JP2853983B2 - オキシメチレンコポリマの製造方法 - Google Patents

オキシメチレンコポリマの製造方法

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JP2853983B2 JP7307051A JP30705195A JP2853983B2 JP 2853983 B2 JP2853983 B2 JP 2853983B2 JP 7307051 A JP7307051 A JP 7307051A JP 30705195 A JP30705195 A JP 30705195A JP 2853983 B2 JP2853983 B2 JP 2853983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トリオキサンと環
状エーテルとを触媒の存在下で共重合させた後、ヒンダ
ードアミン化合物を添加して失活し、安定剤と共に加熱
することにより安定なオキシメチレンコポリマを製造す
る方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】トリオキサン単独、又はトリオキサンと
環状エーテルを塊状重合させてポリアセタールホモポリ
マ又はコポリマを得ることは、例えば特公昭44−52
34号公報等で公知である。 【0003】得られたポリマは、このままでは熱的に不
安定であるため、ホモポリマの場合には、エステル化な
どにより末端基を封鎖して、又コポリマの場合には、不
安定末端部分を分解除去して安定化されているが、それ
に先立って触媒を失活させ、重合反応を停止することが
必要である。 【0004】即ち、トリオキサン等をカチオン重合して
得られるポリアセタールホモポリマやコポリマは、その
中に残存している触媒を失活させないと、徐々に解重合
を起こし、著しい分子量の低下が生じたり、熱的に極端
に不安定なポリマとなる。 【0005】三フッ化ホウ素系重合触媒の失活に関して
は、特公昭55−45087号公報、特公昭55−50
485号公報に、トリオキサン等を三フッ化ホウ素系触
媒で塊状重合した後、三価のリン化合物を添加する方法
が記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、三価の
リン化合物で三フッ化ホウ素系重合触媒を失活しても、
失活効果が十分でなく、ポリマを溶融した場合にやはり
解重合が生じ、分子量の低下が見られる。特にポリマを
230℃以上の高温で溶融した場合には、著しく分子量
が低下する。 【0007】そこで、本発明者らは、上記従来技術の問
題点を解決し、熱安定性の優れたオキシメチレンコポリ
マの製造方法について鋭意検討した結果、本発明に到達
したものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】即ち本発明は、トリオキ
サンと環状エーテルとの混合物を三フッ化ホウ素、三フ
ッ化ホウ素水和物および三フッ化ホウ素と酸素原子また
はイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物から成る
群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒の存在下、塊
状重合させ、重合終了後、続いて下記一般式(I)で表
わされるヒンダードアミン化合物を添加して三フッ化ホ
ウ素系触媒を失活させ、さらに安定剤を添加し、100
〜260℃の温度範囲で加熱することを特徴とする、オ
キシメチレン単位と他のオキシアルキレン単位を含む
キシメチレンコポリマの製造方法に関する。 【0009】 【化2】 (ただし、式中R1 〜R4 は炭素数1〜5のアルキル基
を示し、それぞれ同一であっても互いに異なっていても
良い。nは1以上の整数を示し、R5 はn価の有機残基
を示す。) 【0010】 【発明の実施の態様】本発明で使用される環状エーテル
とは、下記一般式(II)で示される化合物を意味す
る。 【0011】 【化3】 (ただし、式中Y1 〜Y4 は、水素原子、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換アルキル基
を示し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。
又、Xはメチレン又はオキシメチレン基を表わし、アル
キル基やハロゲン置換アルキル基で置換されていても良
く、mは0〜3の整数を示す。あるいは、Xは−(CH
2 )p−O−CH2 −又は−O−CH2 −(CH2 )p
−O−CH2 −であっても良く、この場合はm=1であ
って、pは1〜3の整数である。) 上記一般式(II)で示される環状エーテルの中で、特
に好ましい化合物として、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサ
ン、1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパ
ン、1,3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリン
などが挙げられる。 【0012】本発明の環状エーテルの共重合量は、トリ
オキサンに対して0.1〜10モル%、特に好ましくは
0.2〜5モル%の範囲にあることが必要で、0.1モ
ル%以下では、不安定末端部分を分解除去して安定化し
た際のポリマ収率が低く、生産性を低下するため好まし
くない。又、10モル%以上では、ポリマの融点や結晶
性が低下し、機械的強度や成形性が悪くなるため好まし
くない。 【0013】本発明の重合触媒は、三フッ化ホウ素、三
フッ化ホウ素水和物及び酸素又はイオウ原子を有する有
機化合物と三フッ化ホウ素との配位化合物の群より選ば
れる一種以上の化合物が、ガス状、液状又は適当な有機
溶剤の溶液として使用される。 【0014】三フッ化ホウ素との配位化合物を形成する
酸素又はイオウ原子を有する有機化合物としては、アル
コール、エーテル、フェノール、スルフィド等が挙げら
れる。 【0015】これらの触媒の中で、特に三フッ化ホウ素
の配位化合物が好ましく、とりわけ、三フッ化ホウ素・
ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素・ジブチルエー
テラートが好ましく使用される。 【0016】本発明の重合触媒用溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪
族炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール
類、クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロル
エタンのようなハロゲン化炭化水素、アセトン、メチル
エチルケトンのようなケトン類が使用される。 【0017】重合触媒の添加量は、トリオキサン1モル
に対して、5×10-6〜1×10-1モルの範囲であり、
特に好ましくは1×10-5〜1×10-2モルの範囲であ
る。 【0018】トリオキサン単独又はトリオキサンと環状
エーテルを塊状で重合させる種々の装置が知られている
が、本発明で使用する塊状重合は、特に装置により限定
されるものではなく、又トリオキサンに対して10重量
%以下ならば、シクロヘキサンのような有機溶媒の存在
下で行う重合反応にも適用できる。 【0019】塊状重合においては、重合時の急激な固化
や発熱が生じるため、強力な撹拌能力を有し、かつ反応
温度が制御できる装置が、特に好ましく使用される。 【0020】このような性能を有する本発明の塊状重合
装置としては、シグマ型撹拌翼を有するニーダー、反応
帯域として円筒バレルを用い、そのバレルの中に同軸か
つ多数の中断した山を有するスクリュを備え、この中断
部とバレル内面に突出した歯とが噛み合うように作動す
る混合機、加熱又は冷却用のジャケットを有する長いケ
ースに一対の互いに噛み合うような平行スクリュを持つ
通常のスクリュ押出機、二本の水平撹拌軸に多数のパド
ルを有し、該軸を同時に同方向に回転した際に、互いに
相手のパドル面及びケース内面との間にわずかなクリア
ランスを保って回転するセルフクリーニング型混合機等
を挙げることができる。 【0021】又、塊状重合においては、重合反応初期に
急速に固化するため、強力な撹拌能力が必要であるが、
一旦粉砕されてしまえば、あとは大きな撹拌能力を必要
としないため、塊状重合工程を二段階に分けても良い。 【0022】塊状重合反応温度は、トリオキサンの融点
近傍から沸点近傍の温度範囲、即ち60〜115℃の範
囲が好ましく、特に60〜90℃の範囲が好ましい。 【0023】重合初期においては、反応熱や固化するこ
とによる摩擦熱のために、重合反応装置内の温度が特に
上昇しがちであるので、ジャケットに冷却水を通すなど
して反応温度をコントロールすることが望ましい。 【0024】本発明で用いる三フッ化ホウ素系触媒を失
活させ、重合反応を停止する代表的なヒンダードアミン
化合物としては下記の化合物が挙げられる。 【0025】 【化4】【化5】【化6】【化7】本発明のヒンダードアミン化合物は、そのままの形で添
加しても良いが、重合触媒との接触を促進する意味で有
機溶媒の溶液として添加しても良い。その際の有機溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香
族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキ
サンのような脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール
などのアルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、
1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素、
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類が挙げ
られる。 【0026】ヒンダードアミン化合物の添加量は、使用
した重合触媒の三フッ化ホウ素系触媒のホウ素原子数に
対して、同数以上のヒンダードアミン構造を有する窒素
原子が存在することが好ましい。窒素原子数がホウ素原
子数より少なくても触媒失活効果は見られるが、得られ
たポリマの耐熱安定性が若干低下するので、目的とする
耐熱安定性の程度に応じて添加量を調整する必要があ
る。 【0027】本発明で使用する安定剤としては、酸化防
止剤が挙げられ、具体例としては、トリエチレングリコ
ール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−
チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N
´−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−
チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォ
スフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリス
(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2´−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,
N´−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒン
ダードフェノール化合物、テトラキス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンホスホナ
イト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイト、ジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジトリデ
シルペンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルフ
ェニルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、ビスフェノールAペ
ンタエリスリトールホスファイト、トリラウリルトリチ
オホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)
ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフ
ェノールAホスファイトポリマ、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルモノデ
シルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイ
ト、トリデシルホスファイトなどのリン系化合物、ジラ
ウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
ピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、4,
4´−チオ−ビス(3−メチル−5−t−ブチルフェノ
ール)とトリデシルチオプロピオン酸のエステル、ペン
タエリスリトールとドデシルチオプロピオン酸のエステ
ルなどの硫黄系化合物が挙げられる。 【0028】また、ホルムアルデヒドと反応してホルム
アルデヒドを吸収することのできる、いわゆるホルムア
ルデヒド吸収剤も本発明の安定剤として使用することが
でき、アミド化合物、ウレタン化合物、ピリジン誘導
体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導
体、ヒドラジン誘導体、アミジン化合物が挙げられ、具
体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジフェニルホルムアミ
ド、N,N−ジフェニルアセトアミド、N,N−ジフェ
ニルベンズアミド、N,N,N´,N´−テトラメチル
アジパミド、シュウ酸ジアニリド、アジピン酸ジアニリ
ド、α−(N−フェニル)アセトアニリド、ナイロン
6、ナイロン11、ナイロン12などのラクタム類の単
独重合体ないしは共重合体、アジピン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、ダイマ酸のような二価カルボン酸
とエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、メタキシリレンジアミンのようなジ
アミンから誘導されるポリアミド単独重合体ないしは共
重合体、ラクタム類とジカルボン酸およびジアミンから
誘導されるポリアミド共重合体、ポリアクリルアミド、
ポリメタクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチ
ル)スベルアミド、ポリ(γ−メチルグルタメート)、
ポリ(γ−エチルグルタメート)、ポリ(N−ビニルラ
クタム)、ポリ(N−ビニルピロリドン)などのアミド
化合物、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネートなどのジイソシアネートと1,4−ブ
タンジオールなどのグリコールおよびポリ(テトラメチ
レンオキシド)グリコール、ポリブチレンアジペート、
ポリカプロラクトンなどの高分子グリコールから誘導さ
れるポリウレタン、メラミン、ベンゾグアナミン、アセ
トグアナミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラ
ミン、N,N´−ジフェニルメラミン、N,N´,N''
−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、
N,N´−ジメチロールメラミン、N,N´,N''−ト
リメチロールメラミン、2,4−ジアミノ−6−ベンジ
ルオキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ
トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシルト
リアジン、メレム、メラムなどのトリアジン誘導体、N
−フェニル尿素、N,N´−ジフェニル尿素、チオ尿
素、N−フェニルチオ尿素、N,N´−ジフェニルチオ
尿素、ノナメチレンポリ尿素などの尿素誘導体、フェニ
ルヒドラジン、ジフェニルヒドラジン、ベンズアルデヒ
ドのヒドラゾン、セミカルバゾン、1−メチル−1−フ
ェニルヒドラゾン、チオセミカルバゾン、4−(ジアル
キルアミノ)ベンズアルデヒドのヒドラゾン、1−メチ
ル−1−フェニルヒドラゾン、チオセミカルバゾンなど
のヒドラジン誘導体、ジシアンジアミド、グアンチジ
ン、グアニジン、アミノグアニジン、グアニン、グアナ
クリン、グアノクロール、グアノキサン、グアノシン、
アミロリド、N−アミジノ−3−アミノ−6−クロロピ
ラジンカルボキシアミドなどのアミジン化合物、ポリ
(2−ビニルピリジン)、ポリ(2−メチル−5−ビニ
ルピリジン)、ポリ(2−エチル−5−ビニルピリジ
ン)、2−ビニルピリジン−2−メチル−5−ビニルピ
リジン共重合体、2−ビニルピリジン−スチレン共重合
体などのピリジン誘導体などである。 【0029】これらの安定剤の中でも特に、トリエチレ
ングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペン
タエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
N,N´−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)などのヒン
ダードフェノール化合物が好ましく、さらにこれらの化
合物とホルムアルデヒド吸収剤、特にダイマ酸系ポリア
ミド、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、N−
メチロール化メラミン、N−メチロール化ベンゾグアナ
ミン、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ジシアンジアミド、
グアニジン、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(2
−ビニルピリジン)、ポリ尿素、メレム、メラムを併用
すると特に好ましい。 【0030】安定剤の添加量は、オキシメチレンコポリ
マに対して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.
02〜5.0重量%、さらに好ましくは0.05〜3.
0重量%であり、0.01重量%未満では耐熱性の向上
効果が十分でなく、10.0重量%を越えると安定剤が
オキシメチレンコポリマの表面に白粉状に析出して商品
価値を低下させるため好ましくない。 【0031】本発明では、トリオキサンと環状エーテル
との混合物を三フッ化ホウ素系触媒を用いて塊状重合
し、得られた重合体にヒンダードアミン化合物を添加し
て触媒を失活させた後、安定剤を添加して100〜26
0℃の温度範囲、好ましくはコポリマの融点以上の温度
に加熱してオキシメチレンコポリマを製造する。 本発
明では、オキシメチレンコポリマの重合触媒をヒンダー
ドアミン化合物で失活し、しかも失活した触媒がポリマ
中に存在しても、熱安定性に優れたポリマの製造方法を
提供するものであり、ヒンダードアミン化合物で触媒失
活されたポリマに対して、本発明の安定剤が効果的に作
用して、従来のリン化合物で触媒失活されたポリマでは
得られなかった耐熱性に優れたオキシメチレンコポリマ
の製造方法を提供するものである。 【0032】本発明により製造されたオキシメチレンコ
ポリマは、成形性、機械的性質、溶融安定性や耐熱エー
ジング性に優れているため、機械機構部品、自動車部
品、電気・電子部品など広範な用途で使用することがで
きる。 【0033】 【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を説明す
る。なお、実施例及び比較例中に示される成形品の表面
状態、機械物性、相対粘度ηr、加熱分解率K、ポリマ
融点(Tm)及び結晶化温度(Tc)を次のようにして
測定した。 【0034】成形品の表面状態:5オンスの射出能力を
有する射出成形機を用いて、シリンダ温度230℃、金
型温度60℃及び成形サイクル50秒に設定して、AS
TM1号ダンベル試験片とアイゾット衝撃試験片を射出
成形した。得られたASTM1号ダンベル試験片の表面
状態を肉眼で観察した。 【0035】機械物性:上記射出成形で得られたAST
M1号ダンベル試験片を用い、ASTM D−638法
に準じて引張特性を測定した。又、アイゾット衝撃試験
片を用い、ASTM D−256法に準じて衝撃強度を
測定した。 【0036】相対粘度ηr:2%のα−ピネンを含有す
るp−クロルフェノール100ml中に、0.5gのポ
リマを溶解し、60℃の温度で測定した。 【0037】加熱分解率Kx:Kxは、x℃で一定時間
放置した時の分解率を意味し、熱天秤装置を使用して、
約10mgのサンプルを、空気雰囲気下、x℃で放置
し、下記式で求めた。 【0038】 Kx=(W0 −W1 )×100/W0 % ここで、W0 は加熱前のサンプル重量、W1 は加熱後の
サンプル重量を意味する。 【0039】なお、熱天秤装置は、DuPont社の熱
分析機1090/1091を使用した。 【0040】ポリマ融点(Tm)、結晶化温度(T
c):差動走査熱量計を使用して、窒素雰囲気下、10
℃/分の昇温速度で昇温し、ポリマ融点(Tm)を測定
後、10℃/分で降温し、結晶化温度(Tc)を測定し
た。 【0041】参考例1 2枚のΣ型撹拌翼を有する3リットルのニーダを60℃
に加熱し、トリオキサン3.0kg、1,3−ジオキソ
ラン75g、更に触媒として三フッ化ホウ素・ジエチル
エーテラートをトリオキサン重量に対して200ppm
を10%ベンゼン溶液として添加し、30rpmで撹拌
した。 【0042】数分の内に内容物は固化し反応熱及び摩擦
熱によって系内温度が上昇したので、Σ型撹拌翼内部に
冷風を通して冷却し、更に回転数を10rpmに落とし
て、最高温度を80℃までにコントロールした。 【0043】そのまま撹拌を続け、60分後にポリマを
取り出した。得られたポリマは、ηr=2.46の白色
粉末であった。 【0044】このポリマをオキシメチレンコポリマAと
する。 【0045】実施例1、比較例1〜3 参考例1で得られたオキシメチレンコポリマAに対して
各種のヒンダードアミン化合物を15〜20%のベンゼ
ン溶液として表1に示した割合で添加し、2枚のシグマ
型撹拌翼を有するニーダ中、35℃、30rpmで15
分間撹拌して触媒を失活した。これに0.5重量%のペ
ンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕(Ciba−Geigy社製Irganox10
10)を添加し、10分間で210℃まで昇温した後、
同温、30rpmで20分間撹拌した。 【0046】比較のため、ヒンダードアミン化合物の代
わりにトリフェニルホスフィンを使用してポリマを製造
した。 【0047】得られたポリマの物性測定結果を表1にま
とめた。 【0048】 【表1】表1より明らかに、ヒンダードアミン化合物を用いて触
媒失活したポリマはトリフェニルホスフィンを用いて触
媒失活したポリマより耐熱安定性に優れている。またヒ
ンダードアミン化合物の添加量が多いほど耐熱安定性に
優れる。ヒンダードアミン化合物の種類が変わってもえ
られるポリマの耐熱安定性は変わらず、機械的物性にも
影響ないことがわかる。 【0049】 【発明の効果】実施例が示すように、本発明による製造
法を使用することにより、洗浄による触媒の除去を行う
ことなく、きわめて簡単なプロセスで耐熱安定性に優れ
たオキシメチレンコポリマを製造することができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.トリオキサンと環状エーテルとの混合物を三フッ化
    ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ化ホウ素と
    酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化
    合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の重合触媒
    の存在下、塊状重合させ、重合終了後、続いて下記一般
    式(I)で表わされるヒンダードアミン化合物を添加し
    て三フッ化ホウ素系触媒を失活させ、さらに安定剤を添
    加し、100〜260℃の温度範囲で加熱することを特
    徴とする、オキシメチレン単位と他のオキシアルキレン
    単位を含むオキシメチレンコポリマの製造方法。 【化1】 (ただし、式中R1 〜R4 は炭素数1〜5のアルキル基
    を示し、それぞれ同一であっても互いに異なっていても
    良い。nは1以上の整数を示し、R5 はn価の有機残基
    を示す。)
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