JP5428252B2 - 分岐・架橋ポリアセタール共重合体 - Google Patents

分岐・架橋ポリアセタール共重合体 Download PDF

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Description

本発明は、分岐・架橋ポリアセタール樹脂からなる新規結晶核剤に関するものである。
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、かつその加工が容易であることにより代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。
特に自動車部品など大型部品になるほどハイサイクル成形が求められ、タルクなどの無機系化合物を結晶核剤として用いる方法が知られているが(特許文献1参照)、応力集中点となり得るため、靭性低下が生じていた。
一方で、球晶サイズを制御する方法として、分岐又は網状構造を有するオキシメチレン共重合体の添加が知られている(特許文献2〜4参照)。これは多官能的に反応する化合物をコモノマーもしくはターモノマーとして添加し、分岐又は網状構造を有するオキシメチレン共重合体を製造せしめ、これを線状オキシメチレン共重合体に押出工程、もしくはコンパウンド工程にて添加するものである。しかし、よりハイサイクルを狙って多めに添加すると引張呼び歪及び耐衝撃性で示される靭性低下を招く傾向があった。
特公昭48−8254号公報 特公昭55−19942号公報 特公平7−5694号公報 第2928823号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の分岐又は網状構造を有するオキシメチレン共重合体よりもさらに優れた造核効果を有するポリアセタール樹脂を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、分岐剤として、特定量の単官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物と同時に多官能グリシジルエーテル化合物を共重合させることにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す分岐・架橋ポリアセタール共重合体に関する。
(1) トリオキサンに対し、環状エーテル化合物及び/又は環状ホルマール化合物0.5〜20重量%、単官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物0.005〜1.0重量%、及び多官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物0.01〜2.0重量%を共重合して得られる分岐・架橋ポリアセタール共重合体。
(2) 環状エーテル化合物及び/又は環状ホルマール化合物が、1,3−ジオキソランである(1)に記載の分岐・架橋ポリアセタール共重合体。
(3) 単官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物の添加量が0.01〜0.7重量%、多官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物の添加量が0.05〜1.5重量%である(1)又は(2)記載の分岐・架橋ポリアセタール共重合体。
(4) 多官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物が1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルである(1)〜(3)に記載の分岐・架橋ポリアセタール共重合体。
(5) (1)記載の分岐・架橋ポリアセタール共重合体からなるポリアセタール樹脂用造核剤。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における分岐・架橋ポリアセタール共重合体は、従来公知のオキシメチレンユニット(-CH2O-)を主たる構成要素とし、分岐・架橋構造を有するものを総称する。また、分子中主鎖にオキシメチレンユニット以外のコモノマー単位を導入したもの、ブロック成分を導入したものも全て包括される。好ましくは、トリオキサンを主モノマーとし、これと環状エーテル及び/又は環状ホルマール化合物をコモノマーとし、更に分岐・架橋構造を形成しうる特定の化合物を用いて、カチオン活性触媒、例えば三フッ化ホウ素又はその配位化合物或いは各種プロトン酸触媒の存在下で共重合したポリアセタール樹脂が良い。また、分子量の調節及び安定化のために、不安定末端を形成することのない両末端がアルコキシ基を有するメチラール等の低分子量線状アセタール等の連鎖移動剤の使用も勿論可能である。
本発明の単官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物は特に限定されないが、例えばメチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明の単官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物の配合量はトリオキサンに対し、0.005〜1.0重量%であり、好ましくは0.01〜0.75重量%であり、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。0.005重量%以下では結晶核剤に与える改善効果が薄く、1.0重量%以上とすると、重合性の低下を招く。
本発明の多官能エポキシ/グリシジルエーテル合物は特に限定されないが、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾンシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブチレングリコールジグリシジルエーテル、等のジグリシジルエーテル;グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のトリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のテトラグリシジルエーテル;或いは上記例のグリシジルエーテル基の代わりにメリリデングリセリルエーテル基の如き環状ホルマール基を有する化合物、更にはグリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビタンモノエステル、ジグリセリンモノエステル、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、フルクトース、グルコース、ソルビトールおよびこれらのアルキレンオキシド付加体の多価アルコール、更にはジグリセリンテレフタラート等が挙げられる
本発明の多官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物の配合量はトリオキサンに対し、0.01〜2.0重量%であり、好ましくは0.05〜1.5重量%であり、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。0.01重量%以下では結晶核剤としての効果が薄く、2.0重量%以上とすると、架橋密度が過大となり、靭性及び耐衝撃性が低下する。
本発明で用いるトリオキサンと共重合可能な環状エーテル及び/又は環状ホルマール化合物は、例えば、1,3−ジオキソラン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピル−1,3−ジオキソラン、2−ブチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2,2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−フェノキシメチル−1,3−ジオキソラン、4−クロルメチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキカビシクロ[3,4,0]ノナン等が挙げられ、これらの中でも1,3−ジオキソランが好ましい。
本発明で用いるトリオキサンと共重合可能な環状エーテル及び/又は環状ホルマール化合物はトリオキサンに対し、0.5〜30重量%であり、好ましくは、1.0〜20重量%であり、さらに好ましくは1.5〜15重量%である。環状エーテル及び/又は環状ホルマール化合物の使用量が30重量%より多い場合は重合収率低下につながり、0.5重量%より少ない場合は靭性、耐衝撃性改良に及ぼす効果が低下する。
本発明で得られる分岐・架橋ポリアセタール共重合体の配合量は、標準の直鎖状ポリアセタール共重合体に対し、0.05〜10重量%であり、好ましくは、0.10〜8.0重量%であり、さらに好ましくは0.15〜6.0重量%である。分岐・架橋ポリアセタール共重合体の使用量がこれより少ない場合は核剤としての効果が得られず、多い場合は靭性、耐衝撃性改良に及ぼす効果が低下する。
本発明の重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
上記触媒使用量は、トリオキサン1molに対して、1×10-7〜1×10-3molであり、好ましくは1×10-7〜1×10-4molが適当である。本発明では、通常、重合収率が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上に達した時点で触媒を失活させ重合を停止する。
分岐・架橋ポリアセタール共重合体の重合法は、従来公知のトリオキサンの共重合と同様の設備と方法で行うことが出来る。即ち、バッチ式、連続式のいずれでも可能であり、塊状重合やシクロヘキサンのような有機溶媒の存在下で行う重合法にも適用される。バッチ式では攪拌機付きの反応槽が使用でき、連続式塊状重合においては、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニーダー、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機などの装置が好適に使用される。
また、重合に際して、分子量を調節するために、低分子量のアセタール化合物を用いることも一般的に行われる。かかるアセタール化合物としては、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル等が用いられるが、これらには限定されない。通常、メチラールが好ましく用いられる。一般に、かかるアセタール化合物は、目標とする分子量に応じて、モノマーに対して0〜1重量%の範囲で添加量が調整される。
重合反応によって得られたポリアセタール共重合体は、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などの失活剤を、単独あるいは水溶液または有機溶液の形態で使用する公知の方法によって、触媒の失活化、除去処理を行う。これらの中で特に三価の有機リン化合物、三級アミン、ヒンダードアミンが好ましい。
ポリアセタール共重合体に、その目的に応じ所望の特性を付与するため、後述する従来公知の各種の熱安定剤、酸化防止剤、耐候(光安定)剤、滑剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光増白剤、充填剤等の添加剤を配合することが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等のヒンダードフェノール類が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらヒンダードフェノール系化合物の添加量は、ポリアセタール樹脂に対し、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.01〜2.0重量%がより好ましい。
熱安定剤としては、例えばメラミン、メチロ−ルメラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、尿素、尿素から加熱して合成される尿素加熱縮合体、ポリアクリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ウレタン化合物、ピリジン化合物等の含窒素化合物が挙げられ、これらの中でも、メラミン、メチロ−ルメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物がより好ましい。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これら含窒素化合物の添加量は、ポリアセタール樹脂に対し、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.01〜1.0重量%がより好ましい。
また、熱安定剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物を配合することが好ましく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの水酸化物、無機酸塩、あるいはアルコキシド等が挙げられ、これらの中でも、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが最も好ましい。これらは単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物の添加量は、ポリアセタール樹脂に対し、0.001〜5.0重量%が好ましく、0.001〜1.0重量%がより好ましい。
本発明では、耐候(光安定)剤として、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸アニリド系化合物等を添加しても良い。これら耐候剤の添加量は、ポリアセタール樹脂に対し、0.01〜5重量%が好ましく、0.01〜3重量%がより好ましい。
本発明のポリアセタール共重合体に対して、滑剤および熱安定剤として高級脂肪酸の金属塩を添加しても良い。高級脂肪酸の金属塩は特に限定されないが、ラウリル酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が好ましい。
また、これら高級脂肪酸の金属塩の添加量は、ポリアセタール重合体100重量%に対し、0.0001〜5重量%が好ましく、0.0001〜3重量%がより好ましい。
また、離型剤として炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミド、多価アルコールの脂肪酸エステル及びパラフィンワックスを配合することが好ましい。炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドとしては特に限定されないが、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウアアミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド等を挙げることができる。これらの中でもエチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウロアミドがより好ましい。多価アルコールの脂肪酸エステル等としては、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン等の多価アルコールとベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、ラクセル酸等との脂肪酸エステルが挙げられ、また、パラフィンワックスとしては分子量1000〜200万のものが好ましい。これらは、単独、或いは2種以上併用しても良い。
これらパラフィンワックス、炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミド及び多価アルコールの脂肪酸エステルの添加量は、ポリアセタールに対し、0.01〜5重量%が好ましく、0.01〜3重量%がより好ましい。
ポリアセタール共重合体に対して、蛍光増白剤としてクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤を添加しても良い。クマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤は特に限定されないが、3−(4’−アセチルアミノフェニル)−7−アセチルアミノクマリン、3−(4’−カルボキシフェニル)−4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンズオキサゾル−2’−イル)チオフェン、2,5−ビス〔5’−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)〕チオフェンが好ましい。これらクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤の添加量はポリアセタール重合体に対し、0.001〜500ppmが好ましく、0.01〜100ppmがより好ましい。
また、充填剤としてガラスビーズ、マイカ、カオリン、ニ酸化ケイ素、クレー、アスベスト、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、ニ硫化モリブデン、カーボンブラック、酸化チタン、ガラス繊維、ミルドファイバー、チタン酸カリウム繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等を添加しても良い。これら充填剤の量は、ポリアセタール重合体100重量%に対し、0.01〜200重量%が好ましく、0.1〜100重量%がより好ましい。
本発明のポリアセタール共重合体のメルトフローインデックス(MI)値(190℃、荷重2,160g)は、通常、0.5〜100g/10minであり、好ましくは1.0〜70g/10minである。
重合触媒の失活化を行ったポリアセタール共重合体は、そのまま後段の安定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経ることができる。
本発明において、これら各種安定剤及び添加剤は重合触媒の失活化を行ったポリアセタール共重合体に混合され、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機等により加熱溶融混練して、熱安定化処理される。この際、これら各種安定剤或いは添加剤の一部を、熱安定化処理後に分割して添加しても良い、また、熱安定化の際に、水、アルコール、アミン等を添加しても良い。
これら各種安定剤及び添加剤を重合触媒の失活化を行ったポリアセタール共重合体に配合、混合する方法は特に限定されず、工業的に使用可能な方法であればどのような方法でも良い。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェルミキサー等のブレンダーで混合した後、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機、バンパリーミキサー、ロール等で混練する方法が適宜選択される。各成分は混練前に予め乾燥することが好ましい。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
1)結晶化時間
200℃の高温槽で3分間溶融させたポリアセタール樹脂組成物のフィルムを150℃のオイルバスに落とし、結晶化する様子を脱偏光法によって観測し、完全に結晶化する半分の時間を半結晶化時間として評価した。
2)引張試験
平行部が3(H)×4(W)×75(L)mmのダンベル形成形片を、引張試験速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度(降伏点)及び引張破断伸びを測定した。
3)シャルピー衝撃試験
ノッチングツール(型式A−3(株)東洋精機製作所製)で幅 10.7mm、厚み 3.2mm、切込み 2.0mmに切削加工した試験片を、シャルピー衝撃試験機(デジタル衝撃試験器:型式DG−CB(株)東洋精機製作所製)において、0.50Jでハンマーを落として破壊されたときの衝撃強度を測定した。
<実施例1>
トリオキサン100重量部に対し、1,3−ジオキソランを13重量部、及び分岐・架橋剤として1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDGE)をトリオキサンに対して0.3重量%、n-ブチルグリシジルエーテルを0.1重量%、また、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液としてトリオキサン1molに対して0.065mmolを各々連続的に添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機中の滞在時間が25分になる様に連続的に重合を行った。分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液として、トリオキサン1molに対して0.24mmolとなる様に連続的に添加した。生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート 1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕してポリアセタール共重合体を得た。共重合体の収率は98%であった。
得られたポリアセタール重合体100重量部に、グリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート (チバスペシャリティケミカル社製、商品名;イルガノックス245) 0.3重量部、メラミン 0.1重量部、水酸化マグネシウム 0.05重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。この後ベント付二軸押出機に供給し、21.3 kPaの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを、直鎖ポリアセタール樹脂に1重量%添加し、ベント付二軸押出機を用いて溶融混練して、ポリアセタール組成物を調整し、ペレット化した。得られたペレットを用いて、引張試験、シャルピー衝撃試験の測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例2〜7>
分岐・架橋剤種、添加量を表1に示した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
<比較例1〜4>
分岐・架橋剤種、添加量を表1に示した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 0005428252

Claims (4)

  1. トリオキサンに対し、環状エーテル化合物及び/又は環状ホルマール化合物0.5〜20重量%、単官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物0.005〜1.0重量%、及び多官能エポキシ/グリシジルエーテル化合物0.01〜2.0重量%を共重合して得られる分岐・架橋ポリアセタール共重合体からなるポリアセタール樹脂用造核剤
  2. 環状エーテル化合物及び/又は環状ホルマール化合物が、1,3−ジオキソランである請求項1記載のポリアセタール樹脂用造核剤
  3. 単官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物の添加量が0.01〜0.7重量%、多官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物の添加量が0.05〜1.5重量%である請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂用造核剤
  4. 多官能エポキシ/グリシジルエーテル系化合物が1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルである請求項1〜3何れか1項記載のポリアセタール樹脂用造核剤
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