JPWO2002024807A1 - ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
ポリアセタール樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物0.001〜5重量部程度、耐候(光)安定剤0.01〜5重量部程度及びトリアジン環を有するスピロ化合物0.001〜10重量部程度を添加する。前記スピロ化合物は、下記式(1)で表わされる化合物などであってもよい。ポリアセタール樹脂組成物は、さらに、着色剤、加工安定剤、耐熱安定剤などを含んでもよい。(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を示す)
Description
技術分野
本発明は、優れた耐候(光)性を有し、且つホルムアルデヒド発生量が著しく抑制されたポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成されたポリアセタール樹脂成形品に関する。
背景技術
ポリアセタール樹脂は、その化学構造から本質的に、加熱酸化雰囲気下、酸性やアルカリ性条件下では容易に分解されやすい。そのため、ポリアセタール樹脂の本質的な課題として、熱安定性が高く、成形加工過程又は成形品からのホルムアルデヒドの発生を抑制することが挙げられる。熱安定性が低いと、押出又は成形工程などの加工工程において加熱されてポリマーが分解し、金型への付着物(モールドデポジット)が発生したり、成形性や機械的物性などが低下する。分解により発生したホルムアルデヒドは化学的に活性であり、酸化によりギ酸となり耐熱性に悪影響を及ぼしたり、電気・電子機器の部品などに用いると、金属製接点部品が腐蝕したり有機化合物の付着により変色し、接点不良を生じる。さらにホルムアルデヒド自体が、部品組立工程での作業環境や最終製品の使用環境を汚染する。
そこで、ポリアセタール樹脂を安定化させるため、酸化防止剤やその他の安定剤が使用されている。ポリアセタール樹脂に添加される酸化防止剤としては、立体障害を有するフェノール化合物(ヒンダードフェノール)、立体障害を有するアミン化合物(ヒンダードアミン)などが知られており、その他の安定剤として、メラミン、ポリアミド、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物などが使用されている。また、通常、酸化防止剤は他の安定化剤と組み合わせて用いられる。しかし、このような添加剤を用いても、ポリアセタール樹脂に対して高い安定性を付与することは困難である。
また、ポリアセタール樹脂の用途の拡大、多様化に伴い、その品質に対する要求はより高度化する傾向を示している。また、その用途によっては、紫外線、風雨、温度、大気中の酸素、オゾン、人工的な光、使用時の荷重などの周辺環境の影響を受け、変色、変質、劣化などの問題を生じる。
特公平4−14709号公報には、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系酸化防止剤、帯電防止剤、及びグアナミン誘導体である3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUグアナミン)を配合し、熱安定性を向上させるとともに磁気テープによる変色傾向が改善されたポリアセタール樹脂組成物が開示されている。この文献では、ポリアセタール樹脂の変色を低減させるため、従来用いられていたヒンダードフェノール系酸化防止剤に代えてヒンダードアミン系酸化防止剤を用いている。また、特開昭62−190248号公報には、ポリアセタール樹脂に、安定剤として、ベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体を配合することにより、ホルムアルデヒド臭気が少なく成形性が向上した安定化ポリアセタール樹脂組成物が開示されている。しかし、これらの樹脂組成物では、実用上十分な耐候(光)安定性が得られず、耐候(光)安定性が要求される用途への適用が困難である。
従って、本発明の目的は、ポリアセタール樹脂に優れた耐候(光)性を付与し、特に成形後の光による劣化を改善できるポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、少量の添加でホルムアルデヒドの生成を著しく抑制でき、周辺環境を改善できるポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制して、金型への分解物や添加物などの付着、成形品からの樹脂分解物や添加物の浸出や成形品の熱劣化を抑制できるとともに成形品の品質を向上し、成形性を改善できるポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、上記の目的を達成するため、ポリアセタール樹脂の安定剤に関して一連の窒素含有化合物の探索検討を行なった結果、ヒンダードフェノール系化合物及び耐候(光)安定剤を組み合わせて用いた場合に、特定のスピロ化合物がポリアセタール樹脂の安定剤として顕著な効果を有し、かつポリアセタール樹脂の耐候(光)性を大幅に改善することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とで構成されている。前記耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物及びヒンダードアミン系化合物から成る群より選択された少なくとも1種の化合物であってもよく、少なくともベンゾトリアゾール化合物、特にベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とで構成されていてもよい。前記スピロ化合物は、両末端にグアナミン環を有してもよく、例えば、下記式(1)で表わされる化合物などであってもよい。
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を示す)
前記ポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物0.001〜5重量部程度、耐候(光)安定剤0.01〜5重量部程度及びスピロ化合物0.001〜10重量部程度を含んでいてもよい。前記ポリアセタール樹脂組成物は、さらに、着色剤、加工安定剤、耐熱安定剤などを含んでもよい。
本発明の方法では、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とを混合することによりポリアセタール樹脂組成物を製造する。さらに、本発明には、前記ポリアセタール樹脂組成物で構成された成形品も含まれる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とで構成されている。
(ポリアセタール樹脂)
ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ポリアセタールホモポリマー(例えば、米国デュポン社製、商品名「デルリン」;旭化成(株)製、商品名「テナック4010」など)、オキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジュラコン」など)が含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、炭素数2〜6程度(好ましくは炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基など)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、少量、例えば、ポリアセタール樹脂全体に対して、0.01〜20モル%、好ましくは0.03〜10モル%(例えば、0.05〜9モル%)、さらに好ましくは0.1〜8モル%程度の範囲から選択できる。
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー(例えば、特公平2−24307号公報、旭化成工業(株)製、商品名「テナックLA」「テナックLM」など)、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化などにより安定化してもよい。ポリアセタールの重合度、分岐度や架橋度も特に制限はなく、溶融成形可能であればよい。ポリアセタール系樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量5,000〜500,000、好ましくは10,000〜400,000程度である。
前記ポリアセタール樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールなどの環状エーテルや環状ホルマールを重合することにより製造できる。さらには、共重合成分として、アルキル又はアリールグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテルなど)、アルキレン又はポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなど)、アルキル又はアリールグリシジルアルコール、環状エステル(例えば、β−プロピオラクトンなど)及びビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルエーテルなど)を使用することもできる。
(ヒンダードフェノール系化合物)
ヒンダードフェノール系化合物には、慣用のフェノール系酸化防止剤、例えば、単環式ヒンダードフェノール化合物(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)、炭化水素基又はイオウ原子を含む基で連結された多環式ヒンダードフェノール化合物[2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどのC1−10アルキレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのC2−10アルケニレン又はジエニレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのC6−20アリーレン又はアラルキレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのイオウ原子を有する基で連結されたビス(t−ブチルフェノール)類など]、エステル基又はアミド基を有するヒンダードフェノール化合物[n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−2−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートなどのC2−10アルキレンカルボニルオキシ基を有するt−ブチルフェノール;1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などの脂肪酸のポリオールエステルで連結されたビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのヘテロ環基とC2−10アルキレンカルボニルオキシ基とを有するビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;2−t−ブチル−6−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどのC3−10アルケニルカルボニルオキシ基を有するt−アルキルフェノール(例えば、t−ブチルフェノール、t−ペンチルフェノールなど);ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートなどのホスホン酸エステル基を有するヒンダードフェノール化合物;N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ジヒドロシンナムアミド)などのアミド基を有するヒンダードフェノール化合物など]などが含まれる。中でも、t−ブチル(特に複数のt−ブチル)基を有するフェノール化合物(特に複数のt−ブチルフェノール部位を有する化合物)が好ましい。特に、前記脂肪酸のポリオールエステルで連結されたビス乃至テトラキス(モノ乃至テトラt−ブチルフェノール)類、特に、C2−10脂肪酸(特にC2−6脂肪酸)のジ乃至テトラオールエステル基で連結されたビス乃至テトラキス(モノ又はジt−ブチルフェノール)類が好ましい。
前記ヒンダードフェノール系化合物は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(耐候(光)安定剤)
耐候(光)安定剤としては、(a)ベンゾトリアゾール系化合物、(b)ベンゾフェノン系化合物、(c)芳香族ベンゾエート系化合物、(d)シアノアクリレート系化合物、(e)シュウ酸アニリド系化合物及び(f)ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
前記(a)ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−イソアミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルキル(C1−6アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアラルキル(又はアリール)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルコキシ(C1−12アルコキシ)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類などが挙げられる。好ましいベンゾトリアゾール系化合物は、ヒドロキシル基及びC3−6アルキル基置換C6−10アリール(特にフェニル)基を有するベンゾトリアゾール類、並びにヒドロキシル基及びC6−10アリール−C1−6アルキル(特にフェニル−C1−4アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類などである。
前記(b)ベンゾフェノン系化合物としては、複数のヒドロキシル基を有するベンゾフェノン類(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジ乃至テトラヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノンなどのヒドロキシル基及びヒドロキシル置換アリール又はアラルキル基を有するベンゾフェノン類など);ヒドロキシル基及びアルコキシ(C1−16アルコキシ)基を有するベンゾフェノン類(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなど)などが挙げられる。好ましいベンゾフェノン系化合物は、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換C6−10アリール(又はC6−10アリール−C1−4アルキル)基を有するベンゾフェノン類、特に、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換フェニル−C1−2アルキル基を有するベンゾフェノン類などである。
前記(c)芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのアルキルフェニルサリシレート類が挙げられる。
前記(d)シアノアクリレート系化合物としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノ基含有ジフェニルアクリレート類などが挙げられる。
前記(e)シュウ酸アニリド系化合物としては、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミドなどの窒素原子上に置換されていてもよいフェニル基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
前記(f)ヒンダードアミン系化合物としては、立体障害性基を有するピペリジン誘導体、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体[4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの脂肪族アシルオキシピペリジン(C2−20脂肪族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの芳香族アシルオキシピペリジン(C7−11芳香族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどの脂肪族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステル(C2−20脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステルなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレートなどの芳香族ジ乃至テトラカルボン酸−ビス乃至テトラキスピペリジルエステル(芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルなど)など]、エーテル基含有ピペリジン誘導体[4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC1−10アルコキシピペリジン(C1−6アルコキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC5−8シクロアルキルオキシ−ピペリジン;4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアリールオキシピペリジン;4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ−ピペリジンなど;1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタンなどのアルキレンジオキシビスピペリジン(C1−10アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど)など]、アミド基含有ピペリジン誘導体[4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのカルバモイルオキシピペリジン;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメートなどのカルバモイルオキシ置換アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど]などが挙げられる。また、高分子量のピペリジン誘導体重縮合物(コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物など)なども含まれる。
好ましいヒンダードアミン系化合物は、エステル基含有ピペリジン誘導体、特に、脂肪族カルボン酸ピペリジルエステル(好ましくはC2−16脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステル、さらに好ましくはC6−14脂肪族ジカルボン酸−ビステトラメチルピペリジルエステルなど)、芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルなどである。
前記耐候(光)安定剤は、単独で用いてもよく、同種又は異種の化合物を、2種以上組み合わせて使用してもよい。ヒンダードアミン系化合物(f)と、他の耐候(光)安定剤から選択された少なくとも一種とを併用するのが好ましく、特に、ベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とを併用するのが好ましい。この場合、ヒンダードアミン系化合物とベンゾトリアゾール系化合物との割合は、前者/後者(重量比)=0/100〜80/20、好ましくは10/90〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40程度である。
(トリアジン環を有するスピロ化合物)
トリアジン環を有するスピロ化合物としては、スピロ化合物の側鎖にトリアジン環を有する化合物であればよく、トリアジン環の個数は、特に制限されず、1〜4個、好ましくは1〜2個(特に2個)程度である。特に、2個のトリアジン環をスピロ化合物で連結させた構造を有する化合物(すなわち、スピロ化合物の両末端にトリアジン環を有する化合物)が好ましい。
前記トリアジン環には、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び1,3,5−トリアジンが含まれる。中でも、1,3,5−トリアジンが好ましい。また、トリアジン環は、アルキル基(C1−4アルキル基など)、アリール基、アミノ基又は置換アミノ基などの置換基を有していてもよい。トリアジン環としては、アミノ基又は置換アミノ基を置換基として有する1,3,5−トリアジン、特にグアナミン環が好ましい。
スピロ環部は、炭素のみで構成されたスピロ環であってもよいが、ヘテロ原子(特に酸素原子)を環の構成原子として有するスピロ環であるのが好ましい。このようなスピロ化合物としては、例えば、下記式(1)で表わされる両末端にグアナミン環を有するスピロ化合物などが挙げられる。
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を示す)
前記式(1)において、R1及びR2で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン基などの直鎖又は分岐鎖状のC1−10アルキレン基などが挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン基などのC6−10アリーレン基が挙げられる。アラルキレン基としては、前記アルキレン基とアリーレン基とが連結した基などが挙げられる。好ましいR1及びR2は、アルキレン基(C1−6アルキレン基など)、特にC1−3アルキレン基(エチレン基など)などである。また、前記R1及びR2は、さらにメチル基などのC1−4アルキル基、フェニル基、アミノ基、N−置換アミノ基などの置換基を有していてもよい。
このようなスピロ化合物としては、例えば、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUグアナミン)、3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CMTUグアナミン)、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2−メチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルメチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。これらのスピロ化合物のうち、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)直鎖又は分岐C1−5アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、例えば、CTUグアナミン、CMTUグアナミン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が好ましく、特にCTUグアナミンが好ましい。
これらのスピロ化合物は、含結晶水化合物又は水和化合物であってもよく、無水化合物であってもよいが、ポリアセタール樹脂中でのスピロ化合物の分散性の点から、特に結晶水を含有したスピロ化合物が好ましく用いられる。通常、スピロ化合物1分子中に0.1〜3分子の結晶水を含有している。
このようなスピロ化合物は、例えば、テトラオキソスピロ環を有するジニトリルとジシアンジアミドとを、アルコール系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下、高圧で反応させる方法(特開平5−32664号公報)、エーテル系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させる方法(特公昭44−8676号公報)などにより製造できる。
このようなテトラオキソスピロ環を有するジニトリルとジシアンジアミドとの反応では、一方の末端にニトリル基と他方の末端にグアナミン環を有するスピロ化合物も製造できる。一方の末端にニトリル基と他方の末端にグアナミン環を有するスピロ化合物としては、3−(シアノアルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン[例えば、3−(2−シアノエチル)−9−[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUモノグアナミン)、3−(1−シアノメチル)−9−[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CMTUモノグアナミン)、3−(2−シアノ−2−メチルエチル)−9−[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2−メチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3−(1−シアノ−1,1−ジメチルメチル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルメチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3−(3−シアノ−2,2−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、及び3−(3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3−(シアノC1−6アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン]などが例示できる。これらのスピロ化合物のうち、3−(シアノC1−5直鎖又は分岐アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)直鎖又は分岐C1−5アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、例えば、CTUモノグアナミン、CMTUモノグアナミン、3−(3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が好ましく、特にCTUモノグアナミンが好ましい。
このような片末端にトリアジン環(グアナミン環など)を有するスピロ化合物、及びこの片末端にトリアジン環を有するスピロ化合物と両末端にトリアジン環(グアナミン環など)を有するスピロ化合物との混合物も本発明のスピロ化合物に含まれる。
これらのうち、少なくとも両末端にトリアジン環を有するスピロ化合物を含むのが好ましく、例えば、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノアルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されたスピロ化合物、特に3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノC1−6アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されたスピロ化合物などであってもよい。
(各成分の割合)
本発明の樹脂組成物において、ヒンダードフェノール系化合物の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜3重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部程度である。
耐候(光)安定剤の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、(例えば、0.01〜3重量部)、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部(例えば、0.1〜1.5重量部)程度である。
スピロ化合物の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.03〜1重量部程度である。
また、本発明の樹脂組成物において、耐候(光)安定剤とスピロ化合物との割合は、前者/後者(重量比)=0.01/1〜30/1、好ましくは0.1/1〜10/1、さらに好ましくは0.3/1〜3/1程度である。
(着色剤)
また、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、さらに着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、各種染料または顔料が使用できる。染料はソルベント染料が好ましく、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、又はナフトキノン系染料などが挙げられる。顔料については、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できる。
無機顔料としては、チタン系顔料、亜鉛系顔料、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)、鉄系顔料、モリブデン系顔料、カドミウム系顔料、鉛系顔料、コバルト系顔料、及びアルミニウム系顔料などが例示できる。
有機顔料としては、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、又はスレン系顔料などが例示できる。
上記のような着色剤は、単独で用いてもよく、また複数の着色剤を組み合わせて用いてもよい。光遮蔽効果の高い着色剤(カーボンブラック、チタン白(酸化チタン)、フタロシアニン系顔料など、特にカーボンブラック)を用いると、耐候(光)性を向上できる。
着色剤の含有量は、例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0〜5重量部(例えば、0.01〜5重量部)、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である。
また、本発明の樹脂組成物には、さらに、加工安定剤や耐熱安定剤などを添加して成形性や耐熱性を向上させてもよい。
(加工安定剤)
加工安定剤としては、(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体、(b)ポリオキシアルキレングリコール、(c)シリコーン化合物などから選択された少なくとも一種が挙げられる。
(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体
前記長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。このような長鎖脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、炭素数10以上の1価の飽和脂肪酸[カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸などのC10−34飽和脂肪酸(好ましくはC10−26飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の1価の不飽和脂肪酸[オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸などのC10−34不飽和脂肪酸(好ましくはC10−26不飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の2価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)[セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸などの2価のC10−30飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20飽和脂肪酸)、デセン二酸、ドデセン二酸などの2価のC10−30不飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20不飽和脂肪酸)など]が例示できる。これらの脂肪酸は一種で又は二種以上組合せて使用できる。前記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ飽和C10−26脂肪酸など)も含まれる。
前記長鎖脂肪酸の誘導体には、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドなどが含まれる。前記長鎖脂肪酸エステルとしては、その構造は特に制限されず、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用でき、前記長鎖脂肪酸とアルコールとのエステル(モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルなどの1つ又は複数のエステル結合を有するエステルなど)が挙げられる。長鎖脂肪酸エステルを構成するアルコールは、その種類は特に制限されないが、多価アルコールが好ましい。前記多価アルコールとしては、炭素数が2〜8程度、好ましくは2〜6程度の多価アルコール又はその重合体、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2−8アルキレングリコール(好ましくはC2−6アルキレングリコール)など)などのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類、及びこれらの多価アルコール類の単独又は共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールの単独又は共重合体、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトールなど)などが例示できる。前記ポリアルキレングリコールの平均重合度は2以上(例えば、2〜500)、好ましくは2〜400(例えば、2〜300)程度であり、平均重合度16以上(例えば、20〜200程度)が好ましく、このようなポリアルキレングリコールは、炭素数12以上の脂肪酸とのエステルとして好適に使用される。好ましい多価アルコールは、平均重合度が2以上のポリアルキレングリコールである。これらの多価アルコールは一種で又は二種以上組合せて使用できる。
このような長鎖脂肪酸エステルの例としては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のモノラウレート、モノパルミテート、モノステアレート、モノベヘネート、モノモンタネート、ジラウレート、ジパルミテート、ジステアレート、ジベヘネート、ジモンタネート、ジオレート、ジリノレートなどが挙げられる。
前記脂肪酸アミドとしては、前記長鎖脂肪酸(1価又は2価の長鎖脂肪酸)とアミン類(モノアミン、ジアミン、ポリアミン類など)との酸アミド(モノアミド、ビスアミドなど)が使用できる。モノアミドとしては、例えば、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミドなどの飽和脂肪酸の第1級酸アミド、オレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸の第1級酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミドなどの飽和及び/又は不飽和脂肪酸とモノアミンとの第2級酸アミドなどが例示できる。好ましい脂肪酸アミドはビスアミドである。前記ビスアミドには、C1−6アルキレンジアミン(特に、C1−2アルキレンジアミン)と前記脂肪酸とのビスアミドなどが含まれ、その具体例としては、エチレンジアミン−ジステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、エチレンジアミン−ジベヘン酸アミド、エチレンジアミン−ジモンタン酸アミド、ヘキサメチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミドなどが挙げられ、さらにエチレンジアミン−(ステアリン酸アミド)オレイン酸アミドなどのアルキレンジアミンのアミン部位に異なるアシル基が結合した構造を有するビスアミドなども使用できる。前記酸アミドにおいて、酸アミドを構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であるのが好ましい。
これらの長鎖脂肪酸又はその誘導体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(b)ポリオキシアルキレングリコール
前記ポリオキシアルキレングリコールには、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのC2−6アルキレングリコール(好ましくはC2−4アルキレングリコール)など)の単独重合体、共重合体、及びそれらの誘導体などが含まれる。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリC2−6オキシアルキレングリコール(好ましくはポリC2−4オキシアルキレングリコール)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(ランダム又はブロック共重合体など)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテルなどの共重合体類が挙げられる。好ましいポリオキシアルキレングリコールは、オキシエチレン単位を有する重合体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体及びそれらの誘導体などである。また、前記ポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量は、1×103〜1×106(例えば、1×103〜5×105)、好ましくは2×103〜1×105(例えば、2×103〜5×104)程度である。
ポリオキシアルキレングリコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(c)シリコーン化合物
シリコーン系化合物には、ポリオルガノシロキサンなどが含まれる。ポリオルガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(例えば、メチルフェニルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン(例えば、ジフェニルシロキサンなど)等の単独重合体(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等)又は共重合体等が例示できる。ポリオルガノシロキサンは、オリゴマーであってもよい。また、ポリオルガノシロキサンには、分子末端や主鎖に、エポキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基又は置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、エーテル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の置換基を有する変性ポリオルガノシロキサン(例えば、変性シリコーン)なども含まれる。これらのシリコーン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記加工安定剤の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部(例えば、0.05〜3重量部)程度、特に0.05〜2重量部程度である。
(耐熱安定剤)
前記耐熱安定剤には、(a)塩基性窒素化合物、(b)ホスフィン化合物、(c)有機カルボン酸金属塩、(d)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、(e)ハイドロタルサイト及び(f)ゼオライトなどが含まれる。
(a)塩基性窒素化合物
塩基性窒素含有化合物には、低分子化合物や高分子化合物(窒素含有樹脂)が含まれる。
窒素含有低分子化合物としては、例えば、脂肪族アミン類(モノエタノールアミンやジエタノールアミンなど)、芳香族アミン類(o−トルイジン、p−トルイジン、p−フェニレンジアミンなどの芳香族第2級アミン又は第3級アミン)、アミド化合物(マロンアミド、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、p−アミノベンズアミドなど)、ヒドラジン又はその誘導体(ヒドラジン、ヒドラゾン、多価カルボン酸ヒドラジドなどのヒドラジドなど)、ポリアミノトリアジン類[グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、1,3,6−トリス(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)ヘキサン、フタログアナミンなどのグアナミン類又はそれらの誘導体、メラミン又はその誘導体(メラミン;メラム、メレム、メロンなどのメラミン縮合物など)]、ウラシル又はその誘導体(ウラシル、ウリジンなど)、シトシン又はその誘導体(シトシン、シチジンなど)、グアニジン又はその誘導体(グアニジン、シアノグアニジンなどの非環状グアニジン;クレアチニンなどの環状グアニジンなど)、尿素又はその誘導体[ビウレット、ビウレア、エチレン尿素、アセチレン尿素、イソブチリデンジウレア、クロチリデンジウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、ヒダントイン、置換ヒダントイン誘導体(1−メチルヒダントイン、5−プロピルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントインなどのモノ又はジC1−4アルキル置換体;5−フェニルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントインなどのアリール置換体;5−メチル−5−フェニルヒダントインなどのアルキルアリール置換体など)、アラントイン、置換アラントイン誘導体(例えば、モノ,ジまたはトリC1−4アルキル置換体、アリール置換体など)、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウム、アラントインモノヒドロキシアルミニウム、アラントインアルミニウムなどの周期表3B属金属との塩など)、アラントインとアルデヒド化合物との反応生成物(アラントインホルムアルデヒド付加体など)、アラントインとイミダゾール化合物との化合物(アラントインソジウム−dlピロリドンカルボキシレートなど)、有機酸塩など]などが例示できる。
窒素含有樹脂としては、例えば、ホルムアルデヒドとの反応により生成するアミノ樹脂(グアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアニジン樹脂などの縮合樹脂、フェノール−メラミン樹脂,ベンゾグアナミン−メラミン樹脂,芳香族ポリアミン−メラミン樹脂などの共縮合樹脂など)、芳香族アミン−ホルムアルデヒド樹脂(アニリン樹脂など)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン3(ポリβ−アラニン)、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン6−10、ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610などの単独又は共重合ポリアミド、メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換ポリアミドなど)、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルカルボン酸アミド)、N−ビニルカルボン酸アミドと他のビニルモノマーとの共重合体などが例示できる。
これらの塩基性窒素含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい窒素含有化合物には、グアナミン類(アジポグアナミンなど)、メラミン又はその誘導体[特にメラミン又はメラミン縮合物(メラム、メレムなど)]、グアニジン誘導体(シアノグアニジン、クレアチニンなど)、尿素誘導体[ビウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、アラントイン、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウムなど)]、窒素含有樹脂[アミノ樹脂(メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂;架橋メラミン樹脂などの架橋アミノ樹脂など)、ポリアミド樹脂など]が含まれる。
(b)ホスフィン化合物
ホスフィン化合物としては、アルキルホスフィン(例えば、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリC1−10アルキルホスフィンなど)、シクロアルキルホスフィン(例えば、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリC5−12シクロアルキルホスフィンなど)、アリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン、p−トリルジフェニルホスフィン、ジ−p−トリルフェニルホスフィン、トリ−m−アミノフェニルホスフィン、トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン等のトリC6−12アリールホスフィンなど)、アラルキルホスフィン(例えば、トリ−o−アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィン等のトリC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンなど)、アリールアルケニルホスフィン(例えば、ジフェニルビニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン等のジC6−12アリールC2−10アルケニルホスフィンなど)、アリールアラルキルホスフィン(例えば、p−アニシルジフェニルホスフィンなどのジC6−12アリールC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンや、ジ−p−アニシルフェニルホスフィンなどのC6−12アリールジC6−12アラルキルホスフィン等)、アルキルアリールアラルキルホスフィン(例えば、メチルフェニル−p−アニシルホスフィンなどのC1−10アルキルC6−12アリールC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンなど)、ビスホスフィン類[例えば、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのビス(ジC6−12アリールホスフィノ)C1−10アルカン]などが例示できる。これらのホスフィン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(c)有機カルボン酸金属塩
有機カルボン酸金属塩としては、有機カルボン酸と金属(Na、Kなどのアルカリ金属;Mg、Caなどのアルカリ土類金属;Znなどの遷移金属など)との塩が挙げられる。
前記有機カルボン酸は、低分子又は高分子のいずれであってもよく、前記長鎖脂肪酸の項で例示した長鎖飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸などの他、炭素数10未満の低級の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸の重合体なども使用できる。また、これらの脂肪族カルボン酸はヒドロキシル基を有していてもよい。
前記低級の飽和脂肪族カルボン酸としては、飽和C1−9モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸など)、飽和C2−9ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸など)、及びこれらのオキシ酸(グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、クエン酸など)などが例示できる。
低級の不飽和脂肪族カルボン酸としては、不飽和C3−9モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸など]、不飽和C4−9ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など)、及びこれらのオキシ酸(プロピオール酸など)などが例示できる。
また、不飽和脂肪族カルボン酸の重合体としては、重合性不飽和カルボン酸[α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和モノカルボン酸、重合性不飽和多価カルボン酸(イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など)、前記多価カルボン酸の酸無水物又はモノエステル(マレイン酸モノエチルなどのモノC1−10アルキルエステルなど)など]とオレフィン(エチレン、プロピレンなどのα−C2−10オレフィンなど)との共重合体などが挙げられる。
これらの有機カルボン酸金属塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい有機カルボン酸金属塩は、アルカリ土類金属有機カルボン酸塩(酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなど)、アイオノマー樹脂(前記重合性不飽和多価カルボン酸とオレフィンとの共重合体に含有されるカルボキシル基の少なくとも一部が前記金属のイオンにより中和されている樹脂)などである。前記アイオノマー樹脂は、例えば、ACLYN(アライド・シグナル社製)、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン(デュポン社製)などとして市販されている。
(d)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物
アルカリ又はアルカリ土類金属化合物には、CaO、MgOなどの金属酸化物、Ca(OH)2、Mg(OH)2などの金属水酸化物、金属無機酸塩(Na2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3などの金属炭酸塩、ホウ酸塩やリン酸塩などの無機酸塩など)などの無機化合物が含まれ、特に、金属酸化物及び金属水酸化物が好ましい。前記化合物のうち、アルカリ土類金属化合物が好ましい。
これらのアルカリ又はアルカリ土類金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(e)ハイロドロタルサイト
ハイドロタルサイトとしては、特開昭60−1241号公報及び特開平9−59475号公報などに記載されているハイドロタルサイト類、例えば、下記式で表されるハイドロタルサイト化合物などが使用できる。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+[An− x/n・mH2O]x−
(式中、M2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+などの2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+などの3価金属イオンを示す。An−はCO3 2−、OH−、HPO4 2−、SO4 2−などのn価(特に1価又は2価)のアニオンを示す。xは、0<x<0.5であり、mは、0≦m<1である。)
これらのハイドロタルサイトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、ハイドロタルサイトは、「DHT−4A」、「DHT−4A−2」、「アルカマイザー」などとして協和化学工業(株)から入手可能である。
(f)ゼオライト
ゼオライトとしては、特に制限されないが、H型以外のゼオライト、例えば、特開平7−62142号公報に記載されているゼオライト[最小単位セルがアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライト(A型、X型、Y型、L型及びZSM型ゼオライト、モルデン沸石型ゼオライト;チャバザイト、モルデン沸石、ホージャサイトなどの天然ゼオライトなど)など]などが使用できる。
これらのゼオライトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、A型ゼオライトは、「ゼオラムA−3」、「ゼオラムA−4」「ゼオラムA−5」などとして、また、X型ゼオライトは、「ゼオラムF−9」、Y型ゼオライトは、「HSZ−320NAA」などとして東ソー(株)から入手可能である。
前記耐熱安定剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
塩基性窒素含有化合物と、ホスフィン化合物、有機カルボン酸金属塩、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、ハイドロタルサイト、及びゼオライトから選択された少なくとも一種とを組み合わせて用いると、少量で耐熱安定性を付与することもできる。
前記耐熱安定剤の割合は、例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部(特に0.01〜2重量部)程度の範囲から選択できる。
前記加工安定剤及び耐熱安定剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤(アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤など)、離型剤、核剤、帯電防止剤、摺動性改良剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤、界面活性剤、抗菌剤、抗カビ剤、芳香剤、香料、各種ポリマー(例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等)、充填剤(例えば、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状充填剤、ガラスビーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、ガラスフレーク等の粉粒状又は板状充填剤等)などを1種で又は2種以上組み合わせて添加してもよい。また、必要に応じて、耐候(光)性に優れた樹脂、例えば、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体)、アクリル系コアシェルポリマー、ポリカーボネート樹脂などを添加してもよい。
(ポリアセタール樹脂組成物の製造方法)
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、粉粒状混合物や溶融混合物であってもよく、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤、及び前記スピロ化合物と、必要により他の添加剤とを慣用の方法で混合することにより調製できる。例えば、(1)各成分を主フィーダーからフィードして、一軸又は二軸の押出機により混練して押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)スピロ化合物を除く成分を主フィーダーから、そしてスピロ化合物又はスピロ化合物とポリアセタール樹脂とをサイドフィーダーからフィードして、一軸又は二軸の押出機により混練して押出してペレットを調整した後、成形する方法、(3)一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、(4)ポリアセタール樹脂のペレットに抑制剤を散布などにより付着させた後、成形し、所定の組成の成形品を得る方法などが採用できる。また、成形品に用いられる組成物の調製において、基体であるポリアセタール樹脂の粉粒体(例えば、ポリアセタール樹脂の一部又は全部を粉砕した粉粒体)と他の成分(ヒンダードフェノール化合物、耐候(光)安定剤、スピロ化合物など)を混合して溶融混練すると、添加物の分散を向上させるのに有利である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、特に成形後に使用又は保管される環境において必要とされる優れた耐候(光)安定性を有し、製品寿命を長くできることに加えて、さらに、その成形加工(特に溶融成形加工)工程において、ポリアセタール樹脂の酸化又は熱分解などによるホルムアルデヒドの生成を顕著に抑制でき、作業環境を改善できる。また、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形品からの分解物や添加物の浸出を顕著に抑制でき、成形加工時の諸問題を改善できる。そのため、本発明の樹脂組成物は、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクションモールディングなどの方法で、種々の成形品を成形するのに有用である。
(成形品)
前記ポリアセタール樹脂組成物で構成された本発明のポリアセタール樹脂成形品は、ヒンダードフェノール化合物と、耐候(光)安定剤と、特定のスピロ化合物とを組み合わせて含んでおり、耐候(光)安定性に優れるとともに、ホルムアルデヒド発生量が極めて少ない。すなわち、酸化防止剤などの安定剤を含む従来のポリアセタール樹脂で構成された成形品は、比較的多量のホルムアルデヒドを生成し、腐食や変色などの他、生活環境や作業環境を汚染する。例えば、一般に市販されているポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド発生量は、乾式(恒温乾燥雰囲気下)において、表面積1cm2当たり2〜5μg程度であり、湿式(恒温湿潤雰囲気下)において、表面積1cm2当たり3〜6μg程度である。
これに対して、本発明のポリアセタール樹脂成形品は、乾式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり1.5μg以下(0〜1μg程度)、好ましくは0〜0.8μg、さらに好ましくは0〜0.7μg程度であり、通常、0.01〜0.7μg程度である。また、湿式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり2.5μg以下(0〜2μg程度)、好ましくは0〜1.7μg、さらに好ましくは0〜1.5μg程度であり、通常、0.01〜1.5μg程度である。
本発明のポリアセタール樹脂成形品は、乾式及び湿式のいずれか一方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有していればよく、通常、乾式及び湿式の双方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有している。
なお、乾式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜50cm2となる程度)を密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間放置する。その後、この密閉容器中に水を5ml注入し、この水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
また、湿式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜100cm2となる程度)を、蒸留水50mlを含む密閉容器(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置する。その後、室温で1時間放置し、密閉容器中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
本発明における前記ホルムアルデヒド発生量の数値規定は、ポリアセタール樹脂、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤及びスピロ化合物を含む限り、慣用の添加剤(通常の安定剤、離型剤など)を含有するポリアセタール樹脂組成物の成形品についてだけでなく、無機充填剤、他のポリマーなどを含有する組成物の成形品においても、その成形品の表面の大部分(例えば、50〜100%)がポリアセタール樹脂で構成された成形品(例えば、多色成形品や被覆成形品など)についても適用可能である。
本発明の成形品は、ホルムアルデヒドが弊害となるいずれの用途(例えば、自転車部品としてのノブ、レバーなど)にも使用可能であるが、自動車部品や電気・電子部品(能動部品や受動部品など)、建材・配管部品、日用品(生活)・化粧品用部品、及び医用(医療・治療)部品として好適に使用される。
より具体的には、自動車部品としては、インナーハンドル、フェーエルトランクオープナー、シートベルトバックル、アシストラップ、各種スイッチ、ノブ、レバー、クリップなどの内装部品、メーターやコネクターなどの電気系統部品、オーディオ機器やカーナビゲーション機器などの車載電気・電子部品、ウインドウレギュレーターのキャリアープレートに代表される金属と接触する部品、ドアロックアクチェーター部品、ミラー部品、ワイパーモーターシステム部品、燃料系統の部品などの機構部品が例示できる。
電気・電子部品(機構部品)としては、ポリアセタール樹脂成形品で構成され、かつ金属接点が多数存在する機器の部品又は部材[例えば、カセットテープレコーダなどのオーディオ機器、VTR(ビデオテープレコーダー)、8mmビデオ、ビデオカメラなどのビデオ機器、又はコピー機、ファクシミリ、ワードプロセサー、コンピューターなどのOA(オフィスオートメーション)機器、更にはモーター、発条などの駆動力で作動する玩具、電話機、コンピュータなどに付属するキーボードなど]などが例示できる。具体的には、シャーシ(基盤)、ギヤー、レバー、カム、プーリー、軸受けなどが挙げられる。さらに、少なくとも一部がポリアセタール樹脂成形品で構成された光及び磁気メディア部品(例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディスクカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジなど)、更に詳しくは、音楽用メタルテープカセット、デジタルオーディオテープカセット、8mmビデオテープカセット、フロッピーディスクカートリッジ、ミニディスクカートリッジなどにも適用可能である。光及び磁気メディア部品の具体例としては、テープカセット部品(テープカセットの本体、リール、ハブ、ガイド、ローラー、ストッパー、リッドなど)、ディスクカートリッジ部品(ディスクカートリッジの本体(ケース)、シャッター、クランピングプレートなど)などが挙げられる。
さらに、本発明のポリアセタール樹脂成形品は、照明器具、建具、配管、コック、蛇口、トイレ周辺機器部品などの建材・配管部品、ファスナー類(スライドファスナー、スナップファスナー、面ファスナー、レールファスナーなど)、文具、リップクリーム・口紅容器、洗浄器、浄水器、スプレーノズル、スプレー容器、エアゾール容器、一般的な容器、注射針のホルダーなどの広範な生活関係部品・化粧関係部品・医用関係部品に好適に使用される。
産業上の利用可能性
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤及び特定のスピロ化合物を含んでいるので、ポリアセタール樹脂の耐候(光)安定性、特に成形後の光による劣化を大幅に改善できる。また、前記成分を少量添加するだけで、ポリアセタール樹脂及び成形品からのホルムアルデヒドの発生量を極めて低レベルに抑制でき、周辺環境(作業環境、使用環境など)を大きく改善できる。さらには、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制でき、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形品からの樹脂分解物や添加物の浸出や成形品の熱劣化を抑制でき、成形品の品質や成形性を向上できる。
実施例
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、成形性(金型付着物の量)、乾式及び湿式での成形品からのホルムアルデヒドの発生量、並びに成形品の耐候(光)性について、以下のようにして評価した。
[成形性(金型付着物の量)]
ポリアセタール樹脂組成物で形成されたペレットから特定形状の成形品(径20mm×1mm)を、射出成形機を用いて連続成形(7500ショット)し、金型付着物の程度を5段階に評価した。なお、数字が小さい程、金型付着物が少ない、すなわち、モールドデポジットが少ないことを意味する。
[乾式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]
試験片(2mm×2mm×50mm)10個(総表面積約40cm2)の樹脂サンプルを密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間、恒温槽内で加熱した後、室温に空冷し、蒸留水5mlをシリンジにて注入した。この水溶液のホルムアルデヒド量を、JIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒドガス発生量(μg/cm2)を算出した。
[湿式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]
平板状試験片(100mm×40mm×2mm;総表面積85.6cm2)を蒸留水50mlを含むポリエチレン製瓶(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置した後、室温で1時間静置した。ポリエチレン製瓶中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を算出した。
[耐候(光)性試験]
平板状成形品(70mm×40mm×3mm)を、ウェザーメーター[スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HCH型]を用いて、83℃のフェード条件で600時間照射し、照射前後における色相の変化および光沢の変化を観察し、それぞれについてその変化の程度を5段階で評価した。数字が小さい程、変化が少ない、即ち、光沢の低下及び変色が少ないことを意味する。
実施例1〜40及び比較例1〜5
ポリアセタール樹脂100重量部に、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤、スピロ化合物、着色剤、加工安定剤、耐熱安定剤を表1〜表3に示す割合で混合した後、2軸押出機により溶融混合し、ペレット状の組成物を調製した。このペレットを用いて、射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形時のモールドデポジットを評価した。また、所定の試験片からのホルムアルデヒド発生量を測定した。さらに、所定の試験片を用いて耐候(光)安定性の評価を行った。結果を表1〜表3に示す。
なお、比較のため、スピロ化合物を添加しない例および耐候(光)安定剤を添加しない例、メラミンを多量添加した例について、上記と同様にして評価した。結果を表4に示す。
実施例および比較例で使用したポリアセタール樹脂、ヒンダードフェノール系化合物、スピロ化合物、耐候(光)安定剤、着色剤、加工安定剤および耐熱安定剤は以下の通りである。
1.ポリアセタール樹脂 a
(a−1):ポリアセタール樹脂コポリマー(溶融加水分解法安定化樹脂、メルトインデックス=9g/10分)
(a−2):ポリアセタール樹脂コポリマー(溶液加水分解法安定化樹脂、メルトインデックス=9g/10分)
なお、上記メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じ、190℃、2169gの条件下で求めた値(g/10分)である。
2.ヒンダードフェノール系化合物 b
(b−1):トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(b−2):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
3.スピロ化合物 c
(c−1):結晶水含有CTUグアナミン [味の素ファインテクノ(株)製]
(c−2):無水CTUグアナミン [(c−1)を200℃で1時間窒素雰囲気下で加熱熱処理したもの]
(c−3):結晶水含有CTUグアナミン/CTUモノグアナミン混合物[5重量%の結晶水と3重量%のCTUモノグアナミンとを含有する混合物]
(c−4):CMTUグアナミン
(c−5):3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
4.耐候(光)安定剤 d
(d−1):2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール
(d−2):2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン
(d−3):2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール
5.耐候(光)安定剤 e
(e−1):ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
6.着色剤 f
(f−1):カーボンブラック(アセチレンブラック)
(f−2):フタロシアニン系青色顔料
(f−3):酸化チタン
(f−4):ウルトラマリンブルー
7.加工安定剤 g
(g−1):エチレンビスステアリルアミド
(g−3):12−ヒドロキシステアリン酸
(g−4):グリセリンモノステアレート
(g−5):エチレングリコールジステアレート
(g−6):ポリエチレングリコール(分子量35000)
8.耐熱安定剤(有機カルボン酸金属塩、アルカリ土類金属塩) h
(h−1):12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
(h−2):アイオノマー[三井・デュポンポリケミカル(株)製、ハイミラン1702]
(h−3):酸化マグネシウム
(h−4):クエン酸カルシウム
(h−5):酢酸カルシウム
(h−6):ハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、DHT−4A]
(h−7):ゼオライトA−4[東ソー(株)製、ゼオラムA−4]
(h−8):ステアリン酸マグネシウム
9.耐熱安定剤(塩基性窒素化合物、ホスフィン化合物) i
(i−1):メラミン
(i−2):メラミンホルムアルデヒド樹脂
メラミン1モルに対してホルムアルデヒド1.2モルを用い、水溶液中、pH8、温度70℃で反応させ、反応系を白濁させることなく水溶性初期縮合体のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を生成させた。次いで、攪拌しながら反応系をpH6.5に調整して、攪拌を継続し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を析出させ、乾燥により粗製メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の粉粒体を得た。この粉粒体を60℃の温水で30分間洗浄し、濾過した後、残渣をアセトンで洗浄し、これを乾燥することにより白色粉末の精製メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を得た。
(i−3):メレム[日産化学工業(株)製]
(i−4):ナイロン6−66−610
(i−5):アラントイン[川研ファインケミカル(株)製]
(i−6):アラントインジヒドロキシアルミニウム[川研ファインケミカル(株)製、「ALDA」]
(i−7):ビウレア
(i−8):トリフェニルホスフィン
表より明らかなように、比較例に比べて、実施例の樹脂組成物は、成形時のモールドデポジットが少なく、成形性が改善されている。また、ホルムアルデヒドの発生量も大幅に低減され、成形品の耐候(光)安定性の改善効果が大きかった。
本発明は、優れた耐候(光)性を有し、且つホルムアルデヒド発生量が著しく抑制されたポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに前記樹脂組成物で形成されたポリアセタール樹脂成形品に関する。
背景技術
ポリアセタール樹脂は、その化学構造から本質的に、加熱酸化雰囲気下、酸性やアルカリ性条件下では容易に分解されやすい。そのため、ポリアセタール樹脂の本質的な課題として、熱安定性が高く、成形加工過程又は成形品からのホルムアルデヒドの発生を抑制することが挙げられる。熱安定性が低いと、押出又は成形工程などの加工工程において加熱されてポリマーが分解し、金型への付着物(モールドデポジット)が発生したり、成形性や機械的物性などが低下する。分解により発生したホルムアルデヒドは化学的に活性であり、酸化によりギ酸となり耐熱性に悪影響を及ぼしたり、電気・電子機器の部品などに用いると、金属製接点部品が腐蝕したり有機化合物の付着により変色し、接点不良を生じる。さらにホルムアルデヒド自体が、部品組立工程での作業環境や最終製品の使用環境を汚染する。
そこで、ポリアセタール樹脂を安定化させるため、酸化防止剤やその他の安定剤が使用されている。ポリアセタール樹脂に添加される酸化防止剤としては、立体障害を有するフェノール化合物(ヒンダードフェノール)、立体障害を有するアミン化合物(ヒンダードアミン)などが知られており、その他の安定剤として、メラミン、ポリアミド、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物などが使用されている。また、通常、酸化防止剤は他の安定化剤と組み合わせて用いられる。しかし、このような添加剤を用いても、ポリアセタール樹脂に対して高い安定性を付与することは困難である。
また、ポリアセタール樹脂の用途の拡大、多様化に伴い、その品質に対する要求はより高度化する傾向を示している。また、その用途によっては、紫外線、風雨、温度、大気中の酸素、オゾン、人工的な光、使用時の荷重などの周辺環境の影響を受け、変色、変質、劣化などの問題を生じる。
特公平4−14709号公報には、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系酸化防止剤、帯電防止剤、及びグアナミン誘導体である3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUグアナミン)を配合し、熱安定性を向上させるとともに磁気テープによる変色傾向が改善されたポリアセタール樹脂組成物が開示されている。この文献では、ポリアセタール樹脂の変色を低減させるため、従来用いられていたヒンダードフェノール系酸化防止剤に代えてヒンダードアミン系酸化防止剤を用いている。また、特開昭62−190248号公報には、ポリアセタール樹脂に、安定剤として、ベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体を配合することにより、ホルムアルデヒド臭気が少なく成形性が向上した安定化ポリアセタール樹脂組成物が開示されている。しかし、これらの樹脂組成物では、実用上十分な耐候(光)安定性が得られず、耐候(光)安定性が要求される用途への適用が困難である。
従って、本発明の目的は、ポリアセタール樹脂に優れた耐候(光)性を付与し、特に成形後の光による劣化を改善できるポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
本発明の他の目的は、少量の添加でホルムアルデヒドの生成を著しく抑制でき、周辺環境を改善できるポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制して、金型への分解物や添加物などの付着、成形品からの樹脂分解物や添加物の浸出や成形品の熱劣化を抑制できるとともに成形品の品質を向上し、成形性を改善できるポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法、並びに成形品を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、上記の目的を達成するため、ポリアセタール樹脂の安定剤に関して一連の窒素含有化合物の探索検討を行なった結果、ヒンダードフェノール系化合物及び耐候(光)安定剤を組み合わせて用いた場合に、特定のスピロ化合物がポリアセタール樹脂の安定剤として顕著な効果を有し、かつポリアセタール樹脂の耐候(光)性を大幅に改善することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とで構成されている。前記耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物及びヒンダードアミン系化合物から成る群より選択された少なくとも1種の化合物であってもよく、少なくともベンゾトリアゾール化合物、特にベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とで構成されていてもよい。前記スピロ化合物は、両末端にグアナミン環を有してもよく、例えば、下記式(1)で表わされる化合物などであってもよい。
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を示す)
前記ポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物0.001〜5重量部程度、耐候(光)安定剤0.01〜5重量部程度及びスピロ化合物0.001〜10重量部程度を含んでいてもよい。前記ポリアセタール樹脂組成物は、さらに、着色剤、加工安定剤、耐熱安定剤などを含んでもよい。
本発明の方法では、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とを混合することによりポリアセタール樹脂組成物を製造する。さらに、本発明には、前記ポリアセタール樹脂組成物で構成された成形品も含まれる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とで構成されている。
(ポリアセタール樹脂)
ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ポリアセタールホモポリマー(例えば、米国デュポン社製、商品名「デルリン」;旭化成(株)製、商品名「テナック4010」など)、オキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジュラコン」など)が含まれる。コポリマーにおいて、コモノマー単位には、炭素数2〜6程度(好ましくは炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基など)が含まれる。コモノマー単位の含有量は、少量、例えば、ポリアセタール樹脂全体に対して、0.01〜20モル%、好ましくは0.03〜10モル%(例えば、0.05〜9モル%)、さらに好ましくは0.1〜8モル%程度の範囲から選択できる。
ポリアセタールコポリマーは、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマーなどであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー(例えば、特公平2−24307号公報、旭化成工業(株)製、商品名「テナックLA」「テナックLM」など)、グラフトコポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸又はそれらの無水物とのエステル化などにより安定化してもよい。ポリアセタールの重合度、分岐度や架橋度も特に制限はなく、溶融成形可能であればよい。ポリアセタール系樹脂の分子量は特に制限されず、例えば、重量平均分子量5,000〜500,000、好ましくは10,000〜400,000程度である。
前記ポリアセタール樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールなどの環状エーテルや環状ホルマールを重合することにより製造できる。さらには、共重合成分として、アルキル又はアリールグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテルなど)、アルキレン又はポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなど)、アルキル又はアリールグリシジルアルコール、環状エステル(例えば、β−プロピオラクトンなど)及びビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルエーテルなど)を使用することもできる。
(ヒンダードフェノール系化合物)
ヒンダードフェノール系化合物には、慣用のフェノール系酸化防止剤、例えば、単環式ヒンダードフェノール化合物(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)、炭化水素基又はイオウ原子を含む基で連結された多環式ヒンダードフェノール化合物[2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどのC1−10アルキレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのC2−10アルケニレン又はジエニレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのC6−20アリーレン又はアラルキレンビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのイオウ原子を有する基で連結されたビス(t−ブチルフェノール)類など]、エステル基又はアミド基を有するヒンダードフェノール化合物[n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−2−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートなどのC2−10アルキレンカルボニルオキシ基を有するt−ブチルフェノール;1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などの脂肪酸のポリオールエステルで連結されたビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのヘテロ環基とC2−10アルキレンカルボニルオキシ基とを有するビス乃至テトラキス(t−ブチルフェノール)類;2−t−ブチル−6−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどのC3−10アルケニルカルボニルオキシ基を有するt−アルキルフェノール(例えば、t−ブチルフェノール、t−ペンチルフェノールなど);ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートなどのホスホン酸エステル基を有するヒンダードフェノール化合物;N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ジヒドロシンナムアミド)などのアミド基を有するヒンダードフェノール化合物など]などが含まれる。中でも、t−ブチル(特に複数のt−ブチル)基を有するフェノール化合物(特に複数のt−ブチルフェノール部位を有する化合物)が好ましい。特に、前記脂肪酸のポリオールエステルで連結されたビス乃至テトラキス(モノ乃至テトラt−ブチルフェノール)類、特に、C2−10脂肪酸(特にC2−6脂肪酸)のジ乃至テトラオールエステル基で連結されたビス乃至テトラキス(モノ又はジt−ブチルフェノール)類が好ましい。
前記ヒンダードフェノール系化合物は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(耐候(光)安定剤)
耐候(光)安定剤としては、(a)ベンゾトリアゾール系化合物、(b)ベンゾフェノン系化合物、(c)芳香族ベンゾエート系化合物、(d)シアノアクリレート系化合物、(e)シュウ酸アニリド系化合物及び(f)ヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
前記(a)ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−イソアミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルキル(C1−6アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアラルキル(又はアリール)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類;2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルコキシ(C1−12アルコキシ)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類などが挙げられる。好ましいベンゾトリアゾール系化合物は、ヒドロキシル基及びC3−6アルキル基置換C6−10アリール(特にフェニル)基を有するベンゾトリアゾール類、並びにヒドロキシル基及びC6−10アリール−C1−6アルキル(特にフェニル−C1−4アルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類などである。
前記(b)ベンゾフェノン系化合物としては、複数のヒドロキシル基を有するベンゾフェノン類(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジ乃至テトラヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノンなどのヒドロキシル基及びヒドロキシル置換アリール又はアラルキル基を有するベンゾフェノン類など);ヒドロキシル基及びアルコキシ(C1−16アルコキシ)基を有するベンゾフェノン類(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなど)などが挙げられる。好ましいベンゾフェノン系化合物は、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換C6−10アリール(又はC6−10アリール−C1−4アルキル)基を有するベンゾフェノン類、特に、ヒドロキシル基と共にヒドロキシル基置換フェニル−C1−2アルキル基を有するベンゾフェノン類などである。
前記(c)芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのアルキルフェニルサリシレート類が挙げられる。
前記(d)シアノアクリレート系化合物としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノ基含有ジフェニルアクリレート類などが挙げられる。
前記(e)シュウ酸アニリド系化合物としては、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミドなどの窒素原子上に置換されていてもよいフェニル基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
前記(f)ヒンダードアミン系化合物としては、立体障害性基を有するピペリジン誘導体、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体[4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの脂肪族アシルオキシピペリジン(C2−20脂肪族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの芳香族アシルオキシピペリジン(C7−11芳香族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどの脂肪族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステル(C2−20脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステルなど);ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレートなどの芳香族ジ乃至テトラカルボン酸−ビス乃至テトラキスピペリジルエステル(芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルなど)など]、エーテル基含有ピペリジン誘導体[4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC1−10アルコキシピペリジン(C1−6アルコキシ−テトラメチルピペリジンなど);4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC5−8シクロアルキルオキシ−ピペリジン;4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアリールオキシピペリジン;4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ−ピペリジンなど;1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタンなどのアルキレンジオキシビスピペリジン(C1−10アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど)など]、アミド基含有ピペリジン誘導体[4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのカルバモイルオキシピペリジン;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメートなどのカルバモイルオキシ置換アルキレンジオキシ−ビスピペリジンなど]などが挙げられる。また、高分子量のピペリジン誘導体重縮合物(コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物など)なども含まれる。
好ましいヒンダードアミン系化合物は、エステル基含有ピペリジン誘導体、特に、脂肪族カルボン酸ピペリジルエステル(好ましくはC2−16脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステル、さらに好ましくはC6−14脂肪族ジカルボン酸−ビステトラメチルピペリジルエステルなど)、芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルなどである。
前記耐候(光)安定剤は、単独で用いてもよく、同種又は異種の化合物を、2種以上組み合わせて使用してもよい。ヒンダードアミン系化合物(f)と、他の耐候(光)安定剤から選択された少なくとも一種とを併用するのが好ましく、特に、ベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とを併用するのが好ましい。この場合、ヒンダードアミン系化合物とベンゾトリアゾール系化合物との割合は、前者/後者(重量比)=0/100〜80/20、好ましくは10/90〜70/30、さらに好ましくは20/80〜60/40程度である。
(トリアジン環を有するスピロ化合物)
トリアジン環を有するスピロ化合物としては、スピロ化合物の側鎖にトリアジン環を有する化合物であればよく、トリアジン環の個数は、特に制限されず、1〜4個、好ましくは1〜2個(特に2個)程度である。特に、2個のトリアジン環をスピロ化合物で連結させた構造を有する化合物(すなわち、スピロ化合物の両末端にトリアジン環を有する化合物)が好ましい。
前記トリアジン環には、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン及び1,3,5−トリアジンが含まれる。中でも、1,3,5−トリアジンが好ましい。また、トリアジン環は、アルキル基(C1−4アルキル基など)、アリール基、アミノ基又は置換アミノ基などの置換基を有していてもよい。トリアジン環としては、アミノ基又は置換アミノ基を置換基として有する1,3,5−トリアジン、特にグアナミン環が好ましい。
スピロ環部は、炭素のみで構成されたスピロ環であってもよいが、ヘテロ原子(特に酸素原子)を環の構成原子として有するスピロ環であるのが好ましい。このようなスピロ化合物としては、例えば、下記式(1)で表わされる両末端にグアナミン環を有するスピロ化合物などが挙げられる。
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を示す)
前記式(1)において、R1及びR2で表されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン基などの直鎖又は分岐鎖状のC1−10アルキレン基などが挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン基などのC6−10アリーレン基が挙げられる。アラルキレン基としては、前記アルキレン基とアリーレン基とが連結した基などが挙げられる。好ましいR1及びR2は、アルキレン基(C1−6アルキレン基など)、特にC1−3アルキレン基(エチレン基など)などである。また、前記R1及びR2は、さらにメチル基などのC1−4アルキル基、フェニル基、アミノ基、N−置換アミノ基などの置換基を有していてもよい。
このようなスピロ化合物としては、例えば、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUグアナミン)、3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CMTUグアナミン)、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2−メチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルメチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。これらのスピロ化合物のうち、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)直鎖又は分岐C1−5アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、例えば、CTUグアナミン、CMTUグアナミン、3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が好ましく、特にCTUグアナミンが好ましい。
これらのスピロ化合物は、含結晶水化合物又は水和化合物であってもよく、無水化合物であってもよいが、ポリアセタール樹脂中でのスピロ化合物の分散性の点から、特に結晶水を含有したスピロ化合物が好ましく用いられる。通常、スピロ化合物1分子中に0.1〜3分子の結晶水を含有している。
このようなスピロ化合物は、例えば、テトラオキソスピロ環を有するジニトリルとジシアンジアミドとを、アルコール系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下、高圧で反応させる方法(特開平5−32664号公報)、エーテル系有機溶媒中、塩基性触媒の存在下で反応させる方法(特公昭44−8676号公報)などにより製造できる。
このようなテトラオキソスピロ環を有するジニトリルとジシアンジアミドとの反応では、一方の末端にニトリル基と他方の末端にグアナミン環を有するスピロ化合物も製造できる。一方の末端にニトリル基と他方の末端にグアナミン環を有するスピロ化合物としては、3−(シアノアルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン[例えば、3−(2−シアノエチル)−9−[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CTUモノグアナミン)、3−(1−シアノメチル)−9−[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(CMTUモノグアナミン)、3−(2−シアノ−2−メチルエチル)−9−[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2−メチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3−(1−シアノ−1,1−ジメチルメチル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルメチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3−(3−シアノ−2,2−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、及び3−(3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの3−(シアノC1−6アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン]などが例示できる。これらのスピロ化合物のうち、3−(シアノC1−5直鎖又は分岐アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)直鎖又は分岐C1−5アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、例えば、CTUモノグアナミン、CMTUモノグアナミン、3−(3−シアノ−1,1−ジメチルプロピル)−9−[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が好ましく、特にCTUモノグアナミンが好ましい。
このような片末端にトリアジン環(グアナミン環など)を有するスピロ化合物、及びこの片末端にトリアジン環を有するスピロ化合物と両末端にトリアジン環(グアナミン環など)を有するスピロ化合物との混合物も本発明のスピロ化合物に含まれる。
これらのうち、少なくとも両末端にトリアジン環を有するスピロ化合物を含むのが好ましく、例えば、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノアルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されたスピロ化合物、特に3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノC1−6アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されたスピロ化合物などであってもよい。
(各成分の割合)
本発明の樹脂組成物において、ヒンダードフェノール系化合物の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜3重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部程度である。
耐候(光)安定剤の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、(例えば、0.01〜3重量部)、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部(例えば、0.1〜1.5重量部)程度である。
スピロ化合物の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.03〜1重量部程度である。
また、本発明の樹脂組成物において、耐候(光)安定剤とスピロ化合物との割合は、前者/後者(重量比)=0.01/1〜30/1、好ましくは0.1/1〜10/1、さらに好ましくは0.3/1〜3/1程度である。
(着色剤)
また、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、さらに着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、各種染料または顔料が使用できる。染料はソルベント染料が好ましく、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、又はナフトキノン系染料などが挙げられる。顔料については、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できる。
無機顔料としては、チタン系顔料、亜鉛系顔料、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど)、鉄系顔料、モリブデン系顔料、カドミウム系顔料、鉛系顔料、コバルト系顔料、及びアルミニウム系顔料などが例示できる。
有機顔料としては、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、又はスレン系顔料などが例示できる。
上記のような着色剤は、単独で用いてもよく、また複数の着色剤を組み合わせて用いてもよい。光遮蔽効果の高い着色剤(カーボンブラック、チタン白(酸化チタン)、フタロシアニン系顔料など、特にカーボンブラック)を用いると、耐候(光)性を向上できる。
着色剤の含有量は、例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0〜5重量部(例えば、0.01〜5重量部)、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部程度である。
また、本発明の樹脂組成物には、さらに、加工安定剤や耐熱安定剤などを添加して成形性や耐熱性を向上させてもよい。
(加工安定剤)
加工安定剤としては、(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体、(b)ポリオキシアルキレングリコール、(c)シリコーン化合物などから選択された少なくとも一種が挙げられる。
(a)長鎖脂肪酸又はその誘導体
前記長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。このような長鎖脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、炭素数10以上の1価の飽和脂肪酸[カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸などのC10−34飽和脂肪酸(好ましくはC10−26飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の1価の不飽和脂肪酸[オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸などのC10−34不飽和脂肪酸(好ましくはC10−26不飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の2価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)[セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸などの2価のC10−30飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20飽和脂肪酸)、デセン二酸、ドデセン二酸などの2価のC10−30不飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10−20不飽和脂肪酸)など]が例示できる。これらの脂肪酸は一種で又は二種以上組合せて使用できる。前記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ飽和C10−26脂肪酸など)も含まれる。
前記長鎖脂肪酸の誘導体には、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドなどが含まれる。前記長鎖脂肪酸エステルとしては、その構造は特に制限されず、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用でき、前記長鎖脂肪酸とアルコールとのエステル(モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルなどの1つ又は複数のエステル結合を有するエステルなど)が挙げられる。長鎖脂肪酸エステルを構成するアルコールは、その種類は特に制限されないが、多価アルコールが好ましい。前記多価アルコールとしては、炭素数が2〜8程度、好ましくは2〜6程度の多価アルコール又はその重合体、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2−8アルキレングリコール(好ましくはC2−6アルキレングリコール)など)などのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン又はこれらの誘導体などのトリオール類、ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体などのテトラオール類、及びこれらの多価アルコール類の単独又は共重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールの単独又は共重合体、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトールなど)などが例示できる。前記ポリアルキレングリコールの平均重合度は2以上(例えば、2〜500)、好ましくは2〜400(例えば、2〜300)程度であり、平均重合度16以上(例えば、20〜200程度)が好ましく、このようなポリアルキレングリコールは、炭素数12以上の脂肪酸とのエステルとして好適に使用される。好ましい多価アルコールは、平均重合度が2以上のポリアルキレングリコールである。これらの多価アルコールは一種で又は二種以上組合せて使用できる。
このような長鎖脂肪酸エステルの例としては、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリントリパルミチン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のモノラウレート、モノパルミテート、モノステアレート、モノベヘネート、モノモンタネート、ジラウレート、ジパルミテート、ジステアレート、ジベヘネート、ジモンタネート、ジオレート、ジリノレートなどが挙げられる。
前記脂肪酸アミドとしては、前記長鎖脂肪酸(1価又は2価の長鎖脂肪酸)とアミン類(モノアミン、ジアミン、ポリアミン類など)との酸アミド(モノアミド、ビスアミドなど)が使用できる。モノアミドとしては、例えば、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミドなどの飽和脂肪酸の第1級酸アミド、オレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸の第1級酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミドなどの飽和及び/又は不飽和脂肪酸とモノアミンとの第2級酸アミドなどが例示できる。好ましい脂肪酸アミドはビスアミドである。前記ビスアミドには、C1−6アルキレンジアミン(特に、C1−2アルキレンジアミン)と前記脂肪酸とのビスアミドなどが含まれ、その具体例としては、エチレンジアミン−ジステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、エチレンジアミン−ジベヘン酸アミド、エチレンジアミン−ジモンタン酸アミド、ヘキサメチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミドなどが挙げられ、さらにエチレンジアミン−(ステアリン酸アミド)オレイン酸アミドなどのアルキレンジアミンのアミン部位に異なるアシル基が結合した構造を有するビスアミドなども使用できる。前記酸アミドにおいて、酸アミドを構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であるのが好ましい。
これらの長鎖脂肪酸又はその誘導体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(b)ポリオキシアルキレングリコール
前記ポリオキシアルキレングリコールには、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのC2−6アルキレングリコール(好ましくはC2−4アルキレングリコール)など)の単独重合体、共重合体、及びそれらの誘導体などが含まれる。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリC2−6オキシアルキレングリコール(好ましくはポリC2−4オキシアルキレングリコール)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(ランダム又はブロック共重合体など)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテルなどの共重合体類が挙げられる。好ましいポリオキシアルキレングリコールは、オキシエチレン単位を有する重合体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体及びそれらの誘導体などである。また、前記ポリオキシアルキレングリコールの数平均分子量は、1×103〜1×106(例えば、1×103〜5×105)、好ましくは2×103〜1×105(例えば、2×103〜5×104)程度である。
ポリオキシアルキレングリコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(c)シリコーン化合物
シリコーン系化合物には、ポリオルガノシロキサンなどが含まれる。ポリオルガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(例えば、ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(例えば、メチルフェニルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン(例えば、ジフェニルシロキサンなど)等の単独重合体(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等)又は共重合体等が例示できる。ポリオルガノシロキサンは、オリゴマーであってもよい。また、ポリオルガノシロキサンには、分子末端や主鎖に、エポキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基又は置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、エーテル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の置換基を有する変性ポリオルガノシロキサン(例えば、変性シリコーン)なども含まれる。これらのシリコーン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記加工安定剤の割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部(例えば、0.05〜3重量部)程度、特に0.05〜2重量部程度である。
(耐熱安定剤)
前記耐熱安定剤には、(a)塩基性窒素化合物、(b)ホスフィン化合物、(c)有機カルボン酸金属塩、(d)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、(e)ハイドロタルサイト及び(f)ゼオライトなどが含まれる。
(a)塩基性窒素化合物
塩基性窒素含有化合物には、低分子化合物や高分子化合物(窒素含有樹脂)が含まれる。
窒素含有低分子化合物としては、例えば、脂肪族アミン類(モノエタノールアミンやジエタノールアミンなど)、芳香族アミン類(o−トルイジン、p−トルイジン、p−フェニレンジアミンなどの芳香族第2級アミン又は第3級アミン)、アミド化合物(マロンアミド、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、p−アミノベンズアミドなど)、ヒドラジン又はその誘導体(ヒドラジン、ヒドラゾン、多価カルボン酸ヒドラジドなどのヒドラジドなど)、ポリアミノトリアジン類[グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、1,3,6−トリス(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアジニル)ヘキサン、フタログアナミンなどのグアナミン類又はそれらの誘導体、メラミン又はその誘導体(メラミン;メラム、メレム、メロンなどのメラミン縮合物など)]、ウラシル又はその誘導体(ウラシル、ウリジンなど)、シトシン又はその誘導体(シトシン、シチジンなど)、グアニジン又はその誘導体(グアニジン、シアノグアニジンなどの非環状グアニジン;クレアチニンなどの環状グアニジンなど)、尿素又はその誘導体[ビウレット、ビウレア、エチレン尿素、アセチレン尿素、イソブチリデンジウレア、クロチリデンジウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、ヒダントイン、置換ヒダントイン誘導体(1−メチルヒダントイン、5−プロピルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントインなどのモノ又はジC1−4アルキル置換体;5−フェニルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントインなどのアリール置換体;5−メチル−5−フェニルヒダントインなどのアルキルアリール置換体など)、アラントイン、置換アラントイン誘導体(例えば、モノ,ジまたはトリC1−4アルキル置換体、アリール置換体など)、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウム、アラントインモノヒドロキシアルミニウム、アラントインアルミニウムなどの周期表3B属金属との塩など)、アラントインとアルデヒド化合物との反応生成物(アラントインホルムアルデヒド付加体など)、アラントインとイミダゾール化合物との化合物(アラントインソジウム−dlピロリドンカルボキシレートなど)、有機酸塩など]などが例示できる。
窒素含有樹脂としては、例えば、ホルムアルデヒドとの反応により生成するアミノ樹脂(グアナミン樹脂、メラミン樹脂、グアニジン樹脂などの縮合樹脂、フェノール−メラミン樹脂,ベンゾグアナミン−メラミン樹脂,芳香族ポリアミン−メラミン樹脂などの共縮合樹脂など)、芳香族アミン−ホルムアルデヒド樹脂(アニリン樹脂など)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン3(ポリβ−アラニン)、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン6−10、ナイロン6−11、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610などの単独又は共重合ポリアミド、メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換ポリアミドなど)、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−ビニルカルボン酸アミド)、N−ビニルカルボン酸アミドと他のビニルモノマーとの共重合体などが例示できる。
これらの塩基性窒素含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい窒素含有化合物には、グアナミン類(アジポグアナミンなど)、メラミン又はその誘導体[特にメラミン又はメラミン縮合物(メラム、メレムなど)]、グアニジン誘導体(シアノグアニジン、クレアチニンなど)、尿素誘導体[ビウレア、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、アラントイン、アラントインの金属塩(アラントインジヒドロキシアルミニウムなど)]、窒素含有樹脂[アミノ樹脂(メラミン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂;架橋メラミン樹脂などの架橋アミノ樹脂など)、ポリアミド樹脂など]が含まれる。
(b)ホスフィン化合物
ホスフィン化合物としては、アルキルホスフィン(例えば、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリC1−10アルキルホスフィンなど)、シクロアルキルホスフィン(例えば、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリC5−12シクロアルキルホスフィンなど)、アリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン、p−トリルジフェニルホスフィン、ジ−p−トリルフェニルホスフィン、トリ−m−アミノフェニルホスフィン、トリ−2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,6−トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン等のトリC6−12アリールホスフィンなど)、アラルキルホスフィン(例えば、トリ−o−アニシルホスフィン、トリ−p−アニシルホスフィン等のトリC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンなど)、アリールアルケニルホスフィン(例えば、ジフェニルビニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン等のジC6−12アリールC2−10アルケニルホスフィンなど)、アリールアラルキルホスフィン(例えば、p−アニシルジフェニルホスフィンなどのジC6−12アリールC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンや、ジ−p−アニシルフェニルホスフィンなどのC6−12アリールジC6−12アラルキルホスフィン等)、アルキルアリールアラルキルホスフィン(例えば、メチルフェニル−p−アニシルホスフィンなどのC1−10アルキルC6−12アリールC6−12アリールC1−4アルキルホスフィンなど)、ビスホスフィン類[例えば、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどのビス(ジC6−12アリールホスフィノ)C1−10アルカン]などが例示できる。これらのホスフィン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(c)有機カルボン酸金属塩
有機カルボン酸金属塩としては、有機カルボン酸と金属(Na、Kなどのアルカリ金属;Mg、Caなどのアルカリ土類金属;Znなどの遷移金属など)との塩が挙げられる。
前記有機カルボン酸は、低分子又は高分子のいずれであってもよく、前記長鎖脂肪酸の項で例示した長鎖飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸などの他、炭素数10未満の低級の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸の重合体なども使用できる。また、これらの脂肪族カルボン酸はヒドロキシル基を有していてもよい。
前記低級の飽和脂肪族カルボン酸としては、飽和C1−9モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸など)、飽和C2−9ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸など)、及びこれらのオキシ酸(グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、クエン酸など)などが例示できる。
低級の不飽和脂肪族カルボン酸としては、不飽和C3−9モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸など]、不飽和C4−9ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など)、及びこれらのオキシ酸(プロピオール酸など)などが例示できる。
また、不飽和脂肪族カルボン酸の重合体としては、重合性不飽和カルボン酸[α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和モノカルボン酸、重合性不飽和多価カルボン酸(イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など)、前記多価カルボン酸の酸無水物又はモノエステル(マレイン酸モノエチルなどのモノC1−10アルキルエステルなど)など]とオレフィン(エチレン、プロピレンなどのα−C2−10オレフィンなど)との共重合体などが挙げられる。
これらの有機カルボン酸金属塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい有機カルボン酸金属塩は、アルカリ土類金属有機カルボン酸塩(酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなど)、アイオノマー樹脂(前記重合性不飽和多価カルボン酸とオレフィンとの共重合体に含有されるカルボキシル基の少なくとも一部が前記金属のイオンにより中和されている樹脂)などである。前記アイオノマー樹脂は、例えば、ACLYN(アライド・シグナル社製)、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン(デュポン社製)などとして市販されている。
(d)アルカリ又はアルカリ土類金属化合物
アルカリ又はアルカリ土類金属化合物には、CaO、MgOなどの金属酸化物、Ca(OH)2、Mg(OH)2などの金属水酸化物、金属無機酸塩(Na2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3などの金属炭酸塩、ホウ酸塩やリン酸塩などの無機酸塩など)などの無機化合物が含まれ、特に、金属酸化物及び金属水酸化物が好ましい。前記化合物のうち、アルカリ土類金属化合物が好ましい。
これらのアルカリ又はアルカリ土類金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(e)ハイロドロタルサイト
ハイドロタルサイトとしては、特開昭60−1241号公報及び特開平9−59475号公報などに記載されているハイドロタルサイト類、例えば、下記式で表されるハイドロタルサイト化合物などが使用できる。
[M2+ 1−xM3+ x(OH)2]x+[An− x/n・mH2O]x−
(式中、M2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+などの2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+などの3価金属イオンを示す。An−はCO3 2−、OH−、HPO4 2−、SO4 2−などのn価(特に1価又は2価)のアニオンを示す。xは、0<x<0.5であり、mは、0≦m<1である。)
これらのハイドロタルサイトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、ハイドロタルサイトは、「DHT−4A」、「DHT−4A−2」、「アルカマイザー」などとして協和化学工業(株)から入手可能である。
(f)ゼオライト
ゼオライトとしては、特に制限されないが、H型以外のゼオライト、例えば、特開平7−62142号公報に記載されているゼオライト[最小単位セルがアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライト(A型、X型、Y型、L型及びZSM型ゼオライト、モルデン沸石型ゼオライト;チャバザイト、モルデン沸石、ホージャサイトなどの天然ゼオライトなど)など]などが使用できる。
これらのゼオライトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、A型ゼオライトは、「ゼオラムA−3」、「ゼオラムA−4」「ゼオラムA−5」などとして、また、X型ゼオライトは、「ゼオラムF−9」、Y型ゼオライトは、「HSZ−320NAA」などとして東ソー(株)から入手可能である。
前記耐熱安定剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
塩基性窒素含有化合物と、ホスフィン化合物、有機カルボン酸金属塩、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、ハイドロタルサイト、及びゼオライトから選択された少なくとも一種とを組み合わせて用いると、少量で耐熱安定性を付与することもできる。
前記耐熱安定剤の割合は、例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部(特に0.01〜2重量部)程度の範囲から選択できる。
前記加工安定剤及び耐熱安定剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤(アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤など)、離型剤、核剤、帯電防止剤、摺動性改良剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤、界面活性剤、抗菌剤、抗カビ剤、芳香剤、香料、各種ポリマー(例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等)、充填剤(例えば、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維状充填剤、ガラスビーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、ガラスフレーク等の粉粒状又は板状充填剤等)などを1種で又は2種以上組み合わせて添加してもよい。また、必要に応じて、耐候(光)性に優れた樹脂、例えば、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートなどのC1−10アルキル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体)、アクリル系コアシェルポリマー、ポリカーボネート樹脂などを添加してもよい。
(ポリアセタール樹脂組成物の製造方法)
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、粉粒状混合物や溶融混合物であってもよく、ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤、及び前記スピロ化合物と、必要により他の添加剤とを慣用の方法で混合することにより調製できる。例えば、(1)各成分を主フィーダーからフィードして、一軸又は二軸の押出機により混練して押出してペレットを調製した後、成形する方法、(2)スピロ化合物を除く成分を主フィーダーから、そしてスピロ化合物又はスピロ化合物とポリアセタール樹脂とをサイドフィーダーからフィードして、一軸又は二軸の押出機により混練して押出してペレットを調整した後、成形する方法、(3)一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、(4)ポリアセタール樹脂のペレットに抑制剤を散布などにより付着させた後、成形し、所定の組成の成形品を得る方法などが採用できる。また、成形品に用いられる組成物の調製において、基体であるポリアセタール樹脂の粉粒体(例えば、ポリアセタール樹脂の一部又は全部を粉砕した粉粒体)と他の成分(ヒンダードフェノール化合物、耐候(光)安定剤、スピロ化合物など)を混合して溶融混練すると、添加物の分散を向上させるのに有利である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、特に成形後に使用又は保管される環境において必要とされる優れた耐候(光)安定性を有し、製品寿命を長くできることに加えて、さらに、その成形加工(特に溶融成形加工)工程において、ポリアセタール樹脂の酸化又は熱分解などによるホルムアルデヒドの生成を顕著に抑制でき、作業環境を改善できる。また、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形品からの分解物や添加物の浸出を顕著に抑制でき、成形加工時の諸問題を改善できる。そのため、本発明の樹脂組成物は、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクションモールディングなどの方法で、種々の成形品を成形するのに有用である。
(成形品)
前記ポリアセタール樹脂組成物で構成された本発明のポリアセタール樹脂成形品は、ヒンダードフェノール化合物と、耐候(光)安定剤と、特定のスピロ化合物とを組み合わせて含んでおり、耐候(光)安定性に優れるとともに、ホルムアルデヒド発生量が極めて少ない。すなわち、酸化防止剤などの安定剤を含む従来のポリアセタール樹脂で構成された成形品は、比較的多量のホルムアルデヒドを生成し、腐食や変色などの他、生活環境や作業環境を汚染する。例えば、一般に市販されているポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド発生量は、乾式(恒温乾燥雰囲気下)において、表面積1cm2当たり2〜5μg程度であり、湿式(恒温湿潤雰囲気下)において、表面積1cm2当たり3〜6μg程度である。
これに対して、本発明のポリアセタール樹脂成形品は、乾式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり1.5μg以下(0〜1μg程度)、好ましくは0〜0.8μg、さらに好ましくは0〜0.7μg程度であり、通常、0.01〜0.7μg程度である。また、湿式において、ホルムアルデヒド発生量が成形品の表面積1cm2当たり2.5μg以下(0〜2μg程度)、好ましくは0〜1.7μg、さらに好ましくは0〜1.5μg程度であり、通常、0.01〜1.5μg程度である。
本発明のポリアセタール樹脂成形品は、乾式及び湿式のいずれか一方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有していればよく、通常、乾式及び湿式の双方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有している。
なお、乾式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜50cm2となる程度)を密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間放置する。その後、この密閉容器中に水を5ml注入し、この水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
また、湿式でのホルムアルデヒド発生量は、次のようにして測定できる。
ポリアセタール樹脂成形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その成形品の適当量(例えば、表面積10〜100cm2となる程度)を、蒸留水50mlを含む密閉容器(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置する。その後、室温で1時間放置し、密閉容器中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を求める。
本発明における前記ホルムアルデヒド発生量の数値規定は、ポリアセタール樹脂、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤及びスピロ化合物を含む限り、慣用の添加剤(通常の安定剤、離型剤など)を含有するポリアセタール樹脂組成物の成形品についてだけでなく、無機充填剤、他のポリマーなどを含有する組成物の成形品においても、その成形品の表面の大部分(例えば、50〜100%)がポリアセタール樹脂で構成された成形品(例えば、多色成形品や被覆成形品など)についても適用可能である。
本発明の成形品は、ホルムアルデヒドが弊害となるいずれの用途(例えば、自転車部品としてのノブ、レバーなど)にも使用可能であるが、自動車部品や電気・電子部品(能動部品や受動部品など)、建材・配管部品、日用品(生活)・化粧品用部品、及び医用(医療・治療)部品として好適に使用される。
より具体的には、自動車部品としては、インナーハンドル、フェーエルトランクオープナー、シートベルトバックル、アシストラップ、各種スイッチ、ノブ、レバー、クリップなどの内装部品、メーターやコネクターなどの電気系統部品、オーディオ機器やカーナビゲーション機器などの車載電気・電子部品、ウインドウレギュレーターのキャリアープレートに代表される金属と接触する部品、ドアロックアクチェーター部品、ミラー部品、ワイパーモーターシステム部品、燃料系統の部品などの機構部品が例示できる。
電気・電子部品(機構部品)としては、ポリアセタール樹脂成形品で構成され、かつ金属接点が多数存在する機器の部品又は部材[例えば、カセットテープレコーダなどのオーディオ機器、VTR(ビデオテープレコーダー)、8mmビデオ、ビデオカメラなどのビデオ機器、又はコピー機、ファクシミリ、ワードプロセサー、コンピューターなどのOA(オフィスオートメーション)機器、更にはモーター、発条などの駆動力で作動する玩具、電話機、コンピュータなどに付属するキーボードなど]などが例示できる。具体的には、シャーシ(基盤)、ギヤー、レバー、カム、プーリー、軸受けなどが挙げられる。さらに、少なくとも一部がポリアセタール樹脂成形品で構成された光及び磁気メディア部品(例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディスクカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジなど)、更に詳しくは、音楽用メタルテープカセット、デジタルオーディオテープカセット、8mmビデオテープカセット、フロッピーディスクカートリッジ、ミニディスクカートリッジなどにも適用可能である。光及び磁気メディア部品の具体例としては、テープカセット部品(テープカセットの本体、リール、ハブ、ガイド、ローラー、ストッパー、リッドなど)、ディスクカートリッジ部品(ディスクカートリッジの本体(ケース)、シャッター、クランピングプレートなど)などが挙げられる。
さらに、本発明のポリアセタール樹脂成形品は、照明器具、建具、配管、コック、蛇口、トイレ周辺機器部品などの建材・配管部品、ファスナー類(スライドファスナー、スナップファスナー、面ファスナー、レールファスナーなど)、文具、リップクリーム・口紅容器、洗浄器、浄水器、スプレーノズル、スプレー容器、エアゾール容器、一般的な容器、注射針のホルダーなどの広範な生活関係部品・化粧関係部品・医用関係部品に好適に使用される。
産業上の利用可能性
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤及び特定のスピロ化合物を含んでいるので、ポリアセタール樹脂の耐候(光)安定性、特に成形後の光による劣化を大幅に改善できる。また、前記成分を少量添加するだけで、ポリアセタール樹脂及び成形品からのホルムアルデヒドの発生量を極めて低レベルに抑制でき、周辺環境(作業環境、使用環境など)を大きく改善できる。さらには、過酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制でき、金型への分解物や添加物などの付着(モールドデポジット)、成形品からの樹脂分解物や添加物の浸出や成形品の熱劣化を抑制でき、成形品の品質や成形性を向上できる。
実施例
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、成形性(金型付着物の量)、乾式及び湿式での成形品からのホルムアルデヒドの発生量、並びに成形品の耐候(光)性について、以下のようにして評価した。
[成形性(金型付着物の量)]
ポリアセタール樹脂組成物で形成されたペレットから特定形状の成形品(径20mm×1mm)を、射出成形機を用いて連続成形(7500ショット)し、金型付着物の程度を5段階に評価した。なお、数字が小さい程、金型付着物が少ない、すなわち、モールドデポジットが少ないことを意味する。
[乾式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]
試験片(2mm×2mm×50mm)10個(総表面積約40cm2)の樹脂サンプルを密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80℃で24時間、恒温槽内で加熱した後、室温に空冷し、蒸留水5mlをシリンジにて注入した。この水溶液のホルムアルデヒド量を、JIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒドガス発生量(μg/cm2)を算出した。
[湿式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]
平板状試験片(100mm×40mm×2mm;総表面積85.6cm2)を蒸留水50mlを含むポリエチレン製瓶(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3時間放置した後、室温で1時間静置した。ポリエチレン製瓶中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2)を算出した。
[耐候(光)性試験]
平板状成形品(70mm×40mm×3mm)を、ウェザーメーター[スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HCH型]を用いて、83℃のフェード条件で600時間照射し、照射前後における色相の変化および光沢の変化を観察し、それぞれについてその変化の程度を5段階で評価した。数字が小さい程、変化が少ない、即ち、光沢の低下及び変色が少ないことを意味する。
実施例1〜40及び比較例1〜5
ポリアセタール樹脂100重量部に、ヒンダードフェノール系化合物、耐候(光)安定剤、スピロ化合物、着色剤、加工安定剤、耐熱安定剤を表1〜表3に示す割合で混合した後、2軸押出機により溶融混合し、ペレット状の組成物を調製した。このペレットを用いて、射出成形機により、所定の試験片を成形し、成形時のモールドデポジットを評価した。また、所定の試験片からのホルムアルデヒド発生量を測定した。さらに、所定の試験片を用いて耐候(光)安定性の評価を行った。結果を表1〜表3に示す。
なお、比較のため、スピロ化合物を添加しない例および耐候(光)安定剤を添加しない例、メラミンを多量添加した例について、上記と同様にして評価した。結果を表4に示す。
実施例および比較例で使用したポリアセタール樹脂、ヒンダードフェノール系化合物、スピロ化合物、耐候(光)安定剤、着色剤、加工安定剤および耐熱安定剤は以下の通りである。
1.ポリアセタール樹脂 a
(a−1):ポリアセタール樹脂コポリマー(溶融加水分解法安定化樹脂、メルトインデックス=9g/10分)
(a−2):ポリアセタール樹脂コポリマー(溶液加水分解法安定化樹脂、メルトインデックス=9g/10分)
なお、上記メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じ、190℃、2169gの条件下で求めた値(g/10分)である。
2.ヒンダードフェノール系化合物 b
(b−1):トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(b−2):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
3.スピロ化合物 c
(c−1):結晶水含有CTUグアナミン [味の素ファインテクノ(株)製]
(c−2):無水CTUグアナミン [(c−1)を200℃で1時間窒素雰囲気下で加熱熱処理したもの]
(c−3):結晶水含有CTUグアナミン/CTUモノグアナミン混合物[5重量%の結晶水と3重量%のCTUモノグアナミンとを含有する混合物]
(c−4):CMTUグアナミン
(c−5):3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
4.耐候(光)安定剤 d
(d−1):2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール
(d−2):2−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン
(d−3):2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール
5.耐候(光)安定剤 e
(e−1):ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
6.着色剤 f
(f−1):カーボンブラック(アセチレンブラック)
(f−2):フタロシアニン系青色顔料
(f−3):酸化チタン
(f−4):ウルトラマリンブルー
7.加工安定剤 g
(g−1):エチレンビスステアリルアミド
(g−3):12−ヒドロキシステアリン酸
(g−4):グリセリンモノステアレート
(g−5):エチレングリコールジステアレート
(g−6):ポリエチレングリコール(分子量35000)
8.耐熱安定剤(有機カルボン酸金属塩、アルカリ土類金属塩) h
(h−1):12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
(h−2):アイオノマー[三井・デュポンポリケミカル(株)製、ハイミラン1702]
(h−3):酸化マグネシウム
(h−4):クエン酸カルシウム
(h−5):酢酸カルシウム
(h−6):ハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、DHT−4A]
(h−7):ゼオライトA−4[東ソー(株)製、ゼオラムA−4]
(h−8):ステアリン酸マグネシウム
9.耐熱安定剤(塩基性窒素化合物、ホスフィン化合物) i
(i−1):メラミン
(i−2):メラミンホルムアルデヒド樹脂
メラミン1モルに対してホルムアルデヒド1.2モルを用い、水溶液中、pH8、温度70℃で反応させ、反応系を白濁させることなく水溶性初期縮合体のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を生成させた。次いで、攪拌しながら反応系をpH6.5に調整して、攪拌を継続し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を析出させ、乾燥により粗製メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の粉粒体を得た。この粉粒体を60℃の温水で30分間洗浄し、濾過した後、残渣をアセトンで洗浄し、これを乾燥することにより白色粉末の精製メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を得た。
(i−3):メレム[日産化学工業(株)製]
(i−4):ナイロン6−66−610
(i−5):アラントイン[川研ファインケミカル(株)製]
(i−6):アラントインジヒドロキシアルミニウム[川研ファインケミカル(株)製、「ALDA」]
(i−7):ビウレア
(i−8):トリフェニルホスフィン
表より明らかなように、比較例に比べて、実施例の樹脂組成物は、成形時のモールドデポジットが少なく、成形性が改善されている。また、ホルムアルデヒドの発生量も大幅に低減され、成形品の耐候(光)安定性の改善効果が大きかった。
Claims (26)
- ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とで構成されたポリアセタール樹脂組成物。
- 耐候(光)安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物及びヒンダードアミン系化合物から成る群より選択された少なくとも1種の化合物である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 耐候(光)安定剤が、少なくともベンゾトリアゾール化合物で構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 耐候(光)安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とで構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 耐候(光)安定剤が、ベンゾトリアゾール系化合物とヒンダードアミン系化合物とで構成され、両者の割合が、ヒンダードアミン系化合物/ベンゾトリアゾール系化合物(重量比)=0/100〜80/20である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、両末端にグアナミン環を有する請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 式(1)において、R1及びR2が直鎖状又は分岐鎖状C1−1 0アルキレン基である請求項7記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、及び3,9−ビス[3−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)−1,1−ジメチルプロピル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンで構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、無水化合物又は結晶水を含有する化合物である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、結晶水を含有する3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)直鎖又は分岐C1−5アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノアルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- スピロ化合物が、3,9−ビス[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと、3−(シアノC1−6アルキル)−9−[(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)C1−6アルキル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとで構成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物0.001〜5重量部、耐候(光)安定剤0.01〜5重量部及びスピロ化合物0.001〜10重量部を含む請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ヒンダードアミン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物を、前者/後者(重量比)=10/90〜70/30の割合で含む耐候(光)安定剤と、スピロ化合物とを含み、前記耐候(光)安定剤と前記スピロ化合物との割合が、耐候(光)安定剤/スピロ化合物(重量比)=0.01/1〜30/1である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- さらに、着色剤を含む請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 着色剤が、カーボンブラックである請求項18記載のポリアセタール樹脂組成物。
- さらに、加工安定剤および耐熱安定剤より選択された少なくとも1種を含む請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 加工安定剤が、長鎖脂肪酸又はその誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から成る群より選択された少なくとも1種である請求項20記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 耐熱安定剤が、塩基性窒素化合物、ホスフィン化合物、有機カルボン酸金属塩、アルカリ又はアルカリ土類金属化合物、ハイドロタルサイト及びゼオライトから成る群より選択された少なくとも1種である請求項20記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂と、ヒンダードフェノール系化合物と、耐候(光)安定剤と、トリアジン環を有するスピロ化合物とを混合するポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物で構成されたポリアセタール樹脂成形品。
- (1)温度80℃で24時間密閉空間で保存した時、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm2当り1.5μg以下、及び/又は(2)温度60℃、飽和湿度の密閉空間で3時間保存した時、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面積1cm2当り2.5μg以下である請求項24記載のポリアセタール樹脂成形品。
- 成形品が、自動車部品、電気・電子部品、建材・配管部品、生活・化粧品用部品及び医用部品から選択された少なくとも1種である請求項24記載のポリアセタール樹脂成形品。
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