JP5610613B2 - ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
また、近年、ポリアセタール成形部品は小型化・薄肉化・精密化の要求が高まっており、従来よりも熱履歴のかかる成形方法及び条件設定が増えている。例えばピンゲート金型による成形、ハイサイクル成形あるいは高粘度ポリアセタール樹脂を用いた小型・薄肉・精密部品の成形方法等が挙げられる。これらの成形方法においては、剪断速度が上昇したり、可塑化時間を短縮するためにスクリュー回転や成形温度を上げたりすることにより、通常の成形方法よりも高い熱履歴を受ける。その他の一般的な成形方法においても、成形不良、例えばフローマーク、ウエルドライン、ジェッテイング等が発生した時には樹脂温度を上げる事で対応することが多く、これも熱履歴がかかる要因となる。また金型にホットランナーを使用する場合には、樹脂の部分的な滞留が発生することによって樹脂温度が上がり、樹脂の分解が起こる可能性もある。
これらの熱履歴のかかる成形方法及び条件設定において、耐候安定剤を添加する処方では、熱安定性とのバランスを取るのが困難であり、耐候安定性を重視すると熱安定性が劣ってしまうという問題がある。また、特に自動車の内装部品の分野においては、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)の放出量を低減させる要求が高まってきており、VOC放出量と、耐候安定性及び熱安定性とのバランスの取れた組成物が求められているのが現状である。
また、ポリアセタール樹脂成形品からのホルムアルデヒド放出量を低減させる手段として、例えば、ポリアミド及びヒドラジン誘導体を添加する技術(特許文献6)、ヒドラジド化合物を添加する技術(特許文献7)、メラミン及びメラミン誘導体及びジカルボン酸ヒドラジドから選ばれた窒素化合物を添加する技術(特許文献8)、ベンゾグアナミンを添加する技術(特許文献9)、ペレット表面に多価アルコール化合物の脂肪酸部分エステルを付着させる方法(特許文献10)、モノN−置換尿素を添加する技術(特許文献11)、酸解離指数が3.6以上のカルボキシル基含有化合物を添加する技術(特許文献12)、フェノール類と塩基性窒素含有化合物とアルデヒド類との縮合物を添加する技術(特許文献13)、ヒダントイン又はイミダゾールを添加する技術(特許文献14)、塩基解離指数が2〜8の低分子量アミノ化合物を添加する技術(特許文献15)等が提案されている。
また、耐候安定性と成形品から放出されるホルムアルデヒドを低減した方法としては、特定構造のヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤及び芳香族ヒドラジド化合物等のヒドラジド化合物を添加する技術(特許文献16)、ホルムアルデヒドの発生量を抑制したポリアセタール樹脂に耐候剤(ヒンダードアミン系光安定剤と紫外線吸収剤)及びヒドラジド化合物を添加する技術(特許文献17)が提案されている。
〔1〕
(A)ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、
(B)カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物であるカルボン酸ヒドラジド化合物0.01〜2質量部と、
(C)耐候安定剤0.05〜5質量部と
を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、
前記カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記カルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物の示差走査熱量計を用いて測定した融点が、下記式(1)及び(2)を満たし、
前記(A)ポリアセタールコポリマーが、不安定末端部の分解除去処理を経て得られるポリアセタールコポリマーであり、
前記(B)カルボン酸ヒドラジドジ化合物が、アジピン酸ジヒドラジド及びセバシン酸ジヒドラジドとから選ばれる互いに異なるカルボン酸ジヒドラジドである、
ポリアセタール樹脂組成物。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1はカルボン酸ヒドラジド(b−1)とカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2はカルボン酸ヒドラジド(b−1)に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記(A)ポリアセタールコポリマーに対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。)
〔2〕
前記(A)ポリアセタールコポリマーが、下記一般式(3)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、前記(A)ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、前記(A)ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより、不安定末端部が分解除去処理されたものである、前項〔1〕記載のポリアセタール樹脂組成物。
[R 1 R 2 R 3 R 4 N + ] n X -n 式(3)
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは、水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。)
〔3〕
前記(A)ポリアセタールコポリマーの融点が155〜171℃である、前項〔1〕又は〔2〕記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕
前記(C)耐候安定剤がヒンダードアミン系光安定剤(c−1)と紫外線吸収剤(c−2)からなる群より選ばれる1種又は2種以上であって、その含有量がポリアセタールコポリマー100質量部に対して0.1〜5質量部である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔5〕
前記ヒンダードアミン系光安定剤が高分子量のピペリジン誘導体重縮合物を含み、前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む、前項〔4〕記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔6〕
前記(A)ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、
(D)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤及び離型(潤滑)剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜10質量部と、
(E)補強剤、導電材、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を0〜60質量部と、
(F)顔料0〜5質量部と、
を更に含有する、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔7〕
220℃で成形して得られ、VDA275法に従って測定されるホルムアルデヒドの放出量が5mg/kg以下である成形品を提供する、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔8〕
VDA275法に従って測定されるホルムアルデヒドの放出量が1mg/kg以下である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
(A)ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、
(B)カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物であるカルボン酸ヒドラジド化合物0.01〜2質量部と、
(C)耐候安定剤0.05〜5質量部と
を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、
前記カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記カルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物の示差走査熱量計を用いて測定した融点が、下記式(1)及び(2)を満たす、ポリアセタール樹脂組成物である。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1はカルボン酸ヒドラジド(b−1)とカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2はカルボン酸ヒドラジド(b−1)に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記(A)ポリアセタールコポリマーに対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。)
(A)ポリアセタールコポリマー
本実施形態の(A)ポリアセタールコポリマーとしては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマール等のグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られるポリアセタールコポリマーが代表例として挙げられる。また、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。
[R1R2R3R4N+]nX−n 式(3)
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは、水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。)
P×14/Q 式(4)
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物の、ポリアセタールコポリマー及び第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する量(ppm)を示し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、カルボン酸ヒドラジド化合物(b−1)と(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド化合物(b−2)との混合物である(B)カルボン酸ヒドラジド化合物を含有する。
本実施形態のカルボン酸ヒドラジド化合物は、カルボン酸ヒドラジド化合物(b−1)と(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド化合物(b−2)との混合物であり、その混合物の示差走査熱量計を用いて測定した融点が下記式(1)及び(2)を満たす場合に、本願の課題を解決し得る。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1は上記カルボン酸ヒドラジド(b−1)とカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2は上記カルボン酸ヒドラジド(b−1)に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、(A)ポリアセタールコポリマーに対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。
本実施形態における(C)耐候安定剤としては、特に限定されないが、ヒンダードアミン系光安定剤(c−1)、紫外線吸収剤(c−2)からなる群から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N、N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等が挙げられる。上記の中でも、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましい。これらの酸化防止剤は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリアセタールコポリマー100重量部に対して、0.01〜1重量部配合することが好ましい。
アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体の例としては、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。
また、アミノ置換基を有するホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む化合物の例としては、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、N,N,N’、N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンシアヌレート、トリグアナミンシアヌレート、アンメリン、アセトグアナミン等のトリアジン誘導体が挙げられる。これらホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。上記のホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物の中でも、ポリアミド樹脂が好ましい。
〔(M2+)1−X(M3+)X(OH)2〕X +〔(An−)x/n・mH2O〕X −
(式中、M2+は2価金属、M3+は3価金属、An−はn価(nは1以上の整数)のアニオンを示し、Xは0<X≦0.33の範囲にあり、mは正の数を示す。)
(1)プリンター及び複写機等に代表されるOA機器
(2)VTR及びビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ、デジタルカメラ等に代表されるカメラ・ビデオ機器
(3)カセットプレイヤー、LD、DAT、MD、CD、DVD、その他の光ディスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム、及びモバイルパーソナルコンピュータ等に代表される音楽、映像又は情報機器
(4)携帯電話及びファクシミリ等に代表される通信機器
(5)ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウィンドゥレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア回り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類、クリップ類の自動車内外装部品
(6)使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器、及び住宅設備機器等に代表される工業部品。
実施例及び比較例においては下記成分を用いた。
(A)ポリアセタールコポリマー
ポリアセタール樹脂(a−1)
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.4g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラール(水分量45ppm、メタノール0.58質量%含有)をトリオキサン1molに対して1.5×10−3molを連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molで連続的に添加し重合を行なった。
重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。
乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去処理を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズ(ペレット化)された。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−1)のメルトフローレート(ASTM−D1238Eに準拠した条件)は9.0g/10分、示差走査熱量計(パーキネルマー社製「DSC7」)を用いて、200℃まで速度320℃/分で昇温し、200℃で2分間保持した後に、速度10℃/分で100℃まで降温し、その後、昇温速度2.5℃/分で測定した融点は165℃、残存フッ素濃度は7.1ppm、ホルムアルデヒドの発生量は21ppmであった。なお、ポリアセタール樹脂の残存フッ素濃度及びホルムアルデヒドの発生量は以下のとおりに測定した。
(1)ポリアセタール樹脂の残存フッ素濃度
ポリアセタール樹脂を1Nの塩酸で加熱分解後、フッ素イオン電極(HORIBA製)を用いてポリアセタール樹脂中のフッ素濃度を測定した。
(2)ポリアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒドの量
窒素気流下(50NL/hr)において、ポリアセタール樹脂(ペレット)を200℃で50分間加熱溶融し、ポリアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒドガスを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定して求めた。この条件下においては、発生するホルムアルデヒドの殆どは、ポリアセタール樹脂の不安定な末端(−(OCH2)n−OH基)からの分解によるものであった。
失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマーに第4級アンモニウム化合物を添加せずに120℃で乾燥し、乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水及び塩基性物質としてトリエチルアミンを各々2.5質量部及び0.1質量部添加したこと以外は、ポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様の操作を行いポリアセタール樹脂(a−2)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−2)のメルトフローレートは9.0g/10分、融点は165℃、残存フッ素濃度は7.5ppm、ホルムアルデヒド発生量は450ppmであった。
(b−1):アジピン酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業株式会社製)、融点のメインピーク温度=171℃
(b−2):セバチン酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業株式会社製)、融点のメインピーク温度=180℃
(b−3):ドデカ二酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業株式会社製)、融点のメインピーク温度=171℃
(b−4):イソフタル酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業株式会社製)、融点のメインピーク温度=なし
(b−5):テレフタル酸ジヒドラジド(日本ヒドラジン工業株式会社製)、融点のメインピーク温度=なし
上記カルボン酸ジヒドラジドの融点のメインピーク温度(℃)は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC7」)を用いて、所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、2.5℃/分の速度で昇温した時に得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(融点のメインピーク温度)(℃)を測定した値である。ここで、上述の「所定の温度プログラム」とは、上記化合物の吸熱ピークより低い温度から上記化合物が融解する温度まで2.5℃/分の速度で昇温し、次いで、2分間その温度を保持し、その次に、100℃まで10℃/分の降温速度で降温する温度プログラムを意味する。
(c−1)ヒンダードアミン系光安定剤
(c−1−1):1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物
(c−1−2):ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
(c―2)紫外線吸収剤
(c−2−1):2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
(d−1):エチレンビスステアリン酸アミド
(d−2):ポリエチレングリコール(分子量:6000)
蟻酸捕捉剤:ジステアリン酸カルシウム
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体:ナイロン6,6
顔料:アセチレンブラック
(2)評価方法
[ホルムアルデヒド発生量(VDA275)]
実施例及び比較例で得られたペレットを、射出成形機(東芝機械社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、射出時間15秒、冷却時間20秒、金型温度77℃の条件で成形して試験片を作製し、下記方法(VDA275法)により、試験片から放出されるホルムアルデヒド量を求めた。
まず、500mLのポリエチレン容器に蒸留水50mLと試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mmのシート)とを入れて密閉し、60℃で3時間加熱した。その後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させた。その反応物について、UV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、ホルムアルデヒド発生量(mg/kg)を求めた。
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、1オンス成形機(東洋機械金属社製、商品名「TI−30G」)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度80℃、冷却時間15秒の条件で成形して試験片を作成した。
次に、スーパーキセノンウエザーメーター(商品名「XAL−2WL」、スガ試験機(株)製)を用いて、立ち上がり波長320nm、試料面光強度162w/m2(光強度制御300〜400nm)、ブラックパネル温度89℃、明暗サイクルなしの条件で、試験片に光照射し、試験片表面にクラックが生じるまでの時間(h)を測定した。
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製、商品名「IS−100GN」)を用いて、金型温度40℃、射出圧力70MPa、射出時間60秒、冷却時間15秒の条件で評価用ISOダンベルを得た。成形後、23℃、湿度50%の環境下に上記ダンベルを48時間放置した後の流動方向の寸法をD1(mm)とし、成形完了後、23℃、湿度50%の環境下に72時間放置した後、さらに120℃で48時間過熱し、その後23℃で湿度50%の環境下に48時間放置した後の流動方向の寸法をD2(mm)とし、下記式
(3)に従い二次収縮率を求めた。
二次収縮率(%)=(D1−D2)/金型寸法×100 (3)
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度205℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製、商品名「IS−100GN」)を用いて、金型温度90℃、冷却時間30秒の条件でISOダンベルを得た。このダンベルを140℃に設定されたギヤオーブンに吊るし、240時間加熱した。その後、上記ギヤオーブンから取り出し、23℃で50%の湿度に保たれた恒温室で24時間放置した。
上記ダンベルを長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの長板状に切削し、長さ方向にの中心部にノッチ(先端R=0.25mm、ノッチ幅=8mm、ノッチ深さ=2mm)を形成し試験片を得た。得られた試験片を繰り返し衝撃試験装置(東洋精機製作所、商品名「AT繰り返し衝撃試験機」)にセットし、160gの錘をセットし、20mmの高さから落下させて試験片に衝突させることを繰り返して衝撃を与え、試験片が破壊されるまでの衝撃(衝突)回数を測定した。破壊までの衝撃回数が多いほど耐繰り返し衝撃性に優れていると言える。
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、射出成形機(住友重機工業株式会社、商品名「SH−75」)を用いて、シリンダー温度205℃、金型温度70℃に設定し、射出圧力70MPa、射出時間60秒、冷却時間15秒の射出条件で成形品を成形した。得られた成形品をV型粉砕機で粉砕処理し、その粉砕品を再度成形し成形して成形品を得ることによりリサイクル成形テストを行った。その繰り返し成形回数5回目の粉砕品を用いて、射出成形機(東芝機械社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、射出時間15秒、冷却時間20秒、金型温度77℃の条件で成形して試験片を作製し、前述した方法(VDA275法)により、試験片から放出されるホルムアルデヒド量を求めた。
実施例及び比較例で得られたペレットを、射出成形機(東芝機械株式会社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度170℃、金型温度60℃に設定し、射出時間60秒、冷却時間15秒の射出条件で厚さ2mm、幅80mm、長さ80mmのシボ付き平板の試験片をショートショット、すなわち金型内に樹脂組成物を完全に充填させない条件にて成形した。この試験片の質量は、金型内に樹脂組成物を完全に充填させて得られる試験片の95質量%であった。本条件で試験片を300ショット成形した後の金型内のモールドデポジットを目視にて観察した。
○:モールドデポジットが認められない。
△:モールドデポジットが僅かに認められる。
×:モールドデポジットが明らかに認められる。
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.05質量部、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体としてナイロン6,6を0.05質量部、顔料としてアセチレンブラックを0.05質量部、表1に示した割合でカルボン酸ヒドラジド化合物、耐候安定剤とを混合し、ベント付30mm単軸押出機でシリンダー温度200℃、吐出量10kg/hrの条件で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いて前述の成形条件にて試験片を成形し、ホルムアルデヒドの発生量、耐候安定性、エージング性能及びモールドデポジットの評価を行なった。結果を表1に示す。
また、各実施例及び比較例で用いたカルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物を上述の示差走査熱量測定に供した際の融点のメインピーク温度を表1に示した。
ポリアセタール樹脂(a−2)100質量部に、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.05質量部、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体としてナイロン6,6を0.05質量部、顔料としてアセチレンブラックを0.05質量部、表1に示した割合でカルボン酸ヒドラジド化合物、耐候安定剤とを混合し、ベント付30mm単軸押出機でシリンダー温度200℃、吐出量10kg/hrの条件で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いて前述の成形条件にて試験片を成形し、ホルムアルデヒドの発生量、耐候安定性、エージング性能及びモールドデポジットの評価を行なった。結果を表1に示す。
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.05質量部、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体としてナイロン6,6を0.05質量部、顔料としてアセチレンブラックを0.05質量部、表1に示した割合でカルボン酸ヒドラジド化合物、耐候安定剤、離型剤とを混合し、ベント付30mm単軸押出機でシリンダー温度200℃、吐出量10kg/hrの条件で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを用いて前述の成形条件にて試験片を成形し、ホルムアルデヒドの発生量、耐候安定性、エージング性能及びモールドデポジットの評価を行なった。結果を表1に示す。
Claims (8)
- (A)ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、
(B)カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記(b−1)とは異なるカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物であるカルボン酸ヒドラジド化合物0.01〜2質量部と、
(C)耐候安定剤0.05〜5質量部と
を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、
前記カルボン酸ヒドラジド(b−1)と前記カルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物の示差走査熱量計を用いて測定した融点が、下記式(1)及び(2)を満たし、
前記(A)ポリアセタールコポリマーが、不安定末端部の分解除去処理を経て得られるポリアセタールコポリマーであり、
前記(B)カルボン酸ヒドラジドジ化合物が、アジピン酸ジヒドラジド及びセバシン酸ジヒドラジドとから選ばれる互いに異なるカルボン酸ジヒドラジドである、
ポリアセタール樹脂組成物。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1はカルボン酸ヒドラジド(b−1)とカルボン酸ヒドラジド(b−2)との混合物に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2はカルボン酸ヒドラジド(b−1)に対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記(A)ポリアセタールコポリマーに対し、所定の温度プログラムで加熱冷却を施した後に、前記物質が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。) - 前記(A)ポリアセタールコポリマーが、下記一般式(3)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、前記(A)ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、前記(A)ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより、不安定末端部が分解除去処理されたものである、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
[R 1 R 2 R 3 R 4 N + ] n X -n 式(3)
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基又は置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは、水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。) - 前記(A)ポリアセタールコポリマーの融点が155〜171℃である、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記(C)耐候安定剤がヒンダードアミン系光安定剤(c−1)と紫外線吸収剤(c−2)からなる群より選ばれる1種又は2種以上であって、その含有量がポリアセタールコポリマー100質量部に対して0.1〜5質量部である、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記ヒンダードアミン系光安定剤が高分子量のピペリジン誘導体重縮合物を含み、前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む、請求項4記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、
(D)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤及び離型(潤滑)剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜10質量部と、
(E)補強剤、導電材、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を0〜60質量部と、
(F)顔料0〜5質量部と、
を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。 - 220℃で成形して得られ、VDA275法に従って測定されるホルムアルデヒドの放出量が5mg/kg以下である成形品を提供する、請求項1〜6のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
- VDA275法に従って測定されるホルムアルデヒドの放出量が1mg/kg以下である、請求項1〜7のいずれか1項記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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