JP4356546B2 - スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 - Google Patents

スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 Download PDF

Info

Publication number
JP4356546B2
JP4356546B2 JP2004211739A JP2004211739A JP4356546B2 JP 4356546 B2 JP4356546 B2 JP 4356546B2 JP 2004211739 A JP2004211739 A JP 2004211739A JP 2004211739 A JP2004211739 A JP 2004211739A JP 4356546 B2 JP4356546 B2 JP 4356546B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
atom
general formula
polymer
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004211739A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006028414A (ja
Inventor
芳孝 山川
誠 樋上
敏明 門田
幸平 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2004211739A priority Critical patent/JP4356546B2/ja
Publication of JP2006028414A publication Critical patent/JP2006028414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4356546B2 publication Critical patent/JP4356546B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Primary Cells (AREA)

Description

本発明は、固体高分子電解質またはプロトン伝導膜として好適に用いられる新規なスルホン化ポリマーに関する。
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これが固体系に置き替えられている。その第1の理由としては、たとえば、電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・高電力化への移行である。
従来、プロトン伝導性材料としては、無機化合物および有機化合物の両方が知られている。無機化合物としては、たとえば水和化合物であるリン酸ウラニルなどが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が充分でなく、伝導層を基板または電極上に形成するには問題が多い。
一方、有機化合物としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、たとえばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子に、スルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマー(例えば、非特許文献1〜3参照 )などの有機系ポリマーが挙げられる。
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導性がまだ十分でないことに加え、耐久性が低いこと、高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうこと、スルホン化により脆化し、機械的強度が低下すること、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が十分満足のいくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。
米国特許第5,403,675号公報(特許文献1)には、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が開示されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマーを主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度が向上するものの、同時に得られるスルホン化ポリマーの耐熱水性および靭性などは著しく損なわれるという問題がある。
米国特許第5,403,675号公報 Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.7, p.2490〜2492(1993) Polymer Preprints, Japan, Vol.43, No.3, p.735〜736(1994) Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.3, p730(1993)
本発明の課題は、スルホン酸基の導入量を増加しても優れた耐熱水性を有するスルホン化ポリマー、および該スルホン化ポリマーからなるプロトン伝導度が高く、発電性能に優れた固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、特定の構造を有する化合物から導かれる構成単位およびスルホン酸基を含有するポリアリーレン系重合体によって、上記課題を解決できることを見出した。
上記特定の構造を有する本願発明の化合物は、下記一般式(1)で表わされる。
Figure 0004356546
[式中、Aは独立に2価の原子もしくは有機基(ただしカルボニル基を除く)または直接結合であり、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3および−OSO2CF3から選ばれる原子または基であり、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキル基であり、nは1以上の整数である。Qは、下記一般式(2)で表わされる構造99〜20モル%と、下記一般式(3−1)および/または(3−2)で表される構造1〜80モル%とからなる構造である。]
Figure 0004356546
Figure 0004356546
[式中、Dは2価の原子もしくは有機基であり、R9〜R40は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基である。]
本願発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(1’)で表わされる構成単位
を含有することを特徴とする。
Figure 0004356546
[式中、A、B、R1〜R8、n、Qは、上記一般式(1)におけるA、B、R1〜R8、n
、Qと同義である。]
本願発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(5)で表される構成単位をさらに含有することが好ましい。
Figure 0004356546
[式中、Yは2価の電子吸引性基を示し、Zは2価の電子供与性基または直接結合を示し
、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、kは0〜10の整数を示
し、lは0〜10の整数を示し、jは1〜4の整数を示す。]
本発明に係る高分子電解質およびプロトン伝導膜は、上記のようなスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなることを特徴とする。
本発明によれば、ポリアリーレン系重合体に特定の構造を一定の比率で導入することにより、熱水に対する膨潤が小さく、寸法安定性に優れ、プロトン伝導度が高い高分子電解質およびプロトン伝導膜が得られる。
以下、本発明に係る特定の構造を有する化合物、該化合物から導かれる構成単位を含有するポリアリーレン系重合体、該重合体からなる高分子電解質およびプロトン伝導膜について詳細に説明する。
(特定の構造を有する化合物)
本発明に係る特定の構造を有する化合物は、下記一般式(1)で表される(以下、「化合物(1)」ともいう)。この化合物(1)から導かれる構成単位を含有させることにより、重合体に疎水部を付与するとともに、屈曲性構造を有するため重合体の靭性、その他の機械的強度などを向上させる作用を有する。
Figure 0004356546
式(1)中、Xは、フッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2
3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示す。
1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
Aは独立に2価の原子もしくは有機基または直接結合を示し、たとえば、−CONH−、−(CF2p−(pは1〜10の整数)、−C(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−などの電子吸引性基(ただし、−CO−を除く)、
−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−および下記式で表わされる基などの電子供与性基などが挙げられる。
Figure 0004356546
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基定数がフェニル基のm位の場合
、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子である。nは1以上の整数であり、上限は通常100、好ましくは80である。
Qは、下記一般式(2)で表わされる少なくとも1種の構造(以下「構造(2)」ともいう。)99〜20モル%、好ましくは95〜30モル%、特に好ましくは90〜35モル%と、下記一般式(3−1)および/または(3−2)で表される少なくとも1種の構造(以下「構造(3)」ともいう。)1〜80モル%、好ましくは5〜70モル%、特に好ましくは10〜65モル%とからなる構造を示す。このような範囲で構造(2)および(3)を含有することにより、熱水耐性、プロトン伝導性などに優れたプロトン伝導膜を得ることができる。
Figure 0004356546
Figure 0004356546
上記式中、Dは2価の原子もしくは有機基を示し、たとえば、上記Aと同様のものが挙げられる。
9〜R40は同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または
芳香族基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フェノキシジフェニル基、フェニルフェニル基、ナフトキシフェニルなどが挙げられる。
化合物(3−1)の具体例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
上記化合物(3−2)の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラエチルビフェニル、2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラエチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジエチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジ−t−ブチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ビス(2−プロペニル)ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラフルオロビフェニルなどが挙げられる。
上記化合物(1)は、たとえば、次のような反応により合成することができる。
まず、2価の原子もしくは有機基または直接結合で連結されたビスフェノールと、フルオレン類で連結されたビスフェノールおよび/またはビフェノール(以下、これらをまとめて「ビスフェノール類」ともいう)とをアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、上記ビスフェノール類のアルカリ金属塩と、電子吸引性基などで活性化された塩素等のハロゲン原子で置換された芳香族ジハライド化合物、たとえば、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、3,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,3’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホンなどとを反応させる。
上記芳香族ジハライド化合物は、ビスフェノール類に対し0.33〜0.999倍モル、好ましくは0.5〜0.999倍モルの量で用いられる。このように、芳香族ジハライド化合物に対して、ビスフェノール類を過剰に加えることで、両末端にビスフェノール類のアルカリ金属塩を有する前駆体が生成する。分子量の調整は、ここでの、芳香族ジハライド化合物とビスフェノール類との反応モル比によって行うことができる。
最後に、両末端にクロロベンゾイル基を導入するために、ジクロロベンゾフェノン類を加えて反応させる。ここで用いられるジクロロベンゾフェノン類としては、4,4'-ジク
ロロベンゾフェノン、3,4’-ジクロロベンゾフェノン、2,2’-ジクロロベンゾフェノンなどを挙げることができる。これらのうち、4,4'-ジクロロベンゾフェノンが好まし
い。
上記ジクロロベンゾフェノン類は、上記前駆体に対して、2倍モル以上加えることが必要であり、好ましくは3〜10倍モルの量で用いられる。添加量が2倍モルを下回る場合には、末端へのクロロベンゾイル基の導入が不完全となり、次のポリアリーレンの合成時に共重合性が低下して単独重合体の生成を招き、プロトン伝導度、熱水耐性など諸物性の低下を引き起こすことがある。
これらの反応は、反応温度が60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲で行われる。
得られたオリゴマーないしポリマーは、ポリマーの一般的な精製方法、たとえば、溶解−沈殿の操作によって精製することができる。化合物(1)の具体的な構造として、以下のものを挙げることができる。
Figure 0004356546
(ポリアリーレン系重合体)
本発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(1’)で表される構成単位(以下「構成単位(1’)」または「疎水性ユニット」ともいう)のみから構成される単独重合体でもよいし、構成単位(1’)と他の構成単位とを含有する共重合体でもよい。いずれの場合でも、重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)は1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
Figure 0004356546
式(1’)中、R1〜R8、A、B、Qおよびnは、上記一般式(1)中のR1〜R8、A、B、Qおよびnと同義である。
本発明のポリアリーレン系重合体の好ましい態様としては、上記構成単位(1’)が、
下記一般式(1’’)で表わされる構成単位であることが望ましい。
Figure 0004356546
式(1’’)中、nは1以上の整数である。また、Qは、下記一般式(2’)で表わされる構造99〜20モル%と、下記一般式(3−1’)および/または(3−2’)で表される構造1〜80モル%とを含むことが好ましい。
Figure 0004356546
Figure 0004356546
本発明のポリアリーレン系重合体を構成する他の構成単位としては、下記一般式(5)で表される構成単位(以下「構成単位(5)」ともいう)が好ましい。
Figure 0004356546
式中、Yは2価の電子吸引性基を示し、具体的には、−CO−、−SO2−、−SO−
、−CONH−、−COO−、−(CF2l−(lは1〜10の整数である)、
−C(CF32−などが挙げられる。
Zは2価の電子供与性基または直接結合を示し、具体的には、−(CH2)−、
−C(CH32−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C―および
Figure 0004356546
などが挙げられる。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的に
はフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
kは0〜10、好ましくは0〜2の整数、lは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、jは1〜4の整数を示す。
上記構成単位(5)を含有することにより、ポリアリーレン系重合体にスルホン酸基が導入されるため、高分子電解質やプロトン伝導膜として好適に用いることができる。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、式(1’)で表される構成単位を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(5)で表される構成単位を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
上記スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(5)で表される構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(1’)で表わされる構成単位と、上記一般式(5)においてスルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しない構成単位とからなるポリアリーレンを予め合成し、この重合体をスルホン化することにより合成することもできる。
上記一般式(5)の構造単位となりうるモノマーとしては、例えば、下記一般式(6)で表されるスルホン酸エステル(以下「化合物(6)」ともいう。)が挙げられる。
Figure 0004356546
式(6)中、X’はフッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2
(ここで、Gはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、Y、Z、Ar、j、kおよびlは、それぞれ上記一般式(5)中のY、Z、Ar、j、kおよびlと同義である。
aは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
Arは−SO3bで表わされる置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
置換基−SO3bは、芳香族基に1個または2個以上置換しており、置換基−SO3bが2個以上置換している場合には、これらの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rbは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
kは0〜10、好ましくは0〜2の整数、lは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、jは1〜4の整数を示す。
式(6)で表されるスルホン酸エステルの具体例としては、以下の様な化合物が挙げられる。
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
Figure 0004356546
また、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原
子に置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
一般式(6)中のRb基は1級のアルコール由来で、β炭素が3級または4級炭素であ
ることが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましく、さらには、これらのエステル基は1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが好ましい。
また、上記一般式(6)において、スルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しない化合物の具体例としては、下記の様な化合物が挙げられる。
Figure 0004356546
上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において
−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に
置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
(スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の製造方法)
本発明において好ましい態様である、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体(以下、単に「スルホン化ポリマー」ともいう)は、上記化合物(1)と化合物(6)とを、触媒の存在下に反応させることにより合成される。
この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、このような触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下「配位子成分」という)、また
は、配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ
化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−
シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる
。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シク
ロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
上記触媒系に使用することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物;フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマー(化合物(1)および(6))の総計1モルに対し、通常0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
また、還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得ら
れる重合体の精製が困難となることがある。
化合物(1)と化合物(6)とを反応させる際に使用することのできる重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。重合する際の重合温度は、通常0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
化合物(6)を用いて得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、スルホン酸エステル基を加水分解して、スルホン酸基に変換することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンとすることができる。
加水分解の方法としては、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチル
ピロリドンなどの溶液中で、上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記化合物(1)と、上記一般式(6)で表される化合物(6)においてスルホン酸エステル基を有しない化合物とを共重合させることにより、スルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しないポリアリーレン系共重合体(以下「非スルホン化ポリマー」ともいう)を予め合成し、この非スルホン化ポリマーをスルホン化することにより合成することもできる。この場合、上記合成方法に準じた方法により非スルホン化ポリマーを製造した後、スルホン化剤を用いてスルホン酸基を導入することにより、スルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることができる。
スルホン酸基の導入方法は特に制限されず、一般的な方法で行うことができる。例えば、上記非スルホン化ポリマーを、無溶剤下または溶剤存在下で、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することにより、スルホン酸基を導入することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730 (1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.736 (1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492 (1993)〕。
スルホン化の際に用いられる溶剤としては、例えば、n−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙
げられる。反応温度は、特に限定されないが、通常−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
上記のような方法により製造されるスルホン化ポリマー中のスルホン酸基量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く実用的ではなく、5meq/gを超えると、耐水性が低下することがある。上記スルホン酸基量は、例えば、モノマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。分子量が上記範囲内であることにより、塗膜性、強度的性質、溶解性、加工性などに優れる。
本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm-1、1,160〜1,190cm-1のS=O吸収、1,130〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
(固体高分子電解質)
本発明の固体高分子電解質は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなり、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤などを含んでもよい。
上記固体高分子電解質は、使用用途に応じて、粒状、繊維状、膜状など種々の形状で用いることができる。たとえば、燃料電池や水電解装置などの電気化学デバイスに用いる場合には、その形状を膜状(いわゆる、プロトン伝導膜)とすることが望ましい。
(プロトン伝導膜)
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなる固体高分子電解質を用いて調製される。また、プロトン伝導膜を調製する際に、固体高分子電解質以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
本発明では、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を、溶剤に溶解して溶液とした後、基体上に流延してフィルム状に成形するキャスティング法などにより、フィルム状に成形することによりプロトン伝導膜を製造することができる。
上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、たとえばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解する溶媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチ
ル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。非プロトン系極性溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解させる溶媒として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物も用いることができる。アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられ、特にメタノールが幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があり好ましい。アルコールは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、アルコールが5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(合計100重量%)からなる。アルコールの量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体を溶解させた溶液のポリマー濃度は、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
溶液粘度は、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体の分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く
、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度
が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式であってもよく、通常得られる基板フィルム(たとえば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方法でもよい。バッチ方式の場合は、処理フィルムを枠にはめるなどの方式が処理されたフィルムの表面の皺形成が抑制されるので好都合である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が10重量部以上、好ましくは30重量部以上の接触比となるようにすることがよい。得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするためには、できるだけ大きな接触比を維持するのがよい。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量の低減に有効である。プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることは効果がある。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃の範囲である。
高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が荒れる懸念がある。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間の範囲である。好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られるが、このようにして得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。また、浸漬条件によっては、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルムと水との接触比を、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が50重量部以上、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とする方法がある。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
上記のような方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、本発明においては、上記スルホン酸エステル化されたポリアリーレン系重合体を加水分解することなく、上述したような方法でフィルム状に成形した後、上記と同様の方法で加水分解することによりスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなるプロトン伝導膜を製造することもできる。
本発明のプロトン伝導膜は、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有してもよく、老化防止剤を含有することでプロトン伝導膜としての耐久性をより向上させることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259
)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX
1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明において、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体100重量部に対して分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10重量部の量で使用す
ることが好ましい。
本発明のプロトン伝導膜は、たとえば、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などのプロトン伝導膜として好適に用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されることはない。
[実施例1]
(1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン20.2g(60.2mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン18.1g(51.6mmol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.6g(103mmol)、炭酸カリウム20.1g(145mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン170ml、トルエン85mlを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン10.8g(43mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、疎水性ユニット56.5gを得た。GPCで測定した数平均分子量は7800であった。この化合物の1H−NMRスペクトルを図1に示す
。得られた化合物は、下記式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。下記式(I)中、aとbの比a:bは54:46であった。なお、繰り返し数aおよびbで表わしている構造単位を、それぞれ成分aおよび成分bともいう。
Figure 0004356546
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル119g(296mmol)、(1)で得られた分子量7800の疎水性ユニット30.4g(3.9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド5.89g(9.0mmol)、ヨウ化ナトリウム1.35g(9.0mmol)、トリフェニルホスフィン31.5g(120mmol)、亜鉛47.1g(720mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)350mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けたあと、DMAc700mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム56.6g(651mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー103gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は260,000であった。1H−NMRスペクトルを図2に示す。得られた重合体
は、式(II)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。
Figure 0004356546
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
[実施例2]
(1)疎水性ユニットの合成
実施例1において、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンおよび、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの仕込み量を、それぞれ14.5g(43.0mmol)および24.1g(68.8mmol)に変更した以外は、同様の方法で合成を行い、疎水性ユニット54.4gを得た。GPCで測定した数平均分子量は8300であった。得られた化合物は、上記式(I)で表されるオリゴマーであり、式(I)中、aとbの比a:bは37:63であった。
(2)スルホン化ポリマーの合成
(1)で得られた分子量8300の疎水性ユニットを用いたこと以外は、実施例1と同様に合成を行い、スルホン化ポリマー102gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は250,000であった。得られたスルホン化ポリマーを用いて、実施例1と同様にフィルムを作製した。
[実施例3]
(1)疎水性ユニットの合成
実施例1において、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの仕込み量を、それぞれ28.9g(86.0mmol)および9.04g(25.8mmol)に変更した以外は、同様の方法で合成を行い、疎水性ユニット55.1gを得た。GPCで測定した数平均分子量は7600であった。得られた化合物は、上記式(I)で表されるオリゴマーであり、式(I)中、aとbの比a:bは77:23であった。
(2)スルホン化ポリマーの合成
(1)で得られた分子量7600の疎水性ユニットを用いたこと以外は、実施例1と同
様に合成を行い、スルホン化ポリマー103gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は260,000であった。得られたスルホン化ポリマーを用いて、実施例1と同様にフィルムを作製した。
[実施例4]
(1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン29.8g(88.6mmol)、4,4’−ビフェノール4.70g(25.3mmol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.1g(101mmol)、炭酸カリウム20.5g(148mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン160ml、トルエン80mlを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン15.9g(63.2mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、疎水性ユニット48.3gを得た。GPCで測定した数平均分子量は7400であった。この化合物の1H−NMRスペクトルを図3に示す
。得られた化合物は、式(III)で表されるオリゴマーであることを確認した。式(III)中、aとbの比a:bは78:22であった。
Figure 0004356546
(2)スルホン化ポリマー
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル119g(296mmol)、(1)で得られた分子量7400の疎水性ユニット31.1g(4.2mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド5.89g(9.0mmol)、ヨウ化ナトリウム1.35g(9.0mmol)、トリフェニルホスフィン31.5g(120mmol)、亜鉛47.1g(720mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)350mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けた後、DMAc700mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム56.6g(651mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー102gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は230,000であった。1H−NMRスペクトルを図4に示す。得られた重合体
は、式(IV)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。
Figure 0004356546
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
[比較例1]
(1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン2.68g(7.96mmol)、9,9−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン36.3g(104mmol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.7g(104mmol)、炭酸カリウム20.0g(145mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン172ml、トルエン86mlを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン10.0g(39.8mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応後は実施例1と同様の後処理を行い、上記式(I)で表わされる疎水性ユニット57.4gを得た。GPCで測定した数平均分子量は7600であった。式(I)において、aとbの比a:bは7:93であった。
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル119g(296mmol)、上記の分子量7600の疎水性ユニット31.9g(4.2mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド5.89g(9.0mmol)、ヨウ化ナトリウム1.35g(9.0mmol)、トリフェニルホスフィン31.5g(120mmol)、亜鉛47.1g(720mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)350mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けたあと、DMAc700mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム56.6g(651mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー104gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は210,000であった。
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
[比較例2]
(1)疎水性ユニットの合成 Hオリゴマー
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1L三口フラスコに4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.8g(104mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン37.4g(111mmol)、炭酸カリウム20.0g(145mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン168mL、トルエン84mLを加えて攪拌し、フラスコをオイルバスにつけ、150℃に加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン7.5g(30mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、得られた溶液をメタノール2Lに注ぎ、生成物を沈殿させた。沈殿をろ過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、メタノール2Lに再沈殿した。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、上記式(I)で表わされる疎水性ユニット(1)56gを得た。GPCで測定した数平均分子量は10,500であった。式(I)において、aとbの比a:bは100:0である。
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル119g(297mmol)、(1)の疎水性ユニット31.5g(3.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド5.89g(9.0mmol)、ヨウ化ナトリウム1.35g(9.0mmol)、トリフェニルホスフィン31.5g(120mmol)、亜鉛47.1g(720mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)350mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、
DMAc700mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム56.8g(653mmol)を加えた。7時間攪拌後、5Lアセトンに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー101gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は190,000であった。
得られたスルホン化ポリマーの10重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液をガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルムを得た。
[物性評価]
実施例1〜4、比較例1、2で得られたスルホン化ポリマーおよびフィルム(プロトン伝導膜)の物性を以下のようにして評価した。結果を表1に示す。
(分子量)
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの重量平均分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗して乾燥した後、所定量を秤量してTHF/水の混合溶剤に溶解した。次に、フェノールフタレインを指示薬としてNaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
(プロトン伝導度)
交流抵抗は、5mm幅の短冊状のプロトン伝導膜試料の表面に、白金線(直径0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線を5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させて交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスからプロトン伝導度を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
(熱水耐性)
フィルムを2.0cm×3.0cmにカットし、秤量して試験用のテストピースとした。このフィルムを、ポリカーボネート製の250ml瓶に入れ、そこに約100mlの蒸留水を加え、プレッシャークッカー試験機(HIRAYAMA MFS CORP製 PC−242HS)を用いて、120℃で24時間加温した。
熱水試験終了後、フィルムを熱水中から取り出し、フィルムの寸法を測定して、試験前のフィルムの寸法に対する試験後の寸法の割合(寸法変化率)を求めた。また、フィルムを真空乾燥機で5時間乾燥して重量を秤量し、試験前のフィルムの重量に対する試験後の重量の割合(重量保持率)を求めた。
Figure 0004356546
本発明の実施例1〜4では、高いイオン交換容量であっても、熱水耐性に優れ、高いプロトン伝導度を示す。一方、b成分が過剰の比較例1では、プロトン伝導度が低下した。またb成分を含まない比較例2では、プロトン伝導度が低いことに加え、熱水への溶出による重量保持率の低下および著しい寸法変化(膨潤)が認められた。
実施例1で得られた疎水性ユニットのNMRスペクトルである。 実施例1で得られたスルホン化ポリマーのNMRスペクトルである。 実施例4で得られた疎水性ユニットのNMRスペクトルである。 実施例4で得られたスルホン化ポリマーのNMRスペクトルである。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 0004356546
    [式中、Aは独立に2価の原子もしくは有機基(ただしカルボニル基を除く)または直接結合であり、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、Xはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3および−OSO2CF3から選ばれる原子または基であり、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキル基であり、nは1以上の整数である。Qは、下記一般式(2)で表わされる構造99〜20モル%と、下記一般式(3−1)および/または(3−2)で表される構造1〜80モル%とからなる構造である。]
    Figure 0004356546
    Figure 0004356546
    [式中、Dは2価の原子もしくは有機基であり、R9〜R40は同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基である。]
  2. 下記一般式(1’)で表される構成単位を含有することを特徴とするポリアリーレン系重合体。
    Figure 0004356546
    [式中、Aは独立に2価の原子もしくは有機基(ただしカルボニル基を除く)または直接結合であり、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキル基であり、nは1以上の整数である。Qは、下記一般式(2)で表わされる構造99〜20モル%と、下記一般式(3−1)および/または(3−2)で表される構造1〜80モル%とからなる構造である。]
    Figure 0004356546
    Figure 0004356546
    [式中、Dは2価の原子もしくは有機基であり、R9〜R40は同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基である。]
  3. 上記ポリアリーレン系重合体が、下記一般式(5)で表される構成単位をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載のポリアリーレン系重合体。
    Figure 0004356546
    [式中、Yは2価の電子吸引性基を示し、Zは2価の電子供与性基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、kは0〜10の整数を示し、lは0〜10の整数を示し、jは1〜4の整数を示す。]
  4. 上記一般式(1’)で表される構成単位が、下記一般式(1'')で表される構成単位であることを特徴とする請求項に記載のポリアリーレン系重合体。
    Figure 0004356546
    [式中、nは1以上の整数である。Qは、下記一般式(2’)で表わされる構造99〜20モル%と、下記一般式(3−1’)および/または(3−2’)で表される構造1〜80モル%とからなる構造である。]
    Figure 0004356546
    Figure 0004356546
  5. 請求項3または4に記載のポリアリーレン系重合体からなることを特徴とする固体高分子電解質。
  6. 請求項3または4に記載のポリアリーレン系重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
JP2004211739A 2004-07-20 2004-07-20 スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 Expired - Fee Related JP4356546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004211739A JP4356546B2 (ja) 2004-07-20 2004-07-20 スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004211739A JP4356546B2 (ja) 2004-07-20 2004-07-20 スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006028414A JP2006028414A (ja) 2006-02-02
JP4356546B2 true JP4356546B2 (ja) 2009-11-04

Family

ID=35895152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004211739A Expired - Fee Related JP4356546B2 (ja) 2004-07-20 2004-07-20 スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4356546B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4579073B2 (ja) 2005-07-15 2010-11-10 本田技研工業株式会社 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体
US8110639B2 (en) 2006-11-17 2012-02-07 Solvay Advanced Polymers, L.L.C. Transparent and flame retardant polysulfone compositions
ES2379436T5 (es) 2007-12-18 2016-03-29 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc. Copolímeros de polifenilsulfonacetona
EP2343714A4 (en) * 2008-10-03 2013-06-12 Nippon Kayaku Kk POLYETHERSULPHONE POLYMER ELECTROLYTE, FESTPOLYMER ELECTROLYTMEMBRANE, FUEL CELL AND METHOD FOR THE PREPARATION OF POLYETHERSULPHONE POLYMER ELECTROLYTE
WO2011062302A1 (ja) * 2009-11-20 2011-05-26 住友化学株式会社 ポリアリーレン系ブロック共重合体及びその用途
JP2012001715A (ja) * 2010-05-19 2012-01-05 Sumitomo Chemical Co Ltd ポリアリーレン系ブロック共重合体、その製造方法及び高分子電解質
US20140154610A1 (en) 2011-07-29 2014-06-05 Jsr Corporation Aromatic copolymer having proton conductive group and uses thereof
CN111883825B (zh) * 2020-08-14 2021-07-02 中国地质大学(武汉) 聚合物电解质及制备方法、锂金属电池
CN116171194A (zh) * 2020-08-24 2023-05-26 巴斯夫欧洲公司 包含无定形聚合物的膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006028414A (ja) 2006-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4131216B2 (ja) ポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
CA2467613C (en) Membrane-electrode assembly for direct methanol type fuel cell and proton conductive membrane
JP4428181B2 (ja) ニトリル型疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP4830610B2 (ja) 芳香族化合物及びスルホン化ポリアリーレン系重合体
JP2004137444A (ja) 新規な芳香族スルホン酸エステル誘導体、ポリアリーレン、スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびその製造方法、ならびにプロトン伝導膜およびその製造方法
CA2517484C (en) Sulfonic group-containing polyarylene block copolymer, process for production thereof, solid polymer electrolyte and proton conductive membrane
JP3939244B2 (ja) 新規な芳香族スルホン酸エステル誘導体、ポリアリーレン、スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP4565217B2 (ja) スルホン酸基を有するポリアリーレンブロック共重合体およびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP4356547B2 (ja) スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP4361400B2 (ja) 高分子電解質およびプロトン伝導膜
JP4356546B2 (ja) スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2007291243A (ja) フルオレン骨格を有する芳香族化合物およびスルホン酸基を有するポリアリーレン
JP5597924B2 (ja) 芳香族化合物およびスルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体、ならびにその用途
JP4139967B2 (ja) ポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP2005112985A (ja) 疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2006176682A (ja) アルキル基側鎖を有する化合物およびスルホン化ポリマー
WO2006048942A1 (ja) ニトリル型疎水性ブロックを有するスルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質
JP2005220193A (ja) 重合体組成物およびプロトン伝導膜
JP2005239833A (ja) スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびそれからなるプロトン伝導膜ならびにスルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法
JP5454561B2 (ja) 固体高分子電解質膜形成用溶液
JP2006335816A (ja) プロトン伝導体組成物およびプロトン伝導性複合膜
JP2005060484A (ja) スルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体およびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP4512843B2 (ja) 酸塩基複合型高分子電解質膜
JP2005126391A (ja) 新規な芳香族スルホン酸エステル誘導体、そのポリアリーレン、スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに高分子固体電解質およびプロトン伝導膜
JP2006342243A (ja) ポリアリーレン系共重合体、その製造方法およびプロトン伝導膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20090511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4356546

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees