JP4976919B2 - 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体に関する。
燃料電池は、高い発電効率を有し、排出物も少なく、環境への負担の低い発電システムである。近年の地球環境保護、化石燃料依存からの脱却への関心の高まりにつれ、脚光を浴びている電池である。燃料電池は、小型の分散型発電施設、自動車や船舶等の移動体の駆動源としての発電装置、又はリチウムイオン電池等の二次電池に替わって携帯電話やモバイルパソコン等への搭載が期待されている。
固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素ガスを燃料として一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として他方の電極(空気極)へ供給することにより、起電力を得るものである。また、水電解は、固体高分子電解質膜を用いて水を電気分解することにより、燃料電池反応の逆反応を起こさせて水素と酸素を製造するものである。
しかしながら、実際の燃料電池や水電解では、これら主反応の他に副反応が起こるという問題がある。その代表的なものが過酸化水素(H)の生成反応であり、この過酸化水素に起因するラジカル種が、固体高分子電解質膜を劣化させる原因となっている。
従来、固体高分子電解質膜としては、Nafion(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成工業株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で市販されているパーフルオロスルホン酸系膜が、化学安定性に優れる観点から多用されてきた。
しかしながら、Nafionのようなパーフルオロスルホン酸系膜は、製造が困難で非常に高価であるという問題があり、燃料電池車や家庭用燃料電池発電システム等の民生用途への普及の大きな障害となっている。また、分子内に大量のフッ素原子を有しているため、使用後の廃棄処理に関して、環境への大きな負荷という問題を抱えている。
また、燃料電池は、より高温で、且つ電極間のプロトン伝導膜の膜厚が薄いほど、膜抵抗が小さく、発電出力を高めることができる。しかしながら、これらパーフルオロ酸系膜は、熱変形温度が80〜100℃程度であり、高温時のクリープ耐性が非常に乏しいゆえ、燃料電池にこれらの膜を用いた際の発電温度を80℃以下に保たなければならず、発電出力に制限があるという問題も抱えている。また、長期に使用した際の膜厚の安定性も乏しく、電極間の短絡(ショート)を防ぐために、ある程度の膜厚(50μm以上)が必要であり、薄膜化が困難であると考えられている。
このようなパーフルオロスルホン酸系膜の問題を解決するために、フッ素原子を含まず、より安価で、エンジニアプラスチックにも用いられるような耐熱性主鎖骨格を有する固体高分子電解質膜が、現在、数多く研究されている。例えば、ポリアリーレン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリエーテルスルホン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリイミド系、ポリベンザゾール系の主鎖芳香環をスルホン化したポリマーが提案されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993) Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736(1994) Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993)
しかしながら、これら主鎖芳香環がスルホン化されたポリマーは吸水性が大きく、耐熱水性が劣ることから、スルホン酸基等の親水基の導入量に制限がある。また、発電耐久性の尺度とされるフェントン試薬耐性(ヒドロキシラジカル耐性)に乏しい材料であった。これらの電解質膜を長期間、100℃以上の高温下に暴露した際には、スルホン酸が脱離してプロトン伝導性能が低下したり、スルホン酸基が導入されていない他の芳香環と架橋反応を起こして脆化するという問題を有していた。膜の脆化が進行すると、長期発電時に膜の破断(ピンホール)が生じて発電不能となる可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来検討されてきたフッ素系電解質膜や芳香族系電解質膜が抱える問題点を解決し、耐熱性及びプロトン伝導性に優れたプロトン伝導膜を備える固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、側鎖にスルホン酸基を含む含窒素複素環を有する単量体から得られるスルホン化ポリアリーレンをプロトン伝導膜として用いることにより、耐熱性及びプロトン伝導性に優れた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、前記プロトン伝導膜は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 0004976919
・・・(2)
[式(2)中、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、及び−C(CF−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Wは、直接結合、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Zは、直接結合、又は、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、−S−、−CO−、及び−SO−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。R20は、−SOH、−O(CHSOH、又は−O(CFSOH(hは、1〜12の整数)で表される置換基を少なくとも1個有する含窒素複素環を示す。pは0〜10の整数を示し、qは0〜10の整数を示し、rは1〜5の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。]
(2) 前記含窒素複素環が、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、2H−ピロール、1H−インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、シンノリン、プテリジン、カルボリン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、キヌクリジンからなる含窒素複素環、及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される基であることを特徴とする(1)記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
(3) さらに、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする(1)又は(2)記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
Figure 0004976919
・・・(3)
[式(3)中、A及びCは、それぞれ独立に、直接結合、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CR’−(R’は、炭化水素基、又は環状炭化水素基を示す)、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Bは、独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。R〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又は全部がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、及びニトリル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。s及びtは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、uは、0以上の整数を示す。]
(4) 前記Yが、−CO−、又は−SO−を示し、前記W及びZが、それぞれ独立に、直接結合、−CO−、−SO−、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、前記p及びqが0〜2の整数であり、前記rが1〜2の整数であることを特徴とする(1)から(3)いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
(5) 前記R20が、−SOH、−O( CHSOH、又は−O(CFSOH(hは、1〜12の整数)で表される置換基を少なくとも1個有するピリジン、イミダゾール、トリアゾール、及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される基であることを特徴とする(1)から(4)いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
(6) 前記プロトン伝導膜のイオン交換容量が、0.5meq/g〜3meq/gであることを特徴とする(1)から(5)いずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体は、側鎖にスルホン酸基を含む含窒素複素環を有する単量体から得られるスルホン化ポリアリーレンをプロトン伝導膜として用いているため、耐熱性及びプロトン伝導性に優れるうえ、靭性及び機械的強度に優れる。また、本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、スルホン酸基の導入量を容易に制御することができるため、広い温度範囲に亘って良好なプロトン伝導性、靭性、及び機械的強度を有する固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体が得られる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体のプロトン伝導膜として用いられるスルホン化ポリアリーレンは、主鎖にフェニレン結合を有する重合体であって、側鎖にスルホン酸基を含む含窒素複素環を有する芳香族化合物を重合することにより得られる。
<芳香族化合物>
上記スルホン化ポリアリーレンの重合に用いられる芳香族化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0004976919
・・・(1)
上記式(1)中、Xは、フッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、及び−OSORbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。ここで、Rbは、アルキル基、フッ素置換アルキル基、又はアリール基を示す。具体的には、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基を挙げることができる。
上記式(1)中、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、及び−C(CF−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。より好ましくは、Yは、−CO−、−SO−である。
上記式(1)中、Wは、直接結合、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。より好ましくは、Wは、直接結合、−CO−、−SO−、−O−、−S−である。
上記式(1)中、Zは、直接結合、又は、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、−S−、−CO−、及び−SO−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。より好ましくは、Zは、直接結合、−O−、−CO−、−SO−である。
上記式(1)中、Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を示す。より好ましくは、炭素原子数4〜20の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基等の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基等が挙げられる。これらのうち、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、ネオペンチル基がさらに好ましい。
上記式(1)中、R20は、−SORc、−O(CHSORc、又は−O(CFSORc(hは、1〜12の整数、Rcは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を示す)で表される置換基を少なくとも1個有する含窒素複素環を示す。この含窒素複素環は、含窒素複素環を有する含窒素複素環化合物から誘導される。含窒素複素環化合物とは、環状構造を有する有機化合物の中で、炭素原子の他、窒素を含む環状化合物のことである。窒素は、環状構造中に2個以上含んでいてもよく、さらには、酸素、硫黄を含んでいてもよい。含窒素複素環化合物としては、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、2H−ピロール、1H−インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、シンノリン、プテリジン、カルボリン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、キヌクリジン等が挙げられる。これらのうち、イミダゾール、ピリジン、トリアゾールが好ましい。
上記式(1)中、Rcは、より好ましくは炭素原子数4〜20の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基等の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基等が挙げられる。これらのうち、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、ネオペンチル基がさらに好ましい。
上記式(1)中、pは、0〜10の整数を示し、より好ましくは、0〜4の整数、さらに好ましくは0〜2の整数である。qは、0〜10の整数を示し、より好ましくは、0〜4の整数、さらに好ましくは0〜2の整数である。rは、1〜5の整数を示し、より好ましくは、1〜3の整数、さらに好ましくは1〜2の整数である。kは、0〜4の整数を示し、より好ましくは、0〜3の整数、さらに好ましくは0〜2の整数である。
上記Y、W、Z、p、q、r、kの好ましい組み合わせとしては、
(i)p=1、q=0、r=1であり、Y=−CO−、Z=−O−である構造、
(ii)p=1、q=0、r=1であり、Y=−CO−、Z=−S−である構造、
(iii)p=1、q=1、r=1、k=1であり、Y=−CO−、W=−CO−、Z=−O−である構造、
(iv)p=1、q=1、r=1、k=1であり、Y=−CO−、W=−CO−、Z=−S−である構造、
(v)p=1、q=1、r=1、k=1であり、Y=−CO−、W=−CO−、Z=−CO−である構造、
(vi)p=1、q=1、r=1、k=1であり、Y=−CO−、W=−SO−、Z=−O−である構造、
(vii)p=1、q=1、r=1、k=1であり、Y=−CO−、W=−SO−、Z=−CO−である構造
(viii)p=0、q=1、r=1、k=1であり、W=−CO−、Z=−O−である構造、
(ix)p=0、q=1、r=1、k=0であり、W=−CO−、Z=−O−である構造、
(x)p=0、q=1、r=1、k=1であり、W=−CO−、Z=−S−である構造、
(xi)p=0、q=1、r=1、k=0であり、W=−CO−、Z=−S−である構造、
(xii)p=0、q=0、r=1であり、Z=−CO−である構造、
(xiii)p=1、q=0、r=1であり、Y=−CO−、Z=−CO−である構造、
(xiv)p=0、q=1、r=1、k=1であり、W=−CO−、Z=−CO−である構造、
(xv)p=0、q=0、r=1であり、Zが直接結合である構造、等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される芳香族化合物の具体例としては、下記の構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 0004976919
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また、上記一般式(1)で表される芳香族化合物として、上記各化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、−CO−が−SO−に置き換わった化合物等も挙げられる。また、塩素原子や臭素原子の結合位置の異なる異性体も挙げられる。
上記一般式(1)中のRa基は、1級のアルコール由来で、β炭素が3級又は4級炭素であることが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましい。さらには、これらのエステル基は、1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることがさらに好ましい。
上記芳香族化合物は、単一の化合物であってもよいし、複数の位置異性体の混合物であってもよい。
上記一般式(1)で表される芳香族化合物は、例えば、次のような反応によって合成することができる。
下記一般式(11)、(12)で表される化合物と、含窒素複素環化合物とを求核置換反応させた後、スルホン化剤を用いてスルホン化することにより合成することができる。
Figure 0004976919
・・・(11)
Figure 0004976919
・・・(12)
上記式(11)、(12)中、X、Y、W、p、q、r、は、上記式(1)で示した定義と同一である。X’は、ハロゲン原子であり、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記式(11)で示される化合物の具体例としては、2,4−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,6−ジクロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2,4−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,5−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,6−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン、2,4−ジクロロフェニル−2’−フルオロフェニルスルホン等が挙げられる。これらの化合物のうち、2,5−ジクロロフェニル−4’−フルオロフェニルスルホン、2,5−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンが好ましい。
上記式(12)で示される化合物の具体例としては、下記の構造が挙げられる。
Figure 0004976919
Figure 0004976919
また、上記一般式(12)で表される化合物として、上記各化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、−CO−が−SO−に置き換わった化合物等も挙げられる。また、塩素原子や臭素原子の結合位置の異なる異性体も挙げられる。
含窒素複素環化合物とは、環状構造を有する有機化合物の中で、炭素原子の他、窒素を含む環状化合物のことである。なお、窒素は、環状構造中に2個以上含んでいてもよく、さらには、酸素、硫黄を含んでいてもよい。含窒素複素環化合物は、活性水素を有するものであり、この活性水素と上記一般式(11)、(12)で表される化合物のX’で表される基を置換反応させる。
活性水素を有する含窒素複素環化合物としては、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピロール、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、イソインドール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、モルホリン、トリアゾール、テトラゾール、プリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノオキサジン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシピリミジン、2−メルカプトピリジン、3−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、3−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンズチアゾール等が挙げられる。
例えば、ヒドロキシ基、メルカプト基を有するものは、酸素、硫黄原子に結合した水素が活性水素となり、−O−、−S−結合を介して、含窒素複素環を導入する。また、含窒素複素環の窒素原子に結合した水素原子、複素環の窒素以外の原子に結合した水素原子も活性水素となる。この場合、含窒素複素環との間に直接結合を生じて、含窒素複素環が導入される。
これらの化合物のうち、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、イミダゾール、トリアゾールが好ましい。
上記一般式(11)、(12)で表される化合物と、活性水素を有する含窒素複素環化合物との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が用いられる。反応を促進するために、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩等が用いられる。上記一般式(11)、(12)で表される化合物と、活性水素を有する含窒素複素環化合物との比率は、等モル又は活性水素を有する含窒素複素環化合物を過剰に加えて反応させる。具体的には、活性水素を有する含窒素複素環化合物は、上記一般式(11)、(12)で表される化合物の1〜3倍モル用いられ、特に1〜1.5倍モル用いられることが好ましい。
反応温度は、0℃〜300℃であり、好ましくは10℃〜200℃である。反応時間は、15分〜100時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。得られた生成物は、再結晶等の方法で精製して用いることが好ましい。
p=0、q=0であり、Zが直接結合以外の場合、下記一般式(13)、(14)で表される化合物を反応させた後、スルホン化剤を用いてスルホン化、あるいはクロロスルホン化することによっても合成することができる。
Figure 0004976919
・・・(13)
Figure 0004976919
・・・(14)
上記式(13)、(14)中、X、R20は、上記式(1)で示した定義と同一である。この場合、特にピリジン、イミダゾール、トリアゾールが好ましい。
上記式(14)中、Z’は、−COCl、−SOCl、−COOH、−SOH、−COORd、−SORd、及び−CHOよりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Rdは、炭素原子数1〜20の炭化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。
上記Z’が、−COCl、−SOClの場合、反応触媒として、塩化アルミニウム、塩化鉄、トリフルオロホウ素、ナフィオン等が好ましい。また、反応は、無溶媒か、又は、反応物や触媒と反応しない反応溶媒を用いればよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤、ニトロベンゼン、ジフェニルスルホン、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ポリリン酸、ジエチルエーテル、アセトニトリル等が好ましく用いられる。反応温度は、−20℃〜300℃であり、好ましくは10℃〜200℃である。反応時間は、15分〜100時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。必要であれば、高圧力条件下で反応を行ってもよい。圧力は、1〜10気圧であり、好ましくは1〜5気圧である。生成物は、再結晶等の方法で精製して用いることが好ましい。
p=0、q=0であり、Zが直接結合の場合、下記一般式(15)、(16)で表される化合物を反応させた後、スルホン化剤を用いてスルホン化、あるいはクロロスルホン化することによっても合成することができる。
Figure 0004976919
・・・(15)
Figure 0004976919
・・・(16)
上記式(15)、(16)中、X、R20は、上記式(1)で示した定義と同一である。この場合、特にピリジン、イミダゾール、トリアゾールが好ましい。
Z”は、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−B(OH)、−MgBr、−Li−n−ブチル、−Li−tert−ブチルより選ばれる少なくとも1種の構造を示す。X”は、Z”が−Hの場合、炭酸カリウム、炭酸リチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムより選ばれる少なくとも1種により活性化されたフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Z”が−F、−Cl、−Br、−Iの場合、−B(OH)、−MgBr、−Li−n−ブチル、−Li−tert−ブチルより選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Z”が−B(OH)、−MgBr、−Li−n−ブチル、−Li−tert−ブチルの場合、−F、−Cl、−Br、−Iより選ばれる少なくとも1種の構造を示す。
反応溶媒としては、反応物や触媒と反応しないものであればよく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤が用いられる。好ましくは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等が用いられる。反応温度は−30℃〜300℃であり、−20℃〜100℃が好ましい。反応時間は15分〜100時間であり、好ましくは1時間〜24時間である。反応時に必要であれば高圧力条件下で反応を行ってもよい。圧力としては1〜10気圧、好ましくは1〜5気圧である。生成物は、再結晶等の方法で精製して用いることが好ましい。
次に、上記の反応で得られた芳香族化合物をスルホン化する。スルホン化剤としては、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸、無水硫酸等のスルホン化剤を挙げることができる。スルホン化剤の反応性や反応温度、反応時間を制御して、目的の芳香環にスルホン酸基が導入されるように反応を行う。好ましいスルホン化剤は、クロロスルホン酸、あるいは発煙硫酸である。クロロスルホン酸を用いる場合の反応温度は、80〜130℃が好ましい。
次に、得られたスルホン酸を酸クロリドに変換する。この反応には、塩化チオニル、塩化ホスホリル、五塩化リン等を用いることができる。またスルホン化剤として、クロロスルホン酸を用いた場合には、酸クロリドの形で単離できるため、この工程は省略できる。
最後に、各種のアルコールとエステル化反応させて上記一般式(1)で表される芳香族化合物を得る。アルコールとしては、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロペンチルメチルアルコール、アダマンチルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、アダマンチルメチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メチルブチルアルコール、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチルアルコール等の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられる。これらのうち、ネオペンチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、シクロペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、アダマンチルメチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチルアルコールが好ましく、ネオペンチルアルコールがより好ましい。
エステル化反応には、ピリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリオクチルアミン等の塩基を共存させることが好ましい。
<スルホン化ポリアリーレン>
本発明で用いられる、側鎖にスルホン酸基を含む含窒素複素環を有するスルホン化ポリアリーレンは、下記一般式(I)で表されるスルホン酸基を有する繰り返し単位(スルホン酸ユニット)を有する。具体的には、下記一般式(III)で表される重合体である。
[スルホン酸ユニット]
Figure 0004976919
・・・(I)
上記一般式(I)において、Y、Z、W、p、q、r、k、R20は、上記式(2)で示した定義と同一である。
より好ましくは、上記スルホン化ポリアリーレンは、上記スルホン酸ユニットと、下記一般式(II)で表されるスルホン酸基を有さない繰り返し単位(疎水ユニット)とを有する。
[疎水性ユニット]
Figure 0004976919
・・・(II)
上記一般式(II)中、A及びCは、それぞれ独立に、直接結合、又は、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CR’−(R’は、炭化水素基、又は環状炭化水素基を示す)、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。ここで、−C(CR’−で表される構造のうち、R’が環状炭化水素基であるものの具体的な例としては、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基等が挙げられる。これらのうち、直接結合、又は、−CO−、−SO−、−C( CF−、−C(CR’−(R’は、炭化水素基、又は環状炭化水素基を示す)、−O−が好ましい。
上記一般式(II)中、Bは、独立に酸素原子又は硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。R〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又は全部がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。アリル基としては、プロペニル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(II)中、s及びtは、0〜4の整数を示す。uは、0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80の整数である。
s及びtの値と、A、B、C、R〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては、
(i)s=1、t=1であり、Aが−C(CF−、又は−C(CR’−(R’は、炭化水素基又は環状炭化水素基を示す)であり、Bが酸素原子であり、Cが−CO−、又は−SO−であり、R〜R16が水素原子又はフッ素原子である構造、
(ii)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Cが−CO−、又は−SO−であり、R〜R16が水素原子又はフッ素原子である構造、
(iii)s=0、t=1であり、Aが−C(CF−、又は−C(CR’−(R’は、炭化水素基又は環状炭化水素基を示す)であり、Bが酸素原子であり、R〜R16が水素原子、フッ素原子、又はニトリル基である構造、
(iv)s=1、t=1、2であり、Aが−C(CF−、又は−C(CR’−(R’は、炭化水素基又は環状炭化水素基を示す)であり、Bが酸素原子であり、R〜R16が水素原子又はフッ素原子である構造、
(v)s=0、t=1、2であり、Aが−C(CF−、又は−C(CR’−(R’は、炭化水素基又は環状炭化水素基を示す)であり、Bが酸素原子であり、R〜R16が水素原子、フッ素原子、又はニトリル基である構造、が挙げられる。
[ポリマー構造]
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、具体的には下記一般式(III)で表される。
Figure 0004976919
・・・(III)
上記一般式(III)中、A、B、C、W,Y,Z,k、p、q、r、s、t、u、R20、及びR〜R16は、それぞれ上記一般式(I)及び(II)中のA、B、C、W,Y,Z,k、p、q、r、s、t、u、R20、及びR〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%とした場合のモル比を示す。
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、上記一般式(2)で表される繰り返し構成単位、即ち上記一般式(III)におけるxのユニットを0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で含有し、上記一般式(3)で表される繰り返し構成単位、即ち上記一般式(III)におけるyのユニットを99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有する。
[ポリマーの製造方法]
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法の2通りの方法を用いることができる。
(A法)
例えば、特開2004−137444に記載の方法で、上記一般式(I)で表される構造単位となり得るスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(II)で表される構造単位となり得るモノマー、又はオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
(B法)
例えば、特開2001−342241に記載の方法で、上記一般式(I)で表される骨格を有し、スルホン酸基やスルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(II)で表される構造単位となり得るモノマー、又はオリゴマーとを共重合させ、この共重合体をスルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、A法に示す方法により製造することが好ましい
上記(B法)において用いることのできる、上記一般式(I)で表される構造単位となり得るスルホン酸を有しないモノマーは、下記一般式(4)で表される。
Figure 0004976919
・・・(4)
上記一般式(4)において、X、Y、Z、W、p、q、及びrは、上記一般式(1)で示した定義と同一である。
上記一般式(4)中、R21は、含窒素複素環を示し、具体的には、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、2H−ピロール、1H−インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、シンノリン、プテリジン、カルボリン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、キヌクリジンからなる含窒素複素環、及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物等が挙げられる。これらのうち、イミダゾール、ピリジン、トリアゾールが好ましい。
上記一般式(4)で表されるモノマーの具体的な例としては、下記に示すような構造が挙げられる。
Figure 0004976919
Figure 0004976919
Figure 0004976919
Figure 0004976919
Figure 0004976919
Figure 0004976919
上記一般式(4)で表されるモノマーとしては、上記各化合物において、塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、−CO−が−SO−に置き換わった化合物等も挙げられる。
スルホン化ポリアリーレンを得るためは、先ず、上記一般式(I)で表される構造単位となり得るモノマーと、上記一般式(II)で表される構造単位となり得るモノマー、又はオリゴマーとを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。
(C法)
上記一般式(I)において、R30が−O(CHSOH、又は−O(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特願2003−295974に記載の方法で、上記一般式(I)で表される構造単位となり得る前駆体のモノマーと、上記一般式(II)で表される構造単位となり得るモノマー、又はオリゴマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸又はフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系である。このような触媒系としては、(i)遷移金属塩及び配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、又は配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、並びに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン化ポリアリーレンは、この前駆体のポリアリーレンをスルホン酸基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、下記の2通りの方法がある。
(A法)
前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444に記載の方法で脱エステル化する方法。
(B法)
前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241に記載の方法でスルホン化する方法。
上記のような方法により製造される、上記一般式(III)で表されるスルホン化ポリアリーレンのイオン交換容量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記のイオン交換容量は、例えば一般式(I)で表される構造単位となり得る前駆体のモノマーと、上記一般式(II)で表される構造単位となり得るモノマー、又はオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン化ポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
スルホン化ポリアリーレンには、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有させて使用してもよい。老化防止剤を含有することで電解質としての耐久性をより向上させることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA−80)等を挙げることができる。
本発明において、スルホン化ポリアリーレン100質量部に対して、ヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10質量部の量で使用することが好ましい。
[膜作成方法]
上記スルホン化ポリアリーレンを有機溶剤中で混合させ、それを基体上に流延してフィルム状に成形するキャスティング法等により、高分子電解質膜が得られる。ここで、上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えばプラスチック製、金属製等の基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
上記スルホン化ポリアリーレンを混合させる溶媒としては、共重合体を溶解する溶媒や膨潤させる溶媒であればよく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン、アセトニトリル等の非プロトン系極性溶剤や、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル類等の溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましく用いられる。
また、上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との混合物を用いる場合、該混合物の組成は、非プロトン系極性溶剤が95〜25質量%、好ましくは90〜25質量%、他の溶剤が5〜75質量%、好ましくは10〜75質量%(但し、合計は100質量%)である。他の溶剤の量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。この場合の非プロトン系極性溶剤と他の溶剤との組み合わせとしては、非プロトン系極性溶剤としてNMP、他の溶剤として幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があるメタノールが好ましい。
上記スルホン化ポリアリーレンと添加剤を溶解させた溶液のポリマー濃度は、上記スルホン化ポリアリーレンの分子量にもよるが、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。5質量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40質量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、上記スルホン化ポリアリーレンの分子量、ポリマー濃度、添加剤の濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られる高分子電解質膜の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルム(予備乾燥後のフィルムも含む。以下同じ。)を水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式でもよく、基板フィルム(例えば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、又は基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方式でもよい。また、バッチ方式の場合は、処理後のフィルム表面に皺が形成されるのを抑制するために、未乾燥フィルムを枠にはめる等の方法で、水に浸漬させることが好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の使用量は、未乾燥フィルム1質量部に対して、10質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上の割合である。水の使用量が上記範囲であれば、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を少なくすることができる。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られる高分子電解質膜の残存溶媒量を低減することに有効である。さらに、高分子電解質膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、置換速度及び取り扱いやすさの点から、通常5〜80℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られる高分子電解質膜の表面状態が悪化することがある。また、フィルムの浸漬時間は、初期の残存溶媒量、水の使用量及び処理温度にもよるが、通常10分〜240時間、好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減された膜が得られるが、このようにして得られる膜の残存溶媒量は、通常5質量%以下である。また、浸漬条件によっては、得られる膜の残存溶媒量を1質量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルム1質量部に対する水の使用量が50質量部以上であり、浸漬する際の水の温度が10〜60℃、浸漬時間が10分〜10時間である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、膜を得ることができる。
本発明の方法により得られる高分子電解質膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、上記スルホン酸エステル基あるいはスルホン酸のアルカリ金属塩を有するポリアリーレン系共重合体を上述したような方法でフィルム状に成形した後、加水分解や酸処理等の適切な後処理することにより本発明に係る高分子電解質膜を製造することもできる。具体的には、あるいはスルホン酸のアルカリ金属塩を有するポリアリーレン系共重合体を上述したような方法でフィルム状に成形した後、その膜を加水分解あるいは酸処理することによりスルホン酸基含有ポリアリーレン共重合体からなる高分子電解質膜を製造することができる。
また、高分子電解質膜を製造する際に、上記スルホン化ポリアリーレン以外に、硫酸、リン酸等の無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β−アルミナプロトン置換体、プロトン導入酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水等を併用しても良い。
<電極>
本発明に係る固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体の電極は、触媒金属粒子または触媒金属粒子を導電性担体に担持してなる電極触媒と、電極電解質とからなり、必要に応じて炭素繊維、分散剤、撥水剤等の他の成分を含んでいてもよい。
触媒金属粒子としては、触媒活性を有するものであれば特に限定されないが、白金ブラック等の貴金属微粒子そのものからなるメタルブラックを使用することができる。触媒金属粒子を担持させる導電性担体としては、導電性と適度な耐食性を備えていれば特に限定されないが、触媒金属粒子を高分散させるための十分な比表面積を有し、かつ十分な電子伝導性を有することから、カーボン(炭素)を主成分とするものを使用することが望ましい。電極を構成する触媒担体は、触媒金属粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出す、あるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たさなければならない。触媒担体の電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、結果として電池の性能を低下させることになる。このため、電極に含まれる触媒担体の電子導電率は十分に高くなければならない。つまり、電極触媒担体として十分な電子導電性を持っていれば利用可能で、好適には細孔の発達したカーボン材料が用いられる。細孔の発達したカーボン材料としては、カーボンブラックや活性炭等が好ましく使用できる。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる。また、電子導電性を有する金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物や高分子化合物を含むことも可能である。なお、ここで言う主成分とは、60%以上の炭素質を含有することを意味する。
また、導電性担体に担持させる触媒金属粒子としては、白金または白金合金が用いられるが、白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、コバルト、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛、及びスズからなる群より選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
白金または白金合金の担持率(担持触媒全質量に対する白金または白金合金の質量の割合)は、20〜80質量%、特に30〜55質量%が好ましい。この範囲であれば、高い出力を得られる。担持率が20質量%未満では、充分な出力を得られないおそれがあり、80質量%を超えると、白金または白金合金の粒子を分散性よく担体となるカーボン材料に担持できないおそれがある。
また、白金または白金合金の一次粒子径は、高活性なガス拡散電極を得るためには1〜20nmであることが好ましく、特に、反応活性の点で白金または白金合金の表面積を大きく確保できる2〜5nmであることが好ましい。
電極電解質としては、スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質(イオン伝導性バインダー)が好適に用いられる。通常、担持触媒は当該電解質により被覆されており、この電解質の繋がっている経路を通ってプロトン(H)が移動する。
スルホン酸基を有するイオン伝導性高分子電解質としては、特に、Nafion(登録商標)やFlemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボン重合体が好適に用いられる。なお、パーフルオロカーボン重合体だけでなく、ポリスチレンスルホン酸等のビニル系モノマーのスルホン化物、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性高分子に、スルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマーや、本明細書で記載されているスルホン化ポリアリーレン等の芳香族系炭化水素化合物を主とするイオン伝導性高分子電解質を用いてもよい。
また、上記イオン伝導性バインダーは、触媒粒子に対し、質量比で0.1〜3.0の割合で含有することが好ましく、特に0.3〜2.0の割合で含有することが好ましい。イオン伝導性バインダー比が0.1未満であると、プロトンを電解質膜に伝達することができず、充分な出力が得られないおそれがあり、また、3.0を超えると、イオン伝導性バインダーが触媒粒子を完全に被覆してしまい、ガスが白金に到達できず、充分な出力が得られないおそれがある。
必要に応じて添加することのできる炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、これらの中では気相成長炭素繊維が好ましい。炭素繊維を含んでいると、電極触媒層中の細孔容積が増加するため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。なお、炭素繊維は、アノード側、カソード側の電極触媒層のいずれか一方または双方に含まれていてもよい。
分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を挙げることができる。上記分散剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性またはカチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは分子量5000〜30000の界面活性剤である。電極触媒層を形成する際に使用される電極用ペースト組成物に上記分散剤を添加すると、保存安定性及び流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
本発明における膜−電極構造体は、アノードの触媒層、プロトン伝導膜、及びカソードの触媒層のみからなってもよいが、アノード、カソードともに触媒層の外側にカーボンペーパーやカーボンクロスのような導電性多孔質基材からなるガス拡散層が配置されるとさらに好ましい。ガス拡散層は集電体としても機能するので、本明細書ではガス拡散層を有する場合はガス拡散層と触媒層とを合わせて電極というものとする。
本発明の膜−電極構造体を備える固体高分子型燃料電池では、カソードには酸素を含むガス、アノードには水素を含むガスが供給される。具体的には、例えばガスの流路となる溝が形成されたセパレータを膜−電極構造体の両方の電極の外側に配置し、ガスの流路にガスを流すことにより膜−電極構造体に燃料となるガスを供給する。
本発明の膜−電極構造体を製造する方法としては、イオン交換膜の上に触媒層を直接形成し必要に応じガス拡散層で挟み込む方法、カーボンペーパー等のガス拡散層となる基材上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜と接合する方法、及び平板上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜に転写した後平板を剥離し、さらに必要に応じガス拡散層で挟み込む方法等の各種の方法が採用できる。
触媒層の形成方法としては、担持触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とを分散媒に分散させた分散液を用いて(必要に応じて撥水剤、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒等を加え)、イオン交換膜、ガス拡散層、または平板上に形成させる公知の方法が採用できる。
上記電極ペースト組成物の形成方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布等が挙げられる。
触媒層をイオン交換膜上に直接形成しない場合は、触媒層とイオン交換膜とは、ホットプレス法、接着法(特開平7−220741参照)等により接合することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、各種測定に用いられるスルホン化ポリマーフィルムは、スルホン化ポリマーをN−メチルピロリドン/メタノール溶液に溶解させた後、キャスティング法によって製造した。また、実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求め、%は特に断りのない限り質量%を意味する。
[質量平均分子量]
ポリマーの数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)は、溶媒にNMP緩衝溶液を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の質量平均分子量を求めた。NMP緩衝溶液は、NMP(3L)/リン酸(3.3mL)/臭化リチウム(7.83g)の比率で調整した。
[スルホン酸基の当量]
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで蒸留水で洗浄して、フリーの残存している酸を除去した後、乾燥させた。この後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン酸基の当量(イオン交換容量)(meq/g)を求めた。
[破断強度及び弾性率の測定]
破断強度及び弾性率の測定は、JIS K7113に準じて行った(引っ張り速度:50mm/min)。ただし、弾性率は、標線間距離をチャック間距離とし算出した。JIS K7113に従い、温度23±2℃、相対湿度50±5%の条件下で48時間、試料の状態調整を行った。ただし、試料の打ち抜きは、JIS K6251に記載の7号ダンベルを用いた。引っ張り試験測定装置は、INSTRON製5543を用いた。
[プロトン伝導度の測定]
交流抵抗は、5mm幅の短冊状の試料膜の表面に、白金線(f=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。即ち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗Rを下記数式(1)に従って算出し、比抵抗の逆数からプロトン伝導度を算出した。
Figure 0004976919
・・・数式(1)
[耐熱試験]
2cm×3cmにカットしたフィルムを、ベンコットに挟み、カラス製の試料管に入れ、コンパクト精密恒温槽(AWC−2)で、空気条件下で160℃×24時間加熱した。加熱したフィルムを、NMP緩衝溶媒に0.2wt%の濃度で溶解させ、GPC(NMP緩衝溶媒)(東ソー(株)製HCL−8220)で分子量及びエリア面積(A24)を求めた。加熱前のフィルムも同条件で測定を行い、分子量及びエリア面積(A0)を求め、分子量の変化、及び下記数式(2)に従って不溶分率を求めた。なお、NMP緩衝溶液は、NMP(3L)/リン酸(3.3mL)/臭化リチウム(7.83g)の比率で調整した。
Figure 0004976919
・・・数式(2)
[発電特性の評価]
本発明の膜−電極構造体を用いて、温度70℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を50%/73%、電流密度を1A/cmとした発電条件により、発電性能を評価した。燃料極側には純水素を、酸素極側には空気をそれぞれ供給した。さらに、発電耐久性の評価として、該膜−電極構造体を用い、温度120℃、燃料極側/酸素極側の相対湿度を50%/50%、0CVの条件下で発電耐久テストを実施し、クロスリークに至るまでの時間を計測した。クロスリークまでの時間が500時間以上だったものを良として「○」で表示し、500時間未満だったものを不良として「×」で表示した。
<実施例1>
[スルホン酸ユニットの合成]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの3口フラスコにフルオロベンゼン2306.4g(24mol)を取り、氷浴で10℃まで冷却し、2,5−ジクロロ安息香酸クロライド1005.4g(4.8mol)、塩化アルミニウム832.1g(6.3mol)を反応温度が40℃を超えないように徐々に添加した。添加後、40℃で8時間撹拌した。反応終了後、氷水に滴下し、酢酸エチルから抽出を行った。1%炭酸水素ナトリウム水溶液により中和した後、飽和食塩水で洗浄し、濃縮を行った。メタノールから再結晶を行うことにより、下記(30−1)を得た。収量は、1033gであった。
撹拌機、温度計、冷却管、Dean−Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた7Lの3口フラスコに下記式(30−1)1323.6.4g(4.9mol)、2−ヒドロキシピリジン467.9g(4.9mol)、炭酸カリウム748.0g(5.4mol)、を取り、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)5L、トルエン1Lをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean−Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。その後、大部分のトルエンを除去し、130℃で10時間反応を続けた。得られた反応液を放冷後、濾液を20Lの水/メタノール(9/1)中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥した。撹拌機、温度計、冷却管、Dean−Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた7Lの3口フラスコに乾燥物を取り、トルエン5L中で100℃で撹拌し、残留した水分を留去し溶解させた。放冷後、結晶化物を濾過することにより目的物(30−2)を得た。収量は、1300gであった。
撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入の三方コックを取り付けた5Lの3口フラスコに下記式(30−2)585.1g(1.7mol)を濃硫酸387gに溶解させ、20℃で氷冷した。発煙硫酸(60%)1062.5gを徐々に加え、90℃で8時間撹拌した。反応終了後、氷中に溶解させた後、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。濃縮により水を除去し、ジメチルスルホキシドに溶解した。不溶物をろ過で取り除き、可溶部分を濃縮した。少量のジメチルスルホキシドに溶解し、アセトン中に凝固し、固化物を濾過することにより目的物(30−3)を得た。収量は、745gであった。
撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入の三方コックを取り付けた5Lの3口フラスコに下記(30−3)1054g(1.9mol)をスルホラン1Lに溶解させた後、塩化ホスホリル920gを徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で8時間撹拌した後、反応溶液を氷中に滴下、酢酸エチルにより抽出した。炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を濃縮後、ヘキサンに凝固することにより目的の化合物(30−4)を得た。収量は、373gであった。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lの3口フラスコに下記(30−4)324.7g(0.6mol)、ネオペンチルアルコール105.8g(1.2mol)をピリジン378gに溶解させ、5〜10℃で8時間反応させた。反応終了後、1%塩酸・氷水に滴下した後、酢酸エチルから抽出を行った。1%炭酸水素ナトリウム水溶液により中和した後、飽和食塩水で洗浄し、濃縮を行った。酢酸エチル/メタノールから再結晶を行うことにより、下記(30−5)を得た。収量は、193gであった。
Figure 0004976919
[疎水性ユニットの合成]
撹拌機、温度計、冷却管、Dean−Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン67.3g(0.20mol)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(4,4’−DCBP)60.3g(0.24mol)、炭酸カリウム71.9g(0.52mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean−Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4’−DCBP10.0g(0.040mol)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた化合物のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算のMnは、11,200であった。得られた化合物は、下記(30−6)のオリゴマーであった。
Figure 0004976919
・・・(30−6)
[スルホン化ポリアリーレンの合成]
乾燥したDMAc239mLを、上記一般式(30−5)で表される化合物62.27g(96.6mmol)と上記(30−6)の疎水性ユニット38.08g(3.4mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.27g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40mmol)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)の混合物中に窒素下で加えた。
反応系を撹拌下に加熱し(最終的には79℃まで加温)、3時間反応させた。反応途中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液をDMAc 658mLで希釈し、30分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
濾液に臭化リチウム50.34g(579.6mmol)を加え、内温110℃で7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、水3.5Lに注ぎ、凝固した。凝固物をアセトンに浸漬し、濾過し洗浄した。洗浄物を1N硫酸1.7Kgで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液のpHが5以上となるまで、イオン交換水で洗浄した。得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは53,000、Mwは105,000であった。イオン交換容量は2.28meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(30−7)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(30−7)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極構造体の作製]
平均径50nmのカーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を、カーボンブラック:白金=1:1の質量比で担持させ、触媒粒子を作製した。次に、イオン伝導性バインダーとしてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(Dupont社製Nafion(商品名))溶液に、前期触媒粒子を、イオン伝導性バインダー:触媒粒子=8:5の質量比で均一に分散させ、触媒ペーストを調製した。
本実施例で得られたスルホン化ポリアリーレンを含むプロトン伝導膜の両面に、前記触媒ペーストを、白金含有量が0.5mg/cmとなるようにバーコーター塗布し、乾燥させることにより電極塗布膜(Catalyst Coated Membrane)を得た。前記乾燥は、100℃で15分間の乾燥を行なった後、140℃で10分間の二次乾燥を行なった。
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の質量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなるガス拡散層を2つ作製した。
前記CCMを前記ガス拡散層の下地層側で狭持し、ホットプレスを行なって膜−電極構造体を得た。前記ホットプレスは、160℃、3MPaで5分間の条件で実施した。また、本実施例で得られた膜−電極構造体は、ガス拡散層の上にさらにガス通路を兼ねるセパレーターを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成することができる。
<実施例2>
[疎水性ユニットの合成]
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル154.8g(0.9mol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン269.0g(0.8mol)、炭酸カリウム143.7g(1.04mol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン1020mL、トルエン510mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル51.6g(0.3mol)を加え、さらに5時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン250mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール8Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン500mLに溶解し、これをメタノール5Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過、乾燥し、目的物258gを得た。GPCで測定したMnは7,500であった。
得られた化合物は式(30−8)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0004976919
・・・(30−8)
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(30−5)を61.24g(95.0mmol)、上記(30−8)を37.50g(5.0mmol)、臭化リチウム49.50g(570mmol)を用いた以外は実施例1と同様に合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは41,000、Mwは84,000であった。イオン交換容量は2.30meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(30−9)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(30−9)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例3>
[疎水性ユニットの合成]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた1Lセパラブル3口フラスコに、4、4’−ジフルオロベンゾフェノン 52.4g(240mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 14.1g(60.0mmol)、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール 70.2g(203mmol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン 23.7g(67.5mmol)、炭酸カリウム48.5g(351mmol)をはかりとった。DMAc 430mL、トルエン 220mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、160℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−、4’−フルオロベンゾフェノン 7.0g(20.0mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール2.0Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン200mLに再溶解した。この溶液をメタノール2.0Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、110g(収率80%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算のMnは、6,000であった。得られた化合物は下記式(30−10)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0004976919
・・・(30−10)
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(30−5)を60.46g(93.8mmol)、上記(30−10)を37.20g(6.2mmol)、臭化リチウム48.88g(563mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは39,000、Mwは88,000であった。イオン交換容量は2.29meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(30−11)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(30−11)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例4>
[疎水性ユニットの合成]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean−Stark管、冷却管を取り付けた3Lセパラブル3口フラスコに4、4’−ジフルオロベンゾフェノン 207.81g(952mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 42.46g(181mmol)、レゾルシノール 103.8g(943mmol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン 36.7g(105mmol)、炭酸カリウム173.8g(1.3mol)をはかりとった。DMAc 1250mL、トルエン 500mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean−Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、160℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 12.3g(52.0mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、セライトをろ過助剤に用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール5.0Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン810mLに再溶解した。この溶液をメタノール3.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、261g(収率75%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算のMnは4,000であった。得られた化合物は下記式(30−12)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0004976919
・・・(30−12)
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(30−5)を58.59g(90.9mmol)、上記(30−12)を36.40g(9.1mmol)、臭化リチウム47.37g(545mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは29,000、Mwは63,000であった。イオン交換容量は2.27meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(30−13)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(30−13)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例5>
[スルホン酸ユニットの合成]
実施例1の2−ヒドロキシピリジンをイミダゾールへ変更した以外は、同様の操作を行いモノマーを得た。得られた化合物は下記式(40−1)で表されるモノマーであることを確認した。
Figure 0004976919
・・・(40−1)
[スルホン化ポリマーの合成]
ポリマーの合成は、上記(40−1)を59.53g(96.4mmol)、上記(30−6)を40.32g(3.6mmol)、臭化リチウム50.23g(578mmol)を用い、実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは32,000、Mwは54,000であった。イオン交換容量は2.26meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(40−2)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(40−2)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例6>
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(40−1)を58.48g(94.7mmol)、上記(30−8)を39.75g(5.3mmol)、臭化リチウム49.35g(568mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは40,000、Mwは73,000であった。イオン交換容量は2.27meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(40−3)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(40−3)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例7>
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(40−3)を57.68g(93.4mmol)、上記(30−10)を39.62g(6.6mmol)、臭化リチウム48.67g(560mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは45,000、Mwは93,000であった。イオン交換容量は2.27meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(40−4)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(40−4)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例8>
[スルホン化ポリマーの合成]
上記(40−1)を55.83g(90.4mmol)、上記(30−12)を38.40g(9.6mmol)、臭化リチウム47.11g(542mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは32,000、Mwは60,000であった。イオン交換容量は2.27meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(40−5)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(40−5)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例9>
[スルホン酸ユニットの合成]
ジクロロベンゼンとニコチン酸クロライドをニトロベンゼン中、塩化アルミニウム存在下で反応させることにより、下記一般式(50−1)で表される化合物を得た。発煙硫酸によるスルホン化、塩化ホスホリルによるクロロスルホン化、ネオペンチルアルコールによるエステル化反応は、実施例1と同様の方法で行い、下記一般式(50−2)で表される化合物を得た。
Figure 0004976919
・・・(50−1)
Figure 0004976919
・・・(50−2)
[スルホン化ポリマーの合成]
ポリマー合成は、上記(50−2)を39.69g(98.7mmol)、上記(30−6)を15.12g(1.4mmol)、臭化リチウム25.70g(296mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは34,000、Mwは67,000であった。イオン交換容量は2.26meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(50−3)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(50−3)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例10>
[スルホン化ポリマーの合成]
ポリマー合成は、上記(50−2)を39.42g(98.0mmol)、上記(30−8)を15.0g(2.0mmol)、臭化リチウム25.53g(294mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは33,000、Mwは70,000であった。イオン交換容量は2.25meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(50−4)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(50−4)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例11>
[スルホン化ポリマーの合成]
ポリマー合成は、上記(50−2)を39.22g(97.5mmol)、上記(30−10)を15.00g(2.5mmol)、臭化リチウム25.40g(293mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは42,000、Mwは81,000であった。イオン交換容量は2.29meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(50−5)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(50−5)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<実施例12>
[スルホン化ポリマーの合成]
ポリマー合成は、上記(50−2)を38.74g(96.3mmol)、上記(30−12)を14.80g(3.7mmol)、臭化リチウム25.09g(289mmol)を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは32,000、Mwは66,000であった。イオン交換容量は2.26meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(50−6)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(50−6)
[プロトン伝導膜の作製]
本実施例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本実施例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
<比較例1>
乾燥したDMAc304mLを下記一般式(60−1)で表される化合物 62.1g(96.5mmol)と上記(30−6)を39.20g(3.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.27g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40mmol)、ヨウ化ナトリウム0.45g(3.0mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)の条件で反応させた以外は、実施例1と同様の方法で合成を行った。
Figure 0004976919
・・・(60−1)
得られたポリマーの分子量をGPCで測定した結果、Mnは57,000、Mwは165,000であった。イオン交換容量は2.26meq/gであった。得られたポリマーは、下記一般式(60−2)で表されるポリマーであった。
Figure 0004976919
・・・(60−2)
[プロトン伝導膜の作製]
本比較例で得られたポリマーを濃度14〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
[膜−電極接合体の作製]
本比較例で得られたプロトン伝導膜を用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を得た。
[評価]
実施例1〜12、比較例1でそれぞれ得られたスルホン化ポリマーの特性、及びそれを用いて作製された膜−電極構造体の評価結果を表1に示す。
Figure 0004976919
表1に示される通り、本実施例によれば、側鎖にスルホン酸基を含む含窒素複素環を有する単量体から得られるスルホン化ポリアリーレンをプロトン伝導膜として用いることにより、発電性能と高温での発電耐久性に優れた膜−電極構造体が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. プロトン伝導膜の一方の面にアノード電極、他方の面にカソード電極を設けた固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体において、
    前記プロトン伝導膜は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有し
    Figure 0004976919
    [式(2)中、Yは、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、及び−C(CF−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Wは、直接結合、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Zは、直接結合、又は、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、−S−、−CO−、及び−SO−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。R20は、−SOH、−O(CHSOH、又は−O(CFSOH(hは、1〜12の整数)で表される置換基を少なくとも1個有する含窒素複素環を示す。pは0〜10の整数を示し、qは0〜10の整数を示し、rは1〜5の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。]
    前記含窒素複素環が、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、インドリジン、イソインドール、3H−インドール、2H−ピロール、1H−インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、シンノリン、プテリジン、カルボリン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、キヌクリジンからなる含窒素複素環、及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される基であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  2. さらに、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
    Figure 0004976919
    [式(3)中、A及びCは、それぞれ独立に、直接結合、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは、1〜10の整数である)、−C(CF−、−(CH−(lは、1〜10の整数である)、−C(CR’−(R’は、炭化水素基、又は環状炭化水素基を示す)、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。Bは、独立に、酸素原子、又は硫黄原子を示す。R〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部又は全部がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、及びニトリル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は基を示す。s及びtは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、uは、0以上の整数を示す。]
  3. 前記Yが、−CO−、又は−SO−を示し、前記W及びZが、それぞれ独立に、直接結合、−CO−、−SO−、−O−、及び−S−よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、前記p及びqが0〜2の整数であり、前記rが1〜2の整数であることを特徴とする請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  4. 前記R20が、−SOH、−O(CHSOH、又は−O(CFSOH(hは、1〜12の整数)で表される置換基を少なくとも1個有するピリジン、イミダゾール、トリアゾール、及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される基であることを特徴とする請求項1からいずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
  5. 前記プロトン伝導膜のイオン交換容量が、0.5meq/g〜3meq/gであることを特徴とする請求項1からいずれか記載の固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体。
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