JP4321693B2 - 多層フィルムおよびその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等の物性に優れた多層フィルムに関し、より詳細には耐熱フィルム、離型フィルム、電気絶縁フィルム等々の用途に幅広く利用可能な多層フィルム、およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より熱硬化性樹脂、加硫ゴム、あるいは架橋型粘着剤の成形体、また熱反応型薄膜フィルム、セラミック薄膜を製造する時には、離型フィルムないし離型紙を製造工程に組み込んで製造されることが一般的になっている。
【0003】
その代表的な離型フィルムないし離型紙が、シリコーンコートフィルムあるいはシリコーンコート紙と呼ばれているものであって、それらは、プラスチックフィルムやクレーコート紙等の基材上に、シリコーン樹脂をコーティングし、かつシリコーン樹脂を硬化固着させて製造されたものである。そこで使用されているシリコーン樹脂には、熱硬化型と紫外線硬化型の二種類があるが、樹脂の種類や硬化方法を変えても、塗膜を完全に硬化密着させることは難しく、また使用時にその塗膜が接触する製品へと移行することが難点になっている。
【0004】
別の離型フィルムとして、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等で代表されるフッ素系樹脂フィルムも使用されている。これらフッ素系樹脂フィルムは、200℃以上の融点を有し、化学的に安定なことから耐薬品性に優れ、かつ表面が不活性であることから離型性を有しており、これらの特性から離型フィルムとしては優れた素材である。しかしながら前記した特性の故に、逆にそのフィルムの成形は容易ではなく、またフィルム成形装置には耐腐食性が要求され、その上樹脂が高価でもあることから、広い範囲への利用には自ずと限界があった。
【0005】
さらに別の離型フィルムとして、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂フィルムが知られている。このフィルムは、高い融点、優れた離型性、および接触する製品への非移行性を有し、またフッ素系樹脂フィルムよりも安価であることから、エポキシ樹脂を用いた複合材料の製造時に離型フィルムとして使用されている。しかしながら、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂は、230℃前後の高い融点を有しているものの、そのガラス転移点は40〜50℃であるために、そのフィルムをガラス転移点以上の温度で張力をかけて使用すると、フィルムは変形することがあった。
【0006】
このような厳しい条件下で使用する時には、ウレタン型またはエポキシ型などの反応型接着剤を用い、耐熱強度を有する二軸延伸ポリエステルフィルムとドライラミネーションして製造した複合フィルムの形状で使用する方式がとられている。しかし、それでもなお高温下でのより優れた寸法安定性が求められており、また複合フィルム製造に伴うコスト高が避けられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、耐熱性や離型性を必要とする分野で使用されるフィルムにおいて、優れた離型性を有しているが、シリコーンコートフィルムのように離型剤が製品へ移行することなく、また加熱条件下で使用しても十分な引張強度と寸法安定性を有し、そして安価なフィルムの提供を目的とする。
また本発明では、耐熱性、離型性、耐薬品性、電気絶縁性等の特性を備え、かつ安価なフィルムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、表面側からポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、接着性樹脂からなる中間接着層、そしてガラス転移点130℃以上の非晶性樹脂と融点170℃以上の結晶性樹脂とからなるポリマーアロイである耐熱性樹脂からなる支持体層の順に積層された多層フィルム、および前記の耐熱性樹脂からなる支持体層を中心にしてその両側に前記の接着性樹脂からなる中間接着層を介してポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層が積層された多層フィルムに関する。
【0009】
ここで、前記の耐熱性樹脂は、4.6(kg/cm2)荷重下で測定される熱変形温度が130℃以上、かつ140℃における降伏点応力が100(kg/cm2)以上を示す樹脂である。
【0010】
そのような耐熱性樹脂は、ガラス転移点が130℃以上の非晶性樹脂と融点が170℃以上の結晶性樹脂との組み合わせからなるポリマーアロイであることが好ましく、例えばポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂またはポリブチレンテレフタレート樹脂とからなるポリマーアロイ、ポリアリレート樹脂とポリアミド樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂とからなるポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリアミド樹脂とからなるポリマーアロイ等が挙げられる。特に、ポリフェニレンオキシド樹脂20〜95重量%およびポリアミド樹脂5〜80重量%とからなるポリマーアロイが望ましい。
【0011】
また、前記の接着性樹脂として、オレフィン重合体へ不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させた変性体を用いると、各層間が強固に接着した多層フィルムが得られることから好ましい。
【0012】
この多層フィルムは、高温下でも引張伸度が小さく、かつ強度が高いことから、耐熱フィルム、離型フィルム、電気絶縁フィルム等として好適である。
【0013】
【発明の具体的な説明】
本発明に係わる多層フィルムは、基本的には表面側からポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、接着性樹脂からなる中間接着層、耐熱性樹脂からなる支持体層の順に積層され一体化された3層の構造、あるいは前記の改良構造体として、耐熱性樹脂からなる支持体層を中心にして、その両側に接着性樹脂からなる中間接着層およびポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層が積層され一体化した5層の積層構造を有している。次に、各層を構成する樹脂、層構成およびその応用技術について具体的に説明する。
【0014】
表 面 層
表面層を形成するポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、あるいは4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンとの共重合体である。ここで、4−メチル−1−ペンテンと共重合させるα−オレフィンとしては、炭素数が2〜20のオレフィンであって、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等であって、これらは1種類であっても2種類以上を組み合わせて使用してもよい。そして、α−オレフィンは、共重合体中に、0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%含有されていることが望ましい。
【0015】
このポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂は、フィルム成形するに十分な流動性と、フィルムとしての十分な機械的強度を示す分子量を有していればよく、そのメルトフローレート(MFR)は0.5〜200、好ましくは5〜120(g/10分)の範囲にあることが望ましい。なお、MFRは、ASTM D−1238に準拠し、260℃、5kg荷重下で測定された値である。
【0016】
このようなポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を使用することによって、公知の方法で製造することができる。さらに、この表面層は、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂に、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、他の樹脂、エラストマー、あるいは添加剤や充填剤等を配合することができる。
【0017】
中 間 接 着 層
中間層を形成する接着性樹脂は、表面側のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、およびその反対側の耐熱性樹脂からなる支持体層の両方の層に接着性を示し、かつ押出成形性を有する樹脂である。
【0018】
そのような接着性樹脂としては、カルボン酸基、酸無水物基、カルボニル基、水酸基、アミド基、イミド基等の極性基を有するオレフィン系樹脂が使用できる。極性基を有するオレフィン系樹脂とは、極性基を有するモノマーとα−オレフィンとの共重合体であって、両モノマーのランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体のいずれの共重合体形態であってもよい。また、この極性基を有するオレフィン系樹脂は、オレフィン重合体を酸化等の手段で変性した重合体であってもよい。
【0019】
前記の接着性樹脂の内でも、エチレンと不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体、それを金属イオン架橋したアイオノマー樹脂、あるいはオレフィン重合体へ不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させたグラフト共重合体が好ましい。
【0020】
ここで、不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタール酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ソルビン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などのカルボン酸を挙げることができる。
【0021】
また、α,β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸の無水物、エステル、イミド、アミド、酸ハライド、エポキシド等であり、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸、塩化マレニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等を挙げることができる。
【0022】
これら不飽和カルボン酸またはその誘導体の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸、ナジック酸無水物が好ましく、特にアクリル酸および無水マレイン酸が好ましい。これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】
好ましい接着性樹脂の一種であるエチレンと不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体の例として、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を挙げることができる。また、前記の共重合体を金属イオンで架橋した、アイオノマー樹脂も使用できる。
【0024】
特に好ましい接着性樹脂としては、グラフト共重合体が挙げられる。グラフト共重合体の幹ポリマーとなるオレフィン重合体の例としては、炭素数2〜10のα−オレフィンの単独重合体、およびそれらα−オレフィンどうしの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を使用することができる。これらの中で、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体、エチレンと少量のプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等との共重合体、プロピレンと少量のエチレンや1−ブテン等との共重合体、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、4−メチル−1−ペンテンと炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体等が、幹ポリマーとして望ましい。
【0025】
グラフト共重合体の好ましい例として、アクリル酸グラフトポリエチレン、メタクリル酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリ4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。
【0026】
このグラフト共重合体は、幹ポリマーとなるオレフィン重合体の存在下に極性基を有するモノマー、例えば不飽和カルボン酸またはその誘導体を重合させることによって製造することができる。この際、有機または無機の過酸化物のようなラジカル開始剤を共存させることにより、高いグラフト効率で共重合を進行させることができる。また、この共重合反応は溶液状態でも、あるいは溶融状態でも行うことができる。
【0027】
接着性樹脂中に占める不飽和カルボン酸またはその誘導体の含量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。本発明に係わる多層フィルムにおいて、層間の接着強度を高くし強固な多層フィルムとする場合には、前記の不飽和カルボン酸またはその誘導体の含量を高く設定し、また層間の接着強度をそれほど高くする必要のない場合には、前記の含量を小さく設定すればよい。必要とする不飽和カルボン酸またはその誘導体の含量は、共重合時の重合条件を変えることによって調整できるし、また、予め高含量の共重合体を製造しておき、その後未変性の重合体を配合して希釈し、望みの不飽和カルボン酸またはその誘導体の含量に調整することもできる。
【0028】
本発明において、前述した高含量のグラフト共重合体と未変性の重合体とのブレンドは、望みの不飽和カルボン酸またはその誘導体の含量に調整する手法として、また接着性樹脂を改質する手法として重要であって、特に後者では、使用する未変性重合体の性状によって、接着性樹脂層の柔軟性、耐熱性、耐衝撃性等の物性を変えることができる。例えば、希釈重合体としてポリ4−メチル−1−ペンテンを使用すると耐熱性が向上し、また表面層のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂との接着性も増す。他方、エラストマーとしての物性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体等を配合すると、柔軟性、接着性、および耐衝撃性が向上する。この接着性樹脂からなる層へは、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、他の樹脂、エラストマー、添加剤等を配合することができる。
【0029】
支 持 体 層
本発明における支持体層は、高温下におけるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂層の引張強度不足を補う役割を担うものであり、4.6(kg/cm2)荷重下で測定された熱変形温度が130℃以上であり、かつ140℃における降伏点応力が100(kg/cm2)以上、より好ましくは150(kg/cm2)以上、さらに好ましくは200(kg/cm2)以上の樹脂から構成された耐熱性樹脂から得られる層である。ここで、熱変形温度はASTM D648に準拠して測定される値であり、降伏点応力はASTM D−882に準拠して測定される値である。なお、この多層フィルムを高温下で、高い張力をかけて用いる場合には、18.6(kg/cm2)荷重下で測定された熱変形温度が、130℃以上の樹脂を用いることがより好ましい。
【0030】
従って、このような支持体層は、本発明に係わる多層フィルムが使用される高温環境下、例えば120〜200℃において、高い引張張力や巻取張力をかけられても、多層フィルム自身が変形しないと言う要請に応えることのできる耐熱引張強度を示す耐熱性樹脂から構成される層である。また、このような支持体層を構成する樹脂は、後述する多層フィルムの共押出成形による製造方法において、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂の成形温度、一般に260〜320℃で、高い流動性を有するポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂とのダイ内積層を可能にする。
【0031】
前記の条件に合う支持体樹脂の例としては、一般にポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂等の非晶性樹脂、あるいはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂、およびそれら非晶性樹脂と結晶性樹脂とのアロイで代表される耐熱性樹脂を挙げることができる。
【0032】
好ましい支持体樹脂としては、ガラス転移点(Tg)が130℃以上の非晶性樹脂と、融点(Tm)が170℃以上の結晶性樹脂とからなるポリマーアロイが挙げられる。ここで、Tgはディラトメトリー法で求められる値であり、TmはDSC測定における融解ピーク温度から求められる値である。このポリマーアロイにおいて、非晶性樹脂は、それが持つ高いガラス転移点によって、多層フィルムが高い使用温度下での張力を受けて変形することを防止する機能を果たし、結晶性樹脂は、流動性と耐薬品性の改良に寄与している。通常は両者の相溶性改良のために第3成分として相溶化剤が加えられ、モルホロジー的に両者のミクロ分散を可能にしている。
【0033】
好ましいポリマーアロイとして、具体的には次の組み合わせを例示することができる。
(a)ポリフェニレンオキサイド樹脂(Tg;210℃)とポリアミド樹脂(ナイロン−6のTm;220℃、ナイロン−6,6のTm;260℃)とを主成分とするポリマーアロイ
(b)ポリフェニレンオキサイド樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂(Tm;221℃)とを主成分とするポリマーアロイ
【0034】
(c)テレフタル酸とイソフタル酸との混合フタル酸とビスフェノールAから得られるポリアリレート樹脂(Tg;193℃)と、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−MXD6をはじめとするポリアミド樹脂とを主成分とするポリマーアロイ
(d)同様のポリアリレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを主成分とするポリマーアロイ
【0035】
(e)ポリサルホン樹脂(Tg;189℃)とポリエチレンテレフタレート樹脂(Tm;256℃)とを主成分とするポリマーアロイ
(f)ポリカーボネート樹脂(Tg;150℃)とポリエチレンテレフタレート樹脂とを主成分とするポリマーアロイ
(g)ポリカーボネート樹脂とポリアミド樹脂とを主成分とするポリマーアロイ。
【0036】
これらの中でも特に、ポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂とを主成分とするポリマーアロイは、耐熱性、引張強度、および流動性のバランスと言う観点から好適である。以下、このポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂とを主成分とするポリマーアロイについて詳細に説明する。
【0037】
このポリマーアロイは、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、そして必要に応じて互いの相溶性を増し、分散性を高めるための相溶化剤が加えられ、アロイ化されている。このような樹脂組成物は、既に市販されており、例えば、ノリルGTX−6013、GTX−600、GTX−910(日本ジーイープラスチック(株))、ユピエースNX7000、レニーNX5000(三菱ガス化学(株))等の商品名で入手することができる。また、その製法は、特開平10−60266、10−114857号公報に開示されている。
【0038】
次に、このポリマーアロイの一製造方法について説明する。
ポリフェニレンオキサイド樹脂は、次の一般式で表されるフェノール化合物を酸化カップリング触媒および酸素の存在下で、酸化カップリング反応を行わせて製造される重合体である。
【0039】
【化1】
Figure 0004321693
【0040】
ここで、R1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、置換炭化水素基から選ばれる基であり、それらの内少なくとも一つは水素原子である。R1〜R5の例としては、水素、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエチル、フェニルエチル、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、クロロフェニル、ジメチルフェニル、ベンジル等の基を挙げることができる。
【0041】
前記の一般式で表される化合物の例としては、フェノール、o、mまたはp−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−または3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、または2,3,6−、または2,4,6−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2−メチル−6−アリルフェノール等が挙げられる。これらのフェノール化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0042】
さらに、前記のフェノール化合物を、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン等の二価フェノールや多価フェノール類とを共重合させてもよい。
【0043】
特に好ましいフェノール化合物は、2,6−ジメチルフェノール単独重合体、2,6−ジメチルフェノールと少量の3−メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体である。
【0044】
ポリアミド樹脂は、ポリマー主鎖中にアミド基(−CONH−)を有する脂肪族または芳香族の熱可塑性樹脂である。その例としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−12、ナイロン−6,9、ナイロン−6,10を挙げることができる。また、テレフタール酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とアゼライン酸および2,2−ビス(p−アミノシクロヘキシル)−プロパンから得られるポリアミド、テレフタール酸と4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンから得られるポリアミドも使用することができる。さらに、ナイロン−6,6とナイロン−6との共重合体である66/6ナイロンや、6/12ナイロン共重合体でもよい。
【0045】
このポリマーアロイに前記した4.6(kg/cm2)荷重下で測定される熱変形温度130℃以上、かつ140℃における降伏点応力100(kg/cm2)以上の物性を持たせるために、組成物中に占めるポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂との好都合な混合割合は、ポリフェニレンオキサイド樹脂が20〜95、好ましくは30〜80重量%、およびポリアミド樹脂が5〜80、好ましくは20〜70重量%の範囲にあることが望ましい。この混合範囲内にあると、押出加工性、耐熱性、および機械的強度に優れた組成物が得られる。
【0046】
ポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂との相溶性を改良し、分散性を高めるために、必要に応じて相溶化剤が混合に際して配合される。互いの相溶性が改良されるならば任意の相溶化剤が使用でき、その種類は限定されないが、中でも飽和または不飽和のカルボン酸が好ましい。そのカルボン酸の例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。
【0047】
ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂および相溶化剤を溶融混練りすることによって、互いに均一分散したポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂との組成物であるポリマーアロイが得られる。溶融混練りに際して、一軸または二軸の押出機を使用することが望ましい。
【0048】
そのポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂との組成物には、その耐衝撃性や加工性等を向上させるために、ゴム状重合体、その変性体、スチレン系樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂等を適宜配合することができる。
【0049】
ゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン等を挙げることができる。また、ゴム状重合体の変性体としては、前記のゴム重合体を不飽和ジカルボン酸またはその誘導体で変性したポリマーがある。その不飽和ジカルボン酸またはその誘導体としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、これらの無水物、エステル、アミド、イミド等を例示することができる。これらの中でも、マレイン酸および無水マレイン酸が好ましい。
【0050】
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン・α−メチルスチレン共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・アクリロニトリル・ジエン共重合体等が例示される。また、ゴム変性スチレン系樹脂としては、ブタジエン系ゴム変性ポリスチレン、ブタジエン系ゴム変性スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリルゴム変性ポリスチレン、アクリルゴム変性スチレン・アクリロニトリル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体変性ポリスチレン、エチレン・メチルメタクリレート共重合体変性ポリスチレン等を例示することができる。
【0051】
これまでに説明したポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂とを主成分としたポリマーアロイは、機械的強度、耐溶剤性、耐熱性等の物性に優れており、3層ないし5層フィルムの支持体層を形成する素材として好適である。特に、このポリマーアロイは伸度が小さくかつ降伏点応力が大きいことから、変形に対する抵抗力が高いことを示しており、高温下で負荷のかかる条件の下で使用する支持体としては、好ましく使用できるものである。
【0052】
以上説明したポリフェニレンオキサイド樹脂とポリアミド樹脂とを主成分としたポリマーアロイの製造方法は、他のポリマーアロイであっても同様に行うことができる。特に、4.6(kg/cm2)荷重下で測定される熱変形温度が130℃以上、かつ140℃における降伏点応力が100(kg/cm2)以上の物性を発現させるためには、次に説明する組成割合でアロイ化することが望ましい。
【0053】
(a)ポリフェニレンオキサイド樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とのアロイでは、ポリフェニレンオキサイド樹脂は20〜95、好ましくは30〜80重量%、ポリブチレンテレフタレート樹脂は5〜80、好ましくは20〜70重量%である。
【0054】
(b)ポリアリレート樹脂とポリアミド樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂とのアロイでは、ポリアリレート樹脂は40〜95、好ましくは60〜90重量%、ポリアミド樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂は5〜60、好ましくは10〜40重量%の組成である。
【0055】
(c)ポリサルホン樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とのポリマーアロイでは、ポリサルホン樹脂は40〜95重量%、ポリエチレンテレフタレート樹脂は5〜60重量%の組成である。
【0056】
(d)ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とのアロイでは、ポリカーボネートが60〜95、好ましくは70〜90重量%、ポリエチレンテレフタレート樹脂は5〜40、好ましくは10〜30重量%である。
【0057】
(e)ポリカーボネート樹脂とポリアミド樹脂とのアロイでは、ポリカーボネート樹脂は55〜95、好ましくは60〜90重量%、ポリアミド樹脂は5〜45、好ましくは10〜40重量%である。
【0058】
多 層 フ ィ ル ム
本発明に係わる多層フィルムは、表面側からポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、接着性樹脂からなる中間接着層、耐熱性樹脂からなる支持体層の順に積層された3層のフィルムである。このフィルムでは、表面側のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる層は、耐熱性、離型性、電気絶縁性、透明性を発揮する機能層として使われ、裏面の耐熱性樹脂からなる層は、耐熱性および機械的強度に優れた支持体層として機能するものである。従って、層構成はそれ等機能に応じた層厚とすればよく、通常両層共に10〜100μmである。中間の接着性樹脂からなる層は、表面層および支持体層を接合する機能として設ける層であることから、必要とする接着強度に応じた層厚とすればよく、通常5〜50μmである。
【0059】
この3層フィルムは、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなるフィルムと、耐熱性樹脂からなるフィルムとの間に、接着性樹脂を塗布ないし押出ラミネートし、両層を接合することによって製造できる。しかし、より効率的にかつ安価に製造するには、また各層間の接着強度を高めつつ製造するためには、表面層、中間接着層、および支持体層を構成する各樹脂を別々の押出機から溶融して押出し、ダイリップで各層を接合するいわゆる共押出法で製造する方法が最も好ましい。
【0060】
この3層フィルムは、それ自体で離型フィルム、耐熱フィルム、電気絶縁フィルム、金属蒸着フィルム等として使用できる。また、このフィルムの支持体層側に接着剤層を介して基材を接合することによって、一層強度補強と形状安定化を図った同用途向けの積層材料を提供することができ、用途を拡大させることができる。基材としては、織布、不織布、紙、合板、金属箔等が使用でき、接着剤層としては支持体層および基材の両者を接着できる接着剤であればいかなるものでもよく、前記した接着性樹脂も使用できる。
【0061】
さらに、本発明に係わる別の多層フィルムは、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、接着性樹脂からなる中間接着層、耐熱性樹脂からなる支持体層、接着性樹脂からなる中間接着層、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層の順に積層された5層フィルムである。各層は、基本的には前記の3層フィルムの各層と同様の機能を有しているが、支持体層を中心にして面対称の層構成をとっていることから、フィルム、シートとしても、またテープとしても形態安定性に優れている。このような特徴を有していることから、この5層フィルムは、離型フィルム、耐熱フィルム、電気絶縁フィルム、金属蒸着フィルム等として好適に使用できる。
【0062】
これら3層および5層フィルムにおいては、表面側のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる層の外表面上に各種のコーティング剤またはアンダーコーティング剤を塗布することによって、表面硬度や表面光沢等の表面改質を図ることができるし、また着色や金属蒸着などの手段によって表面保護ないし表面装飾を図ることもできる。そして、さらにその表面を別のコーティング剤ないしトップコーティング剤で覆うこともできる。これらの方法によって、本発明に係わる多層フィルムは一層その用途を拡大させることができる。
【0063】
【実施例】
次に、実施例を通して本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれ等実施例によって限定されるものではない。まず、ここで共通的に使用した樹脂について説明する。
【0064】
(a)ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂(PMP)
4−メチル−1−ペンテンと1−デセンとの共重合体であって、1−デセン含量は3重量%、密度は0.835(g/cm3)、MFRは 26(g/10分)である。
【0065】
(b)接着性樹脂(MAN−PO−1)
高密度ポリエチレンへ無水マレイン酸をグラフト共重合した無水マレイン酸グラフトポリエチレン(グラフト率;2.1(g/100g−ポリマー)、密度;0.960(g/cm3)、MFR;1.2(g/10分))10重量%、(a)と同じポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂85重量%、およびエチレン・プロピレンランダム共重合体5重量%をまずドライブレンドし、次に270℃に設定した40mmφ一軸押出機へ供給して混練り、造粒した。
【0066】
(c)接着性樹脂(MAN−PO−2)
前記と同じ無水マレイン酸グラフトポリエチレンを用い、無水マレイン酸グラフトポリエチレン2.5重量%、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂95.5重量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体2.0重量%からなるペレットを、(b)と同様の操作で得た。
【0067】
(d)ポリフェニレンオキサイド・ポリアミドポリマーアロイ(PPO)
ポリフェニレンオキサイド樹脂とナイロン−6樹脂とを主成分とする組成物であって、日本ジーイープラスチック(株)製品(商品名 ノリルGTX6013)を使用した。密度は1.07(g/cm3)、4.6(kg/cm2)荷重下での熱変形温度(HDT)は175℃、140℃における降伏点応力は340(kg/cm2)であった。
【0068】
なお、接着強度は、フィルムを幅30mmにスリットし、引張試験機を用いて300(mm/分)の引張り速度で180度剥離させた時の接着力で示した。また、引張り試験は、20℃、65%RHの条件下で、ASTM D−882に準拠して行った。
【0069】
(実施例1)
3台の押出機(各40mmφ)を用意し、第1の押出機にポリフェニレンオキサイド・ポリアミドポリマーアロイ(PPO)を供給し、押出機先端部を310℃に設定して樹脂を可塑化した。第2の押出機には、接着性樹脂(MAN−PO−1)を供給し、押出機先端部を260℃に設定して樹脂を可塑化した。第3の押出機には、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂(PMP)を供給し、押出機先端部を260℃に設定して樹脂を可塑化した。可塑化した樹脂を分配アダプターへ導き、300℃に温度設定したTダイを通して、PMP/MAN−PO−1/PPO/MAN−PO−1/PMPなる層構成の5層フィルムを引き取った。
【0070】
得られた5層共押出フィルムは、総厚120μmで、層構成はPMP(20μm)/MAN−PO−1(20μm)/PPO(40μm)/MAN−PO−1(20μm)/PMP(20μm)であった。フィルム物性を表1に記載した。
【0071】
PMP層とMAN−PO−1層との間、およびMAN−PO−1層とPPO層との間の接着は両者とも強固で、共に剥離不能であった。また、140℃で3(kg/30mm幅)の荷重をかけた時のフィルム伸度は3%と小さかった。従って、高温下で使用できる離型フィルム、離型ベルトとしての性能を有していることがわかった。
【0072】
(実施例2)
実施例1において、第2押出機に供給した接着性樹脂(MAN−PO−1)を接着性樹脂(MAN−PO−2)に代えた以外は実施例1と同様に行い、同じ層構成の5層共押出フィルムを得た。
【0073】
このフィルムの物性を表1に記載した。PMP層とMAN−PO−2層との間の接着は強固で、剥離不能であった。MAN−PO−2層とPPO層との間の接着強度は、500(g/30mm幅)で、実用上十分な強度であった。また、140℃での降伏点応力は290(kg/cm2)であり、140℃で3(kg/30mm幅)の荷重をかけた時のフィルムの伸度は3%と小さかった。従って、高温下で使用できる離型フィルム、離型ベルトとしての性能を有していることがわかった。
【0074】
(比較例1)
実施例1において、接着性樹脂を使用しなかった以外は実施例1と同様に行い、2種3層のPMP/PPO/PMP共押出フィルムを得た。総厚は120μmで、層構成はPMP(40μm)/PPO(40μm)/PMP(40μm)であった。フィルム物性を表1に併せて示したが、PMP層とPPO層との間の接着強度は10(g/30mm幅)と小さいものであった。
【0075】
(比較例2)
65mmφの押出機にポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂(PMP)を供給し、押出機先端部の樹脂温度を290℃にして樹脂を可塑化し、290℃に設定したTダイより押出して、120μm厚のPMP単層フィルムを得た。
フィルム物性を表1に記載したが、120℃における降伏点応力が50(kg/cm2)で、また140℃で3(kg/30mm幅)の荷重下で測定した引張り伸度は1000%以上であった。
【0076】
【表1】
Figure 0004321693
【0077】
【発明の効果】
本発明に係わる多層フィルムでは、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層/接着性樹脂からなる中間接着層/耐熱性樹脂からなる支持体層で構成された3層フィルム、およびポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層/接着性樹脂からなる中間接着層/耐熱性樹脂からなる支持体層/接着性樹脂からなる中間接着層/ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層で構成された5層フィルムの層構成をとったことにより、耐熱性、離型性、電気絶縁性、透明性を有するフィルムが得られた。特に、この多層フィルムは、高温下においても伸度が小さく、かつ高強度を維持していることから、高温下で張力のかかる条件下で使用される用途、特に離型フィルムに適していることがわかった。

Claims (10)

  1. 表面側からポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層、接着性樹脂からなる中間接着層、そしてガラス転移点130℃以上の非晶性樹脂と融点170℃以上の結晶性樹脂とからなるポリマーアロイである耐熱性樹脂からなる支持体層の順に積層されており、ここで耐熱性樹脂が4.6(kg/cm2)荷重下で測定される熱変形温度130℃以上、かつ140℃における降伏点応力100(kg/cm2)以上を示す樹脂であることを特徴とする多層フィルム。
  2. ガラス転移点130℃以上の非晶性樹脂と融点170℃以上の結晶性樹脂とからなるポリマーアロイである耐熱性樹脂からなる支持体層を中心にして、その両側に接着性樹脂からなる中間接着層を介して表面側にポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層が積層されており、ここで耐熱性樹脂が4.6(kg/cm2)荷重下で測定される熱変形温度130℃以上、かつ140℃における降伏点応力100(kg/cm2)以上を示す樹脂であることを特徴とする多層フィルム。
  3. 前記の耐熱性樹脂が、ポリフェニレンオキサイド樹脂と、ポリアミド樹脂またはポリブチレンテレフタレート樹脂とからなるポリマーアロイであることを特徴とする請求項1または2記載の多層フィルム。
  4. 前記の耐熱性樹脂が、ポリフェニレンオキサイド樹脂20〜95重量%およびポリアミド樹脂5〜80重量%とからなるポリマーアロイであることを特徴とする請求項1または2記載の多層フィルム。
  5. 前記の耐熱性樹脂が、ポリアリレート樹脂と、ポリアミド樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂とからなるポリマーアロイであることを特徴とする請求項1または2記載の多層フィルム。
  6. 前記の耐熱性樹脂が、ポリカーボネート樹脂と、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリアミド樹脂とからなるポリマーアロイであることを特徴とする請求項1または2記載の多層フィルム。
  7. 前記の接着性樹脂が、オレフィン重合体へ不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させた変性体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多層フィルム。
  8. 前記の各層が、共押出法によって積層成形されたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多層フィルム。
  9. 請求項1記載の多層フィルムの耐熱性樹脂からなる支持体層の外側に、さらに接着剤層を介して基材層を積層してなることを特徴とする積層体。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の多層フィルムからなることを特徴とする離型フィルム。
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