スルホン酸基を有する単
量体[例えば、スチレンスルホン酸など]、エポキシ基
を有する単量体[例えば、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテルなど]、アミノ基を有
する単量体[例えば、ビニルアミン、アリルアミン、ア
ミノスチレンなど]などが例示できる。
【0047】前記変性ポリオレフィン系樹脂としては、
カルボキシル基、酸無水物基又はエポキシ基を有する単
量体で変性された変性ポリエチレン系樹脂、変性ポリプ
ロピレン系樹脂が好ましい。より具体的には、低密度、
中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの変性ポリエチ
レン系樹脂;ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−
オレフィンブロック共重合体などの変性ポリプロピレン
系樹脂;などが好ましい。変性ポリオレフィン系樹脂に
おいて、変性基はポリオレフィン系樹脂の末端又は高分
子鎖中の適当な部位に結合していてもよい。
【0048】前記変性ポリオレフィン系樹脂の変性量の
好ましい範囲は、基本となるポリオレフィン系樹脂に対
して、0.01〜10重量%であるのが好ましく、0.
1〜5重量%程度であるのがより好ましい。変性ポリオ
レフィン系樹脂の平均分子量は特に限定されず、一般的
には、平均分子量5,000〜100,000程度が好
ましく、5,000〜50,000程度が好ましい。
【0049】本実施の形態において、前記変性ポリオレ
フィン系樹脂としては、上記した様に、一般的な変性ポ
リオレフィン系樹脂を使用することができるが、その効
果が最も顕著に現れるのは、比較的密度が高く、溶融粘
度の高い変性ポリオレフィン系樹脂においてである。こ
のような変性ポリオレフィン系樹脂は、一般的に結晶化
度が高く、流動性も劣るため、熱板溶着法等により、前
記ポリアミド樹脂等を含まないポリアセタール系樹脂の
成形体と接着しようとしても全く接着しないが、本実施
の形態では高い接着力で接着した複合成形体が得られ
る。特に、前記変性ポリオレフィン系樹脂として、JI
S K7112法に基づいて測定された常温における密
度が0.90以上、さらには0.93以上であり、JI
S 7210法に基づき、シリンダー温度190℃、負
荷荷重2160gという条件にて測定したメルトフロー
レート(MFR)が2.0以下、さらには1.0以下の
樹脂を用いた場合にも、高い接着力を賦与することがで
きる。具体的には、ポリオレフィンメーカー各社から市
販されているブロー成形用の接着性ポリオレフィン系樹
脂[例えば、三菱化学(株)製接着性ポリオレフィン
(商品名:モディック)、三井化学(株)製接着性ポリ
オレフィン(商品名:アドマー)、もしくは日本ポリオ
レフィン(株)製接着性ポリオレフィン(商品名:アド
テックス)等のブロー成形用ブレード]を例示すること
ができる。
【0050】本発明の複合成形体は、ポリアセタール系
樹脂成形体と熱可塑性樹脂成形体とが接着した構造を含
む限り、その大きさ、形状等については特に制限はな
い。又、本発明の複合成形体は、ポリアセタール系樹脂
成形体と熱可塑性樹脂成形体とが接着した構造を複数含
んでいてもよい。
【0051】本発明の複合成形体は、種々の用途、例え
ば、容器、印刷や塗装が施される成形体(例えば、多層
パイプやチューブなど)などに利用できる。例えば、ポ
リアセタール系樹脂からなる部材を、ポリオレフィン系
樹脂からなる部材(少なくとも接着面には反応性官能基
を有するポリオレフィン系樹脂が露出しているのが好ま
しい)に取り付けた複合成形体の態様がある。特に、ブ
ロー成形にて製造された多層のポリオレフィン系樹脂製
ガソリンタンクに、燃料ポンプモジュール等のポリアセ
タール系樹脂製部品が取り付けられた複合成形体に好ま
しく適用することができる。
【0052】次に、本発明の複合成形体の製造方法につ
いて説明する。本発明の複合成形体の製造方法は、ポリ
アセタール系樹脂からなるポリアセタール系樹脂成形体
と、熱可塑性樹脂からなるポリオレフィン系樹脂成形体
とを接着した複合成形体の製造方法であって、ポリアセ
タール系樹脂と、該ポリアセタール系樹脂100重量部
に対して、ポリエーテルエステルアミド樹脂又は融点も
しくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹脂を0.1
〜20重量部とを含有する前記ポリアセタール系樹脂成
形体の表面の少なくとも一部に表面処理を施す表面処理
工程と、前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理さ
れた少なくとも一部の表面が80℃以上前記ポリアセタ
ール系樹脂の融点未満の温度になるまで加熱する加熱工
程と、前記加熱工程によって加熱された前記ポリアセタ
ール系樹脂成形体の表面処理された少なくとも一部の表
面と前記ポリアセタール系樹脂の融点以上の温度に加熱
された前記熱可塑性樹脂成形体の少なくとも一部の表面
とを圧着する圧着工程とを含む。
【0053】本発明の製造方法では、ポリアセタール系
樹脂成形体に、上記特性を有するポリアミド樹脂又はポ
リエーテルエステルアミド樹脂を含有させることによ
り、他の熱可塑性樹脂に対する接着性を改良し、さらに
前記ポリアセタール系樹脂成形体に表面処理を施すこと
によって、接着性向上に寄与する前記ポリアミド樹脂又
はポリエーテルエステルアミド樹脂をポリアセタール系
樹脂成形体の表面に偏析させて、ポリアセタール系樹脂
成形体の熱可塑性樹脂成形体に対する接着性を改良して
いる。さらに、表面に偏析したポリアミド系樹脂又はポ
リエーテルエステルアミド樹脂は、加熱工程において軟
化もしくは溶融状態になり、ポリアミド系樹脂成形体の
接着性がより高まるものと推定される。本発明の製造方
法では、接着する成形体の各接着面が前記温度範囲にな
るまでそれぞれ加熱すればよく、全体を加熱する必要が
ないので、及び、接着時に金型などを使用する必要がな
いので、比較的大きい形状の成形体にポリアセタール成
形体を取り付けるのに、及び、比較的大きい形状のポリ
アセタール成形体を熱可塑性樹脂の成形体に取り付ける
のに特に有効である。また、成形体同士を接着する際
に、射出成形圧などの高圧が成形体に負荷されないの
で、形状的に変形し易い成形体、例えば、中空部を有す
る成形体(タンクなどの中空容器)をポリアセタール系
樹脂成形体と接着するのに特に有効である。特に、前述
した、ブロー成形にて製造された多層のポリオレフィン
系樹脂製ガソリンタンクに、燃料ポンプモジュール等の
ポリアセタール系樹脂製部品が取り付けられた複合成形
体を製造するのに好適である。
【0054】これらの表面処理によって接着性能を改善
させることの利点は、改質効果が表面だけに限定される
ことである。すでに説明したように、ポリアセタール系
樹脂自体の接着性を向上させる為には、接着阻害要因の
1つであるポリアセタール系樹脂の高い結晶化度が低下
するように、コモノマー成分を多目に添加してアモルフ
ァスな領域を増やしたり、或いは反応性官能基含有モノ
マーを共重合し、ポリアセタール系樹脂中に官能基を導
入して、被着体との化学反応が可能なようにしたりする
ことが有効であるが、これらの変性によって、ポリアセ
タール系樹脂の本来の優れた性質、例えば機械的性質や
耐薬品性等が低下してしまうという問題点がある。とこ
ろが、本発明のように、表面処理にて接着性を改善する
場合には、通常のポリアセタール系樹脂を使用すること
が出来る為、上記のような問題が発生することもなく、
材料コストも低い上に、変性したポリアセタール系樹脂
を使用した場合と遜色ない接着性が得られるという点で
有用である。
【0055】表面処理を行うことによって、最外表層に
存在するポリアミド樹脂又はポリエーテルエステルアミ
ド樹脂の割合が変化するが、本発明においては、前記ポ
リアセタール系樹脂成形体の表層のポリアミド樹脂又は
ポリエーテルエステルアミド樹脂の存在割合が、未処理
面と比較して、被処理面では2倍以上になっていること
が好ましい。表層部のポリアミド樹脂又はポリエーテル
エステルアミド樹脂の存在割合は、表層部のSEM観察
を実施することによって確認できる。すなわち、未処理
品表面と被処理品表面のSEM観察を行って、画像処理
により単位面積当たりのポリアミド樹脂或いはポリエー
テルエステルアミド樹脂の占有面積を求め、その占有面
積の比を求めることによって、その存在割合の変化を同
定することができる。もちろん、ポリアミド樹脂又はポ
リエーテルエステルアミド樹脂の占有面積比を比較する
場合には、同一条件にて作製された成形品の同じ箇所に
て比較しなければならないことは言うまでもない。
【0056】表面処理の方法については、特に制限され
ず、ポリアセタール系樹脂成形体の表面性状が上記の様
に変化する処理であれば、いずれの処理を用いてもよ
い。例えば、ウェットプロセスとして、酸処理、アルカ
リ処理;及びドライプロセスとして、低温プラズマ処
理、コロナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処
理が挙げられる。本発明においては、接着性改善効果を
重視した場合、ウェットプロセスとしては酸処理、ドラ
イプロセスとしては低温プラズマ処理が好ましいが、酸
処理の場合には廃液処理を行う必要があり、環境負荷と
いう観点からは、酸処理よりも低温プラズマ処理の方が
好ましい。
【0057】酸処理には、塩酸、硫酸、リン酸、クロム
酸及びそれらの混合物等を、使用用途に応じて適宜使い
分けることができる。表面処理時間が短過ぎると接着性
が向上せず、一方、長過ぎるとポリアセタール系樹脂の
分解が進み過ぎて、製品の性能を損ねる。この様な観点
から、酸による表面処理時間は、通常、5〜300秒が
好ましく、15〜150秒程度がより好ましい。低温プ
ラズマ処理には、一般的に使用されている市販の低温プ
ラズマ処理装置を使用することができる。低温プラズマ
処理装置のプラズマ発生用電源としては、高周波電源、
低周波電源、RC電源或いは直流電源等、様々なものが
あるが、これらの電源を利用したすべての低温プラズマ
処理装置を適宜使用することができる。また、低温プラ
ズマ処理は一般的に減圧下で実施されるが、常圧におけ
る低温プラズマ処理装置も用いることができる。減圧下
で低温プラズマ処理を行う場合の好ましい真空度として
は、0.001〜5Torr程度であることが多い。ま
た、低温プラズマ処理を実施する際の雰囲気ガスとして
は、空気のみならず、酸素、窒素、希ガス、アンモニ
ア、ハロゲンガス等を適宜使い分けることができるが、
低温プラズマ処理装置の簡易性や経済性の問題等から、
空気や酸素ガスを使用することが望ましい。低温プラズ
マによる処理時間が短いと接着性改良効果が十分でな
く、一方長過ぎても接着性改善効果が若干落ちてくる。
この様な観点から、低温プラズマ処理時間は、通常、1
〜20分間が好ましく、5〜15分間がより好ましい。
【0058】なお、前記ポリアセタール系樹脂成形体の
表面の一部が接着面となる場合は、接着面以外の表面に
はマスキングテープを貼付するなどして、表面処理され
るのを防止することができる。
【0059】次に、表面処理された前記ポリアセタール
系樹脂成形体を加熱工程に供する。加熱工程では、前記
ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理面の温度が、8
0℃以上ポリアセタール系樹脂の融点未満の温度領域内
になるまで加熱する。ポリアセタール系樹脂の融点を超
える温度まで加熱すると、ポリアセタール系樹脂成形体
の表面処理面が可塑化してしまい、可塑化によって表面
処理による接着性向上効果が喪失し、接着性が低下する
傾向がある。この現象の詳細については明らかではない
が、表面処理により生成した極性官能基が、ポリアセタ
ール系樹脂が可塑化することにより内部に移動してしま
うためであると推定されている。加熱を前記範囲で行う
と、熱可塑性樹脂との接着性を充分に確保することがで
きる。より好ましくは、前記表面処理面の温度が100
℃〜160℃になるまで、加熱するのが好ましい。
【0060】加熱工程の後、前記ポリアセタール系樹脂
成形体の表面処理面と、前記熱可塑性樹脂成形体の表面
とを圧着する。前記熱可塑性樹脂成形体の表面(接着
面)が前記ポリアセタール系樹脂の融点以上の温度、好
ましくは200℃以上になるまで加熱しておく。前記熱
可塑性樹脂成形体の接着面の温度が、ポリアセタール系
樹脂の融点未満の温度であると、ポリアセタール系樹脂
成形体を圧着した際に、熱可塑性樹脂成形体からの伝熱
により、ポリアセタール系樹脂成形体の接着面が溶融せ
ず、接着できない。但し、前記熱可塑性樹脂成形体の加
熱温度が高過ぎると、著しく軟化し、形状を維持できな
くなり、取り扱い上、好ましくない。この様な観点か
ら、前記熱可塑性樹脂成形体は、その接着面が前記ポリ
アセタール系樹脂の融点以上260℃以下の温度、好ま
しくは200〜260℃まで加熱されているのが好まし
い。
【0061】ポリアセタール系樹脂成形体と熱可塑性樹
脂成形体とを圧着する際の負荷圧力及びその保持時間
は、形状的に、複合成形体としての機能を損なわない限
りは、特に限定されない。又、ポリアセタール系樹脂成
形体及び熱可塑性樹脂成形体を圧着して複合成形体を製
造後、さらに接着強度を向上させる為、アニール処理を
実施してもよい。
【0062】上記実施の形態の複合成形体は、本発明の
製造方法により容易に作製することができる。前者の実
施形態の複合成形体は、本発明の製造方法において、前
記熱可塑性樹脂成形体として、反応性官能基を有する変
性ポリオレフィン系樹脂又はこれと未変性ポリオレフィ
ン系樹脂の双方を含有するポリオレフィン系樹脂層を有
する成形体を用い、前記圧着工程において、前記ポリオ
レフィン系樹脂層の表面と、前記ポリアセタール系樹脂
成形体の表面処理を施された面とを圧着することにより
製造することができる。前記変性ポリオレフィン系樹脂
が含有する反応性官能基と、前記表面処理によってポリ
アセタール系樹脂成形体の表面に生じた極性官能基との
作用により、前記熱可塑性樹脂成形体と前記ポリアセタ
ール系樹脂成形体とが強固に接着する。
【0063】後者の実施形態の複合成形体は、本発明の
製造方法において、前記熱可塑性樹脂成形体として、反
応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含有す
る最外層を有する成形体を用い、前記圧着工程におい
て、前記反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹
脂を含有する最外層の表面と、前記ポリアセタール系樹
脂成形体の表面処理を施された面とを圧着し、さらに、
前記圧着工程の後に前記最外層に隣接させて未変性ポリ
オレフィン系樹脂層を形成することによって製造するこ
とができる。又は、前記熱可塑性樹脂成形体として、反
応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含有す
る最外層と該最外層に隣接する未変性ポリオレフィン系
樹脂を含有する層を有する成形体を用い、前記圧着工程
において、前記反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含有する最外層の表面と、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体の表面処理を施された面とを圧着するこ
とによって製造することができる。前記変性ポリオレフ
ィン系樹脂が含有する反応性官能基と、前記表面処理に
よって前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面に生じた
極性官能基との作用により、前記熱可塑性樹脂成形体と
ポリアセタール系樹脂成形体とが強固に接着する。前記
反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含有
する熱可塑性樹脂成形体の最外層は、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体と前記未変性ポリオレフィン系樹脂層と
の接着性を確保する接着層として機能する。
【0064】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 [実施例1]三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールF20−0
1」(A−1)に、富士化成工業(株)製ダイマー酸ポ
リアミド樹脂 「トーマイド535」(B−1)(軟化
点:138℃、アミン価:48.6)を、ポリアセター
ル樹脂100重量部に対して表1に示す割合で添加し、
2軸押出機を使用して、樹脂温度200℃にて溶融混練
することにより、ポリアセタール樹脂組成物を得た。前
記ポリアセタール樹脂組成物を用いて、ASTMD25
6法に規定されたアイゾット衝撃試験片(長さ:6.4
cm、幅:1.3cm、厚み:0.32cm)を射出成
形により作製した。
【0065】一方、同様にして、三菱化学(株)製接着
性ポリオレフィン樹脂 「MODIC−AP M59
1」(C−1)(酸無水物変性LLDPE、密度0.9
3g/cm3、MFR0.6g/10min)のアイゾ
ット衝撃試験片を射出成形により作製した。前記ポリア
セタール樹脂製アイゾット衝撃試験片を、(株)真空デ
バイス社製親水処理装置(プラズマイオンボンバーダ)
PIB−10を用い、処理強度の設定をハードにして、
3分間(1分間減圧後、2分間処理)で5回処理した。
尚、本機器は低温プラズマ処理装置であり、雰囲気ガス
は空気である。
【0066】上記表面処理を行った前記ポリアセタール
樹脂製アイゾット試験片を、少なくとも5分間以上、1
40℃の熱風オーブンに入れて加熱すると共に、前記接
着性ポリエチレン樹脂製アイゾット試験片を、実測値で
207℃に加熱され、厚み0.2mmのテフロン(登録
商標)シートを敷いたホットプレート上に約1分間接触
させて溶融した後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部
分(長さ20mm)が積層構造となるように、被処理面
側と溶融面側を素早く重ね合わせて接着し、さらに13
50gの錘をのせたまま、約5分間放置した。その後、
23℃、50%RHという環境下にて、少なくとも24
時間以上放置した後、前記複合アイゾット衝撃試験片を
用いて、せん断剥離強度試験を実施した。前記試験方法
としては、(株)オリエンテック社製引張試験機を使用
し、前記複合アイゾット衝撃試験片の両端を両クランプ
間の距離が70mmとなるようにクランプし、10mm
/minという試験速度にて引っ張り、前記複合アイゾ
ット衝撃試験片の接着面が剥離した時の荷重を測定し
た。評価結果を表1に示す。
【0067】[実施例2及び実施例3]表1に示すよう
に、ダイマー酸ポリアミド樹脂の添加量を変更した以外
は、実施例1と同様にして、接着試験片を作製し、せん
断剥離荷重及びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結
果を表1に示す。 [実施例4]表1に示すように、ダイマー酸ポリアミド
樹脂の種類をヘンケル・ジャパン(株)製ダイマー酸ポ
リアミド樹脂 「マクロメルト6858」(B−2)
(軟化点125℃、アミン価:1以下)に変更した以外
は、実施例1と同様にして、接着試験片を作製し、せん
断剥離時の剥離荷重及び破断伸びを測定した。評価結果
を表1に示す。 [実施例5及び実施例6]表1に示すように、ダイマー
酸ポリアミド樹脂の添加量を変更した以外は、実施例4
と同様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重及
びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結果を表1に示
す。
【0068】[実施例7]表2に示すように、接着性ポ
リオレフィン樹脂の種類を、三菱化学(株)製接着性ポ
リオレフィン樹脂 「MODIC−AP F534」
(C−2)(酸無水物変性LLDPE、密度0.90g
/cm3、MFR3.5g/10min)に変更し、接
着性ポリオレフィン樹脂製アイゾット試験片の表面可塑
化時間を30秒に変更し、及び接着後の保持荷重を90
0gに変更した以外は、実施例1と同様にして、接着試
験片を作製し、せん断剥離荷重及びせん断剥離時の試験
片の伸びを測定した。評価結果を表2に示す。 [実施例8及び実施例9]表2に示すように、ダイマー
酸ポリアミド樹脂の添加量を変更した以外は、実施例7
と同様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重及
びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結果を表2に示
す。 [実施例10]表2に示すように、ダイマー酸ポリアミ
ド樹脂の種類を富士化成工業(株)製ダイマー酸ポリア
ミド樹脂 「トーマイド1340」(B−3)(軟化点
141℃、アミン価7.4)に変更した以外は、実施例
7と同様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重
及びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結果を表2に
示す。 [実施例11及び実施例12]表2に示すように、ダイ
マー酸ポリアミド樹脂の添加量を変更した以外は、実施
例10と同様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離
荷重及びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結果を表
2に示す。
【0069】[比較例1]ポリアセタール樹脂にダイマ
ー酸ポリアミド樹脂を添加しなかったこと及び表面処理
を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、接着試
験片を作製し、その接着性を評価しようとしたところ、
全く接着しなかった。評価結果を表3に示す。 [比較例2]ポリアセタール樹脂にダイマー酸ポリアミ
ド樹脂を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に
して接着試験片を作製し、せん断剥離時の剥離荷重及び
破断伸びを測定した。評価結果を表3に示す。 [比較例3]ポリアセタール樹脂アイゾット衝撃試験片
に表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にし
て接着試験片を作製し、せん断剥離時の剥離荷重及び破
断伸びを測定した。評価結果を表3に示す。
【0070】[比較例4]ポリアセタール樹脂にダイマ
ー酸ポリアミド樹脂を添加しなかったこと及び表面処理
を行わなかった以外は、実施例7と同様にして、接着試
験片を作製し、その接着性を評価しようとしたところ、
全く接着しなかった。評価結果を表3に示す。 [比較例5]ポリアセタール樹脂にダイマー酸ポリアミ
ド樹脂を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様に
して接着試験片を作製し、せん断剥離時の剥離荷重及び
破断伸びを測定した。評価結果を表3に示す。 [比較例6]ポリアセタール樹脂アイゾット衝撃試験片
に表面処理を行わなかった以外は、実施例7と同様にし
て接着試験片を作製し、せん断剥離時の剥離荷重及び破
断伸びを測定した。評価結果を表3に示す。
【0071】[実施例13]接着部の長さを20mmか
ら12mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、
接着試験片を作製し、せん断剥離強度試験を行って、せ
ん断剥離時の負荷荷重と伸びを求めた。評価結果を表4
に示す。 [比較例7]ダイマー酸ポリアミド樹脂を溶融混練しな
かった以外は、実施例13と同様にして、接着試験片を
作製し、せん断剥離強度試験を行って、せん断剥離時の
負荷荷重と伸びを求めた。評価結果を表4に示す。
【0072】[実施例14]ポリアミド樹脂の種類を、
エムス・昭和電工(株)製ポリアミド6/12共重合体
「グリロンCF6S」(融点135℃)(B−4)に変
更した以外は、実施例13と同様にして、接着試験片を
作製し、せん断剥離強度試験を行って、せん断剥離時の
負荷荷重と伸びを求めた。評価結果を表4に示す。 [実施例15]表4に示すように、ポリアミド樹脂の添
加量を変更した以外は、実施例14と同様にして、接着
試験片を作製し、せん断剥離荷重及びせん断剥離時の伸
びを測定した。評価結果を表4に示す。 [実施例16]ポリアミド樹脂の種類を、東レ(株)製
ポリアミド6/66/610共重合体「アミランCM4
000」(融点140℃)(B−5)に変更した以外
は、実施例13と同様にして、接着試験片を作製し、せ
ん断剥離強度試験を行って、せん断剥離時の負荷荷重と
伸びを求めた。評価結果を表4に示す。 [比較例8]ポリアミド樹脂の種類を、三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製ポリアミド6/66共重
合体 「ノバミッド2430J」(融点190℃)(B
−6)に変更した以外は、実施例13と同様にして接着
試験片を作製し、せん断剥離強度試験を行って、せん断
剥離時の負荷荷重と伸びを求めた。評価結果を表4に示
す。
【0073】[実施例17]三菱エンジニアリングプラ
スチックス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール
F10−01」(A−2)に富士化成工業(株)製ポリ
エーテルエステルアミド樹脂 親水性TPAE 「10
HP」(B−7)(酸価:2.1)を、ポリアセタール
樹脂100重量部に対して表5に示す割合で添加し、2
軸押出機を使用して、樹脂温度200℃で溶融混練する
ことにより、ポリアセタール樹脂組成物を得た。前記ポ
リアセタール樹脂組成物を用いて、ASTM D256
法に規定されたアイゾット衝撃試験片(長さ:6.4c
m、幅:1.3cm、厚み:0.32cm)を射出成形
により作製した。一方、同様にして、三菱化学(株)製
接着性ポリオレフィン樹脂 「MODIC−AP M5
91」(C−1)(酸無水物変性LLDPE、密度0.
93g/cm3、MFR0.6g/10min)のアイ
ゾット衝撃試験片を射出成形により作製した。
【0074】前記ポリアセタール樹脂製アイゾット衝撃
試験片を、(株)真空デバイス社製親水処理装置(プラ
ズマイオンボンバーダ)PIB−10を用い、処理強度
の設定をハードにして、3分間(1分間減圧後、2分間
処理)で5回処理した。尚、本機器は低温プラズマ処理
装置であり、雰囲気ガスは空気である。
【0075】上記表面処理を行った前記ポリアセタール
樹脂製アイゾット試験片を、少なくとも5分間以上、1
40℃の熱風オーブンに入れて加熱すると共に、前記接
着性ポリエチレン樹脂製アイゾット試験片を、実測値で
207℃に加熱され、厚み0.2mmのテフロンシート
を敷いたホットプレート上に約1分間接触させて溶融し
た後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部分(長さ12
mm)が積層構造となるように、被処理面側と溶融面側
を素早く重ね合わせて接着し、さらに1350gの錘を
のせたまま、約5分間放置した。その後、23℃、50
%RHという環境下にて、少なくとも24時間以上放置
した後、前記複合アイゾット衝撃試験片を用いて、せん
断剥離強度試験を実施した。前記試験方法としては、
(株)オリエンテック社製引張試験機を使用し、前記複
合アイゾット衝撃試験片の両端を両クランプ間の距離が
70mmとなるようにクランプし、10mm/minと
いう試験速度にて引っ張り、前記複合アイゾット衝撃試
験片の接着面が剥離した時の荷重を測定した。評価結果
を表5に示す。
【0076】[実施例18]表5に示すように、ポリエ
ーテルエステルアミド樹脂の添加量を変更した以外は、
実施例17と同様にして、接着試験片を作製し、せん断
剥離荷重及びせん断剥離時の伸びを測定した。評価結果
を表5に示す。 [実施例19]表5に示すように、ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂の種類を、富士化成工業(株)製 親水性
TPAE 「10HP−A」(B−8)(アミン価:
4.4)に変更した以外は、実施例17と同様にして、
接着試験片を作製し、せん断剥離時の剥離荷重及び破断
伸びを測定した。評価結果を表5に示す。 [実施例20]表5に示すように、ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂の種類を、富士化成工業(株)製 親水性
TPAE 「237CP−5A」(B−9)(アミン
価:4.6)に変更した以外は、実施例17と同様にし
て、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重及びせん断剥
離時の伸びを測定した。評価結果を表5に示す。 [比較例9]表5に示すように、ポリエーテルエステル
アミド樹脂を溶融混練しなかった以外は、実施例17と
同様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重及び
せん断剥離時の伸びを測定した。評価結果を表5に示
す。
【0077】[実施例21]三菱エンジニアリングプラ
スチックス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール
F10−01」(A−2)に富士化成工業(株)製ポリ
エーテルエステルアミド樹脂 親水性TPAE 「10
HP」(B−7)(酸価:2.1)を、ポリアセタール
樹脂100重量部に対して表6に示す割合で添加し、2
軸押出機を使用して、樹脂温度200℃で溶融混練する
ことにより、ポリアセタール樹脂組成物を得た。前記ポ
リアセタール樹脂組成物を用いて、ASTM D256
法に規定されたアイゾット衝撃試験片(長さ:6.4c
m、幅:1.3cm、厚み:0.32cm)を射出成形
により作製した。一方、同様にして、三菱化学(株)製
接着性ポリオレフィン樹脂 「MODIC−AP M5
91」(C−1)(酸無水物変性LLDPE、密度0.
93g/cm3、MFR0.6g/10min)の幅広
曲げ試験片(長さ:6.4cm、幅:2.5cm、厚
み:0.32cm)を射出成形により作製した。
【0078】前記ポリアセタール樹脂製アイゾット衝撃
試験片を、5Nの塩酸溶液中に60秒間浸漬し、イオン
交換水にて洗浄した。さらに超音波洗浄機にて10分間
洗浄し、80℃の熱風乾燥機にて1時間乾燥させた後
に、23℃、50%RHという環境下にて24時間以上
放置した。上記表面処理を行った前記ポリアセタール樹
脂製アイゾット試験片を、少なくとも5分間以上、14
0℃の熱風オーブンに入れて加熱すると共に、前記接着
性ポリエチレン樹脂製幅広曲げ試験片を、実測値で20
7℃に加熱され、厚み0.2mmのテフロンシートを敷
いたホットプレート上に約1分間接触させて溶融した
後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部分(長さ10m
m)が積層構造となるように、被処理面側と溶融面側を
素早く重ね合わせて接着し、さらに1350gの錘をの
せたまま、約5分間放置した。
【0079】その後、23℃、50%RHという環境下
にて、少なくとも24時間以上放置した後、前記複合ア
イゾット衝撃試験片を用いて、せん断剥離強度試験を実
施した。前記試験方法としては、(株)オリエンテック
社製引張試験機を使用し、前記複合アイゾット衝撃試験
片の両端を両クランプ間の距離が70mmとなるように
クランプし、10mm/minという試験速度にて引っ
張り、前記複合アイゾット衝撃試験片の接着面が剥離し
た時の荷重を測定した。評価結果を表6に示す。
【0080】[実施例22〜実施例24]表6に示すよ
うに、ポリエーテルエステルアミド樹脂の添加量を変更
した以外は、実施例21と同様にして接着試験片を作製
し、せん断剥離荷重を測定した。評価結果を表6に示
す。 [比較例10]表6に示すように、ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂を添加しなかった以外は、実施例21と同
様にして、接着試験片を作製し、せん断剥離荷重を測定
した。評価結果を表6に示す。
【0081】[実施例25]表7に示すように、ポリア
セタール樹脂の種類を三菱エンジニアリングプラスチッ
クス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール10−
01」(A−3)に変更した以外は、実施例22と同様
にして接着試験片を作製し、せん断剥離荷重を測定し
た。評価結果を表7に示す。 [実施例26]表7に示すように、ポリアセタール樹脂
の種類を三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製
ポリアセタール樹脂 「ユピタールV10−11」(A
−4)に変更した以外は、実施例22と同様にして接着
試験片を作製し、せん断剥離荷重を測定した。評価結果
を表7に示す。 [実施例27]表7に示すように、ポリアセタール樹脂
の種類を三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製
ポリアセタール樹脂 「ユピタールV10−01」(A
−5)に変更した以外は、実施例22と同様にして接着
試験片を作製し、せん断剥離荷重を測定した。評価結果
を表7に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】A−1 : 三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール
F20−01」(融点166℃) A−2 : 三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール F10−
01」(融点164℃) A−3 : 三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタール A10−
01」(融点170℃) A−4 : 三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールV10−1
1」(融点157℃) A−5 : 三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールV10−0
1」(融点154℃) B−1 : 富士化成工業(株)製ダイマー酸ポリアミ
ド樹脂 「トーマイド535」 B−2 : ヘンケルジャパン(株)製ダイマー酸ポリ
アミド樹脂 「マクロメルト6858」 B−3 : 富士化成工業(株)製ダイマー酸ポリアミ
ド樹脂 「トーマイド1340」 B−4 : ダイセル・ヒュルス(株)製ポリアミド6
/12共重合体 「グリロンCF6S」 B−5 : 東レ(株)製ポリアミド6/66/610
共重合体 「アミランCM4000」 B−6 : 三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアミド6/66共重合体 「ノバミッド
2430J」 B−7 : 富士化成工業(株)製ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂 親水性TPAE 「10HP」 B−8 : 富士化成工業(株)製ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂 親水性TPAE 「10HP−A」 B−9 : 富士化成工業(株)製ポリエーテルエステ
ルアミド樹脂 親水性TPAE 「237CP−5A」 C−1 : 三菱化学(株)製接着性ポリオレフィン
「MODIC−APM591」 C−2 : 三菱化学(株)製接着性ポリオレフィン
「MODIC−APF534」
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアセタール系樹脂
と他の熱可塑性樹脂成形体とが高い密着性で接着した複
合成形体、及び該複合成形体を容易に製造可能なの製造
方法を提供することができる。本発明によれば、ポリア
セタール系樹脂の優れた特性(例えば、機械的強度、耐
薬品性、耐熱性など)を損なうことなく、他の熱可塑性
樹脂成形体と複合化した複合成形体及び該複合成形体を
容易に製造可能な製造方法を提供することができる。更
に本発明によれば、成形加工性の高い汎用的な複合成形
体及び該成形体を容易に製造可能な製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 59/00 C08L 59/00 // B29K 59:00 B29K 59:00 (72)発明者 真田 大輔 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 近藤 隆夫 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA40 AA54 AA78 CA01 CD02 CD07 4F100 AK01B AK03B AK03C AK41A AK46A AK54A AL01A AL05A AL05B AL06B BA02 BA03 BA10A BA10C BA32A BA32B BA32C DA01 EJ01A EJ172 EJ422 EJ53A EJ54A EJ55A EJ61 EJ61A EJ64A JA04A JA06B JA13B JB20A JB20B JJ03 JK01 YY00A YY00B 4F211 AA03 AA23 AA24 AA29 AA32 AA48 AD32 AD33 AG07 AH05 TA13 TH02 TH03 TH06 TH21 TH24 TN07 TQ01 4J002 CB001 CL002 CL082 CL092 GT00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
    タール系樹脂成形体と他の熱可塑性樹脂からなる熱可塑
    性樹脂成形体とが接着した複合成形体であって、前記ポ
    リアセタール系樹脂成形体は、ポリアセタール系樹脂1
    00重量部に対して、ポリエーテルエステルアミド樹脂
    又は融点もしくは軟化点が165℃以下のポリアミド樹
    脂を0.1〜20重量部含有し、且つ前記ポリアセター
    ル系樹脂成形体における前記熱可塑性樹脂成形体との接
    着面が表面処理されていることを特徴とする複合成形
    体。
  2. 【請求項2】 前記ポリアセタール系樹脂成形体の接着
    面が、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、コロ
    ナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処理よりな
    る群から選ばれるいずれかの表面処理を施されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
  3. 【請求項3】 前記ポリエーテルエステルアミド樹脂又
    は前記融点もしくは軟化点が165℃以下のポリアミド
    樹脂のアミン価もしくは酸価が、2mgKOH/g以上
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成
    形体。
  4. 【請求項4】 前記融点もしくは軟化点が165℃以下
    のポリアミド樹脂が、PA6/12共重合体、PA66
    /12共重合体、PA6/66/610共重合体、PA
    6/66/12共重合体、PA6/66/610/12
    共重合体及びダイマー酸ポリアミドからなる群から選ば
    れる、少なくとも1種のポリアミド樹脂であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合成形
    体。
  5. 【請求項5】 前記ポリエーテルエステルアミド樹脂
    が、ポリアミド構成単位が重合脂肪酸とジアミンとの重
    縮合により得られるダイマー酸ポリアミドであり、且つ
    ポリアルキレングリコール構成単位がポリエチレングリ
    コールであるポリエーテルエステルアミド樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複
    合成形体。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂成形体が、反応性官能
    基を有する熱可塑性樹脂を少なくとも含むことを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形体。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂成形体が、前記ポリア
    セタール系樹脂成形体との接着面に、反応性官能基を有
    する熱可塑性樹脂部分を少なくとも有することを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形体。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂成形体が、反応性官能
    基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    複合成形体。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂成形体が、未変性ポリ
    オレフィン系樹脂からなる第一の層と反応性官能基を有
    する変性ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層とを積
    層した構造を含み、前記熱可塑性樹脂成形体における前
    記ポリアセタール系樹脂成形体との接着面が、前記第二
    の層の表面であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の複合成形体。
  10. 【請求項10】 前記熱可塑性樹脂成形体が、反応性官
    能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂及び未変性ポリ
    オレフィン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の複合成形体。
  11. 【請求項11】 前記反応性官能基が、酸無水物基、エ
    ポキシ基及びカルボキシル基よりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の反応性官能基であることを特徴とする請
    求項6〜10のいずれか1項に記載の複合成形体。
  12. 【請求項12】 JIS K7210法に基づいて、シ
    リンダー温度190℃、且つ負荷荷重2160gという
    条件にて測定された前記変性ポリオレフィン系樹脂のメ
    ルトフローレート(MFR)が、2g/10min以下
    であり、さらにJIS 7112法に基づいて測定され
    た常温における前記変性ポリオレフィン系樹脂の密度が
    0.90g/cm3以上であることを特徴とする請求項
    6〜11のいずれか1項に記載の複合成形体。
  13. 【請求項13】 前記ポリアセタール系樹脂成形体及び
    /又は前記熱可塑性樹脂成形体が少なくとも一部分に中
    空部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれ
    か1項に記載の複合成形体。
  14. 【請求項14】 前記ポリアセタール系樹脂成形体及び
    /又は前記熱可塑性樹脂成形体が中空容器であることを
    特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合
    成形体。
  15. 【請求項15】 ポリアセタール系樹脂からなるポリア
    セタール系樹脂成形体と、熱可塑性樹脂からなるポリオ
    レフィン系樹脂成形体とを接着した複合成形体の製造方
    法であって、ポリアセタール系樹脂、及び該ポリアセタ
    ール系樹脂100重量部に対して、ポリエーテルエステ
    ルアミド樹脂又は融点もしくは軟化点が165℃以下の
    ポリアミド樹脂を0.1〜20重量部を含有する前記ポ
    リアセタール系樹脂成形体の表面の少なくとも一部に表
    面処理を施す表面処理工程と、前記ポリアセタール系樹
    脂成形体の表面処理された少なくとも一部の表面が80
    ℃以上前記ポリアセタール系樹脂の融点未満の温度にな
    るまで加熱する加熱工程と、前記加熱工程によって加熱
    された前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理され
    た少なくとも一部の表面と前記ポリアセタール系樹脂の
    融点以上の温度に加熱された前記熱可塑性樹脂成形体の
    少なくとも一部の表面とを圧着する圧着工程とを含むこ
    とを特徴とする複合成形体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記表面処理工程が、酸処理、アルカ
    リ処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照
    射処理及び電子線照射処理よりなる群から選ばれるいず
    れかの表面処理を施す工程であることを特徴とする請求
    項15に記載の複合成形体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記熱可塑性樹脂成形体が、反応性官
    能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項15又は16に記載の複合成形体の
    製造方法。
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