JP6267478B2 - 自動車内装部品 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物および該ポリアセタール樹脂組成物を含む成形品等に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的強度および剛性が高く、耐油性および耐有機溶剤性に優れ、広い温度範囲でバランスがとれた樹脂であり、且つその加工性が容易である。したがって、ポリアセタール樹脂は、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、OA機器、デジタル家電、自動車部品およびその他工業部品などに多く用いられている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂が自動車の内装部品および機構部品(以下「自動車内装・機構部品」とも記す。)に使用される場合、自動車車室内でホルムアルデヒドが発生する。最近では、自動車メーカーおよび自動車部品供給メーカーの自主規制で、自動車車室内でのホルムアルデヒド発生の抑制を要求されることが多くなっている。
このホルムアルデヒド発生の抑制という要求に応えるため、ポリアセタール樹脂に、グアナミンおよびヒドラジド化合物を添加する方法(例えば特許文献1および5参照。)、カルボン酸ヒドラジド化合物を添加する方法(例えば特許文献2、3および4参照。)、ヒドラジド化合物を添加する方法(例えば特許文献6および7参照。)、芳香族ジヒドラジドおよび脂肪族ヒドラジド化合物を添加する方法(例えば特許文献8参照。)が検討されている。
特開2008−7676号公報 特開平4−345648号公報 特開平10−298401号公報 特開2007−91973号公報 特開2007−51205号公報 特開2006−306944号公報 特開2006−45489号公報 特開2005−325225号公報
自動車車室内で使用されるポリアセタール樹脂、例えば、自動車内装・機構部品に使用されるポリアセタール樹脂は、意匠性を必要とする場合、顔料等で着色して使用するため、高い成形品外観の均一性を要求されることが多い。
また、繰り返しの負荷や高い衝撃がかかる製品においては、高粘度のポリセタール樹脂を使用する場合がある。しかしながら、ベースとなるポリセタール樹脂に高粘度のポリセタール樹脂を使用する場合には、ペレット造粒時に顔料を均一に分散させることが難しく、特に成形品肉厚が不均一である成形品や形状が複雑な成形品成形時おいては、顔料を均一に分散させることはさらに難しい。
そこで、一般的には、顔料を均一に分散させるため、顔料分散剤を使用する場合がある。しかし、ポリセタール樹脂に顔料分散剤を添加した場合、特に環境温度や環境湿度が高い状態でその成形品を放置すると、成形品表面に添加剤等がブリードアウトして、外観を損ねる問題がある。
また、ポリセタール樹脂に顔料分散剤を添加した場合には、射出成形を連続して行った場合に、顔料分散剤が他の添加剤とともに析出し、金型表面を汚染することが問題なることがある。さらに、ホルムアルデヒド発生の抑制するためにヒドラジド化合物を添加した場合、ポリセタール樹脂に顔料分散剤を添加することにより、このヒドラジド化合物の性能を阻害することがある。
そこで、本発明は、ホルムアルデヒド発生量を抑制でき、外観に優れ、高温・高湿環境下での添加剤等のブリードアウトを抑制でき、耐候性に優れるポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の問題を解決するため鋭意検討した結果、メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および着色顔料0.01〜5質量部を含有するポリアセタール樹脂組成物が、上記の問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
着色顔料0.01〜5質量部、
を含有するポリアセタール樹脂組成物。
[2]
該着色顔料が、無機系顔料および/または有機系顔料である、[1]に記載のポリアセタール樹脂組成物。
[3]
該無機系顔料が、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[2]に記載のポリアセタール樹脂組成物。
[4]
該ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物を含む成形品。
[6]
該成形品が自動車部品である、[5]に記載の成形品。
[7]
ポリアセタール樹脂および着色顔料を含むポリアセタール樹脂組成物の、成形品外観と成形金型汚染防止性とを向上させるための、ポリエチレングリコールの利用。
[8]
ポリエチレングリコールの数平均分子量が5,000以上25,000以下である、[7]に記載のポリエチレングリコールの利用。
[9]
ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である、[7]または[8]に記載のポリエチレングリコールの利用。
本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、例えば、自動車部品、特に意匠性を要求される自動車内装・機構部品において、ホルムアルデヒド発生量を抑制でき、着色剤の分散を向上されることにより高い成形品外観を得ることができ、高温・高湿環境下での成形品表面の添加剤等のブリードアウトを抑えることができ、射出成形時における金型内でのモールドデポジット(以下「MD」とも記す。)の蓄積を抑制することができる。
実施例で用いたポリアセタール樹脂を製造するための重合器の模式図の一例である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。また、本発明は、下記の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪ポリアセタール樹脂組成物≫
本実施形態に係るポリアセタール樹脂組成物は、
メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
着色顔料0.01〜5質量部、
を含有する。
以下、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
[ポリアセタール樹脂]
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂としては、従来知られているものであれば特に限定されず、例えば、ポリアセタールホモポリマーおよびポリアセタールコポリマーが挙げられる。
前記ポリアセタールホモポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド単量体またはその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる、オキシメチレン単位だけからなるポリアセタールホモポリマーが挙げられる。また、ポリアセタールコポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド単量体またはその3量体(トリオキサン)若しくは4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランおよび1,4−ブタンジオールホルマールからなる群より選ばれる1種または2種以上のコモノマーである、グリコール若しくはジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテルまたは環状ホルマールとを共重合させて得られるポリアセタールコポリマーが挙げられる。さらに、ポリアセタールコポリマーとして、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド単量体または上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;ホルムアルデヒド単量体または上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、多官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも挙げられる。
また、両末端若しくは片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば、ポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体または上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマー;同じく、両末端若しくは片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体または上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも、ポリアセタール樹脂の例として挙げられる。
上記ポリアセタール樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上述のとおり、ポリアセタール樹脂として、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポリマーのいずれも用いることが可能である。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、熱安定性と機械物性とのバランスの観点から、ポリアセタールコポリマーであることが好ましい。
上記ポリアセタール樹脂がトリオキサンと上記1,3−ジオキソラン等のコモノマーとのポリアセタールコポリマーである場合、一般的には、トリオキサン1molに対してコモノマーの共重合割合が0.001〜0.6molの範囲であれば、ポリアセタール樹脂の熱安定性が良好となるので好ましい。当該コモノマーの共重合割合は0.001〜0.2molであるとより好ましく、0.0013〜0.1molであると更に好ましい。
前記ポリアセタールコポリマーを共重合により得る際に用いられる重合触媒としては特に限定されないが、ルイス酸、プロトン酸およびそのエステルまたは無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。
前記ルイス酸としては、特に限定されないが、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、より具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモンおよびその錯化合物または塩が挙げられる。
また、前記プロトン酸、そのエステルまたは無水物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
これらのカチオン活性触媒の中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;および酸素原子または硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましい。そのようなカチオン活性触媒として、例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートが重合収率向上の観点から好適である。
また、上記ポリアセタールコポリマーを得る際には、カチオン活性触媒に加えて、メチラール等の重合連鎖剤(連鎖移動剤)を適宜用いてもよい。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂は、メチラールを連鎖移動剤として用いて得られるポリアセタールコポリマーであることが好ましい。メチラールを連鎖移動剤として用いる場合、含有水分量が100ppm以下で含有メタノール量が1質量%以下のメチラール、より好ましくは、含有水分量が50ppm以下で含有メタノール量が0.7質量%以下のメチラールが好ましい。
ポリアセタールコポリマーの重合方法としては特に限定されないが、従来公知の方法、例えば、米国特許第3027352号明細書、米国特許第3803094号明細書、独国特許発明第1161421号明細書、独国特許発明第1495228号明細書、独国特許発明第1720358号明細書、独国特許発明第3018898号明細書、特開昭58−98322号公報、特開平7−70267号公報に記載の方法が挙げられる。特公昭55−42085号公報には、洗浄・除去を行う必要のない触媒失活剤として三価のリン化合物が提案されているが、さらに高い熱安定性のポリアセタールコポリマーを得るためには不安定末端の除去が必要となる。
上記重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部(−(OCH2m−OH基、ここでmは、繰り返し単位の回数を表す。)が存在するため、その実用性を向上させるために、下記に示す特定の不安定末端部の分解除去処理を施すと好ましい。
特定の不安定末端部の分解除去処理(以下、単に「不安定末端部除去処理」とも記す。)とは、たとえば下記一般式(イ)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下で、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理する方法である。
[Rabcd+nn- (イ)
ここで、式(イ)中、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基の少なくとも1個の水素原子が炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;炭素数6〜20のアリール基の少なくとも1個の水素原子が炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、置換または非置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、またはアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基はその水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは水酸基、または炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。
上述の第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(イ)で表わされるものであれば特に限定されないが、一般式(イ)におけるRa、Rb、RcおよびRdが、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、さらに、Ra、Rb、RcおよびRdの少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であることが特に好ましい。上述の第4級アンモニウム化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクタデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物(Xn-=OH-);塩酸、臭酸、フッ酸等の水素酸塩;硫酸(Xn-=HSO4 -、SO4 2-)、硝酸、燐酸、炭酸(Xn-=HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸(Xn-=B(OH)4 -)、塩素酸、ヨウ素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸等のチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸等のカルボン酸塩が挙げられる。これらの中でも、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩が好ましい。カルボン酸塩のなかでは、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩が特に好ましい。このような第4級アンモニウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、水酸化コリン蟻酸塩(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート、トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート等)が挙げられる。これら第4級アンモニウム化合物は、1種を単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用してもよい。
上記熱処理する方法に用いる第4級アンモニウム化合物の量は、ポリアセタールコポリマーと第4級アンモニウム化合物との合計質量に対する下記式(ロ)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して、0.05〜50質量ppmであると好ましく、1〜30質量ppmであるとより好ましい。
第4級アンモニウム化合物の量=P×14/Q (ロ)
ここで、式(ロ)中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を示し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。
第4級アンモニウム化合物の添加量が前記範囲内であると、不安定末端部の分解除去速度が向上する傾向にあり、また、不安定末端部除去処理後のポリアセタールコポリマーの色調が良好となる傾向にある。
ポリアセタールコポリマーの不安定末端部除去処理は、そのポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度でポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより達成される。この熱処理に用いる装置としては特に限定されないが、押出機、ニーダー等が好適である。また、分解により発生したホルムアルデヒドは減圧下で除去される。第4級アンモニウム化合物の添加方法は、特に限定されないが、例えば、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、重合で生成したポリアセタールコポリマーパウダーに吹きかける方法などが挙げられる。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタールコポリマーを熱処理する工程で添加されていればよく、押出機の中に注入してもよい。あるいは、ポリアセタール樹脂組成物に押出機等を用いてフィラーやピグメントの配合を行う場合、樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端部除去処理を行ってもよい。
不安定末端部除去処理を、重合により得られたポリアセタールコポリマー中の重合触媒を失活させた後に行ってもよく、重合触媒を失活させずに行ってもよい。重合触媒の失活処理としては特に限定されないが、アミン類等の塩基性の水溶液中で重合触媒を中和失活する方法を代表例として挙げることができる。また、重合触媒を失活させずに、ポリアセタールコポリマーの融点以下の温度で不活性ガス雰囲気下にて加熱し、重合触媒を揮発により低減した後、該不安定末端部除去処理を行うことも有効な方法である。
不安定末端部除去処理を行うことで、窒素雰囲気下、200℃で50分間加熱したときのホルムアルデヒド発生量が、ポリアセタール樹脂の量に対して100ppm以下のポリアセタール樹脂を得ることができる。
本実施形態において、ポリアセタール樹脂のメルトフローレートは、1.0〜5.0g/10分であり、1.5〜3.5g/10分であることが好ましく、2.0〜3.0g/10分であることがより好ましい。ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが前記範囲内であると、ポリアセタール樹脂組成物は成形性と耐久性とのバランスが良好となる。
メルトフローレートが前記範囲内のポリアセタール樹脂を得る方法としては、例えば、適切にポリマー重合度を制御する方法などが挙げられる。
なお、本実施形態において、ポリアセタール樹脂のメルトフローレートは、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
[ヒドラジド化合物]
本実施形態に用いるヒドラジド化合物は、窒素原子間の単結合を有するヒドラジン構造(N−N)を有する化合物であれば特に限定されず、例えばヒドラジン;ヒドラジン水和物;コハク酸モノヒドラジド、グルタル酸モノヒドラジド、アジピン酸モノヒドラジド、ピメリン酸モノヒドラジド、スペリン酸モノヒドラジド、アゼライン酸モノヒドラジド、セバシン酸モノヒドラジド等のカルボン酸モノヒドラジド;蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド等の飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等の芳香族カルボン酸ジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド;トリマー酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ベンゼントリカルボン酸トリヒドラジド、ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド等のトリヒドラジド;ピロメリット酸テトラヒドラジド、ナフトエ酸テトラヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド等のテトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジンまたはヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラート)と反応させてなるポリヒドラジド等のポリヒドラジド;炭酸ジヒドラジド;ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートおよびそれから誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジンおよび/または上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;上記ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類またはポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に、上記のいずれかのジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;上記多官能セミカルバジドと上記水系多官能セミカルバジドとの混合物;ビスアセチルジヒドラゾン等が挙げられる。中でも、カルボン酸ヒドラジドであることが好ましく、飽和脂肪族カルボン酸ヒドラジドであることがより好ましい。飽和脂肪族カルボン酸ヒドラジドの具体例としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸モノヒドラジド、グルタル酸モノヒドラジド、アジピン酸モノヒドラジド、ピメリン酸モノヒドラジド、スペリン酸モノヒドラジド、アゼライン酸モノヒドラジド、セバシン酸モノヒドラジド等のカルボン酸モノヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、ヒドラジド化合物の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、0.1〜1質量部であることが好ましく、0.1〜0.5質量部であることがより好ましい。ヒドラジド化合物の含有量が前記範囲内であると、ポリアセタール樹脂組成物は着色性と機械物性等の諸特性とのバランスが良好となる。
[ポリエチレングリコール]
本実施形態において、ポリエチレングリコールは、ポリアセタール樹脂および着色顔料を含むポリアセタール樹脂組成物の、成形品外観と成形金型汚染防止性とを向上させるために利用する。当該効果は、ポリエチレングリコールの数平均分子量が5,000以上25,000以下である場合により発揮される。また、当該効果は、ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である場合により一層発揮される。
また、本実施形態において、ポリエチレングリコールは、後述の着色顔料の分散剤として作用する。具体的には、ポリエチレングリコールは、例えば、着色顔料をポリアセタール樹脂組成物に混合し、押出し機により造粒する際に、着色顔料の分散剤として作用する。その結果、ポリアセタール樹脂組成物から成形品(例えば、自動車部品)を得る際の成形金型汚染を防止することができ、また成形品(例えば、自動車部品)の外観も良好となる。ポリエチレングリコールは、ポリアセタール樹脂同士の摺動形態の場合に、音鳴きの防止にも有効である。本実施形態に用いるポリエチレングリコールの数平均分子量は、5,000以上25,000以下であり、5,000以上20,000以下であることが好ましく、10,000以上20,000以下であることがより好ましい。ポリエチレングリコールの数平均分子量が前記範囲内であると、ポリアセタール樹脂組成物は顔料分散性能と摺動性とのバランスが良好となる。
なお、本実施形態において、ポリエチレングリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、ポリエチレングリコールの含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部であり、0.1〜1質量部であることが好ましく、0.1〜0.5質量部であることがより好ましい。ポリエチレングリコールの含有量が前記範囲内であると、ポリアセタール樹脂組成物は着色性と機械物性や熱安定性とのバランスが良好となる。
[着色顔料]
本実施形態に用いる着色顔料としては、特に限定されないが、例えば、無機系顔料、有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料が挙げられる。着色顔料としては、無機系顔料および/または有機系顔料が好ましい。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されている無機系顔料をいう。無機系顔料の具体例としては、特に限定されないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックが挙げられる。有機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、縮合アゾ系、キノン系、フタロシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ペリレン系、ジオキサジン系の顔料が挙げられる。
これらの着色顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、着色顔料の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部であり、好ましくは0.01〜2質量部であり、より好ましくは0.01〜1.5質量部である。
[ヒンダードアミン系安定剤/紫外線吸収剤]
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含むことが好ましい。
〈ヒンダードアミン系安定剤〉
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部のヒンダードアミン系安定剤を含有することが好ましい。ヒンダードアミン系安定剤としては、特に限定されないが、例えば、立体障害性基を有するピペリジン誘導体が挙げられる。立体障害性基を有するピペリジン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体、エーテル基含有ピペリジン誘導体及びアミド基含有ピペリジン誘導体が挙げられる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、特定量のヒンダードアミン系安定剤を含むことにより、特に、流動性、成形体の耐衝撃性などの機械的特性、及び耐候性(光安定性)に優れたものとなる。
エステル基含有ピペリジン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アシルオキシピペリジン、芳香族アシルオキシピペリジン、脂肪族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステル、及び芳香族ジ、トリ又はテトラカルボン酸−ビス、トリス又はテトラキスピペリジルエステルが挙げられる。脂肪族アシルオキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC2-20脂肪族アシルオキシ−テトラメチルピペリジンが挙げられる。芳香族アシルオキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC7-11芳香族アシルオキシテトラメチルピペリジンが挙げられる。脂肪族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセパケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルなどのC2-20脂肪族ジカルボン酸−ビスピペリジルエステルが挙げられる。芳香族ジ、トリ又はテトラカルボン酸−ビス、トリス又はテトラキスピペリジルエステルの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレートなどの芳香族ジ又はトリカルボン酸−ビス又はトリスピペリジルエステルが挙げられる。上記の他にも、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートもエステル基含有ビペリジン誘導体として例示される。なお、本明細書において「Ca-b」は炭素数がa〜b(a、bは整数を示す。)であることを意味し、例えば「C2-20」は炭素数が2〜20であることを意味する。
エーテル基含有ピペリジン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、C1-10アルコキシピペリジン、C5-8シクロアルキルオキシピペリジン、C6-10アリールオキシピペリジン、C6-10アリール−C1-4アルキルオキシピペリジン、及びアルキレンジオキシビスピペリジンが挙げられる。C1-10アルコキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのC1-6アルコキシ−テトラメチルピペリジンが挙げられる。C5-8シクロアルキルオキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。C6-10アリールオキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。C6-10アリール−C1-4アルキルオキシピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。アルキレンジオキシビスピペリジンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタンなどのC1-10アルキレンジオキシビスピペリジンが挙げられる。
アミド基含有ピペリジン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのカルバモイルオキシピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメートなどのカルバモイルオキシ置換アルキレンジオキシ−ビスピペリジンが挙げられる。
また、ヒンダードアミン系安定剤として、特に限定されないが、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、並びに、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)−ジエタノールとの縮合物などの高分子量のピペリジン誘導体重縮合物を用いることもできる。
その他にも、ヒンダードアミン系安定剤として、特に限定されないが、例えば、N,N’,N’’,N’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒロドキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び、過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの反応生成物とシクロヘキサンとの反応生成物と、N,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)と、の反応生成物が挙げられる。
ヒンダードアミン系安定剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。 本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、ヒンダードアミン系安定剤の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部、更に好ましくは0.1〜1.5質量部である。ヒンダードアミン系安定剤の含有量を上記範囲に調整することで、ポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品(例えば、自動車部品)は、更に優れた外観を保持することが可能となる。
〈紫外線吸収剤〉
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。上記特定量の紫外線吸収剤を含有することにより、そのポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品(例えば、自動車部品)は、耐候性(光安定性)が向上する。紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、及びヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジン系化合物が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基とアルキル基(好ましくはC1-6アルキル基)置換アリール基とを有するベンゾトリアゾール類;2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基とアラルキル基又はアリール基置換アリール基とを有するベンゾトリアゾール類;2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのヒドロキシル基とアルコキシ基(好ましくはC1-12アルコキシ基)置換アリール基とを有するベンゾトリアゾール類が挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記の中でも、ヒドロキシル基とC3-6アルキル基置換C6-10アリール基(特にフェニル基)とを有するベンゾトリアゾール類、並びに、ヒドロキシル基とC6-10アリール−C1-6アルキル基(特にフェニルC1-4アルキル基)置換アリール基とを有するベンゾトリアゾール類が好ましい。
ベンゾフェノン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、複数のヒドロキシル基を有するベンゾフェノン類;ヒドロキシル基とアルコキシ基(好ましくはC1-16アルコキシ基)とを有するベンゾフェノン類が挙げられる。複数のヒドロキシル基を有するベンゾフェノン類の具体例としては、特に限定されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジ、トリ又はテトラヒドロキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどのヒドロキシル基とヒドロキシル置換アリール又はアラルキル基とを有するベンゾフェノン類が挙げられる。また、ヒドロキシル基とアルコキシ基とを有するベンゾフェノン類の具体例としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、上記の中でも、ヒドロキシル基とヒドロキシル基置換C6-10アリール基又はC6-10アリール−C1-4アルキル基とを有するベンゾフェノン類、特に、ヒドロキシル基とヒドロキシル基置換フェニルC1-2アルキル基とを有するベンゾフェノン類が好ましい。
シュウ酸アニリド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミドが挙げられる。
ヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、紫外線吸収剤の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部であり、更に好ましくは0.1〜1.5質量部である。
上記の中でも、ヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサビス[5,5’]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物が特に好ましく、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましく、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールが特に好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系安定剤とを含有することが好ましい。この場合、ヒンダードアミン系安定剤と紫外線吸収剤との割合は、前者/後者(質量比)で10/90〜80/20が好ましく、より好ましくは10/90〜70/30、更に好ましくは20/80〜60/40の範囲である。
[添加剤]
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、用途に応じて適当な添加剤を配合することができる。具体的には、添加剤として、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物、蟻酸捕捉剤、離型剤等が挙げられる。
なお、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物において、各添加剤の配合量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.8質量部、より好ましくは0.01〜0.7質量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。上記の中でも好ましい酸化防止剤は、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物]
ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物は、ホルムアルデヒドと反応可能な窒素原子を分子内に有する重合体又は化合物(単量体)である。その具体例としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12が挙げられる。また、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。より具体的には、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。さらに、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、特に限定されないが、例えば、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物が挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジンが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。尿素誘導体としては、特に限定されないが、例えば、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物が挙げられる。N−置換尿素の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素が挙げられる。尿素縮合体の具体例としては、特に限定されないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントインが挙げられる。ウレイド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、アラントインが挙げられる。イミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドが挙げられる。
これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を有する重合体又は化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[蟻酸捕捉剤]
蟻酸捕捉剤は蟻酸を効率的に中和し得るものであり、特に限定されないが、例えば、上記のアミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
また、蟻酸捕捉剤として、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。具体的には、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム若しくはバリウムなどの金属の水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。上記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水素原子が水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩の具体的な例としては、特に限定されないが、例えば、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられる。これらの中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、珪酸マグネシウムが挙げられる。
[離型剤]
離型剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステルが好ましく用いられるが、特に好ましい離型剤としては、エチレングリコールジステアレートが挙げられる。
[その他の添加剤]
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、無機充填剤、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
[無機充填剤]
無機充填剤としては、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の無機充填剤が挙げられる。繊維状無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などの金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も繊維状無機充填剤として例示される。
粉粒子状無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトのような珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナのような金属酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような金属硫酸塩、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられる。
板状無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔が挙げられる。中空状無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーンが挙げられる。これらの無機充填剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの無機充填剤は表面処理を施されていても施されていなくてもよいが、成形表面の平滑性、機械的特性の観点から表面処理を施されたものが好ましい場合がある。無機充填剤の表面処理に用いられる表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。表面処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が挙げられる。より具体的には、表面処理剤として、特に限定されないが、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネートが挙げられる。
なお、無機充填剤に加えて/代えて、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状物質が用いられてもよい。
[結晶核剤]
結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素、タルク等が挙げられる。
[導電剤]
導電剤としては、特に限定されないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
[熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー]
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物も熱可塑性樹脂に含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
≪ポリアセタール樹脂組成物の製造方法≫
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法は特に限定されない。例えば、上記ポリアセタール樹脂、ヒドラジド化合物、ポリエチレングリコールおよび着色顔料、さらに必要に応じてヒンダードアミン系安定剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤をヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで予め混合して、1軸または多軸混錬押出機等を用いて溶融混錬する製造方法など、ポリアセタール樹脂組成物の製造方法として一般的に知られている方法が挙げられる。ポリアセタール樹脂組成物を溶融混錬する際の押出機として、減圧装置を備えた2軸混練押出機を用いる方法が好ましい。
また、上記各成分を予め混合することなく、定量フィーダーなどで各成分を単独または数種類ずつまとめて押出機に連続供給することにより、押出機内にて原料組成物を得て、その原料組成物からポリアセタール樹脂組成物を製造することも可能である。
また、予め上記各成分からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、押出溶融混練時または射出成形時に更に上記ポリアセタール樹脂で希釈することによりポリアセタール樹脂組成物を得ることもできる。
≪成形品≫
本実施形態の成形品は、上述のポリアセタール樹脂組成物を含む。また、本実施形態の成形品は、自動車部品であることが好ましい。さらに、本実施形態の成形品は、意匠性が要求される自動車内装部品または自動車機構部品であることが好ましい。
前記自動車部品としては、ドア、サンルーフ、シートベルト、スイッチ、クリップ、シート、ステアリングからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本実施形態の成形品(例えば、自動車部品)は、VDA275により算出されるホルムアルデヒド発生量が2mg/kg以下であることが好ましく、1mg/kg以下であるより好ましい。なお、本実施形態において、ホルムアルデヒド発生量は、以下のVDA275により算出される値である。
(VDA275)
まず、ポリエチレン容器に蒸留水50mLと試験片とを収容して密閉する。次いで、ポリエチレン容器を60℃で3時間加熱後、蒸留水中に発生したホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させる。得られた反応物を対象としてUV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、前記試験片1kg当たりのホルムアルデヒドの発生量(mg/kg)を算出する。
≪成形品の製造方法≫
本実施形態の成形品(例えば、自動車部品)を製造する方法は特に限定されず、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法のいずれかによって上述のポリアセタール樹脂組成物を成形する方法が挙げられる。
本実施形態の成形品(例えば、自動車部品)の製造方法において、特に部品の意匠面にシボ加工が施されたり、部品にリブが配置されたり、肉厚が不均一である部品を製造する場合であっても、上述のポリアセタール樹脂組成物を用いているので、耐モールドデポジット性に優れ、連続成形した後のホルムアルデヒド発生量が少ない。さらには、得られる成形品(例えば、自動車部品)は、紫外線照射時におけるホルムアルデヒド発生量の抑制に優れる。
次に、実施例および比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施列および比較例における各種物性の測定および評価は次のようにして行った。
(1)メルトフローレート
ASTM−D1238に準じて、190℃、2169gの条件下でメルトフローレートを測定した。
(2)ホルムアルデヒドガス発生量の評価(VDA275法)
下記実施例および比較例で得られたペレットを、射出成形機(東芝機械社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、射出時間15秒、冷却時間20秒、金型温度77℃の条件で成形して平板の試験片(縦130mm×横110mm×厚み3mm)を作製し、下記方法(VDA275法)により、試験片から発生するホルムアルデヒド量を求めた。
但し、後述のポリアセタール樹脂(a−1)にて上記成形条件でフルショットになるように射出圧力を調整し、後述のポリアセタール樹脂(a−2)および(a−3)のように、原料のポリアセタール樹脂のメルトフローレートが異なる場合は、成形品重量が同等になるように、射出圧力を調整した。
上記成形した試験片は、23℃、湿度50%で管理された部屋で24時間放置し、その後、ポリエチレン袋に入れた後、アルミ袋内に収納しシールして保存した。
(VDA275法)
VDA275法では、1Lのポリエチレン容器に蒸留水50mLと上記方法で作成した試験片を規定されたサイズ(縦100mm×横40mm×厚み3mm)に切削したものとを入れて密閉し、60℃で3時間加熱した。その後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させた。その反応物について、UV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、前記試験片1kg当たりのホルムアルデヒド発生量(mg/kg)を求めた。
(3)耐モールドデポジット(MD)性の評価
東洋機械金属(株)製Ti−30G射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出時間10秒、冷却時間5秒、金型温度30℃で、下記実施例および比較例で得られたペレットから、最大長さ25mm×幅14mm×厚み2mmの楔形状の成形品を連続的に成形し、1000ショット実施後、金型に付着しているモールドデポジットの状態を肉眼で観察し次の判定基準に従って評価した。
「A」:MDが認められなかった。
「B」:うっすらとMDが認められた。
「C」:明らかなMDが認められた。
但し、後述のポリアセタール樹脂(a−1)にて上記成形条件でフルショットになるように射出圧力を調整し、後述のポリアセタール樹脂(a−2)および(a−3)のように、原料のポリアセタール樹脂のメルトフローレートが異なる場合は、成形品重量が同等になるように、射出圧力を調整した。
(4)顔料分散性の評価
前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品を用い、プレス成形機を使用してプレス成型を行い、0.3mmのプレス成形品を得た。
各サンプル5枚のプレス成形品を目視で観察し、0.1mm以上の顔料塊の数を測定し、平均値を求めた。
(5)ブリードアウト性の評価
前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品を用い、80℃、95%の恒温・恒湿槽の中に48時間放置後の成形品の表面観察を行い、ブリード物の有無を観察した。
(6)耐候性試験でのクラックの評価
スーパーキセノンウエザーメーター(商品名「XAL−2WL」、スガ試験機(株)製)を用いて、立ち上がり波長320nm、試料面光強度162w/m2(光強度制御300〜400nm)、ブラックパネル温度89℃、明暗サイクルなしの条件で、前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品に1000時間光照射し、試験後に成形品表面を目視で観察し、クラックが発生有無を確認した。
[ポリアセタール樹脂組成物の原料成分]
実施例および比較例において、ポリアセタール樹脂組成物の原料成分には下記の成分を用いた。
〈ポリアセタール樹脂(a−1)〉
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。次いで、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/hr(トリオキサン1molに対して、0.039mol)、連鎖移動剤としてメチラール(水分量1.3%、メタノール量0.99%)をトリオキサン1molに対して1.50×10-3molの割合で前記重合機に連続的に添加した。さらに、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molの割合で前記重合機に連続的に添加し重合を行った。
重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行った。重合触媒が失活したポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過して分離回収した。その後、分離回収したポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート含有水溶液1質量部を添加して、均一に混合し、さらに120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調節は、添加する水酸化コリン蟻酸塩含有水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。具体的には上記式(ロ)で表わされる水酸化コリン蟻酸塩由来の窒素の量に換算して20質量ppmとなる量の水酸化コリン蟻酸塩を添加した。
乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中で溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分間で不安定末端部の分解除去処理を行った。
不安定末端部が分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下で脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出され、ペレット化した。こうしてペレット化したポリアセタール樹脂(a−1)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(a−1)のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。また、ポリアセタール樹脂(a−1)について、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC7」)を用いて200℃まで速度320℃/分で昇温し、200℃で2分間保持した後に、速度10℃/分で100℃まで降温し、その後、昇温速度2.5℃/分で測定した融点(以下同様。)は165℃であった。
〈ポリアセタール樹脂(a−2)〉
メルトフローレートが1.5g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−2)を得て、その物性を測定した。得られたポリアセタール樹脂(a−2)の融点は165℃であった。また、ポリアセタール樹脂(a−2)のメルトフローレートは、1.5g/10分であった。
〈ポリアセタール樹脂(a−3)〉
メルトフローレートが0.9g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−3)を得て、その物性を測定した。得られたポリアセタール樹脂(a−3)の融点は165℃であった。また、ポリアセタール樹脂(a−3)のメルトフローレートは、0.8g/10分であった。
〈ポリアセタールホモポリマー樹脂(b−1)〉
図1に示すような撹拌機を付帯したジャケット付き5Lタンク重合器を用い、ポリアセタールホモポリマーを製造した。
図1において、(a)は撹拌翼付帯撹拌用モータ、(b)はジャケット付反応器、(c)はスラリー循環ポンプ、(1)はホルムアルデヒドガスの供給、(2)は連鎖移動剤および重合溶媒の供給、(3)は重合触媒の供給、(4)はスラリー採取を表す。
ジャケット付反応器(b)にn−ヘキサンを2L満たし、循環ラインを設けた。ラインの長さは6φ×2.5mとし、スラリー循環ポンプ(c)により20L/hrで循環させた。
反応器(b)の中に脱水したホルムアルデヒドガス200g/hrを(1)より直接供給した。重合触媒(ジメチルジステアリルアンモニウムアセテート)は反応器直前の(3)より循環ラインに供給し、連鎖移動剤(無水酢酸)は次工程に抜いていくスラリー分を補うためのヘキサンに添加し、(2)より連続的にフィードしながら、58℃で重合を行い、粗ポリマーを含む重合スラリーを得た。添加する重合触媒と連鎖移動剤は、最終製品である組成物のメルトフローレート(MFR)に応じて調整した。
得られたスラリーをヘキサンと無水酢酸との1対1混合物中で140℃×2時間反応させ、分子末端をアセチル化することにより安定化を行った。反応後のポリマーを濾取、2mmHg以下に減圧し、80℃に設定した減圧乾燥機で3時間かけて乾燥を行い、ポリアセタールホモポリマー樹脂(b−1)のパウダーを得た。
得られたポリアセタールホモポリマー樹脂(b−1)のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。
また、得られたポリアセタール樹脂(b−1)の融点は175℃であった。
〈ヒドラジド化合物〉
・セバシン酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
・アジピン酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
・ドデカン二酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
〈ポリエチレングリコール〉
・数平均分子量が6,000のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が400のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が20,000のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が30,000のポリエチレングリコール(日油株式会社製、製品名:SUNBRIGHTシリーズ)
なお、本実施例において、ポリエチレングリコールの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
〈着色顔料〉
・アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、製品名:デンカブラック)
〈ヒンダードアミン系安定剤〉
・BASFジャパン株式会社製、製品名:チヌビン234
〈紫外線吸収剤〉
・BASFジャパン株式会社製、製品名:チヌビン770
[ベント付2軸押出機]
実施例および比較例において、ベント付2軸押出機として東芝機械社製TEM26SSを用いた。
[実施例1〜9]
表1に示した種類および割合で、ポリアセタール樹脂、ヒドラジド化合物、ポリエチレングリコール、着色顔料およびその他の添加剤をヘンシェルミキサーにて1分間混合し原料組成物を得た。得られた原料組成物を、200℃に設定したベント付きスクリュー型二軸押出機(プラスチック工業(株)社製 BT−30、L/D=44)にてスクリュー回転数100rpmとし、24アンペアで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。なお、原料投入からペレット採取まで、できるだけ酸素の混入を避けて操作を行った。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐MD性および耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、実施例1〜7および実施例9で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。また、同様に実施例8で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを測定したところ、1.5g/10分であった。
[比較例1]
表1に示すとおり、原料としてヒドラジド化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐MD性および耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、比較例1で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。
[比較例2]
表1に示すとおり、原料としてポリエチレングリコール(顔料分散剤)を添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、比較例2で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。
[比較例3]
表1に示すとおり、原料のポリエチレングリコール(顔料分散剤)の添加量を変更した以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐MD性および耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、比較例3で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。
[比較例4および5]
表1に示すとおり、原料のポリエチレングリコール(顔料分散剤)として数平均分子量の異なるポリエチレングリコール(顔料分散剤)を用いた以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐MD性および耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、比較例4および5で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で2.8g/10分であった。
[比較例6]
表1に示すとおり、原料のポリアセタール樹脂として、ポリアセタール樹脂(a−3)を用いた以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、ホルムアルデヒドガス発生量、顔料分散性、ブリードアウト性、耐MD性および耐候性の各評価を行った。結果を表2に示す。
また、比較例6で得られたポリアセタール樹脂組成物のメルトフローレートを、上述のとおりASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で0.9g/10分であった。
表に示す結果より、本実施例で得られたポリアセタール樹脂組成物は、着色顔料の分散を向上させることにより、偏肉成形品で意匠性を要求され、かつ衝撃性も同時に要求される製品に適用した場合、優れた外観を得ることができ、同時に耐候試験後のクラック発生を抑制することができることがわかった。さらには、本実施例で得られたポリアセタール樹脂組成物は、高温・高湿環境下での成形品表面の添加剤等のブリードアウトを抑えることができ、射出成形時における金型内でのMDの蓄積の抑制効果に優れることがわかった。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、上述のとおり、ホルムアルデヒド発生量を大幅に抑制でき、顔料分散剤の適量添加により、長期耐候性と製品の外観とを保持することが可能である。
そのため、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、例えば、自動車用シートベルトのプレスボタンやサンバイザーブラケットや内装クリップ部品のような低VOC性と長期に渡る耐候性および衝撃性、さらには意匠面での高外観性とを要求される部品に適用する場合、その効果を最大限に発揮する。さらに、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、射出成形時における金型内でのMDの蓄積を抑制するができる自動車用の良外観内装部品を提供できる。
(a):撹拌翼付帯撹拌用モータ、(b):ジャケット付反応器、(c):スラリー循環ポンプ、(1):ホルムアルデヒドガスの供給、(2):連鎖移動剤および重合溶媒の供給、(3):重合触媒の供給、(4):スラリー採取

Claims (4)

  1. メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
    ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
    数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
    着色顔料0.01〜5質量部、
    を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、
    前記着色顔料が、無機系顔料および/または有機系顔料であり、
    前記無機系顔料が、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
    ポリアセタール樹脂組成物
  2. 該ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含有する、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物を含む成形品。
  4. 該成形品が自動車部品である、請求項に記載の成形品。
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