JP2001310428A - 積層フィルムおよびその用途 - Google Patents

積層フィルムおよびその用途

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JP2001310428A
JP2001310428A JP2000131166A JP2000131166A JP2001310428A JP 2001310428 A JP2001310428 A JP 2001310428A JP 2000131166 A JP2000131166 A JP 2000131166A JP 2000131166 A JP2000131166 A JP 2000131166A JP 2001310428 A JP2001310428 A JP 2001310428A
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JP2000131166A
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Takaaki Uchida
隆明 内田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境適性、耐熱性、離型性が優れると共に靭
性などの力学物性も同時に優れる積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 A層及びC層を表面層とし、両層の間に
B層が存在する積層フィルムであって、各層が下記の組
成で構成される。 A層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体90〜100質量%、他の熱可塑性樹脂等0〜10質
量%。 各B層:スチレン系重合体30〜90質量%、他の熱可
塑性樹脂等10〜70質量%。 C層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体70〜100質量%、他の熱可塑性樹脂等0〜30質
量%。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
し、詳しくは、シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体(以下、「SPS」と略称することがあ
る。)を含む層からなる積層フィルムであって、離型性
及び靭性に優れるためプリント基板製造などに用いられ
る離型フィルムとして有用な積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】離型フィルムは、いわゆる「剥がれる機
能」を有するフィルムの総称であり、剥離フィルム,工
程フィルム,包装フィルム等がある。ここで言う工程フ
ィルムとは、プリント基板やICチップ(ウェハーモー
ルド)、セラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化
粧板等を製造する時、金属板同士や樹脂同士が接着して
しまわないように、成形工程時に該金属板同士の間や樹
脂同士の間に挟み込まれるフィルムをいう。このような
工程フィルムには、離型性が優れると共に、工程中に受
ける力に耐えるため靭性などの機械的強度が高いことが
要求される。
【0003】従来、これらの工程フィルムとしては、テ
フロン(登録商標)(PTFE)等のフッ素樹脂系フィ
ルムやポリ(4−メチルペンテン−1)フィルム、さら
には二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)表
層にシリコン系材料を塗布したフィルム等が用いられて
きた。また、最近SPSを用いる離型フィルムが提案さ
れている(特開平11−349703号公報、特開平2
000−38464号公報)。しかしながら、フッ素樹
脂系フィルムは焼却しにくいため、使用済のものは産業
廃棄物となり、仮に焼却した場合はフッ素含有ダイオキ
シンの発生が懸念される。またポリ(4−メチルペンテ
ン−1)フィルムは耐熱性が十分ではなく、プリント基
板製造時、ステンレス板との熱密着が生じてしまうとい
う問題がある。また二軸延伸PETそのものだけでは、
ぬれ指数が高いため離型性が不十分であり、PET表層
にシリコン系材料を塗布したフィルムは、シリコンがプ
リント基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製
品、化粧板等に付着するという問題があった。一方、S
PSを用いたフィルムは離型性には優れるものの、靭性
などの力学物性が不十分であり、また、SPSと熱可塑
性樹脂とを併用したフィルムは、離型性と力学物性の両
者を同時に満足するものが得られず、いずれもプリント
基板などの工程フィルムとしては不十分なものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、環境適性に優れた積層フィルム
であって、耐熱性、離型性が優れると共に靭性などの力
学物性も同時に優れる積層フィルムを提供することを目
的とする。また、本発明は、離型性及び靭性などの力学
物性が共に優れたプリント基板製造などに用いられる離
型フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果,表面層はSP
Sを主成分とするフィルムであり、中間層に特定の熱可
塑性樹脂などを一定量含むフィルムで構成される3層、
又は3層以上の積層フィルムが本発明の目的を効果的に
達成できることを見出し、本発明を完成したものであ
る。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。 〈1〉 A層及びC層を表面層とし、両表面層の間に1
又は2層以上のB層が存在する積層フィルムであって、
該A層及びC層中のシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体の結晶化度が30%以上であるととも
に、A,B,C各層が下記の組成で構成される積層フィ
ルム。 A層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体90〜100質量%、シンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エ
ラストマーから選ばれた1種又は2種以上を0〜10質
量%、並びに相溶化剤0〜10質量%を含む層。 各B層:スチレン系重合体30〜90質量%、スチレン
系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー
から選ばれた1種又は2種以上を10〜70質量%、並
びに相溶化剤0〜30質量%を含む層。 C層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体70〜100質量%、シンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エ
ラストマーから選ばれた1種又は2種以上を0〜30質
量%、並びに相溶化剤0〜10質量%を含む層。 〈2〉 B層の少なくとも1層が、シンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体30〜70質量%、シン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体以外のス
チレン系重合体0〜30質量%、ポリオレフィン系樹脂
10〜50質量%、熱可塑性エラストマー0〜30質量
%及び相溶化剤0〜30質量%を含む前記〈1〉に記載
の積層フィルム。 〈3〉 A層及びC層が共にシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体を95質量%以上含む層である
前記〈1〉又は〈2〉に記載の積層フィルム。 〈4〉 各層の厚さの比、A層:全B層:C層が1〜4
9:50〜98:1〜49である前記〈1〉〜〈3〉の
いずれかに記載の積層フィルム。 〈5〉 B層が、1層からなる前記〈1〉〜〈4〉のい
ずれかに記載の積層フィルム。 〈6〉 積層フィルムの厚さが25〜300μmである
前記〈1〉〜〈5〉のいずれかに記載の積層フィルム。 〈7〉 前記〈1〉〜〈6〉のいずれかに記載の積層フ
ィルムからなる離型フィルム。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の積層フィルムは、それぞれ後述す
るA層、B層及びC層で構成され、A層及びC層を表面
層とし、両表面層の間に1又は2層以上のB層が存在す
る積層フィルムである。以下、A層、B層及びC層の内
容(組成)について説明する。
【0007】1.A層 本発明の積層フィルムを構成するA層は、SPSを90
〜100質量%、好ましくは95〜100質量%含む層
である。A層におけるSPSの割合が90質量%未満で
あると、積層フィルムの離型性が不充分になるからであ
る。また、A層は、SPSを90〜100質量%含むと
共に、SPS以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラスト
マーから選ばれた1種又は2種以上を0〜10質量%、
好ましくは0〜5質量%含んでいてもよい。これを含む
ことによりフィルムの靭性などの力学物性が向上する。
特に熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂、中でもポリ
エチレンやポリプロピレンを用いた場合は、力学物性を
高める上で有効である。この効果は、熱可塑性エラスト
マー、中でもスチレン系ゴム状弾性体を併用すると一層
顕著となる。また、このA層には、相溶化剤を0〜10
質量%,好ましくは0〜5質量%含有させてもよく、こ
れによって力学物性をさらに高めることができ、その効
果は熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが存在する場
合により大きくなる。A層は、以上の構成であるが、さ
らに、本発明の目的を阻害しない限り各種添加剤を配合
することができる。以下、A層、C層に用いるSPS、
SPS以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー、
相溶化剤及び各種添加剤について説明する。
【0008】(1−1) SPS 本発明に用いるSPSにおけるシンジオタクチック構造
とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭
素-炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフ
ェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有する
ものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による
核磁気共鳴法(13C−NMR)により定量される。13
−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続
する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合は
ダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペ
ンタッドによって示すことができるが、本発明に言うS
PSとは、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ま
しくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%
以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティ
ーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、
ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキル
スチレン) 、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニ
ル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこ
れらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体
を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(ターシャリー
ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ
(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などが
あり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(ク
ロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フル
オロスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレ
ン)など、またポリ(アルコキシスチレン)としては、
ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)
などがある。
【0009】なお、これらのうち特に好ましいスチレン
系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルス
チレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−タ
ーシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。このようなSPSは、
例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、
チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合
生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン
系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造
することができる(特開昭62―187708号公報)。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については
特開平1−46912号公報、これらの水素化重合体は
特開平1−178505号公報記載の方法などにより得
ることができる。
【0010】更に、スチレン系共重合体におけるコモノ
マーとしては、上述の如きスチレン系重合体のモノマー
のほか、エチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オ
クテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレ
ン等のジエンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリ
ル酸メチル,無水マレイン酸,アクリロニトリル等の極
性ビニルモノマー等をあげることができる。
【0011】特に、スチレン繰返し単位が80〜100
モル%,p−メチルスチレン繰返し単位が0〜20モル
%からなるスチレン系重合体が好ましく用いられる。ま
た、このスチレン系重合体の分子量については特に制限
はないが、質量平均分子量が50,000〜500,0
00のものが好ましく、とりわけ150,000〜30
0,000のものがさらに好ましい。ここで質量平均分
子量が50,000未満であると、フィルムの力学物性
が不充分になる場合がある。さらに、分子量分布につい
てはその広狭は制約がなく、 様々なものを充当すること
が可能であるが、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)が1.0〜3.0のものが好ましい。
【0012】(1−2)スチレン系重合体以外の熱可塑
性樹脂 本発明で用いるシンジオタクチックポリスチレン以外の
熱可塑性樹脂としては、直鎖状高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、
アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチック
ポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポ
リプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、
ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれ
らの共重合体に代表されるポリオレフィン系樹脂、アタ
クチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレ
ン、HIPS、ABS、AS、スチレンーメタクリル酸
共重合体、スチレンーメタクリル酸・アルキルエステル
共重合体、スチレンーメタクリル酸・グリシジルエステ
ル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、スチレン
ーアクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレンー
マレイン酸共重合体、スチレンーフマル酸共重合体に代
表されるポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
をはじめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポ
リアミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル、PPS等公知のものから任意に選
択して用いることができる。これら中でも、ポリオレフ
ィン系樹脂、特にポリエチレンやポリプロピレンが好ま
しい。なお、これらの熱可塑性樹脂は一種のみを単独
で、または、二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0013】(1−3) 熱可塑性エラストマー 本発明で用いる熱可塑性エラストマーの具体例として
は、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリイソブチレン、ネオプレン(登録商標)、ポリ
スルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレ
タンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、
及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
R)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体(SEPS)などのスチレン系ゴム、さらにはエチ
レンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジ
エンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エ
ラストマー等のオレフィン系ゴム、あるいはブタジエン
−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AB
S)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン−
コアシェルゴム(MBS)、メチルメタクリレート−ブ
チルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MA
S)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−
コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−
ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェル
ゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェル
ゴム(SBR)、メチルメタクリレート−ブチルアクリ
レート−シロキサンをはじめとするシロキサン含有コア
シェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、また
はこれらを変性したゴム等が挙げられる。これらの中で
も、スチレン系ゴムが特に好ましい。
【0014】(1−4) 相溶化剤 本発明で用いる相溶化剤とは、スチレン構造を含む共重
合体であって、分子中にスチレン構造を40モル%以
上、好ましくは50モル%以上含む重合体である。スチ
レン構造が40モル%未満の重合体は、いわゆるゴム状
弾性体に該当し、SPSとSPS以外の熱可塑性樹脂や
熱可塑性エラストマーとの結びつきを高め、フィルムの
力学物性を一層向上する本発明の相溶化剤の機能を果た
せない。このような相溶化剤の具体例としては、例えば
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水
素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SE
B)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添
加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SEPS)などが挙げられる。これらはいずれもスチ
レン構造を50モル%以上含む重合体である。
【0015】(1−5) 各種添加剤 アンチブロッキング剤(AB剤) アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子
又は有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA
族、IIA族、IVA族、VIA族、VII A族、VIII族、IB
族、IIB族、III B族、IVB族元素の酸化物、水酸化
物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、そ
れらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げら
れる。
【0016】具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸
ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネ
シウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネ
シア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マ
グネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化
合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マン
ガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸
化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、弗
化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸アルミナ、カ
オリン、カオリナイト)等のIII B族元素化合物、酸化
珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラフ
ァイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カ
イナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱
等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0017】有機粒子としては、テフロン、メラミン系
樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
系レジンシリコーン及びおよびそれらの架橋体が挙げら
れる。
【0018】ここで、用いる無機粒子の平均粒径は0.
1〜10μm、添加量は0.01〜15重量%が好まし
い。なおこれらの無機充填材は一種のみを単独または二
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】 酸化防止剤 酸化防止剤としてはリン系、フェノール系、イオウ系等
公知のものから任意に選択して用いることができる。な
お、これらの酸化防止剤は一種のみを単独で、または、
二種以上を組み合わせて用いることができる。さらに
は、好適に、2−〔1−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチ
ルフェニルアクリレートも挙げられる。
【0020】 核剤 核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエ
ート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホス
フェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タ
ルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に
選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる。 可塑剤 可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオ
リゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エ
ステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワック
ス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して
用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみ
を単独で、または、二種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0021】 離型剤 離型剤としてはポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のも
のから任意に選択して用いることができる。なお、これ
らの離型剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0022】 プロセスオイル 本発明においては、伸度の向上のために、さらに40℃
での動粘度が15〜600mm2/sであるプロセスオ
イルを配合することが好ましい。
【0023】プロセスオイルは油種により、パラフィン
系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルに大別さ
れるが、この中でもn−d−M法で算出されるパラフィ
ン(直鎖)に関わる炭素数の全炭素数に対する百分率が
60%Cp以上のパラフィン系オイルが好ましい。
【0024】プロセスオイルの粘度としては、40℃で
の動粘度が15〜600mm2/sが好ましく、15〜
500mm2/sが更に好ましい。プロセスオイルの動
粘度が15mm2/s未満では伸度向上効果があるもの
の、沸点が低くSPSとの溶融混練、及び成形時に白
煙、ガス焼け、ロール付着等の発生原因になる。また動
粘度が600mm2/sを超えると、白煙ガス焼け等は
抑制されるものの、伸度向上効果に乏しい。なおこれら
のプロセスオイルは一種のみを単独で、又は二種以上を
組み合わせて用いることができる。上記の各種添加量
は、SPS,SPS以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラ
ストマー及び相溶化剤の合計100質量部に対して、必
要に応じて好ましくは0〜1.5質量部の範囲で配合す
ればよい。
【0025】2.各B層 本発明の積層フィルムを構成する1層又は2層以上から
なる各B層は、スチレン系重合体を30〜90質量%、
好ましくは35〜80質量%、特に好ましくは40〜7
0質量%含有する。B層のスチレン系重合体が30質量
%未満であっても、90質量%を超えても、積層フィル
ムとして充分な力学物性が得られない。中間層に当たる
B層は、主として、力学物性を高める機能を担っている
からである。このスチレン系重合体としてはSPSが好
ましく、またSPSとSPS以外のスチレン系重合体を
併用してもよい。また、B層には、スチレン系重合体以
外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーから選ばれ
た1種又は2種以上を30〜70質量%,好ましくは3
5〜80質量%、特に好ましくは40〜70質量%が含
まれる。スチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂や熱可塑
性エラストマーが30質量%未満、及び70質量%を超
えると、いずれも積層フィルムの力学物性が充分に高め
ることができず、本発明の目的を達成できない。これら
の成分としては、熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹
脂、中でもポリエチレンやポリプロピレンを用いた場合
は、力学物性を高める上で特に有効である。この効果
は、熱可塑性エラストマー、中でもスチレン系ゴム状弾
性体を併用すると一層顕著となる。また、このB層に
は、A層と同様に相溶化剤を0〜30質量%,好ましく
は0〜20質量%含有させてもよく、これによって力学
物性をさらに高めることができ、その効果は熱可塑性樹
脂や熱可塑性エラストマーが存在する場合により大きく
なる。
【0026】したがって、本発明においては、B層の少
なくとも1層が、SPS30〜70質量%、SPS以外
のスチレン系重合体0〜30質量%、ポリオレフィン系
樹脂10〜50質量%、熱可塑性エラストマー0〜30
質量%、好ましくは5〜30質量%、及び相溶化剤B層
0〜30質量%であることが望ましい態様の1つであ
る。このB層は、1層であってもよく、2層以上であっ
てもよい。B層が2層以上存在する場合は、各層の組成
は同一であってもよく、上記の範囲で異なっていてもよ
い。
【0027】なお、B層も、A層の場合と同様に、SP
S,SPS以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー
及び相溶化剤の合計100質量部に対して、各種添加剤
を好ましくは0〜1.5質量部の範囲で配合してもよ
い。以下、スチレン系重合体、スチレン系重合体以外の
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、相溶化剤及び各
種添加剤について説明する。
【0028】(2−1)スチレン系重合体 本発明のB層に用いるスチレン系重合体は、前記(1−
1)で挙げたSPSのみならず、アタクチックポリスチ
レン、アイソタクチックポリスチレン、GPPS,HI
PSなどシシンジオタクチック構造を有しないスチレン
系重合体も含まれる。これらのスチレン系重合体も、積
層フィルムの力学物性を向上させ、耐熱性を維持できる
ため、B層の構成要素として使用できる。これらスチレ
ン系重合体の中でも、耐熱性がより優れる点でSPSが
特に好ましい。
【0029】(2−2)スチレン系重合体以外の熱可塑
性樹脂 本発明のB層に用いるスチレン系重合体以外の熱可塑性
樹脂等についても(1−2)SPS以外の熱可塑性樹脂
で挙げたものと同様なものを使用できる。但し、スチレ
ン系重合体以外の熱可塑性樹脂には、(1−2)で挙げ
られた、アタクチックポリスチレン、アイソタクチック
ポリスチレン、HIPSは除かれる。また、(2−3)
熱可塑性エラストマー、(2−4)相溶化剤及び(2−
5)各種添加剤については、(1−3)〜(1−5)で
挙げたものと同様のものを使用できる。
【0030】3.C層 本発明のC層は、シンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体を70〜100質量%、好ましくは95〜
100質量%、シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマ
ーから選ばれた1種又は2種以上を0〜30質量%、好
ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0〜5質量
%,並びに相溶化剤0〜10質量%,好ましくは0〜5
質量%を含む層である。つまり、C層はA層とほぼ同様
の組成を有する層である。しかし、層中に占めるるSP
Sの割合が、A層では90質量%以上であるのに対しC
層ではより広い範囲であって、70質量以上であればよ
い。このSPSの配合割合が範囲が異なるのは、積層フ
ィルムの表面層であるA層とC層のうち、少なくとも1
層の離型性を極度に高く維持するためである。本発明の
場合、A層がそれに該当するものである。したがって、
A層とC層の両表面層とも離型性を高めて、SPSの割
合が、共に95〜100質量%である場合が好ましい態
様の1つである。
【0031】4.積層フィルム中のSPSの結晶化度 本発明に用いるフィルム中のA層及びC層中のSPSの
結晶化度については、30%以上であることが必要であ
り、さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは50
%以上である。結晶化度が30%未満のSPSでは、離
型性が低下する。
【0032】5.積層体フィルムの層構成 本発明の積層体フィルムは、A層、1層又は2層以上の
B層及びC層であるが、積層体フィルムの製造工程を簡
素化する上で、A、B、C層が各1層である3層の積層
体フィルムが特に好ましい。この積層体フィルムの各層
の厚みについては、A層とC層については5μm以上が
好ましく、10μm以上がより好ましい。また、B層に
ついては、30μm以上がより好ましく、50μm以上
がより好ましい。また、各層の層の厚さの比、A層:全
B層:C層は、1〜49:50〜98:1〜49が好ま
しく、さらには5〜30:40〜90:5〜30、特に
10〜20:60〜80:10〜20が好ましい。この
ように中間のB層の割合を高くすることによって、B層
に特に必要な機能や所望の他の機能を付加するための配
合剤を加えることができ、積層体フィルムの機能を向上
できる。また、積層体フィルム全体の厚みとしては、2
5〜300μmが好ましく、さらには40〜200μ
m、特に75〜150μmが好ましい。
【0033】6.積層体フィルムの製造方法 本発明にかかる積層フィルムの製造方法は特に問わず、
例えば、キャスト成形,インフレーション成形,二軸延
伸成形等を用いることができる。さらには、これらの成
形を行った後に、目的の結晶化度を得るために熱処理等
を施してもよい。中でもフィルムの厚みの均一性を高
め、生産性を重視する観点から、キャスト成形(3種3
層フィルム用成型装置による共押し出し成形)によるの
が好ましい。
【0034】7.積層体フィルムの用途 本発明の積層フィルムは、離型性及び機械的強度に優れ
るため、離型フィルムとして有用である。離型フィルム
は、剥離フィルム,工程フィルム,包装フィルム等に大
別されるのであるが、本発明にかかる離型フィルムは、
これらのすべての該当するものである。即ち、剥離フィ
ルムとしては、具体的には、例えば、粘着テープ,両面
テープ,マスキングテープ,ラベル,シール,ステッカ
ー等において用いられているものであり、或いは不織布
等で作られた皮膚貼付用湿布剤の薬面に貼られているフ
ィルムである。また工程フィルムとは、前述のように、
プリント基板やICチップ(ウェハーモールド)、セラ
ミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造
する時、金属板同士や樹脂同士が接着してしまわないよ
うに、成形工程時に該金属板同士の間や樹脂同士の間に
挟み込まれるフィルムをいい、特に積層板製造時、フレ
キシブルプリント基板製造時、先端複合材料製品製造
時、スポーツ・レジャー用品製造時に好適に用いられる
ものである。積層板製造時に用いられる離型フィルムと
は、具体的には、例えば、多層プリント基板を製造する
際のプレス成形において、プリント基板とセパレーター
プレート又は他のプリント基板との間の接着を防止する
ために間に存在させるフィルムをいう。また、フレキシ
ブルプリント基板製造時に用いられる離型フィルムと
は、具体的には、例えば、電気製品における可動部分に
組み込まれている変形可能なフレキシブルプリント基板
の製造時、ベースフィルム上にエッチング等により形成
された電気回路を保護するためのカバー樹脂を加熱プレ
スする際、このカバー樹脂を回路の凹凸部に密着させる
ためにカバー樹脂を包むように用いられるフィルムをい
う。先端複合材料製品製造時に用いられる離型フィルム
とは、例えば、ガラスクロス,炭素繊維又はアラミド繊
維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを硬化させて種々
の製品を製造する際に用いられるフィルムをいう。スポ
ーツ・レジャー用品製造時に用いられる離型フィルムと
は、例えば、釣り竿,ゴルフクラブ・シャフト,ウィン
ドサーフィンポール等の製造において、ガラスクロス,
炭素繊維,又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプ
リプレグを円筒状に巻き、その上にフィルム製のテープ
を巻き付けてオートクレーブ中で硬化させる際に用いら
れるフィルムである。
【0035】
〔物性評価方法〕
(1)結晶化度 フィルムを示差走査熱量計にて20℃/分の速度で昇温
することにより測定して得た融解エンタルピー(ΔH
f)及び冷結晶化のエンタルピー(ΔHTcc )の値よ
り、次式にて算出した。
【0036】結晶化度(%)=100× (ΔHf−ΔH
Tcc )/53(J/g) (2)フィルムインパクト 東洋精機製作所製のフィルムインパクトテスター(振り
子式)を用い、衝撃頭25.4cm(1インチ)にて測
定した。 (3)離型性 図1に示すような構成下、180℃,4MPa の圧力
で150分間プレスし、室温にて放冷し、ステンレス板
及び酸化銅張板とのピール強度及びフィルム外観を測定
した。 〔用いた原料〕 ・SPS : シンジオタクチックポリスチレン 出光石油化学社製 ザレック Tm=270℃、MI=3(300℃、1.2kgf) ・LDPE : 低密度ポリエチレン 日本ユニカー社製 NUC−8042 ・PP : ポリプロピレン 出光石油化学社製 IDEMITU PP E−185G ・SEBS : SEBSタイプエラストマー クラレ社製 Septon 8006 ・相溶化剤 : SEBS クラレ社製 Septon 8104
【0037】〔実施例1〕A層として、SPS100質
量部に、酸化防止剤として、「Irganox101
0」(チバガイギー社製)、「PEP36」(旭デンカ
社製)、及び「スミライザーGS」(住友化学工業社
製)をそれぞれ0.1質量部を配合し、B層としてSPS
55質量%、LDPE15質量%、SEBS15質量
%、相溶化剤15質量%、から成る組成物100質量部
に、前記A層と同様の酸化防止剤を各0.1質量部配合
し、C層として、A層と同様に、SPS100質量部
に、前記酸化防止剤を各0.1質量部配合した。これらを
それぞれをドライブレンドし、65mmφ二軸押出機に
て溶融混練して各ペレットを得た。これを50mmφ単
軸(フルフライトタイプスクリュー)押出機に500m
m幅のコートハンガーダイを取り付け、押出量20kg
/hrにて300℃で共押出成形し、A層、B層及びC
層が各々15μm、70μm、15μmで総厚みが10
0μmのフィルムを得た。このフィルムをテンターを用
い、200℃にて30秒間連続して熱処理して実施例1
の積層フィルムを得た。このフィルムについて、結晶化
度、フィルムインパクト及び離型性を評価した。得られ
た結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔実施例2〜12、比較例1〜4及び6〕
表1に示すA層、B層及びC層の各組成の材料を用い、
表1に示す各層のフィルム厚みとフィルムの総厚みにな
るようにした以外は、実施例1と同様にして各積層フィ
ルムを作製した。但し、これらの各層に、実施例1と同
様に表1中の組成物100質量部に対し、実施例1と同
様の酸化防止剤を各0.1質量部配合した。これらのフィ
ルムについて、結晶化度、フィルムインパクト及び離型
性を評価した。得られた結果を表1に示す。〔比較例
5〕SPS100質量部に、実施例1と同様の酸化防止
剤を各0.1質量部配合し、実施例1と同様にしてフィル
ム厚み100μmのフィルムを得た。これを比較例5積
層フィルムとして、実施例1と同様の評価をした。得ら
れた結果を表1に示す。 〔比較例7〕表1のA層欄に示す組成物とポリ(4−メ
チルペンテン−1)(三井化学製、「MX0002」)
を共押出してフィルムを作製した以外は実施例1と同様
に行った。但し、A層欄に示す組成物には、実施例1と
同様な酸化防止剤を各0.1質量部配合した。結果を表1
に示す。
【0040】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、耐熱性、環境
適性に優れるとともに、離型性及び靭性が共に優れる。
したがって、本発明の積層フィルムは、プリント基板製
造などに用いられる離型フィルムとして有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】離型性試験のために、ステンレス板、試験フィ
ルム,酸化銅張樹脂板を重ねた模式図である。
【符号の説明】
1: ステンレス板(表面粗さ:1μm以下、バフ研
磨) 2: 試験フィルム 3: 酸化銅張樹脂板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08L 53/02 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA18 AA22 AA75 AF26 AF45 AH19 BA01 BB06 BC01 4F100 AK01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK03C AK03D AK03E AK12A AK12B AK12C AK12D AK12E AK73 AL09A AL09B AL09C AL09D AL09E BA25 EH20 EH202 GB43 JA11A JA11B JA11C JA11D JA11E JB16A JB16B JB16C JB16D JB16E JJ03 JL14 YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E 4J002 AC08Y BB03X BC04W BC05Z BP01Y GF00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A層及びC層を表面層とし、両表面層の
    間に1又は2層以上のB層が存在する積層フィルムであ
    って、該A層及びC層中のシンジオタクチック構造を有
    するスチレン系重合体の結晶化度が30%以上であると
    ともに、A,B,C各層が下記の組成で構成される積層
    フィルム。 A層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体90〜100質量%、シンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エ
    ラストマーから選ばれた1種又は2種以上を0〜10質
    量%、並びに相溶化剤0〜10質量%を含む層。 各B層:スチレン系重合体30〜90質量%、スチレン
    系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー
    から選ばれた1種又は2種以上を10〜70質量%、並
    びに相溶化剤0〜30質量%を含む層。 C層:シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体70〜100質量%、シンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂及び熱可塑性エ
    ラストマーから選ばれた1種又は2種以上を0〜30質
    量%、並びに相溶化剤0〜10質量%を含む層。
  2. 【請求項2】 B層の少なくとも1層が、シンジオタク
    チック構造を有するスチレン系重合体30〜70質量
    %、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
    以外のスチレン系重合体0〜30質量%、ポリオレフィ
    ン系樹脂10〜50質量%、熱可塑性エラストマー0〜
    30質量%及び相溶化剤0〜30質量%を含む請求項1
    に記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 A層及びC層が共にシンジオタクチック
    構造を有するスチレン系重合体を95質量%以上含む層
    である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 各層の厚さの比、A層:全B層:C層が
    1〜49:50〜98:1〜49である請求項1〜3の
    いずれかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 B層が、1層からなる請求項1〜4のい
    ずれかに記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 積層フィルムの厚さが25〜300μm
    である請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の積層フ
    ィルムからなる離型フィルム。
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