JP5295655B2 - 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 Download PDF

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Description

本発明は、縮合芳香族環ユニットと含窒素複素環基を有するユニットとを併せ持つ新規なスルホン化ポリアリーレン系共重合体を含むプロトン伝導膜を用いた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体に関する。
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これが固体系に置き替えられている。その第1の理由としては、例えば、電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小及び省電力化への移行である。
従来、プロトン伝導性材料としては、無機化合物及び有機化合物の両方が知られている。無機化合物としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニル等が挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が充分でなく、伝導層を基板又は電極上に形成するには問題が多い。
一方、有機化合物としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸等のビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー又はパーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマー(非特許文献1〜3参照)等の有機系ポリマーが挙げられる。
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、又は熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導性がまだ十分でないことに加え、耐久性が低いこと、高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうこと、スルホン化により脆化し、機械的強度が低下すること、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が十分満足のいくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤による強度の低下が問題となっている。
米国特許第5,403,675号公報(特許文献1)には、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が開示されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマーを主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度が向上するものの、同時に得られるスルホン化ポリマーの耐熱水性及び靭性等は著しく損なわれるという問題がある。
また、近年この燃料電池には、高い発電性能が求められるようになっている。発電出力を高めるためには、発電時に高温で使用されることが求められ、このため燃料電池に使用されるプロトン伝導膜には、幅広い環境下で、特に高温下で高いプロトン伝導性を示す膜が求められていた。
このようなプロトン伝導膜として、通常、スルホン酸基を有するポリマーが使用されていた。また、本出願人も高いプロトン伝導性を有するプロトン伝導膜として、特開2004−345997号公報(特許文献2)、特開2004−346163号公報(特許文献3)、特開2004−346164号公報(特許文献4)にて、スルホン酸基を有する特定の重合体を提案している。
米国特許第5,403,675号公報 特開2004−345997号公報 特開2004−346163号公報 特開2004−346164号公報 Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.7, p.2490〜2492(1993) Polymer Preprints, Japan, Vol.43, No.3, p.735〜736(1994) Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.3, p730(1993)
従来より使用されていたスルホン酸基を有するポリマーからなるプロトン伝導膜では、高温下ではスルホン酸基の可逆的な脱離反応やスルホン酸が関与する架橋反応が発生することがあった。これにより、プロトン伝導性が低下したり、膜の脆化等が生じたりして、燃料電池の発電出力が低下する問題があった。また、このような問題をできるだけ回避するために、現状、燃料電池発電時の上限温度を限定し使用しており、発電出力に制限があった。
このため、従来と同様に良好なプロトン伝導性を具備するとともに、優れた熱水耐性を有し、耐熱性にも優れたプロトン伝導膜を提供することが望まれていた。
すなわち、本発明の課題は、従来と同様に良好なプロトン伝導性を具備するとともに、優れた熱水耐性を有し、耐熱性にも優れた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく、鋭意研究した。その結果、縮合芳香族環ユニットを有するポリアリーレンに含窒素複素環基を有するユニットを導入することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、具体的には以下のものを提供する。
請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記プロトン伝導膜は、一般式(1)で表される縮合芳香族環ユニットと、主鎖がポリフェニレン構造であり、側鎖として下記一般式(A)で表される含窒素複素環基を有するユニットとをモノマー単位として含むスルホン化ポリアリーレン系共重合体を含むことを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(1)中、A、Dは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは酸素原子又は硫黄原子を示し、Phは縮合芳香族環を示し、R〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又はすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
一般式(A)中、Zは直接結合、−O−及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R21は含窒素複素環基を示す。qは1〜5の整数を示し、pは0〜4の整数を示す。
構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
請求項2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、一般式(1)中、Phはナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基及びペンタセン基からなる群から選ばれる基であることを特徴とする。
請求項3記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記縮合芳香族環ユニットが、一般式(2)で表されるものであることを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(2)中、Aは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(jは1〜10の整数である)及びCR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Phは縮合芳香族環を示し、R〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又はすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。
lは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
請求項4記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1から3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記縮合芳香族環ユニットが一般式(3)で表されるものであることを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(3)中、Dは、−O−及び−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
Pは下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造であり、Phは下記一般式(5−1)で表される構造である。
qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
Figure 0005295655
請求項5記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項4に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、一般式(3)において、pが0.01〜1の範囲にあることを特徴とする。
請求項6記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1から5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記含窒素複素環基がピロール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピラゾール基、1,3,5−トリアジン基、ピリミジン基、ピリタジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、ベンズイミダゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズチアゾール基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基及びこれら含窒素複素環基の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする。
請求項7記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1から6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記側鎖に含窒素複素環基を有するユニットが、一般式(B)で表されることを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(B)中、Y、Z、R21、p、qは一般式(A)と同じである。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
請求項8記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項1から7のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記スルホン化ポリアリーレン系共重合体がさらに、側鎖として一般式(E)で表されるスルホン酸基を有するユニットをモノマー単位として含むことを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(E)中、Zは直接結合、−O−及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Arは−SOH、−O(CHSOH又はO(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基を示す。mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。]
請求項9記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記スルホン酸基を有するユニットが、一般式(F)で表されるユニットであることを特徴とする。
Figure 0005295655
[一般式(F)中、Y、Z、Ar、m、n、kは一般式(E)と同じである。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
本発明で用いられる縮合芳香族環ユニットと含窒素複素環基を有するユニットとを有するスルホン化ポリマーは、熱水耐性が高く、浸漬条件での膜の膨潤が少ない。また、含窒素複素環基を有するユニットを導入することで、高温条件下でのスルホン酸基の安定性を向上させることができるため、発電性能と発電耐久性に優れた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供することができる。
以下、本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレン系共重合体、固体高分子電解質、プロトン伝導膜及び固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体について詳細に説明する。
<スルホン化ポリアリーレン系共重合体>
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレン系共重合体は、縮合芳香族環ユニットと、含窒素複素環基を有するユニットとを含む。
[縮合芳香族環ユニット]
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されるユニットをモノマー単位(構造単位)として含む。かかるユニットを含むことにより、重合体に疎水部を付与することができる。また、縮合芳香族環を有するので、前記重合体の熱水耐性を向上させることができる。
Figure 0005295655
一般式(1)中、l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。これらのうち、mは0か1が好ましく、lは0か1が好ましい。また、pは0.01〜1の値をとることが好ましく、より好ましくは0.1〜1、特に好ましくは0.05〜1である。tは0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
Aは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
ここで、−CR’−のR’の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。これらのうち、直接結合、−O−、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)が好ましい。
Bは酸素原子又は硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
Phは縮合芳香族環を示し、例えばナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペンタセン基等が挙げられ、なかでもナフタレンが好ましい。これらを含有することによって、一般式(1)で表される芳香族化合物をモノマーとした重合体に耐水性を付与することができる。
Dは、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
ここで、−CR’−のR’の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。これらのうち、直接結合、−O−、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)が好ましい。
前記縮合芳香族環ユニットが、一般式(2)で表されるものであることが好ましい。
Figure 0005295655
一般式(2)中、Aは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(jは1〜10の整数である)及びCR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Phは縮合芳香族環を示し、R〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又はすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。
l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
さらに、かかる縮合芳香族環ユニットとして、下記一般式(3)で表されるものがより好ましい。
Figure 0005295655
一般式(3)中、Dは、−O−及び−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
Pは下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造であり、Phは下記一般式(5−1)で表される構造である。
qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
耐水性を向上させるためには、より多くの縮合芳香族環ユニットを導入すること(上記pの値が大きいほど)が望ましい。しかし、より多くの縮環ユニットを導入すると、生成物の溶解性が著しく低下し、取り扱いが困難になる場合がある。そのような場合、2種類以上の異なる縮合芳香族環ユニットを用いて疎水ユニットを合成することにより、より多くの縮合芳香族環ユニットを導入することが可能になる。
Figure 0005295655
このようなユニットとして具体的には、以下のものが例示される。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
Figure 0005295655
Figure 0005295655
Figure 0005295655
Figure 0005295655
このような縮合芳香族環を含むユニットを含有していると、疎水性が著しく向上する。このため、従来と同様のプロトン伝導性を具備しながら、優れた熱水耐性を付与することができる。
[含窒素複素環基を有するユニット]
本発明の重合体は、主鎖がポリフェニレン構造であり、側鎖に含窒素複素環基を有するユニットを含む。
主鎖となるポリフェニレン構造とは、下記のような構造中、置換基Rを除いたものであり、側鎖とは、下記構造式における置換基Rを示すものである。
Figure 0005295655
本発明においては、含窒素複素環基を有する側鎖である置換基Rは下記一般式(A)で表される。
Figure 0005295655
一般式(2)中、Zは、直接結合、−O−及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、好ましくは−CO−である。
21は含窒素複素環基を示す。含窒素複素環基としては、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリンからなる含窒素複素環化合物及びこれらの誘導体の炭素又は窒素に結合する水素原子が引き抜かれてなる構造の基である。これらの含窒素複素環基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等のアリール基、シアノ基、フッ素原子等が挙げられる。
qは1〜5の整数を示し、好ましくは、1又は2である。
pは0〜4の整数を示し、好ましくは、0又は1である。
このような側鎖に含窒素複素環基を有するユニットは、下記一般式(B)で表される繰り返し構造単位が挙げられる。
Figure 0005295655
一般式(B)中のY、Z、R21、p、qは一般式(A)と同じである。なお、構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
含窒素複素環基を側鎖に含んでいると、プロトン伝導性を損なうことなく、高温下で高いスルホン酸の安定性を有するプロトン伝導膜を得ることができる。
[スルホン酸基を有する側鎖を含むユニット]
本発明の共重合体は、側鎖に下記一般式(E)で表されるスルホン酸基を含む。
Figure 0005295655
一般式(E)中、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)、及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO−が好ましい。
Zは直接結合又は、−(CH−(lは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SOH又はO(CHSOH又はO(CFSOHで表される置換基(hは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。芳香族基は前記した−SOH又はO(CHSOH又はO(CFSOHで表される置換基で、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SOHを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SOHを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CHSOHを有するフェニル基である構造等を挙げることができる。
このようなスルホン酸基を有する構成単位は、下記一般式(F)で表される。
Figure 0005295655
一般式(F)において、Y、Z、Ar、m、n、kについは前記一般式(E)と同一である。なお、各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
なお、側鎖を構成する前記一般式(A)及び(E)のY及びZは、同一のものであって異なるものであってもよい。
[スルホン化ポリアリーレン系共重合体]
本発明で用いられる重合体は、前記一般式(1)及び、下記一般式(B)及び(F)で表される繰り返し単位を含む。
Figure 0005295655
本発明に使用される重合体は、上記一般式(F)で表されるスルホン酸基を有する繰り返し単位(スルホン酸ユニット)と、上記一般式(1)で表されるスルホン酸基を有さない繰り返し単位(疎水性ユニット)と、上記一般式(B)で表される含窒素複素環基(含窒素複素環芳香族ユニット)を含むことが特徴であり、下記一般式(G)で表される重合体である。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
Figure 0005295655
一般式(G)において、A、B、D、Y、Z、Ph、Ar、k、l、m、n、p、q、s、t、及びR〜R21は、それぞれ上記一般式(1)、(B)、(F)中のA、B、D、Y、Z、Ph、Ar、k、l、m、n、p、q、s、t、及びR〜R21と同義である。x、y、zはx+y+z=100モル%とした場合のモル比を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
本発明の重合体は、一般式(F)で表される繰り返し構成単位すなわちxのユニット(スルホン酸含有ユニット)を0.5〜99.9モル%、好ましくは10〜99.5モル%の割合で、一般式(B)で表される繰り返し構成単位すなわちzのユニット(含窒素複素環基を含むユニット)を0.1〜99.5モル%、好ましくは0.5〜89.5モル%を含有している。一般式(B)で表される繰り返し構成単位すなわちyのユニット(縮合芳香族環ユニット)は、99.4〜0.01モル%、好ましくは89.5〜0.5モル%の割合であることが望ましい。
また、一般式(F)で表される繰り返し構成単位すなわちxのユニットに対する、一般式(B)で表される繰り返し構成単位すなわちzのユニットの割合は、0.001モル%〜50モル%であり、好ましくは、0.1モル%〜30モル%であり、さらに好ましくは、1モル%〜25モル%である。
本発明に係る重合体のイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g以上では、プロトン伝導度が高く発電性能が高い。一方、5meq/g以下では、耐水性の低下を招くことがない。
上記のイオン交換容量は、構造単位(1)、構成単位(B)及び構成単位(F)の種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。したがって重合時に各構成単位(1)、(B)、(F)を誘導する前駆体(モノマー・オリゴマー)の仕込み量比、種類を変えれば調整することができる。
概して構造単位(F)が多くなるとイオン交換容量が増え、プロトン伝導性が高くなるが、耐水性が低下する。一方、構造単位(F)が少なくなると、イオン交換容量が小さくなり、耐水性が高まるが、プロトン伝導性が低下する。
構造単位(B)を含んでいると、高温条件下でのスルホン酸基の安定性が向上し、その結果耐熱性が向上する。含窒素複素環式芳香族化合物の窒素原子は、塩基性を有するため、スルホン酸基との間でイオン的な相互作用を形成する。これによって、スルホン酸基の安定性を高め、高温条件下でのスルホン酸基の脱離が抑制される。また、同様に高温条件下でスルホン酸基に由来するポリマー分子間の架橋反応をも抑制することができる。含窒素複素環式芳香族化合物は、プロトン伝導性を損なわず、これらの効果を発現できる適度な強さの塩基性を有する化合物である。
重合体中の(B)及び(F)成分を除いた残りが構成単位(1)の量に相当する。この構成単位(1)を含んでいると、分子量の調整や、上記各繰り返し単位の含有量の調整等を行いやすくなるとともに、熱的、化学的に安定な重合体を得ることができる。この構成単位(1)を含むことにより、重合体に疎水部を付与することができるとともに、縮合芳香族環を有するので、前記重合体にメタノール耐性を付与することができる。
本発明の重合体の分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算質量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
<スルホン化ポリアリーレン系共重合体の製造方法>
スルホン化ポリアリーレン系共重合体の製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
(A法)
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法と同様に、下記一般式(F’)で表されるモノマー、下記一般式(B’)で表されるモノマー及び下記一般式(1’)で表されるモノマーを共重合させ、スルホン酸エステル基を有する重合体を製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
モノマー(F’)
Figure 0005295655
一般式(F’)中、Xは塩素原子、臭素原子及びOSORb(ここで、Rbはアルキル基、フッ素置換アルキル基又はアリール基を示す)から選ばれる原子又は基を示す。
Y,Z,m,n、kは一般式(F)と同じであり、Rは炭素数4〜12のアルキル基を示す。
Ar’は−SOR又はO(CHSOR又はO(CFSORで表される置換基(hは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
一般式(F’)で表される化合物の具体的な例としては、下記一般式で表される化合物、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
一般式(F’)で表される化合物において、スルホン酸エステル構造は、通常、芳香族環のメタ位に結合している。
モノマー(1’)
モノマー(1’)は、下記一般式(1’)で表される。
Figure 0005295655
一般式(1’)中、A、B、D、Ph、R〜R20、l、m、n、p、q、tは一般式(1)と同様である。
Xはフッ素を除くハロゲン原子、−SOCH及びSOCFから選ばれる原子又は基を示し、
Phはナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペンタセン基から選ばれる基が好ましくい。
一般式(1’)で表される化合物は、さらには、下記一般式(2’)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005295655
一般式(2’)中、A、D、Ph、R〜R20、l、m、q、t、n、pは一般式(2)と同様である。Xは、フッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示す。
さらに、このような化合物として、下記一般式(3’)で表されるものが好ましい。
Figure 0005295655
一般式(3’)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示す。D、P、Ph、q、m、t、n、pは一般式(3)と同様である。pが0.01〜1の範囲にあるが好ましい。
上記一般式(1’)で表される化合物は、例えば、次のような反応により合成することができる。
まず、下記一般式(1−1)及び(1−2)で表されるビスフェノール類をアルカリ金属塩とする。
Figure 0005295655
このとき、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイド等の誘電率の高い極性溶媒に溶解した後、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩等を加える。アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール等の水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、上記ビスフェノール類のアルカリ金属塩を下記一般式(1−3)で表されるジハロゲン化物と反応させる。
Figure 0005295655
一般式(1−3)中、Halはハロゲン原子を示し、特にフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
一般式(1−1)で表されるビスフェノール類として、例えば、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)、1,4−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、1,3−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,4−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、4,4’−イソプロピリデンビフェノール(Bis−A)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)、4,4’−ビスヒドロキシベンゾフェノン(4,4’−DHBP)、4,4’−ビスヒドロキシジフェニルスルホン(4,4’−DHDS)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(4,4’−DHBP)、ビス(4―ヒドロキシフェニル)メタン、レゾルシノール(RES)、ヒドロキノン(HQ)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCFL)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェニルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)等が挙げられる。なかでも1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)、1,4−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)、レゾルシノール(RES)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)が好ましい。
また、一般式(1−2)で表されるビスフェノール類として、例えば、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)、1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−NAP)、2,6−ジヒドロキシナフタレン(2,6−NAP)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)、2,3−ジヒドロキシナフタレン(2,3−NAP)等が挙げられる。なかでも、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)、1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−NAP)が好ましい。
一般式(1−3)で表されるジハロゲン化物として、例えば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DCBP)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(4,4’−DCDS)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン(4,4’−DFDS)、2,6−ジニトロベンゾニトリル、2,5−ジニトロベンゾニトリル、2,4−ジニトロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル(2,6−DCBN)、2,5−ジクロロベンゾニトリル(2,5−DCBN)、2,4−ジクロロベンゾニトリル(2,4−DBN)、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(2,6−DFBN)、2,5−ジフルオロベンゾニトリル(2,5−DFBN)、2,4−ジフルオロベンゾニトリル(2,4−DFBN)等が挙げられる。
上記ジハロゲン化物は、ビスフェノールに対し1.0001〜3倍モル、好ましくは1.001〜2倍モルの量で用いられる。また両末端が塩素原子となるように、反応終了後に、例えば、ジクロロ化合物を過剰に加えてさらに反応させてもよい。ジフルオロ化合物やジニトロ化合物を用いた場合には、両末端が塩素原子となるよう、反応後半時にジクロロ化合物を添加する方法等を用いる工夫が必要である。
これらの反応は、反応温度が60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲で行われる。
得られた化合物はオリゴマーないしポリマーであるが、これらはポリマーの一般的な精製方法、例えば、溶解−沈殿の操作によって精製することができる。分子量の調整は、過剰の芳香族ジクロライドとビスフェノールとの反応モル比によって行う。芳香族ジクロライドが過剰にあるため、得られる化合物の分子末端は、芳香族クロライドになっている。
上記の方法で合成される芳香族化合物の具体的な構造として、例えば以下のものを挙げることができる。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
以下は、n=0であり、P、Phが2種類以上の異なるものから構成される芳香族化合物の具体例を示す。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
(上記一般式中、p、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、p+p=1である。)
以下は、n=0であり、P、Phが1種類のものから構成される芳香族化合物の具体例を示す。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
これらの芳香族化合物のなかでも、(1−2)の化合物として、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP)、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP)、(1−1)の化合物として、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)、1,4−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)、レゾルシノール(RES)から合成される該化合物が好ましい。
各ユニットの組成比を表すn、pの比を変えることにより、ポリマーのガラス転移温度を調整することができる。なかでもポリマー加工性の観点から、p= 0.1〜1の値をとる化合物が好ましい。
モノマー(B’)
Figure 0005295655
Xは塩素原子又は臭素原子、−OSORb(ここで、Rbはアルキル基、フッ素置換アルキル基又はアリール基を示す)から選ばれる原子又は基を示す。
Y、Z、R21、p及びqは前記一般式(B)と同じである。
モノマー(B’)の具体例として、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
Figure 0005295655
さらに、塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、塩素原子や臭素原子の結合位置の異なる異性体を挙げることができる。また−CO−結合が、−SO−結合に置き換わっ
た化合物を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
モノマー(B’)を合成する方法としては、例えば下記一般式(B2)で表される化合物と、含窒素複素環化合物とを、求核置換反応させる方法を挙げることができる。
Figure 0005295655
一般式中、X、Y、p及びqは、一般式(B’)で示した定義と同一である。
X’はハロゲン原子を示し、具体的にはフッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、フッ素原子がより好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、2,4−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,4−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,5−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,6−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン等を挙げることができる。これらの化合物のうち2,5−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンが好ましい。
含窒素複素環化合物は、活性水素を有するものであり、この活性水素と一般式(2)で表される化合物のX’で表される基を置換反応させる。
活性水素を有する含窒素複素環化合物としては、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、2−ヒドロキシピリミジン、2−メルカプトピリジン、3−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンズチアゾール等を挙げることができる。
これらの化合物のうち、ピロール、イミダゾール、インドール、カルバゾール、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾールが好ましい。
一般式(2)で表される化合物と活性水素を有する含窒素複素環化合物との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒を用いる。反応を促進するために、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩等を用いる。一般式(2)で表される化合物と、活性水素を有する含窒素複素環化合物との比率は、等モルもしくは活性水素を有する含窒素複素環化合物を過剰に加えて反応させる。具体的には、活性水素を有する含窒素複素環化合物は一般式(2)で表される化合物の1〜3倍モル、特に1〜1.5倍モル使用することが好ましい。
反応温度は0℃〜300℃で、10℃〜200℃が好ましい。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間である。
生成物は再結晶等の方法で精製して用いることが好ましい。
重合
本発明の重合体を得るためはまず上記モノマー(1’)、モノマー(B’)及びモノマー(F’)を共重合させ、前駆体を得る。
この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩及び配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、又は配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、並びに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物及び条件を採用することができる。
例えば、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル等が好適に使用され、また、配位子となる化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2,2′−ビピリジン等が好適に使用される。さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′ビピリジン)が好適に使用される。還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム等を挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。「塩」としては、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。反応には重合溶媒を使用してもよく、具体的には、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等が好適に使用される。
触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩又は配位子が配位された遷移金属(塩)が、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。この範囲にあれば、触媒活性が高く、また分子量も高く重合することが可能である。触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。かかる範囲であれば、重合速度を上げる効果が充分となる。重合溶媒中におけるモノマーの総計の濃度は、通常、1〜90質量%、好ましくは5〜40重量%である。また、本発明の重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜100℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
次いで、得られた重合体を加水分解して、構成単位中のスルホン酸エステル基(−SOR)をスルホン酸基(−SOH)に転換する。
加水分解は、(1)少量の塩酸を含む過剰量の水又はアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を投入し、5分間以上撹拌する方法、(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法、(3)重合体中のスルホン酸エステル基(−SOR)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドン等の溶液中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法等により行うことができる。
上記方法以外にも、例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法と同様に、上記一般式(F’)で表される骨格を有し、かつスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記モノマー(1’)と、上記モノマー(B’)を共重合させ、この重合体を、スルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる(これをB法という)。
B法において用いることのできる、上記一般式(F’)で表される構造単位となりうるスルホン酸基、又はスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
また上記方法以外に、一般式(F’)において、Arが−O(CHSOH又はO(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−606254号公報に記載の方法と同様に、上記一般式(F’)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(1)で表される構造単位となりうるモノマー又はオリゴマー(一般式(1’)のモノマー、オリゴマー)と、上記一般式(B)で表される構造単位となるモノマー(一般式(B’)のモノマー)を共重合させ、次にアルキルスルホン酸又はフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる(これをC法という)。
(C法)において用いることのできる、上記一般式(F’)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。具体的には、2,5−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンをあげることができる。またこれらの化合物のヒドロキシル基をテトラヒドロピラニル基等で保護した化合物をあげることができる。またヒドロキシル基がチオール基にかわったもの、塩素原子が、臭素原子、ヨウ素原子におきかわったものもあげることができる。
(C法)では、重合体(スルホン酸基を有さない)に、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する。例えば、前駆体の重合体のヒドロキシル基と、プロパンスルトン、ブタンスルトン等を反応させることで導入することができる。
<プロトン伝導膜>
本発明において用いられるプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基と上記含窒素複素環基を有するスルホン化ポリアリーレン系共重合体からなる。
上記プロトン伝導膜を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、上記本発明の重合体を溶解する有機溶媒に溶解し、基体上にキャストし、溶媒を除去、乾燥させるキャスト法が主に用いられる。
このような製膜方法において用いられる基体としては、通常の溶液キャスト法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えば、プラスチック製又は金属製等の基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
これらの製膜方法で用いられる溶媒としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン系極性溶剤が挙げられる。これらの中では、溶解性及び溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」ともいう。)が特に好ましい。上記非プロトン系極性溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記溶媒として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いてもよい。このようなアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられる。これらの中では、幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があることから、メタノールが特に好ましい。アルコールは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が95〜25質量%、好ましくは90〜25質量%であり、アルコールが5〜75質量%、好ましくは10〜75質量%である(ただし、合計は100質量%)。アルコールの量が上記範囲内にあることにより、溶液粘度を下げる効果に優れる。
また、上記アルコールの他に、硫酸、リン酸等の無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水等を併用してもよい。
製膜する際の溶液のポリマー濃度は、通常5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。ポリマー濃度が5質量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい傾向にある。一方、ポリマー濃度が40質量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、通常2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。溶液粘度が2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、溶液粘度が100,000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎるため、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして製膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。なお、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを、通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルム(予備乾燥後のフィルムも含む。以下同じ。)を水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式でもよく、基板フィルム(例えば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、又は基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方式でもよい。また、バッチ方式の場合は、処理後のフィルム表面に皺が形成されるのを抑制するために、未乾燥フィルムを枠にはめる等の方法で、水に浸漬させることが好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の使用量は、未乾燥フィルム1質量部に対して、10質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上の割合である。水の使用量が上記範囲であれば、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を少なくすることができる。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を低減することに有効である。さらに、プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、置換速度及び取り扱いやすさの点から、通常5〜80℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が悪化することがある。また、フィルムの浸漬時間は、初期の残存溶媒量、水の使用量及び処理温度にもよるが、通常10分〜240時間、好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下において、0.5〜24時間真空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
上記のようにして得られたプロトン伝導膜の残存溶媒量は、通常5質量%以下、好ましくは1質量%以下にまで低減される。
本発明の方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
<電極>
本発明の電極は、触媒金属粒子又は触媒金属粒子を導電性担体に担持してなる電極触媒、電極電解質からなり、必要に応じて炭素繊維、分散剤、撥水剤等の他の成分を含んでいてもよい。
触媒金属粒子としては、触媒活性を有するものであれば特に限定されないが、白金ブラック等の貴金属微粒子そのものからなるメタルブラックを使うことができる。
触媒金属粒子を担持させる導電性担体としては、導電性と適度な耐食性を備えていれば特に限定されないが、触媒金属粒子を高分散させるための十分な比表面積を有し、かつ十分な電子伝導性を有することから、カーボン(炭素)を主成分とするものを使用することが望ましい。電極を構成する触媒担体は、触媒金属粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出す、あるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たさなければならない。触媒担体の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、結果として電池の性能を低下させることになる。そのため、電極に含まれる触媒担体の電子導電率は十分に高くなければならない。つまり、電極触媒担体として十分な電子導電性を持っていれば利用可能で、好適には細孔の発達したカーボン材料が用いられる。細孔の発達したカーボン材料としては、カーボンブラックや活性炭等が好ましく使用できる。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、また活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる。また、電子導電性を有する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物や高分子化合物を含むことも可能である。なお、ここで言う主成分とは、60%以上の炭素質を含有することを意味する。
また、導電性担体に担持させる触媒金属粒子としては、白金又は白金合金を用いるが、白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、コバルト、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛、及びスズからなる群から選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
白金又は白金合金の担持率(担持触媒全質量に対する白金又は白金合金の質量の割合)は、20〜80質量%、特に30〜55質量%が好ましい。この範囲であれば、高い出力を得られる。担持率が20質量%以上では、充分な出力を得ることができ、80質量%以下では、白金又は白金合金の粒子を分散性よく担体となるカーボン材料に担持できる。
また、白金又は白金合金の一次粒子径は、高活性なガス拡散電極を得るためには1〜20nmであることが好ましく、特には、反応活性の点で白金又は白金合金の表面積を大きく確保できる2〜5nmであることが好ましい。
電極電解質としては、スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質(イオン伝導性バインダー)が好適に用いられる。通常、担持触媒は当該電解質により被覆されており、この電解質の繋がっている経路を通ってプロトン(H)が移動する。
スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質としては、特に、NafionやFlemion、Aciplexに代表されるパーフルオロカーボン重合体が好適に用いられる。なおパーフルオロカーボン重合体だけでなく、ポリスチレンスルホン酸等のビニル系モノマーのスルホン化物、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性高分子に、スルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、本明細書で記載されている、スルホン化ポリアリーレン等の芳香族系炭化水素化合物を主とするイオン伝導性高分子電解質を用いてもよい。
また、前記イオン伝導性バインダーは、触媒粒子に対し、重量比で0.1〜3.0の割合で含有することが好ましく、特に0.3〜2.0の割合で含有することが好ましい。イオン伝導性バインダー比が0.1以上であると、プロトンを電解膜に伝達することができ、充分な出力が得られ、また、3.0以下であると、イオン伝導性バインダーが触媒粒子を完全に被覆することがないため、ガスが白金に到達でき、充分な出力が得られる。
必要に応じて添加することのできる炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、これらの中では気相成長炭素繊維が好ましい。炭素繊維を含んでいると、電極触媒層中の細孔容積が増加するため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。
なお、炭素繊維は、アノード側、カソード側の電極触媒層のいずれか一方又は双方に含まれていてもよい。
分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等をあげることができる。上記分散剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは分子量5000〜30000の界面活性剤である。電極触媒層を形成する際に使用される電極用ペースト組成物に上記分散剤を添加すると、保存安定性及び流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
本発明における膜・電極構造体は、アノードの触媒層、プロトン伝導膜及びカソードの触媒層のみからなってもよいが、アノード、カソードともに触媒層の外側にカーボンペーパーやカーボンクロスのような導電性多孔質基材からなるガス拡散層が配置されるとさらに好ましい。ガス拡散層は集電体としても機能するので、本明細書ではガス拡散層を有する場合はガス拡散層と触媒層とを合わせて電極というものとする。
本発明の膜・電極構造体を備える固体高分子型燃料電池では、カソードには酸素を含むガス、アノードには水素を含むガスが供給される。具体的には、例えばガスの流路となる溝が形成されたセパレータを膜・電極構造体の両方の電極の外側に配置し、ガスの流路にガスを流すことにより膜・電極構造体に燃料となるガスを供給する。
本発明の膜・電極構造体を製造する方法としては、イオン交換膜の上に触媒層を直接形成し必要に応じガス拡散層で挟み込む方法、カーボンペーパー等のガス拡散層となる基材上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜と接合する方法、及び平板上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜に転写した後平板を剥離し、さらに必要に応じガス拡散層で挟み込む方法等の各種の方法が採用できる。
触媒層の形成方法としては、担持触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とを分散媒に分散させた分散液を用いて(必要に応じて撥水剤、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒等を加え)、イオン交換膜、ガス拡散層、又は平板上に形成させる公知の方法が採用できる。
上記電極ペースト組成物の形成方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布等が挙げられる。
触媒層をイオン交換膜上に直接形成しない場合は、触媒層とイオン交換膜とは、ホットプレス法、接着法(特開平7−220741参照)等により接合することが好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、評価用の膜の調製、スルホン酸当量、分子量及びプロトン伝導度の測定は以下の記載にして行った。
<膜の調製>
得られたスルホン化重合体の15質量%溶液(溶媒はメタノール/NMP=50/50(容量比)の混合溶媒)からキャスト膜を調製した。これを大量の蒸留水に一晩浸漬し、膜中の残存NMPを希釈により取り除いた後、乾燥し、膜を得た(膜厚40μm)。
また、実施例中に記載の含窒素複素環芳香族化合物とスルホン化重合体からなるプロトン伝導膜の調製の際は、所定量の含窒素複素環芳香族化合物と得られたスルホン化アリーレンが溶液中15質量%になるように、メタノール/NMP=50/50(容量比)で溶解させ、ワニスを調製した。これを上記と同様にキャスト法により、キャスト膜を調製し、大量の蒸留水への浸漬により、膜中の残存NMPを希釈により除去し、目的の膜を得た(膜厚40μm)。
<スルホン酸当量>
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
<分子量の測定>
スルホン酸基を有しない重合体質量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(T
HF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
スルホン酸基を有する重合体の分子量、又は耐熱試験後のスルホン酸基を有する重合体の分子量を、臭化リチウム7.83gとリン酸3.3mlとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)2Lからなる混合溶液を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
<プロトン伝導度の測定>
交流抵抗は、5mm幅の短冊状膜試料の表面に、白金線(φ=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスから、プロトン伝導率を算出した。
Figure 0005295655
<耐熱性の評価>
膜厚約40μmの各フィルムを、160℃オーブン中に24時間入れた。耐熱試験前後のサンプルを、上記のNMP系のGPC溶離液99.8質量部に対し、0.2質量部のプロトン伝導膜を浸漬、溶解後、不溶分を除去し、GPC測定を行った。耐熱試験前後のGPCの溶出面積の比から不溶分含量を求めた。
<熱水耐性試験>
厚さ30μmのスルホン化ポリマーのフィルムを、縦3cm、横4cmに切断し重量(A)を測定した。プレッシャークッカー中で、カットしたサンプルを純水中に浸漬し120℃で24時間加熱した。加熱終了後放冷した後サンプルを取り出し、表面に付着した水滴をベンコットン(旭化成製)で取り除いた。水滴を取り除いた後の質量(B)を測定し、下記式に従い含水率を算出した。
Figure 0005295655
[実施例1]
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた3Lセパラブル3口フラスコに2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 92.9g (540mmol)、炭酸カリウム 86.2g (624mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、スルホラン 675mL、トルエン 270mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、180℃で7時間撹拌した後、2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 31.0g (180mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液 3.0L/0.3Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン 0.4kgに再溶解した。この溶液をメタノール 3.0Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、144g(収率80%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は5600、質量平均分子量(Mw)は7400であった。得られた化合物は一般式(1−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0005295655
(2)共重合体の合成
撹拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた500mLの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル37.67g(93.9mmol)、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol、 実施例1−(1)で得られた疎水性ユニット(1−a )11.5g(1.4mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.62g(4.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)152mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間撹拌し続けた後、DMAc349mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を撹拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱撹拌し、臭化リチウム32.6g(375.5mmol)を加えた。該溶液を7時間撹拌した後、アセトン2.0Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄した後、乾燥して目的の重合体48gを得た。得られた重合体の質量平均分子量(Mw)は163,000であった。得られた化合物は一般式(1−b)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 0005295655
得られたスルホン化ポリマーの20質量%N−メチルピロリドン(NMP)/メタノール溶液(3/1重量比)を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚30μmのフィルムを得た。イオン交換容量は、2.38(meq/g)であった。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
[実施例2]
実施例1の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)を1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)99.8g (288mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(2−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(2−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例3]
実施例1の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)をレゾルシノール(Res)31.7g (288mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(3−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(3−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例4]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 30.8g (192mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(4−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(4−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例5]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 30.8g (192mmol)に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)を1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)99.8g (288mmol)変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(5−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(5−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例6]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 30.8g (192mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(6−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(6−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例7]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 30.8g (192mmol)に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)を1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)99.8g (288mmol)変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(7−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(7−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例8]
実施例1の2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 92.9g (540mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)135.6g(540mmol)に、また追加で添加する2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 31.0g (180mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)45.2g(180mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(8−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(8−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例9]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 30.8g (192mmol)に、2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 92.9g (540mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)135.6g(540mmol)に、また追加で添加する2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 31.0g (180mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)45.2g(180mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(9−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(9−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例10]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 30.8g (192mmol)に、2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 92.9g (540mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)135.6g(540mmol)に、また追加で添加する2,6−ジクロロベンゾニトリル (2、6−DBN) 31.0g (180mmol)を4,4’―ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DBP)45.2g(180mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(10−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(10−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例11]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)と2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)を用いる代わりに、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 23.1g (144mmol)、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 23.1g (144mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 64.6g (192mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(11−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(11−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例12]
実施例11の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 23.1g (144mmol)の代わりに、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 23.1g (144mmol)用いた以外は、実施例11と同様の方法で疎水性ユニット(12−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(12−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例13]
実施例1で合成した疎水ユニット(1−a)を用い、実施例1の、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol)の代わりに2,5―ジクロロー4’―(ピリジンー4−オキシ)ベンゾフェノン 1.62g(4.7mmol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(13−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例14]
実施例4で合成した疎水ユニット(4−a)を用い、実施例1の、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol)の代わりに2,5―ジクロロー4’―(ピリジン−4−オキシ)ベンゾフェノン 1.62g(4.7mmol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(13−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例15]
実施例6で合成した疎水ユニット(6−a)を用い、実施例1の、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol)の代わりに2,5―ジクロロー4’―(ピリジンー4−オキシ)ベンゾフェノン 1.62g(4.7mmol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(15−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例16]
3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル37.65g(93.9mmol)、4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジン 1.18g(4.7mmol)、 実施例1−(1)で得られた疎水性ユニット(1−a )11.8g(1.5mmol)を原料に用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(16−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[実施例17]
実施例4で合成した疎水ユニット(4−a)を用い、実施例16の、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol)の代わりに4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジン 1.18g(4.7mmol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(17−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005295655
[実施例18]
実施例6で合成した疎水ユニット(6−a)を用い、実施例16の、2,5−ジクロロー4’―(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン 1.49g(4.7mmol)の代わりに4−(2,5−ジクロロベンゾイル)ピリジン 1.18g(4.7mmol)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(18−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[比較例1]
実施例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 30.8g (192mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 96.8g (288mmol)を用いる代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン (Bis−AF) 161.4g (480mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で疎水性ユニット(19−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(19−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[比較例2]
3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル39.46g(98.3mmol)、 実施例1−(1)で得られた疎水性ユニット(1−a )13.3g(1.7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.62g(4.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)を原料に用いる以外は、実施例1と同様の方法で合成を行い、一般式(20−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
[比較例3]
比較例1で合成した疎水ユニット(19−a)を用る以外は、比較例2と同様の方法で合成を行い、一般式(21−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1、表2に示す。
Figure 0005295655
Figure 0005295655
[膜−電極構造体の作製]
平均径50nmのカーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を、カーボンブラック:白金=1:1の重量比で担持させ、触媒粒子を作製した。次に、イオン伝導性バインダーとしてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(DuPont社製Nafion(商品名))溶液に、前期触媒粒子を、イオン伝導性バインダー:触媒粒子=8:5の重量比で均一に分散させ、触媒ペーストを調製した。
実施例1〜18及び比較例1〜3で得られたポリマーからなるプロトン伝導膜の両面に、前記触媒ペーストを、白金含有量が0.5mg/cmとなるようにバーコーター塗布し、乾燥させることにより電極塗布膜(Catalyst Coated Membrane)を得た。前記乾燥は、100℃で15分間の乾燥を行った後、140℃で10分間の二次乾燥を行った。
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子 =4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなるガス拡散層を2つ作製した。
前記CCMを前記ガス拡散層の下地層側で狭持し、ホットプレスを行って膜−電極構造体を得た。前記ホットプレスは、160℃、3MPaで5分間の条件で実施した。
また、本実施例で得られた膜−電極構造体は、ガス拡散層の上にさらにガス通路を兼ねるセパレーターを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成することができる。
(発電特性の評価)
本発明の膜−電極構造体を用いて、温度70℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を50%/73%、電流密度を1A/cmとした発電条件により、発電性能を評価した。燃料極側には純水素を、酸素極側には空気をそれぞれ供給した。さらに、発電耐久性の評価として、この膜−電極構造体を用い、温度120℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を50%/50%、OCVの条件下で発電耐久テストを実施し、クロスリークに至るまでの時間を計測した。クロスリークまでの時間が500時間以上だったものを良として「○」で表示し、500時間未満だったものを不良として「×」で表示した。
Figure 0005295655
表1、表2に示したとおり、実施例1−18は、比較例1−3と比較して、熱水浸漬試験による膨潤が少なく、耐熱性試験により発生する不溶分がすくない特性を併せ持つ電解質膜であり、これを用いた膜―電極構造体は従来と同様の発電性能を維持しながら発電耐久性にも優れていることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
    前記プロトン伝導膜は、一般式(1)で表される縮合芳香族環ユニットと、主鎖がポリフェニレン構造であり、側鎖として下記一般式(A)で表される含窒素複素環基を有するユニットとをモノマー単位として含むスルホン化ポリアリーレン系共重合体を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(1)中、A、Dは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは酸素原子又は硫黄原子を示し、Phは縮合芳香族環を示し、R〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又はすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
    一般式(A)中、Zは直接結合、−O−及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R21は含窒素複素環基を示す。qは1〜5の整数を示し、pは0〜4の整数を示す。
    構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
  2. 前記一般式(1)中、Phはナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基及びペンタセン基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  3. 前記縮合芳香族環ユニットが、一般式(2)で表されるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(2)中、Aは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基及びフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
    Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(jは1〜10の整数である)及びCR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
    Phは縮合芳香族環を示し、R〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又はすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。
    lは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
    n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
    構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
  4. 前記縮合芳香族環ユニットが一般式(3)で表されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(3)中、Dは、−O−及び−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
    Pは下記一般式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造であり、Phは下記一般式(5−1)で表される構造である。
    qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
    n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。
    構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
    Figure 0005295655
  5. 前記一般式(3)において、pが0.01〜1の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  6. 前記含窒素複素環基がピロール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピラゾール基、1,3,5−トリアジン基、ピリミジン基、ピリタジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、ベンズイミダゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズチアゾール基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基及びこれら含窒素複素環基の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  7. 前記側鎖に含窒素複素環基を有するユニットが、一般式(B)で表されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(B)中、Y、Z、R21、p、qは一般式(A)と同じである。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
  8. 前記スルホン化ポリアリーレン系共重合体がさらに、側鎖として一般式(E)で表されるスルホン酸基を有するユニットをモノマー単位として含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(E)中、Zは直接結合、−O−及び−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFl’−(l’は1〜10の整数である)及び−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。Arは−SOH、−O(CHSOH又はO(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基を示す。mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。]
  9. 前記スルホン酸基を有するユニットが、一般式(F)で表されるユニットであることを特徴とする請求項8に記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0005295655
    [一般式(F)中、Y、Z、Ar、m、n、kは一般式(E)と同じである。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。]
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