JP3086360B2 - 変性ポリアセタール共重合体、その製造法およびそれを含有する組成物 - Google Patents
変性ポリアセタール共重合体、その製造法およびそれを含有する組成物Info
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- JP3086360B2 JP3086360B2 JP05137274A JP13727493A JP3086360B2 JP 3086360 B2 JP3086360 B2 JP 3086360B2 JP 05137274 A JP05137274 A JP 05137274A JP 13727493 A JP13727493 A JP 13727493A JP 3086360 B2 JP3086360 B2 JP 3086360B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側鎖に特定のカルボン酸
エステル基を有する、新規な変性ポリアセタール共重合
体、その製造法、およびこの変性ポリアセタール共重合
体を配合したポリアセタール樹脂組成物に関するもので
ある。
エステル基を有する、新規な変性ポリアセタール共重合
体、その製造法、およびこの変性ポリアセタール共重合
体を配合したポリアセタール樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】周知
のとおり、ポリアセタール樹脂は優れた機械的性質、電
気的性質、耐薬品性、耐熱性等の多くの物性に関して、
バランスよく優れた特性を有するエンジニアリングプラ
スチックであり、例えば、自動車部品、電気・電子機器
部品、機械部品、その他の構造部品として広く利用され
ている。しかし、ポリアセタール樹脂は他の物質との親
和性が非常に低く、他材料とのブレンドによる改質、あ
るいは塗装、染色等を試みるときに様々な問題が生じ
る。例えば、他の改質材等をブレンドする際、相手材料
との親和性、相溶性の不良により満足のゆく物性向上が
得られず、また、分離や表面剥離が生じて成形品の外観
を著しく損なうことがある。また、塗装、染色、接着等
に対しても十分な密着性が得られないことが多い。又、
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐久性とともに優れ
た潤滑性と耐摩擦磨耗特性を有することから軸受け、歯
車等の摺動材に多く利用されているが、最近、ますます
高度な潤滑特性が求められるようになってきており、さ
らに高いレベルの摺動特性が要求される場合も少なくな
い。そこで、さらに一層の摺動特性を付与するため、グ
リース等の潤滑剤の表面塗布、あるいは潤滑剤を配合し
た組成物の提案がこれまで行われている。しかしなが
ら、上記の如く、ポリアセタール樹脂は他の物質との親
和性が低く、長期に亘ってその潤滑剤等を保持させるこ
とは困難な場合が多く、これらの従来技術では目的によ
り、なお十分でない場合が見られる。又、ポリオキシメ
チレン自体の相溶性や潤滑性等を高める方法として、特
定の変性基を導入した特定の変性ポリアセタール(共)
重合体が提案されているが、かかる変性基の導入反応は
ポリアセタールの分解等により分子量の低下を生じ、
又、コモノマーとして共重合により導入する方法も一般
に共重合反応性を低下させ、収率よく、高重合度の変性
ポリアセタールを得ることは至難であり、機械強度の点
でも好ましくない。例えば、特開平3−21618 号公報、
特開平3−21619 号公報、特開平3−47818 号公報では
トリオキサン又はホルムアルデヒドを主モノマーとし、
それぞれ1,2,6 −ヘキサントリオール、トリメチロール
プロパン、グリセロール等の三価アルコールのホルマー
ル環化物およびそのエステル誘導体をコモノマーとして
用いる共重合体の例が記載されており、ポリオキシメチ
レン中に水酸基や種々の低級エステル基を側鎖置換基と
して導入することが示されている。また、特開平3−21
620 号公報ではコモノマーとしてグリシドールあるいは
そのエステル化物を用いて、同様の効果が得られること
が示されている。しかし、かかるコモノマーを用いた場
合のカチオン共重合では、水酸基又は低級エステル基は
重合抑制作用を有し、これらの重合系では触媒活性の低
下、重合速度の低下、分子量の低下などが見られ、高重
合度の共重合体を高収率で得ることが困難である。又、
かかるポリアセタール共重合体は安定化等の後処理にお
いてエステル結合が加水分解して脱離し易い等の不都合
も認められる。
のとおり、ポリアセタール樹脂は優れた機械的性質、電
気的性質、耐薬品性、耐熱性等の多くの物性に関して、
バランスよく優れた特性を有するエンジニアリングプラ
スチックであり、例えば、自動車部品、電気・電子機器
部品、機械部品、その他の構造部品として広く利用され
ている。しかし、ポリアセタール樹脂は他の物質との親
和性が非常に低く、他材料とのブレンドによる改質、あ
るいは塗装、染色等を試みるときに様々な問題が生じ
る。例えば、他の改質材等をブレンドする際、相手材料
との親和性、相溶性の不良により満足のゆく物性向上が
得られず、また、分離や表面剥離が生じて成形品の外観
を著しく損なうことがある。また、塗装、染色、接着等
に対しても十分な密着性が得られないことが多い。又、
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐久性とともに優れ
た潤滑性と耐摩擦磨耗特性を有することから軸受け、歯
車等の摺動材に多く利用されているが、最近、ますます
高度な潤滑特性が求められるようになってきており、さ
らに高いレベルの摺動特性が要求される場合も少なくな
い。そこで、さらに一層の摺動特性を付与するため、グ
リース等の潤滑剤の表面塗布、あるいは潤滑剤を配合し
た組成物の提案がこれまで行われている。しかしなが
ら、上記の如く、ポリアセタール樹脂は他の物質との親
和性が低く、長期に亘ってその潤滑剤等を保持させるこ
とは困難な場合が多く、これらの従来技術では目的によ
り、なお十分でない場合が見られる。又、ポリオキシメ
チレン自体の相溶性や潤滑性等を高める方法として、特
定の変性基を導入した特定の変性ポリアセタール(共)
重合体が提案されているが、かかる変性基の導入反応は
ポリアセタールの分解等により分子量の低下を生じ、
又、コモノマーとして共重合により導入する方法も一般
に共重合反応性を低下させ、収率よく、高重合度の変性
ポリアセタールを得ることは至難であり、機械強度の点
でも好ましくない。例えば、特開平3−21618 号公報、
特開平3−21619 号公報、特開平3−47818 号公報では
トリオキサン又はホルムアルデヒドを主モノマーとし、
それぞれ1,2,6 −ヘキサントリオール、トリメチロール
プロパン、グリセロール等の三価アルコールのホルマー
ル環化物およびそのエステル誘導体をコモノマーとして
用いる共重合体の例が記載されており、ポリオキシメチ
レン中に水酸基や種々の低級エステル基を側鎖置換基と
して導入することが示されている。また、特開平3−21
620 号公報ではコモノマーとしてグリシドールあるいは
そのエステル化物を用いて、同様の効果が得られること
が示されている。しかし、かかるコモノマーを用いた場
合のカチオン共重合では、水酸基又は低級エステル基は
重合抑制作用を有し、これらの重合系では触媒活性の低
下、重合速度の低下、分子量の低下などが見られ、高重
合度の共重合体を高収率で得ることが困難である。又、
かかるポリアセタール共重合体は安定化等の後処理にお
いてエステル結合が加水分解して脱離し易い等の不都合
も認められる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き従来提案の技術も含め、種々の変性基を導入したポリ
アセタール共重合体及びその製造法に関し研究した結
果、環状コモノマーとして、炭素数少なくとも10以上の
直鎖アルキルエステルの如き、嵩高いエステル基を変性
基として有する環状のコモノマーを選択使用して共重合
を行うことにより、特異的な立体障害効果が作用し、エ
ステル結合の分解もなく、又、重合触媒の失活、重合の
抑制或いは連鎖移動等の支障がなく、その結果、前記従
来提案の如き短鎖のエステル付加体モノマーの場合と比
較して、共重合性が飛躍的に向上し、トリオキサンある
いはホルムアルデヒドとの共重合が穏和な条件でも容易
に進行し、高収率で高重合度の変性ポリアセタール共重
合体が得られ、しかも後処理等でエステル結合の加水分
解等も殆どなく、さらに、かかる長鎖アルキルエステル
基を有するポリアセタール共重合体はそれ自体摩擦特性
等に優れ、又、他の添加剤等との相溶性、分散性等にも
著しい改善効果が得られることを見出し、本発明を完成
した。即ち、本発明の変性ポリアセタール共重合体は、 (A)下記の式(1) で表される構成ユニット90〜99.9モル
%、 -CH2O- (1) (B) 下記の一般式(2) で表される構成ユニット 0.1〜10
モル%、
き従来提案の技術も含め、種々の変性基を導入したポリ
アセタール共重合体及びその製造法に関し研究した結
果、環状コモノマーとして、炭素数少なくとも10以上の
直鎖アルキルエステルの如き、嵩高いエステル基を変性
基として有する環状のコモノマーを選択使用して共重合
を行うことにより、特異的な立体障害効果が作用し、エ
ステル結合の分解もなく、又、重合触媒の失活、重合の
抑制或いは連鎖移動等の支障がなく、その結果、前記従
来提案の如き短鎖のエステル付加体モノマーの場合と比
較して、共重合性が飛躍的に向上し、トリオキサンある
いはホルムアルデヒドとの共重合が穏和な条件でも容易
に進行し、高収率で高重合度の変性ポリアセタール共重
合体が得られ、しかも後処理等でエステル結合の加水分
解等も殆どなく、さらに、かかる長鎖アルキルエステル
基を有するポリアセタール共重合体はそれ自体摩擦特性
等に優れ、又、他の添加剤等との相溶性、分散性等にも
著しい改善効果が得られることを見出し、本発明を完成
した。即ち、本発明の変性ポリアセタール共重合体は、 (A)下記の式(1) で表される構成ユニット90〜99.9モル
%、 -CH2O- (1) (B) 下記の一般式(2) で表される構成ユニット 0.1〜10
モル%、
【0004】
【化4】
【0005】(式中、-R1 は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R
3 は炭素数10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1
〜5、jは0〜2の整数である。) (C) 下記の一般式(3) で表される構成ユニット0〜9.9
モル% -(CH2)kO- (3) (式中、k は2〜4の整数である。)がランダムに結合
した、重量平均分子量が 5,000から 500,000の範囲であ
る新規な変性ポリアセタール共重合体である。本発明の
変性ポリアセタール共重合体は以下の如き重合法によっ
て製造される。即ち、(A')トリオキサン75.0〜99.7モル
%、(B')下記の一般式(4) で表される環状エーテル又は
環状ホルマール 0.3〜25モル%、
のアルキル基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R
3 は炭素数10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1
〜5、jは0〜2の整数である。) (C) 下記の一般式(3) で表される構成ユニット0〜9.9
モル% -(CH2)kO- (3) (式中、k は2〜4の整数である。)がランダムに結合
した、重量平均分子量が 5,000から 500,000の範囲であ
る新規な変性ポリアセタール共重合体である。本発明の
変性ポリアセタール共重合体は以下の如き重合法によっ
て製造される。即ち、(A')トリオキサン75.0〜99.7モル
%、(B')下記の一般式(4) で表される環状エーテル又は
環状ホルマール 0.3〜25モル%、
【0006】
【化5】
【0007】(式中、-R1 は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R
3 は炭素数10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1
〜5、jは0〜2、p は0〜3の整数である。) (C')下記の一般式(5) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール0〜24.7モル%
のアルキル基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R
3 は炭素数10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1
〜5、jは0〜2、p は0〜3の整数である。) (C')下記の一般式(5) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール0〜24.7モル%
【0008】
【化6】
【0009】(式中、k は2〜4、qは0〜3、rは1
〜3の整数である。)よりなるモノマー成分をカチオン
活性触媒の存在下で共重合することによって製造でき
る。尚、(A')成分としてはトリオキサンの代わりにホル
ムアルデヒドを用いることも出来る。ここで用いる成分
(B')の特定エステル基を有するコモノマーは、その構造
を環部分、エステル基、及びその結合手(一般式(4) の
-R2-)の3つの部分に分けることができる。本発明にお
いてはコモノマー(B')によって形成される構成単位(B)
に結合するエステル基の-R3 基が少なくとも炭素数10以
上の脂肪族又は芳香族基よりなることを特徴とし、例え
ば炭素数10以上の長鎖脂肪族炭化水素基、アリール置換
アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基等で
あり、かかる嵩高い構造の基であることによってエステ
ル結合の加水分解やカルボニル基が関与する重合副反応
が抑制でき、穏和な条件で速やかな共重合を行うことが
できる。また、さらに、実施例に示すようにポリアセタ
ールの摺動性に関して改善効果が認められる。中でも好
ましい-R3 基は、炭素数10以上の高級アルキル基、フェ
ニル置換アルキル基、アルキル置換フェニル基である。
環部分として特に好ましいものを挙げると、1,3 −ジオ
キソラン環、1,3 −プロピレングリコールホルマール
環、1,4 −ブタンジオールホルマール環、1,3 −ジオキ
セパン環、1,3,5 −トリオキソ環、エチレンオキシド環
などが挙げられる。又、結合基-R2-は炭素数1〜4のア
ルキレン基であり、-R2-は特に高級アルキレン基として
もその効果は特に認められない。成分(B')の合成法の一
例を述べると、先ず、グリセロール、トリメチロールプ
ロパン、1,2,6 −ヘキサントリオールのような三価アル
コールをホルマール化して水酸基を持つ環状ホルマール
を得、次いで、アルカリ触媒存在下で、-R3 に対応する
酸ハロゲン化物もしくは酸無水物を反応させてエステル
化し所望のコモノマーを得る。なお、成分(B')は単一物
質であっても混合物であっても良い。
〜3の整数である。)よりなるモノマー成分をカチオン
活性触媒の存在下で共重合することによって製造でき
る。尚、(A')成分としてはトリオキサンの代わりにホル
ムアルデヒドを用いることも出来る。ここで用いる成分
(B')の特定エステル基を有するコモノマーは、その構造
を環部分、エステル基、及びその結合手(一般式(4) の
-R2-)の3つの部分に分けることができる。本発明にお
いてはコモノマー(B')によって形成される構成単位(B)
に結合するエステル基の-R3 基が少なくとも炭素数10以
上の脂肪族又は芳香族基よりなることを特徴とし、例え
ば炭素数10以上の長鎖脂肪族炭化水素基、アリール置換
アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基等で
あり、かかる嵩高い構造の基であることによってエステ
ル結合の加水分解やカルボニル基が関与する重合副反応
が抑制でき、穏和な条件で速やかな共重合を行うことが
できる。また、さらに、実施例に示すようにポリアセタ
ールの摺動性に関して改善効果が認められる。中でも好
ましい-R3 基は、炭素数10以上の高級アルキル基、フェ
ニル置換アルキル基、アルキル置換フェニル基である。
環部分として特に好ましいものを挙げると、1,3 −ジオ
キソラン環、1,3 −プロピレングリコールホルマール
環、1,4 −ブタンジオールホルマール環、1,3 −ジオキ
セパン環、1,3,5 −トリオキソ環、エチレンオキシド環
などが挙げられる。又、結合基-R2-は炭素数1〜4のア
ルキレン基であり、-R2-は特に高級アルキレン基として
もその効果は特に認められない。成分(B')の合成法の一
例を述べると、先ず、グリセロール、トリメチロールプ
ロパン、1,2,6 −ヘキサントリオールのような三価アル
コールをホルマール化して水酸基を持つ環状ホルマール
を得、次いで、アルカリ触媒存在下で、-R3 に対応する
酸ハロゲン化物もしくは酸無水物を反応させてエステル
化し所望のコモノマーを得る。なお、成分(B')は単一物
質であっても混合物であっても良い。
【0010】次に成分(C')の環状エーテル又は環状ホル
マールは必ずしも必要ではないが、加えることが好まし
い。成分(C')は成分(B')の如き-R2-O-CO-R3 の変性基を
有しない環状エーテル又はホルマールで、具体例として
は、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3,5 −
ジオキセパン、1,3 −ジオキサン、1,4 −ブタンジオー
ルホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリ
エチレングリコールホルマールなどが好ましいものとし
て挙げられる。
マールは必ずしも必要ではないが、加えることが好まし
い。成分(C')は成分(B')の如き-R2-O-CO-R3 の変性基を
有しない環状エーテル又はホルマールで、具体例として
は、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3,5 −
ジオキセパン、1,3 −ジオキサン、1,4 −ブタンジオー
ルホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリ
エチレングリコールホルマールなどが好ましいものとし
て挙げられる。
【0011】本発明で共重合に用いる触媒としては、一
般にトリオキサンの(共)重合触媒として用いられるカ
チオン活性重合触媒が用いられる。このような触媒の第
一の例はルイス酸である。具体的にはホウ素、錫、チタ
ン、燐、砒素、およびアンチモン等のハロゲン化物、例
えば、三フッ化ホウ素、四塩化錫、四塩化チタン、五塩
化燐、五フッ化燐、五フッ化砒素および五フッ化アンチ
モン、さらにこれらの錯化合物または塩が挙げられる。
触媒の第二の例はプロトン酸およびその誘導体である。
具体的にはトリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等
の酸、また、プロトン酸のエステル、特に過塩素酸と低
級脂肪族アルコールとのエステル(例えば過塩素酸t−
ブチル)、プロトン酸の無水物、特に過塩素酸と低級脂
肪族カルボン酸との混合無水物(例えば、過塩素酸アセ
チル)などが挙げられる。触媒の第三の例はヘテロポリ
酸である。具体的には燐モリブデン酸、燐タングステン
酸などが挙げられる。以上の中でも三フッ化ホウ素ある
いは三フッ化ホウ素とエーテル類との配位化合物は最も
一般的で適している。
般にトリオキサンの(共)重合触媒として用いられるカ
チオン活性重合触媒が用いられる。このような触媒の第
一の例はルイス酸である。具体的にはホウ素、錫、チタ
ン、燐、砒素、およびアンチモン等のハロゲン化物、例
えば、三フッ化ホウ素、四塩化錫、四塩化チタン、五塩
化燐、五フッ化燐、五フッ化砒素および五フッ化アンチ
モン、さらにこれらの錯化合物または塩が挙げられる。
触媒の第二の例はプロトン酸およびその誘導体である。
具体的にはトリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等
の酸、また、プロトン酸のエステル、特に過塩素酸と低
級脂肪族アルコールとのエステル(例えば過塩素酸t−
ブチル)、プロトン酸の無水物、特に過塩素酸と低級脂
肪族カルボン酸との混合無水物(例えば、過塩素酸アセ
チル)などが挙げられる。触媒の第三の例はヘテロポリ
酸である。具体的には燐モリブデン酸、燐タングステン
酸などが挙げられる。以上の中でも三フッ化ホウ素ある
いは三フッ化ホウ素とエーテル類との配位化合物は最も
一般的で適している。
【0012】また、共重合反応において所望の分子量の
共重合体を得るため、連鎖移動剤を使用することができ
る。連鎖移動剤としては一般にトリオキサンの(共)重
合に使用される分子量調節剤が有効に使用され、例え
ば、メチラールのような低分子量アセタール化合物、ア
ルコール、酸無水物等が挙げられる。
共重合体を得るため、連鎖移動剤を使用することができ
る。連鎖移動剤としては一般にトリオキサンの(共)重
合に使用される分子量調節剤が有効に使用され、例え
ば、メチラールのような低分子量アセタール化合物、ア
ルコール、酸無水物等が挙げられる。
【0013】本発明の重合法は、従来公知のトリオキサ
ンあるいはホルムアルデヒドの共重合と同様の設備と方
法で行うことができる。即ち、バッチ式、連続式の何れ
も可能である。又、溶液重合、溶融重合、溶融塊状重合
等の何れにてもよいが、液体モノマーを用い、重合の進
行とともに固体粉塊状のポリマーを得る方法が一般的で
ある。この場合、必要に応じて不活性液体媒体を共存さ
せることができる。本発明に用いられる重合装置として
は、バッチ式では一般に用いられる攪拌機付きの反応槽
が使用でき、また、連続式としては、コニーダー、二軸
スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連続
混合機、その他これまでに提案されているトリオキサン
等の連続重合装置が使用可能である。また、2種以上の
タイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
重合温度は、(A')成分がトリオキサンの場合64〜120 ℃
の温度範囲で行われる。また、重合時間は触媒量と関係
し、特に制限はないが、一般には 0.5〜100 分、好まし
くは1〜20分である。
ンあるいはホルムアルデヒドの共重合と同様の設備と方
法で行うことができる。即ち、バッチ式、連続式の何れ
も可能である。又、溶液重合、溶融重合、溶融塊状重合
等の何れにてもよいが、液体モノマーを用い、重合の進
行とともに固体粉塊状のポリマーを得る方法が一般的で
ある。この場合、必要に応じて不活性液体媒体を共存さ
せることができる。本発明に用いられる重合装置として
は、バッチ式では一般に用いられる攪拌機付きの反応槽
が使用でき、また、連続式としては、コニーダー、二軸
スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連続
混合機、その他これまでに提案されているトリオキサン
等の連続重合装置が使用可能である。また、2種以上の
タイプの重合機を組み合わせて使用することもできる。
重合温度は、(A')成分がトリオキサンの場合64〜120 ℃
の温度範囲で行われる。また、重合時間は触媒量と関係
し、特に制限はないが、一般には 0.5〜100 分、好まし
くは1〜20分である。
【0014】重合を終了した反応系は、アンモニア、あ
るいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミン類、またはアルカリ金属、アル
カリ土類金属の水酸化物や塩、その他公知の触媒失活剤
を添加混合するか、あるいはこれらの失活剤を含む溶液
を添加し、処理することによって重合触媒を中和失活す
ることが好ましい。この際、生成重合体が大きな塊状の
場合は、重合後粉砕して処理するのが好ましいことは当
然である。得られた重合体は、洗浄、乾燥後、一般には
さらに安定化処理を施すのが好ましい。安定化処理は、
一般にトリオキサンの共重合体に用いられる方法、例え
ば適当な分解促進剤の存在下で加熱溶融処理、あるいは
不溶性または可溶性の液体媒体中で加熱し、不安定部分
を選択的に分解除去する方法によって達成される。
るいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミン類、またはアルカリ金属、アル
カリ土類金属の水酸化物や塩、その他公知の触媒失活剤
を添加混合するか、あるいはこれらの失活剤を含む溶液
を添加し、処理することによって重合触媒を中和失活す
ることが好ましい。この際、生成重合体が大きな塊状の
場合は、重合後粉砕して処理するのが好ましいことは当
然である。得られた重合体は、洗浄、乾燥後、一般には
さらに安定化処理を施すのが好ましい。安定化処理は、
一般にトリオキサンの共重合体に用いられる方法、例え
ば適当な分解促進剤の存在下で加熱溶融処理、あるいは
不溶性または可溶性の液体媒体中で加熱し、不安定部分
を選択的に分解除去する方法によって達成される。
【0015】本発明の変性ポリアセタール共重合体は、
(A) の(1) 式ユニットが90〜99.9モル%、(B) の官能基
を有する(2) 式ユニットが 0.1〜10モル%、(C) の(3)
式ユニットが0〜9.9 モル%より構成されるものであ
り、好ましくは(A) ユニットが95〜99.5モル%、(B) ユ
ニットが 0.20 〜3.0 モル%、(C) ユニットが0.2 〜2.
0 モル%である。このような構成の変性ポリアセタール
共重合体は、これらの各構成ユニット(1) 、(2) 及び
(3) 式を形成するモノマー(A')、(B')、(C')の比率をそ
れぞれ上記の(A) 、(B) 、(C) に概ね対応する比率で重
合時に使用することで達成される。即ち、モノマーとし
て(A')のトリオキサンの場合、75〜99.7モル%、(B')の
(4) 式化合物 0.3〜25モル%、(C')の(5) 式化合物0〜
24.7モル%、好ましくは(A')トリオキサン86.5〜98.5モ
ル%、(B') 0.75 〜8.0 モル%、(C')0.75〜5.5 モル%
である。(B) ユニット、即ち(B')の使用量が過少である
と本発明の主目的とする変性効果(例えば摺動性相溶性
等の改善効果)が小さく、また、(B) および(C) ユニッ
ト即ち(B')および(C')があまりにも過大になると共重合
反応性が低下し、十分な収率を得ることができず、ま
た、分子量の高いものも得られず、更に融点の低下等、
ポリアセタール樹脂本来の物性も変化して好ましくな
い。
(A) の(1) 式ユニットが90〜99.9モル%、(B) の官能基
を有する(2) 式ユニットが 0.1〜10モル%、(C) の(3)
式ユニットが0〜9.9 モル%より構成されるものであ
り、好ましくは(A) ユニットが95〜99.5モル%、(B) ユ
ニットが 0.20 〜3.0 モル%、(C) ユニットが0.2 〜2.
0 モル%である。このような構成の変性ポリアセタール
共重合体は、これらの各構成ユニット(1) 、(2) 及び
(3) 式を形成するモノマー(A')、(B')、(C')の比率をそ
れぞれ上記の(A) 、(B) 、(C) に概ね対応する比率で重
合時に使用することで達成される。即ち、モノマーとし
て(A')のトリオキサンの場合、75〜99.7モル%、(B')の
(4) 式化合物 0.3〜25モル%、(C')の(5) 式化合物0〜
24.7モル%、好ましくは(A')トリオキサン86.5〜98.5モ
ル%、(B') 0.75 〜8.0 モル%、(C')0.75〜5.5 モル%
である。(B) ユニット、即ち(B')の使用量が過少である
と本発明の主目的とする変性効果(例えば摺動性相溶性
等の改善効果)が小さく、また、(B) および(C) ユニッ
ト即ち(B')および(C')があまりにも過大になると共重合
反応性が低下し、十分な収率を得ることができず、ま
た、分子量の高いものも得られず、更に融点の低下等、
ポリアセタール樹脂本来の物性も変化して好ましくな
い。
【0016】又、(A')成分としてトリオキサンの代わり
にホルムアルデヒドを用いる場合は、以下の如き比率が
好ましい。 (A')ホルムアルデヒド90〜99.9モル%、(B')一般式(4)
で表される環状エーテル又は環状ホルマール 0.1〜10モ
ル%、(C')一般式(5) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール0〜9.9 モル% また、本発明の共重合体の分子量は、 5,000〜500,000
であり、好ましくは10,000から 200,000である。分子量
は重合時に使用する連鎖移動剤の量により調節が可能で
あるが、過小であると機械的強度等の物性上好ましくな
い。しかし、適当量の未変性ポリアセタールとブレンド
することによってこれらの物性は補うことが出来る。
にホルムアルデヒドを用いる場合は、以下の如き比率が
好ましい。 (A')ホルムアルデヒド90〜99.9モル%、(B')一般式(4)
で表される環状エーテル又は環状ホルマール 0.1〜10モ
ル%、(C')一般式(5) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール0〜9.9 モル% また、本発明の共重合体の分子量は、 5,000〜500,000
であり、好ましくは10,000から 200,000である。分子量
は重合時に使用する連鎖移動剤の量により調節が可能で
あるが、過小であると機械的強度等の物性上好ましくな
い。しかし、適当量の未変性ポリアセタールとブレンド
することによってこれらの物性は補うことが出来る。
【0017】本発明の変性ポリアセタール共重合体は、
それ自体でも有用であるが、他の一般に公知のポリアセ
タール重合体又は共重合体の併用、或いは更に他の一般
の熱可塑性樹脂と溶融混練して成る組成物としても好適
である。ここで他の熱可塑性樹脂としては例えばポリオ
レフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、目的に応じて
選択使用することが出来るが、本発明の変性ポリアセタ
ール樹脂は少なくとも0.5 重量%以上、好ましくは3重
量%以上存在することが必要であり、過少であると本発
明の目的である相溶性、摺動性等の効果が得られず、好
ましくない。又、ポリアセタール樹脂以外の熱可塑性樹
脂の配合量は50重量%以下であり、これが過大であると
ポリアセタール樹脂本来の特性が失われ好ましくない。
それ自体でも有用であるが、他の一般に公知のポリアセ
タール重合体又は共重合体の併用、或いは更に他の一般
の熱可塑性樹脂と溶融混練して成る組成物としても好適
である。ここで他の熱可塑性樹脂としては例えばポリオ
レフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、目的に応じて
選択使用することが出来るが、本発明の変性ポリアセタ
ール樹脂は少なくとも0.5 重量%以上、好ましくは3重
量%以上存在することが必要であり、過少であると本発
明の目的である相溶性、摺動性等の効果が得られず、好
ましくない。又、ポリアセタール樹脂以外の熱可塑性樹
脂の配合量は50重量%以下であり、これが過大であると
ポリアセタール樹脂本来の特性が失われ好ましくない。
【0018】更に、本発明の変性ポリアセタール樹脂又
は組成物には所望の特性を付与するため従来公知の添加
物、たとえば酸化防止剤、熱安定剤、耐候(光)安定
剤、加水分解安定剤等の各種安定剤、潤滑剤、滑剤、核
剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、
難燃剤等の添加剤を配合し得る。又、ガラス繊維、その
他の無機又は有機の繊維状強化材や、粉粒状、板状の充
填剤も適宜配合することができる。
は組成物には所望の特性を付与するため従来公知の添加
物、たとえば酸化防止剤、熱安定剤、耐候(光)安定
剤、加水分解安定剤等の各種安定剤、潤滑剤、滑剤、核
剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、
難燃剤等の添加剤を配合し得る。又、ガラス繊維、その
他の無機又は有機の繊維状強化材や、粉粒状、板状の充
填剤も適宜配合することができる。
【0019】かかるポリアセタール樹脂組成物の調製
は、種々の公知の方法で可能であり、必要な成分を混合
して加熱溶融し、混練処理する。具体的には、タンブラ
ー又はヘンシェルミキサーのような混合機で必要な成分
を均一に混合した後、1軸又は2軸の押出機に供給して
溶融混練する方法が一般的であり、オープンロール、バ
ンバリーミキサー、ニーダー等を用いてもよい。各成分
は混練前に予め乾燥することが好ましい。これらの方法
で混練した樹脂組成物はペレットとした後成形に供して
もよく、直接成形してもよい。
は、種々の公知の方法で可能であり、必要な成分を混合
して加熱溶融し、混練処理する。具体的には、タンブラ
ー又はヘンシェルミキサーのような混合機で必要な成分
を均一に混合した後、1軸又は2軸の押出機に供給して
溶融混練する方法が一般的であり、オープンロール、バ
ンバリーミキサー、ニーダー等を用いてもよい。各成分
は混練前に予め乾燥することが好ましい。これらの方法
で混練した樹脂組成物はペレットとした後成形に供して
もよく、直接成形してもよい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 〔コモノマー(B')、及びその調製〕実施例及び比較例に
使用したコモノマー(B')及びその調製法は以下の通りで
ある。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 〔コモノマー(B')、及びその調製〕実施例及び比較例に
使用したコモノマー(B')及びその調製法は以下の通りで
ある。
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】・(B')-1,2の調製 水分定量受器及び冷却管を備えた反応器中に、トリグリ
セロール100 重量部、パラホルムアルデヒド 130重量
部、p−トルエンスルホン酸1重量部、シクロヘキサン
500重量部を加え、攪拌、加熱、還流下で2時間反応を
行い、20重量部の水分が脱水されたところで、酢酸ナト
リウムで中和後、濃縮、減圧蒸留により次式グリセロー
ルホルマール((B')中間体)を得た。これをNMRで分
析したところ、5員環生成物(4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキソラン)と6員環生成物(5−ヒドロキシ
−1,3 −ジオキサン)の混合物(約65:35)であった。
セロール100 重量部、パラホルムアルデヒド 130重量
部、p−トルエンスルホン酸1重量部、シクロヘキサン
500重量部を加え、攪拌、加熱、還流下で2時間反応を
行い、20重量部の水分が脱水されたところで、酢酸ナト
リウムで中和後、濃縮、減圧蒸留により次式グリセロー
ルホルマール((B')中間体)を得た。これをNMRで分
析したところ、5員環生成物(4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキソラン)と6員環生成物(5−ヒドロキシ
−1,3 −ジオキサン)の混合物(約65:35)であった。
【0024】
【化9】
【0025】次にこのグリセロールホルマール混合体 1
00重量部にピリジン8重量部を加え、更に無水酢酸 200
重量部又は無水酪酸 310重量部を逐次添加し、40℃、1
時間反応させた後、炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジエ
チルエーテルで反応物を抽出し、濃縮後、減圧蒸留し
て、前記(B')-1又は(B')-2に示したグリセロールホルマ
ールの酢酸エステル(混合体)又は酪酸エステル(混合
体)を得た。 ・(B')-3〜6 の調製 反応器中にベンゼン溶媒を入れ、前記グリセロールホル
マール混合物((B')中間体)とカプリル酸塩化物、又は
ラウリン酸塩化物、又はパルミチン酸塩化物又はステア
リン酸塩化物を加え、ピリジンの存在下で50℃、1時間
反応させた。夫々の反応混合物を減圧濃縮した後、エタ
ノール中に加え、加熱、冷却(溶解・析出)を繰返して
精製し、減圧乾燥を行い、夫々前記(B')-3〜6 に示すグ
リセロールホルマールの脂肪酸エステル(混合物、混合
比は略中間体比率と同じ)を得た。 ・(B')-7の調製 水分定量受器、冷却管を備えた反応器中に1,1,1 −トリ
メチロールプロパン100 重量部、パラホルムアルデヒド
40重量部、p−トルエンスルホン酸1重量部、シクロヘ
キサン 100重量部を加え、攪拌、加熱、還流下で4時間
反応させ、15重量部の水分が脱水されたところで炭酸ナ
トリウムで中和、濃縮、減圧蒸留に次式トリメチロール
プロパンホルマールを得た。
00重量部にピリジン8重量部を加え、更に無水酢酸 200
重量部又は無水酪酸 310重量部を逐次添加し、40℃、1
時間反応させた後、炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジエ
チルエーテルで反応物を抽出し、濃縮後、減圧蒸留し
て、前記(B')-1又は(B')-2に示したグリセロールホルマ
ールの酢酸エステル(混合体)又は酪酸エステル(混合
体)を得た。 ・(B')-3〜6 の調製 反応器中にベンゼン溶媒を入れ、前記グリセロールホル
マール混合物((B')中間体)とカプリル酸塩化物、又は
ラウリン酸塩化物、又はパルミチン酸塩化物又はステア
リン酸塩化物を加え、ピリジンの存在下で50℃、1時間
反応させた。夫々の反応混合物を減圧濃縮した後、エタ
ノール中に加え、加熱、冷却(溶解・析出)を繰返して
精製し、減圧乾燥を行い、夫々前記(B')-3〜6 に示すグ
リセロールホルマールの脂肪酸エステル(混合物、混合
比は略中間体比率と同じ)を得た。 ・(B')-7の調製 水分定量受器、冷却管を備えた反応器中に1,1,1 −トリ
メチロールプロパン100 重量部、パラホルムアルデヒド
40重量部、p−トルエンスルホン酸1重量部、シクロヘ
キサン 100重量部を加え、攪拌、加熱、還流下で4時間
反応させ、15重量部の水分が脱水されたところで炭酸ナ
トリウムで中和、濃縮、減圧蒸留に次式トリメチロール
プロパンホルマールを得た。
【0026】
【化10】
【0027】次に、このトリメチロールプロパンホルマ
ールにステアリン酸塩化物を加え、ピリジンの存在下50
℃、1時間反応させた。以下(B')-3〜6 と同様にして精
製した。 ・(B')-8の調製 1,2,6 −ヘキサントリオール 100重量部、パラホルムア
ルデヒド40重量部、p−トルエンスルホン酸1重量部、
シクロヘキサン100 重量部を用い、(B')-7と同様にして
1,2,6 −ヘキサントリオールホルマール(次式)
ールにステアリン酸塩化物を加え、ピリジンの存在下50
℃、1時間反応させた。以下(B')-3〜6 と同様にして精
製した。 ・(B')-8の調製 1,2,6 −ヘキサントリオール 100重量部、パラホルムア
ルデヒド40重量部、p−トルエンスルホン酸1重量部、
シクロヘキサン100 重量部を用い、(B')-7と同様にして
1,2,6 −ヘキサントリオールホルマール(次式)
【0028】
【化11】
【0029】を合成し、以下エステル化、精製により
(B')-8を得た。
(B')-8を得た。
【0030】なお、実施例および比較例における特性値
等の測定法は次の通りである。 重合収率:供給全モノマーに対する重合物取得重量%よ
り求めた。 重量平均分子量(Mw):DMFを移動相とするGPC
−LALLS法により決定した(測定温度 145℃)。 (B) ユニット含有量:共重合体をニトロベンゼン−d5
に145 ℃で溶解し、NMRにより定量した。 摩擦係数:摩擦係数はスラストタイプ摩擦磨耗試験(鈴
木式)により、以下の条件で測定した。 相手材:金属(S55C) 面 圧:10 kgf/cm 速 度:30cm/sec 実施例1〜10および比較例1〜5 表1に示したように、(A')トリオキサン、(B')コモノマ
ーとして(B')-4〜8 、(C')他の環状アセタールコモノマ
ーを温調用ジャケットと攪拌機のついたオートクレーブ
に入れ、80℃でよく攪拌しながら全モノマー量に対して
表1に示した量の重合触媒を加え、所定の時間、重合を
行なった。次いで、トリエチルアミンの0.1 %水溶液を
加え、重合触媒を失活すると同時に重合物を粉砕し、洗
浄・乾燥し、共重合体を得た。重合状況、重合収率、重
合体の性状等を表1に示す。又、比較のためコモノマー
(B')を使用しない場合、及び本発明の範囲に属さない
(B')コモノマー(B')-1〜3 を使用した場合についても同
様に行った。結果を表1に示す。
等の測定法は次の通りである。 重合収率:供給全モノマーに対する重合物取得重量%よ
り求めた。 重量平均分子量(Mw):DMFを移動相とするGPC
−LALLS法により決定した(測定温度 145℃)。 (B) ユニット含有量:共重合体をニトロベンゼン−d5
に145 ℃で溶解し、NMRにより定量した。 摩擦係数:摩擦係数はスラストタイプ摩擦磨耗試験(鈴
木式)により、以下の条件で測定した。 相手材:金属(S55C) 面 圧:10 kgf/cm 速 度:30cm/sec 実施例1〜10および比較例1〜5 表1に示したように、(A')トリオキサン、(B')コモノマ
ーとして(B')-4〜8 、(C')他の環状アセタールコモノマ
ーを温調用ジャケットと攪拌機のついたオートクレーブ
に入れ、80℃でよく攪拌しながら全モノマー量に対して
表1に示した量の重合触媒を加え、所定の時間、重合を
行なった。次いで、トリエチルアミンの0.1 %水溶液を
加え、重合触媒を失活すると同時に重合物を粉砕し、洗
浄・乾燥し、共重合体を得た。重合状況、重合収率、重
合体の性状等を表1に示す。又、比較のためコモノマー
(B')を使用しない場合、及び本発明の範囲に属さない
(B')コモノマー(B')-1〜3 を使用した場合についても同
様に行った。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例11、12および比較例6、7 内径80mmの2つの円が一部重なった断面を有し、外側に
熱媒を通すジャケット付きのバレルと、その内側に互い
に噛み合う多数のパドルの付いた2本の回転軸から成る
連続式混合反応機を用い、ジャケットに80℃の温水を通
し、2本の回転軸を100rpmの速度で回転し、その一端に
表2に示した比率でトリオキサン(A')、コモノマー(B')
及びコモノマー(C')の混合物及び触媒を一定の速度で連
続的に供給して共重合を行い、他の一端より排出された
反応混合物を、直ちにトリエチルアミン 0.1%を含む水
中に投じ、粉砕して重合触媒の失活化を行った。次い
で、重合体を分離し、乾燥を行った。尚、このような連
続重合により、実施例11、12では前記バッチ方式で得ら
れたものと同様、低触媒量で高重合収率、高重合度の共
重合体を得ることができたが、比較例7では同一条件
(触媒量)では収率が著しく低いので、触媒量を増加し
た。次に、得られたポリマーを、小型のベント孔付の押
出機を用いて、一定の安定剤等の存在下でベント孔を減
圧吸引しつつ、230 ℃にて溶融混練して不安定部分を除
去して安定化し、ペレット状のポリマーを調製した。こ
れらの安定化共重合体の分子量(Mw)、共重合(B) ユ
ニット含有量等を表2に示す。
熱媒を通すジャケット付きのバレルと、その内側に互い
に噛み合う多数のパドルの付いた2本の回転軸から成る
連続式混合反応機を用い、ジャケットに80℃の温水を通
し、2本の回転軸を100rpmの速度で回転し、その一端に
表2に示した比率でトリオキサン(A')、コモノマー(B')
及びコモノマー(C')の混合物及び触媒を一定の速度で連
続的に供給して共重合を行い、他の一端より排出された
反応混合物を、直ちにトリエチルアミン 0.1%を含む水
中に投じ、粉砕して重合触媒の失活化を行った。次い
で、重合体を分離し、乾燥を行った。尚、このような連
続重合により、実施例11、12では前記バッチ方式で得ら
れたものと同様、低触媒量で高重合収率、高重合度の共
重合体を得ることができたが、比較例7では同一条件
(触媒量)では収率が著しく低いので、触媒量を増加し
た。次に、得られたポリマーを、小型のベント孔付の押
出機を用いて、一定の安定剤等の存在下でベント孔を減
圧吸引しつつ、230 ℃にて溶融混練して不安定部分を除
去して安定化し、ペレット状のポリマーを調製した。こ
れらの安定化共重合体の分子量(Mw)、共重合(B) ユ
ニット含有量等を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例13〜16、比較例8、9 前記実施例11、12、比較例6、7で得たポリアセタール
共重合体及びそれらの溶融混合物を射出成形して試験片
を作成し、摩擦係数を測定した。結果を表3に示す。
共重合体及びそれらの溶融混合物を射出成形して試験片
を作成し、摩擦係数を測定した。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例17〜19、比較例10、11 表4に示す如く、前記実施例11、12及び比較例6、7で
得たポリアセタール共重合体に更に低密度ポリエチレン
(PE)を10重量部加えて一定条件で溶融混練成形した成形
品の切断面を電子顕微鏡で観察してPEの分散状態(界面
の状況、分散粒子の大きさ等)を調べた。又成形品表面
に接着テープを貼り付け一定の条件で引き剥がしたとき
の表面剥離状況を観察した。相対的な結果を表4に示
す。
得たポリアセタール共重合体に更に低密度ポリエチレン
(PE)を10重量部加えて一定条件で溶融混練成形した成形
品の切断面を電子顕微鏡で観察してPEの分散状態(界面
の状況、分散粒子の大きさ等)を調べた。又成形品表面
に接着テープを貼り付け一定の条件で引き剥がしたとき
の表面剥離状況を観察した。相対的な結果を表4に示
す。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】以上の説明および実施例より明らかなよ
うに、本発明の特定の変性基を有するポリアセタール共
重合体は、本発明の方法により比較的簡単に収率よく、
比較的高分子量のものが製造される。また、本発明の変
性ポリアセタールはそれ自体摺動性がよく、他の熱可塑
性材料や添加物質と親和性が高く、従来の一般的なポリ
セタール樹脂に比し、分散性の良好な組成物の調製にも
好適である。
うに、本発明の特定の変性基を有するポリアセタール共
重合体は、本発明の方法により比較的簡単に収率よく、
比較的高分子量のものが製造される。また、本発明の変
性ポリアセタールはそれ自体摺動性がよく、他の熱可塑
性材料や添加物質と親和性が高く、従来の一般的なポリ
セタール樹脂に比し、分散性の良好な組成物の調製にも
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 欧州特許出願公開398585(EP,A 2) 欧州特許出願公開397494(EP,A 2) 欧州特許出願公開397492(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 2/20 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (12)
- 【請求項1】(A) 下記の式(1) で表される構成ユニット
90〜99.9モル%、 -CH2O- (1) (B) 下記の一般式(2) で表される構成ユニット 0.1〜10
モル%、 【化1】 (式中、-R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R3 は炭素数
10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1〜5、jは
0〜2の整数である。) (C) 下記の一般式(3) で表される構成ユニット0〜9.9
モル% -(CH2)kO- (3) (式中、k は2〜4の整数である。)がランダムに結合
した、重量平均分子量が 5,000から 500,000の範囲であ
る新規な変性ポリアセタール共重合体。 - 【請求項2】ユニット(B) の(2) 式の-R3 が炭素数10以
上の長鎖脂肪族炭化水素である請求項1記載の変性ポリ
アセタール共重合体。 - 【請求項3】ユニット(B) の(2) 式の-O-CO-R3がラウリ
ン酸エステル基、パルミチン酸エステル基、ステアリン
酸エステル基、アラキン酸エステル基、リノール酸エス
テル基、リノレン酸エステル基、オレイン酸エステル基
又はリシノール酸エステル基である請求項1記載の変性
ポリアセタール共重合体。 - 【請求項4】ユニット(B) の(2) 式の-R3 が炭素数10以
上のアリール置換アルキル基又はアルキル置換アリール
基である請求項1記載の変性ポリアセタール共重合体。 - 【請求項5】(A')トリオキサン75.0〜99.7モル%、 (B')下記の一般式(4) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール 0.3〜25モル%、 【化2】 (式中、-R1 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、-R2-は炭素数1〜4のアルキレン基、-R3 は炭素数
10以上の脂肪族又は芳香族基である。iは1〜5、jは
0〜2、p は0〜3の整数である。) (C')下記の一般式(5) で表される環状エーテル又は環状
ホルマール0〜24.7モル% 【化3】 (式中、k は2〜4、qは0〜3、rは1〜3の整数で
ある。)よりなるモノマー成分をカチオン活性触媒の存
在下で共重合することを特徴とする変性ポリアセタール
共重合体の製造法。 - 【請求項6】成分(B')の(4) 式の-R3 が炭素数10以上の
長鎖脂肪族炭化水素である請求項5記載の変性ポリアセ
タール共重合体の製造法。 - 【請求項7】成分(B')の(4) 式の-O-CO-R3がラウリン酸
エステル基、パルミチン酸エステル基、ステアリン酸エ
ステル基、アラキン酸エステル基、リノール酸エステル
基、リノレン酸エステル基、オレイン酸エステル基又は
リシノール酸エステル基である請求項5記載の変性ポリ
アセタール共重合体の製造法。 - 【請求項8】成分(B')の(4) 式の-R3 が炭素数10以上の
アリール置換アルキル基又はアルキル置換アリール基で
ある請求項5記載の変性ポリアセタール共重合体の製造
法。 - 【請求項9】成分(B')の(4) 式の環部分が1,3 −ジオキ
ソラン環、1,3 −プロピレングリコールホルマール環、
1,4 −ブタンジオールホルマール環、1,3 −ジオキセパ
ン環、1,3,5 −トリオキソカン環及びエチレンオキシド
環の何れか1種以上である請求項5〜8の何れか1項記
載の変性ポリアセタール共重合体の製造法。 - 【請求項10】成分(C')の(5) 式化合物が1,3 −ジオキ
ソラン類、1,3 −プロピレングリコールホルマール類、
1,4 −ブタンジオールホルマール類、1,3 −ジオキセパ
ン類、1,3,5 −トリオキソカン類及びエチレンオキシド
類の何れか1種以上である請求項5〜9の何れか1項記
載の変性ポリアセタール共重合体の製造法。 - 【請求項11】(A')ホルムアルデヒド90〜99.9モル%、 (B')一般式(4) で表される環状エーテル又は環状ホルマ
ール 0.1〜10モル%、 (C')一般式(5) で表される環状エーテル又は環状ホルマ
ール0〜9.9 モル%よりなるモノマー成分をカチオン活
性触媒の存在下で共重合することを特徴とする変性ポリ
アセタール共重合体の製造法。 - 【請求項12】請求項1〜4の何れか1項記載の変性ポ
リアセタール共重合体を1〜100 重量部、構成ユニット
(B) を含まないポリアセタール共重合体0〜99重量部か
らなるポリアセタール成分100 重量部に、他の熱可塑性
樹脂0〜100 重量部を配合して成るポリアセタール樹脂
組成物。
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JP05137274A JP3086360B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 変性ポリアセタール共重合体、その製造法およびそれを含有する組成物 |
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JP05137274A JP3086360B2 (ja) | 1993-06-08 | 1993-06-08 | 変性ポリアセタール共重合体、その製造法およびそれを含有する組成物 |
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JPH06345836A JPH06345836A (ja) | 1994-12-20 |
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WO2010035351A1 (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-01 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
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