JP5403257B2 - ポリアセタール共重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、高い耐熱性と剛性を有するポリアセタール共重合体に関する。
ポリアセタール共重合体は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、かつその加工が容易であることにより代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。
しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、熱安定性を損なわずに剛性や強度に一層の向上が要求される場合がある。このようにポリアセタール樹脂組成物の剛性・耐クリープ性を向上させる手段として、ポリアセタールに繊維状フィラーを充填する方法、ポリアセタールコポリマーにおいては、コモノマー量を減少する方法が知られている。
更に近年、重合中に単官能グリシジルエーテル化合物を反応させることによって分岐構造を導入したポリアセタール共重合体により、剛性、耐クリープ性が改善された例が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、本発明者らの検討によれば、この手法による変性ポリアセタール化合物の剛性改良効果は必ずしも満足できるものではなかった。
変性によって剛性を改良する手法としては、重合中にフェニル基などの芳香族系グリシジルエーテル化合物を反応させて、フェニル基などの芳香族官能基を導入したポリアセタール共重合体が開示されている(特許文献2参照)。本発明者らの検討によれば、この手法で剛性改良効果が認められるも、その熱安定性が著しく低下することが判明した。故に安定生産が困難になるだけでなく、成形品の外観不良を著しく損ない臭気の増加を著しく増加させるため、必ずしも満足できるものではなかった。
特許第3926484号公報 特許第3926512号公報
本発明は掛かる現状を鑑み、高い熱安定性を有し、著しい剛性を可能とするポリアセタール共重合体に関する。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ある種の特定のアリルエーテル化合物を共重合することによって分岐構造を導入したポリアセタール共重合体により、熱安定性を維持でき、且つ剛性を著しく向上させることができた。即ち、本発明は、(A)トリオキサン100重量部と、(B)トリオキサンと共重合可能な環状エーテル化合物0.1〜30重量部と、(C)下記構造式で示されるアリルエーテル化合物0.005〜20重量部とを共重合して得られるポリアセタール共重合体に関するものである。
Figure 0005403257
(式中、R1はC2〜C20のアルキレン基若しくは置換アルキレン基又はC2〜C20のポリアルキレンオキシド基を示す。R2はC1〜C12のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又はハロゲンを示す。nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合R2は同一でも異なっていても良い)
本発明により、熱安定性を維持しながらも剛性が大幅に向上するアセタール共重合体を提供することができる。
本発明におけるアセタール共重合体の重合方法としては、実質上溶媒を用いない塊状重合法が好適である。これは溶融状態にあるモノマーを用いた重合方法であり、重合の進行に伴い、モノマー混合液中に重合物が晶析し、やがて系全体が塊状化及び粉状化して固体状のポリマーを得るものである。重合は、酸素の非存在下、好ましくは窒素雰囲気下に行う。
本発明で用いることのできる重合触媒は、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン及びこれらの配位化合物、ヘテロポリ酸、イソポリ酸、パーフルオロアルキルスルホン酸またはその誘導体などのカチオン活性触媒が公知である。また、これらの触媒を2種以上併用することも公知である。その中でも特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適である。エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。その添加量は、主モノマーのトリオキサンに対して、三フッ化ホウ素換算で、一般的には3.0×10−6〜2.0×10−4wt%であり、好ましくは8.0×10−6〜8.0×10−5wt%の範囲で使用される。これらの触媒は反応系に均一に分散させるために重合反応に悪影響の無い有機溶媒で希釈して使用することが好ましい。この有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、n−ブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
本発明における原料モノマーは、(A)成分としてホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンであり、(B)成分としてコモノマーである環状エーテル及び/又は環状ホルマールが用いられる。コモノマーの具体例として、例えば、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4,0]ノナン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキシタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、及び1,3−ジオキセパンなどのオキセパン類、1,3,6−トリオキソカンなどのオキソカン類、更にはオキセタン類が挙げられる。これらの中でも1,3−ジオキソランが特に好ましい。
コモノマーの添加量は、トリオキサン100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜25重量部である。コモノマーの使用量が30重量部より多い場合には重合収率が低下し、0.1重量部より少ない場合には熱安定性が低下する。
(C)成分であるアリルエーテル化合物としては、下記構造式で表されるアリルエーテル化合物である
Figure 0005403257
(式中、R 1 はC 2 〜C 20 のアルキレン基若しくは置換アルキレン基又はC 2 〜C 20 のポリアルキレンオキシド基を示す。R 2 はC 1 〜C 12 のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又はハロゲンを示す。nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合R 2 は同一でも異なっていても良い)
これらアリルエーテル化合物を、トリオキサン100重量部あたり0.005〜20重量部の範囲で添加する。これより少ない場合は剛性、強度の向上効果が薄く、これより多ければ逆に靭性低下を引き起こすだけでなく、重合速度低下で生産性低下を引き起こす。また、好ましい添加量は0.01〜15重量部で、更に好ましくは0.05〜10重量部である。
アリルエーテル化合物を導入する位置に規定はない。トリオキサン、コモノマー、連鎖移動剤、触媒と共に全てを重合機入口で合流させて重合機内部に速やかに導入する方法や、トリオキサン、コモノマー、連鎖移動剤の何れか1種以上と予め混合した後に、触媒と合流させて重合反応を行うか、コモノマー、連鎖移動剤の何れか1種以上と、更には触媒も含めて予め混合した後にトリオキサンと合流させて重合反応を行う方法が実施可能である。
本発明の重合法においても、アセタール共重合体の重合度調節のために連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、エステル、アミド、イミド、フェノ−ル類、アセタール化合物などが挙げられ、特にフェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチラール、ポリアセタールジメトキシドは好適に用いられる。その中でも最も好ましいのはメチラールであり、これを単独あるいは溶液の形で使用することができる。その添加量としては、主モノマーのトリオキサンに対して、メチラールとして2×10−1wt%未満の範囲で通常使用される。溶液の形で使用される場合、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
重合反応後の失活は、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などの触媒失活剤が使用できる。アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。その添加量としては、触媒を失活させるのに十分な量であれば特に制限はないが、触媒に対するモル比として、1.0×10−1〜1.0×10の範囲で通常使用される。これらの触媒失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。
掛かる重合及び失活操作の後(安定化前のアセタール共重合体を“粗共重合体”と呼ぶ)、必要に応じて、粗共重合体の洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を行っても良いが、本発明では、高収率で熱安定性に優れる粗共重合体が得られるため、この工程を省略することもできる。
安定化処理としては、上記で得られたアセタール共重合体を加熱溶融して、不安定部分を除去する方法が挙げられる。この時には、ヒンダードフェノール系化合物、アミン置換トリアジン化合物の他に、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩などの何れか1種又は2種以上を添加してもよい。更に必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば、染料、顔料などの着色剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機又は有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤などを1種又は2種以上添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等のヒンダードフェノール類が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらヒンダードフェノール系化合物の添加量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.01〜0.4重量部が好ましく、0.005〜0.3重量部がより好ましい。
特に本発明で用いているアリルエーテル化合物は非常にわずかながらも熱安定性が低下するため、これより少ない場合は熱安定性の低下が顕著となる。またこれより添加量が多い場合は機械物性の低下が生じる。
熱安定剤としては、例えばメラミン、メチロ−ルメラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、尿素、尿素から加熱して合成される尿素加熱縮合体、ポリアクリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ウレタン化合物、ピリジン化合物等の含窒素化合物が挙げられ、これらの中でも、アミン置換トリアジン化合物であるメラミン、メチロ−ルメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物がより好ましい。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらアミン置換トリアジンの添加量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.0001〜0.15重量部が好ましく、0.005〜0.10重量部がより好ましい。これより少ない場合は、製造時の粘度低下が著しく大きくなり生産量低下につながる上、着色剤をコンパウンドする際に著しく熱安定性を損ねる。またこれより大きい場合は、靭性低下が見られる。
また、熱安定剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物を配合することが好ましく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの水酸化物、無機酸塩、あるいはアルコキシド等が挙げられ、これらの中でも、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが最も好ましい。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物の添加量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.001〜5.0重量部が好ましく、0.001〜1.0重量部がより好ましい。
本発明では、耐候(光安定)剤として、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸アニリド系化合物等を添加しても良い。これら耐候剤の添加量は、ポリアセタール共重合体100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリアセタール共重合体に対して、滑剤および熱安定剤として高級脂肪酸の金属塩を添加しても良い。高級脂肪酸の金属塩は特に限定されないが、ラウリル酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が好ましい。
また、これら高級脂肪酸の金属塩の添加量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.0001〜5重量部が好ましく、0.0001〜3重量部がより好ましい。
また、離型剤として炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミド、多価アルコールの脂肪酸エステル及びパラフィンワックスを配合することが好ましい。炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドとしては特に限定されないが、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウアアミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド等を挙げることができる。これらの中でもエチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウロアミドがより好ましい。多価アルコールの脂肪酸エステル等としては、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン等の多価アルコールとベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、ラクセル酸等との脂肪酸エステルが挙げられ、また、パラフィンワックスとしては分子量1000〜200万のものが好ましい。これらは、単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらパラフィンワックス、炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミド及び多価アルコールの脂肪酸エステルの添加量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物に対して、成形性の向上や成形サイクルの短縮を目的として、核化剤を添加しても良い。核化剤は特に限定されないが、窒化ホウ素、含水ケイ酸マグネシウム、3次元架橋ポリアセタール等がより好ましい。
本発明において添加配合される核化剤の量はポリアセタール重合体(A成分)100重量部に対し、0.0001〜10.0重量部が好ましく、0.001〜5.0重量部がより好ましい。
本発明のポリアセタール共重合体に対して、蛍光増白剤としてクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤を添加しても良い。クマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤は特に限定されないが、3−(4’−アセチルアミノフェニル)−7−アセチルアミノクマリン、3−(4’−カルボキシフェニル)−4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンズオキサゾル−2’−イル)チオフェン、2,5−ビス〔5’−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)〕チオフェンが好ましい。これらクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤の添加量はポリアセタール重合体に対し、0.001〜500ppmが好ましく、0.01〜100ppmがより好ましい。
また、充填剤としてガラスビーズ、マイカ、カオリン、ニ酸化ケイ素、クレー、アスベスト、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、ニ硫化モリブデン、カーボンブラック、酸化チタン、ガラス繊維、ミルドファイバー、チタン酸カリウム繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等を添加しても良い。これら充填剤の量は、ポリアセタール重合体100重量部に対し、0.01〜200重量部が好ましく、0.1〜100重量部がより好ましい。
本発明によるポリアセタール共重合体のメルトフローインデックス(MI)値(190℃、荷重2,160g)は、通常、0.5〜100g/10minであり、好ましくは1.0〜70g/10minである。
重合触媒の失活化を行ったポリアセタール共重合体は、そのまま後段の安定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経ることができる。
本発明において、これら各種安定剤及び添加剤は重合触媒の失活化を行ったポリアセタール重合体に混合され、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機等により加熱溶融混練して、熱安定化処理される。この際、これら各種安定剤或いは添加剤の一部を、熱安定化処理後に分割して添加しても良い、また、熱安定化の際に、水、アルコール、アミン等を添加しても良い。
これら各種安定剤及び添加剤を重合触媒の失活化を行ったポリアセタール重合体に配合、混合する方法は特に限定されず、工業的に使用可能な方法であればどのような方法でも良い。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェルミキサー等のブレンダーで混合した後、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機、バンパリーミキサー、ロール等で混練する方法が適宜選択される。各成分は混練前に予め乾燥することが好ましい。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでないことは言うまでもない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
連続反応機:二つの円が一部重なった内断面を有し、内断面の長径が20cm、L/Dが7.2であり、周囲にジャケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトには互いにかみ合う擬三角形板が多数はめ込まれ、擬三角形板の先端でケース内面および相手の擬三角形板の表面をクリーニングできる連続混合機。
停止剤混合機:二つの円が一部重なった内断面を有し、内断面の長径が12cm、L/Dが7.2であり、周囲にジャケットを有する長いケース内に1対のシャフトを備え、それぞれのシャフトにはスクリュー様の羽根が多数はめ込まれた構造を有し、供給口部分より停止剤溶液を注入し、連続的に重合生成物と混合せしめる連続反応機。
MI値(溶融指数):粗共重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバガイギー社製、商品名イルガノックス245)0.3重量部、メラミン0.1重量部、水酸化マグネシウム0.05重量部を添加、混合した後、ラボプラストミルにおいて220℃、窒素気流下で20分間溶融混錬させて安定化処理した後、ASTM−D1238(190℃、2.16kg加重下)に従って測定した。このMI値は、その値が低いほど、粗共重合体の重合度が高いことを示す。
引張試験:射出成形機を用いて試験片を成形し、ISO 527-1,2法に準じて測定を行った。
加熱重量減少率:ペレットを入れた試験管内部を窒素置換後、10mmHgの減圧下とし、222℃で2時間保持した後のペレット重量減少率。
〈実施例1〜4、比較例1〜5〉
連続反応装置として、前述の連続反応機2台および停止剤混合機を直列に接続したものを使用し、アセタール共重合体の製造を実施した。1台目の反応機の入口より90.0kg/hrのトリオキサンおよび3.6kg/hrの1,3−ジオキソランの混合流に、表1に記載した条件でアリルエーテル化合物のベンゼン溶液、メチラールのベンゼン溶液(25wt%)、更には触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのベンゼン溶液(調製濃度:0.3モル/kg)を添加して直ちに反応機内に導き、連続的に反応を行った。1台目ジャケット温度(重合温度)を85℃、第2段目および停止剤混合機ジャケット温度を各々60,40℃に設定した。また、停止剤混合機の入口より、使用した触媒量の2倍モルのトリフェニルホスフィンをベンゼン溶液(調製濃度:0.6モル/kg)で連続的に供給して重合を停止し、粉砕して粗共重合体を収得した。この時に得られた粗共重合体の重合収率は98%であった。次に得られた粗共重合体100重量部に、グリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート (チバスペシャリティケミカル社製、商品名;イルガノックス245)0.3重量部、メラミン 0.05重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。この後ベント付二軸押出機に供給し、21.3kPaの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを用いて、引張試験、加熱重量減少率の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005403257

Claims (2)

  1. (A)トリオキサン100重量部と、(B)トリオキサンと共重合可能な環状エーテル化合物0.1〜30重量部と、(C)下記構造式で示されるアリルエーテル化合物0.005〜20重量部とを共重合して得られるポリアセタール共重合体。
    Figure 0005403257
    (式中、R1はC2〜C20のアルキレン基若しくは置換アルキレン基又はC2〜C20のポリアルキレンオキシド基を示す。R2はC1〜C12のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基又はハロゲンを示す。nは0〜5の整数であり、nが2以上の場合R2は同一でも異なっていても良い)
  2. アリルエーテル化合物がフェネチルアリルエーテル又はフェニルブチルアリルエーテルである請求項1記載のポリアセタール共重合体。
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