JP2005339899A - 燃料電池セパレータ用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池セパレータを作製するための樹脂組成物であって、この樹脂組成物を用いて成形される燃料電池セパレータの成形性の悪化や電気特性の低下を抑制できる燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を混練して得られる樹脂組成物であって、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲にあり、且つその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にあり、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満であることを特徴とする燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

この出願の発明は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物と、それを用いて得られる燃料電池セパレータに関するものである。
燃料電池は、電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、近年、高出力が得られる燃料電池として、固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が注目されている。
固体高分子型燃料電池は、燃料電極に水素ガスを、酸化剤電極に酸素ガスを供給することにより電流を得るものであるが、各電極においては次のような反応が生じている。
燃料電極反応 : H2 → 2H++2e- ・・・(1)
酸化剤電極反応 : 2H++2e-+1/2O2 → H2O ・・・(2)
全体反応 : H2+1/2O2 → H2
すなわち、燃料電極上では水素(H2)がプロトン(H+)となり、このプロトンが固体高分子電解質膜中を移動し、酸化剤電極上で酸素(O2)と反応して水(H2O)を生ずるのである。
一般に、固体高分子型燃料電池は、図1に示されるように、1対の燃料電池セパレータ(1)の間に[燃料電極(アノード)(2)/固体高分子電解質膜(3)/酸化剤電極(カソード)(4)]の3層構造が挟まれてなる単位セル(5)が直列に複数個連結されて構成される。このような燃料電池において、燃料電池セパレータ(1)は両面に複数のリブ部(11)を有し、隣り合うリブ部(11)の間は、ガス供給排出溝(6)として作用する。そして、これらのガス供給排出溝(6)のうち、燃料電極(2)と接する側に燃料(水素ガス)を、酸化剤電極(4)と接する側に酸化剤(酸素ガス)を供給することにより、燃料の酸化反応が起こり、この反応の化学エネルギーが直接電気化学エネルギーに変換される。
したがって、このような固体高分子型燃料電池において、燃料電池セパレータ(1)は、図1に示されるように、薄肉の板状体の片面又は両面に複数のガス供給排出用溝(6)を有する特異な形状を有しており、燃料電池内を流れる燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水が混合しないように分離すると共に、燃料電池における各単位セル(5)で発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、単位セル(5)で生じた熱を外部へ放熱したりする重要な役割を担っている。したがって、固体高分子型燃料電池の燃料電池セパレータ(1)には、一般に、次のような特性が要求される。
(a)高導電性
(b)耐腐食性(耐酸性)
(c)気密性
(d)組み立て時の締め付けに対する強度、機械的強度;特に自動車等の移動用電源としては耐振動性、耐衝撃性、耐クリープ性
(e)成形性、
(f)低コスト性
(g)耐水性、耐薬品性(耐膨潤性)
(h)耐熱性(90〜120℃)
これらの特性を実現するために、燃料電池セパレータ(1)を構成する材料としては、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂やポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、黒鉛粒子等を導電材として含有する各種の樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。さらに、炭素繊維等の繊維物質を膨張黒鉛とともにシート状に加工し、これを粉砕して樹脂に分散させることにより、曲げ強度を高めた燃料電池セパレータが提案されている(引用文献4)。
しかし、これら従来の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、それを用いて燃料電池セパレータを作製した場合に、しばしば成形性の悪化が見られ、接触抵抗が増大する等の電気特性の低下も起こりやすいという問題があった。
特開平2001−216976号公報 特開平2004−103495号公報 特許第3372220号公報 特許第3437937号公報
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、燃料電池セパレータを作製するための樹脂組成物であって、この樹脂組成物を用いて成形される燃料電池セパレータの成形性の悪化や電気特性の低下を抑制できる燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、少なくとも、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を混練して得られる樹脂組成物であって、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲にあり、且つその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にあり、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満であることを特徴とする燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
この出願の発明は、第2には、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有する前記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
また、この出願の発明は、第3には、エポキシ樹脂の融点が70〜130℃の範囲にある燃料電池セパレータ用樹脂組成物を、第4には、硬化触媒として、少なくともリン系化合物を含有する前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を、そして、第5には、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が1〜1.15である前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
さらに、この出願の発明は、第6には、熱硬化性樹脂成分として、フェノール樹脂を含有する前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を、第7には、フェノール樹脂が、融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂である前記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
この出願の発明は、第8には、黒鉛粒子成分として、球状天然黒鉛を含む前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供する。
そして、この出願の発明は、第9には、前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を成形して得られる燃料電池セパレータをも提供する。
上記第1の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲、その含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲であるが、さらに混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率を30%未満とすることにより、この燃料電池セパレータ用樹脂組成物を使用して燃料電池セパレータを製造した場合に良好な成形性と高い電気特性が実現される。
また、上記第2の発明では、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有することにより、成形性や寸法安定性が良好な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られる。
上記第3の発明では、エポキシ樹脂の融点を70〜130℃の範囲とすることにより、分散性が良好で熱安定性の高い、取り扱いの容易な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られ、上記第4の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、硬化触媒としてリン系化合物を含有することにより、この燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて得られる燃料電池セパレータからの不純物の溶出が抑えられる。さらに、上記第5の発明では、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比を1〜1.15とすることにより、成形時にエポキシ樹脂の硬化が十分に促進され、高い強度を有する、成形性がよく、不純物溶出も少ない燃料電池セパレータを製造することが可能となる。
上記第6の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、熱硬化性樹脂成分としてフェノール樹脂を含有することにより、これを用いた燃料電池セパレータの成形性が良好となり、得られる燃料電池セパレータの気密性も高くなる。
また、上記第7の発明では、フェノール樹脂を融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂とすることにより、成形性がよく、取り扱いが容易な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られる。
さらに、上記第8の発明では、黒鉛粒子成分を球状天然黒鉛を含むものとすることにより、混練後の黒鉛粒子の平均粒径の変化率を30%未満に抑えることが容易となる。したがって、このような燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて得られる燃料電池セパレータの電気特性がとくに高くなる。
そして、上記第9の発明の燃料電池セパレータでは、前記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて製造されることから、成形が容易であり、高い電気特性が実現される。
この出願の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、少なくとも、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を混練して得られる樹脂組成物であるが、このとき、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲にあり、且つその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にあり、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満であることを特徴とするものである。
この出願の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂成分としては、樹脂成形に適用可能な各種のものが考慮されるが、中でもエポキシ樹脂とフェノール樹脂のうちの一方、または両方を含むことが好ましい。とくに、エポキシ樹脂はイオン性不純物が少ないため、好ましい。
熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂は固形のものとすることが好ましい。とくに、常温での凝集を防止する上では、融点が70〜130℃の範囲のものとすることが望ましい。
また、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を含む場合には、さらに、硬化剤と硬化促進剤を含有するものとする。このとき、硬化剤としては、燃料電池セパレータ(1)の高い導電性の維持、被毒の防止、不純物溶出の防止等を考慮してアミン系化合物や酸無水物系化合物を含まないものとすることが望ましい。具体的には、フェノール系化合物が好ましく例示される。一方、硬化促進剤としても非アミン系化合物を使用することが望ましい。具体的には、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物が用いられる。これら硬化剤や硬化促進剤の含有量については、とくに限定されないが、例えば、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比を1〜1.15とすることができる。また、硬化促進剤の含有量は適宜調整されるが、例えば、エポキシ樹脂に対して0.5〜3重量部の範囲とすることができる。
一方、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が、熱硬化性樹脂成分としてフェノール樹脂を含む場合には、フェノール樹脂として開環重合により重合反応が進行するフェノール樹脂を用いることが好ましい。このようなフェノール樹脂では、成形工程での脱水によるガス発生がないことから、成形品、すなわち燃料電池セパレータ(1)におけるボイドの発生を防止でき、これにより高い気密性が確保される。
各種のフェノール樹脂のなかでも、融点70〜80℃のレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましく、具体的には、13C−NMR分析からオルト−オルト25〜35%、オルト−パラ60〜70%、パラ−パラ5〜10%の構造が確認されるレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。なお、レゾール型フェノール樹脂は、通常、常温において液状であるが、燃料電池セパレータ用樹脂組成物における熱硬化性樹脂成分の分散性を考慮すれば、固体とすることが望ましい。したがって、前記のとおり、融点を70〜80℃に調節したものを使用することが好ましい。
このように、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が、熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂のいずれか一方または両方を含む場合、エポキシ樹脂やフェノール樹脂の含有量はとくに限定されないが、例えば、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量を、熱硬化性樹脂全量に対して50〜100重量%の範囲とすることができる。
もちろん、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂やフェノール樹脂に加えて、さらに、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の一種または複数種の樹脂を含んでいてもよい。例えば、ポリイミド樹脂を加えることにより、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の耐熱性や耐酸性を向上することができる。
この出願の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、黒鉛粒子成分は、成形される燃料電池セパレータ(1)の比抵抗を低減し、導電性を向上するためのものであるが、黒鉛粒子成分の含有量は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲とする。黒鉛粒子成分の含有量が70重量%未満の場合、燃料電池セパレータ(1)に必要とされる電気特性が十分に得られなくなる恐れがあり、また90重量%より多い場合には、燃料電池セパレータ(1)に必要とされる気密性や成形性が十分に得られなくなる恐れがある。
また、この出願の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物においては、黒鉛粒子として、混練前の平均粒径が1〜150μmのものを用いる。平均粒径が1μm未満のものでは成形性が低下し易く、150μmを超えるものでは成形品の表面平滑性が損なわれる恐れがある。
燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、一般に、樹脂成分、黒鉛粒子、その他の添加剤等を配合し、混練して得られるものであるが、このとき、混練により黒鉛粒子の平均粒径が変化する。この出願の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、混練後の黒鉛粒子の平均粒径の変化率を30%未満に抑えることにより、燃料電池セパレータ(1)が成形性高く製造され、燃料電池セパレータ(1)において高い導電性が得られるようになる。一方、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%を超える場合には、黒鉛の連結が途切れ、導電性が低下する恐れがある。
このような黒鉛粒子は、高い導電性を示すものであればよく、その種類はとくに限定されない。例えば、メソカーボンマイクロビーズなどの炭素質を黒鉛化したもの、石炭系コークスや石油系コークスを黒鉛化したもの、黒鉛電極や特殊炭素材料の加工粉、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛等が挙げられる。このような黒鉛粒子は、一種のみを用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、黒鉛粒子は、人造黒鉛粉、天然黒鉛粉のいずれでも良いが、天然黒鉛粉は導電性が高いことが知られており、人造黒鉛粉は異方性が少ないことが知られていることから、必要に応じて適宜選択すればよい。各種の黒鉛粒子の中でも、球状天然黒鉛は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中で配向しないことから、導電性の異方性が生じず好ましい。
このような燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、さらに、必要に応じて離型剤、カップリング剤など、各種の添加剤を含有していてもよい。具体的には、離型剤として、炭化水素系化合物、アマイド系化合物、脂肪酸系化合物、天然カルナバワックス等を1種または複数種使用できる。また、カップリング剤としては、シリコン系、チタネート系、アルミニウム系等のもの、具体的には、エポキシシラン等を使用することが出来る。このようなカップリング剤は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中に直接添加してもよいし、有機溶媒などで希釈した溶液を噴射して処理してもよい。あるいは、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中の黒鉛粒子成分に直接混合したり、有機溶媒などで希釈した溶液を噴霧することにより添加してもよい。
以上のとおりの燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、前記の各成分を適宜の手法で配合し、必要に応じて混練することにより得られる。混練には、通常の混練機が使用できるが、好ましいものとしては、2軸押出機の中でもスクリューやパドルパターンが変更できるものが挙げられる。これらの一例としては、(株)栗本鉄工所から市販されているKRCニーダーが挙げられる。これは、回転数や温度に加えて、混練ゾーン比率も容易に変更できるものであり、容易に配合物の混練状態を調整できる点で適当といえる。
なお、各成分の配合に当たっては、イソプロピルアルコール等の溶媒を添加してもよい。溶媒の使用量は、熱硬化性樹脂の一部を溶解できる量とすることが望ましいが、溶媒の使用量があまり多いと、混練後に溶媒の除去に長時間を要し、生産性が低下することから、燃料電池セパレータ用樹脂組成物における全固形分に対して2重量%以下とすることが望ましい。
このようにして得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、混練後、不定形であるが、これらをさらに整粒機等により粉砕して、小径の粒としてもよい。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1〜6>
(1)燃料電池セパレータ用樹脂組成物の製造
表1に示した条件で、表1に示した条件の配合物を所定温度に加熱した混練機に原料を入れ、混練した。なお、混練機としては、S2KRCニーダー((株)栗本鉄工所製)を使用し、混練の条件は、混練後の黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満となる条件、すなわち、表2に示したAまたはBのパドルパターンを用いたものとした。
次いで、得られた混練物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
(2)燃料電池セパレータの製造
得られた粉砕物を、175℃、35.3MPa(350kg/cm2)の条件で5分間成形し、脱型して図1に示される形状の燃料電池セパレータ(1)を得た。
(3)評価
・成形性:得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて同一条件で30個のサンプルを成形し、その外観観察より充填不良の有無を確認し、不良品の発生数により評価した。
・黒鉛粒子平均粒径の変化率:得られた成形材料を灰化して樹脂を除去し、黒鉛の平均粒径を粒度分布計による測定から求めた。
・接触抵抗(面積抵抗):JIS K7194に従い、セパレータ成形品の電極接触部分を切り出して、体積抵抗率を測定した。
以上の評価結果を表1に示した。
<実施例7〜11>
表1に示した条件の配合物にイソプロピルアルコールを1%噴霧し、攪拌した後、所定の温度に加熱した混練機に投入した。なお、混練機としては、S2KRCニーダー(栗本鉄工所(株)製)を使用し、混練の条件は、混練後の黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満となる条件、すなわち、表2に示したAのニーダー混練ゾーン比率を用いたものとした。
得られた混練物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
この粉砕物を用いて、実施例1と同様の方法で燃料電池セパレータ(1)を成形し、評価した。評価結果を表1に示した。
<比較例1>
混練の条件を、混練後の黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%以上となるもの、すなわち、表2に示したCのニーダー混練ゾーン比率を用いたものとした以外は、実施例1と同じ方法により燃料電池セパレータ用樹脂組成物を製造し、これを用いて燃料電池セパレータ(1)を成形した。
評価結果を表1に示した。
Figure 2005339899
なお、表1において、*1〜*11は次のものを表す。
*1 当量 エポキシ/フェノール=1/1.12=0.89
*2 EOCN−1020(日本化薬):エポキシ当量199
*3 PSM6200(群栄化学工業):OH当量105
*4 サンプルA(群栄化学工業)
*5 TPP(北興化学工業)
*6 SGS20A(中越工業所)平均粒径20μm
*7 WF025(中越黒鉛工業所)平均粒径25μm
*8 WR20A(中越黒鉛工業所)平均粒径20μm
*9 A187(日本ユニカー)
*10 H1−100(大日化学)
*11 J−900(大日化学)
Figure 2005339899
表より、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲でその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にあり、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満である燃料電池セパレータ用樹脂組成物(実施例1〜11)を用いることにより、成形性よく、高い電気特性を有する燃料電池セパレータを得ることができることが示された。
一方、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲でその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にある場合でも、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%以上の場合(比較例1)には、成形性が著しく悪化し、十分な電気特性が得られなくなることが確認された。
燃料電池の基本構造を模式的に例示した斜視図である。
符号の説明
1 燃料電池セパレータ
11 リブ部
2 燃料電極(アノード)
3 固体高分子電解質膜
4 酸化剤電極(カソード)
5 単位セル
6 ガス供給排出溝

Claims (9)

  1. 少なくとも、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を混練して得られる樹脂組成物であって、混練前の黒鉛粒子の平均粒径が1〜150μmの範囲にあり、且つその含有量が樹脂組成物全量に対して70〜90重量%の範囲にあり、混練による黒鉛粒子の平均粒径の変化率が30%未満であることを特徴とする燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有する請求項1の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂の融点は、70〜130℃の範囲にある請求項2の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  4. 硬化触媒として、少なくともリン系化合物を含有する請求項2または3のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が1〜1.15である請求項2ないし4のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  6. 熱硬化性樹脂成分として、フェノール樹脂を含有する請求項1ないし5のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  7. フェノール樹脂は、融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂である請求項6の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  8. 黒鉛粒子成分として、球状天然黒鉛を含む請求項1ないし7のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を成形して得られる燃料電池セパレータ。
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