JPH07196890A - ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH07196890A JPH07196890A JP5338128A JP33812893A JPH07196890A JP H07196890 A JPH07196890 A JP H07196890A JP 5338128 A JP5338128 A JP 5338128A JP 33812893 A JP33812893 A JP 33812893A JP H07196890 A JPH07196890 A JP H07196890A
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- Japan
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- polyacetal resin
- weight
- resin composition
- ppm
- formaldehyde
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Abstract
(57)【要約】
【構成】ポリアセタール樹脂と100重量ppm以下の
ホルムアルデヒドと、500重量ppm以下の水分と、
100ppm以下の蟻酸と、50ppm以下のメタノー
ルからなるポリアセタール樹脂組成物。 【効果】本発明の課題は、公知の方法で安定化処理を施
したポリアセタール樹脂組成物において、成形時あるい
は製品となった後、分解反応に寄与する不純物であるホ
ルムアルデヒド、水分、蟻酸およびメタノールの含有量
を所定量以下にまで揮発成分を除去することにより、熱
安定性および成形特性の優れたポリアセタール樹脂組成
物を提供するものである。
ホルムアルデヒドと、500重量ppm以下の水分と、
100ppm以下の蟻酸と、50ppm以下のメタノー
ルからなるポリアセタール樹脂組成物。 【効果】本発明の課題は、公知の方法で安定化処理を施
したポリアセタール樹脂組成物において、成形時あるい
は製品となった後、分解反応に寄与する不純物であるホ
ルムアルデヒド、水分、蟻酸およびメタノールの含有量
を所定量以下にまで揮発成分を除去することにより、熱
安定性および成形特性の優れたポリアセタール樹脂組成
物を提供するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、揮発成分を除去するこ
とにより、成形品の表面外観および熱安定性に優れ、か
つ成形時のホルムアルデヒド臭がきわめて少なく、低モ
ールドデポジット性に優れたポリアセタール樹脂組成物
に関するものである。
とにより、成形品の表面外観および熱安定性に優れ、か
つ成形時のホルムアルデヒド臭がきわめて少なく、低モ
ールドデポジット性に優れたポリアセタール樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は機械的強度と耐衝
撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチック
であり、自動車部品、電機・電子機器部品など広範な分
野において使用されている。
撃性のバランスのとれたエンジニアリングプラスチック
であり、自動車部品、電機・電子機器部品など広範な分
野において使用されている。
【0003】通常ポリアセタール樹脂は、重合反応の
後、不安定末端を除去するための安定化処理を施し、ペ
レット化する。この際、ペレット中には不純物である揮
発成分が残存し、この残存不純物が成形時の臭気、成形
片の表面外観の悪化、ポリマーの分解反応等を引き起こ
す原因ともなる。そのため、ペレット中に残存する不純
物を除去するためにいくつかの提案がなされている。
後、不安定末端を除去するための安定化処理を施し、ペ
レット化する。この際、ペレット中には不純物である揮
発成分が残存し、この残存不純物が成形時の臭気、成形
片の表面外観の悪化、ポリマーの分解反応等を引き起こ
す原因ともなる。そのため、ペレット中に残存する不純
物を除去するためにいくつかの提案がなされている。
【0004】例えば、特開昭51−37182号公報に
おいては、不活性ガス、空気あるいは加熱水蒸気を用い
て、5〜100分間、80〜140℃温度でのホルムア
ルデヒドの除去処理を行っている。しかしながら、この
方法では時間が短いため、ホルムアルデヒドからさらに
生成する蟻酸の除去が不十分であり、成形時に新たに分
解反応が起こるため、臭気を発生してしまい、好ましく
ない。
おいては、不活性ガス、空気あるいは加熱水蒸気を用い
て、5〜100分間、80〜140℃温度でのホルムア
ルデヒドの除去処理を行っている。しかしながら、この
方法では時間が短いため、ホルムアルデヒドからさらに
生成する蟻酸の除去が不十分であり、成形時に新たに分
解反応が起こるため、臭気を発生してしまい、好ましく
ない。
【0005】特開昭62−119219号公報において
は、ポリアセタール樹脂を160〜220℃の溶融状態
として、揮発分除去を安定化工程の前後に0.1〜30
0Torrの低圧下で実施している。しかしながら、こ
の方法においては、処理時間が10〜120秒、好まし
くは10〜45秒と短いために揮発成分除去が不十分と
なり、実施例における結果も含有ホルムアルデヒドが約
130〜220ppmときわめて高い値となってしま
い、また、蟻酸あるいはメタノール等の生成もあり、好
ましくない。
は、ポリアセタール樹脂を160〜220℃の溶融状態
として、揮発分除去を安定化工程の前後に0.1〜30
0Torrの低圧下で実施している。しかしながら、こ
の方法においては、処理時間が10〜120秒、好まし
くは10〜45秒と短いために揮発成分除去が不十分と
なり、実施例における結果も含有ホルムアルデヒドが約
130〜220ppmときわめて高い値となってしま
い、また、蟻酸あるいはメタノール等の生成もあり、好
ましくない。
【0006】特開昭55−43191号公報において
は、高粘度媒体用薄層蒸発器にポリマー融液を安定剤と
共に入れ、そこで回転するローターの掻き取り装置によ
り撹拌しながら、平均滞留時間30〜120秒間、約1
10Torr、180〜280℃でホルムアルデヒド除
去処理を実施している。しかしながら、こうした装置を
使用しても平均滞留時間が短いために揮発分除去が不十
分になってしまい、実施例における結果も67〜70p
pmと高い値になってしまい、また、蟻酸あるいはメタ
ノール等の生成もあり、好ましくない。
は、高粘度媒体用薄層蒸発器にポリマー融液を安定剤と
共に入れ、そこで回転するローターの掻き取り装置によ
り撹拌しながら、平均滞留時間30〜120秒間、約1
10Torr、180〜280℃でホルムアルデヒド除
去処理を実施している。しかしながら、こうした装置を
使用しても平均滞留時間が短いために揮発分除去が不十
分になってしまい、実施例における結果も67〜70p
pmと高い値になってしまい、また、蟻酸あるいはメタ
ノール等の生成もあり、好ましくない。
【0007】
【発明が解決するための課題】本発明の課題は、公知の
方法で安定化処理を施したポリアセタール樹脂におい
て、成形時あるいは製品となった後、分解反応に寄与す
る不純物であるホルムアルデヒド、水分、蟻酸およびメ
タノールの含有量を所定量以下にまで揮発成分を除去す
ることにより、熱安定性および成形特性の優れたポリア
セタール樹脂組成物を提供するものである。
方法で安定化処理を施したポリアセタール樹脂におい
て、成形時あるいは製品となった後、分解反応に寄与す
る不純物であるホルムアルデヒド、水分、蟻酸およびメ
タノールの含有量を所定量以下にまで揮発成分を除去す
ることにより、熱安定性および成形特性の優れたポリア
セタール樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はポリ
アセタール樹脂と100重量ppm以下のホルムアルデ
ヒドと、500重量ppm以下の水分と、100ppm
以下の蟻酸と、50ppm以下のメタノールからなるポ
リアセタール樹脂組成物である。
アセタール樹脂と100重量ppm以下のホルムアルデ
ヒドと、500重量ppm以下の水分と、100ppm
以下の蟻酸と、50ppm以下のメタノールからなるポ
リアセタール樹脂組成物である。
【0009】本発明で用いるポリアセタール樹脂は、例
えば、実質的に無水のトリオキサン、あるいは、テトラ
オキサンのようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共
重合成分として少なくとも1種の環状エーテルまたは環
状ホルマールとをシクロヘキサンやベンゼンのような有
機溶媒中に溶解、あるいは懸濁した後、重合触媒、例え
ば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フ
ッ化ホウ素と酸素原子または硫黄原子を含む有機化合物
との配位化合物からなる群れから選ばれる少なくとも一
種の化合物を添加して重合し、不安定末端を分解除去し
て製造する。あるいは、溶媒を全く使用せずにセルフク
リーニング型撹拌機の中へトリオキサンと共重合成分/
触媒および混合物を導入して塊状重合する。この重合体
から洗浄によって触媒を除去、あるいは失活剤によって
触媒を除去させた後、不安定末端を分解除去して製造す
る。
えば、実質的に無水のトリオキサン、あるいは、テトラ
オキサンのようなホルムアルデヒドの環状オリゴマと共
重合成分として少なくとも1種の環状エーテルまたは環
状ホルマールとをシクロヘキサンやベンゼンのような有
機溶媒中に溶解、あるいは懸濁した後、重合触媒、例え
ば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フ
ッ化ホウ素と酸素原子または硫黄原子を含む有機化合物
との配位化合物からなる群れから選ばれる少なくとも一
種の化合物を添加して重合し、不安定末端を分解除去し
て製造する。あるいは、溶媒を全く使用せずにセルフク
リーニング型撹拌機の中へトリオキサンと共重合成分/
触媒および混合物を導入して塊状重合する。この重合体
から洗浄によって触媒を除去、あるいは失活剤によって
触媒を除去させた後、不安定末端を分解除去して製造す
る。
【0010】特に好ましいのは、トリオキサンと環状エ
ーテルまたは環状ホルマールとを、三フッ化ホウ素・ジ
エチルエーテラートのような重合触媒の存在下、塊状重
合させた後、ヒンダードアミン系化合物を添加して重合
反応を停止させ、さらに不安定末端を分解除去して得ら
れた重合体である。
ーテルまたは環状ホルマールとを、三フッ化ホウ素・ジ
エチルエーテラートのような重合触媒の存在下、塊状重
合させた後、ヒンダードアミン系化合物を添加して重合
反応を停止させ、さらに不安定末端を分解除去して得ら
れた重合体である。
【0011】本発明で使用する環状エーテルとは、式
(I)
(I)
【化1】 で示される化合物を意味する。(ただし、式中Y1〜Y
4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のハロゲン置換アルキル基を示し、それぞれ同一で
あっても異なっていてもよい。また、Xはメチレンまた
はオキシメチレン基を表し、アルキル基やハロゲン置換
アルキル基で置換されていてもよく、mは0〜3の整数
を表す。あるいはXは−(CH2 )p −O−CH2 −ま
たは−O−CH2 −(CH2 )p −O−CH2 −であっ
てもよく、この場合はm=1であって、p=1〜3の整
数である。) 上記一般式で示される環状エーテルの中で特に好ましい
化合物として、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,
3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,
3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリンなどが挙
げられる。
4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のハロゲン置換アルキル基を示し、それぞれ同一で
あっても異なっていてもよい。また、Xはメチレンまた
はオキシメチレン基を表し、アルキル基やハロゲン置換
アルキル基で置換されていてもよく、mは0〜3の整数
を表す。あるいはXは−(CH2 )p −O−CH2 −ま
たは−O−CH2 −(CH2 )p −O−CH2 −であっ
てもよく、この場合はm=1であって、p=1〜3の整
数である。) 上記一般式で示される環状エーテルの中で特に好ましい
化合物として、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,
3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,
3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリンなどが挙
げられる。
【0012】本発明の環状エーテルの共重合量は、トリ
オキサンに対して、0.1〜10モル%、特に好ましく
は0.2〜6モル%である。
オキサンに対して、0.1〜10モル%、特に好ましく
は0.2〜6モル%である。
【0013】本発明において重合触媒の添加量は、トリ
オキサン1モルに対し、0.000005〜0.1モル
が好ましく、特に好ましくは0.00001〜0.01
モルである。
オキサン1モルに対し、0.000005〜0.1モル
が好ましく、特に好ましくは0.00001〜0.01
モルである。
【0014】また、重合触媒用溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪
族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ルのようなアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロ
ゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類が使用される。
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪
族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ルのようなアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロ
ゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類が使用される。
【0015】重合温度は50〜140℃、特に65〜1
25℃が好ましい。
25℃が好ましい。
【0016】本発明ではヒンダードフェノール系化合物
を添加することが熱安定性を向上させるので好ましい。
具体的には、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサン
ジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ポロピオネート]、N,N’
−ヘキサメチレンビス(3.5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナマミド)、2−t−ブチル−6
−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキ
シベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,
9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,
1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。添加
量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3.0重
量部である。
を添加することが熱安定性を向上させるので好ましい。
具体的には、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサン
ジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリス
リチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ポロピオネート]、N,N’
−ヘキサメチレンビス(3.5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナマミド)、2−t−ブチル−6
−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキ
シベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,
9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,
1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。添加
量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3.0重
量部である。
【0017】本発明ではヒンダードアミン系化合物を添
加することが熱安定性を向上させるので好ましい。具体
的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジ
メチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル重縮合
物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,,
26,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ
[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}
ヘキサメチレン{(テトラメチル−4−ピペリジル)イ
ミノ)}]などが挙げられる。添加量はポリアセタール
樹脂100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、
好ましくは0.01〜3.0重量部である。
加することが熱安定性を向上させるので好ましい。具体
的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジ
メチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル重縮合
物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,,
26,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ
[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}
ヘキサメチレン{(テトラメチル−4−ピペリジル)イ
ミノ)}]などが挙げられる。添加量はポリアセタール
樹脂100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、
好ましくは0.01〜3.0重量部である。
【0018】本発明ではホルムアルデヒド捕捉剤を添加
することが熱安定性を向上させるので好ましい。ホルム
アルデヒド捕捉剤としては、ポリアミド化合物、ウレタ
ン化合物、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘
導体、トリアジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン
化合物、ポリアクリルアミド化合物、多価アルコール誘
導体などが挙げられ、具体的には、ポリアミド6、ポリ
アミド66、 ポリアミド6/66二元共重合体、、ポ
リアミド6/66/610/12四元共重合体、メラミ
ン、ベンゾグアナミン、N,N,N’’−トリメチロー
ルメラミン、シアノグアニジン、ポリアクリルアミド、
ジペンタエリスリトールアジピン酸エステル等が挙げら
れる。添加量はポリアセタール100重量部に対して、
通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜3.
0重量部である。
することが熱安定性を向上させるので好ましい。ホルム
アルデヒド捕捉剤としては、ポリアミド化合物、ウレタ
ン化合物、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘
導体、トリアジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン
化合物、ポリアクリルアミド化合物、多価アルコール誘
導体などが挙げられ、具体的には、ポリアミド6、ポリ
アミド66、 ポリアミド6/66二元共重合体、、ポ
リアミド6/66/610/12四元共重合体、メラミ
ン、ベンゾグアナミン、N,N,N’’−トリメチロー
ルメラミン、シアノグアニジン、ポリアクリルアミド、
ジペンタエリスリトールアジピン酸エステル等が挙げら
れる。添加量はポリアセタール100重量部に対して、
通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜3.
0重量部である。
【0019】本発明では脂肪酸のアルカリ土類金属塩を
添加することが熱安定性を向上させるので好ましい。脂
肪酸のアルカリ土類金属塩としては、酪酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、12−
ヒドロキシステアリン酸ばどのカルシウム塩、マグネシ
ウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩が挙げられ、具
体的には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−
ヒドロキシステアリン酸マグネシウムが挙げられる。添
加量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜3.0重
量部である。
添加することが熱安定性を向上させるので好ましい。脂
肪酸のアルカリ土類金属塩としては、酪酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、12−
ヒドロキシステアリン酸ばどのカルシウム塩、マグネシ
ウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩が挙げられ、具
体的には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−
ヒドロキシステアリン酸マグネシウムが挙げられる。添
加量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜3.0重
量部である。
【0020】また、本発明のポリアセタール樹脂組成物
には適当な重合度調節剤やその他の添加剤を含有させる
ことも可能である。
には適当な重合度調節剤やその他の添加剤を含有させる
ことも可能である。
【0021】本発明においては、ポリアセタール樹脂組
成物中ホルムアルデヒド含有量、水分含有量、蟻酸含有
量およびメタノール含有量がそれぞれ特定の値以下であ
ることが重要である。
成物中ホルムアルデヒド含有量、水分含有量、蟻酸含有
量およびメタノール含有量がそれぞれ特定の値以下であ
ることが重要である。
【0022】すなわち揮発成分であるホルムアルデヒド
の含有量は100ppm以下、好ましくは70ppm以
下である。100ppmよりも多い場合、成形時の臭気
が多くなり、また、金型表面へのモールドデポジットが
顕著になり、成形品の表面外観を損ねてしまうため、好
ましくない。
の含有量は100ppm以下、好ましくは70ppm以
下である。100ppmよりも多い場合、成形時の臭気
が多くなり、また、金型表面へのモールドデポジットが
顕著になり、成形品の表面外観を損ねてしまうため、好
ましくない。
【0023】水分含有量は500ppm以下である。5
00ppmより多い場合、ポリマーの分解が起こり、新
たにホルムアルデヒドが発生したり、また、成形品表面
にシルバーなどが発生し易くなり、好ましくない。
00ppmより多い場合、ポリマーの分解が起こり、新
たにホルムアルデヒドが発生したり、また、成形品表面
にシルバーなどが発生し易くなり、好ましくない。
【0024】蟻酸含有量は100ppm以下、好ましく
は80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下で
ある。100ppmより多いと、酸分解反応により、ポ
リマーが分解して重合度が著しく低下すると共に、新た
にホルムアルデヒドが発生するため好ましくない。
は80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下で
ある。100ppmより多いと、酸分解反応により、ポ
リマーが分解して重合度が著しく低下すると共に、新た
にホルムアルデヒドが発生するため好ましくない。
【0025】メタノール含有量は50ppm以下であ
る。50ppmより多いと、ポリマーが分解して新たに
ホルムアルデヒドが発生するため好ましくない。
る。50ppmより多いと、ポリマーが分解して新たに
ホルムアルデヒドが発生するため好ましくない。
【0026】上記ポリアセタール樹脂組成物を製造する
方法としては、重合後のポリアセタール樹脂の粗ポリマ
ーに必要に応じて触媒失活剤、熱安定剤、ホルムアルデ
ヒド捕捉剤などの添加剤を溶融混練、ペレット化した樹
脂組成物(ペレット)を、通気乾燥機により処理するこ
とにより揮発成分を除去する方法を好ましく採用し得
る。
方法としては、重合後のポリアセタール樹脂の粗ポリマ
ーに必要に応じて触媒失活剤、熱安定剤、ホルムアルデ
ヒド捕捉剤などの添加剤を溶融混練、ペレット化した樹
脂組成物(ペレット)を、通気乾燥機により処理するこ
とにより揮発成分を除去する方法を好ましく採用し得
る。
【0027】通気乾燥機としては、回分式通気乾燥装
置、バンド型通気乾燥装置、回転型通気乾燥装置、冷却
部付回転型通気乾燥装置、竪型通気回転乾燥装置、竪型
通気回転装置などが挙げられる。本発明はこれらに限定
されるものではないが、均一に処理するという点では、
竪型タイプが好ましい。すなわち、材料が自重によって
移動層として落下し、熱風が移動層の中を通気するタイ
プである。さらに好ましくは、揮発成分を除去した後、
冷却ゾーンが設けられていることである。図1は竪型通
気乾燥機装置の原理図である。装置はペレット供給口
1、排気口2、ヒーターおよび送風機3、ペレット吐出
口4、外気取り入れ口5を有している。送風機3から送
られてきた熱風は、乾燥機内側周囲にある多数の熱風吹
き出し口6からペレットへ吹き出され、排出口2より排
出される。
置、バンド型通気乾燥装置、回転型通気乾燥装置、冷却
部付回転型通気乾燥装置、竪型通気回転乾燥装置、竪型
通気回転装置などが挙げられる。本発明はこれらに限定
されるものではないが、均一に処理するという点では、
竪型タイプが好ましい。すなわち、材料が自重によって
移動層として落下し、熱風が移動層の中を通気するタイ
プである。さらに好ましくは、揮発成分を除去した後、
冷却ゾーンが設けられていることである。図1は竪型通
気乾燥機装置の原理図である。装置はペレット供給口
1、排気口2、ヒーターおよび送風機3、ペレット吐出
口4、外気取り入れ口5を有している。送風機3から送
られてきた熱風は、乾燥機内側周囲にある多数の熱風吹
き出し口6からペレットへ吹き出され、排出口2より排
出される。
【0028】ペレット供給口1から供給されたペレット
は、竪型通気乾燥機装置内で、多数の熱風吹き出し口6
から成る水平面上方の熱処理区間を、送風機3から送ら
れた排気口2から排出される熱風により、熱処理され
る。落下したペレットは多数の熱風吹き出し口6から成
る水平面下方の冷却区間で冷却されながらペレット吐出
口4に向かって落下する。
は、竪型通気乾燥機装置内で、多数の熱風吹き出し口6
から成る水平面上方の熱処理区間を、送風機3から送ら
れた排気口2から排出される熱風により、熱処理され
る。落下したペレットは多数の熱風吹き出し口6から成
る水平面下方の冷却区間で冷却されながらペレット吐出
口4に向かって落下する。
【0029】上記熱風は空気あるいは窒素を通気ガスと
することが好ましい。また、水分、ホルムアルデヒド、
蟻酸およびメタノールの揮発を促すだけでなく、蟻酸の
生成を抑制するために、熱風の吹き出し口温度は80〜
140℃とすることが好ましく、さらに好ましくは10
0〜130℃である。ペレットと熱風との接触時間は、
式により算出した。
することが好ましい。また、水分、ホルムアルデヒド、
蟻酸およびメタノールの揮発を促すだけでなく、蟻酸の
生成を抑制するために、熱風の吹き出し口温度は80〜
140℃とすることが好ましく、さらに好ましくは10
0〜130℃である。ペレットと熱風との接触時間は、
式により算出した。
【0030】
【式1】 接触時間は通常1時間以上、水分、ホルムアルデヒド、
蟻酸およびメタノール含量がそれぞれ特定値以下になる
まで、好ましくは3〜10時間の条件であることが望ま
しい。
蟻酸およびメタノール含量がそれぞれ特定値以下になる
まで、好ましくは3〜10時間の条件であることが望ま
しい。
【0031】かくして得られる本発明のポリアセタール
樹脂は表面外観および熱安定性に優れた成形品を与える
ことができ、また、成形時の低モールドデポジット性に
も優れるので、これらの特性を活かした、各種成形品に
広く適用することができる。
樹脂は表面外観および熱安定性に優れた成形品を与える
ことができ、また、成形時の低モールドデポジット性に
も優れるので、これらの特性を活かした、各種成形品に
広く適用することができる。
【0032】以下実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明は、これらに限定されるものではない。
【0033】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を説明
する。なお、実施例および比較例中に示される物性等は
以下のようにして測定した。
する。なお、実施例および比較例中に示される物性等は
以下のようにして測定した。
【0034】・ペレット中の不純物含有量:ペレット中
のホルムアルデヒド、水、蟻酸およびメタノール含有量
の測定は、SUS316製で内容積5mlのミニオート
クレーブにサンプル3gを仕込み、窒素ガスで置換した
後、140℃で30分間熱処理し、ガス分析を行った。
ガス分析はガスクロマトグラフ法により島津製作所製G
C−12,熱伝導型検出器(TCD)、カラム充填剤は
和光純薬工業社製TSG−1、カラム温度150℃で実
施した。
のホルムアルデヒド、水、蟻酸およびメタノール含有量
の測定は、SUS316製で内容積5mlのミニオート
クレーブにサンプル3gを仕込み、窒素ガスで置換した
後、140℃で30分間熱処理し、ガス分析を行った。
ガス分析はガスクロマトグラフ法により島津製作所製G
C−12,熱伝導型検出器(TCD)、カラム充填剤は
和光純薬工業社製TSG−1、カラム温度150℃で実
施した。
【0035】・成形:型締力60tを有する射出成形機
を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度80℃、成
形サイクル20秒に設定して、ASTM1号ダンベル試
験片を射出成形した。
を用いて、シリンダ温度190℃、金型温度80℃、成
形サイクル20秒に設定して、ASTM1号ダンベル試
験片を射出成形した。
【0036】・機械物性:上記射出成形で得られたAS
TM1号ダンベル試験片を用い、ASTM D−638
法に準じて引張強度を測定した。
TM1号ダンベル試験片を用い、ASTM D−638
法に準じて引張強度を測定した。
【0037】・色調:上記射出成形で得られたASTM
1号ダンベル試験片のYI(イエロー・インデックス)
値をSMカラーコンピューター(スガ試験機)により測
定した。
1号ダンベル試験片のYI(イエロー・インデックス)
値をSMカラーコンピューター(スガ試験機)により測
定した。
【0038】・連続成形時におけるホルムアルデヒド臭
気の発生状況および低モールドデポジット性:型締圧6
0tを有する射出成形機を用いて、シリンダ温度240
℃、金型温度30℃、成形サイクル20秒に設定して、
ASTM1号ダンベル試験片を1,000ショット射出
成形した時のホルムアルデヒド臭気を次の基準により評
価した。 ほとんど臭気がない:○、少し臭気がある:
△、臭気が激しく、目、喉が痛くなる:×。また、1,
000ショット後の金型表面を目視により判断した。金
型付着物の全くないもの:○、わずかに付着物のあるも
の:△、金型にはっきりと付着物のあるもの:×と判断
した。
気の発生状況および低モールドデポジット性:型締圧6
0tを有する射出成形機を用いて、シリンダ温度240
℃、金型温度30℃、成形サイクル20秒に設定して、
ASTM1号ダンベル試験片を1,000ショット射出
成形した時のホルムアルデヒド臭気を次の基準により評
価した。 ほとんど臭気がない:○、少し臭気がある:
△、臭気が激しく、目、喉が痛くなる:×。また、1,
000ショット後の金型表面を目視により判断した。金
型付着物の全くないもの:○、わずかに付着物のあるも
の:△、金型にはっきりと付着物のあるもの:×と判断
した。
【0039】・表面外観:成形品の表面状態を目視によ
り次のように評価した。滑らか:○、少し粗い:△、粗
い:×。
り次のように評価した。滑らか:○、少し粗い:△、粗
い:×。
【0040】・耐熱性:上記射出成形して得られたAS
TM1号ダンベルを150℃に設定したギアオーブン中
に吊り下げておき、750時間後に取り出してASTM
D−638法に準じて引張強度を測定した。また、A
STM1号ダンベル試験片のYI値をSMカラーコンピ
ューターにより測定した。
TM1号ダンベルを150℃に設定したギアオーブン中
に吊り下げておき、750時間後に取り出してASTM
D−638法に準じて引張強度を測定した。また、A
STM1号ダンベル試験片のYI値をSMカラーコンピ
ューターにより測定した。
【0041】実施例1 セルフ・クリーニング型二軸反応混合機(100mm
φ、シリンダー長(L)/シリンダー径(D)=7.
2)に70℃に溶融したトリオキサンを30kg/h、
触媒として三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラートを
2.4重量%含むベンゼン溶液を0.15kg/hおよ
び環状エーテルとして1,3−ジオキソランを1.1k
g/h、分子量調節剤としてメチラール0.024kg
/hで供給し、連続重合を行った。また、1,3−ジオ
キソランと触媒溶液は重合機へ供給する直前に予備混合
ゾーンを設けた。撹拌軸は同方向回転で50rpmに設
定した。重合機のジャケットはいずれも15℃の冷却水
を使用した。重合体は白色微粉末として得られた。
φ、シリンダー長(L)/シリンダー径(D)=7.
2)に70℃に溶融したトリオキサンを30kg/h、
触媒として三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラートを
2.4重量%含むベンゼン溶液を0.15kg/hおよ
び環状エーテルとして1,3−ジオキソランを1.1k
g/h、分子量調節剤としてメチラール0.024kg
/hで供給し、連続重合を行った。また、1,3−ジオ
キソランと触媒溶液は重合機へ供給する直前に予備混合
ゾーンを設けた。撹拌軸は同方向回転で50rpmに設
定した。重合機のジャケットはいずれも15℃の冷却水
を使用した。重合体は白色微粉末として得られた。
【0042】得られた白色微粉末状の粗ポリマー100
重量部に対して、触媒失活剤としてビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート
(三共”サノール”LS765)0.18重量部を9重
量%ベンゼン溶液として添加した後、さらにトリエチレ
ングリコールビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}(チバガ
イギー”イルガノックス”245)0.5重量部、ステ
アリン酸カルシウム0.1重量部、ベンゾブアナミン
0.1重量部を添加し、通常の二軸押出機に連続供給
し、230℃、10mmHgで不安定末端を溶融安定化
し、水中に吐出し、カッティングを行い、ペレット状の
ポリアセタール樹脂組成物を得た。
重量部に対して、触媒失活剤としてビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート
(三共”サノール”LS765)0.18重量部を9重
量%ベンゼン溶液として添加した後、さらにトリエチレ
ングリコールビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}(チバガ
イギー”イルガノックス”245)0.5重量部、ステ
アリン酸カルシウム0.1重量部、ベンゾブアナミン
0.1重量部を添加し、通常の二軸押出機に連続供給
し、230℃、10mmHgで不安定末端を溶融安定化
し、水中に吐出し、カッティングを行い、ペレット状の
ポリアセタール樹脂組成物を得た。
【0043】得られたポリアセタール樹脂組成物25k
gを通気乾燥機であるホッパードライヤー(松井製作所
製)に仕込み、設定温度100℃、6時間ので処理を実
施した。得られた処理サンプルの不純物含有量の測定、
連続成形性として成形品色調、臭気、低モールドデポジ
ット性、表面外観を評価した。さらに得られた成形品を
用いて耐熱試験を行い、引張強度および色調を評価し
た。これらの結果を表1、表2にまとめた。
gを通気乾燥機であるホッパードライヤー(松井製作所
製)に仕込み、設定温度100℃、6時間ので処理を実
施した。得られた処理サンプルの不純物含有量の測定、
連続成形性として成形品色調、臭気、低モールドデポジ
ット性、表面外観を評価した。さらに得られた成形品を
用いて耐熱試験を行い、引張強度および色調を評価し
た。これらの結果を表1、表2にまとめた。
【0044】ホルムアルデヒド含有量は19ppm、水
分含有率182ppm、蟻酸含有率11ppm、メタノ
ール含有率8ppmであった。この時の成形品のYI値
は−7.2、臭気、表面外観は良好であり、また、金型
付着物は観察されなかった。耐熱試験後の引張強度は6
0MPaでほぼ初期物性を保持していた。YI値は39
であった。
分含有率182ppm、蟻酸含有率11ppm、メタノ
ール含有率8ppmであった。この時の成形品のYI値
は−7.2、臭気、表面外観は良好であり、また、金型
付着物は観察されなかった。耐熱試験後の引張強度は6
0MPaでほぼ初期物性を保持していた。YI値は39
であった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】実施例2 実施例1と同一の方法でポリアセタール樹脂組成物を得
た後、設定温度120℃、処理時間4時間で実施した。
た後、設定温度120℃、処理時間4時間で実施した。
【0048】ホルムアルデヒド含有量は21ppm、水
分含有率190ppm、蟻酸含有率13ppm、メタノ
ール含有率5ppmであった。この時の成形品のYI値
は−7.1、臭気、表面外観は良好であり、また、金型
付着物は観察されなかった。耐熱試験後の引張強度は5
9MPaでほぼ初期物性を保持していた。YI値は42
であった。
分含有率190ppm、蟻酸含有率13ppm、メタノ
ール含有率5ppmであった。この時の成形品のYI値
は−7.1、臭気、表面外観は良好であり、また、金型
付着物は観察されなかった。耐熱試験後の引張強度は5
9MPaでほぼ初期物性を保持していた。YI値は42
であった。
【0049】比較例1 実施例1と同一の方法でポリアセタール樹脂組成物を得
た後、設定温度60℃、処理時間4時間で実施した。
た後、設定温度60℃、処理時間4時間で実施した。
【0050】処理温度が低いために揮発成分の除去が不
十分であり、ホルムアルデヒド含有量は192ppm、
水分含有率900ppm、蟻酸含有率132ppm、メ
タノール含有率32ppmであった。この時の成形品の
YI値は−2.9、臭気は激しく、表面外観も悪く、ま
た、金型付着物も明確に観察された。耐熱試験後の引張
強度は14MPaで著しく劣化していた。YI値は87
であった。
十分であり、ホルムアルデヒド含有量は192ppm、
水分含有率900ppm、蟻酸含有率132ppm、メ
タノール含有率32ppmであった。この時の成形品の
YI値は−2.9、臭気は激しく、表面外観も悪く、ま
た、金型付着物も明確に観察された。耐熱試験後の引張
強度は14MPaで著しく劣化していた。YI値は87
であった。
【0051】比較例2 実施例1と同一の方法でポリアセタール樹脂組成物を得
た後、設定温度150℃、処理時間4時間で実施した。
た後、設定温度150℃、処理時間4時間で実施した。
【0052】処理温度が高いために分解反応が起こり、
ホルムアルデヒド含有量は252ppm、水分含有率2
83ppm、蟻酸含有率141ppm、メタノール含有
率28ppmであった。この時の成形品のYI値は−
2.1で、臭気は激しく、表面外観も悪く、また、金型
付着物も明確に観察された。耐熱試験後の引張強度は1
3MPaで著しく劣化していた。YI値は88であっ
た。
ホルムアルデヒド含有量は252ppm、水分含有率2
83ppm、蟻酸含有率141ppm、メタノール含有
率28ppmであった。この時の成形品のYI値は−
2.1で、臭気は激しく、表面外観も悪く、また、金型
付着物も明確に観察された。耐熱試験後の引張強度は1
3MPaで著しく劣化していた。YI値は88であっ
た。
【0053】比較例3 実施例1と同一の方法でポリアセタール樹脂組成物を得
た後、設定温度100℃、処理時間1時間で実施した。
た後、設定温度100℃、処理時間1時間で実施した。
【0054】処理時間が短いために揮発成分除去が不十
分となり、ホルムアルデヒド含有量は132ppm、水
分含有率872ppm、蟻酸含有率88ppm、メタノ
ール含有率11ppmであった。この時の成形品のYI
値は−3.1で、臭気は激しく、表面外観も悪く、ま
た、金型付着物も観察された。耐熱試験後の引張強度は
18MPaで劣化していた。YI値は82であった。
分となり、ホルムアルデヒド含有量は132ppm、水
分含有率872ppm、蟻酸含有率88ppm、メタノ
ール含有率11ppmであった。この時の成形品のYI
値は−3.1で、臭気は激しく、表面外観も悪く、ま
た、金型付着物も観察された。耐熱試験後の引張強度は
18MPaで劣化していた。YI値は82であった。
【0055】比較例4〜6 実施例1と同一の方法でポリアセタール樹脂組成物を得
た後、実施例2と同一の処理方法で揮発成分除去を実施
したサンプルに水分含有率約800ppm、蟻酸含有率
が約200ppm、メタノールの含有率が約100pp
mになるように各成分をそれぞれを添加した。いずれの
結果も連続成形性および耐熱性ともに悪化しており、す
べての不純物を本発明で規定した範囲内にしなければな
らないことがわかる。
た後、実施例2と同一の処理方法で揮発成分除去を実施
したサンプルに水分含有率約800ppm、蟻酸含有率
が約200ppm、メタノールの含有率が約100pp
mになるように各成分をそれぞれを添加した。いずれの
結果も連続成形性および耐熱性ともに悪化しており、す
べての不純物を本発明で規定した範囲内にしなければな
らないことがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、公知の方法で安定化処
理を施したポリアセタール樹脂組成物において、成形時
あるいは製品となった後、分解反応に寄与する不純物で
あるホルムアルデヒドの含有量100ppm以下、水分
の含有量を500ppm以下、蟻酸の含有量を100p
pm以下、メタノールの含有量を50ppm以下にまで
揮発成分を除去することにより、熱安定性および成形特
性の優れたポリアセタール樹脂組成物を提供するもので
ある。
理を施したポリアセタール樹脂組成物において、成形時
あるいは製品となった後、分解反応に寄与する不純物で
あるホルムアルデヒドの含有量100ppm以下、水分
の含有量を500ppm以下、蟻酸の含有量を100p
pm以下、メタノールの含有量を50ppm以下にまで
揮発成分を除去することにより、熱安定性および成形特
性の優れたポリアセタール樹脂組成物を提供するもので
ある。
【図1】竪型通気乾燥機装置の原理図である。
1:ペレット供給口 2:排気口 3:ヒーターおよび送風機 4:ペレット吐出口 5:外気取り入れ口 6:内部への熱風吹き出し口
Claims (7)
- 【請求項1】ポリアセタール樹脂と100重量ppm以
下のホルムアルデヒドと、500重量ppm以下の水分
と、100ppm以下の蟻酸と、50ppm以下のメタ
ノールからなるポリアセタール樹脂組成物。 - 【請求項2】ポリアセタール樹脂100重量部に対し、
0.01〜10重量部のヒンダードフェノール系化合物
および/または0.01〜10重量部のヒンダードアミ
ン系化合物をさらに含有してなる請求項1記載のポリア
セタール樹脂組成物。 - 【請求項3】ポリアセタール樹脂100重量部に対し、
0.01〜10重量部のホルムアルデヒド捕捉剤および
/または0.01〜10重量部の脂肪酸のアルカリ土類
金属塩をさらに含有してなる請求項1または2記載のポ
リアセタール樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載のポリアセタ
ール樹脂組成物を得るに際し、通気乾燥機を用いて、揮
発成分を除去することを特徴とする請求項1〜3のいず
れか記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】通気乾燥機が竪型タイプであることを特徴
とする請求項4記載のポリアセタール樹脂組成物の製造
方法。 - 【請求項6】通気ガスが空気あるいは窒素であることを
特徴とする請求項4または5記載のポリアセタール樹脂
組成物の製造方法。 - 【請求項7】80〜140℃、1時間以上の条件で処理
することを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載のポ
リアセタール樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338128A JPH07196890A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338128A JPH07196890A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07196890A true JPH07196890A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18315182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5338128A Pending JPH07196890A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07196890A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233230A (ja) * | 1995-09-01 | 2006-09-07 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法 |
JP2013039530A (ja) * | 2011-08-17 | 2013-02-28 | Toray Ind Inc | ポリアセタールを主成分とする多孔質中空糸膜およびその製造方法 |
JP2013237742A (ja) * | 2012-05-14 | 2013-11-28 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアセタール樹脂組成物、及びその成形体 |
WO2014119394A1 (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-07 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0314859A (ja) * | 1989-06-13 | 1991-01-23 | Toray Ind Inc | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5338128A patent/JPH07196890A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0314859A (ja) * | 1989-06-13 | 1991-01-23 | Toray Ind Inc | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
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WO2014119394A1 (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-07 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2014148637A (ja) * | 2013-02-04 | 2014-08-21 | Polyplastics Co | ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法 |
CN104995254A (zh) * | 2013-02-04 | 2015-10-21 | 宝理塑料株式会社 | 聚缩醛树脂组合物及其制造方法 |
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