JP5557152B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルムに関する。
特開2000−038461号公報には、「少なくとも表面層が、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体又は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物からなり、その表面層の結晶化度が30%以上である離型フィルム」が提案されている。このような離型フィルムは、例えば、回路が露出したフレキシブルフィルム(以下「回路露出フィルム」と称する)に接着剤を介してカバーレイフィルム(以下「CLフィルム」と称する)を加熱プレスにより接着してフレキシブルプリント回路基板(以下「FPC」と称する)を作製する際に用いられる。そして、このような離型フィルムは、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時において、離型層(表面層に相当)の回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ比較的良好な埋め込み性(CLフィルムに覆われない回路パターン部分(凹凸部分)へのフィット性)を示し、回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤がその回路パターン部分へシミ出す量を許容範囲内に止めることができる。
特開2000−038461号公報
ところで、このようなFPC製造分野では、さらに埋め込み性に優れた離型フィルムが待ち望まれている。
本発明の課題は、回路露出フィルムへのCLフィルム接着時において、離型層の回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができる離型フィルムを提供することにある。
(1)
本発明の一局面に係る積層フィルムは、第1離型層およびクッション層を備える。第1離型層は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から形成される。なお、この樹脂は、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満である。シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、第1離型層を形成する樹脂を100重量部とした場合、第1離型層を形成する樹脂の少なくとも70重量部以上、好ましくは85重量部以上を占めるのが好ましい。クッション層は、第1離型層の片側に設けられる。なお、このクッション層は、60重量部超97重量部以下のポリオレフィン系樹脂と、3重量部以上40重量部未満のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とを含有するのが好ましい。このクッション層は、65重量部以上95重量部以下のポリオレフィン系樹脂と、5重量部以上35重量部以下のシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とを含有するのがより好ましい。このクッション層は、ポリオレフィン系樹脂およびシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂のみから形成されていてもよい。このクッション層は、本発明の趣旨を損なわない範囲でポリオレフィン系樹脂およびシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含有していてもかまわない。ポリオレフィン系樹脂は、3重量部以上40重量部以下のポリプロピレン樹脂と、20重量部超94重量部以下のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂とを含有するのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、5重量部以上35重量部以下のポリプロピレン樹脂と、30重量部以上90重量部以下のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂とを含有するのがより好ましい。エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂は、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5重量%以上14重量%含有するのが好ましい。なお、第1離型層は、プライマーを介してクッション層と一体化されてもよいし、プライマーを介さずに直接的にクッション層と一体化されてもよい。
本願発明者の鋭意検討の結果、第1離型層を形成する樹脂の結晶化度が上述の通りであると、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時に、第1離型層の回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができることが明らかとなった。
このため、この積層フィルムを離型フィルムとして利用すれば、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時に、第1離型層の回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができる。
なお、この効果は、
(i)第1離型層を形成する樹脂の結晶化度が回路露出フィルムへのCLフィルムの接着初期時において十分に低く設定されており、その接着工程中において第1離型層がクッション層の変形に追従しやすくなっていること、
(ii)回路露出フィルムへのCLフィルムの接着工程中に、第1離型層を形成する樹脂が加熱されることにより結晶化して回路露出フィルム及びCLフィルムに対する第1離型層の密着性が十分に低下すること
に起因するものと推察される。
(2)
なお、本発明の一局面に係る積層フィルムは、第2離型層をさらに備えるのが好ましい。この第2離型層は、クッション層の第1離型層形成側の反対側に形成される。なお、この第2離型層は、ポリメチルペンテン樹脂から形成されてもよいし、ポリメチルペンテン樹脂を主成分とする樹脂から形成されてもよいし、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から形成されてもよい。
このようにクッション層の第1離型層形成側の反対側に第2離型層を形成すると、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時にクッション層がプレス熱盤に付着することを防止することができる。このため、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着工程等に費やされる時間を短くすることができる。
(3)
本発明の一局面に係る積層フィルムにおいて、第2離型層は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から形成されるのが好ましい。
このようにシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から第1離型層および第2離型層を形成すると、積層フィルム作製に用いられる樹脂の種類を抑えることができ、延いてはコスト抑制をはかることができる。
(4)
本発明の一局面に係る積層フィルムにおいて、第2離型層を形成する樹脂は、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満であるのが好ましい。
このように第2離型層を形成する樹脂の結晶化度を上述の通りとすると、第2離型層が第1離型層と同一の機能を有することになる。このため、本積層フィルムの使用にあたり、ユーザは第1離型層、第2離型層を特定する必要がない。このため、この積層フィルムを利用すれば、ユーザが第1離型層、第2離型層を認識する手間を省くことができると共に第1離型層、第2離型層の特定ミスによる接着不良を防止することができる。
(5)
本発明の他の局面に係る離型フィルムは、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から形成される。なお、この樹脂は、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満である。なお、この離型フィルムは、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時において、クッションフィルムと一体化されて使用されてもよいし、単純にクッションフィルムと重ねられて使用されてもよい。
本願発明者の鋭意検討の結果、離型フィルムを形成する樹脂の結晶化度が上述の通りであると、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時に、離型フィルムの回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができることが明らかとなった。
このため、離型フィルムを利用すれば、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時に、離型フィルムの回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る積層フィルムの縦断面図である。 変形例(A)に係る積層フィルムの縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムの製造装置の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムの使用方法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムを使用してCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるときの加熱プレスの加熱パターンを示す図である。 本発明の実施の形態に係る積層フィルムの離型層の貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフ図である。
本発明の実施の形態に係る積層フィルム100は、図1に示されるように、主に、離型層110およびクッション層120から構成される。なお、本実施の形態において、積層フィルム100の厚みは25〜300μmであるのが好ましい。
以下、これらの層それぞれについて詳述する。
<積層フィルムの構成層の詳細>
1.離型層
離型層110は、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(以下「SPS樹脂」と称する)を主成分とする樹脂(以下、「離型層形成樹脂」と称する)から形成される。なお、このような離型層形成樹脂は、出光興産(株)から商品名ザレック(登録商標)(XAREC(登録商標))として市販されている。離型層形成樹脂におけるSPS樹脂の含有率は、70重量%以上90重量%以下であるが、85重量%以上90重量%以下であるのが好ましい。本実施の形態において、離型層110の厚みは5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。本実施の形態において、離型層形成樹脂の結晶化度は、示差走査熱量計(DSC)による測定値が14.0%以上30.0%未満である。なお、このとき、離型層110の貯蔵弾性率の温度依存性は、図6に示されるようになる。
以下、離型層形成樹脂の構成成分について詳述する。
(1)SPS樹脂
SPS樹脂とは、シンジオタクチック構造、すなわち炭素−炭素シグマ結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体規則構造を有する樹脂である。
なお、このようなSPS樹脂としては、例えば、特開2000−038461号公報に示されるように、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体などが挙げられる。
ポリ(アルキルスチレン)としては、例えば、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(t−ブチルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(アリールスチレン)としては、例えば、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、例えば、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。
ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、例えば、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。
ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
なお、上述のうち、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−t−チルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が特に好ましい。
(2)SPS樹脂以外の樹脂
離型層形成樹脂を構成するSPS樹脂以外の樹脂としては、例えば、エラストマー樹脂や、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。なお、これらの樹脂は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、エラストマー樹脂としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、もしくはブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−シロキサン等のシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体(例えば、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体等)等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、高耐衝撃ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、スチレンーメタアクリル酸共重合体、スチレンーメタアクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレンーメタアクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレンーマレイン酸共重合体、スチレンーフマル酸共重合体等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン(登録商標)6、ナイロン(登録商標)6,6等が挙げられる。
(3)その他
離型性形成樹脂には、各種の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等が配合されてもかまわない。
なお、アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子または有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VIIIA族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、並びにそれらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げられる。
このような無機粒子の具体的な例としては、フッ化リチウム、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物;炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、フッ化カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、リン酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリウム等のIIA族元素化合物;二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化合物;二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリブデン等のVIA族元素化合物;塩化マンガン、酢酸マンガン等のVIIA族元素化合物;塩化コバルト、酢酸コバルト等のVIII族元素化合物;ヨウ化第一銅等のIB族元素化合物;酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物;酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、アルミナシリケート(ケイ酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)等のIIIB族元素化合物;酸化ケイ素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラファイト、ガラス等のIVB族元素化合物;カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
有機粒子としては、フッ素樹脂、メラミン系樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル系レジンシリコーン及びそれらの架橋体が挙げられる。
上述の無機粒子や有機粒子の平均粒径は0.1〜10μmであるのが好ましく、添加量は0.01〜15重量%であるのが好ましい。
なお、これらのアンチブロッキング剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、2−[(1−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどが挙げられる。なお、これらの酸化防止剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)等のカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム等のリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。なお、これらの核剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等が挙げられる。なお、これらの可塑剤は、単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等が挙げられる。なお、これらの離型剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルが挙げられる。なお、これらの中でもn−d−M法で算出されるパラフィン(直鎖)に関わる炭素数の全炭素数に対する百分率が60%Cp以上のパラフィン系オイルが好ましい。
プロセスオイルの粘度は、40℃での動粘度が15〜600csであるのが好ましく、15〜500csであるのがさらに好ましい。また、プロセスオイルの添加量は、離型性形成樹脂100重量部に対して0.01〜1.5重量部であるのが好ましく、0.05〜1.4重量部であるのがより好ましく、0.1〜1.3重量部であるのがさらに好ましい。なお、これらのプロセスオイルは、単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
2.クッション層
クッション層120は、本発明の実施の形態において特に限定されることはないが、主に、60重量部超98重量部以下のポリオレフィン系樹脂と、2重量部以上40重量部未満のSPS樹脂との樹脂ブレンド物から形成されるのが好ましい。クッション層120の組成が上記の通りであると、(i)プレスセットの作業性が良好となる共に、(ii)積層フィルム100の弾性率が適度になって積層フィルム100がプレス中に割れにくくなり、さらに、(iii)FPCの製造時においてCLフィルムを回路露出フィルムに均一にプレスすることが可能となって、接着剤中にボイド(微小な空洞欠陥)が生じにくくなるからである。なお、この樹脂ブレンド物は、前練りなしのドライブレンド法により調製することができるが、2軸混練機による前処理を行ってもかまわない。また、本実施の形態において、クッション層120の厚みは離型層110の厚みの3倍以上であるのが好ましく、5倍以上であるのがより好ましく、8倍以上であるのがさらに好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体(例えば、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体等)等が挙げられる。
SPS樹脂は、上述のSPS樹脂と同様である。
このクッション層120は、2重量部以上40重量部未満のSPS樹脂と、3重量部以上40重量部以下のポリプロピレン樹脂と、20重量部超95重量部以下のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂との樹脂ブレンド物から形成されるのがより好ましい。かかる場合、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂は、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5重量%以上14重量%含有するのが好ましい。クッション層120の組成およびエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体樹脂の組成が上記の通りであると、(i)プレスセットの作業性が良好となる共に、(ii)積層フィルム100の弾性率が適度になって積層フィルム100がプレス中に割れにくくなり、さらに、(iii)FPCの製造時においてCLフィルムを回路露出フィルムに均一にプレスすることが可能となって、接着剤中にボイド(微小な空洞欠陥)が生じにくくなり、さらに、(iv)プライマーを使用することなくクッション層120と離型層110との接着性を良好とすることができ、さらに(v)プレス中にクッション層120端面の熱盤へのシミ出し量を低減することができるからである。
なお、この樹脂ブレンド物には、必要に応じて、本発明の趣旨を損ねない範囲で、その他、上述のエラストマー樹脂や添加剤が配合されてもかまわない。
<積層フィルムの製造方法>
本実施の形態に係る積層フィルム100は、共押出法や押出ラミネート法等の方法で製造することができる。
共押出法では、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して離型層110とクッション層120とを同時に押し出すことにより積層フィルム100を製造する。なお、共押出法では、ダイス210を通過した融解物Mは、図2に示されるように、第1ロール230とタッチロール220との間に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間にタッチロール220及び第1ロール230により冷却され、積層フィルム100となる。その後、その積層フィルム100は、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られ、最終的に巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このとき、第1ロール230の温度は30〜100℃であり、タッチロール220の温度は50〜120℃であり、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比は0.990〜0.998である。
押出しラミネート法では、押出機シリンダーの温度を270〜300℃に設定して離型層110を押出し、その離型層110をクッション層120と合流させることにより離型性110とクッション層120とを積層して積層フィルム100を製造する。なお、押出しラミネート法では、ダイス210を通過した離型層形成樹脂の融解物Mは、図3に示されるように、第1ロール230とタッチロール220との間に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間にタッチロール220及び第1ロール230により冷却されて離型層フィルムFとなる。その後、その離型層フィルムFは、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られる。そして、フィルム送り方向下流側に送られた離型層フィルムFに、クッション層120を形成する樹脂ブレンド物の溶融物(図示せず)が合流させられて離型層フィルムFと一体化され、積層フィルム100が製造される。なお、このようにして製造された積層フィルム100は、さらにフィルム送り方向下流側に設けられる巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このときも、第1ロール230の温度は30〜100℃であり、タッチロール220の温度は50〜120℃であり、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比は0.990〜0.998である。
なお、必要に応じて、上述のようにして得られた積層フィルム100の離型層110中のSPS樹脂の結晶化度を公知の熱処理装置により調節してもかまわない。例えば、テンター装置を使用し乾燥機の中にて積層フィルム100を熱固定する方法や熱処理ロールを使用して50〜220℃近辺で熱処理を行えばよい。
<積層フィルムの使用の一例>
本発明の実施の形態に係る積層フィルム100は、回路露出フィルムへのCLフィルム接着時にCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにCLフィルムを包むように配置され、回路露出フィルム及びCLフィルムと共にプレス装置により加圧される。具体的には、積層フィルム100は、図4に示されるように、回路露出フィルムとCLフィルムとが接着剤により仮止めされたもの340を、離型層110が対向するように挟み込んだ後、テフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310で順次挟み込まれ、熱盤300でプレスされる(図4の白抜矢印参照)。なお、その熱盤300による加熱方法としては、図5に示される通りである。つまり、熱盤300は、加圧を開始してから10秒で常温から185℃まで急速昇温された後、その温度に60秒間維持される。なお、熱盤300による加圧は、0秒の時点で開始され、70秒の時点で開放される。なお、このときのプレス圧力は、5〜15MPaで適宜調節される。
<変形例>
(A)
先の実施の形態では、クッション層120の片側にのみ離型層110が設けられる積層フィルム100が紹介されたが、図2に示されるように、クッション層120の両側に離型層110a,110bが設けられる積層フィルム110Aも本発明の一実施の形態に含まれる。なお、以下、符号110aの離型層を「第1離型層」と称し、符号110bの離型層を「第2離型層」と称する。
第1離型層110aは、先の実施の形態に係る離型層110と同一の構造を有する。その一方、第2離型層110bは、第1離型層110aと同一の構造を有していてもよいし、第1離型層110aと異なる構造を有していてもよい。後者の場合、第2離型層110bは、例えば、ポリメチルペンテン樹脂やメチルペンテン−αオレフィン共重合体を主成分とする樹脂から形成される。なお、このような樹脂は、三井化学(株)から商品名TPX(登録商標)として市販されている。かかる場合、第2離型層110bとクッション層120と接着力が低下するおそれがあるが、そのような場合には、第2離型層110bとクッション層120との間にアンカー層やプライマー層(接着層)を介在させてもよい。
(B)
先の実施の形態に係る積層フィルムの使用の一例では、積層フィルム100と熱盤300との間にテフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310で順次挟み込まれていたが、テフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310は省かれてもかまわない。
(C)
先の実施の形態に係る積層フィルム100では、離型層110がクッション層120と一体化されていたが、離型層110はクッション層120と分離して離型シートとして使用することも可能である。
<実施例>
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明する。
1.積層フィルムの製造
(1)離型層の原料
離型層の原料として、SPS樹脂(出光興産(株)社製のザレック(登録商標)S104)を用いた。
(2)クッション層の原料
クッション層の原料としては、20重量部のSPS樹脂(出光興産(株)社製のザレック(登録商標)S104)と、70重量部のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5重量%)(住友化学(株)製のアクリフト(登録商標)WD106)と、10重量部のポリプロピレン(住友化学(株)製のノーブレンFH1016)とをドライブレンドしたもの(以下「クッション層形成ブレンド樹脂」と称する)を用いた。
(3)積層フィルムの作製
共押出法を利用して、クッション層の表裏に同一の離型層を有する積層フィルム(図2参照)を作製した。
なお、具体的には、マルチマニホールドダイを使用してSPS樹脂、クッション層形成ブレンド樹脂およびSPS樹脂を同時に押し出して積層フィルムを作製した。なお、この際、図3に示される装置を用いたが、第1ロール230の温度は35℃であり、タッチロール220の温度は70℃であり、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比は0.998であった。
この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
2.積層フィルムの評価
(1)離型層の結晶化度測定
上述の積層フィルムから離型層を剥ぎ取り、その離型層片を示差走査熱量計にて20℃/分の速度で昇温し、融解エンタルピー(ΔHf)及び冷結晶化のエンタルピー(ΔHTcc )を測定した。そして、この融解エンタルピー(ΔHf)及び冷結晶化のエンタルピー(ΔHTcc )の値を下式に代入して離型層の結晶化度を算出したところ、その値は15.8%であった(表1参照)
結晶化度(%)=100×(ΔH−ΔHTcc)/53(J/g)
(2)CLフィルム接着試験
実際に、CLフィルムが接着剤を介して仮止めされた回路露出フィルムを、上記積層フィルムで両側から包み込み、熱盤プレスにより図5に示される加熱パターンで加熱プレスした。その後、上記積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた(表1参照)。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表1参照)。
第1ロール230の温度を98℃とし、タッチロール220の温度を120℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は17.3%であった(表1参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表1参照)。
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度120℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は20.5%であった(表1参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表1参照)。
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度125℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は23.4%であった(表1参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表1参照)。
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度130℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は28.7%であった(表1参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表1参照)。
(比較例1)
第1ロール230の温度を15℃とし、タッチロール220の温度を40℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は13.2%であった(表2参照)。回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、80μm未満であり、従来の離型フィルムよりも優れていた(表2参照)。しかし、積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムからの剥離時に判断し、回路露出フィルム及びCLフィルムに積層フィルム片が残存した。
(比較例2)
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度135℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は32.6%であった(表2参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。しかし、回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、100μm以上であり、許容範囲外であった(表2参照)。
(比較例3)
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度140℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は35.7%であった(表2参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。しかし、回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、100μm以上であり、許容範囲外であった(表2参照)。
(比較例4)
第1ロール230の温度を35℃とし、タッチロール220の温度を70℃とし、第1ロール230に対する第2ロール240の周速比を0.998と設定した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製し、さらに、その積層フィルムを、表面温度150℃のステンレス板で挟み込んで圧力10MPaで10分間保持することによりアニール処理した後、その積層フィルムの評価を行った。なお、この積層フィルムの離型層の厚みは表裏共に25μmであり、クッション層の厚みは70μmであった。
評価の結果、この積層フィルムの離型層の結晶化度は39.1%であった(表2参照)。積層フィルムは、回路露出フィルム及びCLフィルムから容易に剥離することができた。しかし、回路露出フィルムとCLフィルムとの間の接着剤が回路パターンへシミ出した量は、100μm以上であり、許容範囲外であった(表2参照)。
Figure 0005557152
Figure 0005557152
100,100A 積層フィルム
110 離型層(第1離型層)
110a 第1離型層
110b 第2離型層
120 クッション層
本発明に係る積層フィルムは、回路露出フィルムへのCLフィルムの接着時に、第1離型層の回路露出フィルム及びCLフィルムへの密着を防ぎつつ従来の離型フィルムよりも良好な埋め込み性を得ることができるという特徴を有し、加圧プレスによる回路露出フィルムへのCLフィルム接着時にCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように用いられる離型フィルムとして特に有用である。
離型フィルムとしては他に(1)積層板製造時に用いられるもの、(2)先端複合材料製品製造時に用いられるもの、(3)スポーツ・レジャー用品製造時に用いられるものが知られているが、本発明に係る積層フィルムは、これらの離型フィルムとしても有用である。なお、積層板製造時に用いられる離型フィルムとは、多層プリント基板を製造する際のプレス成形において、プリント基板とセパレータープレート又は他のプリント基板との間の接着を防止するためにそれらの間に介在させるフィルムである。また、先端複合材料製品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、ガラスクロス,炭素繊維又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを硬化させて種々の製品を製造する際に用いられるフィルムである。また、スポーツ・レジャー用品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、釣り竿、ゴルフクラブのシャフト、ウィンドサーフィンのポール等の製造において、プリプレグを円筒状に巻いてオートクレーブ中で硬化させる際にそのプリプレグの上に巻かれるフィルムである。
この積層フィルムは、その他、粘着テープ、両面テープ、マスキングテープ、ラベル、シール、ステッカー、皮膚貼付用湿布剤等の剥離フィルムとしても有用である。
この積層フィルムは、プリント回路基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等の製造時に用いられる工程フィルムとしても有用である。なお、ここにいう工程フィルムとは、プリント基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造する時、金属板同士や樹脂同士が接着してしまわないように、成形工程時に該金属板同士の間や樹脂同士の間に挟み込まれるフィルムをいい、特に積層板製造時、フレキシブルプリント基板製造時、先端複合材料製品製造時、スポーツ・レジャー用品製造時に好適に用いられるものである。
この積層フィルムは、包装フィルムしても有用である。

Claims (6)

  1. シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とし、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満である樹脂から形成される第1離型層と、
    前記第1離型層の片側に設けられるクッション層と
    を備える、積層フィルム。
  2. 前記クッション層の第1離型層形成側の反対側に形成される第2離型層をさらに備える
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記第2離型層は、前記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂から形成される
    請求項2に記載の積層フィルム。
  4. 前記第2離型層を形成する樹脂は、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満である
    請求項3に記載の積層フィルム。
  5. シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とし、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度が14.0%以上30.0%未満である樹脂から形成される離型フィルム。
  6. シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を主成分とする離型層を得る離型層形成工程と、
    前記離型層形成工程で得られた前記離型層を50℃以上130℃以下でアニール処理し、前記離型層を形成する樹脂の、示差走査熱量測定法により測定される結晶化度を14.0%以上30.0%未満に調節するアニール処理工程と、を含む、離型フィルムの製造方法。
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