JPH0791438B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JPH0791438B2
JPH0791438B2 JP63177379A JP17737988A JPH0791438B2 JP H0791438 B2 JPH0791438 B2 JP H0791438B2 JP 63177379 A JP63177379 A JP 63177379A JP 17737988 A JP17737988 A JP 17737988A JP H0791438 B2 JPH0791438 B2 JP H0791438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は機械物性、耐熱安定性、溶融トルク安定性、リ
サイクル性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関
する。
〔従来の技術〕
ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と耐衝撃性のバラ
ンスのとれたエンジニアリングプラスチックとして知ら
れ、電気・電子機器や自動車などの機械機構部品として
広範な分野において使用されている。
しかしながらポリオキシメチレン樹脂は化学構造上熱安
定性に乏しく溶融状態で長時間混練すると分解してホル
ムアルデヒドガスを発生し、その重合度を著しく低下さ
せる。
ポリオキシメチレン樹脂の耐熱安定性の改良方法として
従来より実にさまざまな安定剤の配合処方が考案されて
きた。
たとえば、ポリオキシメチレン樹脂に対して熱安定剤と
して知られるヒンダードフェノールを配合して成る樹脂
組成物(特開昭47−15448号公報)や、ホルムアルデヒ
ド捕捉剤として知られるアミジン化合物を配合して成る
樹脂組成物(特公昭40−21148号公報)が知られてい
る。また前記特公昭40−21148号公報にはヒンダードフ
ェノール、アミジン化合物を併用した実施例も記載され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上記特開昭47−15448号、特公昭40−21148
号公報の樹脂組成物では熱安定性の向上はいまだに不十
分であり、電気・電子機器用部品、自動車部品等の用途
にはさらなる耐熱性が要求されている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果
ポリオキシメチレンに対して一定以上の分子量を有する
ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びペンタエリスリ
トールを配合してなる樹脂組成物が極めて耐熱安定性に
優れていることを見い出した。
すなわち本発明は、ポリオキシメチレン樹脂100重量部
に対して、一般式(A)で表わされ、かつ分子量が300
以上のヒンダードフェノールの少なくとも1種0.01〜0.
5重量部と (式中R1、R2はアルキル、置換アルキル、あるいは置換
トリアゾール基を表わし、R3はアルキル、置換アルキ
ル、アルコキシ、置換アミノ基を表わす。) ペンタエリスリトール0.01〜5重量部を配合して成る耐
熱安定性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物を提供
するものである。
本発明で使用されるポリオキシメチレン樹脂とはオキシ
メチレン単独重合体及び主としてオキシメチレン単位か
らなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有する
オキシアルキレン単位を15重量%以下含有するオキシメ
チレン共重合体を意味する。
オキシメチレン単独重合体は、例えば実質的に無水のホ
ルムアルデヒドを有機アミンのような塩基性重合触媒を
含有する有機溶媒中に導入して重合した後、無水酢酸に
より末端をアセチル化して製造することができる。
また、オキシメチレン共重合体は、例えば実質的に無水
のトリオキサンおよびエチレンオキシドや1,3−ジオキ
ソランのような共重合成分をシクロヘキサンのような有
機溶媒中に溶解あるいは懸濁した後、三フッ化ホウ素・
ジエチルエーテラートのようなルイス酸触媒を添加して
重合し、不安定末端を分解除去して製造することができ
る。
好ましくは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング
型撹拌機の中へトリオキサン、共重合成分及び触媒を導
入して塊状重合し、ヒンダードアミンで失活した後に不
安定末端を分解除去して製造する。
本発明で使用されるヒンダードアミン化合物は一般式
(B)で表わされる構造を有する。
(式中R4は水素原子または炭素数1〜30の1価の有機残
基を表わす。R5〜R8は炭素数1〜5のアルキル基を表わ
しそれぞれ同一であつても異なつていてもよい。nは1
以上の整数を表わし、R9はn価の有機残基を表わす。) 具体的には下記の化合物が挙げられる。
中でも好ましいのは、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4
−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジニル)エステル、ポリ{〔6−
(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)アミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジニル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕}、1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンであり、特にビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ニル)セバケートが好ましい。また、添加量はポリオキ
シメチレン樹脂100重量部に対して0.001〜5.0重量部、
好ましくは0.01〜3.0重量部である。0.001重量部より少
ないと、ポリオキシメチレン樹脂の耐熱安定性の改良効
果がなく、また5重量部より多いと、ブリード現象を示
したり、機械的物性を低下させるので好ましくない。
本発明で使用されるヒンダードフェノールは一般式
(A)で表わされ、かつ分子量300以上のものであり、
具体的には、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、トリブチレングリコール−
ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエ
チレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、N,N′−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナマイド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5
−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2
−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
フォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリス
(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベ
ンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕
ヒドラジンなどが挙げられる。
中でも2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール
−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テ
トラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、N,N′−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼンが好ましい。
分子量が300より小さいとブリード現象が著しく、樹脂
組成物の外観を損なう上耐熱安定性が低下するので本発
明においては使用できない。また添加量はポリオキシメ
チレン樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好まし
くは0.01〜3.0重量部である。
0.01重量部より少ないとポリオキシメチレン樹脂の耐熱
安定性が十分ではなく、また5重量部より多いとブリー
ド現象が見られるので使用できない。
ペンタエリスリトールはホルムアルデヒドと容易に速く
反応して環状ホルマールを形成することができる。した
がつてポリオキシメチレン樹脂中に混合することによつ
て、樹脂中に残存しているホルムアルデヒドを化学的に
捕捉し、ギ酸の発生を押さえることができるのである。
ペンタエリスリトールの添加量はポリオキシメチレン樹
脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.01
〜3重量部である。
0.01重量部より少ないとポリオキシメチレン樹脂の耐熱
安定性が十分ではなく、また5重量部より多いとブリー
ド現象が見られるので使用できない。
また本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範
囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミ
ド繊維、チタン酸カリ繊維のような補強剤、着色剤(顔
料・染料)、核剤、可塑剤、エチレンビスステアロアミ
ド、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボンブ
ラックのような導電剤、粘着剤、滑剤、耐加水分解改良
剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有せしめることが
できる。
特に、安定化助剤としてのアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属の水酸化物ないしは有機カルボン酸塩および
/またはホルムアルデヒド捕捉剤を併用すると、耐熱安
定性の面でより優れた性質を示すようになるので好まし
い。
アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物ないしは、
有機カルボン酸塩の具体例としては、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロ
ンチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カ
ルシウムなどが挙げられるが、特に、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、ステア
リン酸カルシウムが好ましい。
アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物ないしは有
機カルボン酸塩の添加量は、ポリオキシメチレン樹脂10
0重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは、0.05〜
3重量部である。
0.001重量部より少ないと、添加の効果はなく、5重量
部より多いと、機械的物性や耐加水分解性が低下するの
で好ましくない。
ホルムアルデヒド捕捉剤としてはアミド化合物、ウレタ
ン化合物、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、尿素誘
導体、トリアジン誘導体、ヒドラジン誘導体、アミジン
化合物が挙げられ、具体的には、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジフェニル
ホルムアミド、N,N−ジフェニルアセトアミド、N,N−ジ
フェニルベンズアミド、N,N,N′,N′−テトラメチルア
ジパミド、シュウ酸ジアニリド、アシピン酸シアニリド
α−(N−フェニル)アセトアニリド、ナイロン6、ナ
イロン11、ナイロン12などのラクタム類の単独重合体な
いしは共重合体、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカ
ルボン酸、ダイマ酸のような二価カルボン酸とエチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、メタキシリレンジアミンのようなジアミンから
誘導されるポリアミド共重合体、ポリアクリルアミド、
ポリメタクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチ
ル)スベルアミド、ポリ(γ−メチルグルタメート)、
ポリ(γ−エチルグルタメート)、ポリ(N−ビニルラ
クタム)、ポリ(N−ビニルラクタム)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)などのアミド化合物、トルエンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの
ジイソシアネートと1,4−ブタンジオールなどのグリコ
ールおよびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなど
の高分子グリコールから誘導されるポリウレタン、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、N−ブチ
ルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N′−ジフェニ
ルメラミン、N,N′,N″−トリフェニルメラミン、N−
メチロールメラミン、N,N′−ジメチロールメラミン、
N,N′,N″−トリメチロールメラミン、2,4−ジアミノ−
6−ベンジルオキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−
シクロヘキシルトリアジン、メレム、メラムなどのトリ
アジン誘導体、N−フェニル尿素、N,N′−ジフェニル
尿素、チオ尿素、N−フェニルチオ尿素、N,N′−ジフ
ェニルチオ尿素、ノナメチレンポリ尿素などの尿素誘導
体、フェニルヒドラジン、ジフェニルヒドラジン、ベン
ズアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾン、1−メチ
ル−1−フェニルヒドラゾン、チオセミカルバゾン、4
−(ジアルキルアミノ)ベンズアルデヒドのヒドラゾ
ン、1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、チオセミカ
ルバゾンなどのヒドラジン誘導体、ジシアンジアミド、
グアンチジン、グアニジン、アミノグアニジン、グアニ
ン、グアナクリン、グアノクロール、グアノキサン、グ
アノシン、アミロリド、N−アミジノ−3−アミノ−6
−クロロピラジンカルボキシアミドなどのアミジン化合
物、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(2−メチル−
5−ビニルピリジン)、ポリ(2−エチル−5−ビニル
ピリジン)、2−ビニルピリジン−2−メチル−5−ビ
ニルピリジン共重合体、2−ビニルピリジン−スチレン
共重合体などのピリジン誘導体などが挙げられ、中でも
特にダイマ酸系ポリアミド、メラミン、グアナミン、ベ
ンゾグアナミン、N−メチロール化メラミン、N−メチ
ロール化ベンゾグアナミン、熱可塑性ポリウレタン樹
脂、ジシアンジアミド、グアニジン、ポリ(N−ビニル
ピロリドン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ尿
素、メレム、メラムが好ましい。
ホルムアルデヒド捕捉剤の添加量はポリオキシメチレン
樹脂100重量部に対して0.001〜5.0重量部、好ましくは
0.01〜3.0重量部である。0.001重量部より少ないと添加
効果が現われず、また5.0重量部より多いとブリード現
象が見られるので好ましくない。
〔実施例〕
以下、実施例によつて本発明を説明する。
なお、実施例および比較例中に示される成形品の機械物
性、MI値、重量保持率、溶融トルク低下速度、ポリマ融
点、結晶化温度は次のようにして測定した。
○成形 5オンスの射出能力を有する射出成形機を用いて、シリ
ンダ温度190℃、金型温度65℃、成形サイクル50秒に設
定してASTM1号ダンベル試験片と、アイゾット衝撃試験
片を射出成形した。
○機械物性 上記射出成形で得られたASTM1号ダンベル試験片を用
い、ASTM D638法に準じて引張強度を、またアイゾット
衝撃試験片を用い、ASTM D256法に準じて衝撃強度を測
定した。
○MI値 80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレットを用
い、ASTM D1238に従つて温度190℃、荷重2,190gで測定
した。
○重量保持率 アルミカップに約5gのペレットを精評し、240℃の熱風
循環オーブン中に2時間放置した後の重量保持率を測定
した。
○溶融トルク低下速度 90gのペレットを210℃の100ccミキサー〔東洋精機
(株)製ラボプラストミル〕に投入し、50rpmで30分間
混練したときの溶融トルクの低下速度を測定した。
○ポリマ融点、結晶化温度 差動走査熱量計を使用して窒素雰囲気下、10℃/分の昇
温速度で昇温し、ポリマ融点を測定後10℃/分で降温し
結晶化温度を測定した。
実施例および比較例に使用したポリオキシメチレン樹脂
は次のような方法で製造した。
ポリオキシメチレン樹脂POM−1の製造 直径30cm、深さ3mの底部に撹拌翼およびホルムアルデヒ
ドガス供給ノズルを有する重合反応槽にn−ヘキサンを
充満した。この中にジ−n−ブチル錫ジマレエートを0.
5重量部溶解し、供給ノズルよりホルムアルデヒドガス
を導入した。ホルムアルデヒドガスはパラホルムアルデ
ヒドを140〜180℃で熱分解させた後、精製したものを使
用し1.5kg/hの割合で導入した。
重合槽内は50℃となるようにジャケットに冷水または温
水を流して調整した。重合槽内には徐々に重合体微粒子
が生成するが重合体固形分が約50重量%に保たれるよう
に重合体スラリーの抜出しと触媒溶液(n−ヘキサン)
の供給を行う。抜出した重合体は別し、十分に水洗し
た後、重合体の10倍量の無水酢酸中に投入した。さらに
酢酸ナトリウムを無水酢酸の0.1重量%添加して139℃で
5時間加熱撹拌した。反応混合物が室温まで冷えた後、
重合体を別し、アセトン、水で十分に洗浄してから乾
燥した。
このポリマの融点は179℃、結晶化温度150℃、MI=14.0
であつた。
ポリオキシメチレン樹脂POM−2の製造 2軸の押出機型重合機(25mmφ、L/D=10.2)にトリオ
キサン(450g/h)、1,3−ジオキソラン(14g/h)、また
トリオキサンに対して100ppmの三ふつ化ほう素ジエチル
エーテラート(25%ベンゼン溶液)、600ppmのエチラー
ルをそれぞれ供給し重合を行つた。重合温度は外部ジャ
ケットに温水を通すことにより約75℃にコントロール
し、回転数は100rpmに設定した。分子量調節剤としての
エチラールはトリオキサン中に溶解した。また1,3−ジ
オキソランと触媒溶液は、ニーダーへ供給する直前に予
備混合されるように予備混合ゾーンを設けた。重合体は
白色微粉末として445g/hで得られた。
このようにして得られた重合体を3%アンモニア水溶液
中に投入して撹拌した。重合体を別して水次いでアセ
トンで洗浄した後、10%アンモニア水溶液中に投入し、
オートクレーブ中150℃で3時間加熱撹拌した。室温ま
で冷却した後、重合体を別し、水次いでアセトンで洗
浄し、乾燥した。このポリマの融点は167℃、結晶化温
度は147℃、MI=9.0であつた。
ポリオキシメチレン樹脂POM−3の製造 POM−2と同様にして重合し、ニーダーから吐出した白
色微粉末1kgに対して2.7gのビス(1,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジニル)セバケートを20mlのベンゼンに
溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミキサー中で10分間
撹拌して触媒失活を行つてPOM−3を得た。このポリマ
の融点は167℃、結晶化温度は147℃、MI=7.7であつ
た。
実施例1〜32、比較例1〜18 POM−1〜3に対してヒンダードフェノール、ペンタエ
リスリトール、その他の添加剤を配合し、45mmφL/D=3
1.5のベント付2軸押出機で220〜240℃で溶融混練し
た。実施例における添加剤の配合比と得られたサンプル
の物性一覧を表1に、比較例における添加剤の配合比と
得られたサンプルの物性一覧を表2に示した。
実施例1〜3、11〜13、21〜23より、ポリオキシメチレ
ン樹脂にヒンダードフェノール、ペンタエリスリトール
を配合してなる樹脂組成物は機械物性に優れており、ま
た240℃での重量保持率、溶融混練時のトルク低下速度
から耐熱安定性にも優れていることがわかる。またこの
効果はヒンダードフェノールの種類によらないこともわ
かる。
実施例4〜7、14〜17、24〜28から各種水酸化物ないし
は有機カルボン酸塩あるいはホルムアルデヒド捕捉剤を
添加することにより耐熱安定性はさらに向上することが
わかる。
実施例8〜10、18〜20、29〜32から水酸化物ないしは有
機カルボン酸塩とホルムアルデヒド捕捉剤を併用するこ
とにより耐熱安定性はさらにいつそう向上することがわ
かる。
実施例11〜20、21〜32から同じコポリマでもヒンダード
アミンにより触媒失活したものの方が耐熱安定性におい
て優れていることがわかる。
比較例1、7、13からペンタエリスリトールを添加しな
いと耐熱安定性が低下し、比較例3、9、15から多量に
添加すると、機械物性が低下しブリード現象がおこるこ
とがわかる。
比較例2、8、14からヒンダードフェノールを添加しな
いと耐熱安定性が著しく低下し、比較例4、10、16から
多量に添加すると機械物性が低下しブリード現象がおこ
ることがわかる。
比較例5〜6、11〜12、17〜18からペンタエリスリトー
ルと同じ多価アルコールでもグリセリン、エチレングリ
コールを添加すると耐熱安定性が低下することがわか
る。
〔発明の効果〕 本発明の樹脂組成物は耐熱安定性、機械物性に優れてい
るため機械機構部品、電気・電子機器用部品等広範な用
途に使用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対し
    て、一般式(A)で表わされ、かつ分子量が300以上の
    ヒンダードフェノールの少なくとも1種0.01〜5重量部
    と、 (式中R1、R2はアルキル、置換アルキル、あるいは置換
    トリアゾール基を表わし、R3はアルキル、置換アルキ
    ル、アルコキシ、置換アミノ基を表わす。) ペンタエリスリトール0.01〜5重量部を配合して成るポ
    リオキシメチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ヒンダードフェノールが、2,2′−メチレ
    ン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
    トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル
    −5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−
    t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
    ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    ート〕、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブ
    チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、および
    1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
    チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンから選ばれた
    1種以上の化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリオキシメチレン樹脂が、重合触媒の存
    在下にホルムアルデヒドおよび/またはトリオキサンと
    他の環状エーテルとを共重合させて得られる共重合体で
    ある請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリオキシメチレン樹脂が重合触媒の存在
    下にホルムアルデヒドおよび/またはトリオキサンと他
    の環状エーテルとを共重合させ、次いで一般式(B)で
    表わされるヒンダードアミン化合物を添加して重合反応
    を停止させて得られる共重合体である請求項1記載の樹
    脂組成物。 (式中R4は水素原子または炭素数1〜30の1価の有機残
    基を表わす。R5〜R8は炭素数1〜5のアルキル基を表わ
    しそれぞれ同一であつても異なつていてもよい。nは1
    以上の整数を表わし、R9はn価の有機残基を表わす。)
  5. 【請求項5】ヒンダードアミン化合物がビス(2,2,6,6
    −テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス
    (1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバ
    ケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス
    (2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステ
    ルおよびポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチレンブチ
    ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,
    2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ〕ヘ
    キサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
    ジニル)イミノ〕}、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリ
    ジンから選ばれた1種以上の化合物である請求項4記載
    の樹脂組成物。
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