JP6498164B2 - ポリオキシメチレン製連結部品 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオキシメチレン樹脂製の成形体に関し、とりわけ、バックル、カン等の連結部品として用いるのに適した成形体に関する。
ポリオキシメチレン樹脂は、バランスのとれた機械的性質と優れた耐摩耗性を持つエンジニアリング樹脂として、自動車、OA機器などの機構部品や、ファスナーやバックル、カンなどの衣料用部品など広範囲に用いられている。
ポリオキシメチレン樹脂を用いた連結部品としては、例えば、特定のポリオキシメチレン樹脂からなるバックル成形品(例えば、特許文献1参照)、特定のポリオキシメチレン樹脂組成物からなる外装用連結部品(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開2004−238440号公報 特開2013−40225号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に開示された連結部品は、早い速度での瞬間的な引張負荷に対する強度は充分とはいえず、また、フローマークの発生により、その外観は充分な意匠性を有しているとはいえない。
そこで、本発明は、優れた破壊強度と意匠性を持ったポリオキシメチレン樹脂製成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリオキシメチレン樹脂製成形体において、引張速度200mm/minの速度で両端から引張って破壊させたときの破断面に形成されたリバーパターンの起点の長径が特定の範囲に入るものは、破壊強度と外観のバランスに優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。[1]ポリオキシメチレン樹脂と顔料を含み、
引張速度200mm/minの速度で両端から引張って破壊させたときの破断面に形成されたリバーパターンの起点の長径が10〜200μmである、成形体。
[2]前記ポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)値が、13〜17g/10minである、[1]に記載の成形体。
[3]前記ポリオキシメチレン樹脂が、オキシエチレン単位(−CH2CH2O−)をオキシメチレン単位(−CH2O−)に対して0.1〜1.2モル%含む、[1]又は[2]に記載の成形体。
[4]連結部品である、[1]〜[3]いずれかに記載の成形体。
本発明によれば、優れた破壊強度と意匠性を持ったポリオキシメチレン樹脂製連結部品を提供することが出来る。
図1は、リバーパターンの起点の観察例である。 図2は、バックル部品の一例のイメージ図である。 図3は、カン部品の一例である小判カンのイメージ図である。 図4は、カン部品の一例であるDカンのイメージ図である。 図5は実施例で成形した小判カンの概略寸法図である。
本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、以下詳細に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[ポリオキシメチレン樹脂]
本実施形態においてポリオキシメチレン樹脂とは、オキシメチレン(−CH2O−)単位を繰り返し単位として有する高分子化合物であり、ホルムアルデヒド(トリオキサン)の単独重合体、共重合体いずれであってもよいが、特に、共重合体であることが好ましい。
このようなポリオキシメチレン共重合体樹脂の製造方法に限定はないが、例えば、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンとオキシアルキレンを、重合触媒の存在下で反応させる事によって得る事ができる。
本実施形態においては、オキシアルキレンとして、環状エーテル或いは環状ホルマールを用いることが好ましい。環状エーテルまたは環状ホルマールの例としてはエチレンオキシド、1.3−ジオキソラン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エチレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1.3−プロパンジオールホルマール、1.4−ブタンジオールホルマール、1.5−ペンタンジオールホルマール、1.6−へキサンジオールホルマール等を挙げる事ができる。
また重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性な触媒を用いることができる。ルイス酸としては、例えばホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的な例としては、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸及びそのエステル又は無水物の具体的な例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
重合に際して、連鎖移動剤を添加し、その添加量によって、得られるポリオキシメチレン共重合体樹脂の分子量やメルトフローレートを調整してもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒドのジアルキルアセタール及びそのオリゴマー;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノール等の低級脂肪族アルコールなどが挙げられる。ホルムアルデヒドのジアルキルアセタールのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル等の低級脂肪族アルキル基であることが好ましい。
重合に用いられる重合装置は、バッチ式、連続式のいずれでも良く、バッチ式重合装置としては、一般式に用いられる攪拌機付きの反応槽が使用できる。連続式重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機等のセルフクリーニング型混合機が使用可能である。重合温度は60〜200℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃の温度範囲である。また、重合時間は特に制限はないが、好ましくは10秒〜100分の範囲である。
上記のように得られた重合体は、重合体中に含有する触媒により解重合を起こすため、残存の触媒を失活することが好ましい。失活方法としては、得られた重合体を塩基性中和剤を含む水溶液中又は有機溶媒中に投入する方法が挙げられる。塩基性中和剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化カルシウム等が挙げられ、又有機溶媒としてはn−ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
失活温度は20〜90℃が好ましく、より好ましくは30〜60℃の範囲である。又失活時間は5分〜200分の範囲であることが好ましい。又、触媒をより完全に失活するために、重合体を粉砕する事も可能である。
上記の失活方法により得られた重合体が不安定な末端水酸基を有する場合には、例えばトリエチルアミン水溶液などの塩基性物質と加熱処理をする事によって不安定部分を分解除去する。
本実施形態において、成形体はポリオキシメチレン樹脂と顔料のみからなるものであってもよいし、さらに必要に応じて従来公知の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、顔料や、窒化ホウ素、炭酸カルシウムに代表される核剤、ポリアルキレングリコールやグリセリンステアレートに代表される帯電防止剤、エチレンビスステアリン酸アミドに代表される潤滑剤、紫外線吸収剤、耐候(光)安定剤等、従来からポリオキシメチレン樹脂に添加されている各種添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態において、ポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)値は5〜40g/10minであることが好ましく、13〜17g/10minであることがより好ましい。
流動性不足による成形性の困難さを考慮すると、ポリオキシメチレン樹脂のMFR値は5g/10min以上であることが好ましく、一方、成形体の靭性不足による破壊強度の低下を考慮すると、40g/10min以下であることが好ましい。
また、本実施形態においては、ポリオキシメチレン樹脂は、1,3−ジオキソラン由来のオキシアルキレン単位にあたるオキシエチレン単位(−CH2CH2O−)を、オキシメチレン単位(−CH2O−)に対して0.1〜2.0モル%含むことが好ましく、0.1〜1.2モル%含むことがより好ましい。 ポリオキシメチレン樹脂中のオキシエチレン単位は、成形体の破壊強度の低下を考慮すると0.1モル%以上であることが好ましく、一方、成形時に発生するホルムアルデヒドや、得られたポリオキシメチレン樹脂の結晶化度の低下を考慮すると2.0モル%以下であることが好ましい。
[顔料]
本実施形態において顔料に特に限定はなく、例えば、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が具体例として挙げられる。
無機系顔料としては、樹脂の着色に一般的に使用されているものが挙げられる。無機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等が挙げられる。
有機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料等が挙げられる。
本実施形態において、成形材料に顔料を添加する方法に限定はなく、例えば、予めポリオキシメチレン樹脂(ペレット)と顔料、さらに必要に応じて添加される添加物を溶融混練して所望の顔料濃度を有するペレットを作成し、該ペレットを用いて成形を行ってもよいし、樹脂と顔料と必要に応じてその他の添加剤からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、成形時にこれをポリオキシメチレン樹脂で希釈してもよい。コストや熱履歴の観点から高濃度マスターバッチを用いる方法が好ましい。
なお、高濃度マスターバッチを調製する際に用いる樹脂は、ポリオキシメチレン樹脂には限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましく、具体例としては、ポリオキシメチレンの他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
高濃度マスターバッチ中の顔料の含有量に限定はないが、例えば、樹脂100質量部に対して、10〜50質量%とすることができる。
本実施形態において、成形体中の顔料の配合割合は、成形体を構成する樹脂組成物の色調に応じて定めてもよく、例えば、ポリオキシメチレン樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部としてよい。
[成形体の特性]
本実施形態の成形体は、その両端にテープを取り付け、引張速度200mm/minの速度で両端から引張り破壊させたときの、破断面のリバーパターンの起点の長径が10〜200μmである。
当該起点の長径は30〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい当該起点の長径を上記範囲内とすることにより、破壊強度に優れ、フローマーク等が少なく、意匠性に優れたポリオキシメチレン樹脂製成形体とすることができる。
ここで、本実施形態における「リバーパターン」とは、脆性破壊の破断面に特長的に見られる、破壊の起点を中心として放射状に形成される破面模様のことをいう。破面模様はSEM等により観察することができる。また、「起点」とは、リバーパターンが集中している部位に存在する略楕円状の凸部又は凹部のことをいう。なお、起点の周辺部分には微小延性領域と呼ばれる楕円状の延性破壊領域が存在する場合があるが、これは起点には含まれない。さらに、起点の「長径」とは、起点に外接する長方形のうち面積が最小の長方形の長辺の長さとする。
リバーパターンの起点及び微小延性領域の具体例を図1に示す。
リバーパターンの起点の長径は、例えば、成形材料への顔料の添加方法や成形方法により調整することができる。
具体的には、成形材料に顔料を添加する際の顔料の練り込みを弱くする(混練を十分に行わない)こと、成形材料への顔料の添加を高濃度マスターバッチを用いて行う、あるいは、成形を高い射出速度での射出成形で行うなどにより、10〜200μmの範囲内とすることができる。
顔料の練りこみを弱くする手段としては、押出機を用いて混練を行う際のスクリュー回転数や吐出量を低めに設定する、混練温度を高めに設定する、スクリューパーツとして弱練型のパーツを用いる、等の方法が挙げられる。
〔高濃度マスターバッチの製造方法〕
本実施形態において、高濃度マスターバッチは、上述した樹脂及び顔料と、必要に応じてその他の添加剤を混合することにより製造することができる。
混合の際には、1軸又は多軸混練押出機等を用いることができ、特に、減圧装置を備えた2軸押出機を好ましく用いることができる。
混練温度は、ベース樹脂の溶融温度に応じて適宜決定することができ、ポリオキシメチレン樹脂を用いる場合は、目安としては140〜260℃の範囲、好ましくは180〜230℃の範囲、より好ましくは190〜210℃の範囲である。
高濃度マスターバッチを製造する方法としては、下記の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
(1)(A)ベース樹脂を押出機トップよりフィードし、更に(B)顔料、必要に応じてその他の添加剤を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
(2)(A)ベース樹脂の一部を押出機トップよりフィードし、更に(B)顔料、必要に応じてその他の添加剤と残りの(A)ベース樹脂を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
(3)(A)ベース樹脂を押出機トップよりフィードし、更に(B)顔料、必要に応じてその他の添加剤を定量フィーダー等でトップフィード口から添加して溶融混練する方法、
(4)(A)ベース樹脂と(B)顔料、必要に応じてその他の添加剤をヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで一括混合した後、押出機を用いて溶融混錬する方法が挙げられる。
〔成形方法〕
本実施形態において、成形体を得るための成形方法は特に限定はなく、各種の成形方法を採用することができる。
本実施形態においては、射出成形により成形体を得ることもでき、この場合、樹脂温度は180〜230℃の範囲が好ましく、190〜220℃の範囲であることがより好ましい。また、金型温度は30〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。
更に、リバーパターンの起点の長径を10〜200μmとする観点から、射出速度は1〜100mm/secの範囲の範囲が好ましい。より好ましくは10〜100mm/secの範囲、さらに好ましくは25〜100mm/secの範囲、なお好ましくは35〜80mm/secの範囲、特に好ましくは40〜60mm/secの範囲である。
[連結部品]
本実施形態の成形体は優れた破壊強度を有するので、各種部品に使用でき、特に、連結部品として使用するのに適している。
連結部品とは、2つ以上の部材を連結させるために用いられる部品をいい、代表的な例としてバックル部品とカン部品とが挙げられる。
バックル部品とは、衣料やカバン、スポーツ用バッグ、ショルダーバッグ、ナップサック等の鞄などにおけるテープや紐、ベルト等の着脱可能な連結に使用する部品であり、着脱方法によってサイドリリースタイプやフロントリリースタイプ等がある。
カン部品とは、環状の部品であって、2本以上のテープや紐、ベルト等を通してこれらを連結する部品であり、その形状により小判カン、Dカン、平カン、丸カン、角カン、三角カン、ナスカン、カニカン、Cカン、Sカン、タルカン、吊りカン、サルカン等に分類される。
連結部品の具体例のイメージを図2〜4に示す。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらは何等本発明を限定するものではない。
尚、実施例中の各種測定方法は、次の通りである。
A)ポリオキシメチレン樹脂中のオキシエチレン単位(CH2CH2O−)の定量方法
ポリオキシメチレン樹脂5gを125℃において1規定塩酸15mlで3時間加水分解した。これにより、オキシメチレン単位はホルムアルデヒドとなり、1,3−ジオキソラン由来のオキシエチレン単位(−CH2CH2O−)はエチレングリコールとなった。加水分解した後、苛性ソーダにて中和し水で希釈、濾過した。このろ液中のホルムアルデヒドとエチレングリコールをGC−MS及びGC(FID)にて定量し、オキシメチレン単位に対するオキシエチレン単位(CH2CH2O−)の量を求めた。GC−MS及びGC(FID)の条件は下記の通りとした。
a)GC−MS
カラム:TC−WAX(30m)
INJ温度:230℃ DET温度:250℃
b)GC(FID)
カラム:TENAX(1.1m) カラム温度:150℃
INJ温度:230℃
B)メルトフローレート(MFR)値測定方法
ASTM D1238 E条件(2.16kg、190℃)に準じて測定した。
C)小判カン成形条件、形状
成形機:(株)日本精鋼所製J110AD−180H
金型:小判カン8個取り(ピンゲート径:0.9φ、各小判カンの形状・寸法:図5に示す形状、寸法(横50mm、縦20mm、厚さ3mm))
樹脂温度:185℃(ノズル出の温度)
成形サイクル:射出時間/冷却時間=19秒/12秒
D)小判カンの破壊強度
小判カンの両端に25mm幅のテープを取付け、テープ両端を引張試験機の引張固定冶具上下に固定した。引張速度200mm/minの速度で引張り、破壊に要した力を測定し評価した。
E)小判カン破断面に存在するリバーパターンの起点の長径の観察方法
D)で得られた小判カンの破断面をSEM(倍率:50倍)で観察し、リバーパターンの起点の長径を測定した。
F)フローマークの観察方法
小判カンにおけるゲートから10mm以上離れた鏡面部において、フローマークの存在量を目視にて観察した。フローマークの存在量の評価基準は以下のとおりとした。
◎:ほとんどフローマークがない
○:少量のフローマークが観察される
△:フローマークが観察される。
(実施例1)
高純度トリオキサン(トリオキサン中の水≦5ppm、蟻酸≦10ppm)と1,3−ジオキソラン、連鎖移動剤としてメチラール(ホルムアルデヒドジメチルアセタール)を2枚のΣ羽根を有するニーダーに入れ、70℃に昇温した。次に、三弗化ホウ素ジブチルエーテルを加え重合反応を開始させた。重合反応開始30分後にトリエチルアミン5wt%を含む水をモノマー100質量部に対して100質量部加え1時間攪拌し触媒を失活させ、内容物を取出し微粉砕した。微粉砕したポリマーは濾過し、アセトン洗浄後、乾燥した。
得られたポリマー100質量部に対して、水5質量部、トリエチルアミン1質量部、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(Irganox1010、チバガイギー社製)0.3質量部添加し、ベント付2軸押出し機を用いて、200℃、50Torrで溶融混練し、不安定末端部を除去・安定化した。得られた安定化ポリオキシメチレン樹脂について、オキシエチレン単位(CH2CH2O−)の定量及びメルトフローレート(MFR)値の測定を行った。
安定化したポリオキシメチレン樹脂に対し、トリエチレングリコール−ビス−3−(tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートを0.3質量部、ステアリン酸カルシウムを0.1質量部、エチレンビスステアリル酸アミドを0.05質量部、ポリエチレングリコール(平均分子量約5000)を1.0質量部(いずれもポリオキシメチレン樹脂100質量部に対する量)添加し、ベント付き短軸押出し機で溶融混練し、ポリオキシメチレン樹脂組成物を得た。
上記ポリオキシメチレン樹脂組成物70質量部と顔料としてカーボンブラック30質量部とを含んだ混合物を、200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリオキシメチレン樹脂用マスターバッチを得た。
前述のポリオキシメチレン樹脂組成物99質量部と、上記ポリオキシメチレン樹脂用マスターバッチ1質量部とを混合し、ペレットを作成した。
次に、上記ペレットより射出成形機を用いて表1に示す射出速度で小判カンを成形し、その破壊強度を測定した。またその破断面を光学顕微鏡で観察し、リバーパターンの起点の長径のサイズを測定した。結果を表1に示した。
(実施例2、3)
ポリオキシメチレン樹脂の重合の際に添加した連鎖移動剤の量を変更して、メルトフローレート(MFR)値が異なるポリオキシメチレン樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、小判カンを成形し評価した。結果を表1に示した。
(実施例4、6)
射出速度を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、小判カンを成形し評価した。結果を表1に示した。
(実施例5、比較例1〜3)
メルトフローレート(MFR)値が異なるポリオキシメチレン樹脂組成物に変更したことと、射出速度を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、小判カンを成形し評価した。結果を表1に示した。
(実施例7)
コモノマーの量を変更してオキシアルキレン単位量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
(実施例8、9)
メルトフローレート(MFR)値が異なるポリオキシメチレン樹脂組成物に変更したことと、コモノマーの量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
リバーマークパターンの起点の長径が本発明の範囲外の場合には、破壊強度が劣るものとなった(比較例1〜3)。
また、ポリオキシメチレン樹脂のMFRが同じ値であるものどうしで比較した場合、リバーマークパターンの起点の長径が本発明の範囲内にある方が破壊強度が大きく、フローマークの少ない良好な外観を有していた。
本実施形態の成形体は優れた破壊強度を有するので、各種部品に使用でき、特に、連結部品として使用するのに適している。

Claims (4)

  1. ポリオキシメチレン樹脂と顔料を含み、
    引張速度200mm/minの速度で両端から引張って破壊させたときの破断面に形成されたリバーパターンの起点の長径が10〜82μmである、成形体。
  2. 前記ポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)値が、13〜17g/10minである、請求項1に記載の成形体。
  3. 前記ポリオキシメチレン樹脂が、オキシエチレン単位(−CH2CH2O−)をオキシメチレン単位(−CH2O−)に対して0.1〜1.2モル%含む、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 連結部品である、請求項1〜3いずれかに記載の成形体。
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