JP2005344027A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリオキシメチレン樹脂本来の機械的特性を維持しながら、柔軟性に富み衝撃強度に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)オキシメチレンユニットを主たる繰り返し単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当り炭素数2以上のオキシアルキレンユニット2.5〜10molを共重合成分として含有してなるポリオキシメチレン共重合体と、(B)ポリアルキレングリコール1〜10重量部とからなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)オキシメチレンユニットを主たる繰り返し単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当り炭素数2以上のオキシアルキレンユニット2.5〜10molを共重合成分として含有してなるポリオキシメチレン共重合体と、(B)ポリアルキレングリコール1〜10重量部とからなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、機械的強度を保持しながら靭性、相溶性が良好で、耐衝撃性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。
ポリオキシメチレン樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた特性を持っており、構造材料や機構部品等として電気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。
一般に熱可塑性樹脂は、その物性を補う性質を有する他樹脂を配合して、その欠点を補うことが通常行われ、その目的を達成する場合が多い。
しかし、ポリオキシメチレン樹脂(以下、POMと略記することがある。)は、一般の熱可塑性樹脂と異なり、他の熱可塑性樹脂を配合する場合、樹脂間相互の相溶性および分散性が特に悪く、しかも両相の界面の接着も不充分で、界面での相分離を生じ、成形品とした場合に、表層剥離を生じる場合もあり、かかる他樹脂の配合手段による改質は極めて困難である。
例えば自動車部品や衣料部品等のように、軽量で且つ高い靭性を必要とされる部品としての用途には、脆く、柔軟性に劣り、その機能を損なうというような不都合が生じ、その点で強く改善を望まれていた。
衝撃引張強さを向上させたポリオキシメチレン樹脂として、コモノマー0.1〜20重量%の共重合POMに脂肪族ポリエーテル(Mw=38,000〜1,000,000)を0.2〜20重量%添加された樹脂組成物が知られている(特許文献1)。しかしながら、実施例ではコモノマー5重量%以上を共重合したPOMについては何ら記載がなく、ポリアルキレングリコールの添加による衝撃強度改良に関しては明確にされていない。
本発明が解決しようとする課題は、ISO 179規格で規定されたシャルピー衝撃試験における衝撃強度が高いことで示されるように、相溶性、分散性が良好で靭性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、オキシメチレンユニットを主たる構成単位とする重合体中に、特定量の炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを含有してなるポリオキシメチレン重合体に対して、特定量のポリアルキレングリコールを配合することにより、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)オキシメチレンユニットを主たる繰り返し単位とする重合体中にオキシメチレンユニット100mol当り、炭素数2以上のオキシアルキレンユニット2.5〜10molを共重合成分として含有してなるポリオキシメチレン共重合体と、(B)ポリアルキレングリコール1〜10重量部とからなる衝撃強度の優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。
本発明のポリオキシメチレン樹脂は、高い機械的物性を維持しつつ、柔軟で衝撃特性に優れた特徴を有しており、自動車部品、衣料部品、OA機器機構部品等に使用するのに好適な成形体を提供することができる。
本発明において、A成分のポリオキシメチレン共重合体を構成する炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの原料モノマーとしては環状エーテル、グリシジルエーテル化合物、環状ホルマールであれば特に限定されるものではない。用いられるモノマーとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマールのいずれか1種又は2種以上が例示され、好ましくはエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが用いられ、特に好ましくは1,3−ジオキソランが用いられる。かかるポリオキシメチレン共重合体は上記の炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを構成するモノマー成分とホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンとを、カチオン活性触媒の存在下に共重合させることによって得られる。
本発明において、A成分のポリオキシメチレン共重合体を構成する炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの含有量は、オキシメチレンユニット100mol当り、2.5〜10molであり、好ましくは3〜8molである。
重合触媒としては、一般のカチオン活性触媒が用いられる。このようなカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素およびアンチモン等のハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素および五フッ化アンチモン、およびその錯化合物または塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、あるいは、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート、ヘテロポリ酸またはその酸性塩、イソポリ酸またはその酸性塩などが挙げられる。特に三フッ化ホウ素を含む化合物、あるいは三フッ化ホウ素水和物および配位錯体化合物が好適であり、エ−テル類との配位錯体である三フッ化ホウ素ジエチルエ−テラ−ト、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラートは特に好ましい。
重合触媒の添加量は、主モノマーのトリオキサンに対して、三フッ化ホウ素換算で、一般的には3.0×10−6〜2.0×10−4wt%であり、好ましくは8.0×10−6〜8.0×10−5wt%の範囲で使用される。これらの触媒は反応系に均一に分散させるために重合反応に悪影響の無い有機溶媒で希釈して使用することが好ましい。
上記有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、n−ブチルエーテルなどのエーテル類、並びにベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライドなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
ポリオキシメチレン樹脂の重合法は、従来公知のトリオキサンの共重合と同様の設備と方法で行うことが出来る。即ち、バッチ式、連続式のいずれでも可能であり、塊状重合やシクロヘキサンのような有機溶媒の存在下で行う重合法にも適用される。バッチ式では攪拌機付きの反応槽が使用でき、連続式塊状重合においては、重合時の急激な固化、発熱に対処可能な強力な攪拌能力、緻密な温度制御、さらにはスケ−ルの付着を防止するセルフクリ−ニング機能を備えたニ−ダ−、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機などの装置が好適に使用される。
また、重合に際して、分子量を調節するために、低分子量のアセタール化合物を用いることも一般的に行われる。かかるアセタール化合物としては、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル等が用いられるが、これらには限定されない。通常、メチラールが好ましく用いられる。一般に、かかるアセタール化合物は、目標とする分子量に応じて、トリオキサンに対して0〜1000ppmの範囲で添加量が調整される。
重合反応によって得られたポリオキシメチレン樹脂は、三価の有機リン化合物、アミン化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物などの失活剤を、単独あるいは水溶液または有機溶液の形態で使用する公知の方法によって、触媒の失活化、除去処理を行う。これらの中で特に三価の有機リン化合物、三級アミン、ヒンダードアミンが好ましい。
アミン化合物としては、一級、二級、三級の脂肪族アミンや芳香族アミン、ヘテロ環アミン、ヒンダードアミン類、その他公知の触媒失活剤が使用できる。例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ―n―ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどが使用できる。これらの中で特に三価の有機リン化合物および三級アミンは好ましく、トリフェニルホスフィンが最も好適である。その添加量としては、触媒を失活させるのに十分な量であれば特に制限はないが、触媒に対するモル比として、1.0×10−1〜1×10の範囲で通常使用される。これらの触媒失活剤を溶液、懸濁液の形態で使用する場合、使用される溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール類の他、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド等の各種の脂肪族及び芳香族の有機溶媒が使用可能である。
重合触媒の失活化を行ったポリオキシメチレン樹脂は、そのまま後段の安定化工程に送ることができるが、一層の精製が必要であるならば、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を経ることができる。
本発明において添加配合されるポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの単独及び共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等の1種又は2種以上が挙げられる。その中でもポリエチレングリコールが最も好ましい。ポリエチレングリコールの数平均分子量は好ましくは3,000〜100,000,000、より好ましくは10,000〜10,000,000である。
本発明において添加配合されるポリアルキレングリコールの製造方法は特に限定されず、工業的に使用可能な方法であればどのような方法でも良い。アルキレンオキサイドの重合により製造される、ポリアルキレンオキサイドも本発明のポリアルキレングリコールに含まれる。また、ポリアルキレングリコール同士をジイソシアネート化合物により反応,結合させても良い。
本発明において添加配合されるポリアルキレングリコールの量は、ポリオキシメチレン100共重量部に対し、1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
本発明において、重合触媒の失活化を行ったポリオキシメチレン重合体に酸化防止剤、安定剤、耐候(光安定)剤、滑剤、核化剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光増白剤、充填剤等およびその他必要な添加剤を混合し、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機等により加熱溶融混練して、熱安定化処理される。また、熱安定化の際に、水、アルコール、アミン等を添加しても良い。
本発明におけるポリアルキレングリコールおよび酸化防止剤、安定剤、耐候(光安定)剤、滑剤、核化剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光増白剤、充填剤等およびその他必要な添加剤の一部または全部は、熱安定化処理の前に混合しても良く、また、熱安定化処理後に混合しても良い。
重合触媒の失活化を行ったポリオキシメチレン共重合体にポリアルキレングリコールおよび酸化防止剤、安定剤、耐候(光安定)剤、滑剤、核化剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光増白剤、充填剤等およびその他必要な添加剤を配合、混合する方法は特に限定されず、工業的に使用可能な方法であればどのような方法でも良い。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェルミキサー等のブレンダーで混合した後、単軸又は二軸押出機、二軸のパドル型連続混合機、バンパリーミキサー、ロール等で混練する方法が適宜選択される。各成分は混練前に予め乾燥することが好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物には、更にその目的に応じ所望の特性を付与するため、ポリアセタール樹脂に関して以下に例示したような従来公知の各種の熱安定剤、耐候(光安定)剤、滑剤、核化剤、染顔料等の着色剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光増白剤、充填剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系化合物を配合することが好ましい。ヒンダードフェノール系化合物は特に限定されないが、好ましくは1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロピオン酸1,6−ヘキサンジイルエステル等の立体障害性フェノール類の1種又は2種以上を挙げることができる。
本発明において添加配合されるヒンダードフェノール系化合物の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜2.0重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、安定剤として含窒素化合物を配合することが好ましい。含窒素化合物は特に限定されないが、好ましくはメラミン、メチロ−ルメラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、シアノグアニジン、N,N−ジアリールメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、尿素、尿素から加熱して合成される尿素加熱縮合体、ポリアクリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ウレタン化合物、ピリジン化合物等の1種又は2種以上を挙げることができ、メラミン、メチロ−ルメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物がより好ましい。
本発明において添加配合されるアミン置換トリアジン化合物の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜1.0重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、安定剤としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物を配合することが好ましく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの水酸化物、無機酸塩、あるいはアルコキシド等の1種又は2種以上がより好ましい。中でも、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが最も好ましい。
本発明において添加配合されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸塩、あるいは、アルコキシドからなる郡で示される金属含有化合物の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.001〜5.0重量部が好ましく、0.001〜1.0重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、添加剤として、炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドを配合することが好ましい。炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドは特に限定されないが、好ましくはステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウロアミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド等の1種又は2種以上を挙げることができる。中でもエチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウロアミドの1種又は2種以上がより好ましい。
本発明において添加配合される炭素数10以上の長鎖を有する高級脂肪酸アミドの量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、耐候(光安定)剤としてヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸アニリド系化合物等を添加しても良い。
本発明において添加配合されるヒンダードアミン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、蓚酸アニリド系化合物の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、滑剤および熱安定剤として高級脂肪酸の金属塩を添加しても良い。高級脂肪酸の金属塩は特に限定されないが、ラウリル酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等が好ましい。
本発明において添加配合される高級脂肪酸の金属塩の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.0001〜5重量部が好ましく、0.0001〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、離型剤としてパラフィンワックス、多価アルコールの脂肪酸エステル等を添加しても良い。パラフィンワックス、多価アルコールの脂肪酸エステルは特に限定されないが、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン等の多価アルコールとベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、ラクセル酸等の脂肪酸のエステルならびに分子量1000〜200万のパラフィンワックスが好ましい。
本発明において添加配合されるパラフィンワックス、多価アルコールの脂肪酸エステルの量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜3重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、成形性の向上や成形サイクルの短縮を目的として、核化剤を添加することが好ましい。核化剤は特に限定されないが、窒化ホウ素、タルク、3次元架橋ポリアセタール等がより好ましい。
窒化ホウ素の平均粒径は光透過法による測定値が100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が最も好ましい。
本発明において添加配合される核化剤の量はポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.0001〜10.0重量部が好ましく、0.001〜5.0重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、蛍光増白剤としてクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤を添加しても良い。クマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤は特に限定されないが、3−(4’−アセチルアミノフェニル)−7−アセチルアミノクマリン、3−(4’−カルボキシフェニル)−4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンズオキサゾル−2’−イル)チオフェン、2,5−ビス〔5’−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)〕チオフェンが好ましい。
本発明において添加配合されるクマリン系蛍光増白剤、ベンズオキサゾール系蛍光増白剤の量はポリオキシメチレン共重合体に対し、0.001〜500ppmが好ましく、0.01〜100ppmがより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に対して、充填剤としてガラスビーズ、マイカ、カオリン、ニ酸化ケイ素、クレー、アスベスト、シリカ、ケイソウ土、グラファイト、ニ硫化モリブデン、カーボンブラック、酸化チタン、ガラス繊維、ミルドファイバー、チタン酸カリウム繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等を添加しても良い。
本発明において添加配合される充填剤の量は、ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対し、0.01〜200重量部が好ましく、0.1〜100重量部がより好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、ポリアルキレングリコールの配合により無配合のものに比べ、射出成形、ガスアシスト射出成形、押出し成形、ブロー成形または加圧成形した時、ポリオキシメチレン本来の機械的特性を保持しながら、靭性に優れた成形体を得ることが可能であり、自動車部品、衣料部品、OA機器用部品、歯車等回転部品、軸受け部材、摺動部材、圧入部品、ヒンジ部品、丸棒、自動車燃料まわり部品、インサート部品、スナップフィット部品、水周り部品、各種ハンドル、各種手摺り、各種シャーシ、側板部品、ばね部品、シートベルト部品、自動車キャリアプレート、自動車コンビスイッチ、クリップ、ボールジョイント、アンダーカット部品等により好適に用いられる。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の用語および測定方法を以下に示す。
(試験片の作成)
90℃で2時間予備乾燥したペレットを、ISO 294−1の方法に従い試験片を作成した。
(ノッチ付きシャルピー衝撃試験)
ISO 179(93)の方法に従って、ノッチAを入れ、状態調節後ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。振り子のエネルギーは1.0J、衝撃速度は2.9m/Sとした。
(オキシアルキレンユニット含量の測定)
重合体中のポリオキシメチレン共重合体を構成する炭素数2以上のオキシアルキレンユニットのmol数は、重合体10gを100mlの3N−HCl水溶液に入れ、密閉容器中で、120℃、2時間加熱し分解させる。冷却後水溶液中のアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールの量をガスクロマトグラフィー(FID)にて測定し、オキシアルキレンユニットの量を共重合体中のオキシメチレンユニット100molに対するmol数であらわした。
90℃で2時間予備乾燥したペレットを、ISO 294−1の方法に従い試験片を作成した。
(ノッチ付きシャルピー衝撃試験)
ISO 179(93)の方法に従って、ノッチAを入れ、状態調節後ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。振り子のエネルギーは1.0J、衝撃速度は2.9m/Sとした。
(オキシアルキレンユニット含量の測定)
重合体中のポリオキシメチレン共重合体を構成する炭素数2以上のオキシアルキレンユニットのmol数は、重合体10gを100mlの3N−HCl水溶液に入れ、密閉容器中で、120℃、2時間加熱し分解させる。冷却後水溶液中のアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールの量をガスクロマトグラフィー(FID)にて測定し、オキシアルキレンユニットの量を共重合体中のオキシメチレンユニット100molに対するmol数であらわした。
実施例1〜11
トリオキサン100重量部と表1に示した量の1,3−ジオキソラン(略号:DOL)を、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液としてトリオキサン(略号:TOX)1molに対して0.05mmol連続添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機の滞在時間が20分になる様に連続的に重合を行った。分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液として、トキオキサンに対して250ppmとなる様に連続的に添加した。
生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕してポリオキシメチレン共重合体を得た。重合体の収率は90%以上であった。
得られたポリオキシメチレン重合体100重量部に、表1に示した量のアルキレングリコール、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イルガノックス245) 0.3重量部、メラミン 0.1重量部、水酸化マグネシウム 0.05重量部、エチレンビスステアロアミド 0.15重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。その後、ベント付二軸押出機に供給し、160Torrの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。結果を表1に示した。
トリオキサン100重量部と表1に示した量の1,3−ジオキソラン(略号:DOL)を、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液としてトリオキサン(略号:TOX)1molに対して0.05mmol連続添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機の滞在時間が20分になる様に連続的に重合を行った。分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液として、トキオキサンに対して250ppmとなる様に連続的に添加した。
生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕してポリオキシメチレン共重合体を得た。重合体の収率は90%以上であった。
得られたポリオキシメチレン重合体100重量部に、表1に示した量のアルキレングリコール、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イルガノックス245) 0.3重量部、メラミン 0.1重量部、水酸化マグネシウム 0.05重量部、エチレンビスステアロアミド 0.15重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。その後、ベント付二軸押出機に供給し、160Torrの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。結果を表1に示した。
比較例1
トリオキサンに対する添加DOLのmol%を5.1として、実施例1〜11と同様に実験を行った。結果を表1に示した。
トリオキサンに対する添加DOLのmol%を5.1として、実施例1〜11と同様に実験を行った。結果を表1に示した。
比較例2〜5
トリオキサン100重量部と表1に示した量の1,3−ジオキソランを、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液としてトキオキサン1molに対して0.05mmol連続添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機の滞在時間が20分になる様に連続的に重合を行った。分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液として、トリオキサンに対して250ppmとなる様に連続的に添加した。
生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕してポリオキシメチレン共重合体を得た。重合体の収率は90%以上であった。
得られたポリオキシメチレン重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イルガノックス245) 0.3重量部、メラミン 0.1重量部、水酸化マグネシウム 0.05重量部、エチレンビスステアロアミド 0.15重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。その後ベント付二軸押出機に供給し、160Torrの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。結果を表1に示した。
トリオキサン100重量部と表1に示した量の1,3−ジオキソランを、触媒として三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートをベンゼン溶液としてトキオキサン1molに対して0.05mmol連続添加し、温度を65℃に設定したジャケットを有するセルフクリーニング型パドルを持つ二軸のニーダー中で、重合機の滞在時間が20分になる様に連続的に重合を行った。分子量調整剤としてメチラールをベンゼン溶液として、トリオキサンに対して250ppmとなる様に連続的に添加した。
生成した重合物に対して、トリフェニルホスフィンをベンゼン溶液として、添加した三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート1molに対して2molとなる様に添加し、触媒を失活後、粉砕してポリオキシメチレン共重合体を得た。重合体の収率は90%以上であった。
得られたポリオキシメチレン重合体100重量部に、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イルガノックス245) 0.3重量部、メラミン 0.1重量部、水酸化マグネシウム 0.05重量部、エチレンビスステアロアミド 0.15重量部を添加しヘンシェルミキサーを用いて予備混合を行った。その後ベント付二軸押出機に供給し、160Torrの減圧下、200℃で溶融混練しペレット化した。得られたペレットを用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。結果を表1に示した。
Claims (5)
- (A)オキシメチレンユニットを主たる繰り返し単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当り炭素数2以上のオキシアルキレンユニット2.5〜10molを共重合成分として含有してなるポリオキシメチレン共重合体と、(B)ポリアルキレングリコール1〜10重量部とからなる衝撃強度に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物。
- (A)成分が、オキシメチレンユニット100mol当り炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3〜8mol含有してなるポリオキシメチレン重合体である請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- ポリエチレングリコールの数平均分子量が3,000〜1,000,000である請求項3記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- ISO 179記載の方法によるノッチ付きシャルピー衝撃試験強度が7.5KJ/m2以上である請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
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JP2004166304A JP2005344027A (ja) | 2004-06-03 | 2004-06-03 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010006903A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアセタール樹脂組成物 |
JP2013040225A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-28 | Asahi Kasei Chemicals Corp | オキシメチレン樹脂製外装用接合部品 |
-
2004
- 2004-06-03 JP JP2004166304A patent/JP2005344027A/ja active Pending
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