JP5000289B2 - 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 - Google Patents
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Description
本発明で用いられるポリアリーレン系共重合体を誘導する芳香族化合物は、下記式(1’)で表される。この芳香族化合物をモノマー単位として含むことにより、ポリアリーレン系共重合体に疎水部を付与することができる。また、縮合芳香族環を有するので、ポリアリーレン系共重合体にメタノール耐性を付与することもできる。
本発明で用いられるポリアリーレン系共重合体は、下記式(1)で表されるユニット(以下、「ユニット(1)」ともいう)のみから構成される単独重合体でもよいし、ユニット(1)及び他のユニットから構成される共重合体でもよい。いずれの場合でも、共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)は、1万〜100万であり、好ましくは2万〜80万である。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体について、具体的に説明する。スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基を有さないユニット(ユニット(1))と、スルホン酸基を有するユニット(ユニット(B))とを含むことが特徴であり、後述する式(C)で表される。以下、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体を「共重合体(C)」ともいう。
スルホン酸基を有するユニット(ユニット(B))は、下記式(B)で表される。
(i)j=0、k=0、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(2)j=1、k=0、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)j=1、k=1、h=1、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)j=1、k=0、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、
(5)j=1、k=0、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造。
上記共重合体(C)の製造方法としては、例えば、下記に示すI法、II法、III法の3通りの方法を用いることができる。
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、ユニット(1)となり得るモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となり得るスルホン酸エステル基を有するモノマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造する。次いで、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、ユニット(1)となり得るモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)で表される骨格を有するがスルホン酸基及びスルホン酸エステル基を有しないモノマーとを共重合させる。次いで、スルホン化剤を用いて、この共重合体をスルホン化することにより合成することができる。
上記式(B)において、Arが−O(CH2)pSO3H、または−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−60625号公報に記載の方法で、ユニット(1)となり得るモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となり得る前駆体のモノマーとを共重合させる。次いで、アルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することができる。
(I’法)前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004-137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法、
(II’法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法、
(III’法)前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体のプロトン伝導膜の調製に用いられる固体高分子電解質は、上記ポリアリーレン共重合体を含有する。本発明で用いられる固体高分子電解質は、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物等の酸化防止剤等を含んでもよい。上記固体高分子電解質は、使用用途に応じて、粒状、繊維状、膜状等種々の形状で用いることができる。固体高分子型燃料電池に用いる場合には、その形状を膜状(プロトン伝導膜)とすることが望ましい。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体に備えられるプロトン伝導膜は、上記ポリアリーレン系共重合体を含む固体高分子電解質を用いて調製し、膜状に形成したものである。また、プロトン伝導膜を調製する際に、固体高分子電解質以外に硫酸、リン酸等の無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水等を併用してもよい。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の電極は、触媒金属粒子または触媒金属粒子を導電性担体に担持してなる電極触媒と、電極電解質とからなり、必要に応じて炭素繊維、分散剤、撥水剤等の他の成分を含んでいてもよい。
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの重量平均分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄し、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗して乾燥させた。次いで、所定量を秤量してTHF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてNaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
動的粘弾性測定装置により、ポリアリーレン系共重合体のガラス転移温度を測定した。
浸透気化測定法(パーベーパレーション法)により測定した。所定のセルにフィルムをセットし、表面側から10質量%のメタノール水溶液を供給、裏面から減圧し、透過液を液体窒素でトラップした。メタノール透過量は下記の式から計算した。
本発明のCCMを、結露サイクル試験機(エスペック社製EVS08−t)に投入し、85℃95%RH〜−40℃の冷熱サイクルテストを50回実施した。試験後のCCMを1.0cm×5.0cmの短冊状にカットし、アルミ板に両面テープで固定しテストピースとした。さらに、露出している電極面にテープを貼り付け、テープを180℃方向に50mm/minの速さで引っ張り、CCM上の電極を剥離させた。テープの剥離は、豊光エンジニアリング製SPG荷重測定機HPC.A50.500を用いて行なった。剥離試験後のサンプルについて、画像処理にて電極が残存した面積を算出し、電極接着率を求めた。画像処理は、エプソン社製スキャナGT−8200UFを用いて画像を取り込み、二値化して以下の数式(4)に従って行なった。
本発明の膜−電極構造体を用いて、温度70℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を100%/100%、電流密度を0.1A/cm2とした発電条件により、発電性能を評価した。燃料極側には純水素を、酸素極側には空気をそれぞれ供給した。さらに、低温耐久性の評価として、膜−電極構造体を用い、−30℃の条件下で起動を50回繰り返し行った場合に、0.8A/cm2での性能低下量が20mV以下だった場合を良として「○」で表示し、20mV以上だった場合には不良として「×」で表示した。
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル3口フラスコに2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)220.1g(635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP)205.4g(941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン52.5g(224mmol)、炭酸カリウム175.6g(1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド1250mL、トルエン500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン30.4g(129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、389g(収率86%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は6,000、重量平均分子量は9,800であった。得られた化合物は下記式(1−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル29.38g(73.2mmol)、上記(1)で得られた疎水性ユニット40.8g(6.8mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.36g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.55g(192mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)175mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌し続けた後、DMAc318mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム12.7gを加えた。該溶液を7時間攪拌した後、アセトン2.0Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順で洗浄した後、乾燥して目的の重合体48gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は190,000であった。得られた化合物は式(1−b)で表されるポリマーであることを確認した。
平均径50nmのカーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を、カーボンブラック:白金=1:1の質量比で担持させ、触媒粒子を作製した。次に、イオン伝導性バインダーとしてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(DuPont社製Nafion(商品名))溶液に、上記触媒粒子を、イオン伝導性バインダー:触媒粒子=8:5の質量比で均一に分散させ、触媒ペーストを調製した。本実施例で得られたプロトン伝導膜の両面に、この触媒ペーストを、白金含有量が0.5mg/cm2となるようにバーコーター塗布し、乾燥させることにより電極塗布膜(Catalyst Coated Membrane)を得た。乾燥は、100℃で15分間の乾燥を行なった後、140℃で10分間の二次乾燥を行なった。カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の質量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させて下地層とし、下地層とカーボンペーパーとからなるガス拡散層を2つ作製した。上記CCMを上記ガス拡散層の下地層側で狭持し、ホットプレスを行なって膜−電極構造体を得た。ホットプレスは、160℃、3MPaで5分間の条件で実施した。また、本実施例で得られた膜−電極構造体は、ガス拡散層の上にさらにガス通路を兼ねるセパレーターを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成することができる。
実施例1の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)220.1g(635mmol)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)213.6g(635mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(2−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(2−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルム(プロトン伝導膜)を得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)220.1g(635mmol)をレゾルシノール(RES)23.3g(212mmol)に、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)の仕込み量を135.7g(847mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(3−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(3−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(4−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(4−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例2の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で疎水性ユニット(5−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(5−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例2と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)を1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(6−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(6−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例2の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)を1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で疎水性ユニット(6−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、下記式(6−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例2と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)67.8g(424mmol)を、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)101.8g(635mmol)、及び1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)220.1g(635mmol)を1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)146.7g(424mmol)に変更した以外は同様の方法で(1−a)の組成の異なる疎水性ユニットを合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル3口フラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)42.4g(265mmol)、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)275.1g(794mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾニトリル130.9g(941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾニトリル
34.8g(224mmol)、炭酸カリウム175.6g(1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド1250mL及びトルエン500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾニトリル
20.1g(129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。放冷後、反応溶液に不溶の無機物をセライトを、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン0.9kgに再溶解した。この溶液をメタノール4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、320g(収率79%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は5000、重量平均分子量は9,600であった。得られた化合物は式(9−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
実施例9の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)275.1g(794mmol)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)213.6g(635mmol)に、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)の仕込み量を67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例9と同様の方法で疎水性ユニット(10−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例9と同様の方法で合成を行い、下記式(10−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例9と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例9の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)275.1g(794mmol)をレゾルシノール(RES)70.0g(635mmol)に、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)の仕込み量を67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例9と同様の方法で疎水性ユニット(11−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例9と同様の方法で合成を行い、下記式(11−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例9と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)67.8g(424mmol)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)101.8g(635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP)205.4g(941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン52.5g(224mmol)、炭酸カリウム175.6g(1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド1250mL、トルエン500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン30.4g(129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、370g(収率84%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は5,400、重量平均分子量は7,800であった。得られた化合物は式(12−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
実施例12の1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)67.8g(424mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)67.8g(424mmol)に変更した以外は、実施例12と同様の方法で疎水性ユニット(13−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例12と同様の方法で合成を行い、下記式(13−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例12と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)67.8g(424mmol)、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)101.8g(635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP)205.4g(941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン52.5g(224mmol)、炭酸カリウム175.6g(1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド1250mL、トルエン500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン30.4g(129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、370g(収率84%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は5,300、重量平均分子量は7,900であった。得られた化合物は式(12−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
実施例1の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)及び2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)169.6g(1059mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(15−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、式(15−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)を使用せず合成した以外は同様の方法で疎水性ユニット(16−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、式(16−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)を使用せず合成した以外は同様の方法で疎水性ユニット(17−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例7と同様の方法で合成を行い、式(17−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法で、膜−電極構造体を得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルム(プロトン伝導膜)、膜−電極構造体の特性を表1に示す。
Claims (13)
- プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
前記プロトン伝導膜は、下記式(1)で表される繰り返し構造単位を含む固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記式(1)中のPhは、ナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、またはペンタセン基を示す請求項1記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記プロトン伝導膜は、下記式(2)で表される繰り返し構造単位を含む請求項1または2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記式(3)中のpは、0.01〜1である請求項4記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記プロトン伝導膜は、下記式(B)で表される繰り返し構造単位をさらに含む請求項1から5いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
前記プロトン伝導膜は、下記式(1)で表される繰り返し構造単位を含む固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記式(1)中のAは、−CO−または−SO 2 −である請求項7記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記式(1)中のPhは、ナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、またはペンタセン基を示す請求項7または8記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記プロトン伝導膜は、下記式(2)で表される繰り返し構造単位を含む請求項7から9いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記式(3)中のpは、0.01〜1である請求項11記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
- 前記プロトン伝導膜は、下記式(B)で表される繰り返し構造単位をさらに含む請求項7から12いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
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