JPH06833B2 - オキシメチレンコポリマの製造方法 - Google Patents

オキシメチレンコポリマの製造方法

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JPH06833B2
JPH06833B2 JP23220786A JP23220786A JPH06833B2 JP H06833 B2 JPH06833 B2 JP H06833B2 JP 23220786 A JP23220786 A JP 23220786A JP 23220786 A JP23220786 A JP 23220786A JP H06833 B2 JPH06833 B2 JP H06833B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <従来の技術> トリオキサン単独、又はトリオキサンと環状エーテルを
塊状重合させてポリアセタールホモポリマ又はコポリマ
を得ることは、例えば特公昭44-5234号公報等で公知で
ある。
得られたポリマは、このままでは熱的に不安定であるた
め、ホモポリマの場合には、エステル化などにより末端
基を封鎖して、又コポリマの場合には、不安定末端部分
を分解除去して安定化されているが、それに先立って触
媒を失活させ、重合反応を停止することが必要である。
即ち、トリオキサン等をカチオン重合して得られるオキ
シメチレンホモポリマやコポリマは、その中に残存して
いる触媒を失活させないと、徐々に解重合を起こし、著
しい分子量の低下が生じたり、熱的に極端に不安定なポ
リマとなる。
三フッ化ホウ素系重合触媒の失活に関しては、特公昭55
-45087号公報、特公昭55-50485号公報に、トリオキサン
等を三フッ化ホウ素系触媒で塊状重合した後、三価のリ
ン化合物を添加する方法が記載されている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、三価のリン化合物で三フッ化ホウ素系重
合触媒を失活しても、失活効果が十分でなく、ポリマを
溶融した場合にやはり解重合が生じ、分子量の低下が見
られる。特にポリマを230℃以上の高温で溶融した場合
には、著しく分子量が低下する。
そこで、本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決
し、熱安定性の優れたオキシメチレンコポリマの製造方
法について鋭意検討した結果、本発明に到達したもので
ある。
<問題点を解決するための手段> 即ち、本発明は、トリオキサンと環状エーテルの混合物
を三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ
化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物
との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種
の重合触媒の存在下、塊状重合させてオキシメチレン単
位と他のオキシアルキレン単位を含むオキシメチレンコ
ポリマを製造するに際して、重合終了後に下記一般式
(I)で表わされるヒンダードアミン化合物を添加して三
フッ化ホウ素系触媒を失活させ、さらに安定剤を添加
し、100〜260℃の温度範囲で加熱することを特徴とする
オキシメチレンコポリマの製造方法である。
(式中、Xは酸素原子、イオウ原子もしくは2個の水素
原子を表わし、R1は水素原子、−O、アルキル基、
置換アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリー
ル基、置換アリール基またはアシル基を表わす。R2
3、R4、R5 は炭素数1〜5のアルキル基を表わ
し、互いに同じであっても異なっていても良い。R6
は水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基を表わ
す。また、R4とR6が結合して双環状構造を形成しても
良く、その場合はR5 が水素であっても良い。R7は水
素または、n価の有機残基を表わし、nは1〜10の整数
を表わす。)。
本発明で使用される環状エーテルとは、下記一般式(II)
で示される化合物を意味する。
(ただし、式中Y1〜Y4は、水素原子、炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換アルキル基を示
し、それぞれ同一であつても異なつていても良い。又、
Xはメチレン又はオキシメチレン基を表わし、アルキル
基やハロゲン置換アルキル基で置換されていても良く、
mは0〜3の整数を示す。あるいは、Xは−(CH2)p
−O−CH2−又は−O−CH2−(CH2)p−O−CH2−であ
つても良く、この場合はm=1であつて、pは1〜3の
整数である。)。
上記一般式(II)で示される環状エーテルの中で、特に好
ましい化合物として、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、
1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、
1,3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリンなど
が挙げられる。
本発明の環状エーテルの共重合量は、トリオキサンに対
して0.1〜10モル%、特い好ましくは0.2〜5モル%の範
囲にあることが必要で、0.1モル%以下では、不安定末
端部分を分解除去して安定化した際のポリマ収率が低
く、生産性を低下するため好ましくない。又、10モル%
以上では、ポリマの融点や結晶性が低下し、機械的強度
や成形性が悪くなるため好ましくない。
本発明の重合触媒は、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素
水和物及び酸素又はイオウ原子を有する有機化合物と三
フッ化ホウ素との配位化合物の群より選ばれる一種以上
の化合物が、ガス状、液状又は適当な有機溶剤の溶液と
して使用される。
三フッ化ホウ素との配位化合物を形成する酸素又はイオ
ウ原子を有する有機化合物としては、アルコール、エー
テル、フェノール、スルフイド等が挙げられる。
これらの触媒の中で、特に三フッ化ホウ素の配位化合物
が好ましく、とりわけ、三フッ化ホウ素・ジエチルエー
テラート、三フッ化ホウ素・ジブチルエーテラートが好
ましく使用される。
本発明の重合触媒用溶剤としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水
素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、クロ
ロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタンの
ようなハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トンのようなケトン類が使用される。
重合触媒の添加量は、トリオキサン1モルに対して、5
×10-6〜1×10-1モルの範囲であり、特に好ましくは1
×10-5〜1×10-2モルの範囲である。
トリオキサン単独又はトリオキサンと環状エーテルを塊
状で重合させる種々の装置が知られているが、本発明で
使用する塊状重合は、特に装置により限定されるもので
はなく、又トリオキサンに対して10重量%以下ならば、
シクロヘキサンのような有機溶媒の存在下で行う重合反
応にも適用できる。
環状重合においては、重合時の急激な固化や発熱が生じ
るため、強力な撹拌能力を有し、かつ反応温度が制御で
きる装置が、特に好ましく使用される。
このような性能を有する本発明の塊状重合装置として
は、シグマ型撹拌翼を有するニーダー、反応帯域として
円筒バレルを用い、そのバレルの中に同軸かつ多数の中
断した山を有するスクリュを備え、この中断部とバレル
内面に突出した歯とがかみ合うように作動する混合機、
加熱又は冷却溶のジャケットを有する長いケースに一対
の互いにかみ合うような平行スクリュを持つ通常のスク
リュ押出機、二本の水平撹拌軸に多数のパドルを有し、
該軸を同時に同方向に回転した際に、互いに相手のパド
ル面及びケース内面との間にわずかなクリアランスを保
つて回転するセルフクリーニング型混合機等を挙げるこ
とができる。
又、塊状重合においては、重合反応初期に急速に固化す
るため、強力な撹拌能力が必要であるが、一旦粉砕され
てしまえば、あとは大きな撹拌能力を必要としないた
め、塊状重合工程を二段階に分けても良い。
塊状重合反応温度は、トリオキサンの融点近傍から沸点
近傍の温度範囲、即ち60〜115℃の範囲が好ましく、特
に60〜90℃の範囲が好ましい。
重合初期においては、反応熱や固化することによる摩擦
熱のために、重合反応装置内の温度が特に上昇しがちで
あるので、ジャケットに冷却水を通すなどして反応温度
をコントロールすることが望ましい。
本発明で用いられる前記一般式(I)で表わされる化合物
としては次に示すような化合物があげられる。
これらのヒンダードアミン化合物の中で、三級アミン型
のヒンダードアミン化合物が、得られたポリマの色調が
優れるため、特に好ましく使用される。
本発明のヒンダードアミン化合物は、そのままの形で添
加しても良いが、重合触媒との接触を促進する意味で有
機溶媒の溶液として添加しても良い。その際の有機溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香
族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキ
サンのような脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール
などのアルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、
1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素、
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類が挙げ
られる。
ヒンダードアミン化合物の添加量は、使用した重合触媒
の三フッ化ホウ素系触媒のホウ素原子数に対して、同数
以上のヒンダードアミン構造を有する窒素原子が存在す
ることが好ましい。窒素原子数がホウ素原子数より少な
くても触媒失活効果は見られるが、得られたポリマの耐
熱安定性が若干低下するので、目的とする耐熱安定性の
程度に応じて添加量を調整する必要がある。
本発明で使用する安定剤としては、酸化防止剤が挙げら
れ、具体例としては、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフエニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエ
チレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピロネート〕、N,N′−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマイド)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n
−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネ
ート−ジエチルエステル、1,3,5−トリス(4−t
−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジ
ル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−
ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレン−ビス
(4−メチル−6−tブチルフェノール)、N,N′−
ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒンダード
フェノール化合物、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイト、ジトリデシルペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ジノニルフェニル
ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、ビスフェノールAペンタエリ
スリトールホスファイト、トリラウリルトリチオホスフ
ァイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエ
リスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノール
Aホスファイトポリマ、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホス
ファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデ
シルホスファイトなどのリン系化合物、ジラウリルチオ
ジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ジトリデシルチオジプロピオネート、4,4′−チ
オ−ビス(3−メチル−5−t−ブチルフェノール)と
トリデシルチオプロピオン酸のエステル、ペンタエリス
リトールとドデシルチオプロピオン酸のエステルなどの
硫黄系化合物が挙げられる。
また、ホルムアルデヒドと反応してホルムアルデヒドを
吸収することのできる、いわゆるホルムアルデヒド吸収
剤も本発明の安定剤として使用することができ、アミド
化合物、ウレタン化合物、ピリジン誘導体、ピロリドン
誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導体、ヒドラジン誘
導体、アミジン化合物が挙げられ、具体的には、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジフェニルホルムアミド、N,N−ジフェ
ニルアセトアミド、N,N−ジフェニルベンズアミド、
N,N,N′,N′−テトラメチルアジパミド、シュウ酸
ジアニリド、アジピン酸ジアニリド、α−(N−フェニ
ル)アセトアニリド、ナイロン6、ナイロン11、ナイ
ロン12などのラクタム類の単独重合体ないしは共重合
体、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダ
イマ酸のような二価カルボン酸とエチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタ
キシリレンジアミンのようなジアミンから誘導されるポ
リアミド単独重合体ないしは共重合体、ラクタム類とジ
カルボン酸およびジアミンから誘導されるポリアミド共
重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
N,N−ビス(ヒドロキシメチル)スベルアミド、ポリ
(γ−メチルグルタメート)、ポリ(γ−エチルグルタ
メート)、ポリ(N−ビニルラクタム)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)などのアミド化合物、トルエンジイソ
シアネート、ジゥエニルメタンジイソシアネートなどの
ジイソシアネートと1,4−ブタンジオールなどのグリ
コールおよびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなど
の高分子グリコールから誘導されるポリウレタン、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、アストグアナミン、N−ブチ
ルメタミン、N−フェニルメラミン、N,N′−ジフェ
ニルメラミ、N,N′,N′′−トリフェニルメラミン、
N−メチロールメラミン、N,N′−ジメチロールメラ
ミン、N,N′,N′′−トリメチロールメラミン、2,
4−ジアミノ−6−ベンジルオキシトリアジン、2,4
−ジアミノ−6−ブトキシトリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−シクロヘキシルトリアジン、メレム、メラムな
どのトリアジン誘導体、N−フェニル尿素、N,N′−
ジフェニル尿素、チオ尿素、N−フェニルチオ尿素、
N,N′−ジフェニルチオ尿素、ノナメチレンポリ尿素
などの尿素誘導体、フェニルヒドラジン、ジフェニルヒ
ドラジン、ベンズアルデヒドのヒドラジン、セミカルバ
ゾン、1−メチル−1−フェニルヒドラジン、チオセミ
カルバゾン、4−(ジアルキルアミノ)ベンズアルデヒ
ドのヒドラジン、1−メチル−1−フェニルヒドラゾ
ン、チオセミカルバゾンなどのヒドラジン誘導体、ジシ
アンジアミド、グアンチジン、グアニジン、アミノグア
ニジン、グアニン、グアナクリン、グアノクロール、グ
アノキサン、グアノシン、アミロリド、N−アミジノ−
3−アミノ−6−クロロピラジンカルボキシアミドなど
のアミジン化合物、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ
(2−メチル−5−ビニルピリジン)、ポリ(2−エチ
ル−5−ビニルピリジン)、2−ビニルピリジン−2−
メチル−5−ビニルピリジン共重合体、2−ビニルピリ
ジン−スチレン共重合体などのピリジン誘導体などであ
る。
これらの安定剤の中でも特に、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−
トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N′−ヘキサ
メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)などのヒダードフェノール化
合物が好ましく、さらにこれらの化合物とホルムアルデ
ヒド吸収剤、特にダイマ酸系ポリアミド、メラミン、グ
アナミン、ベンゾグアナミン、N−メチロール化メラミ
ン、N−メチロール化ベンゾグアナミン、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂、ジシアンジアミト、グアニジン、ポリ
(N−ビニルピロリドン)、ポリ(2−ビニルピリジ
ン)、ポリ尿素、メレム、メラムを併用すると特に好ま
しい。
安定剤の添加量は、オキシメチレンコポリマに対して0.
01〜10.0重量%、好ましくは0.02〜5.0重量%、さらに
好ましくは0.05〜3.0重量%であり0.01重量%未満では
耐熱性の向上効果が十分でなく、10.0重量%を越えると
安定剤がオキシメチレンコポリマの表面に白粉状に析出
して商品価値を低下させるため好ましくない。
本発明の製造方法においては、安定剤の他に末端分解促
進剤を併用すると不安定末端や速やかに分解除去される
ので好ましい。末端分解促進剤としては、アルカリ金属
水酸化物、アルカリ金属無機弱酸塩、アルカリ金属有機
酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノ
キシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属
無機弱酸塩、アルカリ土類金属有機酸塩、アルカリ土類
金属アルコキシド、アルカリ土類金属フェノキシドが挙
げられるが、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、もしくはバリウムの水
酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ギ酸
塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、マ
ロン酸塩、グルタル酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、
安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル
酸塩、P−トルイル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、P−
トルエンスルホン酸塩、P−スルホ安息香酸塩、スルホ
イソフタル酸塩、スルホテレフタル酸塩、メトキシド、
エトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、もし
くはフェノキシドが挙げられる。
好ましくは水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水
酸化バリウムである。
末端分解促進剤の添加量はオキシメチレンコポリマに対
して0.01〜10.0重量%、好ましくは0.02〜5.0重量%、
さらに好ましくは0.05〜3.0重量%である。0.01重量%
未満では、添加効果がなく、また、10重量%を越えると
ポリマの耐加水分解性などが低下するので好ましくな
い。
本発明では、トリオキサンと感情エーテル及び/又は環
状アセタールとの混合物を三フッ化ホウ素系触媒を用い
て塊状重合し、得られた重合体にヒンダードアミン化合
物を添加して触媒を失活させた後、安定剤を添加して10
0〜260℃の温度範囲、好ましくはコポリマの融点以上の
温度に加熱してオキシメチレンコポリマを製造する。
本発明では、オキシメチレンコポリマの重合触媒をヒン
ダードアミン化合物で失活し、しかも失活した触媒がポ
リマ中に存在しても、熱安定性に優れたポリマの製造方
法を提供するものであり、ヒダードアミン化合物で触媒
失活させたポリマに対して、本発明の安定剤が効果的に
作用して、従来のリン化合物で触媒失活されたポリマで
は得られなかった耐熱に優れたオキシメチレンコポリマ
の製造方法を提供するものである。
本発明により製造されたオキシメチレンコポリマは、成
形性、機械的性質、溶融安定性や耐熱エージング性に優
れているため、機械機構部品、自動車部品、電気・電子
部品など広範な用途で使用することができる。
<実施例> 次に実施例及び比較例にり本発明を説明する。なお、実
施例及び比較例中に示される成形品の表面状態、機械物
性、相対粘度ηr、加熱分解率K、ポリマ融点(Tm)及び
結晶化温度(Tc)を次のようにして測定した。
成形品の表面状態: 5オンスの射出能力を有する射出成形機を用いて、シリ
ンダ温度230℃、金型温度60℃及び成形サイクル50秒に
設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾット衝撃試
験片を射出成形した。得られたASTM 1号ダンベル試験
片の表面状態を肉眼で観察した。
機械物性: 上記射出成形で得られたASTM 1号ダンベル試験片を用
い、ASTM D−638法に準じて引張特性を測定した。
又、アイゾット衝撃試験片を用い、ASTM D−256法に
準じて衝撃強度を測定した。
相対粘度ηr: 2%のα−ピネンを含有するp−クロルフェノール100m
中に、0.5gのポリマを溶解し、60℃の温度で測定し
た。
加熱分割率Kx: Kxは、x℃で一定時間放置した時の分解率を意味し、
熱天秤装置を使用して、約10mgのサンプルを、空気雰囲
気下、x℃で放置し、下記式で求めた。
Kx=(Wo−Wl)×100/Wo% ここで、Woは加熱前のサンプル重量、Wlは加熱後のサ
ンプル重量を意味する。
なお、熱天秤装置は、Dupont社の熱分析機1090/1091を
使用した。
ポリマ融点(Tm)、結晶化温度(Tc): 差動走査熱量計を使用して、窒素雰囲気下、10℃/分の
昇温速度で昇温し、ポリマ融点(Tm)を測定後、10℃/分
で降温し、結晶化温度(Tc)を測定した。
参考例1 2枚のΣ型撹拌翼を有する3のニーダを60℃に加熱
し、トリオキサン3.0kg、1,3−ジオキソラン75g、
更に触媒として三フッ化ホウ素・ジエチルエーテラート
をトリオキサン重量に対して200ppmを10%ベンゼン溶液
として添加し、30rpmで撹拌した。
数分の内に内容物は固化し反応熱及び摩擦熱によつて系
内温度が上昇したので、Σ型撹拌翼内部に冷風を通して
冷却し、更に回転数を10rpmに落として、最高温度を80
℃までにコントロールした。
そのまま撹拌を続け、60分後にポリマを取り出した。得
られたポリマは、ηr=2.46の白色粉末であつた。
このポリマをオキシメチレンコポリマAとする。
参考例2 参考例1において、1,3−ジオキソランの代わりに、
エチレンオキシド44gを使用する以外は、参考例1と同
様にポリマを塊状重合した。
得られたポリマは、ηr=2.44の白色粉末であつた。
このポリマをオキシメチレンコポリマBとする。
実施例1〜6、比較例1〜3 参考例1で得られたオキシメチレンコポリマAに対し
て、構造式I−39、I−48、I−80、I−94で表わされ
る各種ヒンダードアミン化合物を15〜20%のベンゼン溶
液として評1に示した割合で添加し、2枚のΣ型撹拌翼
を有するニーダ中、35℃、30rpmで15分間撹拌して触媒
失活を行なつた。これに耐熱安定剤として0.5重量%の
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネー
ト〕(チバ・ガイギー(Ciba-Geigy)社製”イルガノッ
クス(Irganox)”1010)を添加し、10分間で210℃まで
昇温した後、同温、30rpmで20分間撹拌した。
比較のため、ヒンダードアミン化合物の代わりにトリフ
ェニルホスフィンを使用してポリマを製造した。
得られたポリマの物性測定結果を表1にまとめた。
表1の測定結果、特に加熱分解率K222、K240の値から
明らかに、ヒンダードアミン化合物を用いて触媒失活し
たポリマは、トリフェニルホスフィンを用いて触媒失活
したポリマより耐熱安定性に優れている。また、ヒンダ
ードアミン化合物の添加量が多いほど、得られたポリマ
の耐熱安定性が優れている。ヒンダードアミン化合物の
種類が変わつても、得られるポリマの耐熱安定性は変わ
らず、機械的物性にも影響ないことがわかる。
実施例7〜14 耐熱安定剤としてのペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドトキシフ
ェニル)プロピオネート〕(チバ・ガイギー(Ciba-Gei
gy)社製”イルガノックス(Irganox)”1010)の添加
量を変える以外は、実施例2と同様にしてポリマを製造
した。また、”Irganox”1010以外の耐熱安定剤とし
て、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−tert
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕(チバ・ガイギー(Ciba-Geigy)社製”Ir
ganox”245)、1,6−ヘキサジオール−ビス−〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕(チバ・ガイギー(Ciba-Geigy)
社製”イルガノックス(Irganox)”259)、ジノニルフ
ェニルペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ・
アーガス(Adeka Argus)社製”マーク(Mark)”PE
P−4)、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3
−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌ
ル酸(アメリカン・サイアナミド(American Cyanami
d)社製”サイアノックス(Cyanox)”1790)、2,2′
−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフエ
ノール)(住友化学社製”スミライザー”MDP−S)
を使用してポリマを製造した。
これらのポリマの物性測定結果を表2にまとめた。
表2より明らかに、耐熱安定剤の添加量が多いほど耐熱
安定性に優れたポリマが得られることがわかる。ま
た、”Irganox”1010以外の耐熱安定剤を使用して
も、”Irganox”1010を使用した場合と同等の耐熱安定
性を有するポリマが得られることがわかる。
実施例15〜18 耐熱安定剤の他に、末端分解促進剤として水酸化カルシ
ウムを表3に示す割合で使用する以外は実施例2と同様
にしてポリマを製造した(実施例15)。また、水酸化カ
ルシウムの代わりに水酸化マグネシウム(実施例16)、
水酸化バリウム(実施例17)、炭酸カリウム(実施例1
8)を使用する以外は実施例15と同様にしてポリマを製
造した。
得られたポリマの物性測定結果を表3に示す。表3より
明らかに、末端分解促進剤の使用により、ポリマの耐熱
安定性が増大することがわかる。
実施例19〜22 耐熱安定剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート(チバ・ガイギー(Ciba-Geig
y)社製”イルガノックス(Irganox)”1010)の他に、
ジシアンジアミド、メラミン、ダイマ酸系ポリアミド、
ポリエーテルエステルアミドのようなホルムアルデヒド
と反応してホルムアルデヒドを吸収することのできる試
剤を併用する以外は実施例15と同様にしてポリマを製造
した。
これらのポリマの物性測定結果を表4に示す。
表4より明らかに、2種類の耐熱安定剤を併用すること
によりさらに耐熱安定性が良くなることがわかる。
実施例23〜26 参考例2で得られたコポリマBを使用する以外は、実施
例2,10,16,19と同様にしてポリマを製造した。
得られたポリマの物性測定結果を表5に示す。
表5より明らかに、コポリマBを使用しても、コポリマ
Aを使用した場合と同等の物性を有するポリマが得られ
ることがわかる。
<発明の効果> 実施例が示すように、本発明による製造法を使用するこ
とにより、洗浄による触媒の除去を行うことなく、きわ
めて簡単なプロセスで耐熱安定性に優れたオキシメチレ
ンコポリマを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリオキサンと環状エーテルとの混合物を
    三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素水和物および三フッ化
    ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物と
    の配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の
    重合触媒の存在下、塊状重合させてオキシメチレン単位
    と他のオキシアルキレン単位を含むオキシメチレンコポ
    リマを製造するに際して、重合終了後に下記一般式(I)
    で表わされるヒンダードアミン化合物を添加して三フッ
    化ホウ素系触媒を失活させ、さらに安定剤を添加し、10
    0〜260℃の温度範囲で加熱することを特徴とするオキシ
    メチレンコポリマの製造方法。 (式中、Xは酸素原子、イオウ原子もしくは2個の水素
    原子を表わし、R1は水素原子、−O、アルキル基、
    置換アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリー
    ル基、置換アリール基またはアシル基を表わす。R2
    3、R4、R5は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、
    互いに同じであっても異なっていても良い。R6は水素
    原子、または炭素数1〜5のアルキル基を表わす。ま
    た、R4とR6が結合して双環状構造を形成しても良く、
    その場合はR5が水素であっても良い。R7は水素また
    は、n価の有機残基を表わし、nは1〜10の整数を表わ
    す。)。
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