JP2012092185A - ポリアセタール樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたメタリック感を有し、かつ耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が抑制されたポリアセタール樹脂組成物およびその成形品を提供する。
【解決手段】(A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.1〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜10質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物およびその成形品による。
【選択図】なし
【解決手段】(A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.1〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜10質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物およびその成形品による。
【選択図】なし
Description
本発明はポリアセタール樹脂組成物及びそれから成る成形品に関する。詳しくは、優れたメタリック感を有し、かつ耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が抑制されたポリアセタール樹脂組成物及びそれから成る成形品に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的物性(耐摩擦性・磨耗性、耐クリープ性、寸法安定性等)のバランスに優れ、また極めて優れた耐疲労性を有している。また、この樹脂は耐薬品性にも優れており、かつ吸水性も少ない。従って、ポリアセタール樹脂は、これらの特性を生かして、エンジニアリングプラスチックとして、自動車内装部品、家屋の内装部品(熱水混合栓等)、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)、建材用途(配管・ポンプ部品等)、機械部品(歯車等)等に幅広く利用されている。
その一方で、ポリアセタール樹脂は、ポリアセタール樹脂の製造時や加工成形時等にかかる熱履歴によって僅かな熱分解反応が生じ、きわめて微量ながらもホルムアルデヒドが発生し、成形金型の汚染や、成形作業時の労働(衛生)環境を悪化させるという課題があり、また、最終樹脂製品から発生するホルムアルデヒドについても発生量を十分に抑制することが必要となっている。
上記したように、ポリアセタール樹脂は上記した優れた諸特性を有し、様々な分野に使用され、その量も拡大しているが、利用分野においては、成形品にさらに高級感を醸し出すためにメタリック外観が要求される場合がある。
ポリアセタール樹脂にメタリック感を付与するにはメタリック顔料を配合することが考えられるが、メタリック顔料として、アルミニウム等の金属粒子を含有するものを用いる場合には、ポリアセタール樹脂の分解が促進され上記したホルムアルデヒド発生が顕著となりやすい。
ポリアセタール樹脂にメタリック感を付与するにはメタリック顔料を配合することが考えられるが、メタリック顔料として、アルミニウム等の金属粒子を含有するものを用いる場合には、ポリアセタール樹脂の分解が促進され上記したホルムアルデヒド発生が顕著となりやすい。
従来から、ポリアセタール樹脂からのホルムアルデヒド発生抑制については、様々なポリアセタール樹脂添加剤が検討されており、例えば、メラミン系化合物、ヒドラジン系化合物、尿素系化合物、アミン系やアミド系化合物等の窒素系化合物等々が報告されている(特許文献1〜7参照)。
さらに、特許文献8には、これらのホルムアルデヒド発生抑制剤等を、ヘミホマール末端基等の各種末端基の量を特定したポリアセタール樹脂に添加したものに、メタリック顔料を配合したメタリック外観を有するポリアセタール樹脂組成物が開示されている。メタリック顔料としては、アルミニウム、金、銀、黄銅等の金属粒子等が挙げられている。
しかしながら、この提案をもってしても、未だにホルムアルデヒド発生抑制は十分であるとは言い難く、メタリック感や耐候性も十分と必ずしもいえるものではない。
しかしながら、この提案をもってしても、未だにホルムアルデヒド発生抑制は十分であるとは言い難く、メタリック感や耐候性も十分と必ずしもいえるものではない。
そのため、優れたメタリック感を有し、かつ耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が抑制されたポリアセタール樹脂組成物の開発が望まれていた。
本発明の目的は、メタリック感と耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が低減されたポリアセタール樹脂組成物及びこれからなる樹脂成形品を提供することにある。
本発明の目的は、メタリック感と耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が低減されたポリアセタール樹脂組成物及びこれからなる樹脂成形品を提供することにある。
本発明者らは、(A)ポリアセタール樹脂に、(B)特定の平均粒径と、特定の平均厚みを有する扁平状アルミニウム粒子、(C)ヒンダードアミン系光安定剤、(D)紫外線吸収剤および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤を、それぞれ特定量配合してなるポリアセタール樹脂組成物が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.5〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜5質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、扁平状アルミニウム粒子の平均厚み/平均粒径の比が0.005〜0.5であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤が、ヒドラジド化合物であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、さらに、(F)ポリアミド樹脂(F−1)またはアミノ当量が100〜10,000のアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)を、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01〜3質量部含有することを特徴とするポリアセタール樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記扁平状アルミニウム粒子が、表面にポリシロキサン部分を有する扁平状アルミニウム粒子であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形品が提供される。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、金属に近い色目を呈し輝度も十分な優れたメタリック感を有し、かつ耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が抑制され、さらに、ポリアミド樹脂等を配合させた場合は、ホルムアミド発生量をさらに抑制することができる。
従って、本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形品は、自動車内装部品、電気・電子外装部品、家屋等の内装部品、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)等に好適に使用することができる。
従って、本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形品は、自動車内装部品、電気・電子外装部品、家屋等の内装部品、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)等に好適に使用することができる。
[1.発明の概要]
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.1〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜5質量部を含有してなることを特徴とする。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.1〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜5質量部を含有してなることを特徴とする。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。
本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[2.(A)ポリアセタール樹脂]
本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、−(−O−CRH−)n−(但し、Rは水素原子、有機基を示す。)で示されるアセタール構造の繰り返しを有する高分子であり、通常は、Rが水素原子であるオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、このオキシメチレン単位のみからなるホモポリマー以外に、オキシメチレン単位以外の構成単位を含むコポリマー(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)やターポリマー等であってもよく、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、−(−O−CRH−)n−(但し、Rは水素原子、有機基を示す。)で示されるアセタール構造の繰り返しを有する高分子であり、通常は、Rが水素原子であるオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、このオキシメチレン単位のみからなるホモポリマー以外に、オキシメチレン単位以外の構成単位を含むコポリマー(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)やターポリマー等であってもよく、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
オキシメチレン単位以外の構成単位としては、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基(−CH2CH2CH2O−)、オキシブチレン基(−CH2CH2CH2CH2O−)等の炭素数2〜10の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が挙げられる。これらのなかでも、炭素数2〜4の分岐していてもよいオキシアルキレン基が好ましく、特にオキシエチレン基が好ましい。ポリアセタール樹脂に占めるオキシメチレン基以外のオキシアルキレン基の含有量は、通常は0.1〜20質量%である。
(A)ポリアセタール樹脂の製造方法は公知であり、本発明ではそのいずれの方法で製造されたポリアセタール樹脂も用いることができる。
例えば、オキシメチレン基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。ポリアセタール樹脂としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド又は1,3−ジオキソランとの共重合体を用いるのが好ましく、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体を用いるのが特に好ましい。
例えば、オキシメチレン基と、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。ポリアセタール樹脂としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド又は1,3−ジオキソランとの共重合体を用いるのが好ましく、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体を用いるのが特に好ましい。
(A)ポリアセタール樹脂としては、全末端基の中に適度の水酸基末端を有するものが好ましく、末端基全体に対する水酸基末端の割合が50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%のものを用いるのが好ましい。また、末端基全体に占める末端水酸基の割合は、重合時に水や多価アルコールの使用量により調整することができる。
さらに、(A)ポリアセタール樹脂は、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16Kg)が、通常0.5〜100g/10分であるが、1〜80g/10分が好ましい。
さらに、(A)ポリアセタール樹脂は、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16Kg)が、通常0.5〜100g/10分であるが、1〜80g/10分が好ましい。
[3.(B)扁平状アルミニウム粒子]
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、メタリック顔料として扁平状アルミニウム粒子を使用する。
ここで、アルミニウム粒子は、アルミニウムのみから構成されていてもよく、またアルミニウム合金から構成されていてもよい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、メタリック顔料として扁平状アルミニウム粒子を使用する。
ここで、アルミニウム粒子は、アルミニウムのみから構成されていてもよく、またアルミニウム合金から構成されていてもよい。
本発明における扁平状アルミニウム粒子(以下、単に「アルミニウム粒子」と略称する場合がある。)とは、フレーク状、鱗片状、円盤状、楕円板状などを含む種々の扁平状のアルミニウム粒子である。
アルミニウム粒子の平均粒径は、3〜200μmであることが必要であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、100μm以下がより好ましく、特に80μm以下が好ましい。平均粒径が3μmより小さいと、良好なメタリック感が得られず、平均粒径が200μmを超えると、塗料として使用したときに塗膜表面が荒れてしまい、好ましいメタリック外感を実現できない。
アルミニウム粒子の平均粒径は、3〜200μmであることが必要であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、100μm以下がより好ましく、特に80μm以下が好ましい。平均粒径が3μmより小さいと、良好なメタリック感が得られず、平均粒径が200μmを超えると、塗料として使用したときに塗膜表面が荒れてしまい、好ましいメタリック外感を実現できない。
アルミニウム粒子の平均厚みは、0.1〜40μmであることが必要である。平均厚みが0.5μmより小さいと、良好なメタリック感が得られず、平均厚みが40μmを超えると、塗料として使用したときに塗膜表面が荒れてしまい、好ましいメタリック外感を実現できない。
さらに、アルミニウム粒子は、平均厚みと平均粒径の比、平均厚み/平均粒径が、0.005〜0.5の扁平状であることが好ましく、0.01以上のものがより好ましい。平均厚み/平均粒径が、0.005未満では、樹脂組成物製造時にアルミ粒子の破損、折損、変形等が生じ易くなる。さらにアルミ粒子の配向性が色相へ与える影響が顕著となり、色むら(特に、ウェルドマーク)が発生し易くなる。また、0.5を超えると樹脂成形品のメタリック色調が不十分となり、輝度も不足しやすい傾向にある。
ここで、本発明に用いるアルミニウム粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定された粒度分布により、体積平均を算出して求められる。また、平均厚みは、得られる樹脂組成物の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、任意に選んだ100個の粒子の厚みに相当する断面を実測し、これを算術平均することにより求められる。
また、扁平状アルミニウム粒子は、表面にシロキサン部分を有するものが好ましい。このような扁平状アルミニウム粒子は、例えばアルミニウム粒子をポリオルガノシロキサン等のシロキサン化合物で表面処理する等の方法によって得ることが出来る。このような、シロキサン化合物によって表面処理されたアルミニウム粒子を用いることによって、本発明のポリアセタール樹脂組成物の熱安定性、機械的強度、ホルムアルデヒド発生抑制効果をより向上させることが出来、且つ、ポリアセタール樹脂組成物中での均一分散性および安定性をも向上させ、更には充分なメタリック色調を呈するポリアセタール樹脂組成物としやすくなる。
シロキサン化合物による表面処理方法としては、従来公知の任意の方法を採用することが出来る。
本発明に用いる、表面処理に用いるシロキサン化合物としては、ポリオルガノシロキサンが好ましい。ポリオルガノシロキサンとしては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には、例えば、ジメチルシロキサン等のジアルキルシロキサン類;フェニルメチルシロキサン等のアルキルアリールシロキサン類;ジフェニルシロキサン等のジアリールシロキサン類;等のモノオルガノシロキサン類や、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のポリオルガノハイドロジェンシロキサン類が挙げられる。中でも、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
本発明に用いる、表面処理に用いるシロキサン化合物としては、ポリオルガノシロキサンが好ましい。ポリオルガノシロキサンとしては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には、例えば、ジメチルシロキサン等のジアルキルシロキサン類;フェニルメチルシロキサン等のアルキルアリールシロキサン類;ジフェニルシロキサン等のジアリールシロキサン類;等のモノオルガノシロキサン類や、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のポリオルガノハイドロジェンシロキサン類が挙げられる。中でも、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
表面に存在するシロキサン化合物の量は、所望のメタリック感、また、ポリアセタール樹脂との密着性に応じて適宜調整すればよいが、通常は、アルミニウム粒子100質量部に対して0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部、さらに好ましくは0.3質量部以上である。
また、アルミニウム粒子は、その表面に無機顔料または有機顔料を付着させた着色アルミニウム粒子とすることもでき、さらには、アルミニウム粒子の表面に干渉作用を示す無機化合物層または金属層を設けることもできる。
着色アルミニウム粒子の形成に用いられる無機顔料または有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、イソインドリノン、インダンスロン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、パールマイカ、着色マイカ、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン系等)、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。
着色アルミニウム粒子の形成に用いられる無機顔料または有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、イソインドリノン、インダンスロン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、パールマイカ、着色マイカ、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン系等)、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明においては、(B)扁平状アルミニウム粒子を、ポリエチレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、アミド系ワックス、エステル系ワックス、流動パラフィン等とのマスターバッチとして用いることが好ましい。マスターバッチとして配合することにより、ポリアセタール樹脂との分散性(混和性)が特によくなるので好ましい。なかでも、ポリエチレンワックスを使用することが好ましい。マスターバッチの製造方法は、従来公知の方法を採用することができるが、中でも、アルミニウム粒子と上記ワックスと混合し、溶融混練しペレット化する方法が好ましい。
(B)扁平状アルミニウム粒子の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部である。0.1質量部未満では、メタリック調を呈する効果が不十分であり、10質量部を超えると、ポリアセタール樹脂の機械的物性を損なってしまうことに加えて、ポリアセタール樹脂の分解を促進し、ホルムアルデヒド発生をも促進してしまう。好ましくは0.5〜8質量部、より好ましくは0.8〜5質量部、特に好ましくは0.8〜3質量部である。
なお、ここでの(B)扁平状アルミニウム粒子の含有量には、上記したポリエチレンワックス等のワックス等は含まれない。
なお、ここでの(B)扁平状アルミニウム粒子の含有量には、上記したポリエチレンワックス等のワックス等は含まれない。
[3.(C)ヒンダードアミン系光安定剤]
本発明においては、(C)ヒンダードアミン系光安定剤を配合する。
ヒンダードアミン系光安定剤は、下記一般式(1)で示されるピペリジン構造を有するアミンである。
本発明においては、(C)ヒンダードアミン系光安定剤を配合する。
ヒンダードアミン系光安定剤は、下記一般式(1)で示されるピペリジン構造を有するアミンである。
一般式(1)において、Xは、窒素原子との結合部が炭素原子である有機基を示し、Yは、酸素原子または窒素原子を介してピペリジル基と結合する有機基または水素原子を示す。
好ましいXとしては、炭素数1〜10のアルキル基等が挙げられる。Xがアルキル基の場合は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。また、ヒンダードアミン系光安定剤は、分子中に複数のピペリジン構造を有することができるが、全てのピペリジン構造が、N−炭素原子−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル構造であることが好ましい。
好ましいXとしては、炭素数1〜10のアルキル基等が挙げられる。Xがアルキル基の場合は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等の炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。また、ヒンダードアミン系光安定剤は、分子中に複数のピペリジン構造を有することができるが、全てのピペリジン構造が、N−炭素原子−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル構造であることが好ましい。
好ましい(C)ヒンダードアミン系光安定剤の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート
1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル及びトリデシル−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート(ブタンテトラカルボキシレートの4つのエステル部の一部が1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基で他がトリデシル基である化合物の混合物)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウデンカン)−ジエタノールとの縮合物
コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート
1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル及びトリデシル−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート(ブタンテトラカルボキシレートの4つのエステル部の一部が1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基で他がトリデシル基である化合物の混合物)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウデンカン)−ジエタノールとの縮合物
コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート
(C)ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部である。含有量が0.01質量部未満では十分な耐候性(クラック発生時間の遅延効果)が得られにくく、5質量部を超えると機械物性の低下が著しく、金型汚染も多くなりやすい。また、成形時に添加剤の浮き出しが発生しメタリック外観を損なうばかりでなく、金型汚染(モールドデポジット)も発生し易くなる。(C)ヒンダードアミン系光安定剤の好ましい含有量は0.01〜3質量部であり、より好ましくは0.03〜2質量部である。
[4.(D)紫外線吸収剤]
本発明においては、(D)紫外線吸収剤を配合する。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、及び、シュウ酸アニリド系等の紫外線吸収剤が挙げられるが、本発明においては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
本発明においては、(D)紫外線吸収剤を配合する。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系化合物、及び、シュウ酸アニリド系等の紫外線吸収剤が挙げられるが、本発明においては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、などが好ましく挙げられる。
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、などが好ましく挙げられる。
これらの(D)紫外線吸収剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
特に好ましい紫外線吸収剤は20℃における蒸気圧が1×10−8Pa以下のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
具体的には、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]が、特に好ましい。
特に好ましい紫外線吸収剤は20℃における蒸気圧が1×10−8Pa以下のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
具体的には、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]が、特に好ましい。
(D)紫外線吸収剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部である。含有量が0.1質量部未満では十分な耐候性が得られにくく、5質量部を超えると機械物性の低下が顕著となりやすい。また、成形時に添加剤の浮き出しが発生しメタリック外観を損なうばかりでなく、金型汚染(モールドデポジット)も発生し易くなる。紫外線吸収剤の好ましい含有量は、0.1〜3質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.6質量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物に、(D)紫外線吸収剤と前述の(C)ヒンダードアミン系光安定剤を含有させることによって、優れた熱安定性と成形性やホルムアルデヒド発生抑制効果に加えて、成形品の耐候性を向上させることができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物に、(D)紫外線吸収剤と前述の(C)ヒンダードアミン系光安定剤を含有させることによって、優れた熱安定性と成形性やホルムアルデヒド発生抑制効果に加えて、成形品の耐候性を向上させることができる。
[5.(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤]
本発明においては、さらに、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤を、(A)ポリアセタール100質量部に対し、0.01〜5質量部配合する。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む安定剤の例としては、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物、ヒドラジン誘導体を挙げることができる。
本発明においては、さらに、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤を、(A)ポリアセタール100質量部に対し、0.01〜5質量部配合する。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む安定剤の例としては、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物、ヒドラジン誘導体を挙げることができる。
アミド化合物の具体例としては、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。
アミノ置換トリアジン化合物とは、下記一般式(2)で示される構造を有するアミノ置換トリアジン類、又はこれとホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
一般式(2)において、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキル基、アルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は置換されていてもよいアミノ基を示すが、R1〜R3のうち少なくとも一つは置換されていてもよいアミノ基を示す。
アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)が挙げられる。
アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。
アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。
アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。
尿素誘導体の例としては、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。
ヒダントイン化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。
ウレイド化合物の具体例としては、アラントイン等が挙げられる。
イミド化合物の具体例としてはスクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。
ウレイド化合物の具体例としては、アラントイン等が挙げられる。
イミド化合物の具体例としてはスクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。
ヒドラジン誘導体としてはヒドラジド化合物を挙げることができ、本発明においては、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤として、ジヒドラジド化合物を使用するのが好ましい。
特に、ジヒドラジド化合物として、芳香族ジヒドラジド化合物及び20℃における水100gに対する溶解度が1g未満の脂肪族ジヒドラジド化合物より成る群から選ばれたジヒドラジド化合物を用いるのが好ましい。
芳香族ジヒドラジド化合物とは、2個のカルボン酸基やスルホン酸基を有する芳香族化合物のそれぞれの酸基にヒドラジンが反応した化合物で、例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,5−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,8−ナフタレンジカルボヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,5−ジフェニルカルボノヒドラジド、2,4−トルエンジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
特に、ジヒドラジド化合物として、芳香族ジヒドラジド化合物及び20℃における水100gに対する溶解度が1g未満の脂肪族ジヒドラジド化合物より成る群から選ばれたジヒドラジド化合物を用いるのが好ましい。
芳香族ジヒドラジド化合物とは、2個のカルボン酸基やスルホン酸基を有する芳香族化合物のそれぞれの酸基にヒドラジンが反応した化合物で、例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,5−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,8−ナフタレンジカルボヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,5−ジフェニルカルボノヒドラジド、2,4−トルエンジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
また、20℃における水100gに対する溶解度(以下、水溶解度という場合がある。)が1g未満の脂肪族ジヒドラジド化合物としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド(水溶解度0.2g以下)、セバシン酸ジヒドラジド(同0.01g以下)、1,12−ドデカンジカルボヒドラジド(同0.01g以下)、1,18−オクタデカンジカルボヒドラジド(同0.1g以下)等が挙げられる。水溶解度が1g以上の脂肪族ジヒドラジド化合物は、ポリアセタール樹脂組成物からのホルムアルデヒド発生抑制効果が十分でない傾向がある。
ジヒドラジド化合物のなかでも好ましいものとしては、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,12−ドデカンジカルボヒドラジド等が挙げられる。特にセバシン酸ジヒドラジド、1,12−ドデカンジカルボヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等を用いるのが好ましい。
(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部である。含有量が0.01質量部未満では成形品からのホルムアルデヒドの発生を低減させる効果が不十分で、逆に1質量部を超えると射出成形時の金型付着物が増加し、成形を効率的に行えなくなりやすい。(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤の好ましい含有量は0.03〜0.3質量部であり、より好ましくは、0.05〜0.15質量部である。
(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤としては、前記したようにアミド化合物が使用できるが、また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体も挙げることができ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。
[6.(F)ポリアミド樹脂(F−1)またはアミノ当量が100〜10,000のアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)]
本発明においては、ホルムアルデヒドの発生を効果的に抑制するために、ポリアミド樹脂(F−1)またはアミノ当量が100〜10,000であるアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)を配合することが好ましい。
本発明においては、ホルムアルデヒドの発生を効果的に抑制するために、ポリアミド樹脂(F−1)またはアミノ当量が100〜10,000であるアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)を配合することが好ましい。
[6.1 ポリアミド樹脂(F−1)]
ポリアミド樹脂(F−1)としては、脂肪族ポリアミド樹脂、脂環族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂のいずれも使用することができる。
また、ポリアミド樹脂は一種類の構成単位から成るものでも、複数種の構成単位から成るものであってもよい。ポリアミド樹脂の原料としてはω−アミノ酸、好ましくは炭素原子数6〜12の直鎖ω−アミノ酸及びそのラクタム;アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸やそのジメチルエステル;ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類が挙げられる。複数種の構成単位から成る共重合ポリアミドの場合には、共重合比率、共重合形態(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、架橋ポリマー)等は任意に選択することができる。
本発明においては、ポリアミド樹脂として、ポリアミド12、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/610共重合体、ポリアミド6/66/610/12共重合体等を用いるのが好ましい。
ポリアミド樹脂(F−1)としては、脂肪族ポリアミド樹脂、脂環族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂のいずれも使用することができる。
また、ポリアミド樹脂は一種類の構成単位から成るものでも、複数種の構成単位から成るものであってもよい。ポリアミド樹脂の原料としてはω−アミノ酸、好ましくは炭素原子数6〜12の直鎖ω−アミノ酸及びそのラクタム;アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸やそのジメチルエステル;ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類が挙げられる。複数種の構成単位から成る共重合ポリアミドの場合には、共重合比率、共重合形態(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、架橋ポリマー)等は任意に選択することができる。
本発明においては、ポリアミド樹脂として、ポリアミド12、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/610共重合体、ポリアミド6/66/610/12共重合体等を用いるのが好ましい。
ポリアミド樹脂(F−1)としては、融点又は軟化点が180℃以下であるという物性か、または、アミン価が2mgKOH/g以上であるという物性の少なくとも一方を備えるポリアミド樹脂を配合するのが好ましい。このようなポリアミド樹脂を配合することにより、ホルムアルデヒドの発生を効果的に抑制することができる。
より好ましい融点又は軟化点は、175℃以下であり、さらに好ましくは170℃以下である。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、ポリアセタール樹脂と混練する温度においてポリアミド樹脂が溶融状態となるため、ポリアミド樹脂の分散性がより向上するという利点がある。
より好ましい融点又は軟化点は、175℃以下であり、さらに好ましくは170℃以下である。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、ポリアセタール樹脂と混練する温度においてポリアミド樹脂が溶融状態となるため、ポリアミド樹脂の分散性がより向上するという利点がある。
なお、この際の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)法により観測される吸熱ピークのピークトップの温度である。吸熱ピークとは、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温した時に観測される吸熱ピークとする。具体的には、ポリアミド12の場合は、例えば、次の要領で求めることができる。
30〜210℃まで10℃/minの速度で昇温し、210℃で2分間保持した後、50℃まで20℃/minの速度で降温する。更に、10℃/minの速度で210℃まで昇温し、昇温時に観測される吸熱ピークのピークトップから融点を求める。昇温時の最高温度は、予想されるポリアミド樹脂の融点に応じて適宜調整すればよく、通常は融点+50℃までの範囲で選択する。
また、軟化点とは、JIS K2207規格に準拠して測定される温度である。
30〜210℃まで10℃/minの速度で昇温し、210℃で2分間保持した後、50℃まで20℃/minの速度で降温する。更に、10℃/minの速度で210℃まで昇温し、昇温時に観測される吸熱ピークのピークトップから融点を求める。昇温時の最高温度は、予想されるポリアミド樹脂の融点に応じて適宜調整すればよく、通常は融点+50℃までの範囲で選択する。
また、軟化点とは、JIS K2207規格に準拠して測定される温度である。
また、ポリアミド樹脂(F−1)としては、アミン価が2mgKOH/g以上のポリアミド樹脂も好ましい。このような末端にアミノ基を多く持つポリアミド樹脂は、ホルムアルデヒドが酸化されて生成するギ酸による酸性を中和し、ポリアセタール樹脂の分解を抑制する効果を有する。
アミン価は、好ましくは2.5mgKOH/g以上、より好ましくは、3mgKOH/g以上、さらに好ましくは、5mgKOH/g以上、特に好ましくは、8mgKOH/g以上である。
アミン価を2mgKOH/g以上とすることにより、ポリアセタール樹脂の分解抑制がより効果的に奏される。アミン価の上限は特に定めるものではないが、通常、100mgKOH/g以下、好ましくは80mgKOH/g以下である。
なお、アミン価とは、単位質量あたりの分子中に含有される全塩基性成分を中和するのに必要な過塩素酸と等量の水酸化カルシウム(KOH)の質量で定義したものである。アミン価は、例えば、試料3gをm−クレゾールに溶解し、過塩素酸メタノール溶液で電位差滴定法により滴定し、KOHのmgに換算することで求められる。
アミン価は、好ましくは2.5mgKOH/g以上、より好ましくは、3mgKOH/g以上、さらに好ましくは、5mgKOH/g以上、特に好ましくは、8mgKOH/g以上である。
アミン価を2mgKOH/g以上とすることにより、ポリアセタール樹脂の分解抑制がより効果的に奏される。アミン価の上限は特に定めるものではないが、通常、100mgKOH/g以下、好ましくは80mgKOH/g以下である。
なお、アミン価とは、単位質量あたりの分子中に含有される全塩基性成分を中和するのに必要な過塩素酸と等量の水酸化カルシウム(KOH)の質量で定義したものである。アミン価は、例えば、試料3gをm−クレゾールに溶解し、過塩素酸メタノール溶液で電位差滴定法により滴定し、KOHのmgに換算することで求められる。
ポリアミド樹脂のアミン価の調整は、ジカルボン酸とジアミンの仕込み比率を調整して重合したり、重合して得られたポリアミド樹脂とアミン等の末端調整剤とを加熱して反応させることにより行うことができる。末端調整剤として用いられるアミンとしては、炭素原子数6〜22のものが好ましく、例えば、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第一級アミンが挙げられる。
また、ダイマー酸を用いるのも好ましい。ダイマー酸は周知のように、オレイン酸やリノール酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸を2量化したもので、その代表的なものの一つは炭素数36の二塩基酸及び/又はその水素添加物を主体とし、他に少量の炭素数18の一塩基酸(モノマー)や炭素数54の三塩基酸(トリマー)を含有している。ダイマー酸とジアミンとを反応させて得られるダイマー酸ポリアミド樹脂は、軟化点(JIS K2531―1960規格)が180℃以下であり、好適に用いることができる。
本発明においては、ポリアミド樹脂(F−1)として、ポリエーテルエステルアミド樹脂を配合することも好ましい。このようなポリエーテルエステルアミド樹脂を配合することにより、ホルムアルデヒドの発生をより効果的に抑制することができる。
ポリエーテルエステルアミド樹脂は、典型的には、ポリアミド単位とポリオキシアルキレングリコール単位とから主として構成される。通常は、ポリアミド単位15〜90質量%とポリオキシアルキレングリコール単位85〜10質量%とから主として構成される。本発明で用いられるポリエーテルエステルアミド樹脂は、セグメント化共重合体であることが好ましい。
ポリエーテルエステルアミド樹脂を構成するポリアミド単位は、アミド結合を有する重合体であって、(1)ラクタムの開環重縮合体、(2)アミノカルボン酸重縮合体、(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体のいずれでもよい。(1)のラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペンゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸、重合脂肪酸等が挙げられ、またジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。これらのポリアミド単位の分子量は300〜15,000、好ましくは800〜5,000である。なお、上記アミド単位形成モノマーとして例示したものは2種類以上併用してもよい。ポリアミド単位として好ましいものは、ラウロラクタムを開環重縮合したポリアミド(ポリアミド12)や、主として重合脂肪酸とジアミンの重縮合反応より得られるダイマー酸ポリアミドである。なお、重合脂肪酸とは不飽和脂肪酸の重合体、あるいはかかる重合体を水素添加して不飽和度を下げたものである。
重合脂肪酸としては、例えば10〜24程度の炭素数を有し、二重結合又は三重結合を一個以上有する一塩基性脂肪酸の二量体(ダイマー酸)及び/又はその水素添加物が好ましい。ダイマー酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸等の二量体が挙げられる。その代表的なものの一つは、炭素数36の二塩基酸及び/又は水素添加物を主体とし、他に少量の炭素数18の一塩基酸(モノマー)や炭素数54の三塩基酸(トリマー)を含有しているものである。
重合脂肪酸としては、例えば10〜24程度の炭素数を有し、二重結合又は三重結合を一個以上有する一塩基性脂肪酸の二量体(ダイマー酸)及び/又はその水素添加物が好ましい。ダイマー酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸等の二量体が挙げられる。その代表的なものの一つは、炭素数36の二塩基酸及び/又は水素添加物を主体とし、他に少量の炭素数18の一塩基酸(モノマー)や炭素数54の三塩基酸(トリマー)を含有しているものである。
ポリエーテルエステルアミド樹脂を構成するポリオキシアルキレングリコール単位とは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位からなり、200〜8,000の分子量を有するものであって、具体的にはポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等が挙げられるが、これらのうち、好ましいものはポリオキシエチレングリコールである。
これらのポリエーテルエステルアミド樹脂とその製造法は知られており、例えば、ポリエーテルとジカルボン酸からなる縮合ポリエステルプレポリマーの存在下に陰イオン触媒を用いてラクタムを開環重合させる方法(米国特許第3993709号公報)、ラクタム又はω−アミノカルボン酸、ジカルボン酸及びポリオールを加熱重合させる方法(西独国特許公開第2712987号及び同第2936976号公報)、分子鎖末端にカルボキシル基を有するジカルボン酸アミドとポリオールとをチタン酸塩系触媒を用いて縮合させる方法(米国特許第4230838号公報)等がある。
ポリエーテルエステルアミド樹脂は、融点又は軟化点は、好ましくは175℃以下であり、より好ましくは170℃以下である。このようなポリエーテルエステルアミド樹脂を用いることにより、ポリアセタール樹脂と混練する温度においてポリエーテルエステルアミド樹脂が溶融状態となるため、ポリエーテルエステルアミド樹脂の分散性がより向上するという利点がある。
ポリエーテルエステルアミド樹脂のアミン価の調整は、反応成分の仕込み比率を調整して重合したり、ポリエーテルエステルアミド樹脂を構成するポリアミド単位とアミン等の末端調整剤とを加熱して反応させたり、重合して得られたポリエーテルエステルアミド樹脂とアミン等の末端調整剤とを加熱して反応させることにより行うことができる。末端調整剤として用いられるアミンとしては、炭素数6〜22のものが好ましく、例えば、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第一級アミンが挙げられる。
本発明で好ましく使用することができるポリエーテルエステルアミド樹脂として、例えば特開平11−228691号公報等によって示される方法で製造される高アミン価のポリエーテルエステルアミド樹脂を挙げることができる。また、本発明では、ポリエーテルエステルアミド樹脂として特開2002−146212号公報に記載されるポリエーテルエステルアミド樹脂も好ましく使用することができる。
ポリアミド樹脂(F−1)の重量平均分子量は任意であるが、通常は500〜100,000、好ましくは1,000〜50,000である。なお、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって測定された、ポリスチレン換算の値を言う。
ポリアセタール樹脂がホルムアルデヒドを発生すると、ホルムアルデヒドが酸化してギ酸となり、このギ酸による酸性は、ポリアセタール樹脂の分解をさらに促進させることになる。本発明においては、末端にアミノ基を多く持つポリアミド樹脂を配合することにより、ホルムアルデヒドが酸化されて生成するギ酸による酸性を中和し、ポリアセタール樹脂の分解を抑制することがき、しかも、驚くべきことに、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤によるホルムアルデヒド捕捉効果を阻害しないという効果をも奏する。特に、アルミニウム粒子を含有するメタリック顔料を配合しているので、アルミニウムによりポリアセタール樹脂が分解しやすく、ホルムアルデヒドの発生量も増えるため、ホルムアルデヒド発生の抑制効果は顕著である。
ポリアミド樹脂(F−1)の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜3質量部であることが好ましい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となる。含有量が0.01質量部未満では、成形品からのホルムアルデヒド発生量を低減させる効果が充分とはいえない場合があり、逆に3質量部を超えると、ポリアセタール樹脂組成物の成形品の機械的強度が低下しやすい傾向にある。より好ましいポリアミド樹脂の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05質量部、特には0.1質量部以上であり、また、その上限は、2質量部以下、更には1質量部以下であることが好ましい。
[6.2 アミノ当量100〜10,000のアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)]
本発明においては、アミノ当量が100〜10,000であるアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)(以下、単に「アミノ基含有シロキサン化合物」と略記する場合がある。)を配合することも好ましい。
本発明においては、アミノ当量が100〜10,000であるアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)(以下、単に「アミノ基含有シロキサン化合物」と略記する場合がある。)を配合することも好ましい。
アミノ基含有シロキサン化合物(F−2)とは、アミノ基を含有するシロキサン化合物であれば、特に制限はないが、例えば、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種のアミノ基含有ポリオルガノシロキサン化合物が好ましい。
上記一般式(3)〜(7)において、R1、R’はそれぞれ同一か又は異なっていてもよく、線状又は分岐状の炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜24のアルキルアリーレン基、炭素数7〜24のアリールアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキレン基を表し、R2、R3はそれぞれ同一か又は異なっていてもよく、線状もしくは分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜24のアルキルアリール基、炭素数7〜24のアリールアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基を表す。POAは、炭素数2〜10のポリアルキレンオキシド基を表す。なお1分子中のR1は、全て同一の必要はない。R2、R3、R’、POAに関しても同様である。
n、mは3以上の整数、xは0以上の整数、y、zは1以上の整数、pは0〜10の整数である。
n、mは3以上の整数、xは0以上の整数、y、zは1以上の整数、pは0〜10の整数である。
R1としては、エチレン基、プロピレン基、ベンチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
R2、R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基等のハロアルキル基等が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
R’としては、エチレン基、プロピレン基、ベンチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
R2、R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基等のハロアルキル基等が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
R’としては、エチレン基、プロピレン基、ベンチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
POAで表されるポリアルキレンオキシド基としては、炭素数2〜6のポリアルキレンオキシド基が好ましく、炭素数2〜3のポリアルキレンオキシド基がより好ましい。
前記一般式(3)、(4)及び(7)において、n、mは10〜3,000が好ましく、15〜2,000がより好ましく、20〜1,500がさらに好ましい。前記一般式(7)において、x+yは、10〜3,000が好ましく、15〜2,000がより好ましく、20〜1,500がさらに好ましい。前記一般式(6)において、x+y+zは、10〜3,000が好ましく、15〜2,000がより好ましく、20〜1,500がさらに好ましい。zは、1〜1,000が好ましく、2〜600がより好ましく、3〜300がさらに好ましい。前記一般式(5)〜(7)において、pは0〜5が好ましく、0〜2がより好ましく、0がさらに好ましい。
これらの中でも、ポリアセタール樹脂分解抑制効果が優れる点から、一般式(5)において、R1が炭素数2〜4のアルキル基、R2がメチル基、p=0であるアミノ基含有シロキサン化合物が特に好ましい。
なお、本発明におけるアミノ当量とは、次式で定義される値である。
(アミノ当量)=1/(アミノ基濃度)=(試料質量)/(アミノ基モル数)
上記式よりアミノ当量を求める一般的な測定方法としては、通常の溶液適定法を採用できる。具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
フラスコにアミノ基含有シロキサン化合物1gを量りとり、イソプロピルアルコールを25ml加えよく攪拌し溶解する。指示薬としてブロムフェノールブルーを用い、0.1mol/Lの塩酸で中和滴定する。アミノ当量は、以下の式で計算される。
(アミノ当量)=
(試料質量/g)×104/{(塩酸ファクター)×(塩酸滴定量/ml)}
(アミノ当量)=1/(アミノ基濃度)=(試料質量)/(アミノ基モル数)
上記式よりアミノ当量を求める一般的な測定方法としては、通常の溶液適定法を採用できる。具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
フラスコにアミノ基含有シロキサン化合物1gを量りとり、イソプロピルアルコールを25ml加えよく攪拌し溶解する。指示薬としてブロムフェノールブルーを用い、0.1mol/Lの塩酸で中和滴定する。アミノ当量は、以下の式で計算される。
(アミノ当量)=
(試料質量/g)×104/{(塩酸ファクター)×(塩酸滴定量/ml)}
アミノ当量は好ましくは100〜9,000、より好ましくは100〜8,000、さらに好ましくは200〜7,000である。アミノ当量が100未満ではポリアセタール樹脂を分解しホルムアルデヒド発生量が増加しやすく、10,000を超えると本発明の十分な効果が得られにくい。
アミノ基含有シロキサン化合物の動粘度は任意であるが、通常は100mm2/s以上、好ましくは300mm2/s以上、より好ましくは500mm2/s以上である。動粘度が100mm2/s未満であると、成形加工時にブリードアウトしやすい傾向にある。なお、アミノ基含有シロキサン化合物の動粘度とは、回転粘度計を用い25℃で測定された値を言う。
アミノ基含有シロキサン化合物の製造方法及びアミノ当量の調整方法は、従来より公知であり、例えば、上記一般式(3)の化合物は、ヘキサメチルシクロトリシロキサンの非平衡重合で得られた片末端ケイ素原子結合水素原子含有ポリジメチルシロキサンとアリルアミンのシリル化物との付加反応後、脱シリル化によって製造することができる(特開平2−42090号公報参照。)。また、上記一般式(4)〜(7)の化合物は、例えば、特開平7−11000号公報、特開平7−41677号公報、特開昭53−98499号公報、特開平2−42090号公報等に記載の方法により、必要な原料を用いて、製造、アミノ当量の調整をすることができる。
ポリアセタール樹脂にアルミニウム粒子を配合すると、ポリアセタール樹脂が分解しやすくなり、ホルムアルデヒドが発生しやすくなる。このホルムアルデヒドは酸化されるとギ酸となり、このギ酸による酸性は、ポリアセタール樹脂の分解をさらに促進させることになる。本発明においては、特定量のアミノ基を有するシロキサン化合物を配合することにより、ホルムアルデヒドが酸化されて生成するギ酸による酸性を中和し、(A)ポリアセタール樹脂の分解を抑制することがき、しかも、驚くべきことに、ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する安定剤によるホルムアルデヒド捕捉効果を阻害しないという効果をも奏する。
アミノ基含有シロキサン化合物(F−2)の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜3質量部が好ましい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となる。含有量が0.01質量部未満では、成形品からのホルムアルデヒド発生量を低減させる効果が低い場合がある。逆に3質量部を超えると、ポリアセタール樹脂組成物の成形品の機械的強度が低下しやすい傾向にある。アミノ基含有シロキサン化合物の含有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上、特に0.1質量部以上であることが好ましい。また、その上限は2質量部以下、更には1質量部以下であることが好ましい。
[7.(G)立体障害性フェノール化合物]
本発明においては、耐熱安定性を向上させるために、立体障害性フェノール化合物(G)を配合することが好ましい。
立体障害性フェノール(ヒンダードフェノール)化合物とは、下記一般式(8)で示されるフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有する構造を分子内に少なくとも一個有する化合物をいう。
本発明においては、耐熱安定性を向上させるために、立体障害性フェノール化合物(G)を配合することが好ましい。
立体障害性フェノール(ヒンダードフェノール)化合物とは、下記一般式(8)で示されるフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有する構造を分子内に少なくとも一個有する化合物をいう。
一般式(8)において、R4及びR5は、各々独立して、置換又は非置換のアルキル基を示す。またフェノール性水酸基に対しメタ位及び/又はパラ位に、任意の置換基R6を有していてもよい。qは0〜3の整数であり、好ましくは0又は1である。
R4、R5が示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基等炭素数1〜6のものが挙げられる。なかでもt−ブチル基のような嵩高い分岐アルキル基が好ましく、R4、R5のうちの少なくとも一つはこのような分岐アルキル基であるのが好ましい。アルキル基の置換基としては塩素等のハロゲン原子が挙げられる。
R6としては、炭素数4以上のものが好ましい。また、この置換基R6は、芳香環の炭素原子と炭素−炭素結合により結合していてもよく、炭素以外の原子を介して結合していてもよい。
R4、R5が示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基等炭素数1〜6のものが挙げられる。なかでもt−ブチル基のような嵩高い分岐アルキル基が好ましく、R4、R5のうちの少なくとも一つはこのような分岐アルキル基であるのが好ましい。アルキル基の置換基としては塩素等のハロゲン原子が挙げられる。
R6としては、炭素数4以上のものが好ましい。また、この置換基R6は、芳香環の炭素原子と炭素−炭素結合により結合していてもよく、炭素以外の原子を介して結合していてもよい。
本発明に用いる(G)立体障害性フェノール化合物としては、例えば2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリト−ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
一般式(9)において、R4及びR5は、それぞれ、一般式(8)と同義であり、好ましい範囲も同義である。
また、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のような、3−位に3,5−ジアルキルー4−ヒドロキシフェニル基を有するプロピオン酸と多価アルコールのエステルも好ましい。
(G)立体障害性フェノール化合物の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し0.01〜1質量部であることが好ましい。含有量が0.01質量部未満では熱分解抑制効果が低く、その結果成形品からのホルムアルデヒド発生を抑制する効果が小さい。逆に1質量部を超えると成形時に添加剤の浮き出しが発生しメタリック外観を損なうばかりでなく、金型汚染(モールドデポジット)も発生し易くなる。より好適な含有量は0.01〜0.5質量部である。
[8.その他の成分]
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、更にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩又はアルコキシド等を配合してもよい。例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の水酸化物、炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩等の無機酸塩、メトキシド、エトキシド等のアルコキシドを配合する。特に、アルカリ土類金属化合物を配合するのが好ましく、なかでも水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、又は炭酸マグネシウムを配合するのが好ましい。アルカリ土類金属化合物を配合する場合は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下の割合で含有させる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、更にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩又はアルコキシド等を配合してもよい。例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の水酸化物、炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩等の無機酸塩、メトキシド、エトキシド等のアルコキシドを配合する。特に、アルカリ土類金属化合物を配合するのが好ましく、なかでも水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、又は炭酸マグネシウムを配合するのが好ましい。アルカリ土類金属化合物を配合する場合は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下の割合で含有させる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、上記の成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲内で公知の種々の添加剤や充填材を配合してもよい。
添加剤としては、例えば滑剤、核剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられ、また充填材としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー等が、さらに、カーボンブラック、顔料等が挙げられる。
添加剤としては、例えば滑剤、核剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等が挙げられ、また充填材としては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー等が、さらに、カーボンブラック、顔料等が挙げられる。
[9.ポリアセタール樹脂組成物の製造]
上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)から樹脂組成物を製造するには、これら成分の所定量を、同時に又は任意の順序で配合し、所望により更に他の添加剤等を配合した後、溶融混練して反応させることによって行うことができる。溶融混練による反応は、好ましくは180〜260℃、より好ましくは200〜240℃、さらに好ましくは190〜220℃の温度で行うことができる。また、これらの一部をマスターバッチ化して配合することもできる。
溶融混練は、連続式、バッチ式等の何れの方法でも可能で、公知の装置、例えばニーダー、一軸又は二軸押出機などの溶融混練機を用いて行うことができる。
上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)から樹脂組成物を製造するには、これら成分の所定量を、同時に又は任意の順序で配合し、所望により更に他の添加剤等を配合した後、溶融混練して反応させることによって行うことができる。溶融混練による反応は、好ましくは180〜260℃、より好ましくは200〜240℃、さらに好ましくは190〜220℃の温度で行うことができる。また、これらの一部をマスターバッチ化して配合することもできる。
溶融混練は、連続式、バッチ式等の何れの方法でも可能で、公知の装置、例えばニーダー、一軸又は二軸押出機などの溶融混練機を用いて行うことができる。
溶融混練の装置の具体例としては、一軸押出機、かみ合い型同方向回転二軸押出機、かみ合い型異方向回転二軸押出機、非〜不完全かみ合い型異方向回転二軸押出機などを好ましく例示することができる。溶融剪断混合の時間は、装置内の樹脂温度や装置の剪断混合力に依存するため、一概に規定できないが、通常、1秒〜30分の範囲である。
溶融混練して反応と微細分散が進行した樹脂組成物は、押出機で、通常は、ストランド状に押出され、これをペレタイザー等でペレットとされる。
[10.成形品の製造]
上述した本発明のポリアセタール樹脂組成物(ペレット)は、公知のポリアセタール樹脂の成形加工法に従って、成形加工することができる。成形品を成形するには、流動性、加工性の観点から、射出成形が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物からなる成形品としては、丸棒、厚板等の素材、シート、チューブ、各種容器、機械、電気、自動車、建材その他の各種部品等の製品が挙げられる。特には、シートベルトガイド等の自動車用内装部品や、スィッチ、シフトレバー関係部品、ギヤチェンジフック等の自動車用部品に特に好適である。
上述した本発明のポリアセタール樹脂組成物(ペレット)は、公知のポリアセタール樹脂の成形加工法に従って、成形加工することができる。成形品を成形するには、流動性、加工性の観点から、射出成形が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物からなる成形品としては、丸棒、厚板等の素材、シート、チューブ、各種容器、機械、電気、自動車、建材その他の各種部品等の製品が挙げられる。特には、シートベルトガイド等の自動車用内装部品や、スィッチ、シフトレバー関係部品、ギヤチェンジフック等の自動車用部品に特に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の目的・効果を阻害しない限り、適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例及び比較例で使用した原料、及び測定法を以下に示す。
(A)ポリアセタール樹脂
コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂に対して4.2質量%となるように用いて製造したアセタールコポリマー、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16Kg)10.5g/10分
(A)ポリアセタール樹脂
コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂に対して4.2質量%となるように用いて製造したアセタールコポリマー、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16Kg)10.5g/10分
(B)扁平状アルミニウム粒子のマスターバッチ
以下の表1に示すアルミニウム粒子を基材とし、ポリエチレンワックスと溶融混練したマスターバッチペレットをメタリック顔料(アルミニウム顔料:70質量%)(B−1)〜(B−8)として使用した。
なお、(B−1)メタリック顔料に使用したアルミニウム粒子は、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたアルミニウム粒子である。また、DSC測定によるポリエチレンワックスの融点は115℃である。
以下の表1に示すアルミニウム粒子を基材とし、ポリエチレンワックスと溶融混練したマスターバッチペレットをメタリック顔料(アルミニウム顔料:70質量%)(B−1)〜(B−8)として使用した。
なお、(B−1)メタリック顔料に使用したアルミニウム粒子は、ポリジメチルシロキサンで表面処理されたアルミニウム粒子である。また、DSC測定によるポリエチレンワックスの融点は115℃である。
(C)ヒンダードアミン系光安定剤
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、三共ライフテック社製、商品名「サノールLS−765」
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、三共ライフテック社製、商品名「サノールLS−765」
(D)紫外線吸収剤
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール (20℃における蒸気圧2.0×10−10Pa)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「チヌビン234」
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール (20℃における蒸気圧2.0×10−10Pa)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「チヌビン234」
(E)ヒドラジド化合物
ドデカン二酸ジヒドラジド 日本ファインケム工業社製、商品名「N12」
ドデカン二酸ジヒドラジド 日本ファインケム工業社製、商品名「N12」
(F)ポリアミド樹脂
ポリアミド6/66/610三元共重合体、東レ社製、商品名「アミランCM4000」、融点140℃、アミン価3.0mgKOH/g
なお、アミン価は、ポリアミド共重合体を3g秤量し、m−クレゾール80mlに溶解させた溶液について、京都電子工業社製「AT−500N」を用い、滴定液として0.05mol/lの過塩素酸メタノール溶液を用いて電位差適定法により滴定を行い、KOHのmgに換算することにより求めた。
ポリアミド6/66/610三元共重合体、東レ社製、商品名「アミランCM4000」、融点140℃、アミン価3.0mgKOH/g
なお、アミン価は、ポリアミド共重合体を3g秤量し、m−クレゾール80mlに溶解させた溶液について、京都電子工業社製「AT−500N」を用い、滴定液として0.05mol/lの過塩素酸メタノール溶液を用いて電位差適定法により滴定を行い、KOHのmgに換算することにより求めた。
(G)立体障害性フェノール化合物
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「商品名:イルガノックス1098」
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「商品名:イルガノックス1098」
(実施例1〜8)
上記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、上記成分(B)〜(G)を下記表2に記載の量(全て質量部)秤取り、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合したのち、常法に従って2軸押出機(池貝鉄工社製PCM−30、スクリュー径30mm)を用いて、スクリュー回転数120rpm、シリンダー設定温度190℃の条件下に、溶融混練したのち、ストランドに押出し、ペレタイザーにてペレット化した。
引き続き、得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。次いで、下記の方法で試験片の成形を行い、後述の評価方法を行うことにより、表1に示す結果を得た。
上記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、上記成分(B)〜(G)を下記表2に記載の量(全て質量部)秤取り、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合したのち、常法に従って2軸押出機(池貝鉄工社製PCM−30、スクリュー径30mm)を用いて、スクリュー回転数120rpm、シリンダー設定温度190℃の条件下に、溶融混練したのち、ストランドに押出し、ペレタイザーにてペレット化した。
引き続き、得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。次いで、下記の方法で試験片の成形を行い、後述の評価方法を行うことにより、表1に示す結果を得た。
[平板試験片の作成]
日精樹脂工業社製射出成形機PS−40を用い、シリンダー温度215℃、金型温度80℃にて100mm×40mm×2mmのプレートを成形した。
日精樹脂工業社製射出成形機PS−40を用い、シリンダー温度215℃、金型温度80℃にて100mm×40mm×2mmのプレートを成形した。
[測定及び評価方法]
測定及び評価は、以下の方法で行った。
(a)ホルムアルデヒド発生量:
上記平板試験片の成形翌日に、この試験片につき、ドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して、下記の方法によりホルムアルデヒド量を測定した。
(i)ポリエチレン容器中に蒸留水50mlを入れ、試験片を空中に吊るした状態で蓋を閉め、密閉状態で60℃にて、3時間加熱した。
(ii)室温で60分間放置後、試験片を取り出した。
(iii)ポリエチレン容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド量を、UVスペクトロメーターにより、アセチルアセトン比色法で測定した。
ポリアセタール樹脂(A)に熱安定剤(G)のみを配合したもの(比較例1)で得られたホルムアルデヒド量を1.00の基準値として、相対評価を行った。
測定及び評価は、以下の方法で行った。
(a)ホルムアルデヒド発生量:
上記平板試験片の成形翌日に、この試験片につき、ドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して、下記の方法によりホルムアルデヒド量を測定した。
(i)ポリエチレン容器中に蒸留水50mlを入れ、試験片を空中に吊るした状態で蓋を閉め、密閉状態で60℃にて、3時間加熱した。
(ii)室温で60分間放置後、試験片を取り出した。
(iii)ポリエチレン容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド量を、UVスペクトロメーターにより、アセチルアセトン比色法で測定した。
ポリアセタール樹脂(A)に熱安定剤(G)のみを配合したもの(比較例1)で得られたホルムアルデヒド量を1.00の基準値として、相対評価を行った。
(b)メタリック感の評価:
前記平板試験片を、目視で確認し、以下の3段階で判定を行った。
3:色目は金属に近く、輝度も十分ある 。
2:色目は金属に近いが、輝度が無い。
1:メタリック感無し 。
前記平板試験片を、目視で確認し、以下の3段階で判定を行った。
3:色目は金属に近く、輝度も十分ある 。
2:色目は金属に近いが、輝度が無い。
1:メタリック感無し 。
(c)耐候性試験
前記平板試験片を使用して、スガ試験機社製サンシャインウェザーメーターS80にて、83℃(ブラックパネル温度)、雨なし、光フィルター:#255の試験環境で、60時間ごとに、試験片の表面を40倍のマイクロスコープで観察し、クラックの有無を確認した。成形品表面にクラックが観察され始めるまでの時間をクラック発生時間とし、耐候性の指標とした。クラック発生時間が長いほど耐候性に優れていることを示す。
また、その試験片について、試験前と、720時間後の試験片の色差(ΔE)を下記の方法にて測定した。
分光測色色差計(日本電色工業社製、SE2000)を使用し、耐候性試験前と、720時間耐光性試験後の色差(ΔE)を次式で評価した。
ΔE=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
ΔEが小さいほど変色性が小さく、耐候性に優れているといえる。
前記平板試験片を使用して、スガ試験機社製サンシャインウェザーメーターS80にて、83℃(ブラックパネル温度)、雨なし、光フィルター:#255の試験環境で、60時間ごとに、試験片の表面を40倍のマイクロスコープで観察し、クラックの有無を確認した。成形品表面にクラックが観察され始めるまでの時間をクラック発生時間とし、耐候性の指標とした。クラック発生時間が長いほど耐候性に優れていることを示す。
また、その試験片について、試験前と、720時間後の試験片の色差(ΔE)を下記の方法にて測定した。
分光測色色差計(日本電色工業社製、SE2000)を使用し、耐候性試験前と、720時間耐光性試験後の色差(ΔE)を次式で評価した。
ΔE=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
ΔEが小さいほど変色性が小さく、耐候性に優れているといえる。
(比較例1〜5)
実施例1において、使用成分およびその配合量(全て質量部)を表3に示すとおりにした以外は、全て実施例1と同様に処理して、表3に示す結果を得た。
実施例1において、使用成分およびその配合量(全て質量部)を表3に示すとおりにした以外は、全て実施例1と同様に処理して、表3に示す結果を得た。
このようにして得られた本発明のポリアセタール樹脂組成物は、優れたメタリック感を有し、かつ耐候性に優れ、ホルムアルデヒド発生が抑制されているので、ポリアセタール樹脂材料として、各種の成形部品、自動車内装部品、電気・電子外装部品、家屋等の内装部品、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)、日用品、化粧用部品等に好適に使用することができ、産業上の利用性は非常に高いものがある。
Claims (6)
- (A)ポリアセタール100質量部に対し、(B)平均粒径が3〜200μm、平均厚みが0.1〜40μmである扁平状アルミニウム粒子0.1〜10質量部、(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.01〜5質量部、(D)紫外線吸収剤0.1〜5質量部および(E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤0.01〜5質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
- 前記扁平状アルミニウム粒子の平均厚み/平均粒径の比が、0.005〜0.5であることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (E)ホルムアルデヒド反応性窒素を有する安定剤が、ヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- さらに、(F)ポリアミド樹脂(F−1)またはアミノ当量が100〜10,000のアミノ基含有シロキサン化合物(F−2)を、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01〜3質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記扁平状アルミニウム粒子が、表面にシロキサン部分を有する扁平状アルミニウム粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形品。
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CN115215976A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-10-21 | 江苏可奥熙光学材料科技有限公司 | 一种耐候耐老化镜片及其制备方法 |
-
2010
- 2010-10-26 JP JP2010239228A patent/JP2012092185A/ja active Pending
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