JPH075694B2 - ポリアセタール共重合体の製法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製法

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JPH075694B2
JPH075694B2 JP63318612A JP31861288A JPH075694B2 JP H075694 B2 JPH075694 B2 JP H075694B2 JP 63318612 A JP63318612 A JP 63318612A JP 31861288 A JP31861288 A JP 31861288A JP H075694 B2 JPH075694 B2 JP H075694B2
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polyacetal
trioxane
polyacetal copolymer
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なポリアセタール共重合体の製造法なら
びに前記ポリアセタール共重合体からなる、主としてポ
リアセタール樹脂用造核剤に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は、ポリアセタール樹脂用の造
核剤として好適に使用される、分子中に分岐および(又
は)架橋(網状化)構造を持つことを特徴とする、ポリ
アセタール共重合体の製造法並びにそれを含む、主とし
てポリアセタール樹脂用造核剤に関する。
(従来の技術) 本発明でいうポリアセタール樹脂用造核剤とは、公知の
線状ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂に添
加したときに、有効な結晶核発生効果を達成しうる、分
岐を有するおよび(又は)架橋(網状化)したポリオキ
シメチレンのことをいう。ポリアセタール樹脂の造核剤
として好適に用いられる、分岐を有するおよび(又は)
架橋(網状化)したポリオキシメチレンの製法技術とし
ては、トリオキサン、トリオキサンと反応しうる少なく
とも一つの環状エーテル、及びトリオキサンと反応しう
る少なくとも一つの多官能性グリシジルエーテルとを三
元共重合させることによって得られることが、特公昭42
−3955号公報によって開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記従来技術で製造された、分岐を有するおよび(又
は)架橋(網状化)したポリオキシメチレンは、ポリア
セタール樹脂の成形加工時における造核剤として使用さ
れるが、その核剤としての効果は必ずしも充分ではな
く、その改良が望まれている。
例えば、前記従来技術によつて製造された分岐を有する
および(又は)架橋(網状化)したポリオキシメチレン
の使用例としては、ポリオキシメチレンフィルムの造核
剤として使用されるが、従来技術によって製造された分
岐を有するおよび(又は)架橋(網状化)したポリオキ
シメチレンでは、球晶径にもとづく表面粗度の改良が不
充分であり、さらに大きな造核効果を持つ、分岐を有す
るおよび(又は)架橋(網状化)したポリオキシメチレ
ンの開発が強く望まれている。
本発明の目的は、従来の分岐を有するおよび(又は)架
橋(網状化)したポリオキシメチレンよりもさらに優れ
た造核効果を有するポリアセタール共重合体の製造を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、分岐を有するおよび(又は)架橋(網状
化)したポリオキシメチレンの造核効果を更に向上せし
めるために、分岐を有するおよび(又は)架橋(網状
化)したポリオキシメチレンの結晶化度を上げることが
必要であることに着目し、鋭意検討した。
本発明者らは、分岐を有するおよび(又は)架橋(網状
化)したポリオキシメチレンの結晶化度を向上せしめる
ために、トリオキサンとトリオキサンと反応しうる少な
くとも一種の、1分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ環を持つ多官能性グリシジルエーテルとから本質的に
なる成分を共重合せしめることによって、著しい造核作
用を有する分岐を有するおよび(又は)架橋(網状化)
したポリアセタール共重合体の製法並びにポリアセター
ル共重合体からなる、主としてポリアセタール樹脂用造
核剤を見出した。
すなわち、本発明は、トリオキサンとトリオキサンと反
応しうる少なくとも一種の、1分子中に少なくとも2個
以上のエポキシ環を持つ多官能性グリシジルエーテルと
から本質的になる成分を共重合せしめることにより、造
核効果にとくに優れた新規なポリアセタール共重合体の
製法並びに該共重合体からなる、主としてポリアセター
ル樹脂用造核剤に関するものである。
本発明の共重合体は、トリオキサンと多官能性グリシジ
ルエーテルとを、カチオン重合触媒の存在下で共重合せ
しめることによって製造される。
本発明で用いられる多官能性グリシジルエーテル化合物
としては、次の3つのグループがある。
まず、第一グループは、一般式; (式中のR1およびR2は、夫々水素原子又は置換基を有し
若しくは有しない炭化水素基であり、R1とR2は同一であ
っても異なっていてもよい。又、mは2〜10の整数、n
は2〜200の整数である。) で表されるポリアルキレングリコールより誘導される多
官能性グリシジルエーテルであり、例えばポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリブチレングリコール
ジグリシジルエーテルなどが用いられる。特に好ましく
は第1グループのうち、入手、精製の容易さより分子量
800以下のジグリシジルエーテルが好適に使用される。
第2グループとしては、多価の脂肪族アルコールより誘
導される多官能性グリシジルエーテルであり、かかるグ
リシジルエーテルの例としては、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、1,3−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
テトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジ
ルエーテル、1,7−ヘプタンジオールジグリシジルエー
テル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル等
が挙げられる。特に第2グループの中で入手、精製の容
易さ、及び得られる共重合体の造核効果の大きさより、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルが望まし
い。
第3グループとしては、多価の芳香族アルコールより誘
導される多官能性グリシジルエーテルであり、かかるグ
リシジルエーテルの例としては、ヒドロキノンジグリシ
ジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、
カテコールジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグ
リシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル、エポキシフェノールノボラック樹脂、エポキシク
レゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
本発明のポリアセタール共重合体の製造に当たり、共重
合成分としてトリオキサンと多官能性グリシジルエーテ
ルとから本質的になる成分を使用することが、ポリアセ
タール樹脂などにブレンドした場合に優れた造核効果を
得るのに必要である。
共重合せしめるトリオキサンと、多官能性グリシジルエ
ーテルとの量比は、トリオキサン99.99〜90重量%、多
官能性グリシジルエーテル0.01〜10重量%の範囲内であ
ることが望ましい。多官能性グリシジルエーテルの量が
0.01重量%未満であるときには、得られた共重合体は造
核効果を持たず、多官能性グリシジルエーテルの量が10
重量%を越える範囲にあるときには、共重合体の架橋が
過多になり、後処理が困難となる。
本発明で用いられるカチオン重合触媒としては、四塩化
錫、四臭化錫、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩
化亜鉛、三塩化バナジウム、五弗化アンチモン、三弗化
ホウ素、三弗化ホウ素ジエチルエーテラート、三弗化ホ
ウ素ジブチルエーテラート、三弗化ホウ素アセチックア
ンハイドレート、三弗化ホウ素トリエチルアミン錯化合
物等の三弗化ホウ素配位化合物等のいわゆるフリーデル
・クラフト型化合物;過塩素酸、アセチルパークロレー
ト、ヒドロキシ酢酸、トリクロル酢酸、p−トルエンス
ルホン酸等の無機酸及び有機酸;トリエチルオキソニウ
ムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフ
ロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロ
ホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレー
ト等の複合塩化合物;ジエチル亜鉛、トリエチルアルミ
ニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル
金属等が挙げられる。
これらのカチオン重合触媒は、出発原料100重量部に対
し、0.0005〜5重量部の範囲で用いられる。共重合は無
溶媒もしくは有機媒体中で行われる。
本発明において用いることのできる有機媒体としては、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エ
チレン、トリクロルエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化
水素;クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等のハロ
ゲン化芳香族炭化水素がある。これら有機媒体は、単独
で用いても良く、あるいは2種以上混合して用いても差
し支えない。
分子量調節剤は、反応系中に均一に溶解もしくは分散さ
れて用いられる。分子量調節剤の系中における濃度は、
所望するアセタール重合体の分子量の要求に応じて、容
易に実験によって決定することができる。本発明で用い
ることのできる分子量調節剤は、アセタール、アルコー
ル、カルボン酸、カルボン酸無水物、ポリエーテルなど
である。反応時間については、特に制限はないが、1秒
〜300分の間で設定される。
反応温度は、通常−20〜230℃の間で設定されるが、無
溶媒の場合には20〜210℃の間がより好ましく、有機媒
体を使用する場合には−10〜120℃の間がより好まし
い。
所定時間の経過後、反応系中に重合停止剤が添加されて
共重合は終了する。得られた共重合体は不安定末端基を
エステル化等の方法で封鎖することによって安定化され
る。安定化されたポリアセタール共重合体には、安定剤
等が添加され、実用に供される。
本発明で得られた共重合体の分子量は、メルトインデッ
クスの測定及び液体クロマトグラフィーより求めること
ができる。また、主鎖のオキシメチレン重合体部分のみ
の数平均分子量は、IRによる光学的分析法で末端基の定
量を行うことにより求められる。さらに分子中に挿入さ
れた多官能性グリシジルエーテルの定量は、得られた重
合体を希薄塩酸水溶液中で加水分解し、分解したポリア
ルコールをガスクロマトグラフィー及び液体クロマトグ
ラフィーで定量することによって行うことができる。こ
れらの数値より、1分子中の架橋数及び架橋密度を算出
することが可能である。
一般には、架橋密度の大きなポリアセタール共重合体の
場合には、架橋密度の小さなポリアセタール共重合体よ
りも大きな造核効果が期待できる。
本発明の造核剤は、本発明に係る製法により得られたポ
リアセタール共重合体を単独に、あるいは、前記ポリア
セタール共重合体の造核作用に支障を与えない範囲で、
他の公知の造核剤の少量を含ませて構成させることがで
きる。
また、本発明の造核剤は、従来公知の(線状)ポリアセ
タール樹脂に対してはもちろん、その他ポリエステル、
ポリプロピレンなど(微)結晶化により透明性などの物
性改良が要する任意の熱可塑性樹脂にも適用可能であ
る。
本発明を下記の実施例によって具体的に説明するが、こ
れらは本発明の範囲を制限するものでない。
(実施例) 以下、本発明の実施例を示す。
実施例1 精製トリオキサン2000gと精製1,4−ブタンジオールジグ
リシジルエーテル4.5gを72℃に保温し、窒素ガス置換し
た市販の容積3のバッチ式ニーダー内に仕込み、連鎖
移動剤としてメチラール0.84gを添加し、重合触媒とし
てフッ化ホウ素ジブチルエーテラートを0.09g添加後、2
0分間撹拌して重合を行った。得られた共重合体を過剰
の1%トリエチルアミン水溶液中で洗浄することによっ
て重合触媒を失活し、重合体をろ過により分離後、アセ
トンで十分洗浄してから60℃で乾燥したところ、白色重
合体1450gが得られた。
このようにして得られたポリアセタール共重合体50gを
無水酢酸500g及び酢酸カリウム0.1gとともに153℃で2
時間加熱し、安定なポリアセタール共重合体49gを得
た。
この共重合体を、高粘度ポリアセタールホモポリマー
(旭化成工業株式会社製テナック 3010)に1重量%添
加し、30mmφ押出機を用いて溶融混練して、ポリアセタ
ール組成物を調製した。この組成物の球晶径を光散乱法
で測定したところ1.5μmであり、著しく小さい球晶径
が得られた。
実施例2〜12 実施例1で示した、72℃に保温し窒素ガス置換したバッ
チ式ニーダー内に、精製トリオキサン2000g、及び第1
表に示す多官能性グリシジルエーテルを仕込み、メチラ
ール0.84g、フッ化ホウ素ジブチルエーテラート0.09gを
添加後、20分間撹拌して、重合を行った。得られた共重
合体は実施例1で記載した同じ方法で重合触媒の失活、
洗浄、乾燥及び共重合体の末端安定化を行って安定なポ
リアセタール共重合体を得た。
各々の実施例で得られた共重合体を、実施例1で用いた
高粘度ポリアセタールホモポリマーに1重量%添加し、
実施例1で記載した同じ方法でポリアセタール組成物を
調製し、光散乱法で測定した各組成物の球晶径を第1表
に示す。
(比較例) 比較例1〜6 実施例1で示した72℃に保温し、窒素ガス置換したバッ
チ式ニーダー内に精製トリオキサン2000g、酸化エチレ
ン49g、第2表に示す量の多官能性グリシジルエーテ
ル、メチラール0.84g、フッ化ホウ素ジブチルエーテラ
ート0.09gを仕込み、20分間撹拌して、重合を行った。
得られた共重合体は、実施例1で記載した同じ方法で重
合触媒の失活、洗浄、乾燥及び共重合体の末端安定化を
行って、安定なポリアセタール共重合体を得た。
各々の比較例で得られた共重合体を実施例1で用いた高
粘度ポリアセタールホモポリマーに1重量%添加し、実
施例1で記載した同じ方法でポリアセタール組成物を調
製した。
各々の組成物の光散乱法で測定した球晶径を、第2表に
示す。これらの比較例においては、酸化エチレンを共重
合したために、いずれも充分に小さな球晶径は得られな
かった。
比較例7 比較例1で用いた酸化エチレンの代わりに、1,3−ジオ
キソラン70gを使用した以外は比較例1と同様の操作を
行いポリアセタール共重合体を得た。
得られたポリアセタール共重合体を比較例1と同様の操
作を行いポリアセタール組成物を調製した。
この組成物の球晶径は9.4μmであり、1,3−ジオキソラ
ンを共重合せしめたポリアセタール共重合体を使用した
ために十分に小さな球晶径は得られなかった。
(発明の効果) 本発明の製法によって製造されたポリアセタール共重合
体は、以上説明した如く、分子中には、原料コモノマー
の環状エーテルユニット或いは環状ホルマールユニット
に基づく非晶性部分が存在しないことから、より結晶化
度の向上が望め、ポリアセタール樹脂など熱可塑性樹脂
用造核剤として用いた時に、より優れた効果を与えるも
のである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリオキサンと、トリオキサンと反応しう
    る少なくとも1種の、1分子中に少なくとも2個以上の
    エポキシ環を持つ多官能性グリシジルエーテルから本質
    的になる成分を共重合することを特徴とする、ポリアセ
    タール共重合体の製法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリアセタール共重合体か
    らなる、主としてポリアセタール樹脂用造核剤。
JP63318612A 1988-12-19 1988-12-19 ポリアセタール共重合体の製法 Expired - Lifetime JPH075694B2 (ja)

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