JP6467800B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型フィルムに関する。より具体的には、本発明は、離型性を向上させた離型フィルムに関する。
例えばフレキシブルプリント配線基板(以下、FPCという。)では、ポリイミド樹脂フィルム等の絶縁基材の表面に形成された電気配線を覆うようにカバーレイフィルムが設けられ、これにより電気配線の絶縁化が図られている。このカバーレイフィルムは、絶縁基材上にプレスラミネートすることにより配設される。
プレスラミネート法は、熱盤を押し当てることにより、カバーレイフィルムを絶縁基材や電気配線に圧着する方法であるが、圧着後、熱盤をカバーレイフィルムや絶縁基材から容易に離型することができるよう、熱盤と被処理物との間に離型フィルムが介挿される。
したがって離型フィルムには、良好な離型性が求められる。
このような離型フィルムとしては、例えば、特開2011−161749号公報(特許文献1)に、ポリオレフィン系樹脂と、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(SPS樹脂)と、を含有するクッション層と、SPS樹脂を主成分とする離型層と、を有するものが開示されている。
特開2011−161749号公報
特許文献1に記載の離型フィルムは、プレスセットの作業性を良好にすることができると共にFPCの良品率を高めることができる点で優れている。離型性については、さらなる向上の余地がある。
そこで本発明の目的は、離型性をさらに向上させた離型フィルムを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1)シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とエラストマーとを含む基層と、
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含む離型層と、を含み
前記基層中、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と前記エラストマーとの合計量100質量部に対し、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が70質量部以上90質量部以下、前記エラストマーが10質量部以上30質量部以下の割合で含まれることを特徴とする、離型フィルム。
(2)前記基層が、ポリフェニレンエーテル系樹脂をさらに含むことを特徴とする(1)に記載の離型フィルム。
(3)前記基層中、基層を構成する樹脂100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂が20質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする(2)に記載の離型フィルム。
(4)前記基層が、ゴム変性スチレン系樹脂をさらに含むことを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
(5)前記基層中、基層を構成する樹脂100質量部に対し、ゴム変性スチレン系樹脂が0.1質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする(4)に記載の離型フィルム。
(6)厚さ100μm、幅4mm、長さ20mmに成形した基層を、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定したときの、20℃以上185℃以下での弾性率の下限値が、5.0MPa以上であることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
(7)前記基層の厚みが、40μm以上、100μm以下であることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
(8)前記離型層が、エラストマーをさらに含むことを特徴とする(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
(9)前記離型層中、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と前記エラストマーとの合計量100質量部に対し、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が90質量部以上95質量部以下の割合で含まれることを特徴とする、(8)に記載の離型フィルム。
(10)前記離型層の表面粗さ(Rz)が3μm以上15μm以下であることを特徴とする(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
(11)前記離型層の厚みが、10μm以上、40μm以下であることを特徴とする(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の離型フィルム。
本発明によって、離型性、埋め込み性に優れた離型フィルムを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る積層フィルムの縦断面図である。 変形例に係る積層フィルムの縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムの使用方法の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の要素には同一の符号を付しており、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1実施形態]
図1は、本実施の第1形態の離型フィルム100の一例を示す模式的断面図である。
図1に示す離型フィルム100は、基層110と、基層110の表面上に接触して積層された第1離型層120と、を含む積層体である。
離型フィルム100は、基層110の構成材料が、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と、エラストマーとを含む樹脂混合物を主成分として含む。このような離型フィルム100は、例えば、回路パターンが形成された絶縁基板の凹凸面にカバーレイフィルムをプレスラミネートする際、熱盤とカバーレイフィルムとの間(カバーレイフィルムが途切れている部分では、熱盤と絶縁基板との間)に介挿され、プレスラミネート後に加圧が解放されたとき、カバーレイフィルム端面から速やかに離れる離型性に優れる。
離型フィルム100の弾性率は、厚さ100μm、幅4mm、長さ20mmに成形したサンプルを、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定することができる。この場合の弾性率は、好ましくは25℃から185℃までの弾性率の最低値が5MPa以上20MPa以下である。このように離型フィルム100の弾性率が好ましい範囲にあることにより、プレスラミネート時の埋め込み性(カバーレイフィルムに覆われない凹凸面(回路パターン部分)へのフィット性)が特に良好であり、回路基板とカバーレイフィルムとの間の接着剤がその回路パターン部分へシミ出す量を許容範囲内に止めることが容易でき、かつロールトゥロール生産方式に適する。
また、離型フィルム100の総厚は、例えば25μm以上300μm以下、好ましくは50μm以上100μm以下である。
[基層]
基層110は、第1離型層120を支持するとともに、離型フィルム100にクッション性を付与する。
基層110の厚みは、好ましくは40μm以上100μm以下である。基層110の厚さが上記下限値以上である場合、クッション性の低下を好ましく抑制できる。基層110の厚さが上記上限値以下である場合、プレス時に中間層はみ出しによる離型不良を抑制することができる。
[基層の主成分]
基層110の構成材料は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と、エラストマーとから構成される樹脂混合物を主成分とする。シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と、エラストマーとは相溶性が良好であり、基層110においてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を多く含ませることができ、良好な離型性を達成する。
また、エラストマーを含むことにより、プレス時のクッション性およびフィルムの柔軟性が得られる。
基層110の構成材料中、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とエラストマーとの合計量100質量部に対し、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂の含有量は、70質量部以上、好ましく75質量部以上であり、90質量部以下、好ましくは85質量部以下である。シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂の含量が上記下限値以上であることは、離型フィルム100の離型性に優れる点で好ましく、上記上限値以下であることは、ロールトゥロール生産時にハンドリング性で好ましい。
基層110の構成材料中、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とエラストマーとの合計量100質量部に対し、エラストマーの含有量は、10質量部以上、好ましくは15質量部以上であり、30質量部以下、好ましくは25質量部以下である。エラストマーの含量が上記下限値以上であることは、離型性のロールトゥロール生産時のハンドリング性で好ましく、上記上限値以下であることは、離型性の点で好ましい。
[シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂]
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(SPS樹脂)は、シグマ結合を形成する炭素で構成される主鎖に対し、無置換フェニル基または置換フェニル基で構成される側鎖が交互に反対方向に位置する立体規則構造(シンジオタクチック構造)を有する樹脂である。
基層110に用いられるSPS樹脂としては、例えば、ラセミアイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、もしくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体等が挙げられる。
ポリ(アルキルスチレン)としては、例えば、ポリ(スチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(t−ブチルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(アリールスチレン)としては、例えば、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、例えば、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。
ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、例えば、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(アルコキシスチレン)としては、例えば、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
なお、これらの中でも特に、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−t−ブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン、およびこれらの構造単位を含む共重合体が好ましく用いられる。
[エラストマー]
エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、もしくはブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−シロキサン等のシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等が挙げられる。
これらの中でもスチレン系エラストマーがシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂との相溶性の点で好ましい。
[ポリフェニレンエーテル系樹脂]
基層110の構成材料は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と、エラストマーとから構成される樹脂混合物を主成分とするが、ポリフェニレンエーテル系樹脂をさらに含むことが好ましい。これによりクッション性の調整およびロールトゥロール生産時のハンドリング性の向上効果を発現する。
基層を構成する樹脂100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂が、20質量部以上、30質量部以下であることが好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂の含量が上記下限値以上であることは、ロールトゥロール生産時のハンドリング性で好ましく、上記上限値以下であることは、離型層との接着性の点で好ましい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記式(I)で示される構造単位を有するポリマーである。ポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれる下記構造単位は1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
Figure 0006467800
式中、R1,R2,R3,R4は、互いに同じまたは異なっていてよく、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、および置換されていてもよいアルコキシ基からなる群から選ばれるいずれかを表す。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
置換されていてもよいアルキル基の「アルキル基」は、例えば、炭素数が1以上6以下、好ましくは炭素数が1以上3以下の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基、エチル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルケニル基の「アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、エテニル基、1−プロペニル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルキニル基の「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられ、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル(プロパルギル)基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアリール基の「アリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアラルキル基の「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、α−メチルベンジル基、2−ビニルフェネチル基、4−ビニルフェネチル基等が挙げられ、ベンジル基であることがより好ましい。
置換されていてもよいアルコキシ基の「アルコキシ基」は、たとえば炭素数が1以上6以下、好ましくは炭素数が1以上3以下の、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基であることがより好ましい。
上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、及びアルコキシ基が置換されている場合、置換基を1または2以上有していてよい。
このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アルケニル基(例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
[ゴム変性スチレン系樹脂]
基層110の構成材料は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と、エラストマーとから構成される樹脂混合物を主成分とするが、ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS:ハイインパクトポリスチレン)をさらに含むことが好ましい。これによりフィルムの柔軟性が付与され、フィルムが割れにくくなる効果を発現する。
ゴム変性スチレン系樹脂は、スチレン系単量体にゴム成分を溶解し、熱重合または過酸化物等の重合開始剤を用い、バッチ重合または連続重合などにより重合させた樹脂である。
基層を構成する樹脂100質量部に対し、ゴム変性スチレン系樹脂が、0.1質量部以上、30質量部以下であることが好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の含量が上記上限値以下であることは、フィルムの耐熱性の点で好ましい。
スチレン系単量体としては、スチレンおよびアルキルスチレン(たとえば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン)などが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いられてもよいし、これらの中から2種以上を併用されてもよいし、これらの単量体と共重合可能な他の単量体(たとえば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなど)と併用されてもよい。
ゴム成分としては、ブタジエン、イソプレン等の単独重合体、および、ブタジエンとスチレンおよび/または(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体が挙げられる。共重合体の分子構造はランダム構造でもブロック構造でもよく、分岐構造を有してもよい。
ゴム変性スチレン系樹脂における、ゴム成分の含有量は、たとえば1質量%以上20質量%以下、好ましくは5質量%以上10質量%以下である。上記下限値以上であることにより、製膜時におけるフィルムの割れ等が回避され、製膜性が良い。上記上限値以下である場合、185℃での耐熱性が良好であり、シワの発生を回避しやすくなる。
[基層のその他の成分]
基層110には、上記の主成分樹脂、および副成分樹脂に加えて、上記以外の他の樹脂および添加剤からなる群から選ばれる他の成分が含まれていてもよい。
他の成分の含有量が含まれる場合、その含有量は特に限定されないが、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とエラストマーとの合計100質量部に対してたとえば0.01質量部以上5.00質量部以下、好ましくは0.05質量部以上3.00質量部以下である。添加量を前記範囲内とすることにより、離型フィルム100の埋め込み性と離型性とを両立させつつ、各添加剤を添加したことによる効果を十分に引き出させることができる。
他の樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
また、ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
アンチブロッキング剤としては、無機粒子または有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VIIIA族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、並びにそれらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げられる。有機粒子としては、フッ素樹脂、メラミン系樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル系レジンシリコーン及びそれらの架橋体が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
また、核剤としては、例えば、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)のようなカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジーt−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムのようなリン酸の金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトールのような多価アルコール誘導体、N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]−1,2,3−プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”−トリシクロヘキシルー1,3,5−ベンゼントリカルボキミド、N,N’−ジシクロヘキシル−ナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼンのようなアミド化合物、タルク、フタロシアニン誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル等が挙げられる。
基層110の弾性率は、厚さ100μm、幅4mm、長さ20mmに成形したサンプルを、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定することができる。この場合の弾性率は、好ましくは25℃から185℃までの弾性率が5.0MPa以上50MPa以下である。このように基層110の弾性率が好ましい範囲にあることにより、ロールトゥロール時のハンドリング性と良好な埋め込み性を両立できる効果が得られる。
[第1離型層]
第1離型層120は、例えば電気配線が形成された絶縁基板上にカバーレイフィルムをプレスラミネートする際、離型フィルム100と被処理物との密着を防ぎ、良好な離型性をもたらす。
第1離型層120の構成材料は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする。これにより、離型フィルム100が良好な離型性を有するものとなる。さらに、基層110と第1離型層120との密着性を高めることができるため、プレスラミネート後に離型フィルム100を剥離する際、基層110と第1離型層120との間で層間剥離が生じることを防止することができる。シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂としては、前述したものを好適に用いることができる。
第1離型層120に含まれるシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と基層110に含まれるシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とは、互いに異なる組成のものでも、同じ組成のものでも良い。
第1離型層120の構成材料は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とするが、エラストマーをさらに含むことが好ましい。これにより良好な埋め込み性とフィルムの柔軟性を付与する事ができる。
エラストマーとしては、前述したものを好適に用いることができる。
第1離型層120に含まれるエラストマーと基層110に含まれるエラストマーとは、互いに異なる組成のものでも、同じ組成のものでも良い。
第1離型層120の構成材料中、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とエラストマーとの合計量100質量部に対し、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂の含有量は、90質量部以上、好ましくは92.5質量部以上であり、97.5質量部以下、好ましくは95質量部以下である。シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂の含量が上記下限値以上であることは、離型フィルム100の離型性に優れる点で好ましく、上記上限値以下であることは、埋め込み性およびフィルムの柔軟性の点で好ましい。
第1離型層120には、上記以外の他の樹脂および添加剤からなる群から選ばれる他の成分が含まれていてもよい。他の成分は、基層110に用いられる副成分樹脂および他の成分から当業者が適宜選択できる。
第1離型層120の厚みは、好ましくは10μm以上40μm以下である。第1離型層120の厚さが上記下限値以上である場合、第1離型層の厚さが上記下限値以上である場合、型追従時の第1離型層120の破断を抑制できる。第1離型層の厚さが上記上限値以下である場合、プレス時に中間層はみ出しによる離型不良を抑制することができる。
第1離型層120の、基層と反対側の面の表面粗さ(Rz)は3μm以上、15μm以下であることが好ましい。上記下限値以上である場合、プレス熱盤との滑り性が良化す効果が得られ好ましい。上記上限値以下である場合、フィルムのカバーレイ接着剤シミダシ量の低減の効果が得られ好ましい。
[実施形態の他の例]
上述の第1実施形態においては、基層110の表面上に接触して第1離型層120が積層されている態様を例示したが、基層110と第1離型層120との積層態様はこの態様に限定されない。たとえば、基層110と第1離型層120との間には、プライマー層などの接着層およびアンカー層の少なくともいずれかが介在していてもよい。
図2は、本発明の離型フィルムの実施形態の他の例を示す模式的断面図である。図2に示す離型フィルム100aは、基層110、第1離型層120および第2離型層130を含む。離型フィルム100aは、基層110の、第1離型層120とは反対側の表面に接触して第2離型層130が積層されていることを除いて、上記第1実施形態の離型フィルム100と同様である。したがって、第1実施形態の離型フィルム100と同様の事項については説明を省略する。
[第2離型層]
離型フィルム100aは、第2離型層130を有することにより、例えば回路パターンが形成された絶縁基板上にカバーレイフィルムをプレスラミネートする際、熱盤とカバーレイフィルムとの間の離型性を高めることができる。なお、熱盤とカバーレイフィルムとの間に中間部材が介挿されている場合には、その中間部材とカバーレイフィルムとの間の離型性を高めることができる。その結果、熱盤または中間部材と離型フィルム100aとの密着を抑制し、プレスラミネートの作業性をより高めることができる。
なお、第2離型層130の厚さは、好ましくは10μm以上40μm以下である。第2離型層130の厚さが上記下限値以上である場合、離型性の点で好ましい。
上記他の例においても、基層110と第1離型層120との間には、プライマー層などの接着層およびアンカー層の少なくともいずれかが介在していてもよい。同様に、基層110と第2離型層130との間にも、プライマー層などの接着層およびアンカー層の少なくともいずれかが介在していてもよい。
[離型フィルムの製造方法]
図1に示す離型フィルム100、および図2に示す離型フィルム100aはいずれも、共押出法または押出ラミネート法により製造することができる。
図3は、離型フィルム100を製造する方法の一例を説明する模式図である。離型フィルム100aも、以下の記載に準じて当業者が容易に製造方法を決定することができる。
共押出法では、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して基層110の原材料と第1離型層120の原材料とを同時に押し出すことにより離型フィルム100を製造する。
具体的には、基層110の原材料および第1離型層120の原材料をそれぞれ公知の方法で溶融混練し、必要に応じて造粒または粉砕することで融解物を得る。これらの工程には、Vブレンダ、リボンブレンダ、ヘンシェルヘキサ、タンブラーブレンダ等の混合機、単軸押出機、ニ軸押出機、ニーダ、バンバリーミキサ等が用いられる。
次いで、基層110の原材料である融解物と第1離型層120の原材料である融解物とをダイス210から同時に層状に押し出す。この押し出しには、単軸押出機、ニ軸押出機等が用いられる。押し出された融解物Mは、図3に示すように、第1ロール230とタッチロール220との間に誘導され、第1ロール230から離れるまでの間に、タッチロール220および第1ロール230により冷却される。これにより離型フィルム100が得られる。製造された離型フィルム100は、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られ、最終的には巻き取りロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このときの第1ロール230の温度は30℃以上100℃以下程度であることが好ましく、タッチロール220の温度は50℃以上120℃以下程度であることが好ましく、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比は0.990以上0.998以下程度であることが好ましい。
一方、押出ラミネート法では、基層110の原材料と第1離型層120の原材料とを個別に押し出した後、積層することにより離型フィルム100を製造する。
具体的には、押出機シリンダの温度を270℃以上300℃以下に設定して第1離型層120の原材料である融解物をダイス210から層状に押し出し、図3に示すように、第1ロール230とタッチロール220との間に誘導する。誘導された融解物Mは、第1ロール230から離れるまでの間に、タッチロール220および第1ロール230により冷却される。これにより離型層フィルムFが得られる。
また、これとは別に、基層110の原材料である融解物をダイス(図示せず)から層状に押し出し、これを離型層フィルムFと合流させる(図示せず)。これを冷却することにより、離型フィルム100が得られる。製造された離型フィルム100は、最終的に巻き取りロール(図示せず)に巻き取られる。
ここで、離型フィルム100の引張貯蔵弾性率E’は、基層110や第1離型層120の原材料である融解物の冷却速度を変更することにより適宜調整することができる。冷却速度は、基層110の組成、厚さ、第1離型層120の組成、厚さ、離型フィルム100の層構成等に応じて適宜設定されるが、一例として0.1℃/秒以上20℃/秒以下程度に設定されるのが好ましく、0.3℃/秒以上15℃/秒以下程度に設定されるのがより好ましい。そして、冷却速度を上げることにより、基層110や第1離型層120に含まれる結晶性樹脂(例えばSPS樹脂、ポリフェニレンエーテル等)の結晶化度が低く、または、結晶サイズが小さくなり、離型フィルム100の引張貯蔵弾性率E’が低下する。一方、冷却速度を下げることにより、基層110や第1離型層120に含まれる結晶性樹脂の結晶化度が高く、または、結晶サイズが大きくなり、離型フィルム100の引張貯蔵弾性率E’が上昇する。
なお、基層110や第1離型層120の構成材料の結晶化度は、示差走査熱量計(DSC)による測定値が5%以上50%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましい。これにより離型フィルム100は、埋め込み性と離型性とをより高度に両立し得るものとなる。
さらには、基層110や第1離型層120に前述したような添加剤を添加することによっても引張貯蔵弾性率E’を調整することができる。
なお、離型フィルム100の製造方法は、上記のものに限定されず、その他の方法を当業者が適宜選択することができる。
[積層フィルムの使用方法]
図4は、離型フィルム100の使用方法の例を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態に係る離型フィルム100は、回路パターンが形成された絶縁基板の凹凸面へカバーレイフィルムをプレスラミネートする際、熱盤とカバーレイフィルムとの間(カバーレイフィルムが途切れている部分では、熱盤と絶縁基板との間)に介挿され、プレスラミネート後の離型性を確保するために用いられる。
離型フィルム100は、カバーレイフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びカバーレイフィルムと共にプレス装置により加圧される。具体的には、離型フィルム100は、図4に示されるように、回路露出フィルムとカバーレイフィルムとが接着剤により仮止めされた未接合体340を、第1離型層120が対向するように挟み、さらに、2枚のフッ素樹脂シート330、2枚のゴムクッション320および2枚のステンレス鋼板310で挟み込む。これらを熱盤300でプレスする(図4の白抜矢印参照)。
プレスラミネートにおいて、離型フィルム100がカバーレイフィルム端面に沿って埋め込まれるように変形するため、カバーレイフィルム端面からの接着剤の染み出しが抑えられる。その一方、基層110がSPS樹脂を主成分とするため、プレスラミネート後に加圧力が解放されたとき、離型フィルム100はカバーレイフィルム端面から速やかに離れる。これにより、プレスラミネートにおける離型フィルム100の埋め込み性と離型性とを両立させることができ、作業性を高めることができる。また、カバーレイフィルムが途切れた部分では接着剤の染み出しが防止されるため、その部分において電気配線を確実に露出させ、電気的接続を図ることができる。
なお、プレスラミネートの際、フッ素樹脂シート330、ゴムクッション320、およびステンレス鋼板310は、それぞれ省略してもよい。
また、離型フィルム100は上記の使用例の他、部材を成形等する際に、成形型と部材とが密着しないよう分離させる目的で使用される。例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics)やCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)成形用離型フィルム、先端複合材料(ACM : Advanced Composites Materials)用離型フィルム、ゴムシート硬化用離型フィルム、エポキシ系やフェノール系等の半導体封止材用の離型フィルム、特殊粘着テープ用離型フィルム等として用いることができる。
1.離型フィルムの製造
[実施例1]
(1)第1離型層および第2離型層の原材料
第1離型層および第2離型層の原材料として、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS;クラレ製 セプトンS8104)を95:5重量比で2軸混練した組成物S2を用意した。
(2)基層の原材料
基層の原材料としてそれぞれ以下のものを用意した。
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 セプトンS8104)を80:20重量比で2軸混練した組成物S1 50部
ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂)(三菱エンジニアリングプラスチックス製 品番レマロイPX603Y) 20部
ゴム変性ポリスチレン系樹脂(HIPS)(CHI−MEI製 品番Polyrex PH−88S) 30部
(3)フィルム化
共押出法を利用して基層の表裏に同一の離型層(第1離型層および第2離型層)を有する積層フィルムを作製した。
具体的には、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用し、第1離型層、基層、および第2離型層が積層されるように原材料を同時に押し出し、離型フィルムを製造した。なお、原材料の融解物の温度はそれぞれ285℃とした。また、離型フィルムの作製にあたっては、図3に示す装置を用いたが、第1ロール230の温度を30℃、タッチロール220の温度を30℃、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.990と設定した。
製造した離型フィルムの総厚(平均厚さ)は120μmであった。また、基層の平均厚さは70μm、第1離型層および第2離型層の平均厚さはそれぞれ25μmであった。
[実施例2〜6][比較例1〜6]
離型フィルムの層構成を後述の表1に示すように変更したことを除いて、それぞれ実施例1と同様にして離型フィルムを製造した。
樹脂S3〜S6については以下の通りである。
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 セプトンS8104)を90:10重量比で2軸混練した組成物S3
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 セプトンS8104)を70:30重量比で2軸混練した組成物S4
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 セプトンS8104)を95:5重量比で2軸混練した組成物S5
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPSホモポリマー、出光興産製)と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ製 セプトンS8104)を60:40重量比で2軸混練した組成物S6

2.離型フィルムの評価
製造した実施例および比較例の離型フィルムについて、以下の評価を行った。
2.1 フィルムの伸びの評価
フィルムの伸びの評価は、ロールトゥロール搬送時にフィルムの伸びが無く搬送できるかどうかの測定を行った。
<フィルムの伸びの評価基準>
○:ロールトゥロール搬送時にフィルムが伸びずに連続プレスが可能
×:ロールトゥロール搬送時にフィルムが伸びてプレス時にフィルムに折れシワが発生
2.2 搬送時の割れの評価は、プレス評価後のフィルムの割れ易さをMIT屈曲試験を用いて評価を行った。
<搬送時の割れの評価基準>
○:プレス後のフィルムの耐屈曲性が5回以上
×:プレス後のフィルムの耐屈曲性が5回以下
2.3 離型性の評価
離型性の評価においては、離型時に離型フィルムが容易に剥離できた場合は離型性が良好として○判定とし、離型時に離型フィルムが金型にとられる場合は離型性が不十分として×判定とした。
<離型性の評価基準>
○:フレキシブル回路基板から容易に剥離可能
×:フレキシブル回路基板から引っかかり、容易に剥離不可
2.4 埋め込み性およびCL接着剤しみ出しの評価
各実施例および各比較例で得られた離型フィルムを用いて、L/Sが150/150μmの電気配線が形成された絶縁基板(FPC)上にカバーレイフィルムをプレスラミネートした。プレスラミネートでは、ステンレス鋼板、ゴムクッション、フッ素樹脂シート、離型フィルム、カバーレイフィルム、FPC、離型フィルム、フッ素樹脂シート、ゴムクッション、ステンレス鋼の順で各部材を重ね、これを一段型プレス機によりプレスした。プレスにあたっては、10MPaの圧力で加圧しながら185℃まで昇温させ、次いで2分間保持した後、常温まで冷却した。これにより、FPC上にカバーレイフィルムをプレスラミネートしたサンプルを得た。
次に、得られたサンプルについてカバーレイフィルムの埋め込み性を評価した。この評価では、有沢製作所(株)製のカバーレイフィルム(CVタイプ)を用い、L/S=150μm/150μmの回路間へのカバーレイフィルム接着剤(CL接着剤)のシミダシ量(接着剤の流れの最大値)を測定した。
<埋め込み性およびカバーレイ接着剤しみ出しの評価基準>
○:接着剤の流れの最大値が0.10mm以下
×:接着剤の流れの最大値が0.10mm超
2.5 ワーク外はみ出しの評価
ワーク外はみ出し評価では、185℃、10MPa、120秒プレスし、離型フィルムの端部からの基層のはみ出し量を評価した。離型フィルムからはみ出した基層の重量を測定し、当該重量の測定値を離型フィルムの全体重量で割った値を基層はみだし量として算出した。
<ワーク外はみ出しの評価基準>
○:基層のはみ出し量が全体重量の1.0%以下である
×:基層のはみ出し量が全体重量の1.0%以上である
2.6 シワの評価
シワの評価では、対形状追従性および仕上がり外観シワを評価した。より具体的には、JPCA規格の「7.5.7.2項しわ」に準じて測定した。
<シワの評価基準>
○:2.0%未満
×:2.0%以上
2.7 層間強度の評価
層間強度の評価では、離型時に基層と離型層とが層間剥離を生じずに剥離出来た場合を○判定とし、離型時に基層と離型層とが層間剥離した場合を×判定とした。
<層間剥離の評価基準>
○:フレキシブル回路基板からの剥離時に層間剥離が発生しない
×:フレキシブル回路基板からの剥離時に層間剥離が発生する
2.7 基層の弾性率の評価
基層のみのフィルムを単層押出機によって製膜し、厚さ100μmのフィルムを得た。
この、厚さ100μm、幅4mm、長さ20mmに成形した基層サンプルを、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定し、20℃以上185℃以下での弾性率の下限値および185℃での弾性率を測定した。
Figure 0006467800



本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨と範囲とから逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。さらに、本実施形態において述べられる作用および効果は一例であり、本発明を限定するものではない。
100,100a 離型フィルム
110 基層
120 第1離型層
130 第2離型層

Claims (10)

  1. シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とエラストマーと、
    ポリフェニレンエーテル系樹脂とを含む基層と、
    シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含む離型層と、を含み
    前記基層中、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と前記エラストマーとの合計量100質量部に対し、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が70質量部以上90質量部以下、前記エラストマーが10質量部以上30質量部以下の割合で含まれることを特徴とする、ロールトゥロール生産用離型フィルム。
  2. 前記基層中、基層を構成する樹脂100質量部に対し、ポリフェニレンエーテル系樹脂が20質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記基層が、ゴム変性スチレン系樹脂をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 前記基層中、基層を構成する樹脂100質量部に対し、ゴム変性スチレン系樹脂が0.1質量部以上、30質量部以下であることを特徴とする請求項3に記載の離型フィルム。
  5. 厚さ100μm、幅4mm、長さ20mmに成形した基層を、動的粘弾性測定装置で、引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/minで測定したときの、20℃以上185℃以下での弾性率の下限値が、5.0MPa以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  6. 前記基層の厚みが、40μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  7. 前記離型層が、エラストマーをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  8. 前記離型層中、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂と前記エラストマーとの合計量100質量部に対し、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が90質量部以上95質量部以下の割合で含まれることを特徴とする、請求項7に記載の離型フィルム。
  9. 前記離型層の表面粗さ(Rz)が3μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  10. 前記離型層の厚みが、10μm以上、40μm以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の離型フィルム。

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