JP2903566B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents
ポリオキシメチレン樹脂組成物Info
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- JP2903566B2 JP2903566B2 JP26452289A JP26452289A JP2903566B2 JP 2903566 B2 JP2903566 B2 JP 2903566B2 JP 26452289 A JP26452289 A JP 26452289A JP 26452289 A JP26452289 A JP 26452289A JP 2903566 B2 JP2903566 B2 JP 2903566B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は機械物性と耐熱エージング性に優れたポリオ
キシメチレン樹脂組成物に関するものである。
キシメチレン樹脂組成物に関するものである。
更に詳しくは、結晶化速度が速く成形歪が小さいため
機械物性や耐熱エージング性が優れた主として放出成形
用ポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。
機械物性や耐熱エージング性が優れた主として放出成形
用ポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と耐衝撃性のバ
ランスのとれたエンジニアリングプラスチックとして知
られ、自動車部品、電子機器用部品として広範な分野に
おいて使用されている。
ランスのとれたエンジニアリングプラスチックとして知
られ、自動車部品、電子機器用部品として広範な分野に
おいて使用されている。
しかしながら、ポリオキシメチレン樹脂は極めて高い
結晶性を有し、その結果、特に熱処理した場合に著しく
成長した球晶構造は亀裂や内部歪を生じさせることによ
り、樹脂の機械的強度を低下させる。ポリオキシメチレ
ン樹脂の結晶構造を微細化、均質化する方法として従来
より、様々な無機化合物、有機化合物、高分子化合物か
らなる核発生化剤をポリオキシメチレン樹脂に配合する
ことが行なわれている。例えば、無機核発生化剤とし
て、タルクを添加したポリオキシメチレン樹脂組成物
(特公昭48−8254号公報)や、分枝を有するまたは網状
化したポリオキシメチレンを核発生化剤として用いたポ
リオキシメチレン樹脂組成物が知られている(特公昭55
−19942号公報)。更に、分岐または網状化したポリオ
キシメチレンと軟化点がポリオキシメチレン以下の平均
分子量1000〜1000000なる重合体の組成物も知られてい
る(特公昭56−42623号公報)。
結晶性を有し、その結果、特に熱処理した場合に著しく
成長した球晶構造は亀裂や内部歪を生じさせることによ
り、樹脂の機械的強度を低下させる。ポリオキシメチレ
ン樹脂の結晶構造を微細化、均質化する方法として従来
より、様々な無機化合物、有機化合物、高分子化合物か
らなる核発生化剤をポリオキシメチレン樹脂に配合する
ことが行なわれている。例えば、無機核発生化剤とし
て、タルクを添加したポリオキシメチレン樹脂組成物
(特公昭48−8254号公報)や、分枝を有するまたは網状
化したポリオキシメチレンを核発生化剤として用いたポ
リオキシメチレン樹脂組成物が知られている(特公昭55
−19942号公報)。更に、分岐または網状化したポリオ
キシメチレンと軟化点がポリオキシメチレン以下の平均
分子量1000〜1000000なる重合体の組成物も知られてい
る(特公昭56−42623号公報)。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上記特公昭48−8254号公報、特公昭55
−19942号公報、特公昭56−42623号公報に記載された樹
脂組成物は得られた成形品の結晶構造の微細化、均質化
が不十分で、また内部歪の緩和が不十分であるため、熱
処理時の機械的強度の低下が問題となり、電気・電子機
器用品、自動車部品等の用途に要求されるさらに高い耐
久性を満足するものではない。
−19942号公報、特公昭56−42623号公報に記載された樹
脂組成物は得られた成形品の結晶構造の微細化、均質化
が不十分で、また内部歪の緩和が不十分であるため、熱
処理時の機械的強度の低下が問題となり、電気・電子機
器用品、自動車部品等の用途に要求されるさらに高い耐
久性を満足するものではない。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、ポリオキシメチレン樹脂に対して脂肪族ポリエーテ
ルおよび/または脂肪族ポリエステルを配合してなる樹
脂組成物が極めて微細で均質な結晶構造を有し、内部歪
が緩和された機械的強度、表面外観および耐熱エージン
グ性に優れた成型品が得られることを見いだし、本発明
に到達した。
果、ポリオキシメチレン樹脂に対して脂肪族ポリエーテ
ルおよび/または脂肪族ポリエステルを配合してなる樹
脂組成物が極めて微細で均質な結晶構造を有し、内部歪
が緩和された機械的強度、表面外観および耐熱エージン
グ性に優れた成型品が得られることを見いだし、本発明
に到達した。
即ち、本発明は、(a)トリオキサンと(b)エチレ
ンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、
1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選
ばれた少なくとも1種の環状エーテル化合物および
(c)フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジ
ルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重
合して得られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量
部に対して、脂肪族ポリエーテル[II]および/または
脂肪族ポリエステル[III]0.01〜20重量部を含有して
なるポリオキシメチレン樹脂組成物を提供するものであ
る。
ンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、
1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選
ばれた少なくとも1種の環状エーテル化合物および
(c)フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジ
ルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重
合して得られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量
部に対して、脂肪族ポリエーテル[II]および/または
脂肪族ポリエステル[III]0.01〜20重量部を含有して
なるポリオキシメチレン樹脂組成物を提供するものであ
る。
本発明はまた、(a)トリオキサンと(b)エチレン
オキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、1,
3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選ば
れた少なくとも1種の環状エーテル化合物および(c)
フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエー
テルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重合して
得られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対
して、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族
ポリエステル[III]0.01から20重量部を溶融混合する
ことを特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物の製造
方法を提供するものである。
オキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、1,
3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選ば
れた少なくとも1種の環状エーテル化合物および(c)
フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエー
テルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重合して
得られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対
して、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族
ポリエステル[III]0.01から20重量部を溶融混合する
ことを特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物の製造
方法を提供するものである。
本発明のポリオキシメチレン樹脂[I]の製造方法は
特に限定されない。例えば(a)成分のトリオキサンと
(b)成分のエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、
1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−
トリオキソカンから選ばれた少なくとも1種の環状エー
テル化合物及び(c)成分のフェニルグリシジルエーテ
ル、ナフチルグリシジルエーテルから選ばれた少なくと
も1種の化合物をシクロヘキサンのような有機溶媒中に
溶解、あるいは懸濁した後、ルイス酸触媒を添加して重
合し、不安定末端を分解除去して製造することができ
る。好ましくは溶媒を全く使用せずにセルフクリーニン
グ型撹拌機を使用して塊状重合し、ヒンダードアミン化
合物で触媒失活させた後、不安定末端を分解除去して製
造する方法が挙げられる。ルイス酸触媒としては、三フ
ッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および酸素または硫
黄原子を有する有機化合物と三フッ化ホウ素との配位化
合物が好ましく使用される。ルイス酸触媒の添加量は、
トリオキサン100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範
囲が好ましく、特に好ましくは0.005〜0.05重量部の範
囲である。また、塊状重合反応温度は60〜120℃の範囲
が好ましく、特に60〜90℃の範囲が好ましい。触媒を失
活させるヒンダードアミン化合物とは、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ
ート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル
−2,2,6,6テトラメチルピペリジン重縮合物、1−[2
−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3.
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンな
どのような分子中にヒンダードアミン骨格を有する化合
物を意味し、その添加量は、触媒のホウ素原子1個に対
してヒンダードアミン化合物中の窒素原子0.1〜20個に
相当する量を添加するのが好ましい。
特に限定されない。例えば(a)成分のトリオキサンと
(b)成分のエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、
1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−
トリオキソカンから選ばれた少なくとも1種の環状エー
テル化合物及び(c)成分のフェニルグリシジルエーテ
ル、ナフチルグリシジルエーテルから選ばれた少なくと
も1種の化合物をシクロヘキサンのような有機溶媒中に
溶解、あるいは懸濁した後、ルイス酸触媒を添加して重
合し、不安定末端を分解除去して製造することができ
る。好ましくは溶媒を全く使用せずにセルフクリーニン
グ型撹拌機を使用して塊状重合し、ヒンダードアミン化
合物で触媒失活させた後、不安定末端を分解除去して製
造する方法が挙げられる。ルイス酸触媒としては、三フ
ッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および酸素または硫
黄原子を有する有機化合物と三フッ化ホウ素との配位化
合物が好ましく使用される。ルイス酸触媒の添加量は、
トリオキサン100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範
囲が好ましく、特に好ましくは0.005〜0.05重量部の範
囲である。また、塊状重合反応温度は60〜120℃の範囲
が好ましく、特に60〜90℃の範囲が好ましい。触媒を失
活させるヒンダードアミン化合物とは、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ
ート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル
−2,2,6,6テトラメチルピペリジン重縮合物、1−[2
−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3.
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンな
どのような分子中にヒンダードアミン骨格を有する化合
物を意味し、その添加量は、触媒のホウ素原子1個に対
してヒンダードアミン化合物中の窒素原子0.1〜20個に
相当する量を添加するのが好ましい。
本発明のポリオキシメチレン樹脂[I]における
(b)成分のエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、
1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−
トリオキソカンから選ばれた少なくとも1種の環状エー
テル化合物の共重合量は、(a)成分のトリオキサン10
0重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1
〜7重量部である。0.01重量部以下では熱安定性が低下
し、20重量部以上では、機械的強度の優れたポリマを得
ることが困難であるため好ましくない。
(b)成分のエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、
1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−
トリオキソカンから選ばれた少なくとも1種の環状エー
テル化合物の共重合量は、(a)成分のトリオキサン10
0重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1
〜7重量部である。0.01重量部以下では熱安定性が低下
し、20重量部以上では、機械的強度の優れたポリマを得
ることが困難であるため好ましくない。
本発明のポリオキシメチレン樹脂[I]における
(c)成分のフェニルグリシジルエーテル、ナフチルグ
リシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物
の共重合量は、(a)成分のトリオキサン100重量部に
対して0.001〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.0
1〜5重量部の範囲である。0.001重量部未満では成形歪
緩和の改良効果が小さく、10重量部を越えると衝撃強度
が低下するため好ましくない。
(c)成分のフェニルグリシジルエーテル、ナフチルグ
リシジルエーテルから選ばれた少なくとも1種の化合物
の共重合量は、(a)成分のトリオキサン100重量部に
対して0.001〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.0
1〜5重量部の範囲である。0.001重量部未満では成形歪
緩和の改良効果が小さく、10重量部を越えると衝撃強度
が低下するため好ましくない。
本発明のポリオキシメチレン樹脂[I]の重合度は、
80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレットを用
い、ASTM D1238に従って、温度190℃、荷重2190gで測
定したMI値で、1〜60g/分の範囲にあることが好まし
い。MI値が1g/分より小さいと射出成形時の流動性が低
下し、薄肉成形品が成形できないため好ましくない。ま
た、60g/分を越えると重合度が低いため、衝撃強度が問
題となるため好ましくない。
80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレットを用
い、ASTM D1238に従って、温度190℃、荷重2190gで測
定したMI値で、1〜60g/分の範囲にあることが好まし
い。MI値が1g/分より小さいと射出成形時の流動性が低
下し、薄肉成形品が成形できないため好ましくない。ま
た、60g/分を越えると重合度が低いため、衝撃強度が問
題となるため好ましくない。
本発明で使用される脂肪族ポリエーテル[II]とは、
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド/プロピレン
オキシド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド/テト
ラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオ
キシド)グリコールのエチレンオキシド付加物およびこ
れらの誘導体が挙げられる。
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレ
ンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド/プロピレン
オキシド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド/テト
ラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオ
キシド)グリコールのエチレンオキシド付加物およびこ
れらの誘導体が挙げられる。
上記脂肪族ポリエーテル[II]の平均分子量は、100
〜50000の範囲にあるのが好ましく、特に好ましくは100
0〜30000の範囲である。平均分子量が100未満の場合に
は、脂肪族ポリエーテルが成型品表面にブリードして商
品価値を低下するため好ましくない。また、50000以上
の場合には、成型歪の緩和が小さく、機械的強度低下が
大きいため使用されない。
〜50000の範囲にあるのが好ましく、特に好ましくは100
0〜30000の範囲である。平均分子量が100未満の場合に
は、脂肪族ポリエーテルが成型品表面にブリードして商
品価値を低下するため好ましくない。また、50000以上
の場合には、成型歪の緩和が小さく、機械的強度低下が
大きいため使用されない。
また、本発明で使用される脂肪族ポリエステル[II
I]とは、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸と炭素数
2〜10の脂肪族ジオールからなるポリエステル、ラクト
ン類を開環重合して得られるポリエステルを意味し、具
体的にはポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレン
アジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(ブ
チレンセバケート)、ポリ(ε−カプロラクトン)など
が挙げられる。
I]とは、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸と炭素数
2〜10の脂肪族ジオールからなるポリエステル、ラクト
ン類を開環重合して得られるポリエステルを意味し、具
体的にはポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレン
アジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(ブ
チレンセバケート)、ポリ(ε−カプロラクトン)など
が挙げられる。
上記脂肪族ポリエステル[III]の平均分子量は、100
〜50000の範囲にあるのが好ましく、特に好ましくは100
0〜30000の範囲である。平均分子量が100未満の場合に
は、脂肪族ポリエステルが成型品表面にブリードして商
品価値を低下するため好ましくない。また、50000を越
える場合には、成型歪の緩和が小さく、機械的強度低下
が大きいために使用されない。
〜50000の範囲にあるのが好ましく、特に好ましくは100
0〜30000の範囲である。平均分子量が100未満の場合に
は、脂肪族ポリエステルが成型品表面にブリードして商
品価値を低下するため好ましくない。また、50000を越
える場合には、成型歪の緩和が小さく、機械的強度低下
が大きいために使用されない。
本発明においては、ポリオキシメチレン樹脂に脂肪族
ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルを添加
することにより初めて、成型歪が緩和され、表面外観、
結晶性、機械的強度、耐熱エージング性に優れたポリオ
キシメチレン樹脂が得られるものである。脂肪族ポリエ
ーテル[II]および/または脂肪族ポリエステル[II
I]を添加することが重要であり、脂肪族ポリエーテル
[II]および/または脂肪族ポリエステル[III]の添
加量は、ポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対
して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部
である。0.01重量部未満では成型歪の改良効果が小さ
く、20重量部を越えると引張強度に代表される機械的強
度が低下するため好ましくない。
ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルを添加
することにより初めて、成型歪が緩和され、表面外観、
結晶性、機械的強度、耐熱エージング性に優れたポリオ
キシメチレン樹脂が得られるものである。脂肪族ポリエ
ーテル[II]および/または脂肪族ポリエステル[II
I]を添加することが重要であり、脂肪族ポリエーテル
[II]および/または脂肪族ポリエステル[III]の添
加量は、ポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対
して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部
である。0.01重量部未満では成型歪の改良効果が小さ
く、20重量部を越えると引張強度に代表される機械的強
度が低下するため好ましくない。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法と
しては、通常公知の方法が採用できる。例えば、ポリオ
キシメチレン樹脂[I]の重合ないしは安定化工程で、
脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族ポリエ
ステル[III]を添加する方法、ポリオキシメチレン樹
脂[I]、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂
肪族ポリエステル[III]をペレット状、粉状、または
粒状で混合し、このまま溶融加工してもよいが、バンバ
リーミキサー、ロール、押出機等により溶融混合する方
法も採用できる。特に好ましくは1軸ないしは2軸の押
出機を使用して、150〜250℃の温度で溶融混合する方法
が好ましい。
しては、通常公知の方法が採用できる。例えば、ポリオ
キシメチレン樹脂[I]の重合ないしは安定化工程で、
脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族ポリエ
ステル[III]を添加する方法、ポリオキシメチレン樹
脂[I]、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂
肪族ポリエステル[III]をペレット状、粉状、または
粒状で混合し、このまま溶融加工してもよいが、バンバ
リーミキサー、ロール、押出機等により溶融混合する方
法も採用できる。特に好ましくは1軸ないしは2軸の押
出機を使用して、150〜250℃の温度で溶融混合する方法
が好ましい。
また、本発明の組成物には本発明の効果を損なわない
範囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チ
タン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維セラミック繊維、アラミド
繊維、チタン酸カリ繊維のような補強剤、着色剤(顔
料、染料)、核剤可塑剤、エチレンビスステアロアミ
ド、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボンブ
ラックのような導電剤、ヒンダードフェノール化合物、
チオエーテル系化合物、ホスファイト系化合物のような
酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、ベンゾフェノン
系化合物、ベンゾトリアゾール化合物のような光安定
剤、メラミン、グアニジン、ナイロン、ジシアンジアミ
ドのようなホルムアルデヒド捕捉剤、粘着剤、滑剤、耐
加水分解改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有さ
せることができる。
範囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チ
タン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維セラミック繊維、アラミド
繊維、チタン酸カリ繊維のような補強剤、着色剤(顔
料、染料)、核剤可塑剤、エチレンビスステアロアミ
ド、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボンブ
ラックのような導電剤、ヒンダードフェノール化合物、
チオエーテル系化合物、ホスファイト系化合物のような
酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、ベンゾフェノン
系化合物、ベンゾトリアゾール化合物のような光安定
剤、メラミン、グアニジン、ナイロン、ジシアンジアミ
ドのようなホルムアルデヒド捕捉剤、粘着剤、滑剤、耐
加水分解改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有さ
せることができる。
<実施例> 以下に実施例によって本発明を説明する。なお、実施
例中の%及び部はすべて重量基準である。
例中の%及び部はすべて重量基準である。
また、実施例及び比較例中に示される成形品の機械物
性、MI値、ポリマ融点、結晶化温度および耐熱エージン
グ性は次のようにして測定した。
性、MI値、ポリマ融点、結晶化温度および耐熱エージン
グ性は次のようにして測定した。
・射出成形:5オンスの射出能力を有する射出成形機を用
いて、シリンダ温度190℃、金型温度65℃、成形サイク
ル50秒に設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾッ
ト衝撃試験片を射出成形した。この際、ASTM1号ダンベ
ル試験片の外観を目視で観察した。
いて、シリンダ温度190℃、金型温度65℃、成形サイク
ル50秒に設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾッ
ト衝撃試験片を射出成形した。この際、ASTM1号ダンベ
ル試験片の外観を目視で観察した。
・機械物性:上記射出成形で得られたASTM1号ダンベル
試験片を用い、ASTM−D638法に準じて引張強度を、また
アイゾット衝撃試験片を用い、ASTM D−256法に準じ
て衝撃強度を測定した。
試験片を用い、ASTM−D638法に準じて引張強度を、また
アイゾット衝撃試験片を用い、ASTM D−256法に準じ
て衝撃強度を測定した。
・MI値:80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレッ
トを用い、ASTM−D1238に従って、温度190℃、荷重2190
グラムで測定した。
トを用い、ASTM−D1238に従って、温度190℃、荷重2190
グラムで測定した。
・融点(Tm)、結晶化温度(Tc):差動走査熱量計(DS
C)を使用して窒素雰囲気下、80℃から10℃/分の速度
で220℃まで昇温し5分間220℃で保持したのち、10℃/
分の速度で降温し、結晶化温度を測定した。更に、110
℃まで冷却後再び10℃/分の速度で昇温して、融点を測
定した。
C)を使用して窒素雰囲気下、80℃から10℃/分の速度
で220℃まで昇温し5分間220℃で保持したのち、10℃/
分の速度で降温し、結晶化温度を測定した。更に、110
℃まで冷却後再び10℃/分の速度で昇温して、融点を測
定した。
・耐熱エージング性:上記射出成型で得られたASTM1号
ダンベルを150℃に設定したオーブン中に静置し、所定
時間後とりだしてASTM−D638法に従って引張強度を測定
した。
ダンベルを150℃に設定したオーブン中に静置し、所定
時間後とりだしてASTM−D638法に従って引張強度を測定
した。
参考例 実施例および比較例に使用したポリオキシメチレン樹
脂[I]は次のような方法で製造した。
脂[I]は次のような方法で製造した。
100mmφ、シリンダー長さ(L)/シリンダー径
(D)=10の2軸の連続型混合機(栗本鉄工所製“KRC
ニーダ"S−4型)にトリオキサン、(b)成分の化合
物、(c)成分の化合物、およびトリオキサンに対して
100ppmの三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(2.5%
ベンゼン溶液)、重合度調節剤のメチラールをそれぞれ
供給し、連続重合を行なった。重合温度は外部ジャケッ
ト温度を温水で60℃にコントロールし、回転数は60rpm
で行った。分子量調節剤としてのメチラールは、トリオ
キサン中に溶解した。又、(b)成分の化合物と触媒溶
液は、ニーダーへ供給する直前に予備混合されるように
予備混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として得
られた。
(D)=10の2軸の連続型混合機(栗本鉄工所製“KRC
ニーダ"S−4型)にトリオキサン、(b)成分の化合
物、(c)成分の化合物、およびトリオキサンに対して
100ppmの三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(2.5%
ベンゼン溶液)、重合度調節剤のメチラールをそれぞれ
供給し、連続重合を行なった。重合温度は外部ジャケッ
ト温度を温水で60℃にコントロールし、回転数は60rpm
で行った。分子量調節剤としてのメチラールは、トリオ
キサン中に溶解した。又、(b)成分の化合物と触媒溶
液は、ニーダーへ供給する直前に予備混合されるように
予備混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として得
られた。
この様にして得られた微粉末10kgに対して、27gのビ
ス(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバ
ケートを200mlのベンゼンに溶解した溶液を添加して触
媒失活を行った後、更にステアリン酸カルシウム10g、
1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
[チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)社製“イルガノック
ス(Irganox)"245]50gを添加してヘンシェルミキサー
中で10分間撹拌した。得られた混合物を35mmφ、L/D=3
0のベント付2軸押出機を使用して、シリンダー温度230
℃、ベントの真空度5Torrの条件で溶融安定化を行った
後、水中に吐出しカッティングを行ってペレット状のポ
リオキシメチレン樹脂を得た。
ス(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバ
ケートを200mlのベンゼンに溶解した溶液を添加して触
媒失活を行った後、更にステアリン酸カルシウム10g、
1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
[チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)社製“イルガノック
ス(Irganox)"245]50gを添加してヘンシェルミキサー
中で10分間撹拌した。得られた混合物を35mmφ、L/D=3
0のベント付2軸押出機を使用して、シリンダー温度230
℃、ベントの真空度5Torrの条件で溶融安定化を行った
後、水中に吐出しカッティングを行ってペレット状のポ
リオキシメチレン樹脂を得た。
・実施例1〜9および比較例1〜2 参考例に従って製造したポリオキシメチレン樹脂
[I]、および脂肪族ポリエーテル[II]、脂肪族ポリ
エステル[III]をドライブレンドし、45mmφL/D=31.5
のベント付き2軸押出機で220℃で溶融混練し、水中に
吐出カッティングしてペレットを得た。
[I]、および脂肪族ポリエーテル[II]、脂肪族ポリ
エステル[III]をドライブレンドし、45mmφL/D=31.5
のベント付き2軸押出機で220℃で溶融混練し、水中に
吐出カッティングしてペレットを得た。
表1.〜表2.に使用したポリオキシメチレン樹脂
[I]、および脂肪族ポリエーテル[II]、脂肪族ポリ
エステル[III]の種類と配合比、また得られた物性を
示した。表1.〜表2.の結果から本発明の組成物が優れた
表面外観、融点(Tm)と結晶化温度(Tc)の差が小さい
ことから結晶性に優れ、また機械的強度や耐熱エージン
グ性に優れていることが明かである。
[I]、および脂肪族ポリエーテル[II]、脂肪族ポリ
エステル[III]の種類と配合比、また得られた物性を
示した。表1.〜表2.の結果から本発明の組成物が優れた
表面外観、融点(Tm)と結晶化温度(Tc)の差が小さい
ことから結晶性に優れ、また機械的強度や耐熱エージン
グ性に優れていることが明かである。
<発明の効果> 本発明の組成物は、結晶性、成形品の表面外観や耐熱
エージング性に優れているため、押出成形や射出成形、
特に射出成形により電気・電子部品や自動車部品などに
広範囲に使用することができる。
エージング性に優れているため、押出成形や射出成形、
特に射出成形により電気・電子部品や自動車部品などに
広範囲に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−209217(JP,A) 特開 昭57−128740(JP,A) 特公 昭48−25408(JP,B1) 特公 昭44−864(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 59/00 - 59/04
Claims (2)
- 【請求項1】(a)トリオキサンと(b)エチレンオキ
シド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、1,3,5
−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選ばれ
た少なくとも1種の環状エーテル化合物および(c)フ
ェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテ
ルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重合して得
られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対し
て、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族ポ
リエステル[III]0.01〜20重量部を含有してなるポリ
オキシメチレン樹脂組成物。 - 【請求項2】(a)トリオキサンと(b)エチレンオキ
シド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパン、1,3,5
−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンから選ばれ
た少なくとも1種の環状エーテル化合物および(c)フ
ェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテ
ルから選ばれた少なくとも1種の化合物を共重合して得
られるポリオキシメチレン樹脂[I]100重量部に対し
て、脂肪族ポリエーテル[II]および/または脂肪族ポ
リエステル[III]0.01から20重量部を溶融混合するこ
とを特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26452289A JP2903566B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26452289A JP2903566B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03126751A JPH03126751A (ja) | 1991-05-29 |
JP2903566B2 true JP2903566B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=17404425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26452289A Expired - Lifetime JP2903566B2 (ja) | 1989-10-11 | 1989-10-11 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2903566B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2975035B2 (ja) * | 1990-01-18 | 1999-11-10 | 旭化成工業株式会社 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
JP2006111821A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Polyplastics Co | ポリエステル樹脂組成物 |
JP2007204649A (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-16 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形品 |
-
1989
- 1989-10-11 JP JP26452289A patent/JP2903566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03126751A (ja) | 1991-05-29 |
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