JP2001031732A - 新規ポリアセタール樹脂 - Google Patents

新規ポリアセタール樹脂

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JP2001031732A
JP2001031732A JP11209049A JP20904999A JP2001031732A JP 2001031732 A JP2001031732 A JP 2001031732A JP 11209049 A JP11209049 A JP 11209049A JP 20904999 A JP20904999 A JP 20904999A JP 2001031732 A JP2001031732 A JP 2001031732A
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JP
Japan
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polyacetal resin
compound
ether
weight
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JP11209049A
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Kuniaki Kawaguchi
邦明 川口
Hidetoshi Okawa
秀俊 大川
Yoshihisa Tajima
義久 田島
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形やブロー成形に重要な溶融張力及び
ドローダウン性と流動性を兼備してブロー成形性、また
面衝撃強度等の耐衝撃特性にも優れ、しかも、成形品内
表面の平滑性にも優れた新規なポリアセタール樹脂を提
供する。 【解決手段】 (A) トリオキサン100 重量部、(B) 環状
エーテル及び/又は環状ホルマール0〜20重量部、(C)
単官能グリシジル化合物0.001 〜10重量部及び(D) 多官
能グリシジル化合物0.0005〜1重量部を重合して新規ポ
リアセタール樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形加工性とその物
性や表面特性に優れたポリアセタール樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は機械的性質、耐薬
品性、摺動性等のバランスに優れ、かつ、その加工が容
易であることにより代表的なエンジニアリングプラスチ
ックとして、電気・電子部品、自動車部品その他の各種
機械部品を中心として広く利用されている。近年、更
に、ポリアセタール樹脂の耐薬品性、特に有機溶剤に対
する優れた耐性等を活かして、自動車の燃料タンクある
いはエンジンルーム内関連の中空部品等あるいは各種の
容器類等に応用する期待が高まっている。このような中
空成形部品の製造には一般にブロー成形法が効率的な手
段として用いられているが、ブロー成形を可能とするた
めには、パリソンのドローダウンや、ブロー時の成形品
の破れや偏肉を防止するために、一般に樹脂の溶融張力
を上げることが必要条件とされている。また、押出成形
においても、押し出され固化するまでの製品形状を保持
するため、溶融張力は重要な要素である。溶融張力を上
げるためには一般に樹脂の高分子量化が図られており、
例えばブロー成形に使用されるポリエチレン等の汎用樹
脂では超高分子量タイプのものが広く利用されている。
ポリアセタール樹脂も、一般の成形用の目的であれば、
比較的低分子量、低粘度であっても射出成形等による成
形は可能であるが、ブロー成形に対しては溶融張力が低
くパリソンのドローダウンを生じてブロー成形は至難で
ある。また、押出成形においては、製品形状の保持が困
難である。そこで、例えば、特開平5−301271号
公報の如く、重合方法を工夫して樹脂を高分子量化して
ブロー成形性や押出成形性を改善を図る試みも散見され
るが、十分高分子量化されたポリアセタール樹脂は流動
性が著しく不良となるためドローダウン性は改善されて
もブロー成形性は依然として好ましくなく、また、かか
る高分子量、高粘度のポリアセタールのブロー成形品
は、樹脂の配向が原因と考えられる面衝撃強度等の耐衝
撃特性の低下という問題もあった。また、押出成形にお
いても成形性と物性との両立は難しかった。又一方、多
官能化合物を用いて分岐又は架橋構造を形成させたポリ
アセタール樹脂は、高分子量の割に高剪断状態での粘度
が低い傾向にあるが、十分な溶融張力と流動性の両立に
は分岐・架橋の増加も必要となり、この場合には、耐衝
撃性が劣るほか、成形品内表面の平滑性が劣り、商品的
価値が低下する問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑み、押出成形やブロー成形に重要な溶融張力及びド
ローダウン性と流動性を兼備してブロー成形性、また面
衝撃強度等の耐衝撃特性にも優れ、しかも、成形品内表
面の平滑性にも優れた新規なポリアセタール樹脂を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、特定の分岐及び/又は架
橋構造を導入したポリアセタール樹脂により、上述の課
題が解決することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、(A) トリオキサン100 重量部、
(B) 環状エーテル及び/又は環状ホルマール0〜20重量
部、(C) 単官能グリシジル化合物0.001 〜10重量部及び
(D) 多官能グリシジル化合物0.0005〜1重量部を重合さ
せて得られるポリアセタール樹脂に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリアセタール樹
脂について説明する。本発明のポリアセタール樹脂は、
(A) トリオキサン、(B) 環状エーテル及び/又は環状ホ
ルマール、(C) 単官能グリシジル化合物及び(D) 多官能
グリシジル化合物を重合して得られるものであり、分岐
構造及び架橋構造のいずれか一方又は両方を有する。
【0006】本発明に使用する(A) トリオキサンは、ホ
ルムアルデヒドの環状三量体であり、一般的には酸性触
媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させること
によって得られ、これを蒸留等の方法で精製して用いら
れる。重合に用いるトリオキサンは液状であり、その温
度は65〜135 ℃であることが好ましい。
【0007】本発明に使用する(B) 環状エーテル及び/
又は環状ホルマールの例としては、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキ
セタン、3,3 −ビス(クロルメチル)オキセタン、テト
ラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3 −ジオキソラ
ン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコ
ールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、ト
リエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオー
ルホルマール、1,5 −ペンタンジオールホルマール、1,
6 −ヘキサンジオールホルマール等が挙げられ、その中
でも、エチレンオキシド、1,3 −ジオキソラン、ジエチ
レングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホル
マールが好ましい。これら(B) 環状エーテル及び/又は
環状ホルマールの使用量は成形品の剛性、耐薬品性等を
考慮すると、好ましくは(A) トリオキサン100 重量部に
対して1種または2種以上で合わせて0〜20重量部、特
に好ましくは0.01〜15重量部である。
【0008】本発明で使用する(C) 単官能グリシジル化
合物としては、下記式(1) で示される化合物が例示され
る。
【0009】
【化2】
【0010】ここで、R1は炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニ
ル基、フェニル基、アルキル(炭素数1〜20)置換フェ
ニル基、アルキリデン(炭素数1〜20)置換フェニル
基、ナフチル基、アルキル(炭素数1〜20)置換ナフチ
ル基、アルキリデン(炭素数1〜20)置換ナフチル基、
ビフェニル基、クミルフェニル基よりなる群より選ばれ
る基、R2は炭素数1〜20のアルキル基、n は0〜20の整
数である。具体的な化合物としては、メチルグリシジル
エーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシ
ジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグ
リシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエー
テル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジ
ルエーテル、エトキシブチルグリシジルエーテル、1−
アリルオキシ−2,3 −エポキシプロパン、1−(1',1'
−ジメチルプロパルギルオキシ)−2,3 −エポキシプロ
パン、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジ
ルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ナフ
チルグリシジルエーテル、フェニルフェノールグリシジ
ルエーテル、ベンジルアルコールグリシジルエーテル等
が例示される。また、これらと類似した構造を有するグ
リシジルエステルも使用できる。これらの(C) 単官能グ
リシジル化合物の使用量は、好ましくは(A) トリオキサ
ン100 重量部に対して1種または2種以上を合わせて
0.001〜10重量部、特に好ましくは0.01〜5重量部であ
る。該使用量が 0.001重量部よりも少ない場合には、成
形加工性・耐衝撃性・表面特性の両立を得るのが難し
く、また、10重量部よりも多い場合には成形品の剛性、
耐薬品性等が低下し、いずれも好ましくない。また、
(C) 単官能グリシジル化合物は他の有機溶剤等で予め希
釈して使用してもよい。
【0011】本発明で使用する(D) 多官能グリシジル化
合物は、1分子中に少なくとも2個のグリシジル基を有
するもので、その中でも、特にジグリシジルエーテル化
合物、トリグリシジルエーテル化合物、テトラグリシジ
ルエーテル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1
種であるものが好ましい。その例としては、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,4 −ブタンジオールジグリシ
ジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジル
エーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリブチレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等が挙
げられる。(D) 多官能グリシジル化合物は、(A) トリオ
キサン100 重量部に対して0.0005〜1重量部の範囲とな
るよう使用するのが良く、特に1種または2種以上を合
わせて 0.001〜0.2 重量部の範囲となるよう使用するの
が良い。かかる(D) 多官能グリシジル化合物の使用量が
0.0005重量部よりも少ない場合には、分岐又は架橋ポリ
アセタールとしての特性を得るのが難しく、また、1重
量部よりも多い場合には成形加工性・耐衝撃性・表面特
性が低下し、いずれも好ましくない。
【0012】本発明のポリアセタール樹脂の製造におい
ては、上記成分の他に分子量を調整する成分を併用する
ことも可能である。分子量調整をする成分としては、不
安定末端を形成することのない連鎖移動剤、即ち、メチ
ラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、
トリメトキシメチラール、、オキシメチレンジ−n−ブ
チルエーテルの如きアルコキシ基を有する化合物の1種
又は2種以上が例示される。
【0013】上記の如き成分からなる本発明のポリアセ
タール樹脂を製造するに当り、触媒としては、一般にカ
チオン重合触媒が用いられる。具体的には、四塩化鉛、
四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化
亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化
リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化
ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチル
エーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ
化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素
トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合
物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパ
ークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリ
フルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機および
有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレー
ト、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、
アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリル
ジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、
ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ
酸、イソポリ酸等の1種または2種以上が挙げられる。
その中でも特に三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラー
ト、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素ア
セチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチル
アミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物が好まし
い。これらのカチオン重合触媒はそのままでも、有機溶
剤等で予め希釈してもよく、その調製方法は特に限定さ
れない。
【0014】本発明のポリアセタール樹脂の製造方法
は、特に限定されるものではないが、一般的には液状化
した(A) トリオキサン、上記の(B) 環状エーテル及び/
又は環状ホルマール、(C) 単官能グリシジル化合物、
(D) 多官能グリシジル化合物を主としてカチオン重合触
媒を用いて重合させ、固体粉塊状のポリマーを得る塊状
重合法により行う。重合は特に装置により限定されるも
のではなく、公知の装置が使用され、また、バッチ式、
連続式等、いずれの方法も可能である。また、重合温度
は65〜135 ℃に保つことが好ましい。
【0015】重合後の触媒の失活は、重合反応後、重合
機より排出される生成反応物或いは重合機中の反応生成
物に、塩基性化合物或いはその水溶液等を加えて行う。
重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物として
は、アンモニア、或いはトリエチルアミン、トリブチル
アミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン
等のアミン類、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属
の水酸化物塩類、その他公知の触媒失活剤が用いられ
る。また、重合反応後、生成物にこれらの水溶液を速や
かに加え、失活させることが好ましい。かかる重合方法
および失活方法の後、必要に応じて更に、洗浄、未反応
モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行
う。更に、不安定末端部の分解除去または安定物質によ
る不安定末端の封止等、必要に応じて公知の方法にて安
定化処理を行い、必要な各種安定剤を配合する。ここで
用いられる安定剤としては、ヒンダードフェノール系化
合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金
属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種
または2種以上を挙げることができる。
【0016】更に、本発明を阻害しない限り、必要に応
じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染
料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止
剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材料、無機または
有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤等を1種または2
種以上添加することができる。
【0017】本発明において、上記ポリアセタール樹脂
組成物を用いてブロー成形により中空成形品を製造する
にあたっては、一般の熱可塑性樹脂のブロー成形に用い
られる成形機を使用し、従来公知の方法に準じて行えば
よい。即ち、上記のポリアセタール樹脂組成物から成る
ペレットを押出機又は射出成形機で可塑化し、これを環
状のダイにより押出し、或いは射出して環状の溶融また
は軟化したパリソンを形成し、これを金型にはさんで内
部に気体を吹込み、膨らませて冷却固化し、中空体とし
て成形される。特に、大型成形品の製造に好適である。
成形条件としては、シリンダー温度およびダイ温度 180
〜250 ℃で行うのが好ましく、特に190〜220 ℃が好ま
しい。
【0018】また、本発明のポリアセタール樹脂はドロ
ーダウン指数が3.0 以上であることが好ましい。ここで
ドローダウン指数は後述の実施例で規定する方法による
測定値である。
【0019】また、金型温度は40〜140 ℃が好ましく、
特に50〜120 ℃が好ましい。内部に吹き込む気体として
は、空気、窒素、その他何れでも良いが、経済的理由か
ら通常空気が用いられる。更に、三次元ブロー成形機等
の特殊成形機を使用することも可能であり、また、本発
明のポリアセタール樹脂組成物と2層以上にしたり、ポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアミド樹脂等の他材
料による層と組み合わせて多層ブロー成形を行うことも
可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂は、ブロー
成形に重要な溶融張力、ドローダウン性と流動性を兼備
しブロー成形性に優れ、また、面衝撃強度等の耐衝撃特
性にも優れ、併せて成形品内表面の平滑性にも優れる。
また、本発明のポリアセタール樹脂は、良好な機械的特
性、耐薬品性を有し、自動車の燃料タンク或いはエンジ
ンルーム内関連の中空部品、容器、パイプ等の配管材
料、その他、各種工業用途に広く利用することができ
る。また、更には、本発明のポリアセタール樹脂は、汎
用の射出成形にも広く利用することができ、その利用価
値は大きい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つ
の円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回
転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付
した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、
その一端に1,3−ジオキソラン((B) 成分)3.3 重量
部、フェニルフェノールグリシジルエーテル((C) 成
分)0.02重量部、1,4 −ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル((D)成分)0.05 重量部、分子量調節剤としてメ
チラール0.05重量部、及びトリオキサン((A) 成分)10
0 重量部を連続的に供給した。続いて同時に三フッ化ホ
ウ素0.002 重量部を重合機に連続的に供給しながら、塊
状重合を行った。重合機排出口から排出された反応生成
物は速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを
0.05重量%含有する60℃の水溶液に加え、粒子に粉砕す
ると同時に触媒を失活した。さらに、分離、洗浄、乾燥
後、粗ポリアセタール樹脂を得た。次いで、この粗ポリ
アセタール樹脂100 重量部に対して、安定剤としてペン
タエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5 −ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(I
rganox 1010 、チバガイギー社製)0.3 重量部およびメ
ラミン0.15重量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用い
て混合後、ベントの付いた2軸押出機にて、200 ℃で溶
融混線し、安定化すると同時にペレット状の分岐又は架
橋ポリアセタール樹脂を得た。得られた樹脂をブロー成
形機(プラコー社製 S-45ND )で、シリンダー温度200
℃、ダイ温度200 ℃、金型温度80℃、吹き込み圧5kg/
cm2 、ダイ径50mm、ダイのクリアランス2.7mm の条件
で、50×80×100 (mm)の箱型中空容器を成形し、以下
に述べる方法でブロー成形性(耐ドローダウン性、メル
トフラクチャー)、面衝撃強度、成形品内表面の表面平
滑性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0022】尚、評価方法は次の通りである。 (1) メルトインデックス ASTM D1238に準拠して測定した。 (2) ブロー成形性(耐ドローダウン性、メルトフラクチ
ャー) ブロー成形時(温度200 ℃)にパリソンが120mm まで落
下する時間と600mm まで落下する時間との比(ドローダ
ウン指数)を計算し評価した。尚、樹脂の吐出速度は40
0g/分であった。この値が大きい程、パリソンがドロー
ダウンしにくく、ブロー成形性が優れている。また、パ
リソンのメルトフラクチャーの有無の確認から、流動性
不良の評価も行った。 (3) 面衝撃強度 ゼネラル・リサーチ社製ダイナタップ8250を使用し、実
施例・比較例で成形した箱型ブロー成形品より切り出し
た70×70(mm)平板に、重さ5.7kg 、先端形状が径40mm
の半球状の重りを90cmの高さより落とし、平板の破壊過
程におけるエネルギー曲線より最大荷重(単位kN/mm)
を求めた。 (4) 成形品内表面の平滑性 実施例・比較例で成形した箱型ブロー成形品を切り出
し、目視により成形品内表面の平滑性について評価し、
優、良、やや不良、不良にランク付けした。
【0023】実施例2〜4 フェニルフェノールグリシジルエーテル、及び/又は1,
4 −ブタンジオールジグリシジルエーテルの量を変えた
以外は実施例1と同様に重合と処理をし、ペレット状の
分岐又は架橋ポリアセタール樹脂とし、更に、箱型中空
容器をブロー成形し評価を行った。結果を表1に示す。
【0024】実施例5〜6 フェニルフェノールグリシジルエーテルの代わりにクレ
ジルグリシジルエーテル(実施例5)、フェニルグリシ
ジルエーテル(実施例6)を所定量用いた以外は実施例
1と同様に重合と処理をし、ペレット状の分岐又は架橋
ポリアセタール樹脂とし、更に、箱型中空容器をブロー
成形し評価を行った。結果を表1に示す。
【0025】実施例7〜8 1,4 −ブタンジオールジグリシジルエーテルの代わり
に、ヒドロキノンジグリシジルエーテル(実施例7)、
ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(実施
例8)を所定量用いた以外は実施例1と同様に重合と処
理をし、ペレット状の分岐又は架橋ポリアセタール樹脂
とし、更に、箱型中空容器をブロー成形し評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0026】比較例1 実施例1と同様に連続式混合反応機を用い、その一端に
1,3 −ジオキソラン3.3 重量部、1,4 −ブタンジオール
ジグリシジルエーテル0.05重量部、メチラール0.05重量
部及びトリオキサン100 重量部を連続的に供給した。続
いて同時に三フッ化ホウ素0.002 重量部を重合機に連続
的に供給しながら、塊状重合を行った。重合機排出口か
ら排出された反応生成物を実施例1と同様に処理し、ペ
レット状の分岐又は架橋ポリアセタール樹脂とし、更
に、箱型中空容器をブロー成形し評価を行った。結果を
表1に示す。
【0027】比較例2 1,4 −ブタンジオールジグリシジルエーテルの量を変え
た以外は比較例1と同様に重合と処理をし、ペレット状
の分岐又は架橋ポリアセタール樹脂とし、更に、箱型中
空容器をブロー成形し評価を行った。結果を表1に示
す。
【0028】比較例3 実施例1と同様に連続式混合反応機を用い、その一端に
1,3 −ジオキソラン3.3 重量部、メチラール0.004 重量
部及びトリオキサン100 重量部を連続的に供給した。続
いて同時に三フッ化ホウ素0.002 重量部を重合機に連続
的に供給しながら、塊状重合を行った。重合機排出口か
ら排出された反応生成物を実施例1と同様に処理し、ペ
レット状の線状ポリアセタール樹脂とし、更に、箱型中
空容器をブロー成形し評価を行った。結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】注)表中の略称と詳細名称 GE:グリシジルエーテル MI:メルトインデックス PPGE:フェニルフェノールグリシジルエーテル CGE:クレジルグリシジルエーテル PGE:フェニルグリシジルエーテル BDGE:1,4 −ブタンジオールジグリシジルエーテル HQDEG:ヒドロキノンジグリシジルエーテル PETGE:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエ
ーテル $ 斑点状物が顕著に見られた。
【0031】# メルトフラクチャーが観測された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 義久 静岡県富士市宮島973番地 ポリプラスチ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4F208 AA23 AH17 AH33 AR20 LB01 LG01 4J005 AA04 AA06 AA09 BB02 4J032 AA05 AA32 AA33 AA34 AA35 AA36 AA42 AB07 AC03 AC13 AC22 AC23 AC42 AD32 AD33 AD34 AD35 AD36 AD37 AD38 AD41 AD46 AD47 AD50 AD51 AF08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) トリオキサン100 重量部、(B) 環状
    エーテル及び/又は環状ホルマール0〜20重量部、(C)
    単官能グリシジル化合物0.001 〜10重量部及び(D) 多官
    能グリシジル化合物0.0005〜1重量部を重合させて得ら
    れるポリアセタール樹脂。
  2. 【請求項2】 (C) 単官能グリシジル化合物が、下記式
    (1) で示される化合物である請求項1記載のポリアセタ
    ール樹脂。 【化1】 (但し、R1は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20
    のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、フェニ
    ル基、アルキル(炭素数1〜20)置換フェニル基、アル
    キリデン(炭素数1〜20)置換フェニル基、ナフチル
    基、アルキル(炭素数1〜20)置換ナフチル基、アルキ
    リデン(炭素数1〜20)置換ナフチル基、ビフェニル
    基、クミルフェニル基よりなる群より選ばれる基、R2
    炭素数1〜20のアルキル基、n は0〜20の整数であ
    る。)
  3. 【請求項3】 (D) 多官能グリシジル化合物が、ジグリ
    シジルエーテル化合物、トリグリシジルエーテル化合
    物、テトラグリシジルエーテル化合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリ
    アセタール樹脂。
  4. 【請求項4】 (B) 環状エーテル及び/又は環状ホルマ
    ールが、エチレンオキシド、1,3 −ジオキソラン、ジエ
    チレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホ
    ルマールからなる群から選ばれる少なくとも1種である
    請求項1〜3の何れか1項記載のポリアセタール樹脂。
  5. 【請求項5】 重合触媒として三フッ化ホウ素、三フッ
    化ホウ素配位化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の化合物を用いて重合したものである請求項1〜4
    の何れか1項記載のポリアセタール樹脂。
  6. 【請求項6】 ドローダウン指数が3.0 以上である、請
    求項1〜5の何れか1項記載のポリアセタール樹脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項記載のポリア
    セタール樹脂又はこれを主体とする樹脂組成物を成形し
    てなるブロー成形品。
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