JP3707911B2 - 4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物及び該樹脂組成物層を有する積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材との接着強度に優れた4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物及び該樹脂組成物層をポリエステル樹脂から成る基材に積層して成る積層体に関する。
より詳細には、耐熱性、ポリエステル基材との接着強度、押出ラミネート成形加工性に優れ、ネックインと耳揺れが顕著に改善され、ドローダウンやサージングが発生せず且つ、ポリエステル樹脂からなる基材との積層体とした場合に離型性層として優れた離型性を示す4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物、及び該樹脂組成物層をポリエステル基材に積層して成る耐熱性、層間接着強度に優れ、且つ離型性等の諸特性に優れ、また真空成形性にも優れた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品の加熱調理用容器等の食品用容器としての素材には、耐熱性に優れていること、調理済みの食品がきれいに取り出せることが要求されることから、良好な離型性が、また容器として複雑な形状が要求されることから真空成形に際し形状再現性が良好であることが要求されている。
【0003】
ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂は、耐熱性に優れ、成形性にも優れることから、食品用容器、包装材としての用途に広く用いられている。しかしながら、ポリエステル樹脂は、離型性に劣るため、例えば食品の加熱調理用容器として使用した場合に、調理済み食品が表面にこびりついて残ってしまう、等の不都合があった。
一方、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、融点が220〜240℃であるため耐熱性が高く、また離型性にも優れているため、各種容器などに用いられている。
【0004】
そこで、ポリエステル樹脂の表面に、4−メチル−1−ペンテン系重合体を積層することが考えられる。
しかしながら、単にポリエステル樹脂と4−メチル−1−ペンテン系重合体を積層しただけでは、両層が接着しないため全く実用に供し得ない。またポリエステル樹脂にアンカーコート処理を施しても同様に接着しない。
【0005】
特開平2−107438号公報には、4−メチル−1−ペンテン系重合体層(A)と中間層(B)と熱可塑性樹脂層(C)とからなる積層体であって、中間層(B)が、エチレン・αオレフィンランダム共重合体と、粘着付与剤と、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンからなる組成物であることを特徴とする積層体が開示され、熱可塑性樹脂層としては、ポリエステルを用いることができることが記載されている。
しかしながらこの場合には、接着強度が今一つ充分とは言えず、また耐熱性についてもさらなる向上が求められていた。
【0006】
そこで、優れた離型性と耐熱性を有し、さらに真空成形も可能な材料をうるため、ポリエステル樹脂層と4−メチル−1−ペンテン系重合体層を積層するにあたり、両層の持つ耐熱性を保持したまま、強固に接着することのできる手段が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術に伴う改善すべき点を改良しようとするものであって、ポリエステル樹脂層と4−メチル−1−ペンテン系重合体層を積層するにあたり、両層の持つ耐熱性を保持したまま、強固に接着することのできる樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いた、耐熱性、離型性、機械物性に優れ、また真空成形性にも優れた積層体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために以下のような4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を提供するものであり、該樹脂組成物(以下単に第一の樹脂組成物とも呼ぶ)は、(A)メルトフローレート(温度260℃、荷重5.0kg)が、1乃至400g/10分の範囲にある、一部または全部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体40乃至95重量部、(B)メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が、0.1乃至100g/10分の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン2乃至20重量部、及び(C)98%濃硫酸中、1%濃度で測定したときの極限粘度(ηrel)が1.5以上であり且つDSC法により測定した融点が190乃至270℃の範囲にあるポリアミド2乃至40重量部を、上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含む。本発明の別の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物(以下単に第二の樹脂組成物とも呼ぶ)は、(A)メルトフローレート(温度260℃、荷重5.0kg)が、1乃至400g/10分の範囲にある、少なくとも一部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体40乃至95重量部、(B)メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が、0.1乃至100g/10分の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン2乃至20重量部、及び(C)98%濃硫酸中、30℃で測定したときの極限粘度(ηrel)が0.5以上であり且つDSC法により測定した融点が190乃至270℃の範囲にあるポリアミド2乃至40重量部を、上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含み、更に(D)メルトフローレート(温度190℃、荷重5.0kg)が0.1乃至50g/10分であり、密度が0.85g/cm3 以上で、エチレン含有量が30乃至95モル%で、少なくとも一部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性されたエチレン・α−オレフィン共重合体0.1乃至30重量部を上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含む。
【0009】
本発明で使用される(A)4−メチル−1−ペンテン系重合体は、80重量%以上の4−メチル−1−ペンテン成分単位と20重量%以下の炭素数2乃至20のα−オレフィン成分単位から成るランダム共重合体であることが好ましい。
【0010】
本発明で使用される(B)高圧法低密度ポリエチレンは、密度0.910乃至0.935g/cm3 、メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg)1.0乃至100g/10分の低密度ポリエチレンであることが好ましい。
【0011】
本発明で使用される(C)ポリアミドは、脂肪族ポリアミドであることが好ましく、脂肪族ポリアミドのうちでもナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12及びそれらの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが特に好ましい。
【0012】
本発明で使用される(D)変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、メルトフローレート(温度190℃、荷重5.0kg)が0.1乃至50g/10分であり、密度が0.850乃至0.900g/cm3 であり、エチレン含有量が30乃至95モル%であり、X線法による結晶化度が30%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。
【0013】
本発明に用いる変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)及び変性エチレン・α−オレフィン系重合体(D)は、マレイン酸、ナジック酸又はこれらの酸無水物により変性されたものであることが好ましい。
【0014】
また、本発明によれば、[I]前記第一の樹脂組成物或いは第二の樹脂組成物から成る層を、[II]ポリエステル樹脂からなる基材層に、積層して成る積層体が提供される。
【0015】
本発明の積層体においては、4−メチル−1−ペンテン系重合体層、前記4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層、及びポリエステル樹脂からなる基材層がこの順序に積層されていることが好ましい。
【0016】
本発明の積層体においては、基材層を構成するポリエステル樹脂が、テレフタル酸成分単位をジカルボン酸成分単位中80モル%以上の量で含み、エチレングリコール成分単位をジヒドロキシ化合物成分単位中80モル%以上の量で含むことが好ましい。
また、前記ポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が0.5乃至1.4であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
[作用]
本発明では、樹脂組成物のベース樹脂として、特定のメルトフローレート及びグラフト率の変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を選択し、これを特定の高圧法低密度ポリエチレン及びポリアミド、或いは更に変性エチレン・α−オレフィン共重合体と組み合わせる。
ベース樹脂として、変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いることは、基体層であるポリエステル或いは更に4−メチル−1−ペンテン系重合体との接着性を確保するために必須不可欠であると共に、本発明で規定したものを用いることにより、高圧法低密度ポリエチレンやポリアミドとの相溶性を向上させることができる。
また、高圧法低密度ポリエチレンを配合することにより、ドローダウンや耳揺れを防止しつつ押出ラミネート加工性を顕著に改善することができ、ポリアミドを配合することにより、ポリエステルとの接着性を顕著に向上させることができる。
【0018】
更に、各樹脂成分を、本発明で規定した量比で含む樹脂組成物は、耐熱性、離型性、機械物性に優れ、また真空成形性にも優れた積層体を提供することができる。
【0019】
[変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)]
本発明のこの樹脂組成物で用いる変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、一部または全部が不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性されたものである。そのベースポリマーとしては、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、もしくは4−メチル−1−ペンテンと他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数が2乃至20のα−オレフィンとの共重合体が使用される。
【0020】
(A)成分のベースポリマーが共重合体の場合、かかる共重合体としては、4−メチル−1−ペンテン成分単位を80重量%以上の量で含む4−メチル−1−ペンテン単位を主体とした共重合体が、樹脂組成物の耐熱性の点から好ましい。好ましい共重合成分は、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンあるいは1−エイコセンである。
【0021】
該4−メチル−1−ペンテン系重合体にグラフトする不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、または、その誘導体、例えば上記不飽和カルボン酸の酸無水物、イミド、アミド、エステル等を挙げることが出来る。
該誘導体として、具体的には、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、グリシジルマレート等を例示できる。
これらの中では、不飽和カルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特に、マレイン酸、ナジック酸、それらの酸無水物がとりわけ好適である。
【0022】
この様な不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれるグラフトモノマーを前記4−メチル−1−ペンテン系重合体にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知の方法を用いることが出来、該4−メチル−1−ペンテン系重合体を溶融させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶融変性法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加してグラフト共重合させる溶液変性法等を用いることが出来る。
【0023】
4−メチル−1−ペンテン系重合体に前記変性用モノマーを効率よくグラフトさせて変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)を得るには、ラジカル開始剤の存在下に反応を行うことが好ましく、この場合グラフト化反応は通常60乃至350℃の温度で行われる。ラジカル開始剤の使用割合は、4−メチル−1−ペンテン系重合体100重量部に対して通常0.001乃至2重量部の範囲である。
ラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジーtertーブチルパーオキサイド、2、5ージメチルー2、5ージ(tertーブチルパーオキシ)ヘキシンー3、2、5ージメチルー2、5ージ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1、4ービス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等の有機パーオキサイドが好ましい。
【0024】
本発明で用いられる変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)は、その変性量が、グラフトモノマー重量(ベースポリマー当たり)として0.01乃至10重量%、特に、1乃至5重量%の範囲で変性されることが好ましく、グラフト変性量が前記範囲にある場合は、組成物中の(B)及び(C)成分、或いは更に(D)成分との相溶性が良く、積層体とした際、層間接着性に優れ、また積層体を製造する際のラミネーション成形性が良好である。
【0025】
本発明に用いるグラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体は、全体が変性されていても、一部分が変性されていてもよく、またグラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体と未変性の4−メチル−1−ペンテン系重合体とのブレンド物であってもよい。
【0026】
本発明のグラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)としてはメルトフローレート(MFR、ASTM D1238に準じ、温度260℃、荷重5kgの条件で測定)の値が1乃至400g/10分の範囲にあるものを使用することが出来、10乃至300g/10分の範囲にあることが好ましい。
グラフト変性4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)のMFRがこの範囲にあると、樹脂組成物の接着性に優れる。
【0027】
又、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)の配合量は、(A)、(B)、(C)および(D)成分合計量100重量部当たり、30乃至95重量部、特に、45乃至95重量部の範囲が耐熱性の点で好ましく、60乃至90重量部の範囲がより好ましく、更に65乃至85重量部の範囲が特に好ましい。
【0028】
[高圧法低密度ポリエチレン(B)]
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(B)としては、ASTM D1238に準じて温度190℃、荷重2.16kgの条件下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲にあるものを使用することができるが、それらの内でも、密度が0.910乃至0.935g/cm3 、メルトフローレート(MFR)が1.0乃至100g/10分の各範囲にあるものを使用することが好ましい。
特に、密度0.915乃至0.930g/cm3 、融点100乃至110℃、MFR 1乃至50g/10分のものを使用することが好ましい。
【0029】
高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合量は、(A)、(B)、(C)および(D)成分合計量100重量部当たり、2乃至30重量部、好ましくは3乃至20重量部、特に好ましくは5乃至15重量部である。
高圧法低密度ポリエチレン(B)の配合量がこの範囲にあると、例えば押し出しラミネーション法で積層体を製造する場合に、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層、あるいは4−メチル−1−ペンテン系重合体と4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を重ねて押し出す場合は、両層のネックインや耳揺れが小さく、また組成物の耐熱性が保たれる。
【0030】
[ポリアミド(C)]
本発明で使用できるポリアミド(C)とは、ジアミン成分とジカルボン酸成分との重縮合反応あるいはラクタムの開環重合、アミノカルボン酸の重縮合によって得られるものをいう。
このうち脂肪族ポリアミドが接着強度の点から好ましい。
【0031】
脂肪族ポリアミドとは、主鎖中の炭化水素部が直鎖状アルキレン基であるものをいう。脂肪族ポリアミドには、例えばε−カプロラクタム、11−アミノウンデカン酸、ω−ラウロラクタム、12−アミノウンデカン酸等のラクタムまたはアミノカルボン酸から得られるポリアミド、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノブタン等のジアミンと、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン二酸等のジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド、およびラクタムまたはアミノカルボン酸と、ジアミンおよびジカルボン酸を共重合して得られるポリアミドなどが挙げられる。
具体的に好ましいポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン612、ナイロン12、ナイロン46等が挙げられる。特にナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン612、ナイロン12、或いはこれらの共重合ポリアミドが、接着強度、積層体製造時のラミネーション成形性の点から好ましい。
【0032】
用いるポリアミドは、接着層の機械的な特性からいって、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、98%濃硫酸中、30℃で測定したときの極限粘度(η)が0.5以上であるべきであり、0.8以上2.0以上であるのが好ましい。
【0033】
また、用いるポリアミドは、DSC法により測定した融点が190乃至270℃の範囲にあるのがよく、融点が上記範囲よりも低いポリアミドを用いたのでは、接着部の耐熱性が不十分となり、融点が上記範囲よりも高くなると樹脂組成物の溶融が困難となったり、加工性が低下するようになる。
【0034】
上記ポリアミド(C)の配合量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重量部当たり、2乃至40重量部である。
特に、2乃至30重量部の範囲が好ましく、3乃至20重量部の範囲がより好ましく、更に5乃至15重量部の範囲が接着強度、積層体製造時のラミネーション成形性の点から特に好ましい。
【0035】
[変性エチレン・α−オレフィン系重合体(D)]
本発明の第二の樹脂組成物に用いる変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D)は、エチレン・α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体により、グラフト変性して得られるものである。
本発明の不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3から20のα−オレフィンの共重合体である。炭素数3から20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1ーデセン、1ードデセン、1ーテトラデセン、1ーヘキサデセン、1ーオクタデセン、1ーエイコセン等が挙げられ、この中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが接着強度の面からより好ましい。
エチレン/αオレフィンの比率としては30/70から95/5のモル比の範囲にあるのがよい。
【0036】
変性に用いられる不飽和カルボン酸、変性方法などは(A)と同様のものが使用できる。
【0037】
本発明の不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D)は、その変性量が、グラフトモノマー重量(ベースポリマー当たり)として0.01乃至10重量%、特に、1乃至5重量%の範囲で変性されることが好ましく、グラフト変性量が前記範囲内であると、他の樹脂との相溶性が良好である。
【0038】
本発明の不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D)は、通常、そのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準じ、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した値が0.1乃至50g/10分の範囲にあることが、樹脂組成物の加工性と物性との兼ね合いから好ましい。
【0039】
本発明の不飽和カルボン酸変性エチレン・α−オレフィン共重合体(C)は、密度が0.850g/cm3 以上、特に0.850〜0.900g/cm3 であり、通常X線で測定した結晶化度が30%以下であることが、樹脂組成物の耐衝撃性改善に効果がある。
【0040】
本発明のこの不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性された変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D)の配合量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計量100重量部当たり、0.1〜30重量部、好ましくは0.2〜15重量部、更に好ましくは1〜10重量部である。
【0041】
グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(D)の配合量が上記範囲内にあると、組成物中の(A)、(B)及び(C)成分との相溶性が良く、積層体とした際に層間接着性が良好であり、また積層体製造時にもラミネーション成形性が良好であり、樹脂組成物の機械的或いは熱的な耐衝撃性にも優れている。
【0042】
[4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物]
本発明の4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物は、組成物としてのMFRが1〜400g/10分、特に100〜250g/10分の範囲にあることが好ましく、この範囲にあると、接着強度に優れ、また積層体製造時のラミネーション成形性に優れる。
【0043】
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂成物を得るには、上記した(A)変性4−メチル−1−ペンテン系重合体、(B)高圧法低密度ポリエチレンおよび(C)ポリアミド、或いは更に(D)変性エチレン・α−オレフィン共重合体の各々の所定量を、種々公知の方法、例えばV型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーでドライブレンドするか、或いはニーダー、バンバリーミキサー、一軸或いは二軸の溶融混練装置等で溶融混練し、造粒或いは粉砕する等の方法で調製する。
【0044】
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物にはシランカップリング剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料等通常ポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
【0045】
[4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物/ポリエステル基材積層体]
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物は、ポリエステル樹脂からなる基材に対する接着性に優れ、また耐熱性、押出ラミネート成形加工性に優れているところから、ポリエステル樹脂からなる基材と積層して優れた性能を発揮する。
それ故、本発明によれば、第2に、本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層をポリエステル樹脂からなる基材層に積層した積層体が提供される。
【0046】
本発明の積層体の基材として用いられるポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸成分単位とジヒドロキシ化合物成分単位とから構成されるものをいう。通常、ジカルボン酸成分単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上がテレフタル酸成分単位であり、ジヒドロキシ化合物成分単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレングリコール成分単位であることが望ましい。
【0047】
テレフタル酸以外のジカルボン酸成分単位としては、具体的には、フタル酸、イソフタール酸、2−メチルテレフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−または−1,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸から誘導された単位が挙げられ、エチレングリコール以外のジヒドロキシ化合物成分単位としては、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ドデカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール;、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールS等)、ヒドロキノン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、のエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォン等の芳香族ジヒドロキシ化合物等から誘導された単位が挙げられる。
【0048】
本発明に用いるポリエステルは、更に、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルフォンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール等の一官能化合物から誘導された単位や、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能性化合物より誘導された成分単位を少量、例えば2モル%以下の量で含有してもよい。
【0049】
本発明においては、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸成分単位量およびエチレングリコール成分単位量がそれぞれ上記範囲内であれば、ジカルボン酸成分単位としてテレフタル酸成分単位以外に上記のような他のジカルボン酸成分単位が1種または2種以上含まれ、ジヒドロキシ化合物成分単位としてエチレングリコール成分単位以外に上記のような他のジヒドロキシ化合物成分単位が1種または2種以上含まれた共重合体(共重合ポリエステル)であってもよく、またポリエチレンテレフタレートと、他のポリエステル(例:上記「他のジカルボン酸成分単位」と「他のジヒドロキシ化合物成分単位」とからなるポリエステル)との混合物(混合ポリエステル)であってもよい。
【0050】
このような熱可塑性ポリエステル樹脂は、実質上線状であり、このことは該熱可塑性ポリエステル樹脂がo−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0051】
このような熱可塑性ポリエステル樹脂のo−クロロフェノール中25℃で測定した極限粘度[η]は、通常、0.5乃至1.4dl/g、好ましくは0.6乃至1.1dl/gの範囲にあることが望ましい。
【0052】
なお、該熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度[η]は、次の方法によって測定される。即ち、該熱可塑性ポリエステル樹脂をo−クロロフェノールに、1g/100mlの濃度で溶かし、25℃でウベローデ型毛細管粘度計を用いて溶液粘度の測定を行い、その後o−クロロフェノールを徐々に添加して、低濃度側の溶液粘度を測定し、0%濃度に外挿して極限粘度[η]を求める。
【0053】
なお、このような熱可塑性ポリエステル樹脂は、従来公知の製造方法によって製造することができる。また、上記熱可塑性ポリエステル樹脂には、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔料、分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤が配合されてもよい。
【0054】
本発明の積層体では、ポリエステル樹脂を基材として用いる。基材層の厚さは、通常10乃至500μm、好ましくは50乃至100μmである。
【0055】
本発明の積層体を製造するには、前記ポリエステル樹脂からなる基材に本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層を積層する。該組成物層は紙基材の片面に積層されてもよいし、両面に積層してもよい。
組成物層の厚さは、通常10乃至120μm程度であり、20乃至40μmの範囲が好ましい。
【0056】
積層方法としては、例えば(a)あらかじめ形成されたポリエステル層に、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物、必要に応じて4−メチル−1−ペンテン系重合体を押出ラミネートする方法、(b)あらかじめ形成されたポリエステル層および4−メチル−1−ペンテン系重合体に4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を用いて押出ラミネートする方法(サンドイッチラミネーション)、(c)あらかじめ形成された4−メチル−1−ペンテン系重合体層に、中間層に用いる4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物および基材として用いるポリエステル樹脂を押出ラミネートする方法、(d)基材として用いるポリエステル樹脂、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物、必要に応じて4−メチル−1−ペンテン系重合体を多層構造を有する多層ダイを用い、共押出成形する方法、(e)あらかじめ形成されたポリエステル層、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層、必要に応じて使用する4−メチル−1−ペンテン系重合体層を加熱圧縮成形することによる方法、等が挙げられる。特に(a)の方法が好ましい。
【0057】
例えば、(a)あらかじめ形成されたポリエステル層に、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を押出ラミネートする方法では、ポリエステルからなるフィルムに溶融した本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物をシングルラミネーターによって押出ラミネートすることにより、ポリエステルからなる基材上に4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる層を形成させることが出来る。
【0058】
あらかじめ形成された層に本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を押出ラミネートする場合は、押出ラミネーターを使用することができる。また共押出を行う場合は、フラットダイを用いるTダイ法、サーキュラーダイを用いるインフレーション法などを用いることができる。フラットダイはブラックボックスを使用したシングルマニフォールド形式あるいはマルチマニフォールド形式のいずれを用いてもよい。インフレーション法に用いるダイについても公知のダイを用いることができる。
【0059】
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物は、特に上記(a)のような製造方法で積層体を製造する場合には、樹脂組成物層がネックインを起こすことが少なく、耳揺れが小さいため、生産性よく積層体を製造することができるという利点を有する。
【0060】
本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物は、既に述べた通り、それ自体優れた離型性、耐熱性を有する故、該樹脂組成物層をそのまま離型性層として使用することが出来るのは勿論であるが、上記のポリエステル基材層に本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層を積層し、その上に更に4−メチル−1−ペンテン系重合体層を積層した3層以上の多層構成とすることも出来、この態様では、本発明の樹脂組成物層は主として基材層と4−メチル−1−ペンテン系重合体層との接着層として機能する。
【0061】
この場合、4−メチル−1−ペンテン系重合体層の厚みは、通常10乃至200μm、好ましくは20乃至100μm、より好ましくは30乃至50μmである。
【0062】
この態様の積層体は、本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物が特に耐熱性に優れているところからベーキングカートン用等の用途に特に好適に使用できる。
【0063】
本発明のポリエステルを基材とした積層体の製造に際しては、該積層紙の層間接着強度を更に向上させるため、ポリエステル基材に対してコロナ処理、アンカーコート処理等の表面処理を施してもよく、又本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物溶融膜に対してオゾン処理を施してもよい。勿論、これら両処理を併用することもできる。
【0064】
更に、ポリエステル樹脂からなる基材層に本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層を積層し、その上に更に4−メチル−1−ペンテン樹脂層を積層した積層体は耐熱性に更に優れているだけでなく、離型性、表面光沢性に優れ、食品包装用材料として特に好適であり、さらにはベーキングカートン、オーブン用のトレイ等の食品加熱調理用容器材料として好適である。
また、本発明の積層体は、たとえば食品加熱調理用容器を成形するにあたり、真空成形を容易に行うことができるという特徴を有する。真空成形とは、たとえば加熱した樹脂板を型にしっかりと固定し、真空で型面へ板を引きつけて成形する方法であり、曲面を有する容器などの成形においてよく用いられる方法の一つである。
4−メチルペンテン−1系重合体は、真空成形には適していないが、本発明の積層体とすることで、驚くべきことに真空成形が容易に行えるようになった。
【0065】
又、更に、本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物をポリエステル基材に積層してなる積層体は、例えばフレキシブルプリント基板製造用の離型フイルム等に好適に用いることが出来る。
【0066】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
以下の実施例に於いて、積層体のラミネーシヨン成形条件及びその積層体の評価試験は各々下記の方法、条件で実施したものである。
【0067】
[積層体の成形条件1]
使用押出ラミ機:
住友重機製 65mmφ共押出ラミネーター
【0068】
[積層体の成形条件2]
使用押出ラミ機:
住友重機製 65mmφ共押出ラミネーター
【0069】
[積層体の真空成形]
得られた積層体を真空成形によりトレーに成形した。用いた真空成形装置、成形条件及びトレー形状を下記に示す。
真空成形装置;浅野製作所製真空成型機
【0070】
【表1】
【0071】
真空成形したトレーの形状及び寸法を図1(側断面図)及び図2(上面図)に示す。
【0072】
[評価項目、方法]
ネックイン; 紙基材上にダイ幅を500mm(設定値)にして樹脂を押出コートした後、コート方向に1m間隔で20ヶ所の点について、実際にコートされた幅を測定して下記式によりネックインを求めた。
Wn:樹脂コート幅(mm) n=1〜20
ネックイン=500−(W1+W2+ … W20)/20
耳揺れ; ラミ加工時、目視による観察及び前記20個のコート幅測定値の偏差値σ(mm)で表した。
樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)の測定;
4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物のペレットのMFRはASTM D1238に準拠して荷重:5Kg,温度:260℃の条件で測定した。
ビカット軟化点の測定;
射出成型法によりシリンダー温度300℃で成形した試験片(12.5mm(幅)×120mm(長)×3mm(厚))を測定用試料とし、JIS 7206に準じてビカット軟化点を測定した。
樹脂組成物層とポリエステル基材層との接着強度の測定;
上記ラミネーション成型法(加工速度50m/分)で得られたラミネートから幅15mmの短冊状試験片を作製し、引張試験機を用いて180度剥離試験を300mm/分の試験速度で行い層間剥離強度を測定した。
積層体の耐熱性評価;
積層体を上述した真空成形によりトレーに成形し、そのトレーについて耐熱性を下記の各試験により評価した。
【0073】
(1)オーブン・ケーキ焼き試験
真空成形で成形した積層体のトレーに以下に示すレシペの処方品を所定量入れ、オーブン温度、180℃、200℃、220℃の各温度で、加熱時間20分で、ケーキを焼き、積層体トレーのデラミ現象(ポリエステル樹脂層と樹脂組成物の剥がれ、膨らみ発生現象)の程度、積層体からのケーキの剥がれ易さの程度等を目視で観察し、耐熱性を評価した。
オーブン・レンジ;ナショナル・オーブンレンジ NE-A740
(2)サラダオイル加熱試験
真空成形で成形した積層体のトレーに、サラダオイル100gを入れて、電子レンジで加熱し、所定時間加熱後、積層体トレーからのオイルの滲み出し、積層体のデラミ現象等を目視で確認して耐熱性を評価した。
(3)フライドチキン加熱試験
真空成形で成形した積層体のトレーに、市販の冷凍フライドチキンを1個入れて所定時間電子レンジで加熱し、積層体からのオイルの滲み出し、積層体のデラミ現象等を目視で確認して耐熱性を評価した。
【0074】
なお、本発明の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物で用いる(A)成分は、下記の方法で調製した無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン重合体を使用した。
【0075】
[無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン重合体の調製]
4−メチル−1−ペンテンのホモポリマー(〔η〕=1.7dl/g、MFR=100g/10分)100重量部を使用し、トルエン溶媒中、ジクミルパーオキサイド触媒の存在下、145℃で無水マレイン酸によるグラフト反応を行った。得られた反応物に大量のアセトンを加え、グラフト変性ポリマーを析出させ、これを濾別し、アセトンで十分洗浄して無水マレイン酸グラフト変性4−メチル−1−ペンテン重合体(以下、M−PMPと略称する)を得た。
このM−PMPの無水マレイン酸単位のグラフト割合は4.0重量%であった。又、135℃、デカリン中に於ける極限粘度は0.4dl/gであった。
【0076】
[実施例1]
上記M−PMP 5重量部及び4−メチル−1−ペンテン・1ーデセン共重合体(デセン含有量2.2重量%、MFR:180g/10分) 75重量部(合計MFR190)に対して低密度ポリエチレン(三井化学工業(株)社製、商品名:ミラソン11P,MFR:7.2g/10分、密度:0.917g/cm3 )10重量部、ナイロン6((η):1.0)10重量部及び無水マレイン酸グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(三井石油化学工業(株)社製、商品名:タフマーMH5020、MFR=0.5、M値=1.0)10重量部を押出機に供給して260℃で溶融ブレンドし、組成物(組成物▲1▼)を製造した。
次いで得られた組成物▲1▼のMFR,ビカット軟化点を測定した。
又、この組成物▲1▼のラミネーション成形性(ネックイン、耳揺れ)を評価し、更に、得られた積層体の接着強度を測定した。
更に、積層体から真空成形によりトレーを作製し、耐熱性を評価した。
結果を表2に示す。
【0077】
この樹脂組成物▲1▼のラミネート成形性、接着強度、積層体の真空成形性、及びトレーの耐熱性は全て良好であった。
【0078】
[実施例2]
M−PMP 6重量部、及び 4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体 64重量部 (デセン含有量2.2重量%、MFR:180g/10分)(合計MFR200)に対して、 高圧法低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)社製、商品名:ミラソンM−11P、MFR:7.2g/10分、密度0.917g/cm3 )10重量部、ナイロン6((η)1.0)20重量部、及びグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(三井石油化学工業(株)社製、商品名:タフマーMH5020、MFR:0.5g/10分、M値=1.0) 10重量部を押出機にて供給して、上記溶融ブレンド条件で溶融ブレンドし、組成物(組成物▲2▼)を製造した。
次いで、得られた組成物▲2▼について、MFR、ビカット軟化点を測定した。
また、この組成物のポリエステル基材に対する押出ラミネーション成形を上記押出ラミネーション条件でポリエステル樹脂基材に対して行い、ラミネーション成形性(ネックイン、耳揺れ)を評価し、更に、得られた積層体の接着強度を測定した。
更に、積層体から真空成形によりトレーを作成し、耐熱性を評価した。
その結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
耐熱性試験(試験後の積層体の状況)
オーブン試験
180℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
200℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
220℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
サラダオイル試験
187℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
192℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
204℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
フライドチキン加熱試験
2分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
3分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
5分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
【0080】
[実施例3]
実施例1で製造した4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物(組成物▲1▼)を中間層として、ポリエステル樹脂層を基材層として、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体(デセン含有量2.2重量%、MFR:180g/10分)を最表面層として、上記押出ラミネーション条件で共押出ラミネーション成形を行い、ポリエステル樹脂/組成物▲1▼/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体からなる積層体を製造した。ラミネーション成形性(ネックイン、耳揺れ)を評価した。また、ポリエステル基材層と組成物層との間の接着強度を測定した。更に、得られた積層体から真空成形によりトレーを作成し、耐熱性を評価した。
その結果を表3に示す。
【0081】
[実施例4]
実施例2で製造した4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物(組成物▲2▼)を中間層として、ポリエステル樹脂層を基材層として、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体(デセン含有量2.2重量%、MFR:180g/10分)を最表面層として、上記押出ラミネーション条件で共押出ラミネーション成形を行い、ポリエステル樹脂/組成物▲2▼/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体からなる積層体を製造した。ラミネーション成形性(ネックイン、耳揺れ)を評価した。また、ポリエステル基材層と組成物▲2▼層との間の接着強度を測定した。更に、得られた積層体から真空成形によりトレーを作成し、耐熱性を評価した。
その結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
耐熱性試験(試験後の積層体の状況)
オーブン試験
180℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
200℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
220℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
サラダオイル試験
187℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
192℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
204℃ デラミ現象無し デラミ現象無し
フライドチキン加熱試験
2分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
3分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
5分加熱 デラミ現象無し デラミ現象無し
【0083】
[実施例5]
実施例1で得られた積層体について、シートの余熱時間を種々変更して、真空成形性を評価した(余熱時間以外は実施例1と同様の条件で、厚み0.5mmとなるように真空成形を行った)。
結果を表4に示す。
その結果、短い余熱時間で且つ広い成形条件(シート余熱時間の幅が広いことを表す)において、厚みむらの少ない真空成形体が得られた。
尚、表中のSB及びDDは次の意味を有する。
SB(スプリングバック):樹脂シートが余分に余熱され、溶融すると、一旦シートの収縮が起こる。これをスプリングバックと表現した。この現象が起こらないことは、樹脂シートが十分溶融していないことを示しており、このような状態から真空成形することは一般に困難である。
DD(ドローダウン):樹脂シートが余熱され、溶融した場合に、自重に耐えられずに形が崩れてしまうことがある。これをドローダウンと表現した。このような状態から真空成形すると、厚みむらができたり、表面にしわができたりするので好ましくない。
【0084】
【表4】
【0085】
[比較例1]
実施例1の樹脂組成物▲1▼に代えて、4−メチル−1−ペンテン系重合体(MFR=22g/10分、ダイヤレン124(C12とC14との混合物)含有量5.1重量%)を用いた以外はこの比較積層体について、実施例5と同様にして、シートの余熱時間を種々変更して、真空成形性を評価した。尚、余熱時間以外は実施例1と同様の条件で、厚み0.5mmとなるように真空成形を行った。
結果を表5に示す。
比較例1は、未変性の4−メチル−1−ペンテン系重合体を、そのまま真空成形するものであるが、実施例1の積層体に比して、真空成形性に劣っている。即ち、余熱時間が実施例1と同程度ではシートが軟化しないため成形できず、余熱時間をさらに長くした条件で試みた場合にも、ドローダウンが発生して、得られた成形体は厚みむら、表面のしわを有し、満足のいくものではなかった。
【0086】
【表5】
【0087】
[比較例2]
実施例1で用いたM−PMP 5重量部、実施例1で用いた4−メチル−1−ペンテン・デセン−1共重合体 75重量部、及び実施例1で用いた高圧法低密度ポリエチレン 20重量部を下記の溶融ブレンド条件で溶融ブレンドし、組成物(比較組成物)のペレットを製造した。
押出機:池貝鉄工(株)製 二軸押出機(PCM 40mmφ)
押出温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/AD/D=240/260/260/260/260/260/260/260 [℃]
【0088】
次いで、得られた比較組成物について、MFR、ビカット軟化点を測定した。また、上記比較組成物を中間層として、ポリエステル樹脂層を基材層として、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体(デセン含有量2.2重量%、MFR:180g/10分)を最表面層として、前記積層体成形条件−2で共押出ラミネーション成形を行い、ポリエステル樹脂/比較組成物/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体からなる積層体を製造した。ラミネーション成形性(ネックイン、耳揺れ)を評価した。また、ポリエステル基材層と比較組成物層との間の接着強度を測定した。
その結果を表6に示す。
【0089】
【表5】
比較例2
組成物のMFR 200g/10分
ビカット軟化点 150℃
ネックイン 115mm
耳揺れ 3.0mm
組成物層と 0.0 N/15mm
ポリエステル基材層との
間の接着強度
【0090】
比較例2は、ナイロンを含まない2成分系であるため、ポリエステルに全く接着性を示さなかった。
【0091】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、溶融成形性、押出ラミネート加工性、ポリエステルとの接着性、接着部の耐熱性等の組み合わせに優れている。この樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテン系重合体に対しては勿論のこと、ポリエステルに対しても強固に接着した積層体を製造することができる。この積層体は、真空成形性にも優れているため、真空成形が容易であり、耐熱性、離型性、耐層間剥離性等の組み合わせに優れた容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において、真空成形したトレーの形状及び寸法を示す側断面図である。
【図2】 実施例において、真空成形したトレーの形状及び寸法を示す上面図である。
Claims (11)
- (A)メルトフローレート(温度260℃、荷重5.0kg)が、1乃至400g/10分の範囲にある、一部または全部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体40乃至95重量部、(B)メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が、0.1乃至100g/10分の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン2乃至30重量部、及び(C)98%濃硫酸中、30℃で測定したときの極限粘度(η)が0.5以上であり且つDSC法により測定した融点が190乃至270℃の範囲にあるポリアミド2乃至40重量部を、上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含むことを特徴とする4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- (A)メルトフローレート(温度260℃、荷重5.0kg)が、1乃至400g/10分の範囲にある、少なくとも一部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性された4−メチル−1−ペンテン系重合体40乃至95重量部、(B)メルトフローレート(温度190℃、荷重2.16kg)が、0.1乃至100g/10分の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン2乃至30重量部、及び(C)98%濃硫酸中、30℃で測定したときの極限粘度(η)が0.5以上であり且つDSC法により測定した融点が190乃至270℃の範囲にあるポリアミド2乃至40重量部を、上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含み、更に(D)メルトフローレート(温度190℃、荷重5.0kg)が0.1乃至50g/10分であり、密度が0.85g/cm3 以上で、エチレン含有量が30乃至95モル%で、少なくとも一部が不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト量0.1乃至10重量%の範囲でグラフト変性されたエチレン・α−オレフィン共重合体0.1乃至30重量部を上記(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部基準で含むことを特徴とする4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 前記(A)4−メチル−1−ペンテン系重合体が、80重量%以上の4−メチル−1−ペンテン成分単位と20重量%以下の炭素数2乃至20のα−オレフィン成分単位から成るランダム共重合体である請求項1または2に記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 前記(B)高圧法低密度ポリエチレンが、密度0.910乃至0.935g/cm3 、メルトフローレート(190℃、荷重2.16kg)1.0乃至100g/10分の低密度ポリエチレンである請求項1または2に記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 前記(C)のポリアミドが脂肪族ポリアミドである請求項1または2に記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリアミド(C)が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12及びそれらの共重合体からなる群より選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 前記(D)のエチレン・α−オレフィン共重合体がメルトフローレート(温度190℃、荷重5.0kg)が0.1乃至50g/10分であり、密度が0.850乃至0.900g/cm3 であり、エチレン含有量が30乃至95モル%であり、X線法による結晶化度が30%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項2に記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物の層をポリエステル樹脂からなる基材層に積層して成る積層体。
- 4−メチル−1−ペンテン系重合体層、前記請求項1乃至7のいずれかに記載の4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物層、及びポリエステルからなる基材層がこの順序に積層されて成る積層体。
- 前記基材層を構成するポリエステル樹脂が、テレフタル酸成分単位をジカルボン酸成分単位中80モル%以上の量で含み、エチレングリコール成分単位をジヒドロキシ化合物成分単位中80モル%以上の量で含むことを特徴とする請求項8または9に記載の積層体。
- 前記ポリエステル樹脂が、極限粘度[η]が0.5乃至1.4の範囲にあることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の積層体。
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JPH1160848A (ja) | 1999-03-05 |
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