JP5863564B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は、バランスの取れた機械的性質と優れた摺動性を持つエンジニアリング樹脂であり、特に摺動性が優れていることから、歯車をはじめとする各種の精密機構部品やOA機器などに広く使用されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂は他の樹脂と同様に電気絶縁体であるため、摺動の際に発生する静電気の除去性能あるいは導電性に劣り、摺動性と同時に高度な導電性を要求される用途には使われないのが通常である。近年、カーボンブラックに代表される導電性フィラーを添加したポリアセタール樹脂が上記用途に使われ始めているが、このような組成物成形体の表面は平滑性に劣り、ポリアセタール樹脂が本来持っている摺動性が発現できず、かつ接触電気抵抗も大きく導電性も十分発揮されないという問題点がある。また、このような導電性ポリアセタール樹脂組成物は、他材と摺動しながら使用される部品に使用されることが多く、このような条件下においても長期にわたり安定した導電性を維持することが求められる。
このような要求に対し、例えば特許文献1では、ポリアセタール樹脂に導電性カーボンブラック、黒鉛、及び脂肪酸エステルを配合し、金属に対して摺動した際の耐摩耗性と導電性に優れるポリアセタール樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂と導電剤を含む組成物に25℃〜250℃の間で固体から液体又は気体に変化する物質を配合して溶融成形してなる成形品であれば、導電性の成形条件依存性が小さく、また物性のばらつきが小さくなるという技術の開示がある。さらに、特許文献3には、ポリアセタール樹脂にカーボンブラック、黒鉛、常温で液体である潤滑油を3質量部以上添加して、トナーが介在する環境下でも優れた摺動性を発揮する複写機内部の軸受部品に適合した組成物が開示されている。
一方で、近年の自動車関連部品や電気電子機器関連部品の樹脂化の流れを受けて、より複雑な形状の導電性樹脂部品が要求されるようになってきており、高せん断をかけても分解しない熱安定性や、組成物からの分解物によって金型を汚染することのない性能が求められるようになってきた。
特開2009−269996号公報 特許第4110832号公報 特許第3965251号公報
しかしながら上記従来技術の範囲では、摺動性や導電安定性に優れた導電性ポリアセタール樹脂組成物を得ることができるものの、連続成形時の金型汚染の問題は解決されておらず、実際の市場においては金型汚染に関する苦情が少なからず発生しているのが現状である。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、導電性に優れ、連続成形時の金型汚染の極めて少ないポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と、カーボンブラックと、黒鉛と、23℃において液体である物質と、を含む組成物であって、組成物全体に対してカーボンブラックが5質量%を超えて15質量%以下であり、23℃で液体である物質が0.05質量%以上、0.5質量%以下であるポリアセタール樹脂組成物が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
〔1〕
ポリアセタール樹脂(A)と、
カーボンブラック(B)と、
黒鉛(C)と、
23℃において液体である物質(D)とを含有し、
前記カーボンブラック(B)の含有量が、5質量%を超えて15質量%以下であり、
前記23℃において液体である物質(D)の含有量が、0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
前記23℃において液体である物質(D)が、流動パラフィン、脂肪族ジエステル、脂肪族トリエステル、鉱物油、植物油、動物油、合成油からなる群より選択される1種又は2種以上であり、
更に23℃において固体である脂肪族エステル(E)を含む、
ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕
前記23℃において液体である物質(D)の23℃における動粘度が、200cSt以下である、前項〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕
前記23℃において液体である物質(D)が、23℃〜240℃の間で相変化を伴わないものである、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕
前記カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が、350mL/100g以上である、前項〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔5〕
前記黒鉛(C)が、天然黒鉛である、前項〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔6〕
前記23℃において固体である脂肪酸エステル(E)と前記23℃において液体である物質(D)の質量比(E)/(D)が、10を超えて20以下である、前項〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によると、導電性に優れ、連続成形時の金型汚染の極めて少ないポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
本発明の実施例で用いた2軸押出機の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)と、
カーボンブラック(B)と、
黒鉛(C)と、
23℃において液体である物質(D)とを含有し、
前記カーボンブラック(B)の含有量が、5質量%を超えて15質量%以下であり、
前記23℃において液体である物質(D)の含有量が、0.05質量%以上0.5質量%以下である。
(ポリアセタール樹脂(A))
本実施形態で用いるポリアセタール樹脂(A)としては、特に限定されないが、具体的には、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、及び1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコール、及びジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、及び/又は環状ホルマールと、を共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを代表例として挙げることができる。また、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端又は片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、環状エーテル、及び/又は環状ホルマールと、を共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。以上のように、本実施形態においては、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポリマーいずれも用いることが可能であるが、好ましくはポリアセタールコポリマーである。
1,3−ジオキソラン等のコモノマーは、一般的にはトリオキサン1molに対して0.1〜60mol%、好ましくは0.1〜20mol%、さらに好ましくは0.13〜10mol%用いられる。本実施形態で用いるポリアセタール樹脂(A)の融点は、162℃〜173℃が好ましく、167℃〜173℃がより好ましく、167℃〜171℃がさらに好ましい。融点が167℃〜171℃のポリアセタールコポリマーは、トリオキサンに対して1.3〜3.5mol%程度のコモノマーを用いることにより得ることができる。
ポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては、特に限定されないが、具体的には、ルイス酸、プロトン酸、そのエステル、又はその無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素、及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン、その錯化合物、又は塩が挙げられる。また、プロトン酸、そのエステル、又はその無水物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
ポリアセタールコポリマーの重合方法としては、従来公知の方法、例えばUS−A−3027352、US−A−3803094、DE−C−1161421、DE−C−1495228、DE−C−1720358、DE−C−3018898、特開昭58−98322号、及び特開平7−70267号に記載の方法によって重合することができる。上記の重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH2n−OH基〕が存在するため、不安定な末端部の分解除去処理を実施する。分解除去処理としては、例えば、次に示す特定の不安定末端部の分解除去処理を行なうことが好適である。その特定の不安定末端部の分解除去処理とは、下記式(1)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理するものである。
[R1234+n-n 式(1)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基若しくは置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基若しくは置換アルキル基の水素原子が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基の水素原子が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基若しくは置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基又は置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
本実施形態に用いる第4級アンモニウム化合物は、上記式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、式(1)におけるR1、R2、R3、及びR4が、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、この内、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものがより好ましい。このような第4級アンモニウム化合物は、具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HSO4 -、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸(B(OH)4 -)、カルボン酸の塩が好ましい。カルボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸がより好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用することもできる。
用いる第4級アンモニウム化合物の量は、ポリアセタールコポリマーと第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50質量ppmが好ましく、より好ましくは1〜30質量ppmである。
P×14/Q 式(2)
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
第4級アンモニウム化合物の含有量が0.05質量ppm以上であれば、不安定末端部の分解除去速度が向上し、50質量ppm以下であれば不安定末端部分解除去後のポリアセタールコポリマーの色調が良い。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂の不安定末端部の分解除去処理は,融点以上260℃以下の温度でポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより達成される。用いる装置には特に限定されないが、押出機、ニーダー等を用いて熱処理することが好適である。また、分解で発生したホルムアルデヒドは減圧下で除去される。第4級アンモニウム化合物の添加方法には特に限定されないが、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、重合で生成したポリアセタールコポリマーパウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタールコポリマーを熱処理する工程で添加されていればよく、押出機の中に注入したり、押出機等を用いてフィラーやピグメントの配合を行なう品種であれば,樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端除去操作を実施してもよい。
不安定末端除去操作は、重合で得られたポリアセタールコポリマー中の重合触媒の失活させた後に行なうことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行なうことも可能である。重合触媒の失活操作としては、アミン類等の塩基性の水溶液中で重合触媒を中和失活する方法を代表例として挙げることができる。また、重合触媒の失活を行なわずに、融点以下の温度で不活性ガス雰囲気下にて加熱し、重合触媒を揮発低減した後、本不安定末端除去操作を行なうことも有効な方法である。
以上の特定の不安定末端部分解除去処理により、不安定末端部が殆ど存在しない非常に熱安定性に優れたポリアセタールコポリマーを得ることができる。
(カーボンブラック(B))
本実施形態に用いられるカーボンブラック(B)は、特に限定されないが、具体的には、粒子径が小さいか又は表面積が大きく鎖状構造の発達したものであることが好ましい。具体的には、粒子径が0.05μm以下のものが好ましく、0.03μm以下のものがより好ましく、0.01μm以下のものがさらに好ましい。なお、粒子径の測定方法は、例えば、透過型電子顕微鏡でカーボンブラックを観察し、得られた画像中の粒子径を直接測定することにより行なうことができる。
また、カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル(DBP)吸油量(ASTM D2415−65T)は、350mL/100g以上であることが好ましく、400mL/100g以上であることがより好ましく、420mL/100g以上であることがさらに好ましい。フタル酸ジブチル吸油量が350mL/100g以上であることにより、カーボンブラック(B)の少ない含有量で、良好な導電性を付与することができる。
上記のようなカーボンブラック(B)としては、特に限定されないが、具体的には、ケッチェンブラックEC−300J〔フタル酸ジブチル:365mL/100g〕、ケッチェンブラックEC−600JD〔フタル酸ジブチル:480mL/100g〕(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)、プリンテックスXE2−B〔フタル酸ジブチル:420mL/100g〕(オリオンエンジニアドカーボンズ(株)製)などがある。また、2種以上のカーボンブラックを併用して用いてもよい。
カーボンブラック(B)の含有量は、ポリアセタール樹脂組成物全体に対して5質量%を超えて15質量%以下であり、含有量の下限値に関して好ましくは6質量%であり、より好ましくは7質量%であり、含有量の上限値に関して好ましくは12質量%であり、より好ましくは10質量%である。含有量が5質量%よりも多いことにより十分な導電性を得ることが可能となり、15質量%以下であると諸特性のバランスが取れたポリアセタール樹脂組成物を得ることが可能となる。
(黒鉛(C))
本実施形態の(C)成分に用いられる黒鉛は、特に限定されないが、具体的には、人造黒鉛及び天然黒鉛から、目的に応じて適宜選択することができる。本実施形態で使用される黒鉛(C)が粉末である場合に、その黒鉛粉末の形状は、鱗片状、塊状、又は球状等いずれでもよい。(C)成分としては、より良好な導電性発現の観点から、天然黒鉛が好ましく、鱗片状の天然黒鉛がより好ましい。
本実施形態で使用される黒鉛(C)が粉末である場合の平均粒子径は、0.5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜80μmであり、さらに好ましくは5〜50μmである。十分な導電性発現の観点から0.5μm以上が好ましく、取り扱い性と成形品表面外観保持の観点から100μm以下が好ましい。なお、平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡で黒鉛を観察し、得られた画像中の粒子径を直接測定することにより求めることができる。
また、黒鉛(C)の含有量は、ポリアセタール樹脂組成物全体に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。黒鉛の含有量が0.1質量%以上であることによって導電性を安定化させることができ、10質量%以下であることによって組成物の熱安定性を保持させることができる。
上記のような黒鉛(C)としては、特に限定されないが、具体的には、F♯3〔平均粒径60μm〕、CPB〔平均粒径19μm〕、J−CPB〔平均粒径5μm〕(日本黒鉛(株)製)、CNP15〔平均粒径15μm〕、Z−5F〔平均粒径5μm〕(伊藤黒鉛工業(株)製)などがある。また、2種類以上の黒鉛を併用して用いてもよい。
黒鉛(C)とカーボンブラック(B)の質量比(C)/(B)は1/99〜50/50の範囲であることが好ましく、より好ましくは5/95〜40/60であり、更に好ましくは10/90〜35/65である。質量比が1/99以上であることによってより安定した導電性が得られるようになり、50/50以下であることによって大量の導電性フィラーを配合しなくても組成物成形片により高い導電性を与えることができる。
(23℃において液体である物質(D))
本実施形態の(D)成分に用いられる物質は、23℃で液状の物質であれば特に制限されず、単一成分のものであっても、2種以上の物質の混合物であってもよい。23℃で液状の物質を添加することで、押出加工時においてポリアセタール樹脂(A)中へのカーボンブラック(B)と黒鉛(C)の分散性が向上し、押出機からストランドが押し出される際に発生する目ヤニの量を極めて少量に抑えることができる。これにより、目ヤニ(異物)の混入による導電性の低下を抑えることができる。これに加え、成形時においても、金型と金型汚染の原因となる物質の間に23℃で液状の物質が介在するようになり、連続成形時の金型汚染を極めて低いレベルに抑えることができる。
上記のような23℃において液体である物質(D)の中でも、常圧下、23℃〜240℃の間で相変化を伴わないものが好ましく用いられる。具体的には流動パラフィン、ベビーオイル、セレシン、鉱物ワックス、石油ワックス、シリコンオイル、琥珀油、オイルシェール、クレオソート油、ビチューメン等の鉱物油;合成油、ひまし油、桐油、ナンヨウアブラギリ油、烏臼油、アマニ油、ショートニング、サラダ油、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、サフラワー油、ひまわり油、こめ油、糠油、椿油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、麻実油、ブドウ油、けし油、カラス油、小麦胚芽油、月見草油、シソ油、荏油、杏仁油、アケビ油、山茶花油、茶油、胡桃油、白樺油、大風子油、巴豆油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、ヘーゼルナッツオイル、アボカドオイル、グレープシードオイル、マカダミアナッツオイル、アルガンオイル、ローレルオイル、パンプキンシードオイル、ペカンナッツオイル、ピスタチオオイル、ホホバオイル、カカオバター、ババスオイル、カカオバター、ボリジオイル、シアバター、バオバブオイル、メロンシードオイル、マンゴバター、サルバター、クルムバター、コクムバター、メドウフォーム油、コーヒー豆油、マルーラナッツオイル、ブロッコリーシードオイル、モモ核油、チェリー核油、クランベリーシードオイル、ザクロの種油、ククイナッツオイル、ニーム油、キウイフルーツシードオイル、ローズヒップオイル、シーバクソン、モンゴイゴオイル、チンク油、密陀油、木蝋、キャンデリラワックス、カルナバワックス、エッセンシャルオイル等の植物油;牛脂、骨油、魚油、鶏油、鴨油、蟹油、馬油、ラノリン、シュマルツ、バター、エミューオイル、蘇油、ギー、鯨油、イルカ油、ミンクオイル、スクワラン、卵黄油、肝油、鮫油、牛脚油、密蝋等の動物油;エステル油、オレフィン油等の合成油等である。
これらのうち、成形片表面の平滑性向上と連続成形時の金型汚染性が少なくできるという観点から、好ましくは23℃における動粘度が200cSt以下のものであり、より好ましくは150cSt以下のものであり、さらに好ましくは100cSt以下のものである。なお、動粘度は、一般的に用いられている粘度計により測定することができる。
また、(D)成分としては、流動パラフィン、脂肪族ジエステル及び脂肪族トリエステルなどのエステル油からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましく、脂肪族ジエステル及び脂肪族トリエステルからなる群から選択される1種又は2種であることがより好ましい。
また(D)成分の含有量はポリアセタール組成物全体に対して0.05質量%以上0.5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上0.3質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.2質量%以下である。このような範囲とすることにより、連続成形時の金型汚染を抑制でき、かつ高い導電性を得ることができる。
(23℃において固体である脂肪族エステル(E))
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、成形片表面の平滑性向上と連続成形時の金型汚染性が少なくできるという観点から、23℃において固体である脂肪族エステル(E)をさらに含むことが好ましい。23℃において固体である脂肪族エステル(E)の具体例としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステルが挙げられる。これらの摺動性改良剤として働く(E)成分は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分としては、特に限定されないが、具体的には、下記に示す1価脂肪酸と1価脂肪族アルコールのエステルである。1価脂肪酸としては、特に限定されないが、具体的には、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸が挙げられる。1価脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、具体的には、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和アルコールが挙げられる。また、かかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸又はこれらの混合物等でもよい。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。上述の1価脂肪酸、1価脂肪族アルコールの中でもミリスチン酸とセチルアルコールのエステルであるミリスチン酸セチルが特に好ましい。
また、成形片表面の平滑性向上と連続成形時の金型汚染性が少なくできるという観点から23℃において固体である脂肪族エステル(E)と23℃において液体である物質(D)の質量比(E)/(D)は10を超えて20以下であることが好ましく、より好ましくは12以上18以下、さらに好ましくは13以上17下である。
(その他の成分)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、さらに必要に応じて、ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物、酸化防止剤、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤を添加することができる。これらの含有量としては、特に限定されないが、好ましくは、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して各々0.01〜1質量部の範囲で添加することができる。
ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
アミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、特に限定されないが、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン(メラミン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン等である。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、特に限定されないが、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、特に限定されないが、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。尿素誘導体の例としては、特に限定されないが、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、特に限定されないが、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、特に限定されないが、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、特に限定されないが、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。ウレイド化合物の具体例としては、特に限定されないが、アラントイン等が挙げられる。ヒドラジン誘導体としては、特に限定されないが、ヒドラジド化合物を挙げることができる。ヒドラジド化合物の具体例としては、特に限定されないが、ジカルボン酸ジヒドラジドを挙げることができ、さらに具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げることができる。イミダゾール化合物の具体例としては、特に限定されないが、イミダゾール、1‐メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールを挙げることができる。イミド化合物の具体例としては、特に限定されないが、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体又化合物は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物又は重合体の中でもメラミンが特に好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、具体的には、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、特に限定されないが、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。これらの中では、好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン‐3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ギ酸捕捉剤としては、特に限定されないが、例えば、上記のアミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。他のギ酸捕捉剤としては、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩又はアルコキシドが挙げられる。より具体的には、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム若しくはバリウムの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩が挙げられる。これらのギ酸捕捉剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
耐候(光)安定剤は、特に限定されないが、具体的には、ベンゾトリアゾール系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤並びにヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種以上であると好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、特に限定されないが、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、好ましくは2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の具体例としては、特に限定されないが、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、特に限定されないが、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの縮合物、デカン2酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。これらヒンダードアミン系光安定剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
離型剤としては、特に限定されないが、具体的には、アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物が好ましく用いられる。
(添加剤)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、さらに公知の添加剤を必要に応じて含有してもよい。そのような添加剤として、具体的には、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及び顔料が挙げられる。
結晶核剤としては、特に限定されないが、例えば窒化ホウ素などが挙げられる。
導電剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維、人造又は天然黒鉛、単層又は多層カーボンナノチューブ、金属粉末、及び金属繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、及び未硬化のエポキシ樹脂(必要に応じて、樹脂硬化促進剤を含んでもよい。)が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物を熱可塑性樹脂として用いてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
顔料としては、特に限定されないが、具体的には、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料が挙げられる。ここで、無機系顔料としては、特に限定されないが、具体的には、樹脂の着色用として一般的に用いられているものが挙げられ、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックが例示される。また、有機系顔料としては、特に限定されないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系の顔料が挙げられる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物への顔料の添加割合は、求められる色調により大幅に変化するため明確に規定することは困難であるが、一般的には、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いることができる。
〔ポリアセタール樹脂組成物の製造方法〕
次に本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の好適な製造方法について説明する。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いることができる。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等上げることができる。このときの加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
これらの中でも、減圧装置とサイドフィーダーとを装備した2軸押出機が好ましく、複数のサイドフィーダーを装備した2軸押出機がさらに好ましい。このような装置を用いて、上記各成分を溶融混練することによって本実施形態のポリアセタール樹脂組成物が得られる。溶融混練の方法は、全成分を同時に溶融混練する方法、予備的に混合した混合物を溶融混練する方法、さらに押出機のバレルの途中において、逐次、サイドフィーダーから各成分を供給し、溶融混練する方法が挙げられる。
これらの中でもカーボンブラック(B)以外の物質を固相状態で混合したブレンド物を2軸押出機の上流より供給し、それより下流に設けられたサイドフィーダーからカーボンブラック(B)を供給して溶融混練する方法が好ましい。これにより、23℃において液体である物質(D)の存在下でカーボンブラック(B)がポリアセタール樹脂(A)に配合されることになり、ポリアセタール樹脂(A)中へのカーボンブラック(B)の分散性をより向上させることができる。
押出機の減圧度は特に限定されないが、0〜0.07MPaが好ましい。また、溶融混練の温度は、用いるポリアセタール樹脂(A)のJIS K7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求まる融点より1〜100℃高い温度が好ましい。より具体的には、溶融混練の温度は160℃〜240℃であると好ましい。また、混練機での剪断速度は100rpm以上であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は、30秒間〜1分間が好ましい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を成形して成形品を製造する方法は、従来のポリアセタール樹脂組成物を成形する方法と同様であればよく特に制限されない。その方法としては、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)が挙げられる。
〔成形品〕
上述の成形方法によって本実施形態のポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品、例えば、射出成形によって得られる射出成形体は様々な用途の成形品として使用することが可能である。そのような成形品として、例えば、歯車(ギア)、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及びガイド等に代表される機構部品;アウトサート成形の樹脂部品;インサート成形の樹脂部品;シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器内部の機構部品;VTR(Video Tape Recorder)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及びデジタルカメラに代表されるカメラ又はビデオ機器用部品;カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk)、CD(Compact Disk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD(Digital Video Disk)〔DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−R DL、DVD+R DL、DVD−RAM(Random Access Memory)、DVD−Audioを含む〕、Blu−ray Disc、HD−DVD、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器;携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器用部品;電気機器用部品;電子機器用部品が挙げられる。
また、その成形品は、自動車用の部品などとしても用いることも可能であり、例えば、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品;ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品;シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品;コンビスイッチ部品、スイッチ類、及びクリップ類の部品;さらにシャープペンシルのペン先、及びシャープペンシルの芯を出し入れする機構部品;洗面台並びに排水口及び排水栓開閉機構部品;自動販売機の開閉部ロック機構、及び商品排出機構部品;衣料用のコードストッパー、アジャスター、及びボタン;散水用のノズル、及び散水ホース接続ジョイント;階段手すり部、及び床材の支持具である建築用品;使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品;自動販売機;家具;楽器;及び住宅設備機器に代表される工業部品としても好適に用いられる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例及び比較例よって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本願実施例に用いた各成分は、下記のものを用いた。
〔ポリアセタール樹脂(A)〕
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合反応機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合反応機の内径(m)。以下、同じ。))を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラールを、得られるポリアセタール樹脂のメルトフローレートが30g/10minとなるように調整して連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molで連続的に添加し重合を行なった。
重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。このようにして得られたポリアセタール樹脂100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部を添加し、ベント付2軸押出機で溶融混練することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。
〔カーボンブラック(B)〕
(B−1)ケッチェンブラックEC300J(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製、フタル酸ジブチル吸油量360mL/100g)
(B−2)プリンテックスXE2−B(オリオンエンジニアドカーボンズ(株)製、フタル酸ジブチル吸油量420mL/100g)
(B−3)エンサコ350G(ティミカル(株)製、フタル酸ジブチル吸油量320mL/100g)
また、本実施例のポリアセタール組成物には上記(A)、(B)2成分に加え、必要に応じてエポキシ樹脂としてクレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物(旭化成イーマテリアルズ(株)製、ECN−1299)、エポキシ樹脂硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業(株)製)とジシアンジアミド(日本カーバイド工業(株)製)を用いた。
〔黒鉛(C)〕
(C−1)F#3〔鱗片状天然黒鉛、平均粒径19μm〕(日本黒鉛(株)製)
(C−2)AGB−20〔顆粒状人造黒鉛、平均粒径18μm〕(伊藤黒鉛工業(株)製)
〔23℃において液体である物質(D)〕
(D−1)DIDA(大八化学工業製、アジピン酸ジイソデシル、23℃における動粘度30cSt)
(D−2)ユニスターH310R(日油製、トリメチロールプロパントリドデカン酸エステル、23℃における動粘度40cSt)
(D−3)スモイルPS−120(松村石油製、流動パラフィン、23℃における動粘度110cSt)
(D−4)ルーカントHC−40(三井化学製、液状ポリオレフィンオリゴマー、23℃における動粘度1000cSt)
〔23℃において固体である脂肪酸エステル(E)〕
(E−1)ミリスチン酸セチル(北広ケミカル製)
[導電性の評価方法]
東芝機械(株)製EC75−NII射出成形機を用いて、シリンダー温度205℃、金型温度90℃に設定し、射出圧力70MPa、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で評価用ISOダンベルを得た。このISOダンベルから30×20×4mmの平板を切り出し、四探針ASPプローブ(ピン間5mm、ピン先0.37mmR×4、バネ圧210g/本、JIS K7194対応)をこの平板に押し当て、三菱化学製ロレスタ−GPにより測定電圧90Vで体積抵抗率を測定した。
[耐モールドデポジット(MD)性能の評価方法]
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度を180℃、金型温度を70℃に設定し、射出圧力70MPa、射出時間60秒、冷却時間15秒の射出条件で、後述のポリアセタール樹脂組成物から厚さ2mm、幅80mm×80mmのシボ付平板の試験片を成形した。本条件で連続成形した後の金型内の汚染状態(モールドデポジット;以下MD)を目視にて50ショット毎に観察し、MDが確認できるようになったショット数を記録した。さらにMDの除去容易性を確認するために、金型に付着した物質のふき取りを行い、以下の判定基準で除去容易性の判定を行った。
評価1:ティッシュで軽く乾拭きだけで完全に除去できる
評価2:ティッシュで強く乾拭きすることで完全に除去できる
評価3:金型洗浄剤を使用すればすぐに除去できる
評価4:金型への固着性が強く、金型洗浄剤を使用してもすぐには除去できない
[ポリアセタール樹脂組成物の製造方法]
(押出機(図1)の説明)
本実施例では、2軸押出機(東芝機械(株)製TEM−26SS押出機(L/D=48、ベント付き)を用いて樹脂組成物を製造した。本押出機の概略図を図1に示す。1〜12:押出機のバレルゾーン(個々に独立している)、13:ダイヘッド、14:押出機モーター、15:定量フィーダー(トップ)(クボタ(株)製 CE−W−1)(クボタ(株)製、CE−W−0)、16:定量フィーダー(サイド)(クボタ(株)製、CE−W−0)、17:脱気ベント
(原料の押出機へのフィード方法)
カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーで均一に混合した後、この均一混合物は定量フィーダー15よりトップフィードし、カーボンブラック(B)は定量フィーダー16よりサイドフィードした。
(溶融混練)
図1において、バレルゾーン1は冷却水により冷却し、バレルゾーン2を180℃に、バレルゾーン3〜12とダイヘッドは200℃に設定されたTEM26−SS2軸押出機を用い、上述のフィード方法によって表1に記載の割合で押出機に原料をフィードして、17の脱気ベントより真空ポンプで脱気して、スクリュー回転数150rpm、押出量15kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて上述の方法により体積抵抗率の測定とMD性能の評価を行った。
〔実施例1〜14〕
表1に示す量の割合で各成分を配合し、上述の押出法によりポリアセタール樹脂組成物を製造し、物性評価を行った。
〔比較例1〜19〕
表2に示す量の割合で各成分を配合し、上述の押出法によりポリアセタール樹脂組成物を製造し、物性評価を行った。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は導電性に優れ、連続成形時の金型汚染が極めて少ないため、自動車、電機電子機器の精密部品、その他工業などの広い分野において好適に利用でき、長時間連続成形の際の歩留まりの悪化を飛躍的に抑制することができる。
1〜12…押出機のバレルゾーン、13…ダイヘッド、14…押出機モーター、15…定量フィーダー(トップ)、16…定量フィーダー(サイド)、17…脱気ベント

Claims (6)

  1. ポリアセタール樹脂(A)と、
    カーボンブラック(B)と、
    黒鉛(C)と、
    23℃において液体である物質(D)とを含有し、
    前記カーボンブラック(B)の含有量が、5質量%を超えて15質量%以下であり、
    前記23℃において液体である物質(D)の含有量が、0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
    前記23℃において液体である物質(D)が、流動パラフィン、脂肪族ジエステル、脂肪族トリエステル、鉱物油、植物油、動物油、合成油からなる群より選択される1種又は2種以上であり、
    更に23℃において固体である脂肪族エステル(E)を含む、
    ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記23℃において液体である物質(D)の23℃における動粘度が、200cSt以下である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記23℃において液体である物質(D)が、23℃〜240℃の間で相変化を伴わないものである、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が、350mL/100g以上である、請求項1〜いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記黒鉛(C)が、天然黒鉛である、請求項1〜いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 前記23℃において固体である脂肪酸エステル(E)と前記23℃において液体である物質(D)の質量比(E)/(D)が、10を超えて20以下である、請求項1〜5いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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