JP2001047573A - 樹脂積層体 - Google Patents

樹脂積層体

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JP2001047573A
JP2001047573A JP22382099A JP22382099A JP2001047573A JP 2001047573 A JP2001047573 A JP 2001047573A JP 22382099 A JP22382099 A JP 22382099A JP 22382099 A JP22382099 A JP 22382099A JP 2001047573 A JP2001047573 A JP 2001047573A
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styrene
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copolymer
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JP22382099A
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English (en)
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Masami Kogure
真巳 木暮
Keisuke Funaki
圭介 舟木
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐熱水性、離型性,ヒートシール
性、易裂性及び機械物性に優れ、特に合成皮革製造分野
及び食品包装分野において好適に用いられるSPSとポ
リオレフィンとの樹脂積層体を提供する。 【解決手段】 以下の各層がこの順に積層してなる樹脂
積層体である。 (A)シンジオタクチックポリスチレン系樹脂又はシン
ジオタクチックポリスチレン系樹脂を含む樹脂材料から
なり、厚さが5〜300μmである層、(B)オレフィ
ン系モノマーと特定のモノマーとの共重合体からなり、
厚さが1〜100μmであるポリオレフィン系共重合体
層、(C)厚さが5〜300μmであるポリオレフィン
系樹脂層

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂積層体に関
し、詳しくは、主としてシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体(以下、単に「シンジオタクチック
ポリスチレン」又は「SPS」と略することがある。)
層、接着剤層及びポリオレフィン層からなる樹脂積層体
に関する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレンは耐熱
性、耐油性等、種々の性質に優れる樹脂として知られて
いるが、その優れた性質を利用してポリプロピレンやポ
リエチレン等の樹脂フィルム等と積層させることによ
り、剥離用フィルムや食品包装フィルム等として、さら
に広い用途に展開されることが望まれている。具体的に
言えば、例えば、合成皮革製造分野が挙げられる。そも
そも合成皮革は、一般に工程紙上にポリウレタンのよう
な合成皮革材料を塗布した後、熱水中で合成皮革材料を
硬化させ、乾燥させた後に該工程紙をはがすという工程
を経て製造されるが、この場合、工程紙には、合成皮革
材料に対する耐薬品性,熱水中でも剥がれない耐熱水
性、合成皮革材料との剥離性、乾燥工程での耐熱性、さ
らには引張強度など、製造工程全般における機械的物性
が要求されている。
【0003】また、別の用途として、食品包装分野にお
いては、例えば、カツオブシ包装パック用フィルムのよ
うに、高速でのヒートシールが可能でかつ易裂性も有す
るものであることが望まれている。このような用途にお
いては、SPSとポリオレフィンとを積層させることに
より得られたフィルムが、両者の優れた性質を併せ持つ
ことから最適であると考えられるが、この積層体を作製
する際の基材どうしの貼り合わせにおいて、次のような
問題があった。即ち、SPSもポリプロピレン等のポリ
オレフィンも極性基を持たないことから、一般に用いら
れている樹脂用接着剤では両者のフィルムを貼り合わせ
ることが困難であり、また、かかる接着剤は耐熱水性が
不十分であり、熱水中では剥離してしまうため、上記合
成皮革製造においては適用し得ないという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであって、耐熱性、耐熱水性、離型性,ヒ
ートシール性、易裂性及び機械物性に優れ、特に合成皮
革製造分野及び食品包装分野において好適に用いられる
SPSとポリオレフィンとの積層体を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の接着剤層を用いることにより、S
PS層とポリオレフィン層とを効果的に積層することが
可能となり、かつ得られた積層体は、両者の優れた性質
を併せ持つものであることを見い出した。本発明は、か
かる知見に基づいて完成したものである。
【0006】即ち、本発明は、以下の樹脂積層体を提供
するものである。 1.以下の各層がこの順に積層させてなる樹脂積層体。 (A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系樹脂又は主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系樹脂を含む樹脂材料からなり、厚さが5〜3
00μmである層、 (B)オレフィン系モノマーと、次のから選ばれた
少なくとも1種のモノマーとの共重合体からなり、厚さ
が1〜100μmであるポリオレフィン系共重合体層、 :(i) アクリル酸及びそのエステル,(ii)メタクリル
酸及びそのエステル,(iii) マレイン酸及びそのエステ
ル,(iv)無水マレイン酸及びそのエステル,(v)ビニル
エーテル,(vi)ビニルエステル (C)厚さが5〜300μmであるポリオレフィン系樹
脂層 2.前記(A)層をなす主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系樹脂又は主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂材料が、3
00℃,2.16kgでのメルトインデックス(MI)値
(単位:g/10分)と、290℃、オリフィス径が
2.095mm、シリンダー出口速度が6.2×102 mm
/分、引取速度が4.7×104 mm/分である条件下で
測定した溶融張力(MT)値(単位:g)との積(MI
値×MT値)が20以上であるものである上記1に記載
の樹脂積層体。 3.前記(A)層をなす主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂材料が、(a)主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体35〜95重量%,(b)オレフィン系重合体5〜5
0重量%,及び(c)上記(a)成分及び(b)成分と
相溶性又は親和性を有する化合物0〜15重量%(0を
含む)からなるスチレン系樹脂組成物である上記1又は
2に記載の樹脂積層体。 4.前記(A)層をなす主としてシンジオタクチック構
造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂材料が、(a)3
00℃,1.2kgでのメルトインデックス(MI)値
(単位:g/10分)が8以上の主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体35〜95重量
%,(b)290℃、オリフィス径が2.095mm、
シリンダー出口速度が6.2×102 mm/分、引取速度
が4.7×104mm/分である条件下で測定した溶融張
力(MT)値(単位:g)が0.3〜10であり、かつ、
190℃,2.16kgでのメルトインデックス(M
I)値(単位:g/10分)が0.1〜10であるポリエ
チレン系樹脂5〜50重量%,及び(c)スチレン成分
を40〜85重量%含有するスチレン−オレフィン系共
重合体0〜15重量%(0を含む)からなるスチレン系
樹脂組成物である上記1又は2に記載の樹脂積層体。 5.前記(B)層をなすポリオレフィン系共重合体層
が、ショア硬度が50以下であり、融点が110℃以下
であるポリオレフィン系共重合体からなるものである上
記1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。 6.前記(A)層をなす樹脂材料において、(c)成分
/(b)成分=0.1〜0.4(重量比)であるスチレン系
樹脂組成物を用いることを特徴とする上記3又は4に記
載の樹脂積層体。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。本発明にかかる樹脂積層体は、(A)主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂
又は主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系樹脂を含む樹脂材料からなる層、(B)ポリオレフィ
ン系共重合体層、及び(C)ポリオレフィン系樹脂層か
らなるものであるが、これら(A),(B)及び(C)
層のみからなるものだけでなく、これらの他に必要に応
じて、適宜他の層を積層させたものであってもよい。
【0008】以下、各層について詳述する。 1.(A)層 本発明にかかる樹脂積層体における(A)層は、主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂又は
主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹
脂を含む樹脂材料からなるものであるが、好ましくは、
300℃,2.16kgでのメルトインデックス(MI)
値(単位:g/10分、JIS K7210に準拠して
測定した)と、290℃、オリフィス径が2.095m
m、シリンダー出口速度が6.2×102 mm/分、引取
速度が4.7×104 mm/分である条件下で測定した溶
融張力(MT)値(単位:g、機器として、東洋精機
(株)製、「キャピログラフ1C」を用いた)との積
(即ち、MI値×MT値)が20以上、好ましくは30
以上のものである。20未満であると、押出成形時のキ
ャストシート幅の変動が大きく、厚みムラが生じ、その
ため生産性が低下するおそれがある。
【0009】これらを満足するスチレン系樹脂材料とし
ては、特に制限はないが、具体的には、以下に記すスチ
レン系樹脂組成物が好適に挙げられる。即ち、(a)ス
チレン系重合体35〜95重量%,(b)オレフィン系
重合体5〜50重量%,及び(c)上記(a)成分及び
(b)成分と相溶性又は親和性を有する化合物0〜15
重量%(0を含む)からなるものが挙げられ、特に好ま
しくは、(a)300℃,1.2kgでのメルトインデッ
クス(MI)値(単位:g/10分)が8以上の主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体3
5〜95重量%,(b)290℃、オリフィス径が
2.095mm、シリンダー出口速度が6.2×102 mm
/分、引取速度が4.7×104 mm/分である条件下で
測定した溶融張力(MT)値(単位:g)が0.3〜10
であり、かつ、190℃,2.16kgでのメルトイン
デックス(MI)値(単位:g/10分)が0.1〜10
であるポリエチレン系樹脂5〜50重量%,及び(c)
スチレン成分を40〜85重量%含有するスチレン−オ
レフィン系共重合体0〜15重量%(0を含む)からな
るものが挙げられる。さらには、これらにおいて、
(c)成分/(b)成分=0.1〜0.4(重量比)である
ものが好適である。 (1)各成分の内容 以下に各成分について詳述する。 (a)スチレン系重合体 スチレン系重合体としては、好ましくは、主としてシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体が挙げら
れる。
【0010】主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体におけるシンジオタクチック構造と
は、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素
−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェ
ニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するも
のであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核
磁気共鳴法(13C-NMR) により定量される。13C−NM
R法により測定されるタクティシティーは、連続する複
数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイア
ッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッ
ドによって示すことができるが、本発明にいう主として
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体と
は、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは
85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、
好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有
するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ
(アリールスチレン)、ポリ( ハロゲン化スチレン) 、
ポリ( ハロゲン化アルキルスチレン) 、ポリ(アルコキ
シスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これ
らの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれ
らを主成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポ
リ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレ
ン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルス
チレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)等であ
り、ポリ(アリールスチレン)としては、ポリ(フェニ
ルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニ
ルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)
としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチ
レン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。また、
ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ
(クロロメチルスチレン)など、またポリ(アルコキシ
スチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ
(エトキシスチレン)などがある。
【0011】なお、これらのうち好ましいスチレン系重
合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレ
ン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシ
ャリープチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0012】とりわけ、300℃,1.2kgでのメルト
インデックス(MI)値(単位:g/10分)が8以
上、好ましくは10以上のシンジオタクチックポリスチ
レンが好適である。8未満であると、高速キャスト時に
フィルムの薄肉化が困難になるおそれがある。このよう
なシンジオタクチックを有するスチレン系重合体は、例
えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チ
タン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生
成物を触媒として、スチレン系単量体( 上記スチレン系
重合体に対応する単量体) を重合することにより製造す
ることができる( 特開昭62―187708号公報) 。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については
特開平1−46912号公報、これらの水素化重合体は
特開平1−178505号公報記載の方法などにより得
ることができる。 (b)オレフィン系重合体 オレフィン系重合体としては、モノマー単位として、例
えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ブテン、オクテ
ン、ブタジエン、イソプレン、ノルボルネン、ノルボル
ナジエン、シクロペンタジエンなどのオレフィンまたは
ジエンに由来する単位を含有するものであればよく、公
知のオレフィン系重合体が含まれる。
【0013】オレフィン系重合体の具体例としては、例
えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、エチレン・オクテン共重合体系エラストマー、ア
イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポ
リプロピレン、アタクチックポリプロピレン、ブロック
ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、環状ポリオレフィン、
及びこれらを形成するモノマー二種以上から得られた共
重合体、エチレン−スチレン類共重合体などが挙げられ
るが、中でも、290℃、オリフィス径が2.095m
m、シリンダー出口速度が6.2×102 mm/分、引取
速度が4.7×104 mm/分である条件下で測定した溶
融張力(MT)値(単位:g)が0.3〜10、好ましく
は0.3〜7、かつ、190℃,2.16kgでのメルト
インデックス(MI)値(単位:g/10分)が0.05
〜10、好ましくは0.1〜8、さらに好ましくは0.1〜
5のポリエチレン系樹脂が、高速キャスト安定性及び延
展性を達成する上で好適である。MI値が0.05未満だ
と、シートの薄肉化が困難になるおそれがあり、10を
超えると、キャスト安定性が低下するおそれがある。 (c)上記(a)成分及び(b)成分と相溶性又は親和
性を有する化合物 具体的には、スチレン成分を40〜85重量%含有する
スチレン‐オレフィン系共重合体が好ましく用いられ
る。該共重合体の具体例としては、例えば、スチレン−
ブタジエンランダム共重合体、水素添加スチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダ
ム共重合体、水素添加スチレン−イソプレンランダム共
重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
R)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SEB,SEBC)、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、ス
チレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素
添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SE
P)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン
共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
スチレングラフト共重合体、プロピレン−スチレングラ
フト共重合体、EPM−スチレングラフト共重合体、E
PDM−スチレングラフト共重合体、またはこれらを変
性したもの等が挙げられる。このうち特にスチレン−オ
レフィンジブロック共重合体、スチレン−オレフィント
リブロック共重合体が好ましい。具体的には、SBR、
SEB、SEBC、SBS、SEBS、SIR、SE
P、SIS、SEPSまたは、MASEBSのようにこ
れらを変性したものも好ましく用いられる。
【0014】これらにおいては、スチレン成分を40〜
85重量%、好ましくは45〜80重量%含有している
ことが望ましい。40重量%未満であると、添加効果が
出ないおそれがあり、85重量%を超えると高速キャス
ト安定性が発現しないおそれがある。また、これらは一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる。 (d)その他の成分 上記(a)〜(c)成分以外にも、本発明の目的を阻害
しない限り、例えば、下記するような、ゴム状弾性体、
アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核剤、帯電防止
剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助
剤、顔料等を配合することができる。また、これらの配
合量についても特に問わず、目的に応じて適宜決めれば
よい。
【0015】(i) ゴム状弾性体 ゴム状弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネ
オプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロ
ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共
重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加
スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオ
レフィン系ゴム、あるいはブタジエン−アクリロニトリ
ル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレー
ト−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルア
クリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム
(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−ア
クリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AAB
S)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SB
R)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シ
ロキサンをはじめとするシロキサン含有コアシェルゴム
等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを
変性したゴム等が挙げられる。
【0016】このうち、SBR,SEB,SBS,SE
BS,SIR,SEP,SIS,SEPS,コアシェル
ゴム,EPMS,EPDM,直鎖状低密度ポリエチレン
系エラストマー又はこれらを変性したゴムが好ましく用
いられる。 (ii) シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性
樹脂 シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂と
しては、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレ
ン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチル
ペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体に
代表されるポリオレフィン系樹脂、アタクチックポリス
チレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、A
BS、AS、スチレンーメタクリル酸共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレ
ンーメタクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチ
レンーアクリル酸共重合体、スチレンーアクリル酸・ア
ルキルエステル共重合体、スチレンーマレイン酸共重合
体、スチレンーフマル酸共重合体に代表されるはじめと
するポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートをは
じめとするポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリア
ミド6,6をはじめとするポリアミド系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル、PPS等公知のものから任意に選択し
て用いることができる。なお、これらの熱可塑性樹脂は
一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0017】尚、シンジオタクチックポリスチレン以外
の熱可塑性樹脂の配合量については特に問わず、目的に
応じて適宜決めればよい。 (iii)アンチブロッキング剤(AB剤) アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子
又は有機粒子が挙げられる。
【0018】無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA
族、VIA族、VII A族、VIII族、IB族、IIB族、III
B族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化
物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、
亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼
酸塩及びそれらの含水化合物、それらを中心とする複合
化合物及び天然鉱物粒子が挙げられる。
【0019】具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸
ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネ
シウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネ
シア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マ
グネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化
合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マン
ガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸
化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、弗
化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸アルミナ、カ
オリン、カオリナイト)等のIII B族元素化合物、酸化
珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラフ
ァイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カ
イナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱
等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0020】有機粒子としては、テフロン、メラミン系
樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
系レジンシリコーン及びおよびそれらの架橋体が挙げら
れる。ここで、用いる無機粒子の平均粒径は0.1〜1
0μm、添加量は0.01〜15重量%が好ましい。なお
これらの無機充填材は一種のみを単独または二種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0021】(iv)酸化防止剤 酸化防止剤としてはフェノール系、リン系、イオウ系等
公知のものから任意に選択して用いることができる。例
えば、フェノール系酸化防止剤の種類は特に制限されな
いが、具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチ
ルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−フェニル
フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−エチル−6−n−ノニルフェノー
ル)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニ
ル)ブタン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフ
ェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6
−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、n−オクタ
デシル−3−(3,5−ジ─t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチ
ルエステル、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4─ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕、N,N’−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)、3,9−ビス〔1,1─ジ−メチル
−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−2,
4,8,10−テトラキオサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、2,4−ビス(n─オクチルチオ)−6−(4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t─ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、
トリス(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレイト等が挙げられる。
これらフェノール系化合物の中でも、一般式(1)で表
されるものが特に好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】(ここにRはメチル基又はt−ブチル基
を、Aは1〜4個の水酸基を有するアルコールのn個の
水酸基を除いた残基を示し、またnは1〜4の整数をそ
れぞれ示す。) また、リン系酸化防止剤の種類は特に限定されないが、
具体例としては、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリ
トールジフォスファイト、フェニル−ビスフェノールA
ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジオクチルペ
ンタエリスリトールジフォスファイト、ジラウリルペン
タエリスリトールジフォスファイト、ジフェニルペンタ
エリスリトールジフォスファイト、ジシクロヘキシルペ
ンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォ
スファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、
ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
フォスフォナイト、2,2’−エチリデンビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロフォスファイト、
2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル)オクチルフォスファイト、9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−
オキシド、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリ
ス(トリデシル)フォスファイト、フェニルジイソオク
チルフォスファイト、フェニルジイソデシルフォスファ
イト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフ
ェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデ
シルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファ
イト、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(モ
ノノリルフェニル)フォスファイト、トリス(モノ,ジ
ノリルフェニル)フォスファイト、炭素数12〜15の
アルキル基を有する4,4’−イソプロピリデンジフェ
ノールテトラアルキルジフォスファイト、4,4’−ブ
チリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル−ジ−トリデシル)フォスファイト、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト
−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。こ
れらのリン系化合物の中でも、一般式(2)で表される
ものが特に好ましいが、中でもRがアルキルアリール基
である場合が望ましい。Rは各々、同じでも異なってい
てもよい。 (ここにRは各々独立して、アルキル基、アリール基又
はアルキルアリール基を示す。Rは各々、同じでも異な
っていてもよい。)
【0024】
【化2】
【0025】さらに、イオウ系酸化防止剤の種類は特に
制限されないが、具体例としては、ジラウリル3,3’
−チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3’−チオ
ジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロ
ピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネ
ート、ジステアリル3,3’−メチル−3,3’−チオ
ジプロピオネート、ビス2−メチル−4−(3−n−ア
ルキル(C12又はC14)チオプロピオニルオキシ)−5
−t−ブチルフェニルサルファイド、テトラキス〔メチ
レン−3−(ヘキシルチオ)プロピオネート〕メタン、
テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオ
ネート〕メタン、テトラキス〔メチレン−3−(オクタ
デシルチオ)プロピオネート〕メタン、2,2−チオ−
ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2
−メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプトメチ
ルベンツイミダゾール等が挙げられる。これらのイオウ
系化合物の中でも、一般式(3)で表されるものが特に
好ましいが、中でもRは熱及び酸化安定性の点でC12
アルキル基が望ましい。
【0026】
【化3】
【0027】(ここにRは、C6 , C12又はC18のアル
キル基を示す。)なお、これらの酸化防止剤は1種、又
は2種以上組み合わせて用いてもよい。 (v) 核剤 核剤としてはアルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエ
ート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホス
フェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タ
ルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に
選択して用いることができる。なお、これらの核剤は一
種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用い
ることができる (vi)可塑剤 可塑剤としてはポリエチレングリコール、ポリアミドオ
リゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エ
ステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワック
ス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して
用いることができる。なお、これらの可塑剤は一種のみ
を単独で、または、二種以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0028】(vii) 離型剤 離型剤としてはポリエチレンワックス、シリコーンオイ
ル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のも
のから任意に選択して用いることができる。なお、これ
らの離型剤は一種のみを単独で、または、二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0029】(viii)プロセスオイル 伸度の向上のために、さらに40℃での動粘度が15〜
600センチストークス(cs)であるプロセスオイル
を配合してもよい。プロセスオイルは油種により、パラ
フィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルに
大別されるが、この中でもn−d−M法で算出されるパ
ラフィン(直鎖)に関わる炭素数の全炭素数に対する百
分率が60%Cp以上のパラフィン系オイルが好まし
い。
【0030】プロセスオイルの粘度としては、40℃で
の動粘度が15〜600csが好ましく、15〜500
csが更に好ましい。プロセスオイルの動粘度が15c
s未満では伸度向上効果があるものの、沸点が低くSP
Sとの溶融混練、及び成形時に白煙、ガス焼け、ロール
付着等の発生原因になる。また動粘度が600csを超
えると、白煙ガス焼け等は抑制されるものの、伸度向上
効果に乏しい。 (2)各成分の配合割合 前記(a)〜(c)の各成分については、次の割合で配
合するのが好ましい。即ち、(a)スチレン系重合体3
5〜95重量%,好ましくは50〜90重量%、(b)
オレフィン系重合体5〜50重量%,好ましくは10〜
45重量%、及び(c)上記(a)成分及び(b)成分
と相溶性又は親和性を有する化合物0〜15重量%(0
を含む),好ましくは1〜13重量%である。中でも、
(c)/(b)(重量比)=0.1〜0.4、好ましくは
0.15〜0.35である。
【0031】(a)スチレン系重合体が35重量%未満
であると、SPS本来の特徴である耐熱性、耐油性が発
現しないおそれがあり、95重量%を超えると、十分な
高速キャスト安定性が得られないおそれがある。(c)
成分が15重量%を超えると、相溶化能が発現せず十分
な高速キャスト安定性が得られないおそれがある。 (3)各成分の配合方法 上記各成分の配合方法についても、特に制限はなく、シ
ンジオタクチックポリスチレン製造工程のいずれかの段
階においてブレンドし溶融混練する方法や、組成物を構
成する各成分をブレンドし溶融混練する方法や、フィル
ム成形時にドライブレンドし、成形機の押出機中で混練
するなど様々な方法で行なえばよい。 2.(B)層 本発明にかかる樹脂積層体における(B)層は、ポリオ
レフィン系共重合体からなる層であり、オレフィン系
モノマーと、次のから選ばれた少なくとも1種のモノ
マーとの共重合体からなるものである。(i) アクリル
酸及びそのエステル,(ii)メタクリル酸及びそのエステ
ル,(iii) マレイン酸及びそのエステル,(iv)無水マレ
イン酸及びそのエステル,(v) ビニルエーテル,(vi)ビ
ニルエステル。(B)層をなすポリオレフィン系共重合
体は、上記とからそれぞれモノマー1種ずつを用い
た二元共重合体でもよく、さらには、上記とからそ
れぞれ適宜選択された数種のモノマーを用いた多元共重
合体でもよい。
【0032】オレフィン系モノマーとこれらのに示
したモノマーとの比は特に問わない。また、共重合方法
についても特に制限はなく、通常行なわれている公知の
方法を用いればよい。のオレフィン系モノマーとして
は、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブ
テン、オクテン、ブタジエン、イソプレン、ノルボルネ
ン、ノルボルナジエン、シクロペンタジエンなどのオレ
フィンまたはジエンに由来する単位を含有するものであ
ればよい。また、上記(i) 〜(vi)に示したモノマーの
うち好ましいものはポリオレフィン層とSPS層間の接
着性向上の点から無水マレイン酸及びメタクリル酸であ
る。
【0033】さらには、(B)層をなすポリオレフィン
系共重合体層が、ショア硬度(JIS K7215に準
拠して測定した値)が50以下であり、融点(JIS
K7121に準拠して測定した値)が110℃以下であ
るポリオレフィン系共重合体を用いたものであることが
好ましい。これらの性状を有するポリオレフィン系共重
合体を用いることにより、本来親和性の低いポリオレフ
ィン層とSPS層間の密着性を大幅に向上させうるとい
う好ましい特性が発現する。 3.(C)層 本発明にかかる樹脂積層体における(C)層は、ポリオ
レフィン系樹脂からなる層である。
【0034】ポリオレフィン系樹脂としては、モノマー
単位として、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、
ブテン、オクテン、ブタジエン、イソプレン、ノルボル
ネン、ノルボルナジエン、シクロペンタジエンなどのオ
レフィンまたはジエンに由来する単位を含有するもので
あればよく、公知のポリオレフィン系樹脂が含まれる。
【0035】ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、
例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンゴ
ム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)、エチレン・オクテン共重合体系エラストマー、ア
イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポ
リプロピレン、アタクチックポリプロピレン、ブロック
ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテ
ン、0−メチルペンテン、環状ポリオレフィン、及びこ
れらを形成するモノマー二種以上から得られた共重合体
などが挙げられる。 4.各層の厚さ 本発明にかかる樹脂積層体における各層の厚さについて
は、特に制限はないが、(A)層は、5〜300μm、
好ましくは7〜250μm、さらに好ましくは10〜2
00μmであり、(B)層は、1〜100μm、好まし
くは2〜75μm、さらに好ましくは3〜50μmであ
り、(C)層は、5〜300μm、好ましくは7〜30
0μm、さらに好ましくは10〜250μmである。
【0036】(A)層が、5μm未満であると耐熱性,
耐水性が不十分になるおそれがあり、300μmを超え
ると層間の密着性が不十分になるおそれがある。(B)
層が、1μm未満であると層間の密着性が不十分になる
おそれがあり、100μmを超えると耐熱性,耐水性が
不十分になるおそれがある。(C)層が、5μm未満で
あると機械的強度が不十分になるおそれがあり、300
μmを超えると層間の密着性が不十分になるおそれがあ
る。5.本発明にかかる樹脂積層体の製造方法本発明に
かかる樹脂積層体の製造方法についても特に制限はな
く、公知の方法、即ち、押出ラミネーション,共押出,
ドライラミネーション,熱ラミネーション等により行な
えばよい。中でも、積層体の製造効率の点から押出ラミ
ネーションが好ましく用いられる。
【0037】
〔物性評価方法〕
(1)メルトインデックス(MI) JIS K7210に準拠して測定した。 (2)溶融張力(MT) 機器として、東洋精機(株)製、「キャピログラフ1
C」を用い、温度が290℃、オリフィス径が2.095
mm、シリンダー出口速度が6.2×102 mm/分、引
取速度が4.7×104 mm/分である条件下で測定し
た。 (3)耐熱性 オーブン中で120℃にて5分間加熱し、室温雰囲気下
で30分放置したのち、各層間の剥離の有無を評価し
た。 (4)耐水性 80℃の温水中に10分間浸漬し、25℃で12時間真
空乾燥させ、各層間の剥離の有無を評価した。 (5)耐薬品性 室温のDMF(ジメチルホルムアミド)中に1分間浸漬
し、25℃で12時間真空乾燥させ、各層間の剥離の有
無を評価した。 (6)層間の密着強度 積層体を幅15mm,長さ60mm以上の短冊状にカッ
トし、剥離強度を測定しようとしている層を1cm剥が
し、剥がした側及び剥がされた側を引張試験機のチャッ
ク間に180°の角度で掴ませた。しかる後、チャック
を50mm/分で動かし、強度を測定した。(単位:g
/15mm) 〔実施例1〕(A)層をなす材料として、(a)SPS
(シンジオタクチックポリスチレン、出光石油化学製
ザレック、Tm=270℃、MI=13(300℃、
1.2kgf))を70重量%、(b)LDPE(高圧法
低密度ポリエチレン、日本ユニカー社製「NUC−80
42」、MI=0.15,MT=4.6,密度=0.920)
を24重量%、(c)SEPS(SEPSタイプエラス
トマー、クラレ社製「セプトン2104」、スチレン含
有率 65重量%)を6重量%配合し、さらにこれら1
00重量部に対し、酸化防止剤としてチバガイギー社製
Irganox1010、旭デンカ社製 PEP36
をそれぞれ0.1重量部配合、ドライブレンドし、35m
mφ二軸押出機にて溶融混練してペレットを得た。この
材料は、MIとMTの積は57であった。
【0038】また、(B)層をなす材料として、ポリオ
レフィン系共重合体(ポリエチレン−エチルメタクリレ
ート−無水マレイン酸三元共重合体、日本ポリオレフィ
ン社製「レクスパールET184M」、ショアー硬度:
33、融点:83℃)を用いた。さらに、(C)層とし
て、ポリプロピレンシート(厚さ150μm、南亜社製
「BCA−150」)を用いた。
【0039】これらの(A),(B),(C)層を用い
て、次の方法により積層体を作製した。即ち、1450
mm幅のTダイスを取り付けた90mmφ単軸押出機を
用いて、(B)層を320℃にて溶融押出し、(C)層
のポリプロピレンフィラーシート150μmの上に共押
出することにより30μmのラミネート層を形成させ
た。さらに同じ成形機を用いて、このラミネート層
((B)層)の上に(A)層を320℃で押出ラミネー
トし、50μmのラミネート層を形成し、積層体を作製
した。評価結果を表1に示す。 〔実施例2〕積層体における(A),(B),(C)層
の厚みをそれぞれ、30μm,15μm,30μmとし
た以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。評価
結果を表1に示す。 〔実施例3〕積層体における(A),(B),(C)層
の材料については、実施例1で用いたものと同じものを
用いた。実施例1と同じ成形機を用いて、(B)層をチ
ルロール上にキャスト成形し、30μmのキャストフィ
ルムを作製し、温度80〜150℃にて(C)層へ熱ラ
ミネーションした。さらに同じ成形機を用いて、このラ
ミネート層((B)層)の上に(A)層を320℃で押
出ラミネートし、50μmのラミネート層を形成し、積
層体を作製した。評価結果を表1に示す。 〔実施例4〕積層体における(A),(B),(C)層
の材料については、実施例1で用いたものと同じものを
用いた。実施例1と同じ成形機を用いて、(A)層及び
(B)層をチルロール上にキャスト成形し、それぞれ5
0μm,30μmのキャストフィルムを作製した。温度
80〜150℃にて(B)層と(C)層、(A)層と
(B)層をラミネーションすることにより積層体を作製
した。評価結果を表1に示す。 〔実施例5〕積層体における(A),(B),(C)層
の材料については、実施例1で用いたものと同じものを
用いた。1450mm幅の多層ダイを取り付けた90m
mφ単軸押出機を用いて、(A)層,(B)層,(C)
層を共押出した。評価結果を表1に示す。 〔比較例1〕実施例1において、(B)層を用いなかっ
た以外は、実施例1と同様の方法により積層体を作製し
た。評価結果を表1に示す。 〔比較例2〕実施例1において、(B)層として、TP
O(オレフィン系ポリマーアロイ、Montell−J
PO社製「Catalloy KS−357P、ショア
硬度41,融点142℃」を用いた以外は、実施例1と
同様の方法により積層体を作製した。評価結果を表1に
示す。 〔比較例3〕実施例1において、(B)層として、MA
SEBS(物質名 マレイン化SEBS、旭化成社製
「M1962」、ショア硬度83,融点なし、スチレン
含有率30重量%)を用いた以外は、実施例1と同様の
方法により積層体を作製した。評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐熱水性、離
型性,ヒートシール性、易裂性及び機械物性に優れ、特
に合成皮革製造分野及び食品包装分野において好適に用
いられるSPSとポリオレフィンとの樹脂積層体を得る
ことができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03B AK03C AK03J AK04 AK04A AK04J AK06 AK07 AK12A AK12J AK21B AK21J AK24B AK24J AK25B AK25J AK62A AK62C AK66A AK66C AK80 AL01A AL01B AL05A AN02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA15 CA04 CA06 CA30 CB00 EH20 EH23 GB15 GB23 JA04B JA06A JA20A JB01 JB07 JJ03 JK02A JK06 JK12B JL12 JL14 YY00A YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の各層がこの順に積層させてなる樹
    脂積層体。 (A)主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
    ン系樹脂又は主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系樹脂を含む樹脂材料からなり、厚さが5〜3
    00μmである層、 (B)オレフィン系モノマーと、次のから選ばれた
    少なくとも1種のモノマーとの共重合体からなり、厚さ
    が1〜100μmであるポリオレフィン系共重合体層、 :(i) アクリル酸及びそのエステル,(ii)メタクリル
    酸及びそのエステル,(iii) マレイン酸及びそのエステ
    ル,(iv)無水マレイン酸及びそのエステル,(v)ビニル
    エーテル,(vi)ビニルエステル (C)厚さが5〜300μmであるポリオレフィン系樹
    脂層
  2. 【請求項2】 前記(A)層をなす主としてシンジオタ
    クチック構造を有するスチレン系樹脂又は主としてシン
    ジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂
    材料が、300℃,2.16kgでのメルトインデックス
    (MI)値(単位:g/10分)と、290℃、オリフ
    ィス径が2.095mm、シリンダー出口速度が6.2×1
    2 mm/分、引取速度が4.7×104 mm/分である
    条件下で測定した溶融張力(MT)値(単位:g)との
    積(MI値×MT値)が20以上であるものである請求
    項1に記載の樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 前記(A)層をなす主としてシンジオタ
    クチック構造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂材料
    が、(a)主としてシンジオタクチック構造を有するス
    チレン系重合体35〜95重量%,(b)オレフィン系
    重合体5〜50重量%,及び(c)上記(a)成分及び
    (b)成分と相溶性又は親和性を有する化合物0〜15
    重量%(0を含む)からなるスチレン系樹脂組成物であ
    る請求項1又は2に記載の樹脂積層体。
  4. 【請求項4】 前記(A)層をなす主としてシンジオタ
    クチック構造を有するスチレン系樹脂を含む樹脂材料
    が、(a)300℃,1.2kgでのメルトインデックス
    (MI)値(単位:g/10分)が8以上の主としてシ
    ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体35〜
    95重量%,(b)290℃、オリフィス径が2.09
    5mm、シリンダー出口速度が6.2×102 mm/分、
    引取速度が4.7×104 mm/分である条件下で測定し
    た溶融張力(MT)値(単位:g)が0.3〜10であ
    り、かつ、190℃,2.16kgでのメルトインデッ
    クス(MI)値(単位:g/10分)が0.05〜10で
    あるポリエチレン系樹脂5〜50重量%,及び(c)ス
    チレン成分を40〜85重量%含有するスチレン−オレ
    フィン系共重合体0〜15重量%(0を含む)からなる
    スチレン系樹脂組成物である請求項1又は2に記載の樹
    脂積層体。
  5. 【請求項5】 前記(B)層をなすポリオレフィン系共
    重合体層が、ショア硬度が50以下であり、融点が11
    0℃以下であるポリオレフィン系共重合体からなるもの
    である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂積層体。
  6. 【請求項6】 前記(A)層をなす樹脂材料において、
    (c)成分/(b)成分=0.1〜0.4(重量比)である
    スチレン系樹脂組成物を用いることを特徴とする請求項
    3又は4に記載の樹脂積層体。
JP22382099A 1999-08-06 1999-08-06 樹脂積層体 Pending JP2001047573A (ja)

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