JP3115473B2 - 変性ポリオキシメチレン共重合体の製造法 - Google Patents

変性ポリオキシメチレン共重合体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動性、相溶性、熱安定
性の改良された変性ポリオキシメチレン共重合体の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
キシメチレン(以下POMと略称)(共)重合体は、エ
ンジニアリングプラスチック素材として多年にわたり知
られており、そのバランスよく優れた機械的性質、電気
的性質、耐薬品性などから、自動車部品、電気電子機器
部品、機械部品、その他の構造材料として、広く使用さ
れている。しかしながら、POM(共)重合体は他の物
質との親和性が非常に低く、他材料とのブレンドによる
改質、或いは塗装等を試みるときに、様々な問題が生ず
る。例えば、他の改質剤等をブレンドする際、相手材料
との親和性、相溶性の不良により、満足のゆく物性向上
が得られず、また分離や表面剥離が生じて成形品の外観
を著しく損なうことがある。また、塗装、接着等に対し
ても十分な密着性が得られないことが多い。加えて、P
OM(共)重合体は機械的強度、耐久性とともに優れた
潤滑性と耐摩擦磨耗特性を有することから軸受け、歯車
等の摺動材に多く利用されているが、最近、ますます高
度な潤滑特性が求められるようになってきており、さら
に高いレベルの摺動特性が要求される場合も少なくな
い。この点を改善するため、グリース等の潤滑剤の表面
塗布、あるいは各種の潤滑剤を配合した組成物の提案が
これまで行われている。しかしながら、上記の如く、P
OM(共)重合体は他物質との親和性が低く、長期にわ
たってその潤滑剤等を保持させることは困難な場合が多
く、成形時に分離して金型面に付着汚染したり、成形品
の長期使用時に表面に滲出付着する等の不都合を生じる
場合が多い。更に、一般にPOM共重合体は熱、酸など
による主鎖の分解を受け易く、また、不安定末端基を有
するため、熱、アルカリ等による末端からの分解、脱離
反応により、ホルムアルデヒドを発生し、品質としては
十分とは言えない。例えば、押出、成形加工時に作業環
境を悪化させたり、金型表面に分離又は分解生成物(モ
ールドデポジット)を付着させ、作業効率を大きく低下
させる。ところで、例えば特開昭57−31918 号公報、特
開昭57−12018 号公報等にはトリオキサン等の重合時
に、
【0003】
【化2】
【0004】(但し、m =2〜6、n =1〜1000、R1
R5は水素又はアルキル基等)で示される連鎖移動剤(末
端封止剤)を共存させて、POM(共)重合体の末端に
導入結合させ、潤滑性、帯電防止性等を改善する提案も
あるが、かかる物質(m ≧2)は反応性が乏しく、PO
M(共)重合時に充分導入結合され難く、未反応のまま
POM中に残存し混在してその成形品から滲出して表面
に付着したり、成形時に金型に付着汚染する等の問題を
生じ好ましくない。又、特公昭41−21638 号公報、特開
平3−128911号公報等には、メチラール(R0-O-CH2-O-
R0;R0=-CH3)の如き低分子量の線状ホルマールを連鎖
移動剤としてトリオキサン等と共存させ分子量調節や、
POMの共重合体の安定性の改善をはかる試みも古くか
ら知られているが、-R0 基が何れも低分子量の場合、反
応性は高いがかかる低分子量の-R0 基の導入では充分な
潤滑性・相溶性を得ることは出来ない。本発明者らは前
記の如き従来技術における問題点を改善し、トリオキサ
ン等の重合反応において連鎖移動剤としての反応性が高
く、POM中に殆どが導入結合して、遊離残存すること
なく、従って成形時に金型面に付着したり成形品表面に
滲出す等の不都合を生じることなく、しかもPOM自体
に優れた潤滑性、摺動性を付与し、且つ安定で他の添加
剤との親和性、相溶性に優れた変性POM共重合体を得
るべく検討した結果、以下の(2) 式に示す特定の高級脂
肪族炭化水素基(-R)を有する線状のアセタール化合物を
連鎖移動剤としてトリオキサン等と共存させて共重合す
ることにより、効率良く長鎖脂肪族炭化水素基をその末
端に導入することが出来ることを見出し、上記の目的を
達成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、トリオ
キサンを主モノマーとし、これと環状エーテル又は環状
ホルマール(トリオキサンに対して 0.1〜30モル%)を
コモノマーとし、更に下式(2)
【0006】
【化3】
【0007】(但し、-Rは炭素数11以上の脂肪族炭化水
素基、-R' は炭素数1以上の脂肪族炭化水素基、x は1
〜5の数を示す。)で表される化合物(トリオキサンに
対して0.008 〜10モル%)の存在下、カチオン活性触媒
を用いて共重合することを特徴とする変性ポリオキシメ
チレン共重合体の製造法に関するものである。
【0008】以下、本発明につい詳細に説明する。本発
明の変性POM共重合体は、前記一般式(1) で示される
末端基を少なくとも0.002 モル/ポリマーkg以上、好ま
しくは0.003 〜1モル/ポリマーkg含む、重量平均分子
量が2,000 〜400,000 、好ましくは3,000 〜300,000 の
変性ポリオキシメチレン共重合体であり、残りの末端基
は従来公知の何れの末端基でもよい。又、本発明の変性
ポリオキシメチレン共重合体の主鎖を構成する繰り返し
単位は、オキシメチレン基(-CH2-O-) を主体とし、オキ
シアルキレン単位(但し、アルキレン単位の炭素数は2
〜4)を共重合成分として含むものであって、オキシア
ルキレン共重合単位の導入率はオキシメチレン単位に対
し0.03〜10モル%であり、ランダムでもブロック状に導
入されていてもよい。
【0009】次に、本発明の変性POM共重合体の代表
的製法について説明する。本発明はトリオキサンを主モ
ノマーとし、以下に述べる環状エーテル或いは環状ホル
マールをコモノマーとしてカチオン活性触媒の存在下で
共重合を行うに際し、更に(2) 式で示す特定の長鎖の脂
肪族炭化水素を含む線状のアセタールを共存させる方法
を採用したことを特徴とする。ここで、前記(2) 式にお
ける-Rは炭素数11以上の脂肪族炭化水素基を有すること
が、優れた摩擦特性、摺動性、他の添加剤等との優れた
相溶性、分散性を得るためには不可欠であり、好ましく
は炭素数16〜32の脂肪族炭化水素基である。又、-R' は
炭素数1以上の脂肪族炭化水素基であればよいが、好ま
しくは炭素数1〜32の脂肪族炭化水素基である。又、-R
及び-R' を構成する脂肪族炭化水素基は好ましくはアル
キル基である。又、(2) 式のx は1〜5、好ましくは1
〜3、特に好ましくは1((2')式で示されるもの)であ
る。(2) 式のx が過大であるとその調製が困難となる。
かかる(2) 式化合物はトリオキサン等の重合反応におい
て反応性が高く、効率よく連鎖移動反応に関与し、生成
重合体に(1) 式の末端部を形成することが1H-NMRによる
分析で確認された。尚、この(2) 式化合物は一般には、
R-OHとR'-OH 及びホルムアルデヒドから酸性触媒を用い
て合成され、精製して共重合反応に供される。(2)式の
化合物の重合時の仕込量は主モノマーのトリオキサンに
対して、0.008〜10モル%、好ましくは0.01〜5
モル%である。特に好ましくは 0.1〜2モル%である。
過少であると上記の目的とする効果が得られず、又過大
になると生成POM共重合体の分子量が著しく低下し、
諸物性が極めて低下して好ましくない。
【0010】次に本発明においてコモノマーとして用い
られる環状ホルマールは、下記一般式(3) 又は(3')
【0011】
【化4】
【0012】(但し、p は2〜4の整数、Y1、Y2、Y3
Y4、Y5、Y6は水素またはアルキル基を意味し、同一でも
異なってもよいが、好ましくは水素である。)で表さ
れ、例えば、1,3 −ジオキソラン、1,4 −ブタンジオー
ルホルマール、ジエチレングリコールホルマール等の環
状ホルマールが挙げられ、特に1,3 −ジオキソランが好
ましい。又、コモノマーとして用いられる環状エーテル
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、オキセタン等があり、このなかではエチレンオキサ
イドが好ましい。コモノマーとしての環状ホルマールあ
るいは環状エーテルの仕込量は、トリオキサンに対し
て、 0.1〜30モル%である。 0.1モル%未満では熱安定
性が著しく劣り、又、30モル%を越える量では高触媒濃
度を要し、副反応が頻繁に起こり、結果として生成ポリ
マーの熱安定性が劣る。更に、融点の低下、機械的強度
の低下も著しく好ましくない。特に好ましいコモノマー
の量は0.2 〜10モル%である。また、本発明における重
合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が使用され
る。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、
殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン
等のハロゲン化物例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、
四塩化チタン、五塩化リン、五弗化リン、五弗化ヒ素及
び五弗化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如き化
合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン
酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパーク
ロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル(例えばパ
ークロル酸3級ブチルエステル)、プロトン酸の無水
物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合
無水物(例えばアセチルパークロラート)、或いは、イ
ソポリ酸、ヘテロポリ酸(例えばリンモリブデン酸)、
或いはトリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファ
ート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナー
ト、アセチルヘキサフルオロボラート等が挙げられる。
中でも三フッ化ホウ素、或いは三フッ化ホウ素と有機化
合物(例えばエーテル類)との配位化合物は、最も一般
的で適している。本発明に使用する触媒の量は全モノマ
ー量に対し、1×10-4〜1×10-2モル%が好ましい。ま
た、反応停止作用、或いは(2) 式以外の連鎖移動作用を
有する不純物の量は全モノマー量に対して、1×10-2
ル%以下が好ましい。本発明の共重合体の分子量は重合
時に使用する連鎖移動剤((2) 式化合物も含む)の量に
より調節可能であるが、分子量が過小であると機械的強
度等の物性上好ましくない。しかしながら、適当量の未
変性高重合度ポリオキシメチレンとブレンドすることに
より、これらの物性を補うことは可能である。本発明の
共重合法は、従来公知のトリオキサンの共重合法と同様
の設備と方法で行うことができる。即ち、バッチ式、連
続式、いずれも可能であり、又、溶液重合、溶融塊状重
合等何れにてもよいが、液体モノマーを用い、重合の進
行とともに固体粉塊状のポリマーを得る連続式塊状重合
方法が工業的には一般的であり好ましい。この場合、必
要に応じて不活性液体媒体を共存させることもできる。
本発明に用いられる重合装置としては、コニーダー、2
軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプの連
続混合機その他、これまでに提案されているトリオキサ
ンの連続重合装置が使用可能で、密閉系であれば2段以
上に分かれていてもよい。特に重合反応によって生成す
る固体重合物が微細な形態で得られる様な破砕機能を備
えたものが好ましい。重合を完了し、重合機から排出さ
れる粗重合体は、次いで直ちに失活剤と混合接触させて
重合触媒の失活化を行うことが必要である。本発明にお
いて重合触媒を失活するための塩基性化合物としては、
アンモニア、或いはトリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ヒンダードアミン等のアミン類、或いはアルカリ金
属、アルカリ土類金属の水酸化物、塩類その他公知の触
媒失活剤が用いられる。これらの失活剤は水或いはシク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の有機溶剤等、反応
生成物の冷却用媒体中に溶解させて重合物の冷却と同時
に触媒と接触させ中和するのが好ましい。特に水溶液と
するのが好ましい。又、この際必要に応じ、粉砕し、微
粉末として処理するのが好ましい。本発明において重合
触媒の失活を行った共重合体は、更に要すれば洗浄、未
反応モノマーの分離回収、乾燥等を経て、又、要すれば
更に安定化工程を経て、又、各種安定剤等の添加剤を加
え溶融混練しペレット化して製品とする。
【0013】本発明の変性ポリオキシメチレン共重合体
は、それ自体でも有用であるが、他の一般に公知のポリ
オキシメチレン重合体または共重合体との併用、或いは
更にポリオキシメチレン以外の他の一般の熱可塑性樹脂
と溶融混練して成る組成物としても好適である。ここで
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、フッ素樹脂等が挙げられ、目的に応じて選択使用す
ることができるが、本発明の変性ポリオキシメチレン共
重合体は、一般のPOM重合体又は共重合体と併用して
用いる場合、少なくとも2重量%以上存在することが必
要であり、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10
重量%以上である。過小であると本発明の目的である相
溶性、摺動性等の効果が得られず、好ましくない。ま
た、ポリオキシメチレン樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合
量は50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下であ
る。これが過大であるとポリオキシメチレン樹脂本来の
特性が失われ、又、相溶性を害し、好ましくない。
【0014】更に、本発明の変性ポリオキシメチレン樹
脂またはその組成物には、所望の特性を付与するため、
従来公知の添加物、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐
候(光)安定剤、加水分解安定剤などの各種安定剤、潤
滑剤、滑剤、核剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防
止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を配合し得る。また、
ガラス繊維、炭素繊維、その他の無機または有機の繊維
状強化材やガラスビーズ、ガラスフレーク等の粉粒状、
板状の充填材も適宜配合することができる。
【0015】かかるポリオキシメチレン樹脂組成物の調
製は、種々の公知の方法で可能であり、必要な成分を混
合して加熱溶融し、混練処理する。具体的には、タンブ
ラーまたは、ヘンシェルミキサーのような混合機で必要
な成分を均一に混合した後、1軸または2軸の押出機に
供給して、溶融混練する方法が一般的であり、オープン
ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いてもよ
い。各成分は混練前に予め乾燥することが好ましい。こ
れらの方法で調製した変性ポリオキシメチレン共重合樹
脂組成物は一旦ペレットとした後、成形に供してもよ
く、直接成形してもよい。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものでないことは勿論である。尚、実
施例及び比較例中の%又はppm は特に記載なき場合は重
量基準であり、測定法・評価法は次の通りである。 重量平均分子量;ゲルパーミエーションクロマトグラフ
(LALLS)法により決定した。
【0017】(1) 式末端基量;1H-NMRにより、(1) 式末
端基に基づくピークの積分値より求めた。 成形性(金型付着物の量);試料樹脂を射出成形機を用
いて、一定条件で一定形状の成形品を所定の時間成形し
た後の金型表面の汚れ(付着物)を目視観察にて次の如
く相対的に5段階で評価した。 (成形条件) シリンダー温度:210 ℃ 金型温度:30℃ 摩擦係数;スラストタイプ摩擦磨耗試験(鈴木式)によ
り、以下の条件で測定した。 相手材:金属(S55C) 面圧 :7 kgf/cm 速度 :30cm/sec 実施例1 二つの円が一部重なった断面を有し、外側に熱(冷)媒
を通すジャケット付きのバレルとその内部に攪拌、推進
用のパドルを付した2本の回転軸を長手方向に設けた連
続式混合反応機を用い、ジャケットに80℃の温水を通
し、2本の回転軸を100rpmの速度で回転させ、その一端
に、コモノマーとして1,3 −ジオキソランをトリオキサ
ンに対し1.5 モル%、H3C-(CH2)17-OCH2O-(CH2)17-CH3
を0.2 モル%含有するトリオキサンを連続的に供給し、
同時に同じところへ、三フッ化ホウ素ブチルエーテラー
トをシクロヘキサンに1%濃度に溶解させた溶液を、全
モノマー(トリオキサン+1,3 −ジオキソラン)に対し
て、BF3 として20ppm になるように連続添加して、共重
合を行った。重合条件及び重合反応が安定したところ
で、重合機吐出口より排出された反応生成物に、直ちに
トリエチルアミンを含む水溶液(室温、 0.1重量%濃
度)を添加し、約60分間攪拌した。その後、遠心分離
し、 110℃で乾燥を行い最終重合体を得た。重合収率は
約70%であった。得られた重合体 100重量部に対し、安
定剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
5 −ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕(Irganox1010, チバガイギー社製)0.4
重量部及びメラミン 0.2重量部を添加し、ベント付き押
出機にて 200℃で溶融混練し、ペレット状の安定化樹脂
組成物を得た。生成ポリマーの性状、性能を表1に示
す。 実施例2〜13、比較例1〜8 コモノマーの種類、量、(1) 式化合物の種類、量を変更
した以外は全て実施例1と同様の操作を行った。生成ポ
リマーの性状、性能を併せて表1に示す。又、比較のた
め、本発明の条件を満足しない場合についても同様の操
作を行った。結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】(注1) A1:-(CH2)17-CH3 A2:-(CH2)11-CH3 A3:-(CH2)21-CH3 A4:-(CH2)6-CH3 A5:-(CH2)3-CH3 A6:−CH
【0020】
【表2】
【0021】(注1)表1と同じ (注2) (A1)−O−CH−CH−O−(A1) 実施例14,15、比較例9 表3に示す如く、前記実施例1,4、比較例7で得たP
OM共重合体を溶融混合し、その性能を評価した。結果
を表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】実施例16〜18、比較例10, 11 表4に示す如く、前記実施例1,4、比較例1,7で得
たPOM共重合体に更に低密度ポリエチレン(PE)を
加えて一定条件で溶融混練成形した成形品の切断面を電
子顕微鏡で観察してPEの分散状態(界面の状況、分散
粒子の大きさ等)を調べた。また、成形品表面に接着テ
ープを貼り付け、一定の条件で引き剥がした時の表面剥
離状況を観察した。相対的な結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】以上の説明および実施例より明らかなよ
うに、本発明に使用する特定の(2) 式化合物は反応性が
高く、得られた(1) 式末端基を有する本発明の変性PO
M共重合体は、優れた熱安定性、摩擦特性を有し、更に
他の熱可塑性樹脂や添加物質との親和性が高く、従来の
POM重合体に比し、分散性の良好な組成物の調製にも
好適である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンを主モノマーとし、これと
    環状エーテル又は環状ホルマール(トリオキサンに対し
    て 0.1〜30モル%)をコモノマーとし、更に下式(2) 【化1】 (但し、-Rは炭素数11以上の脂肪族炭化水素基、-R' は
    炭素数1以上の脂肪族炭化水素基、x は1〜5の数を示
    す。)で表される化合物(トリオキサンに対して0.008
    〜10モル%)の存在下、カチオン活性触媒を用いて共重
    合することを特徴とする変性ポリオキシメチレン共重合
    体の製造法。
  2. 【請求項2】 (2) 式化合物が下記(2')式で示される化
    合物である請求項1記載の変性ポリオキシメチレン共重
    合体の製造法。 R-O-CH 2 -O-R' (2') (但し、-R, -R' は(2) 式と同じ。)
  3. 【請求項3】 脂肪族炭化水素基-R, -R' がアルキル基
    である請求項1又は2記載の変性ポリオキシメチレン共
    重合体の製造法。
  4. 【請求項4】 (2) 又は(2')式化合物の量がトリオキサ
    ンに対して0.01〜5モル%である請求項1〜3の何れか
    1項記載の変性ポリオキシメチレン共重合体の製造法。
  5. 【請求項5】 コモノマーとしての環状エーテル又は環
    状ホルマールの量がトリオキサンに対して 0.2〜10モル
    %である請求項1〜4の何れか1項記載の変性ポリオキ
    シメチレン共重合体の製造法。
  6. 【請求項6】 環状エーテル又は環状ホルマールが、エ
    チレンオキサイド、1,3 −ジオキソラン、1,4 −ブタン
    ジオールホルマール、1,3,6 −トリオキソカンのうちの
    一種あるいは2種以上である請求項1〜5の何れか1項
    記載の変性ポリオキシメチレン共重合体の製造法。
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