JP2022150444A - ポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、成形品にした際、高硫黄燃料に接触する部位に太陽光が照射されたときの劣化を抑えることの可能なポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明の目的は、少なくとも、(A)ポリアセタール重合体100質量部に対し、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1~1.0質量部、(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも一種を、0.3質量部~2.0質量部、(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、(E)ヒンダードアミン化合物0.1~1.5質量部、(F)紫外線吸収剤0.2~1.5質量部、(G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量、とを含有するポリアセタール樹脂組成物、によって達成された。【選択図】なし

Description

本発明はポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体に関する。
ポリアセタール樹脂は耐薬品性に優れることから、ポリアセタール樹脂を原料とする成形品は自動車部品として広く使用されている。例えば、燃料油と直接接触する燃料ポンプモジュール等に代表される燃料搬送ユニット等の大型部品として用いられる。
近年、各国の環境規制に対応するため、燃料の低硫黄化が進められている。しかしながら、脱硫設備には多大な費用がかかることから、一部の国では未だ高硫黄燃料が流通している。これらの高硫黄燃料は、低硫黄燃料に比べてポリアセタール樹脂を劣化させやすい傾向がある。
ところで、ポリアセタール樹脂から製造される射出成形品は、射出成形時の冷却により、成形品内部で残留応力を有している。この射出成形品に高硫黄燃料等が接触すると、残留応力の大きな箇所でクラックが発生し、燃料漏れ等のトラブルの原因となり得る。したがって、高硫黄燃料が流通している国々に対しては、高硫黄燃料に対して高い耐性(以後、耐燃料性と略す)を有する樹脂材料を原料にする必要がある。
この課題に対して、本願出願人は、ポリアセタール樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤、アルカリ土類金属酸化物、ポリアルキレングリコールおよび多価脂肪酸エステルを含有させることにより、大幅に改善できることを報告している(特許文献1)。
特開2015-209474号公報
一方、高硫黄燃料に接触する燃料搬送ユニット等の自動車部品は、ボンネット等の筐体によって覆われていることが多いが、使用時には内側から高硫黄燃料との接触があり外側からは太陽光が当たる場合がある。また、車種によっては燃料タンクが筐体に覆われておらず、燃料搬送ユニットにも太陽光が当たる状態で使用するものもある。そして太陽光により光劣化が進んだポリアセタール樹脂からなる自動車部品の、クラック発生が促進されることが大きな課題としてある。
本発明は、成形品にした際、高硫黄燃料に接触する部品に太陽光が照射されたときの劣化を抑えることの可能なポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ポリアセタール樹脂組成物の組成を特定の組成にすることで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、下記の通りである。
1. 少なくとも、
(A)ポリアセタール重合体100質量部に対し、
(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1~1.0質量部、
(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも一種を、0.3質量部~2.0質量部、
(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、
(E)ヒンダードアミン化合物0.1~1.5質量部、
(F)紫外線吸収剤0.2~1.5質量部、
(G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量、
とを含有するポリアセタール樹脂組成物。
2. 前記(A)が、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテル、又は環状ホルマールの何れかを共重合させてなるポリアセタールコポリマーである前記1記載のポリアセタール樹脂組成物。
3. 前記(C)が、BET比表面積が100cm/g以上の酸化マグネシウムである、前記1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
4. 前記(G)多価アルコールの脂肪酸エステルが、炭素数3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物である、前記1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
5. 前記(F)紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物又はシュウ酸ジアミド系化合物から選ばれた少なくとも一種である、前記1~4いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
6. 前記(F)紫外線吸収剤が、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール及びN-(2-エチルフェニル)-N‘-(2-エトキシフェニル)シュウ酸ジアミドから選ばれる少なくとも一種である、前記1~5いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
7. 前記1~6いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える燃料接触体。
本発明によれば、成形品にした際、高硫黄燃料に接触する部品に太陽光が照射されたときの劣化を抑えることの可能なポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ポリアセタール樹脂組成物>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)ポリアセタール重合体100質量部に対し、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1~1.0質量部、
(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも1種を、0.3質量部~2.0質量部、
(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、
(E)ヒンダードアミン化合物0.1~1.5質量部、
(F)紫外線吸収剤0.2~1.5質量部、
(G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量、
とを含有することを特徴とする。
<(A)ポリアセタ-ル重合体>
本発明に使用する(A)ポリアセタール重合体は、オキシメチレン基(-OCH-)を構成単位とするホモポリマーでもよいし、オキシメチレン単位以外に他のコモノマー単位を有するコポリマーであってもよく、コポリマーであることが好ましい。
一般的にはホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドの環状化合物を主モノマーとし、環状エーテルや環状ホルマールから選ばれた化合物をコモノマーとして共重合させることによって製造され、通常、熱分解、(アルカリ)加水分解等によって末端の不安定部分を除去して安定化される。
特に、主モノマーとしてはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンを用いるのが一般的である。トリオキサンは、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることにより得られ、これを蒸留などの方法で精製して使用される。重合に用いるトリオキサンは、水、メタノール、蟻酸などの不純物の含有量が極力少ないものが好ましい。
コモノマーとしては、一般的な環状エーテル及び環状ホルマール、また分岐構造や架橋構造を形成可能なグリシジルエーテル化合物などを単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記のポリアセタール重合体は、一般には適量の分子量調整剤を添加し、カチオン重合触媒を用いてカチオン重合することにより得ることができる。使用される分子量調整剤、カチオン重合触媒、重合方法、重合装置、重合後の触媒の失活化処理、重合によって得られた粗ポリアセタール重合体の末端安定化処理法などは多くの文献によって公知であり、基本的にはそれらが何れも利用できる。
重合装置としては、バッチ式では一般に用いられる撹拌機付きの反応槽が使用でき、また、連続式としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連続混合機、その他、これまでに提案されているトリオキサン等の連続重合装置が使用可能であり、また2種以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
本発明において、上記の主モノマーとコモノマーとを重合してポリアセタールコポリマーを調製するにあたり、重合度を調節するための分子量調節剤として公知の連鎖移動剤、例えばメチラールの如き低分子量の線状アセタール等を添加することも可能である。
また、重合反応は活性水素を有する不純物、例えば水、メタノール、ギ酸等が実質的に存在しない状態、例えばこれらがそれぞれ10ppm以下の状態で行うのが望ましく、このためには、これらの不純物成分を極力含まないように調製されたトリオキサン、環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、主モノマーやコモノマーとして使用するのが望ましい。
本発明で使用する(A)ポリアセタ-ル重合体の分子量は特に限定されないが、サイズ排除クロマトグラフィー法にて決定したPMMA(ポリメタクリル酸メチル)相当の重量平均分子量が10、000~400、000程度のものが好ましい。また、樹脂の流動性の指標となるメルトインデックス(ASTM-D1238に準じ190℃、荷重2.16kgで測定)が0.1~100g/10分であるものが好ましく、さらに好ましくは0.5~80g/10分である。
本発明において使用する(A)ポリアセタール重合体は、特定の末端特性を有していることが特に好ましい。具体的には、ヘミホルマール末端基量が1.0mmol/kg以下、ホルミル末端基量が0.5mmol/kg以下、不安定末端量が0.5質量%以下である。
ここでヘミホルマール末端基は-OCHOHで示されるものであり、ヒドロキシメトキシ基あるいはヘミアセタール末端基とも称される。また、ホルミル末端基は-OCHOで示される。このようなヘミホルマール末端基およびホルミル末端基の量はH-NMR測定により求めることができ、その具体的な測定方法は、特開2001-11143号公報に記載された方法を参照できる。
また、不安定末端量とは、ポリアセタール重合体の末端部分に存在し、熱や塩基に対して不安定で分解し易い部分の量を示す。かかる不安定末端量は、ポリアセタール重合体1gを、0.5%(体積%)の水酸化アンモニウムを含む50%(体積%)メタノール水溶液100mlとともに耐圧密閉容器に入れ180℃で45分間加熱処理した後、冷却し、開封して得られる溶液中に分解溶出したホルムアルデヒド量を定量し、ポリアセタ-ル重合体に対する質量%で表したものである。
本発明において用いる(A)ポリアセタール重合体は、ヘミホルマール末端基量が1.0mmol/kg以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.6mmol/kg以下である。またホルミル末端基量は0.5mmol/kg以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.1mmol/kg以下である。また不安定末端量は0.5質量%以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以下である。ヘミホルマール末端基量、ホルミル末端基量、不安定末端量の下限は特に限定されるものではない。
前記の如く特定の末端特性を有する(A)ポリアセタール重合体は、主モノマー及びコモノマーに含まれる不純物の低減、製造プロセスの選択およびその製造条件の最適化などを行うことにより製造できる。
以下に本件の発明の要件を満たす特定の末端特性を有する(A)ポリアセタール重合体を製造する方法は、例えば特開2009-286874号公報記載の方法を使用することができる。ただし、この方法に限定されるものではない。
本発明において、(A)ポリアセタール重合体に分岐又は架橋構造を有するポリアセタール重合体を添加して使用してもよく、その場合配合量は、(A)ポリアセタール重合体100質量部に対し0.01~20質量部であり、特に好ましくは0.03~5質量部である。
<(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤>
本発明において使用する(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロピオン酸]エチレンビス(オキシエチレン)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(6-t-ブチル-3-メチル-フェノール)、ジステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が例示される。
本発明においては、これらの酸化防止剤から選ばれた少なくとも一種又は二種以上を使用することができる。
本発明における(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.1~1.0質量部であり、0.2~0.5質量部であることがより好ましい。
<(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも一種>
本発明において使用する(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも一種(以下(C)化合物と略す)としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの化合物の中では酸化マグネシウムが最も燃料性の改善と機械物性や成形性等の性能のバランスが優れており好ましい。酸化マグネシウムに関して、BET比表面積が100m/g以上である酸化マグネシウムがより好ましい。
本発明における(C)化合物の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.3~2.0質量部であり、0.5~2.0質量部であることがより好ましい。
0.3質量部を超えることで耐燃料性において特に優れ、また2.0質量部以内で安定的な生産が可能となり、2.0質量部以内で機械特性のバランスにおいて特に優れる。
これまでは(C)化合物が多くなるとポリアセタール樹脂中の不安定末端の分解を促進することがあったが、本発明の(A)ポリアセタール重合体であれば、その分解を抑制することができることから、(C)化合物を所定の量とすることによる耐燃料性耐候性向上の特性を見出すことができた。また、(C)化合物と(E)、(F)化合物とは、相互に負に干渉することなく、高硫黄燃料に接触する部位に太陽光が照射されたときの劣化を抑えることについて相乗効果を示した。
<(D)ポリアルキレングリコール>
本発明において使用する(D)ポリアルキレングリコールを含有させることも好ましい。これらの種類は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂との親和性の観点から、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを含有するものが好ましく、ポリエチレングリコールを含有するものがより好ましい。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂中での分散性の観点から、1,000以上50,000以下であることが好ましく、5,000以上30,000以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするサイズ排除クロマトグラフィー法によって求めたポリスチレン換算の分子量であるものとする。
本発明における(D)ポリアルキレングリコールの含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.5~3.0質量部であり、1.0~2.0質量部であることがより好ましい。添加量の上限は、成形体の機械物性とのバランスで選択される。これらは二種以上を混合して使用しても良い。
<(E)ヒンダードアミン化合物>
本発明において使用するヒンダードアミン化合物(以下HALSともいう)に特に制限がなく、隣接する炭素にメチル基等の立体障害性基を有するピペリジン誘導体の窒素が2級又は3級であるヒンダードアミン化合物が好ましく用いられる。
本発明において使用する立体障害性基を有するピペリジン誘導体の窒素が2級であるヒンダードアミン安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)-ジエタノールとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物などが挙げられる。
本発明において使用する立体障害性基を有するピペリジン誘導体の窒素が3級であるヒンダ-ドアミン化合物としては、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アジペート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルセバケートなどの脂肪族ジ又はトリカルボン酸-ビス又はトリスピペリジルエステル(炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸-ビスピペリジルエステルなど)、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、メチル-1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケ-ト、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)-ジエタノールとの縮合物、過酸化処理した4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン、及びシクロヘキサン、N,N'-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)との反応生成物、1-[2-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-4-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒロドキシフェニル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
特に好ましいものとしては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)-ジエタノールとの縮合物、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物が挙げられる。
本発明において、(E)ヒンダードアミン化合物の添加量は、(A)ポリアセタール重合体100質量部に対して0.1~1.5質量部、であり、好ましくは0.2~0.8質量部である。
(E)ヒンダードアミン化合物の配合量が過少の場合は、耐候性に優れたポリアセタール樹脂組成物を得ることができず、逆に配合量が過多の場合は、機械的特性の低下、染み出しによる外観不良などの問題が生じる。
<(F)紫外線吸収剤>
本発明の紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物が挙げられ、これらの光安定剤は一種又は二種以上組合せて使用できる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾ-ル-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(t-ブチル)フェノール、2,4-ジ-t-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-t-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-イソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のヒドロキシル基及びアルキル(炭素数1~6のアルキル)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類2-[2'-ヒドロキシ-3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアラルキル(又はアリール)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基及びアルコキシ(C1~12のアルコキシ)基置換アリール基を有するベンゾトリアゾール類等が挙げられる。
これらのベンゾトリアゾール系化合物のうち、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-t-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールなどが好ましい。
シュウ酸アニリド系化合物としては、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-5-t-ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシフェニル)シュウ酸ジアミド、窒素原子上に置換されていてもよいアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
本発明において、(F)紫外線吸収剤の添加量は、(A)ポリアセタール重合体100質量部に対して、0.2~1.5質量部である。好ましくは、0.4~0.8質量部である。(F)紫外線吸収剤の配合量が過少の場合は、耐候性に優れたポリアセール樹脂組成物を得ることができず、逆に配合量が過多の場合は、機械的特性の低下、染み出しによる外観不良などの問題が生じる。
<(G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステル>
本発明において使用される(G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステルは、炭素数が3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物の多価脂肪酸エステルであることが好ましい。
エステル化合物のエステル化率は、80%以上であり、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここでエステル化率とは、エステルを形成する多価アルコールの水酸基のうち、脂肪酸と反応してエステル結合を形成した水酸基の割合をいう。
多価アルコールは脂肪族であっても芳香族であってもよいが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で脂肪族であることが好ましい。
多価アルコールの価数は特に限定されるものではないが、3以上4以下であることが好ましい。また、多価アルコールの炭素数は特に限定されるものではないが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で、3以上10以下であることが好ましく、3以上5以下であることがより好ましい。
(G)成分のエステルを形成するための好ましい多価アルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、メソエリスリトール、ペンチトース、ヘキシトール、ソルビトール等が挙げられるが、硫黄燃料に浸漬した後におけるポリアセタール樹脂組成物の重量減少を低く抑えられる点で、多価アルコールは、ペンタエリスリトールであることが好ましい。
脂肪酸の種類は特に限定されるものでないが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で、炭素数10以上30以下の脂肪酸であることが好ましく、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸であることがより好ましい。
(G)成分のエステルを形成するための好ましい脂肪酸として、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等が挙げられ、好ましくはステアリン酸が挙げられる。
(G)成分のエステルとして、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好適に用いられ、ペンタエリスリトールテトラステアレートがより好適に用いられる。なお、(G)成分は、それを構成する多価アルコールや脂肪酸が異なるエステル化物や、エステル化率の異なるエステル化物の二種以上を併用してもよい。
本発明における(G)多価脂肪酸フルエステルの含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01~1.0質量部であり、0.05~1.0質量部であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明におけるポリアセタール樹脂組成物は、必要に応じて他の成分を含有するものであってもよい。本発明の目的・効果を阻害しない限り、ポリアセタール樹脂組成物に対する公知の安定剤を一種又は二種以上添加することができる。
<燃料接触体>
本発明の燃料接触体は、上記ポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える。この成形品は、上記ポリアセタール樹脂組成物を用いて、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形等の方法で成形することにより得ることができる。
本発明の燃料接触体は、低硫黄燃料に限らず、高硫黄燃料を接触させたものであってもよい。高硫黄燃料を接触させたとしても、クラックの発生を抑え、良好な成形品表面外観を保持できるため、燃料の漏出を抑えることができる。なお、本明細書において、「低硫黄燃料」とは、硫黄の濃度が50ppm以下の燃料をいい、例えば、日本のJIS2号軽油、欧州のEN590軽油等が挙げられる。一方、「高硫黄燃料」とは、硫黄の濃度が50ppmを超える燃料をいい、中国、インド等で流通している高硫黄ディーゼル燃料等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1~3における各種成分は次のとおりである。表中の単位は質量部である。
(A)ポリアセタール重合体
(A-1)ポリアセタールコポリマー[ヘミホルマール末端基量=1.0mmol/kg、メルトインデックス(ASTM-D1238に準じ190℃、荷重2.16kgで測定)=9g/10分]
ポリアセタール重合体A-1は、次のようにして調製した。
A-1:二軸パドルタイプの連続式重合機にトリオキサン96.7質量%と1,3-ジオキソラン3.3質量%の混合物を連続的に供給し、触媒として三フッ化ホウ素15ppmを添加し重合を行った。また、重合に供するトリオキサンと1,3-ジオキソランの混合物は、不純物として水10ppm、メタノール3.5ppm、ギ酸5ppmを含有するものであった。
重合機吐出口より排出された重合体は、直ちにトリエチルアミン1000ppm含有水溶液を加えて粉砕、攪拌処理を行うことにより触媒の失活を行い、次いで、遠心分離、乾燥を行うことにより粗ポリアセタールコポリマーを得た。
次いで、この粗ポリアセタールコポリマーを、ベント口を有する二軸押出機に供給し、樹脂温度約220℃で溶融混練することにより不安定末端部を分解すると共に、分解生成物を含む揮発分をベント口から減圧脱揮した。押出機のダイから取り出した重合体を冷却、細断することにより、不安定末端部の除去されたペレット状のポリアセタールコポリマーA-1を得た。
(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(B-1)ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名:Irganox1010:BASF社製)
(C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物
(C-1)酸化マグネシウム、BET比表面積135m/g、平均粒径0.9μm(製品名:キョーワマグMF150、 協和化学工業(株)製)
(C-2)酸化マグネシウム、BET比表面積145m/g、平均粒径0.6μm(製品名:スターマグPSF-150、 神島化学工業(株)製)
(C-3)酸化マグネシウム、BET比表面積30m/g、平均粒径0.6μm(製品名:キョーワマグMF30、協和化学工業(株)製)
(C-4)酸化亜鉛、BET比表面積60~90m/g(製品名:活性亜鉛華AZO, 正同化学工業(株)製)
(D)ポリアルキレングリコール
(D-1)製品名:PEG6000S(三洋化成工業(株)製)
(E)ヒンダードアミン化合物
(E-1)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(TINUVIN770DF:BASF社製)
(E-2)1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(アデカスタブLA-63P:(株)ADEKA社製)
(E-3)テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート(アデカスタブLA-52:(株)ADEKA社製)
(E-4)1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物(アデカスタブLA-62:(株)ADEKA社製)
(F)紫外線吸収剤
(F-1)2-(2H-ベンゾトリアゾ-ル-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(TINUVIN234:BASF社製)
(F-2)N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-フェニル)シュウ酸ジアミド(SanduvorVSU:クラリアント(株)製)
(G)多価アルコールの脂肪酸エステル
(G-1)ペンタエリストールステアリン酸エステル(ユニスターH476、日油社製)
(G-2)グリセリントリステアレート(ポエムS-95、理研ビタミン社製)
(G-3)グリセリンモノステアレート(リケマールS-100A、理研ビタミン社製)
(G-4)ステアリンステアレート(ユニスターM9676、日油社製)
<実施例及び比較例>
表1、2に示す各種成分を表1、2に示す割合で添加混合し、二軸の押出機で溶融混練してペレット状のポリアセタール樹脂組成物を調製した。表内の数値は、質量部である。測定、評価は特に断りのない限り23℃50%RHの雰囲気下で行った。結果を表1~3に示す。
<評価>
上記の通り調製したポリアセタール樹脂組成物を用い、下記条件で射出成形により厚さ4mmのISOtype1-A多目的試験片を作製し、以下の評価を行った。
・成形機: EC-40(東芝機械(株))
・成形条件:シリンダー温度(℃) ノズル-C1- C2- C3
205 215 205 185℃
射出圧力 40(MPa)
射出速度 1.5(m/min)
金型温度 90(℃)
(1)耐燃料性
上記試験片をディーゼル燃料(製品名:CEC RF 90-A-92,ハルターマン社製)に100℃で14日間浸漬し、その前後の試験片の質量から燃料浸漬による質量変化率を算出し耐燃料性の評価とした。下記の水準で評価した。
算出方法:(浸漬前の試験片質量-浸漬後の試験片質量)÷(浸漬前の試験片質量)
○:10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
(2)耐候性
SAE J2527に従い、以下の装置、条件にて耐候性を評価した。
試験装置:Ci4000 Xenon Weather-Ometer(ATLAS社製)
光源:キセノンアークランプ
照射照度:0.55W/m 波長 340nm
ブラックパネル温度:70℃
湿度:50%RH
フィルタ:(内側)石英、(外側)ボロシリケート“S”タイプ
以下の条件を1サイクルとし、152サイクル(照射強度600kJ相当)試験を行った。
1.ダーク(0J/m)、両面水噴射-60分
2.ライト(1320J/m)-40分
3.ライト(660J/m)、前面水噴射-20分
4.ライト(1980J/m)-60分
処理後の試験片の表面を目視、顕微鏡で観察し、クラックの入り方で以下の様に区分した。
○:外観異常なし。
△:実体顕微鏡観察(拡大倍率50倍)でクラックが確認できる。
×:目視でクラックが確認できる。
(3)染み出し
多目的試験片を60℃、95%RHの条件で96時間保存処理した。
≪評価法≫
保存処理した試験片の外観を、目視によって下記の通りに区分した。
○:試験片表面に染み出し物は観察されない。
△:試験片表面にわずかな染み出し物が観察される。
×:試験片表面に多量の染み出し物が観察される。
(4)引張破壊呼び歪
ISO527-1、2に準拠した引張破壊呼び歪の測定を実施し、以下の通りに×から〇に判断した。
×:25%未満
△:25%以上29%未満
〇:29%以上
Figure 2022150444000001
Figure 2022150444000002
Figure 2022150444000003
上記の通り、本発明では、成形品にした際、高硫黄燃料に接触する部位に太陽光が照射されたときの劣化を抑えることの可能なポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも、
    (A)ポリアセタール重合体100質量部に対し、
    (B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1~1.0質量部、
    (C)マグネシウム又は亜鉛の酸化物から選択される少なくとも一種を、0.3質量部~2.0質量部、
    (D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、
    (E)ヒンダードアミン化合物0.1~1.5質量部、
    (F)紫外線吸収剤0.2~1.5質量部、
    (G)エステル化率が80%以上である多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量、
    とを含有するポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記(A)が、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテル、又は環状ホルマールの何れかを共重合させてなるポリアセタールコポリマーである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記(C)が、BET比表面積が100cm/g以上の酸化マグネシウムである、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記(G)多価アルコールの脂肪酸エステルが、炭素数3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物である、請求項1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記(F)紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物又はシュウ酸ジアミド系化合物から選ばれた少なくとも1種である、請求項1~4いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 前記(F)紫外線吸収剤が、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール及びN-(2-エチルフェニル)-N‘-(2-エトキシフェニル)シュウ酸ジアミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 請求項1~6いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える燃料接触体。
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