JPH0723445B2 - オキシメチレン共重合体組成物 - Google Patents

オキシメチレン共重合体組成物

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JPH0723445B2
JPH0723445B2 JP19285186A JP19285186A JPH0723445B2 JP H0723445 B2 JPH0723445 B2 JP H0723445B2 JP 19285186 A JP19285186 A JP 19285186A JP 19285186 A JP19285186 A JP 19285186A JP H0723445 B2 JPH0723445 B2 JP H0723445B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、耐熱安定性、機械的物性に優れたオキシメチ
レン共重合体組成物に関する。
<従来の技術> トリオキサン単独、あるいはトリオキサンと環状エーテ
ルを、触媒の存在下で塊状重合させて、オキシメチレン
ホモポリマあるいはコポリマを得ることは、たとえば特
公昭44−5234号公報等で公知である。得られたポリマは
このままでは熱的に不安定であるので、ホモポリマの場
合にはエステル化等により末端封鎖をして、また、コポ
リマの場合には不安定末端を分解除去して安定化する
が、それに先立つて触媒の失活により反応の停止を行な
うことが必要である。すなわちトリオキサン等をカチオ
ン重合して得られるオキシメチレンホモポリマーまたは
コポリマーは、その中に残存している触媒を失活させな
いと、徐々に解重合を引起こし、著しい分子量の低下が
生じたり、熱的に極めて不安定となる。
三フツ化ホウ素系重合触媒の失活に関しては、米国特許
第2989509号明細書に、脂肪族アミンやヘテロ環状アミ
ンを用いることが提案されており、これらのアミンで触
媒失活を行ない、洗浄によつてこれらを除去すれば、ポ
リマーは安定化され、そのまま長期間保存しても分子量
の低下は見られない。
しかしながら、通常のアミン化合物で失活しても、洗浄
によつて触媒をポリマから除去しなければ、ポリマを溶
融または溶解した場合に、やはり解重合が生じ、分子量
の低下が見られる。従つて、アミンにより、触媒を失活
させた後、十分な洗浄操作により、ポリマから触媒を除
去することが不可欠であつた。たとえば、特公昭39−80
71号公報や、特公昭43−1875号公報に、オキシメチレン
共重合体の末端安定化法が記載されているが、これらの
方法においても、末端安定化に先立ち、重合触媒をアミ
ンにて失活し、洗浄によつて除去している。
最近、洗浄・除去を行う必要のない触媒失活剤として、
三価のリン化合物が見出され、特公昭55−42085号公報
に記載されている。しかし、更に高い熱安定性を有する
オキシメチレン共重合体を製造する為には、触媒の失活
後、不安定末端の分解と共に、安定剤の配合が不可欠で
ある。従来より実いさまざまな安定剤の配合が公知であ
り、たとえば特公昭34−5440号公報には、ポリアミドと
ヒンダードフエノールの混練による安定化が記載されて
いる。
<発明が解決しようとする問題点> 上記のような安定剤の混練により、確かに熱安定性が増
大するものの、成形等において溶融状態のまま、長時間
滞留させると、分解発泡してモールドデポジツトを生じ
るなど、まだ満足できるものではなかつた。さらに、通
常のアミンによる触媒失活工程において、触媒の洗浄除
去を省略した場合には、いかなる安定剤を混練しようと
も重合体の耐熱安定性はきわめて低く、溶融成形等に耐
えられるものではなく、また、三価のリン化合物を用い
て触媒失活した場合でも耐熱安定性は不十分である。本
発明者らは、耐熱安定性にきわめて優れたオキシメチレ
ン共重合体組成物を得るべく鋭意検討した結果、本発明
を見出すに至つた。
<問題点を解決するための手段> すなわち本発明は、トリオキサンと環状エーテルとの混
合物を三フツ化ホウ素、三フツ化ホウ素水和物および三
フツ化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化
合物との配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも
一種の重合触媒の存在下、塊状重合させた後、亜硫酸金
属塩を添加して触媒失活した重合体に対してアルカリ金
属、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩
およびアルコキシドから選ばれる一種以上、ヒンダード
フエノール系酸化防止剤ならびにホルムアルデヒドと反
応してホルムアルデヒドを吸収することのできる試剤を
添加混合してなるオキシメチレン共重合体組成物であ
る。
本発明で使用される環状エーテルとは、下記一般式(A)
で示される化合物を意味する。
(ただし、式中Y1〜Y4は、水素原子、炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数1〜6のハロゲン置換アルキル基を示
し、それぞれ同一であつても異なつていても良い。又、
Xはメチレン又はオキシメチレン基を表わし、アルキル
基やハロゲン置換アルキル基で置換されていても良く、
mは0〜3の整数を示す。あるいは、Xは−(CH2)p
−O−CH2−又は−O−CH2−(CH2)p−O−CH2−であ
つても良く、この場合はm=1であつて、pは1〜3の
整数である) 上記一般式(A)で示される環状エーテル又は環状アセタ
ールの中で、特に好ましい化合物として、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−
ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパ
ン、1,3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリンなど
が挙げられる。
本発明の環状エーテルの共重合量はトリオキサンに対し
て0.1〜10モル%、特に好ましくは0.2〜6モル%の範囲
にあることが必要で、0.1モル%以下では得られた組成
物の熱安定性が低く、また、10モル%以上では得られた
組成物の融点や結晶性を低化させ、機械的強度や成形性
が悪くなるので好ましくない。
本発明における重合触媒は、三フツ化ホウ素、三フツ化
ホウ素水和物及び酸素又はイオウ原子を有する有機化合
物と三フツ化ホウ素との配位化合物の群より選ばれる一
種以上の化合物が、ガス状、液状又は適当な有機溶剤の
溶液として使用される。
三フツ化ホウ素との配位化合物を形成する酸素又はイオ
ウ原子を有する有機化合物としては、アルコール、エー
テル、フエノール、スルフイド等が挙げられる。
これらの触媒の中で、特に三フツ化ホウ素の配位化合物
が好ましく、とりわけ、三フツ化ホウ素・ジエチルエー
テラート、三フツ化ホウ素・ジブチルエーテラートが好
ましく使用される。
本発明における重合触媒用溶剤としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化
水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ク
ロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタンの
ようなハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トンのようなケトン類が使用される。
重合触媒の添加量は、トリオキサン1モルに対して、5
×10-6〜1×10-1モルの範囲であり、特に好ましくは1
×10-5〜1×10-2モルの範囲である。
トリオキサン単独又はトリオキサンと環状エーテルを塊
状で重合させる種々の装置が知られているが、本発明で
使用する塊状重合は、特に装置により限定されるもので
はなく、又トリオキサンに対して10重量%以下ならば、
シクロヘキサンのような有機溶媒の存在下で行う重合反
応にも適用できる。
塊状重合においては、重合時の急激な固化や発熱が生じ
るため、強力な撹拌能力を有し、かつ反応温度が制御で
きる装置が、特に好ましく使用される。
このような性能を有する本発明の塊状重合装置として
は、シグマ型撹拌翼を有するニーダー、反応帯域として
円筒バレルを用い、そのバレルの中に同軸かつ多数の中
断した山を有するスクリユを備え、この中断部とバレル
内面に突出した歯とが噛み合うように作動する混合機、
加熱又は冷却用のジヤケツトを有する長いケースに一対
の互いに噛み合うような平行スクリユを持つ通常のスク
リユ押出機、二本の水平撹拌軸に多数のパドルを有し、
該軸を同時に同方向に回転した際に、互いに相手のパド
ル面及びケース内面との間にわずかなクリアランスを保
つて回転するセルフクリーニング型混合機等を挙げるこ
とができる。
又、塊状重合においては、重合反応初期に急速に固化す
るため、強力な撹拌能力が必要であるが、一旦粉砕され
てしまえば、あとは大きな撹拌能力を必要としないた
め、塊状重合工程を二段階に分けても良い。
塊状重合反応温度は、トリオキサンの融点近傍から沸点
近傍の温度範囲、即ち60〜115℃範囲が好ましく、特に6
0〜90℃の範囲が好ましい。
重合初期においては、反応熱や固化することによる摩擦
熱のために、重合反応装置内の温度が特に上昇しがちで
あるので、ジヤケツトに冷却水を通すなどして反応温度
をコントロールすることが望ましい。
本発明で用いる三フツ化ホウ素系触媒を失活させ重合反
応を停止する停止剤、即ち亜硫酸金属塩はそのままある
いは有機溶媒溶液ないしは懸濁液として添加され混合さ
れる。
停止剤を添加する際は、解重合が進行しないように温度
は0〜100℃の範囲にコントロールするのが好ましい。
又、停止剤と重合触媒との反応を十分に進行させるため
には、重合体はできる限り細かい粉体状であることが好
ましいので、停止剤の添加前に粉砕機にかけて粉砕して
も良いし、停止剤の添加後に粉砕機にかけてもよい。
本発明で使用される亜硫酸金属塩としては、亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バ
リウムなどが挙げられるが、特に好ましくは亜硫酸ナト
リウムが使用される。
又、特に必要ではないが、本発明の効果をさらに向上さ
せるために下記一般式(B)で示されるホスフインオキシ
ド類を亜硫酸金属塩と併用することができる。
(式中、R1、R2、R3は炭素数1〜18の炭化水素基であ
り、それぞれ同一であつても異なつていても良い。) その具体例としては例えば、トリフエニルホスフインオ
キシド、トリ−n−ブチルホスフインオキシド、ジ−n
−ブチルベンジルホスフインオキシド、ジシクロヘキシ
ルフエニルホスフインオキシド、トリトリルホスフイン
オキシドなどが挙げられるが、中でもトリフエニルホス
フインオキシドが好ましい。
本発明の停止剤の添加量は、使用した重合触媒の三フツ
化ホウ素系触媒に対して当モル以上添加すれば、本発明
の効果は具現されるが、2〜50倍モルの添加量が効率的
である。
本発明で使用するアルカリ金属、アルカリ土類金属の水
酸化物、無機酸塩、有機酸塩およびアルコキシドの具体
例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭
酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、
酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、安息香酸ナトリウ
ム、テレフタル酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、
カリウムメトキシド、トリウムエトキシド、カリウムエ
トキシド、マグネシウムエトキシド、ナトリウムイソプ
ロポキシド、ナトリウムフエノキシド、n−ブチルリチ
ウムなどが挙げられる。
本発明で使用するアルカリ金属、アルカリ土類金属の水
酸化物、無機酸塩、有機酸塩およびアルコキシドの添加
量はオキシメチレン共重合体に対して0.001〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%である。0.001重量%よ
り少ないと、得られた組成物の熱安定性が低く、5重量
%より多いと、機械的物性や耐加水分解性が低下するの
で好ましくない。
本発明で使用するヒンダードフエノール系酸化防止剤と
しては、下記一般式(C)で表わされる化合物が挙げられ
る。
(ただし、式中X1、X2、X3はアルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基、ハロゲン化
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、置換ア
リール基、置換アリールオキシ基、アミノ基もしくは置
換アミノ基を表わす) 具体的な化合物としては、2,2−メチレン−ビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフエノール)、トリエチレン
グリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、2,2
−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、ペン
タエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2−チオビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフエノール)、1,3,5
−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−
ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチ
ルエステル、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、ビ
ス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼン
ホスホン酸エチル)カルシウム、N,N′−ビス〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)
プロピオニル〕ヒドラジン、2−〔2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フエニル〕−2H
−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル
−2−ヒドロキシフエニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフエ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−
ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフエニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−2−ヒドロキシフエニル)ベンゾトリアゾール、ス
テアリル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフエニル)プロピオネートもしくは2,2−ビス〔3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル
プロパノイルオキシ)メチル〕−1,3−プロパンジオー
ル−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフエニル)プロピオネート〕が挙げられる。
本発明で使用するヒンダードフエノール系酸化防止剤の
添加量はオキシメチレン共重合体に対して0.001〜5重
量%、好ましくは0.05〜3重量%である。0.001重量%
より少ないと得られた組成物の熱安定性が低く、5重量
%より多いと、オキシメチレン共重合体の表面に白粉状
に析出するので好ましくない。
本発明で使用するホルムアルデヒドを吸収することので
きる試剤としては、アミド化合物、ウレタン化合物、ピ
リジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリア
ジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン化合物が挙げ
られ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジフエニルホルムアミ
ド、N,N−ジフエニルアセトアミド、N,N−ジフエニルベ
ンズアミド、N,N,N,N−テトラメチルアジパミド、シユ
ウ酸ジアニリド、アジピン酸ジアニリド、α−(N−フ
エニル)アセトアニリド、ナイロン6、ナイロン11、ナ
イロン12などのラクタム類の単独重合体ないしは共重合
体、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダ
イマ酸のような二価カルボン酸とエチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタ
キシリレンジアミンのようなジアミンから誘導されるポ
リアミド単独重合体ないしは共重合体、ラクタム類とジ
カルボン酸およびジアミンから誘導されるポリアミド共
重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
N,N−ビス(ヒドロキシメチル)スベルアミド、ポリ
(γ−メチルグルタメート)、ポリ(γ−エチルグルタ
メート)、ポリ(N−ビニルラクタム)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)などのアミド化合物、トルエンジイソ
シアネート、ジフエニルメタンジイソシアネートなどの
ジイソシアネートと1,4−ブタンジオールなどのグリコ
ールおよびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなど
の高分子グリコールから誘導されるポリウレタン、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、N−ブチ
ルメラミン、N−フエニルメラミン、N,N−ジフエニル
メラミン、N,N,N−トリフエニルメラミン、N−メチロ
ールメラミン、N,N−ジメチロールメラミン、N,N,N−ト
リメチロールメラミン、2,4−ジアミノ−6−ベンジル
オキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシトリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシルトリアジ
ン、メレム、メラムなどのトリアジン誘導体、N−フエ
ニル尿素、N,N−ジフエニル尿素、チオ尿素、N−フエ
ニルチオ尿素、N,N−ジフエニルチオ尿素、ノナメチレ
ンポリ尿素などの尿素誘導体、フエニルヒドラジン、ジ
フエニルヒドラジン、ベンズアルデヒドのヒドラゾン、
セミカルバゾン、1−メチル−1−フエニルヒドラゾ
ン、チオセミカルバゾン、4−(ジアルキルアミノ)ベ
ンズアルデヒドのヒドラゾン、1−メチル−1−フエニ
ルヒドラゾン、チオセミカルバゾンなどのヒドラジン誘
導体、ジシアンジアミド、グアンチジン、グアニジン、
アミノグアニジン、グアニン、グアナクリン、グアノク
ロール、グアノキサン、グアノシン、アミロリド、N−
アミジノ−3−アミノ−6−クロロピラジンカルボキシ
アミドなどのアミジン化合物、ポリ(2−ビニルピリジ
ン)、ポリ(2−メチル−5−ビニルピリジン)、ポリ
(2−エチル−5−ビニルピリジン)、2−ビニルピリ
ジン−2−メチル−5−ビニルピリジン共重合体、2−
ビニルピリジン−スチレン共重合体などのピリジン誘導
体などである。中でも、ダイマ酸系ポリアミド、メラミ
ン、グアナミン、ベンゾグアナミン、N−メチロール化
メラミン、N−メチロール化ベンゾグアナミン、熱可塑
性ポリウレタン樹脂、ジシアンジアミド、グアニジン、
ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2−ビニルピリジ
ン)、ポリ尿素、メレム、メラムは、これらを含有する
オキシメチレン共重合体の熱安定性が優れるため、特に
好ましい。
ホルムアルデヒドを吸収することのできる試剤の添加量
は、オキシメチレン共重合体に対して0.001〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%である。0.001重量%よ
り少ないと、得られた組成物の熱安定性が不十分であ
り、5重量%より多いと、組成物の表面に析出したり、
組成物が着色したりするため好ましくない。
本発明の組成物は、トリオキサン及び環状エーテルを三
フツ化ホウ素系触媒によつて重合し、触媒失活剤として
の亜硫酸金属塩または亜硫酸金属塩とホスフインオキシ
ド類を添加して重合反応を停止し、さらにアルカリ金属
あるいはアルカリ土類金属塩類、ヒンダードフエノール
系酸化防止剤、およびホルムアルデヒド吸収剤を添加混
練して製造される。添加剤は1つずつ順次添加しても良
く、また一括して添加してもかまわない。また、添加剤
はそのまま添加しても良いし、有機溶剤の溶液として添
加しても良い。その際の有機溶媒としては、ベンゼン、
トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭
化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール類、
クロロホルム、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン
のようなハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチル
ケトンのようなケトン類が挙げられる。
また本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範
囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、マイカ粉末のような充填剤、炭素繊
維、ガラス繊維、セラミツク繊維、アラミド繊維のよう
な補強剤、着色剤(顔料、染料)、核剤、可塑剤、離型
剤、難燃剤、帯電防止剤、導電剤、粘着剤、滑剤、耐加
水分解改良剤、接着助剤などをを任意に含有せしめるこ
とができる。
本発明により製造されたオキシメチレン共重合体組成物
は、成形性、機械的性質、溶融安定性や耐熱エージング
性に優れているため、機械機構部品、自動車部品、電気
・電子部品など広範な用途で使用することができる。
<実施例> 次に実施例及び比較例により本発明を説明する。なお、
実施例及び比較例中に示される成形品の表面状態、機械
物性、相対粘度ηr、加熱分解率K、ポリマ融点(Tm)
及び結晶化温度(Tc)を次のようにして測定した。
成形品の表面状態: 5オンスの射出能力を有する射出成形機を用いて、シリ
ンダ温度230℃、金型温度60℃及び成形サイクル50秒に
設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾツト衝撃試
験片を射出成形した。得られたASTM1号ダンベル試験片
の表面状態を肉眼で観察した。
機械物性: 上記射出成形で得られたASTM1号ダンベル試験片を用
い、ASTM D−638法に準じて引張特性を測定した。
又、アイゾツト衝撃試験片を用い、ASTM D−256法に
準じて衝撃強度を測定した。
相対粘度ηr: 2%のα−ピネンを含有するp−クロルフエノール100m
l中に、0.5gのポリマを溶解し、60℃の温度で測定し
た。
加熱分解率Kx: Kxは、x℃で一定時間放置した時の分解率を意味し、熱
天秤装置を使用して、約10mgのサンプルを、空気雰囲気
下、x℃で放置し、下記式で求めた。
Kx=(W0−W1)×100/W0% ここで、W0は加熱前のサンプル重量、W1は加熱後のサン
プル重量を意味する。
なお、熱天秤装置は、DuPont社の熱分析機1090/1091を
使用した。
ポリマ融点(Tm)、結晶化温度(Tc): 差動走査熱量計を使用して、窒素雰囲気下、10℃/分の
昇温速度で昇温し、ポリマ融点(Tm)を測定後、10℃/
分で降温し、結晶化温度(Tc)を測定した。
参考例1 2枚のΣ型撹拌翼を有する3リツトルのニーダを60℃に
加熱し、トリオキサン3.0kg、1,3−ジオキソラン112g、
更に触媒として三フツ化ホウ素・ジエチルエーテラート
をトリオキサン重量に対して200ppmを10%ベンゼン溶液
として添加し、30rpmで撹拌した。
数分の内に内容物は固化し反応熱及び摩擦熱によつて系
内温度が上昇したので、Σ型撹拌翼内部に冷風を通して
冷却し、更に回転数を10rpmに落として、最高温度を80
℃までにコントロールした。
そのまま撹拌を続け、60分後にポリマを取り出した。得
られたポリマは、ηr=2.37の白色粉末であつた。
このポリマをオキシメチレン共重合体Aとする。
参考例2 参考例1において、1,3−ジオキソランの代わりに、エ
チレンオキシド66gを使用する以外は、参考例1と同様
にポリマを塊状重合した。
得られたポリマは、ηr=2.40の白色粉末であつた。
このポリマをオキシメチレン共重合体Bとする。
以下の実施例においては、2枚のΣ型撹拌翼を有する10
0ccミキサーを用いて組成物を製造した。
実施例1〜4,比較例1〜2 参考例1で得られたオキシメチレン共重合体Aに、各種
亜硫酸金属塩を表1に示した割合で添加し、35℃で15分
間混練した。その後、0.1重量%の水酸化カルシウムお
よび0.5重量%のペンタエリスリチル−テトラキス〔3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニ
ル)プロピオネート〕(Ciba−Geigy社製Irganox1010)
を添加し、10分間で210℃まで昇温した後、同温で20分
間混練した。さらに0.1重量%のジシアンジアミドを添
加し、210℃で10分間混練した。
比較のため、亜硫酸金属塩の代わりにトリフエニルホス
フインを使用して組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表1に示す。
実施例5〜6,比較例3 触媒失活剤として亜硫酸ナトリウムとトリフエニルホス
フインオキシドを表1に示した割合で使用する以外は、
実施例1〜4と同様にして組成物を製造した。
比較のため、触媒失活剤としてトリフエニルホスフイン
オキシドのみを使用して組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表1に示す。
実施例7〜8 参考例1で得られたオキシメチレン共重合体Aに対し
て、実施例2、6と同じ割合で亜硫酸ナトリウム、トリ
フエニルホスフインオキシド、水酸化カルシウムおよび
Irganox1010を同時に添加し、35℃で15分間混練した。
その後、10分間で210℃まで昇温し、同温で20分間混練
した後、ジシアンジアミドを0.1重量%添加して同温で1
0分間混練して組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表1に示す。
実施例9〜10 参考例1で得られたオキシメチレン共重合体Aに対し
て、実施例2、6と同じ割合で、亜硫酸ナトリウム、ト
リフエニルホスフインオキシド、水酸化カルシウム、Ir
ganox1010、およびジシアンジアミドを一括添加し、35
℃で15分間混練した。その後10分間で210℃まで昇温
し、同温で20分間混練して組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表1に示す。
表1から明らかに、本発明の組成物は、亜硫酸金属塩の
種類によらず、優れた物性を有することがわかる。
また、触媒失活剤としてトリフエニルホスフインオキシ
ドを併用すると耐熱安定性がさらに優れることがわか
る。しかし、トリフエニルホスフインオキシドのみで
は、安定な組成物は得られない。
さらに、実施例2(順次添加法)、実施例7(ホルムア
ルデヒド吸収剤以外を一括添加)、実施例9(一括添加
法)の結果から、本発明の組成物は、各種添加剤の混練
方法によらず優れた物性を有することがわかる。
実施例11〜22 水酸化カルシウムの代わりに、水酸化マグネシウム、炭
酸カリウムを使用する以外は実施例2、6〜10と同様に
して組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表2に示す。
表2より明らかに、本発明の組成物はアルカリあるいは
アルカリ土類金属塩類の種類によらず優れた物性を有す
ることがわかる。
実施例23〜34 ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネー
ト〕の代わりに、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネート〕(Ciba−Geigy社製Irganox24
5)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(Ciba−
Geigy社製Irganox1098)を使用する以外は実施例2、6
〜10と同様にして組成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表3に示す。
表3より明らかに、本発明の組成物は酸化防止剤の種類
によらず、優れた物性を有することがわかる。
実施例35〜46 ジシアンジアミドの代わりにメラミン、ダイマ酸ポリア
ミド(“ミルベクス"1000日本ゼネラルミルズ)を使用
する以外は実施例2、6〜10と同様にして組成物を製造
した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表4に示す。
表4より明らかに、本発明の組成物は、ホルムアルデヒ
ド吸収剤の種類によらず優れた物性を有することがわか
る。
実施例47〜52 参考例2で得られたオキシメチレン共重合体Bを使用す
る以外は実施例2、6、7、8、9、10と同様にして組
成物を製造した。
得られた組成物の各種物性測定結果を表5に示す。
表5より明らかに、共重合成分を変えても、物性の優れ
た組成物が得られることがわかる。
以上のすべての実施例においては、一軸あるいは二軸押
出機のような混練装置を用いても組成物を製造すること
ができる。
<発明の効果> 本発明により製造されたオキシメチレン共重合体組成物
は、溶融安定性のみならず、機械的性質にも優れている
ため、機械機構部品、自動車部品、電気・電子部品など
広範な用途に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリオキサンと環状エーテルとの混合物を
    三フツ化ホウ素、三フツ化ホウ素水和物および三フツ化
    ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物と
    の配位化合物から成る群から選ばれる少なくとも一種の
    重合触媒の存在下、塊状重合させた後、亜硫酸金属塩を
    添加して触媒失活した重合体に対してアルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、有機酸塩および
    アルコキシドから選ばれる一種以上、ヒンダードフエノ
    ール系酸化防止剤ならびにホルムアルデヒドと反応して
    ホルムアルデヒドを吸収することのできる試剤を添加混
    合してなるオキシメチレン共重合体組成物。
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