JP7048311B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
結晶性樹脂は、分子鎖が規則正しく配列した結晶が存在し、機械的強度及び剛性が高く、耐薬品性に優れる等、多くの有用な特徴を有している。この結晶性樹脂は、その加工が容易であることから、従来より、精密機器、家電、OA機器、自動車、工業材料及び雑貨等における機構部品や摺動部品を中心に、広範囲に用いられている。
また、各種樹脂に対しては、メタリック調と呼ばれる特徴的な金属光沢感を付与する目的で、鱗片状アルミニウム粉(以下「アルミフレーク」とも称す)に代表されるような金属粒子からなるメタリック着色顔料を配合することが行われている。かかるメタリック着色顔料を配合した樹脂組成物は、自動車の内外装部品やパソコン筐体等に用いられている。
このような樹脂組成物としては、例えば、以下に示す特許文献に記載の樹脂組成物が知られており、例えば、光沢顔料を含む樹脂を成形することで、金属光沢性を発現させ意匠性を付与する試みがなされている。具体的には、特許文献1、特許文献2には、特定のメタリック顔料を配合した合成樹脂組成物からなる成形体が開示されている。また、特許文献3では、耐候剤と、特定の粒子径と粒度分布と粒子厚みとを有するアルミニウム粒子と、特定の脂肪酸とを含むポリアセタール樹脂組成物が提案され、当該組成物が、生産の安定性、機械物性、成形外観、ウエルド性能、明度に優れることが開示されている。また、特許文献4では、ポリアセタール樹脂と、メタリック顔料と、特定の液状添加剤とを含むポリアセタール樹脂組成物が提案されており、当該組成物が、押出特性、成形時の滞留安定性及び外観特性に優れ、有機溶剤の含有量が低減されるとともに、メタリック外観が付与されていることが開示されている。また、特許文献5には、ポリアセタール樹脂と、金属顔料と、紫外線安定剤とを含んでなり、当該金属顔料及び紫外線安定剤が、得られる成形品の外面の光沢度が一定以上となる程度に十分な量で分散して存在してなる重合体組成物が開示されている。
特開昭62-020574号公報 特開昭61-159453号公報 特開2010-065210号公報 特開2009-155418号公報 国際公開第2013/49541号
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の方法をポリアセタール樹脂に用いる場合には、溶融混合時の発熱や金属表面の活性点の影響があり、ホルムアルデヒド発生量の抑制や、製品の光沢等の外観の改善に関しては、十分な効果が得られていない。
また、特許文献3に開示の技術では、ホルムアルデヒド発生量への影響や、製品の光沢等の外観への影響等についての検討はなされていない。
また、特許文献4では、成形体の熱安定性とホルムアルデヒドの抑制とを目的とした技術が提案されているが、メタリック顔料としては、アルミニウム粉末をポリエチレンに分散させたものが示されているのみであり、得られた成形体の光沢度、輝度など外観への影響についての検討はなされておらず、また、これらについて十分な効果が得られていない。
そして、特許文献5では、他の添加物による光沢度等への影響については、何ら言及されていない。また、特許文献5に開示の技術では、アルミニウム顔料を多く用いると、成形時にアルミニウム顔料が脱落したり、成形金型へのアルミニウム顔料の付着(モールドデポジット)が起きたりする虞があり、場合によっては、重合体組成物からなるペレットを触っただけでアルミニウム顔料が手につく、といった潜在的な問題がある。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みて考案されたものであり、ホルムアルデヒドの発生が少なく、且つ優れた金属調外観を有する成形品を製造可能であり、更に成形時のモールドデポジットを抑制できる、樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ポリアセタール樹脂に、特定の大きさを有する所定量の金属粒子と、パール系顔料とを添加することにより、ホルムアルデヒド発生が少なく、且つ優れた金属調外観を有し、更に成形時に金型が金属粒子で汚染されることのない樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)金属粒子0.01~15質量部と、
(C)パール系顔料と
を含有し、前記(B)金属粒子は、体積平均粒子径(D50)が3~100μmである、樹脂組成物。
〔2〕
前記(C)パール系顔料を、前記(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01~10質量部含有する、項目〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記(C)パール系顔料は、体積平均粒子径(D50)が1~300μmである、項目〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
前記(C)パール系顔料が、合成鉱物を40質量%以上含む、項目〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔5〕
前記(C)パール系顔料が、二酸化チタン又は酸化鉄で被覆された雲母である、項目〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔6〕
更に(D)分散助剤を含有する、項目〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、ホルムアルデヒドの発生が少なく、且つ優れた金属調外観を有する成形品を製造可能であり、更に成形時のモールドデポジットを抑制できる、樹脂組成物を提供することができる。
実施例におけるFI値の評価方法を説明する概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と表記する)について詳細に説明する。本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々に変形して実施することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)金属粒子0.01~15質量部と、(C)パール系顔料とを含有し、上記(B)金属粒子は、体積平均粒子径(D50)が3~100μmである、ことを特徴とする。また、本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じ、(D)分散助剤、(E)ホルムアルデヒド抑制剤、その他の添加剤を適宜含有することができる。
((A)ポリアセタール樹脂)
(A)ポリアセタール樹脂としては、特に限定されず、従来公知のポリアセタールを使用することができる。(A)ポリアセタール樹脂は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
(A)ポリアセタール樹脂としては、ホルムアルデヒド、トリオキサン若しくはテトラオキサン等の環状オリゴマーの単独重合によって得られる実質的にオキシメチレン単位-(CH2O)-からなるポリオキシメチレンホモポリマー、又はホルムアルデヒド及び/若しくはトリオキサンと、環状エーテル及び/若しくは環状ホルマール、或いは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が1質量ppm以上500質量ppm以下添加された環状ホルマールとの共重合によって得られる、オキシメチレン単位-(CH2O)-からなる連鎖中に下記一般式(1)で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに挿入された構造を有するポリオキシメチレンコポリマー等が挙げられる。
Figure 0007048311000001
(式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異なっていてもよく、nは2~6の整数である)
本実施形態に用いられるポリオキシメチレンコポリマーには、分子鎖が分岐化された分岐ポリオキシメチレンコポリマー、及び、オキシメチレンの繰り返し単位が50質量%以上である異種成分ブロックを有するポリオキシメチレンブロックコポリマーも含まれる。
また、ポリオキシメチレンコポリマー中の上記オキシアルキレン単位の挿入率は、オキシメチレン単位100モルに対し、0.01モル以上50モル以下が好ましく、より好ましくは0.03モル以上20モル以下の範囲である。該オキシアルキレン単位としては、例えば、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン単位、オキシフェニルエチレン単位等が挙げられる。これらのオキシアルキレン単位の中でも、樹脂組成物の物性を向上させる点から、オキシプロピレン単位-〔(CH23O〕-、及びオキシテトラメチレン単位-〔(CH24O〕-が好ましい。
上記単独重合、あるいは共重合によって得られるポリアセタール樹脂は、末端の安定化処理を行なうことが望ましい。末端の安定化処理方法としては、例えば、末端のヒドロキシル基をエステル化、エーテル化、ウレタン化等する方法、又は末端の不安定部分を加水分解によって安定化する方法等が用いられる。
末端の安定化処理をしたポリアセタール樹脂は、例えば、ホルムアルデヒド及び/又はトリオキサンと、環状エーテル及び/又は環状ホルマールとの共重合によって得られるポリオキシメチレンコポリマーを、重合直後に分子末端の安定化処理する工程、その後に溶融状態で水若しくはアルコール又はそれらの混合物を注入、混練する工程、並びに注入された上記水等の水酸基含有化合物の蒸気及び遊離のホルムアルデヒドを解放する脱揮工程、を施すことのできる異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機に連続的に供給して処理すること等により得られる。また、上記の水若しくはアルコール、又はそれらの混合物を注入、混練する際に、pH調製剤としてトリエチルアミン等の塩基性物質を添加することが好ましい。
ポリアセタール樹脂のMFR(メルトフローレート;ASTM D57Eに準拠、温度条件:190℃)は、2.5~40g/10分であることが好ましく、3~30g/10分がより好ましい。ポリアセタール樹脂のMFRを上記範囲に調整することで、樹脂組成物の機械物性、滞留成形における熱安定性及びホルムアルデヒドの発生量のバランスが良好となる。
((B)金属粒子)
本実施形態の樹脂組成物は、(B)金属粒子を含有する。また、(B)金属粒子は、コイン状又はフレーク状等の扁平な形状を有することで、より良好な金属光沢を発揮することが可能となる。(B)金属粒子の材質としては、特に制限されず、例えば、アルミニウム、真鍮、ステンレススチール、銅、亜鉛、ニッケル、鉄、銀等が挙げられる。(B)金属粒子は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。特に、(B)金属粒子としては、上述した中でも、入手の容易性、及び加工自由度の高さの観点から、アルミニウム、真鍮、及び銅が好ましく、更に反射率の高さの観点から、アルミニウムがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における(B)金属粒子の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.1~15質量部である。また、本実施形態の樹脂組成物における(B)金属粒子の含有量は、組成物及びそれを用いた成形品の重量を抑制する観点から、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、好ましくは1~10質量部であり、より好ましくは1.5~7質量部であり、更に好ましくは2~6質量部である。(B)金属粒子の含有量を上記範囲に調整することで、本実施形態の樹脂組成物から製造される成形体において、(A)ポリアセタール樹脂が本来有する機械的特性である剛性及び耐衝撃性がより良好に保持され、ホルムアルデヒドの発生を効果的に抑制するとともに、より良好な金属光沢を発現することが可能となる。
また、本実施形態の樹脂組成物における(B)金属粒子の含有量は、金属調外観をより向上させる観点から、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、好ましくは4~10質量部であり、より好ましくは5~10質量部である。一般的に、このように(B)金属粒子を多く含む場合には、金型に金属粒子が付着することによるモールドデポジットが多く発生する傾向がある。しかしながら、本実施形態では、この(B)金属粒子を後述する(C)パール系顔料と併用することにより、モールドデポジットを抑制することができる。
(B)金属粒子は、体積平均粒子径(D50)が3~100μmである。また、(B)金属粒子の体積平均粒子径(D50)は、反射率を高める観点から、好ましくは3~60μm、より好ましくは3~40μm、更に好ましくは5~30μmである。
なお、体積平均粒子径(D50)は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(B)金属粒子は、輝度の観点から、平均粒子厚みが0.01~1.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.02~0.6μm、更に好ましくは0.03~0.4μmである。なお、(B)金属粒子の平均粒子厚み(t)は、以下の方法により算出することができる。
1)水面拡散面積(WCA)より平均粒子厚みを算出する方法
まず、(B)金属粒子の構成成分(例えば、アルミニウム)に対して5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液で予備処理を行った後、JIS K5906-1991に従って、金属粒子の構成成分の水面拡散面積(WCA)を測定する。次いで、測定により得られた(B)金属粒子の構成成分1gあたりの水面拡散面積(WCA)(m2/g)を用いて、下式により算出することができる。
t=0.4/WCA((B)金属粒子の構成成分がアルミニウムである場合)
上記した平均粒子厚みの算出方法は、例えば、Aluminium Paint and Powder, J. D. Edwards & R.I.Wray著、第3版、Reinhold Publishing Corp. New York(1955)の第16~22頁に記載されている。また、上記式中の「0.4」は、アルミニウムの密度2.7g/cm3の逆数(1/2.7=約0.4)である。
なお、JISに記載されている水面拡散面積の測定方法は、リーフィングタイプの場合のものであるのに対し、アルミニウム(アルミニウム顔料)はノンリーフィングタイプである。しかし、アルミニウムの水面拡散面積(WCA)の測定方法は、測定用の試料を、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液で予備処理を行う以外は、全てJIS K5906-1991に記載のリーフィングタイプの場合と同様に行うことができる。試料の予備処理については、塗料原料時報、第156号、第2~16頁(1980.9.1旭化成工業(株)発行)に記載されている。
2)走査型電子顕微鏡(SEM)観察結果より平均粒子厚みを算出する方法
上記1)の方法で算出することができない場合(例えば、WCAの測定ができない場合)、(B)金属粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した複数の結果、例えば100か所で観察した(B)金属粒子の厚みから平均値を算出すること等の方法によっても求めることができる。
上記範囲の体積平均粒子径及び平均粒子厚みを有する(B)金属粒子を用いることにより、押出加工時等に当該金属粒子が壊れることを抑制するとともに、本実施形態の樹脂組成物から製造される成形体の外観特性を高め、より良好な金属光沢を発現することが可能となる。
(B)金属粒子は、公知の方法により作製することができる。例えば、(B)金属粒子は、アトマイズ粉、切削粉、箔粉、蒸着粉、又は、その他の方法により得られた金属粉末を、予め一次分級等により選別した後、粉砕助剤及び溶剤等を含む粉砕媒体の共存下で、ボールミル、アトライター、遊星ミル、振動ミル等により湿式粉砕処理し、湿式状態下で篩分級した後、フィルタープレス等により固液分離することで、得られる。これにより、フレーク端部に存在する凹凸状の破断面が少ない(B)金属粒子を製造することができる。
(B)金属粒子の形状は、上述の通り、コイン状又はフレーク状等の扁平な形状であることが好ましい。ここでいう扁平な形状とは、平均形状比[平均粒子厚み(t)/体積平均粒子径(D50)]の値が0.2以下のものを指し、また、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.05以下のものである。平均形状比をこの範囲にすることにより、少ない金属粒子の添加で金属特有の高反射率を有する部分の表面積が高くすることができる。そのため、平均形状比をこの範囲にすることにより、少量の(B)金属粒子の添加量で効率よく成形体の輝度を高めることができる。
((C)パール系顔料)
本実施形態の樹脂組成物は、(C)パール系顔料を含有する。ここで、(C)パール系顔料は、色相の調整に寄与し、且つ真珠光沢を有する顔料を意味する。(C)パール系顔料としては、例えば、表面部分に金属酸化物を含む粒子が挙げられる。このようなパール系顔料としては、例えば、雲母等の鱗片状粒子の表面が金属酸化物で被覆された顔料が挙げられる。(C)パール系顔料に含まれ得る金属酸化物としては、本実施形態の樹脂組成物の金属調に影響を与えるものなければ、特に制限されないが、例えば、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、セリウムなどの金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。(C)パール系顔料の具体例としては、二酸化チタンで被覆された雲母、酸化鉄で被覆された雲母、二酸化チタンと酸化鉄とで被覆された雲母、酸化チタンで被覆されたガラスフレーク、酸化チタンで被覆されたタルク等が挙げられる。これらの中でも、(C)パール系原料は、二酸化チタン又は酸化鉄で被覆された雲母であることが好ましい。
なお、(C)パール系顔料は、(B)金属粒子には含まれないものとする。
本実施形態の樹脂組成物における(C)パール系顔料の含有量は、特に制限されないが、効率的に金型への金属粒子汚染を防ぐ観点から、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましい。同様の観点から、本実施形態の樹脂組成物における(C)パール系顔料の含有量は、好ましくは0.05~7質量部であり、より好ましくは0.08~5質量部であり、更に好ましくは0.1~6質量部である。
(C)パール系顔料は、体積平均粒子径(D50)が1~300μmであることが好ましい。また、(C)パール系顔料の体積平均粒子径(D50)は、反射率及びFI値を高める観点から、より好ましくは2~200μm、更に好ましくは3~150μmである。
(C)パール系顔料は、ホルムアルデヒド発生を抑制する観点や、輝度を向上させる観点から、Fe濃度が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。Fe濃度を所望の濃度に調整するためにも、(C)パール系顔料としては、原料が溶融合成によって合成されたものを用いることが好ましい。
(C)パール系顔料の形状は、扁平状又は鱗片状であることが好ましく、鱗片状であることがより好ましい。これにより、効率的に樹脂内からのホルムアルデヒドの揮散を抑制することができる。また、(C)パール顔料の厚みは0.01~10μmであることが好ましく、より好ましくは0.02~8μm、更に好ましくは0.05~5μmである。
(C)パール系顔料は、合成鉱物、特には、原料鉱物を溶融合成して得られる合成鉱物であることが好ましい。好ましいパール系顔料の原料としては、雲母、タルク、ガラスフレークが挙げられる。一般的に、溶融合成は、1000℃以上にし、原料鉱物を溶融した後に、冷却して再結晶することで得られる。例えばマイカの場合、天然物とは異なり、遷移金属が含まれていないため、合成鉱物として無色透明の純粋結晶が得られる。
なお、溶融合成して得られる合成鉱物においては、粒度を自由に調整することができる。具体的には、例えば、溶融後の冷却速度の制御により調整することもできるし、一旦大きいものを合成したのちに粉砕することで粒度を制御することも可能である。また、例えば合成マイカの場合には、重金属の混入量を1ppm以下にすることができ、また、着色のもととなるFeの濃度を100ppm以下にすることが可能であり、着色した(C)パール顔料を作製するために種々の金属を添加した場合であっても、添加量に対し安定に発色することができる。
(C)パール系顔料における合成鉱物の割合は、粒度の自由な調整及び重金属の混入量の低減の観点から、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
理論に縛られるつもりはないが、(C)パール系顔料を適量入れることで、成形中の金型内において、伝熱が良い、若しくは(C)パール顔料と(B)金属粒子とが混合した組成物が金型内で冷却される際に反ることがなく、金型と組成物と間に目に見えない微小な隙間が発生しない。そのため、十分に冷えていない樹脂組成物からの金属粒子の脱落が少なくなるため、金型表面への金属粒子の付着が少なくなる。
((D)分散助剤)
本実施形態の樹脂組成物は、更に(D)分散助剤を含有することが好ましい。分散助剤には、(B)金属粒子及び(C)パール系顔料を(A)ポリアセタール樹脂内に分散させるための助剤、並びに、(A)ポリアセタール樹脂の熱安定性を上げるための加工用分散助剤が含まれる。樹脂組成物が(D)分散助剤を含有することで、より高い光沢度及び後述するFI値を得ることが可能となる。(D)分散助剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
(D)分散助剤としては、例えば、炭化水素系、高級脂肪酸系、高級アルコール系、脂肪族アマイド系、金属石鹸系、アルキレングリコール(例えば、C3-6アルキレングリコール)の単独重合体又は共重合体、ポリアルキレングリコールのエステル化誘導体、その他ポリアルキレングリコール変性体等が挙げられる。
上記単独重合体としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリペンタメチレンエーテルグリコール、ポリネオペンチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
上記炭化水素系としては、流動パラフィン、ミネラルスピリット等が挙げられる。
上記共重合体としては、ポリエチレンポリテトラメチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリテトラメチレンエーテル共重合体、ポリエチレンポリペンタメチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリペンタメチレンエーテル共重合体、ポリエチレンポリネオペンチレンエーテル共重合体、ポリプロピレンポリネオペンチレンエーテル共重合体、THF-ネオペンチルグリコール共重合体等が挙げられる。
上記ポリアルキレングリコールのエステル化誘導体としては、ポリテトラメチレングリコールモノステアレート、ポリテトラメチレングリコールジステアレート、ポリペンタメチレングリコールモノステアレート、ポリペンタメチレングリコールジステアレート、ポリネオペンチレンエーテルグリコールモノステアレート、ポリネオペンチレンエーテルグリコールジステアレート等が挙げられる。
これらの中でも、(D)分散助剤としては、入手のしやすさの観点から、炭化水素系、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及びTHF-ネオペンチルグリコール共重合体が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における(D)分散助剤の含有量は、押出及び射出成形に支障のない範囲であれば特に限定されないが、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01~2.0質量部であることが好ましく、0.01~1.5質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.02~1.0質量部、一層好ましくは0.05~0.8質量部である。(D)分散助剤の含有量が上記の範囲である場合、より高い光沢度を有する成形体が得られるとともに、押出機の運転状態及び射出成形時の樹脂計量等が安定となる(例えば、押出加工時のベントアップの発生を抑制する)ため好ましい。
((E)ホルムアルデヒド抑制剤)
本実施形態の樹脂組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、(E)ホルムアルデヒド抑制剤を含有することが好ましい。(E)ホルムアルデヒド抑制剤としては、例えば、アミノトリアジン系化合物、グアナミン系化合物、尿素系化合物、及びカルボン酸ヒドラジド系化合物等が挙げられる。ホルムアルデヒド抑制剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記アミノトリアジン系化合物としては、例えば、メラミン;メラム、メレム、メロン等のメラミン縮合体;メラミンホルムアルデヒド樹脂等のメラミン樹脂;N,N’,N’’-モノ、ビス、トリス、テトラキス、ペンタキス、又はヘキサキス(o-、m-又はp-ヒドロキシフェニルメチル)メラミン等のN-ヒドロキシアリールアルキルメラミン系化合物;等が挙げられる。
上記グアナミン系化合物としては、例えば、バレログアナミン、カプログアナミン、ヘプタノグアナミン、カプリログアナミン、ステアログアナミン等の脂肪族グアナミン系化合物;サクシノグアナミン、グルタログアナミン、アジポグアナミン、ピメログアナミン、スベログアナミン、アゼログアナミン、セバコグアナミン等のアルキレンビスグアナミン類;シクロヘキサンカルボグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、ノルボルナンカルボグアナミン及びそれらの官能基置換誘導体等の脂環族グアナミン系化合物;ベンゾグアナミン、α-、又はβ-ナフトグアナミン及びそれらの官能基置換誘導体等の芳香族グアナミン系化合物;フタログアナミン、イソフタログアナミン、テレフタログアナミン、ナフタレンジグアナミン、ビフェニレンジグアナミン等のポリグアナミン類;フェニルアセトグアナミン、β-フェニルプロピオグアナミン、o-、m-、又はp-キシリレンビスグアナミン等のアラルキル又はアラルキレングアナミン類;アセタール基含有グアナミン類、ジオキサン環含有グアナミン類、テトラオキソスピロ環含有グアナミン類、イソシアヌル環含有グアナミン類等のヘテロ原子含有グアナミン系化合物;等が挙げられる。
上記脂環族グアナミン系化合物における官能基置換誘導体としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がシクロアルカン残基に1~3個置換した誘導体等が挙げられる。
また、上記芳香族グアナミン系化合物における官能基置換誘導体としては、例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がベンゾグアナミンのフェニル残基又はナフトグアナミンのナフチル残基に1~5個置換した誘導体が挙げられ、このような芳香族グアナミン系化合物としては、例えば、o-、m-又はp-トルグアナミン、o-、m-又はp-キシログアナミン、o-、m-又はp-フェニルベンゾグアナミン、o-、m-又はp-ヒドロキシベンゾグアナミン、4-(4’-ヒドロキシフェニル)ベンゾグアナミン、o-、m-又はp-ニトリルベンゾグアナミン、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンゾグアナミン、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾグアナミン等が挙げられる。
上記アセタール基含有グアナミン類としては、例えば、2,4-ジアミノ-6-(3,3-ジメトキシプロピル-s-トリアジン等が挙げられる。
上記ジオキサン環含有グアナミン類としては、例えば、[2-(4’-6’-ジアミノ-s-トリアジン-2’-イル)エチル]-1,3-ジオキサン、[2-(4’-6’-ジアミノ-s-トリアジン-2’-イル)エチル]-4-エチル-4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン等が挙げられる。
上記テトラオキソスピロ環含有グアナミン類としては、例えば、CTU-グアナミン、CMTU-グアナミン等が挙げられる。
上記イソシアヌル環含有グアナミン類としては、例えば、1,3,5-トリス[2-(4’,6’-ジアミノ-s-トリアジン-2’-イル)エチル]イソシアヌレート、1,3,5-トリス[3-(4’,6’-ジアミノ-s-トリアジン-2’-イル)プロピル]イソシアヌレート等が挙げられる。
上記尿素系化合物としては、例えば、鎖状尿素系化合物及び環状尿素系化合物が挙げられる。
上記鎖状尿素系化合物としては、例えば、ビウレア、ビウレット、ホルム窒素等の尿素とホルムアルデヒドとの縮合体、及びポリノナメチレン尿素等のポリアルキレン又はアリーレン尿素等が挙げられる。
上記環状尿素系化合物としては、例えば、ヒダントイン類、クロチリデンジウレア、アセチレン尿素、モノ、ジ、トリ又はテトラメトキシメチルグリコールウリル等のモノ、ジ、トリ又はテトラアルコキシメチルグリコールウリル、シアヌル酸、イソシアヌル酸、尿酸、及びウラゾール等が挙げられる。上記ヒダントイン類としては、例えば、ヒダントイン、5-メチルヒダントイン、5-エチルヒダントイン、5-イソプロピルヒダントイン、5-フェニルヒダントイン、5-ベンジルヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、5,5-ペンタメチレンヒダントイン、5-メチル-5-フェニルヒダントイン、5,5-ジフェニルヒダントイン、5-(o-、m-又はp-ヒドロキシフェニル)ヒダントイン、5-(o-、m-又はp-アミノフェニル)ヒダントイン、アラントイン、5-メチルアラントイン、及びアラントインジヒドロキシアルミニウム塩等のアラントインのAl塩等の金属塩が挙げられる。
上記カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、例えば、脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物、脂環族カルボン酸ヒドラジド系化合物、及び芳香族カルボン酸ヒドラジド系化合物が挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、例えば、ラウリン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド、12-ヒドロキシステアリン酸ヒドラジド、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸ヒドラジド等のモノカルボン酸ヒドラジド類;コハク酸モノ又はジヒドラジド、グルタル酸モノ又はジヒドラジド、アジピン酸モノ又はジヒドラジド、ピメリン酸モノ又はジヒドラジド、スベリン酸モノ又はジヒドラジド、アゼライン酸モノ又はジヒドラジド、セバシン酸モノ又はジヒドラジド、ドデカン二酸モノ又はジヒドラジド、ヘキサデカン二酸モノ又はジヒドラジド、エイコサン二酸モノ又はジヒドラジド、7,11-オクタデカジエン-1,18-ジカルボヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類等が挙げられる。
上記脂環族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、例えば、シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド等のモノカルボン酸ヒドラジド類;ダイマー酸モノ又はジヒドラジド、トリマー酸モノ、ジ又はトリヒドラジド、1,2-、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸モノ、ジ又はトリヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類等が挙げられる。
上記芳香族カルボン酸ヒドラジド系化合物としては、例えば、安息香酸ヒドラジド及びその官能基置換誘導体、α-又はβ-ナフトエ酸ヒドラジド及びそれらの官能基置換誘導体等のモノカルボン酸ヒドラジド類;イソフタル酸モノ又はジヒドラジド、テレフタル酸モノ又はジヒドラジド、1,4-又は2,6-ナフタレンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、3,3’-、3,4’-又は4,4’-ジフェニルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルエーテルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルメタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルエタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェノキシエタンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルスルホンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、ジフェニルケトンジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、4,4’’-ターフェニルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、4,4’’’-クォーターフェニルジカルボン酸モノ又はジヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸モノ、ジ又はトリヒドラジド、ピロメリット酸モノ、ジ、トリ又はテトラヒドラジド、1,4,5,8-ナフトエ酸モノ、ジ、トリ又はテトラヒドラジド等のポリカルボン酸ヒドラジド類等が挙げられる。上記安息香酸ヒドラジド及びその官能基置換誘導体としては、例えば、o-、m-又はp-メチル安息香酸ヒドラジド、2,4-、3,4-、3,5-又は2,5-ジメチル安息香酸ヒドラジド、o-、m-又はp-ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、o-、m-又はp-アセトキシ安息香酸ヒドラジド、4-ヒドロキシ-3-フェニル安息香酸ヒドラジド、4-アセトキシ-3-フェニル安息香酸ヒドラジド、4-フェニル安息香酸ヒドラジド、4-(4’-フェニル)安息香酸ヒドラジド、4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル安息香酸ヒドラジド、4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル安息香酸ヒドラジド等の、アルキル基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、アミノ基、アセトアミノ基、ニトリル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基、クミル基、ヒドロキシフェニル基等の官能基がベンゾグアナミンのフェニル残基に1~5個置換した誘導体等が挙げられる。上記α-又はβ-ナフトエ酸ヒドラジド及びそれらの官能基置換誘導体としては、例えば、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド等が挙げられる。
なお、上述したホルムアルデヒド抑制剤は、層状物質、多孔性物質(ハイドロタルサイト、モンモリロナイト、シリカゲル、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セピオライト、スメクタイト、パリゴルスカイト、イモゴライト、ゼオライト、活性炭等)に担持された形での使用も可能である。
(E)ホルムアルデヒド抑制剤としては、上述した中でも、脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物及び芳香族カルボン酸ヒドラジド系化合物が好ましく、脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物がより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における(E)ホルムアルデヒド抑制剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01~2質量部、更に好ましくは0.02~1質量部である。(E)ホルムアルデヒド抑制剤の含有量が上記の範囲である場合、十分なホルムアルデヒド抑制効果が得られるとともに、モールドデポジットを抑制することが可能である。
(その他の添加剤)
本実施形態の樹脂組成物は、慣用的に用いられるその他の添加剤を含有することができる。添加剤としては、特に限定されないが、従来の(A)ポリアセタール樹脂に使用されている安定剤等が好ましい。
上記安定剤としては、酸化防止剤、耐候安定剤等が挙げられ、更に、ギ酸又はホルムアルデヒドの捕捉剤も挙げられる。また、本実施形態の樹脂組成物は、意匠性を高めるために、必要に応じて各種の着色剤を添加剤として含有することができる。
上記添加剤は、一種を単独で又は複数を組み合わせて用いることができる。
-酸化防止剤-
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、n-オクタデシル-3-(3’5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、n-オクタデシル-3-(3’-メチル-5’-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、n-テトラデシル-3-(3’5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、1,6-ヘキサンジオール-ビス-(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート)、1,4-ブタンジオ-ル-ビス-(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート)、トリエチレングリコール-ビス-(3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート)等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における酸化防止剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01~2質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02~1質量部である。酸化防止剤の含有量が0.01~2質量部であると、本実施形態の樹脂組成物の成形加工時の熱安定性の向上が図られ、良好なものとなる。
-耐候安定剤-
上記耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。また、ヒンダードアミン系安定剤としては、立体障害性基を有するピペリジン誘導体が挙げられ、例えば、エステル基含有ピペリジン誘導体、エーテル基含有ピペリジン誘導体、アミド基含有ピペリジン誘導体、及び高分子量のピペリジン誘導体重縮合物等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物におけるヒンダードアミン系安定剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01~5質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~2質量部、更に好ましくは0.1~1.5質量部である。
また、本実施形態の樹脂組成物は、上記耐候安定剤として紫外線吸収剤を更に含有することが好ましい。これにより、本実施形態の樹脂組成物から得られる成形体において、耐候性(光安定性)の向上効果が得られる。上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、及びヒドロキシフェニル-1,3,5-トリアジン系化合物が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物が紫外線吸収剤とヒンダードアミン系安定剤とを含有する場合、ヒンダードアミン系安定剤と紫外線吸収剤との質量割合は、紫外線吸収剤/ヒンダードアミン系安定剤(質量割合)が、10/90~80/20であることが好ましく、より好ましくは10/90~70/30、更に好ましくは20/80~60/40である。
-ギ酸又はホルムアルデヒドの捕捉剤-
本実施形態の樹脂組成物は、更に上記ギ酸又はホルムアルデヒドの捕捉剤を含有することが好ましい。上記ギ酸又はホルムアルデヒドの捕捉剤としては、例えば、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体、脂肪酸カルシウム塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシド等が挙げられる。
上記ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、アミノ置換トリアジン、アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物等が挙げられる。
上記ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物及び重合体、脂肪酸カルシウム塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドの含有量は、それぞれ、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01~1質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.02~0.5質量部である。各含有量が0.01~1質量部の場合、本実施形態の樹脂組成物の成形加工時の熱安定性の向上、成形体からのホルムアルデヒド発生量の低減化が図られ、耐熱エージング性がより良好なものとなる。
-着色剤-
着色剤としては、有機顔料、無機顔料が挙げられるが、特に限定されるものではなく、1種又は2種以上の着色剤の組合せであってもよい。
上記有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、縮合多環系顔料等が挙げられる。
上記無機顔料としては、例えば、亜鉛華、二酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒等の単純酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド等の硫化物、黄鉛、亜鉛黄、クロムバーミリオン等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、群青等の珪酸塩、カーボンブラック等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における上記着色剤の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.0001~2質量部であることが好ましく、より好ましくは0.0005~1質量部である。着色剤の含有量を上記の範囲とすることで、成形体の機械強度低下や、特に(A)ポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド発生を助長することなく意匠性の向上効果が得られる。
本実施形態の樹脂組成物は、所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来用いられる各種無機充填剤、他の熱可塑性樹脂、柔軟剤、結晶核剤、離型剤等を更に含有してもよい。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、一般的に使用されている溶融混練機を用いて、上記各原料のうち一部を溶融しつつ混合することにより得られる。溶融混練機としては、ニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等が挙げられる。
溶融混練の温度は、使用する(A)ポリアセタール樹脂の融点又は軟化点により適宜選択することができるが、(A)ポリアセタール樹脂の融点又は軟化点より、1~100℃高い温度が好ましく、10~60℃高い温度がより好ましく、20~50℃高い温度が更に好ましい。なお、(A)ポリアセタール樹脂の融点又は軟化点は、JIS K7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求めることができる。また、品質や作業環境の保持のために、系内を不活性ガスで置換したり、一段及び多段ベントで脱気したりすることが好ましい。
(樹脂組成物の特性)
本実施形態の樹脂組成物は、成形時、押出時の滞留安定性が良好で、外観不良が少なく、更に該樹脂組成物からの有機溶剤の揮発が少なく、且つ優れた金属調外観を有し、高い光沢度とFI値を達成し美観に優れた金属調外観を有する成形品が得られる。
本実施形態の樹脂組成物のホルムアルデヒドの発生量は、5mg/kg以下であることが好ましく、より好ましくは3mg/kg以下である。
なお、ホルムアルデヒドの発生量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、FI値が、9以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましく、更に好ましくは14以上である。なお、FI値は、金属調外観の指標の一つであり、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
ここで、観る角度の変化に伴って明度が変化する現象をフリップフロップ(F/F)現象と呼び、これを表す定量値をFI(フロップインデックス)値と呼ぶ。FI値は、デュポン(DuPont)により最初に提案された式を使用して、15度、45度及び110度における明度(L*15°、L*45°及びL*110°)の値から求めることができる(A.B.J.ロドリゲス(A.B.J.Rodriguez)、JOCCA、(1992(4))、p.150~153)。具体的に、FI値は、下記数式により求められ、FI値が高い、すなわち、ハイライト方向(光の入射角度に対して正反射方向)とシェード方向(非正反射方向)の明度(L*)の差が大きい程、一般的に金属感が高いと感じられる。
Figure 0007048311000002
本実施形態の樹脂組成物は、射出成形直後の光沢度が、45以上であることが好ましく、60以上であることがより好ましく、更に好ましくは70以上である。なお、光沢度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
ここで、光沢度は、金属調外観の指標の一つである。また、光沢度は、成形品表面の平滑性に依存しており、金属顔料等の光輝材を練り込んで成形を行うメタリック材料においては、一般的に光沢度が低くなる傾向を示す。光沢度が低くなると、成形体表面で反射光が散乱する影響により明度、FI値等が低下するため、金属調外観の品位が低下する傾向がある。
(樹脂組成物から得られる成形品の用途)
本実施形態の樹脂組成物から得られる成形品は、特に、機構部分や摺動部分を備えた内装・外装部品に用いることができる。例えば、OA機器、音楽・映像若しくは情報機器、又は通信機器に備えられる部品、オフィス家具若しくは住設機器に備えられる工業部品、及び、自動車内外装用部品からなる群より選ばれるいずれかの部品として用いられる。特に、優れた外観が求められるハンドル、スイッチ及びボタンからなる群より選ばれるいずれかの部品として好適に用いられる。更に、本実施形態の樹脂組成物から得られる成形品を外観部品として用いるために、成形時にシボ金型を使用したり、成形品にシボ加工を施すことにより意匠面を付与すると、外観の改良効果が発現されるため好ましい。
そして、本実施形態の樹脂組成物によれば、表面にメッキや塗装等の加工を施すことなしに金属光沢を有する成形品であって、熱安定性や耐候性に優れ、良好な機械的特性(例えば、引張特性、衝撃強度)が保持されており、且つ高い光沢度及びFI値を有し外観特性の良好な成形品が得られる。更に、本実施形態に係る樹脂組成物から得られる成形品は、上記のように良好な外観特性を有しているため、塗装を施さなくても実用上良好な外観上優れたものとなる。よって、溶剤を使用せずに効率よく意匠性に優れた外観が得られる。また、本実施形態の樹脂組成物は、生産安定性に優れており、良好な作業環境で製造可能であり、コスト面、環境面においても優れている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
(1)主要原材料の準備
<(A)ポリアセタール樹脂>
使用した(A)ポリアセタール樹脂は、以下の通りである。
(a-1)旭化成株式会社製、「テナックC 4513」
(a―2)旭化成株式会社製、「テナックC 4520」
(a-3)旭化成株式会社製、「テナックC 7520」
<(B)金属粒子>
内径30cm、長さ35cmのボールミル内にアトマイズドアルミニウム粉(体積平均粒子径:2.5μm)250g、ミネラルスピリット1.2kg、及びステアリン酸25gからなる配合物を充填し、直径3mmのガラスビーズ(比重:2.6)15kgを用い、60rpmで10時間摩砕した。
摩砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い流し出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターでろ過し、濃縮・減圧し、加熱残分95%の金属粒子としてのアルミニウム粒子(b-1)を得た。
また、アトマイズドアルミニウム粉の粒子径及び摩砕時間を変えたこと以外は上述と同様の操作を行い、体積平均粒子径及び平均粒子厚みの異なるアルミニウム粒子(b-2)~(b-5)をそれぞれ得た。
得られたアルミニウム粒子の粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、商品名「SALD-2300」)により測定し、測定した粒度分布の50%値により、アルミニウム粒子の体積平均粒子径(D50)を求めた。結果を表1に示す。なお、測定溶剤としては、ミネラルスピリットを使用し、試料となるアルミニウム粒子は、前処理として3分間の超音波分散を行った。
また、得られたアルミニウム粒子1gに、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液を1~2ml加えて予備分散(予備処理)を行った後、石油ベンジン50mlを加えて混合し、40~45℃で2時間加温後、フィルターで吸引ろ過し、パウダー化した粉末の水面拡散面積(WCA)を測定した。WCAの測定値から、下記の式に従って平均粒子厚み(t)を算出した。結果を表1に示す。
t(μm)=0.4/WCA(m2/g)
Figure 0007048311000003
<(C)パール系顔料>
使用した(C)パール系顔料は、以下の通りである。
(c-1)日本光研工業株式会社製、「ツインクルパールSXB」、(D50=15μm)、二酸化チタンで被覆された雲母、鱗片状、合成鉱物の含有量:約67質量%
(c-2)日本光研工業株式会社製、「ツインクルパールRYXD」、(D50=30μm)、二酸化チタンで被覆された雲母、鱗片状、合成鉱物の含有量:約58%
(c-3)日本光研工業株式会社製、「パールグレイズMXL-100R」、(D50=230μm)、鱗片状、天然マイカ(合成鉱物の含有量:0質量%)
(c-4)日本光研工業株式会社製、「ツインクルパールSX」、(D50=90μm)、二酸化チタンで被覆された雲母、鱗片状、合成鉱物の含有量:約87%
(c-5)日本光研工業株式会社製、「ツインクルパールVXE」、(D50=40μm)、二酸化チタンで被覆された雲母、鱗片状、合成鉱物の含有量:約63%
また、その他顔料として、以下を比較例に用いた。
(c-6)HUNTSMAN製、「Tioxide RTC-30」、酸化チタン、結晶サイズ:0.21μm、粒子状
<(D)分散助剤>
使用した(D)分散助剤は、以下の通りである。
(d-1)和光純薬製、ポリテトラメチレンオキシド(数平均分子量:2000)
(d-2)和光純薬製、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量:2000)
(d-3)和光純薬製、ポリエチレングリコール(数平均分子量:2000)
(d-4)和光純薬製、ポリエチレングリコール(数平均分子量:1000)
(d-5)和光純薬製、ポリエチレングリコール(数平均分子量:400)
(d-6)松村石油研究所製、「スモイルPS-260」
<(E)ホルムアルデヒド抑制剤>
使用した(E)ホルムアルデヒド抑制剤は、以下の通りである。
(e-1)日本ファインケム株式会社製、セバシン酸ジヒドラジド
(e-2)日本ファインケム株式会社製、アジピン酸ジヒドラジド
(e-3)日本ファインケム株式会社製、ドデカン二酸ジヒドラジド
(2)評価方法
<モールドデポジットの評価>
後述の通りに作製した樹脂組成物のペレットを、射出成形機(東芝機械株式会社製、商品名「IS-100GN」)を用いて、シリンダー温度180℃、金型温度30℃に設定し、射出時間60秒、冷却時間15秒の射出条件で厚さ2mm、幅80mm、長さ80mmのシボ付き平板の試験片をショートショット、すなわち金型内に樹脂組成物を完全に充填させない条件にて成形した。この試験片の質量は、金型内に樹脂組成物を完全に充填させて得られる試験片の95質量%となるように調整した。
本条件で試験片を100ショット成形した後の金型内のモールドデポジットを、目視及び拭き上げウェスにて観察し、下記基準により評価した。なお、モールドデポジットの評価が×であった例においては、次の評価には進まなかった。
◎:モールドデポジットが目視にて認められず、且つ、拭き上げウェスへの付着がほとんど認められない。
○:モールドデポジットが目視にて僅かに認められ、且つ、拭き上げウェスへの付着がほとんど認められない。
△:モールドデポジットが目視にて認められず、且つ、拭き上げウェスへの付着が僅かに認められる。
×:モールドデポジットが明らかに認められ、又は、拭き上げウェスへの付着が明らかに認められる。
<FI値>
後述の通りに作製した樹脂組成物のペレットを、射出成形機(東芝機械株式会社製、商品名「IS-100GN」)を用いて、シリンダー温度220℃、金型温度77℃に設定し、射出時間15秒、冷却時間20秒の射出条件で成形して試験片を作製した。この試験片は、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの金型を用いて作製した。
上記試験片に対して、ビッグガードナー社製のBYK-macを用いて外観の確認を行った。
FI値の測定方法について図1を用いて説明する。図1はFI値の評価方法を示す図である。FI値は、まず図1に示すように、成形品の表面に、ある一定の方向から光を照射し、正反射光に対して受光角を15°、45°、110°ずらした際のL*値(L*15°、L*45°及びL*110°)(明度)を測定する。次に、測定したそれぞれのL*値を上記数式に代入することによりFI値を求めた。一般に、FI値が高い程、金属的質感が高いことを示す。
<光沢度>
光沢度は、FI値の測定で用いた上記試験片を用い、光沢計(堀場製作所製、「IG-320」)を用い、JIS Z8741に準拠し、成形体の表面60°の角度で測定した。一般に、光沢度が高い程、成形体表面が平滑であり、金型表面への追従度が高いと想定される。
<ホルムアルデヒド発生量>
後述の通りに作製した樹脂組成物のペレットを、射出成形機(東芝機械株式会社製、商品名「IS-100GN」)を用いて、シリンダー温度180℃、金型温度90℃に設定し、射出時間15秒、冷却時間10秒の射出条件で成形して試験片を作製した。次いで、この試験片を、室温23℃、湿度50%の恒温槽に48時間放置した。
次に、下記方法(VDA275法)により、試験片から放出されるホルムアルデヒド量を求めた。まず、500mLのポリエチレン容器に蒸留水50mLと試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mm)とを入れて密閉し、60℃で2時間加熱した。その後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させた。その反応物について、UV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、ホルムアルデヒド発生量(mg/kg)を求めた。
(3)樹脂組成物のペレットの作製
表2に示される配合処方で、(A)~(E)から選択される原材料をポリエチレン袋に入れ、10分程度連続で手動にて激しく混合し、それを3度繰り返して混合物を得た。得られた混合物を、30mmベント付き2軸押出機を用いて、設定温度200℃、回転数80rpm、吐出量12kg/時間の条件で、ベントから脱気しながら溶融混練(溶融混合)して、80℃で3時間乾燥して、樹脂組成物のペレットを作製した。
この樹脂組成物のペレットを用い、上述した各種の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007048311000004
表2より、本発明に従う実施例1~15では、明確なモールドデポジットは認められず、また、ホルムアルデヒド発生量が少ない上、光沢度及びFI値においても優れた結果が得られた。また、これら実施例から、体積平均粒子径(D50)がより小さい(例えば、200μm以下である)(C)パール系顔料を用いることにより、FI値をより高められることが分かる。更に、これら実施例から、体積平均粒子径(D50)がより小さい(例えば、40μm以下である)(B)金属粒子を用いることにより、FI値をより高められることが分かる。
なお、実施例12においては、特性面では問題ないものの、押出加工時に若干のベントアップが見られた。
これに対し、比較例1では、明らかなモールドデポジットが確認された。これは、(C)パール系顔料を用いなかったこと等によるものと考えられる。
また、比較例2においては、明らかなモールドデポジットが確認された上、樹脂組成物のペレットを触ると手にアルミニウム粒子が移った。これは、(B)金属粒子の含有量が過剰だったこと等によるものと考えられる。
また、比較例3においては、ホルムアルデヒド発生を抑制することができず、更に、FI値が低めとなった。これは、(C)パール系顔料ではない顔料を用いたこと等によるものと考えられる。
表2の評価結果から明らかなように、実施例1~15によれば、特定の形状を有する金属粒子と、パール系顔料とを添加することにより、ホルムアルデヒド発生が少なく、且つ優れた金属調外観を有する成形品を製造可能であり、更に成形時のモールドデポジットを抑制できる、樹脂組成物が得られた。
本発明の樹脂組成物は、例えば、意匠性部品用部材の材料として産業上の利用可能性がある。

Claims (5)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
    (B)金属粒子0.01~15質量部と、
    (C)パール系顔料0.01~10質量部
    を含有し(但し、(C)パール系顔料は、(B)金属粒子には含まれないものとする)、前記(B)金属粒子は、体積平均粒子径(D50)が3~100μmである、樹脂組成物。
  2. 前記(C)パール系顔料は、体積平均粒子径(D50)が1~300μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(C)パール系顔料が、合成鉱物を40質量%以上含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(C)パール系顔料が、二酸化チタン又は酸化鉄で被覆された雲母である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 更に(D)分散助剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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