JP6267478B2 - 自動車内装部品 - Google Patents
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Description
[1]
メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
着色顔料0.01〜5質量部、
を含有するポリアセタール樹脂組成物。
[2]
該着色顔料が、無機系顔料および/または有機系顔料である、[1]に記載のポリアセタール樹脂組成物。
[3]
該無機系顔料が、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[2]に記載のポリアセタール樹脂組成物。
[4]
該ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物を含む成形品。
[6]
該成形品が自動車部品である、[5]に記載の成形品。
[7]
ポリアセタール樹脂および着色顔料を含むポリアセタール樹脂組成物の、成形品外観と成形金型汚染防止性とを向上させるための、ポリエチレングリコールの利用。
[8]
ポリエチレングリコールの数平均分子量が5,000以上25,000以下である、[7]に記載のポリエチレングリコールの利用。
[9]
ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である、[7]または[8]に記載のポリエチレングリコールの利用。
本実施形態に係るポリアセタール樹脂組成物は、
メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
着色顔料0.01〜5質量部、
を含有する。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂としては、従来知られているものであれば特に限定されず、例えば、ポリアセタールホモポリマーおよびポリアセタールコポリマーが挙げられる。
ここで、式(イ)中、Ra、Rb、RcおよびRdは、各々独立して、炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基の少なくとも1個の水素原子が炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;炭素数6〜20のアリール基の少なくとも1個の水素原子が炭素数1〜30の置換または非置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、置換または非置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、またはアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基はその水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは水酸基、または炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。
ここで、式(ロ)中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を示し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。
本実施形態に用いるヒドラジド化合物は、窒素原子間の単結合を有するヒドラジン構造(N−N)を有する化合物であれば特に限定されず、例えばヒドラジン;ヒドラジン水和物;コハク酸モノヒドラジド、グルタル酸モノヒドラジド、アジピン酸モノヒドラジド、ピメリン酸モノヒドラジド、スペリン酸モノヒドラジド、アゼライン酸モノヒドラジド、セバシン酸モノヒドラジド等のカルボン酸モノヒドラジド;蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド等の飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等の芳香族カルボン酸ジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド;トリマー酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ベンゼントリカルボン酸トリヒドラジド、ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド等のトリヒドラジド;ピロメリット酸テトラヒドラジド、ナフトエ酸テトラヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド等のテトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジンまたはヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラート)と反応させてなるポリヒドラジド等のポリヒドラジド;炭酸ジヒドラジド;ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートおよびそれから誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジンおよび/または上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;上記ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類またはポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に、上記のいずれかのジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;上記多官能セミカルバジドと上記水系多官能セミカルバジドとの混合物;ビスアセチルジヒドラゾン等が挙げられる。中でも、カルボン酸ヒドラジドであることが好ましく、飽和脂肪族カルボン酸ヒドラジドであることがより好ましい。飽和脂肪族カルボン酸ヒドラジドの具体例としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸モノヒドラジド、グルタル酸モノヒドラジド、アジピン酸モノヒドラジド、ピメリン酸モノヒドラジド、スペリン酸モノヒドラジド、アゼライン酸モノヒドラジド、セバシン酸モノヒドラジド等のカルボン酸モノヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドが挙げられる。
本実施形態において、ポリエチレングリコールは、ポリアセタール樹脂および着色顔料を含むポリアセタール樹脂組成物の、成形品外観と成形金型汚染防止性とを向上させるために利用する。当該効果は、ポリエチレングリコールの数平均分子量が5,000以上25,000以下である場合により発揮される。また、当該効果は、ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが1.0〜5.0g/10分である場合により一層発揮される。
本実施形態に用いる着色顔料としては、特に限定されないが、例えば、無機系顔料、有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料が挙げられる。着色顔料としては、無機系顔料および/または有機系顔料が好ましい。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されている無機系顔料をいう。無機系顔料の具体例としては、特に限定されないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックが挙げられる。有機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、縮合アゾ系、キノン系、フタロシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ペリレン系、ジオキサジン系の顔料が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含むことが好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部のヒンダードアミン系安定剤を含有することが好ましい。ヒンダードアミン系安定剤としては、特に限定されないが、例えば、立体障害性基を有するピペリジン誘導体が挙げられる。立体障害性基を有するピペリジン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体、エーテル基含有ピペリジン誘導体及びアミド基含有ピペリジン誘導体が挙げられる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、特定量のヒンダードアミン系安定剤を含むことにより、特に、流動性、成形体の耐衝撃性などの機械的特性、及び耐候性(光安定性)に優れたものとなる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。上記特定量の紫外線吸収剤を含有することにより、そのポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品(例えば、自動車部品)は、耐候性(光安定性)が向上する。紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、及びヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジン系化合物が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、用途に応じて適当な添加剤を配合することができる。具体的には、添加剤として、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物、蟻酸捕捉剤、離型剤等が挙げられる。
酸化防止剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。上記の中でも好ましい酸化防止剤は、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物は、ホルムアルデヒドと反応可能な窒素原子を分子内に有する重合体又は化合物(単量体)である。その具体例としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12が挙げられる。また、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。より具体的には、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。さらに、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、特に限定されないが、例えば、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物が挙げられる。
蟻酸捕捉剤は蟻酸を効率的に中和し得るものであり、特に限定されないが、例えば、上記のアミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
離型剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステルが好ましく用いられるが、特に好ましい離型剤としては、エチレングリコールジステアレートが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、無機充填剤、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
無機充填剤としては、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の無機充填剤が挙げられる。繊維状無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などの金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も繊維状無機充填剤として例示される。
結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素、タルク等が挙げられる。
導電剤としては、特に限定されないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物も熱可塑性樹脂に含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法は特に限定されない。例えば、上記ポリアセタール樹脂、ヒドラジド化合物、ポリエチレングリコールおよび着色顔料、さらに必要に応じてヒンダードアミン系安定剤、紫外線吸収剤等の他の添加剤をヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで予め混合して、1軸または多軸混錬押出機等を用いて溶融混錬する製造方法など、ポリアセタール樹脂組成物の製造方法として一般的に知られている方法が挙げられる。ポリアセタール樹脂組成物を溶融混錬する際の押出機として、減圧装置を備えた2軸混練押出機を用いる方法が好ましい。
本実施形態の成形品は、上述のポリアセタール樹脂組成物を含む。また、本実施形態の成形品は、自動車部品であることが好ましい。さらに、本実施形態の成形品は、意匠性が要求される自動車内装部品または自動車機構部品であることが好ましい。
まず、ポリエチレン容器に蒸留水50mLと試験片とを収容して密閉する。次いで、ポリエチレン容器を60℃で3時間加熱後、蒸留水中に発生したホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させる。得られた反応物を対象としてUV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、前記試験片1kg当たりのホルムアルデヒドの発生量(mg/kg)を算出する。
本実施形態の成形品(例えば、自動車部品)を製造する方法は特に限定されず、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法のいずれかによって上述のポリアセタール樹脂組成物を成形する方法が挙げられる。
ASTM−D1238に準じて、190℃、2169gの条件下でメルトフローレートを測定した。
下記実施例および比較例で得られたペレットを、射出成形機(東芝機械社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、射出時間15秒、冷却時間20秒、金型温度77℃の条件で成形して平板の試験片(縦130mm×横110mm×厚み3mm)を作製し、下記方法(VDA275法)により、試験片から発生するホルムアルデヒド量を求めた。
VDA275法では、1Lのポリエチレン容器に蒸留水50mLと上記方法で作成した試験片を規定されたサイズ(縦100mm×横40mm×厚み3mm)に切削したものとを入れて密閉し、60℃で3時間加熱した。その後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させた。その反応物について、UV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、前記試験片1kg当たりのホルムアルデヒド発生量(mg/kg)を求めた。
東洋機械金属(株)製Ti−30G射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出時間10秒、冷却時間5秒、金型温度30℃で、下記実施例および比較例で得られたペレットから、最大長さ25mm×幅14mm×厚み2mmの楔形状の成形品を連続的に成形し、1000ショット実施後、金型に付着しているモールドデポジットの状態を肉眼で観察し次の判定基準に従って評価した。
「A」:MDが認められなかった。
「B」:うっすらとMDが認められた。
「C」:明らかなMDが認められた。
前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品を用い、プレス成形機を使用してプレス成型を行い、0.3mmのプレス成形品を得た。
前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品を用い、80℃、95%の恒温・恒湿槽の中に48時間放置後の成形品の表面観察を行い、ブリード物の有無を観察した。
スーパーキセノンウエザーメーター(商品名「XAL−2WL」、スガ試験機(株)製)を用いて、立ち上がり波長320nm、試料面光強度162w/m2(光強度制御300〜400nm)、ブラックパネル温度89℃、明暗サイクルなしの条件で、前記(3)耐モールドデポジット性の評価で成形した成形品に1000時間光照射し、試験後に成形品表面を目視で観察し、クラックが発生有無を確認した。
実施例および比較例において、ポリアセタール樹脂組成物の原料成分には下記の成分を用いた。
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。次いで、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/hr(トリオキサン1molに対して、0.039mol)、連鎖移動剤としてメチラール(水分量1.3%、メタノール量0.99%)をトリオキサン1molに対して1.50×10-3molの割合で前記重合機に連続的に添加した。さらに、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molの割合で前記重合機に連続的に添加し重合を行った。
メルトフローレートが1.5g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−2)を得て、その物性を測定した。得られたポリアセタール樹脂(a−2)の融点は165℃であった。また、ポリアセタール樹脂(a−2)のメルトフローレートは、1.5g/10分であった。
メルトフローレートが0.9g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−3)を得て、その物性を測定した。得られたポリアセタール樹脂(a−3)の融点は165℃であった。また、ポリアセタール樹脂(a−3)のメルトフローレートは、0.8g/10分であった。
図1に示すような撹拌機を付帯したジャケット付き5Lタンク重合器を用い、ポリアセタールホモポリマーを製造した。
・セバシン酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
・アジピン酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
・ドデカン二酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製)
・数平均分子量が6,000のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が400のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が20,000のポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製、製品名:マクロロゴール)
・数平均分子量が30,000のポリエチレングリコール(日油株式会社製、製品名:SUNBRIGHTシリーズ)
・アセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、製品名:デンカブラック)
・BASFジャパン株式会社製、製品名:チヌビン234
・BASFジャパン株式会社製、製品名:チヌビン770
実施例および比較例において、ベント付2軸押出機として東芝機械社製TEM26SSを用いた。
表1に示した種類および割合で、ポリアセタール樹脂、ヒドラジド化合物、ポリエチレングリコール、着色顔料およびその他の添加剤をヘンシェルミキサーにて1分間混合し原料組成物を得た。得られた原料組成物を、200℃に設定したベント付きスクリュー型二軸押出機(プラスチック工業(株)社製 BT−30、L/D=44)にてスクリュー回転数100rpmとし、24アンペアで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。なお、原料投入からペレット採取まで、できるだけ酸素の混入を避けて操作を行った。
表1に示すとおり、原料としてヒドラジド化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
表1に示すとおり、原料としてポリエチレングリコール(顔料分散剤)を添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
表1に示すとおり、原料のポリエチレングリコール(顔料分散剤)の添加量を変更した以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
表1に示すとおり、原料のポリエチレングリコール(顔料分散剤)として数平均分子量の異なるポリエチレングリコール(顔料分散剤)を用いた以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
表1に示すとおり、原料のポリアセタール樹脂として、ポリアセタール樹脂(a−3)を用いた以外は実施例2と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
Claims (4)
- メルトフローレートが1.0〜5.0g/10分のポリアセタール樹脂100質量部、
ヒドラジド化合物0.01〜5質量部、
数平均分子量が5,000以上25,000以下のポリエチレングリコール0.01〜1質量部、および
着色顔料0.01〜5質量部、
を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、
前記着色顔料が、無機系顔料および/または有機系顔料であり、
前記無機系顔料が、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、およびランプブラックからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
ポリアセタール樹脂組成物。 - 該ポリアセタール樹脂100質量部に対して、ヒンダードアミン系安定剤0.01〜5質量部および/または紫外線吸収剤0.01〜5質量部、を更に含有する、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物を含む成形品。
- 該成形品が自動車部品である、請求項3に記載の成形品。
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