JP2009242584A - ポリアリーレンおよびそれを用いたプロトン伝導膜 - Google Patents

ポリアリーレンおよびそれを用いたプロトン伝導膜 Download PDF

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晋太郎 藤冨
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芳孝 山川
Kohei Goto
幸平 後藤
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Abstract

【課題】安価で、触媒金属の回収が容易であり、プロトン伝導性、寸法安定性、熱水耐性、機械的特性、および加工性に優れたポリアリーレンおよびそれを含むプロトン伝導膜を提供する。
【解決手段】フェニレンエーテル基を含む構成単位と、フッ素を含有するフェニレンエーテル基を含む構成単位(B)と、スルホン酸基を含む芳香族基を含む構成単位とを有する共重合体を含むポリアリーレン、およびそれを含むプロトン伝導膜。
Figure 2009242584

【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構成単位を有するポリアリーレン、およびそれを含む固体高分子型燃料電池用プロトン伝導膜に関する。
固体高分子型燃料電池に用いられるプロトン伝導膜を構成する固体高分子電解質としては、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーなどのいわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、あるいはポリベンズイミダゾールまたはポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマーなどの有機系ポリマーなどが挙げられる。
燃料電池を作製する際、通常、両電極間に前記パーフルオロアルキルスルホン酸系ポリマーからなる電解質膜を挟み、ホットプレス等の熱処理加工により、電極―膜接合体を得ている。このパーフルオロアルキルスルホン系酸ポリマーのようなフッ素系膜は、熱変形温度が80℃程度と比較的低く、容易に接合加工が可能である。しかし、燃料電池発電時には、その反応熱により80℃以上の温度となる場合があるため、電解質膜が軟化してクリープ現象が生じることにより、両極が短絡して発電不能となる問題が起こる。
このような問題を回避するために、現状では、電解質膜の膜厚をある程度厚くしたり、発電時の温度が80℃以下になるように燃料電池を設計しているが、発電の最高出力が低下してしまう。
パーフルオロアルキルスルホン酸系ポリマーの熱変形温度が低いことによって、該ポリマーからなる電解質の高温での機械特性が乏しくなることを解決するために、近年エンジニアプラスチック等に用いられる芳香族系ポリマーを用いた固体高分子電解質膜が開発されている。
例えば、特許文献1には、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が開示されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマーを主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。このポリマーからなる電解質膜は、熱変形温度が180℃以上であり、高温でのクリープ耐性に優れる。
また、これらに替わる材料として、芳香族ポリアリーレンエーテルケトン類や芳香族ポリアリーレンエーテルスルホン類などの炭化水素系ポリマーに、スルホン酸基などを導入したポリアリーレン系高分子電解質が研究されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1〜3)。
しかし、従来の電解質膜は、高温環境下における耐久性(耐熱水性)において、なお改善が求められていた。特に自動車の車載用燃料電池などのように、高い温度、湿度に晒される用途になると、電解質の架橋や分解による発電特性の低下という問題点もあった。
また、ポリアリーレン系の電極電解質は、その化学構造に由来する高い耐熱性、溶媒耐性のため、膜-電極接合体(MEA)作製時におけるプロトン伝導膜およびガス拡散層と電極層との熱圧着接合が難しく、また、ポリマーの溶解性は低いために発電特性改良に際し電極
層の構造制御するための溶媒の選択範囲が狭いといった問題があった。
米国特許第5,403,675号公報 Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730 (1993) Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492 (1993) Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736 (1994)
すなわち、本発明の課題は、前述のような、価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、プロトン伝導性や寸法安定性、熱水耐性、機械的特性に優れ、かつ、MEA作製時の加工適正性を付与した固体高分子型燃料電池用電極電解質、特に車載
用固体高分子型燃料電池用に好適に用いられる電極電解質を提供し、さらに該電解質を含む、電極ワニス、電極ペースト、電極、膜-電極接合体を提供するものである。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、特定のポリアリーレン系重合体を使用することで、高いスルホン酸濃度の重合体が合成できる。これにより、プロトン伝導度の高い材料設計が可能となり、熱水耐性や機械的特性に優れた材料設計が可能となる。また、重合体の熱変形温度、溶解性に着目した特定の構造を重合体に導入することにより、上記問題を解決することを見出した。本発明の構成は以下の通りである。
[1]下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)からなる群から選択される
少なくとも1種の構成単位(A)と、下記一般式(B−1)または(B−2)で表されるフッ素
を含有する構成単位(B)と、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)とを有する共重合体を含むことを特徴とするポリアリーレン。
Figure 2009242584
(式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であり、
水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは単結合、−CO−、−SO2−、―SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Jは単結合、−O−
、−S−、−CH2−、CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数
である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1
種の基を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
Figure 2009242584
(式(B−1)および(B−2)中、R20〜R35は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少な
くとも1種の原子または基を示し、Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−
、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、ま
たは−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。これらの置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上のフッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。)
Figure 2009242584
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
−(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[2]前記共重合体中の構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、構成単位(B)の割合bが10〜90モル% (ここで、a+b<100モル%) である[1]のポリアリーレン

[3]上記ポリアリーレンのイオン性基が、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)で
ある[1]または[2]のポリアリーレン。
Figure 2009242584
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
−(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のポリアリーレンを含むプロトン伝導膜。
本発明によれば、安価で、触媒金属の回収が容易であり、プロトン伝導性、寸法安定性、熱水耐性、機械的特性、および加工性に優れたポリアリーレン、およびそれを用いたプロトン伝導膜が提供され、固体高分子型燃料電池の発電性能向上に寄与する。
以下、本発明に係るポリアリーレン、プロトン伝導膜について詳細に説明する。
〔ポリアリーレン〕
本発明のポリアリーレンは、(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)と、さらに下記一般式(B−1)または(B−2)で表されるフッ素を含有する構成単位(B)との共重合体を含む。なお、本発明のプロト
ン伝導膜は、このようなポリアリーレン単独であっても、従来より電極電解質として公知のものを含んでいても良い。
また、上記ポリアリーレンとしては、スルホン酸基を含む構成単位を有するポリアリーレン(以下「スルホン化ポリアリーレン」ともいう)が好ましく、下記一般式(C−1)で表わされる構成単位(C)を有するポリアリーレンがより好ましい。
<構成単位(A)>
Figure 2009242584
上記式(A−1),(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であ
り、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。これらのうちで、R1〜R19としては、優れた熱水耐性、強度、靭性などの機械的特性と
が両立できるため、水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。
Wは単結合、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子また
は基を表し、これらのうちで、Wとしては、得られる重合体の加工性の観点から−CO−が好ましい。
Jは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここ
で、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の基を表す。これらのうちで、Jとしては、得られる重合体の加工性の観点から−O−、−S−、−C(CH3)2−、および−C(CF3)2−が好ましい。
なお、各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
構成単位(A)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2009242584
また、下記化合物のように構成単位(A)を含む化合部でフッ素を含むものについては、溶解性を向上させることができる場合がある。
Figure 2009242584
また、上記構成単位の>C=Oが−SO2−に代わった構成単位も使用できる。このう
ち、芳香環の電子密度が下げられるように電子吸引性基と結合しているもの特に好ましく、主鎖骨格を形成する芳香環が両側エーテル結合を介しているものは熱水耐性、耐久性の観点から好ましくない。
<構成単位(B)>
Figure 2009242584
上記式(B−1)または(B−2)中、R20〜R35は、互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表す。R20〜R35の少なくとも1つ以上は、フッ素原子を含有する。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。これらのうちで、R20〜R35としては、優れた熱水耐性と、強度、靭性などの機械的特性とが両立できるため、水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。
Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表し
、これらのうちで、Tとしては、得られる重合体の加工性の観点から−CO−が好ましい。
Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここ
で、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の基を表し、これらのうちで、Qとしては、得られる重合体の加工性の観点から得られる重合体の加工性の観点から−O−、−S−、−C(CH3)2−、および−C(CF3)2−が好ましい。
なお、各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
構成単位(B)中の置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上のフッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。
構成単位(B)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2009242584
また、上記構成単位の>C=Oが、−SO2−に代わった構成単位も使用できる。
また、上記構成単位(A)および(B)のベンゾフェノンの部分が、下記構造に代わった構成単位も使用できる。
Figure 2009242584
上記スルホン化ポリアリーレンでは、上記構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であ
り、さらに好ましくは10〜70モル%である。上記構成単位(B)の割合bは10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%である(ここで、a+b<100モル%)。
上記構成単位(A)はスルホン化ポリアリーレンの熱変形温度を低減する役割があり、導入量により熱変形温度を制御できる。熱変形温度を適正な領域に保つことで、靭性、機械的強度の確保、ホットプレスでの膜―電極接合体(MEA)作製時の加工性(プロトン伝導
膜・ガス拡散層と電極層の接合性)の付与により、高温でのホットプレスの必要がなく伝
導度の低下を防止できる。
上記構成単位(A)の割合aが5モル%未満であると熱変形温度が十分に低減できず、85モル%を超えると熱水耐性が悪化する傾向がある。
上記構成単位(B)はスルホン化ポリアリーレンの溶解性を改善する役割があり、フッ素を含む成分の導入量を適正な領域に保つことで、種々の有機溶媒への溶解性を改良できる。
上記構成単位(B)の割合aが10モル%未満であると溶解性が十分に改良できず、90モル%を超えると熱変形温度が高くなり、接合性が悪化する傾向がある。
上記構成単位(A)および(B)に加えて、その他の構成成分もあわせて使用することができる。例えば、フルオレン骨格を有するビスフェノール類を併用すると熱水耐性の高いスルホン化ポリアリーレンが得られる。
<スルホン酸基を含む構成単位(C)>
上記スルホン酸基を含む構成単位としては、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報、特開2001−342241号公報および特開2002−293889号公報に記載されているスルホン酸基を有する構成単位が好ましい。これらのうちで、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)は、得られるポリアリーレンにおいて、優れたプロトン伝導性と熱水耐性が両立できるためより好ましい。したがって、構成単位(A)と(B)、さらに(C)を含むスルホン化ポリアリーレンは、固体高分子型燃料電池に好適に用いられる。
Figure 2009242584
上記式(C−1)中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−
、−(CF2)f−(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表す。このうちYとしては、−CO−、−SO2−が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−
O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を表す。このうちZとしては、直接結合、−O−が好ましい。
Arはスルホン酸基を有する芳香族基を表す。上記芳香族基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらのうちで、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記芳香族基は、少なくとも1個のスルホン酸基(−SO3H)置換を有しており、該芳
香族基がナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
i、j、kの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、(1)j=0、k=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニ
ル基である構造、(2)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、(3)j=1、k=1、i
=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを
有するフェニル基である構造、(4)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造などを
挙げることができる。
(スルホン化ポリアリーレンの製造方法)
上記スルホン化ポリアリーレンの製造には、例えば下記に示す方法(特開2004−1
37444号公報参照)が用いられる。この方法では、まず、後述する化合物(D)とスル
ホン酸エステル基を含む単量体とを重合し、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン(本明細書において、このポリアリーレンを「前駆体ポリマー(E)」ともいう。)を製造して、次いで、前駆体ポリマー(E)中のスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換する。これにより、構成単位(A)、(B)とともに、スルホン酸基を含む構成単位(C)を有するスルホン化ポリアリーレンが得られる。
<化合物(1)>
化合物(D)は、両末端がそれぞれ下記一般式(D−1)で表わされるとともに、上記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)または(A−4)で表わされる構成単位(A)、上記一般式(B−1)または(B−2)で表わされる構成単位(B)を含む。この化合物(D)から導かれる構成単位を含むスルホン化ポリアリーレンでは、屈曲性のメタ結合を含む構成単位(A)によって靭性、機械的強度、接合性などが向上するとともに、フッ素を含む構成単位(B)によって重合体の溶解性、加工性などが向上する。
X− (D−1)
Xは、それぞれ独立にフッ素を除くハロゲン原子、すなわち、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。これらのうちで、Xとしては塩素原子が好ましい。
化合物(D−1)では、上記構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、さらに好ましくは10〜70モル%である。上記構成単位(B)の割合bは10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%である(ここで、a+b≦100モル%)。
また、化合物(D)の分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜50000、好ましくは1000〜30000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜100000、好ましくは2000〜60000である。
化合物(D)は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、構成単位(A)と構成単位(B)が同一の化合物(D)に含まれていても、それぞれの構成単位を含む複数の化合物(D)を用いても良い。例えば、化合物(D)は、構成単位(A)となるメタ置換ジヒドロキシベンゼン類および構成単位(B)となるフッ素含有ジヒドロキシベンゼン類(本明細
書において、これらをまとめて「ビスフェノール類」ともいう)を、4,4’−ジハロベ
ンゾフェノンおよび/または4,4’-ジハロジフェニルスルホン(本明細書において、これらをまとめて「ジハロゲン化物」ともいう)、もしくはパーフルオロフルオロベンゼン
および/またはパーフルオロベンゾフェノンなどとともに重合して合成される。また、ビスフェノール類とジハロゲン化物の構造を入れ替えて合成できることもある。
メタ置換ジヒドロキシベンゼン類としては、以下の化合物が挙げられる。これらの化合
物から誘導される化合物(D)から得られるスルホン化ポリアリーレンにおいて、優れた靭性、機械的強度、加工性が得られる。上記ジヒドロキシベンゼン類は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
レゾルシノール、3,3'−ビフェノール、3,4'−ビフェノール、3,3'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−(1,3−フェニ
レンジイソプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェ
ノール、4,4’−(1,3−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,3−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,4−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、などが挙げられる。
フッ素含有ジヒドロキシベンゼン類としては、以下の化合物が挙げられる。これらの化合物から誘導される化合物(D)から得られるスルホン化ポリアリーレンにおいて、優れた溶解性、加工性が得られる。上記ジヒドロキシベンゼン類は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’, 5,5’−テトラフルオロ
−4,4’−ビフェノール、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェノ
ール、3,3’,5,5’−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ
−3−トリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)
メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)スルホン、などが挙げられる。
上記構成単位(A)および(B)を構成する化合物に加えて、その他の構成単位を構成する化合物をあわせて使用することができる。例えば、フルオレン骨格を有するビスフェノール類を併用すると熱水耐性の高いスルホン化ポリアリーレンが得られる。
フルオレン類で連結されたビスフェノールとしては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)フルオレン
、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(
4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−フェニルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。上記ビスフェノールは、単
独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
フッ素、塩素などのハロゲン原子で置換された4,4’−ジハロベンゾフェノンとしては、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンなどが挙げられ、フッ素、塩素などのハロゲン原子で置換された4,4’―ジハロジフェニルスルホンとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなどが挙げられる。これらのうちで、4,4’−ジハロベンゾフェノンを用いることが好ましい。上記ジハロゲン化物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
その他のハロゲン化物としては、パーフルオロフルオロベンゼンおよび/またはパーフルオロベンゾフェノンも使用できる。
化合物(D)の合成において、まず、上記ビスフェノール類をアルカリ金属塩とする。ここで、メタ置換ジヒドロキシベンゼン類を5〜85モル%であり、さらに好ましくは10〜70モル%である。フッ素含有ジヒドロキシベンゼン類を10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%である(ここで、a+b≦100モル%、上記ジヒドロキシベンゼン
類の量およびその他のビスフェノールの量の合計は100モル%である)。N−メチル−
2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、上記ビスフェノール類に対して、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
上記アルカリ金属は、上記ビスフェノール類の水酸基に対して過剰気味で反応させるため、上記ジヒドロキシベンゼン類および上記フルオレン類で連結されたビスフェノールに含まれる水酸基の総量に対して通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなど、水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、アルカリ金属塩となった上記ビスフェノール類と上記ジハロゲン化物とを反応させる。反応に用いられる上記ジハロゲン化物の量(上記4,4’−ジハロベンゾフェノ
ンおよび/または4,4’-ジハロジフェニルスルホンの総量)は、上記ビスフェノール類の量(上記ジヒドロキシベンゼン類および上記フルオレン類で連結されたビスフェノール
の総量)に対し1.0001〜3倍モル、好ましくは1.001〜2倍モルである。
また、化合物(D)の両末端が塩素原子となるように、反応終了後に再度、例えば4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンを過剰に加えて反応させてもよい。例えば、上記ジハロゲン化物を、上記ビスフェノール類に対し0.01〜3倍モル、好ましくは0.05〜2倍モル加えて反応させてもよい。4,4’−ジフルオロベンゾフェノンおよび/または4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを用いた場合には、反応後半で4,4’−ジクロロベンゾフェノンおよび/または4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンを添加するなどの方法で、化合物(D)がジクロロ体になるよう反応を工夫することが好ましい。
これらの反応は、反応温度が60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲で行われる。
得られた化合物(D)は、ポリマーの一般的な精製方法、例えば、溶解−沈殿の操作によって精製してもよい。なお、化合物(D)の分子量の調整は、上記ジハロゲン化物と上記フェノール類との反応モル比によって行うことができる。
化合物(D)の構造は、1H−NMRにより確認できる。構成単位の比は、使用する各モ
ノマーの化学シフトにより構造の同定を行い、上記シグナルの強度比によって求められる
また、末端の構造は、蛍光X線分析により、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン含量を定量して確認できる。
<スルホン酸エステル基を含む単量体>
上記スルホン酸エステル基を有する単量体としては、具体的には、特開2004−137444号公報、特願2003−143903および特願2003−143904に記載されているスルホン酸エステル類が挙げられる。
これらのうちで、下記一般式(C−2)で表される単量体が好適に用いられる。
Figure 2009242584
上記式(C−2)中、Y、Z、i、j、kは、上記式(C−1)におけるものと同様であり、好ましい範囲も同じである。Xは、フッ素を除くハロゲン原子、すなわち、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
Rは、炭素原子数4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちで、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、ネオペンチル基がより好ましい。
Ar’は、スルホン酸エステル基(−SO3Rで表される置換基を意味する。ここで、Rは上記と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同じである。)を有する芳香族基を表す
。上記芳香族基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらのうちで、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記芳香族基は、少なくとも1個の−SO3Rを有しており、該芳香族基がナフチル基
である場合には、2個以上の−SO3Rを有していることが好ましい。
<前駆体ポリマー(E)の製造>
前駆体ポリマー(E)を得るための重合は触媒の存在下に行われる。この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒であり、この触媒は、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(本明細書において、「配位子成分」ともいう)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合としては、特開2001−342241号公報に記載のものが挙げられる。
また、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件についても、特開2001−342241号公報に記載の条件が好適に用いられる。
<脱エステル化>
次いで、前駆体ポリマー(E)を特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化すれば、上記スルホン化ポリアリーレンが得られる。
(スルホン化ポリアリーレン)
上記のような方法により製造される、スルホン化ポリアリーレンのイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低くなる傾向にあり、5meq/gを超えると、熱水耐性が大幅に低下する傾向にある。
上記のイオン交換容量は、例えば、単量体(具体的には、化合物(D)、および上記式(C−1)で表される単量体などの他の単量体)の種類、使用割合、組み合わせを変えることで調整できる。また、イオン交換容量の測定方法は後述のとおりである。
上記スルホン化ポリアリーレンの分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用いて40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(M
n)が0.5万〜50万、好ましくは1万〜40万であり、重量平均分子量(Mw)が1万
〜100万、好ましくは2万〜80万である。
(添加剤)
本発明の電極電解質は、上記スルホン化ポリマー以外に、酸化防止剤、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β-アルミナプロトン置
換体、プロトン導入酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを添加されていてもよい。
上記酸化防止剤としては、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましい。このような酸化防止剤を含有することにより、電解質としての耐久性をより向上させることができる。
上記ヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(
3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明の電解質に添加される添加剤の量は、特に限定されず、電極電解質に要求される酸化耐性、プロトン伝導性、強度および弾性率などに応じて、最適な量を用いればよい。
たとえば、上記スルホン化ポリアリーレン100重量部に対して、添加剤の全重量が0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部の範囲で添加することが望ましい。また、添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
<溶媒>
本発明の電極ワニス、電極ペーストに用いられる溶媒としては、上記電極電解質を溶解または分散する溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類;γー
ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
上記溶媒のうち、特に水の混合溶媒系でプロトン伝導膜の貧溶媒であるものが望ましい。上記電極電解質と溶媒系の組み合わせではプロトン伝導膜への電極ペーストが塗工可能なためMEAの大量生産に好適である。水と併用する好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γーブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好適に使用
できる。混合溶媒は、1種の溶媒と水、もしくは複数の溶媒と水を混合しても良い。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、得られた電極電解質ポリマーの特性評価は、得られたスルホン化ポリアリーレンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、15重量%NMP溶液を調製した後、ガラス板上にキャストして作製した。膜厚は40μmであった。
(分子量)
上記化合物(D)の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
上記スルホン化ポリアリーレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用いて40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(構造解析)
上記化合物(D)および上記スルホン化ポリアリーレンの構造確認は1H−NMRにより
行い、構成単位の割合はその積分比から算出した。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に洗浄し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
(膜抵抗の測定)
上記電解質膜を濃度1mol/Lの硫酸を介して上下から導電性カーボン板ではさみ、室温でカーボン板間の交流抵抗を測定した。膜抵抗は下記の式で求めた。また、プロトン伝導度は下記式で得られた膜抵抗を膜厚換算した値の逆数をとることにより算出した。
膜抵抗(Ω・cm2)=[膜をはさんだカーボン間の抵抗値(Ω)−ブランク値(Ω)]×接触面
積(cm2)
(電極接合性)
触媒付電解質膜と市販のカーボンペーパーを160℃で5分間75kg/cm2でプレ
スした。これを60℃の水に24時間浸漬し、電極の接着状態を目視で観察した。剥離のないものを○、剥離したものを×とした。
〔合成例1〕化合物(D−1)の合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管および冷却管を取り付けた3
Lセパラブル4口フラスコに4,4’−(1,3―フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(BisM)183.43g(529mmol)、4,4’−(ヘキサフルオロイソ
プロピリデン)ビスフェノール(BisAF)178.00g(529mmol)、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)205.36g(941mmol)、4-クロロ-4'-フルオロベンゾフェノン(CFBP)52.45g(224mmol)、炭酸カリウム175.61g(1271mmol)を加えた。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)1250mL、トルエン500mLを加えた。155℃まで昇温し、反応によって生
成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。水の生成
が認められなくなるまで、3時間反応した後、トルエンを系外に取り除きながら165℃まで昇温し、その後160〜165℃で5時間撹拌した。次に、CFBP30.37g(
129mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
反応溶液をメタノール5.0Lに少量ずつ注ぎ、反応物を凝固させ、1時間攪拌した。凝固液をろ過して得られた沈殿物を、少量のメタノールで洗浄した。得られた沈殿物に5
.0Lのメタノールを加えて攪拌洗浄する操作を3回繰り返した。得られた生成物を乾燥し、477g(収率91%)の目的物(化合物(D−1))を得た。
化合物(D−1)のGPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は6800、重量平均分子量は11600であった。また、1H−NMRスペクトルを図1に示す。この化合
物(D−1)は、下記式で表される構成単位(A)および(B)を含み、それぞれの割合aが50モル%であり、bが50モル%であり、aとbとの繰返し数は9であった。
Figure 2009242584
化合物(D−1)の両末端は塩素原子であった。
〔合成例2〕化合物(D−2)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisM365.93g(1056mmol)、BisAF133.50g(397mmol)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)47.31g(135mmol)、DFBP308.05g(1412mmol)、
CFBP78.68g(335mmol)、炭酸カリウム263.41g(1906mmo
l)を加え、次いで、DMAc1850mL、トルエン750mLを加えた点を変更した
他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP45.55g(194mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、701g(収率88%)の目的物(化
合物(D−2))を得た。化合物(D−2)の数平均分子量は6800、重量平均分子量は1
2100であった。また、1H−NMRスペクトルを図3に示す。この化合物(D−2)は
、下記式で表される構成単位(A)、(B)、および第3成分(フルオレン骨格)を含み、それぞれの割合aが66.5モル%であり、bが25モル%、第3成分が8.5モル%であった。また、aとbとの繰返し数は9であった。化合物(D−2)の両末端は塩素原子であった。
Figure 2009242584
〔合成例3〕化合物(D'-3)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisM275.14g(794mmol)、DFBP154.02g(706mmol)、CFBP39.34g(168mmol)、炭酸カリウム131.71g(953mmol)を加え、次いで、DMAc940mL、トルエン375mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP22.77g(97mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、342g(収率86%)の目的物(化
合物(D’−3))を得た。化合物(D'-3)の数平均分子量は5600、重量平均分子量は9
900であった。また、この化合物(D'-3)は、下記式で表される構成単位(A)を含む。
化合物(D'-3)の両末端は塩素原子であった。また、繰返し数は9であった。
Figure 2009242584
〔合成例4〕化合物(D'-4)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisAF267.01g(794mmol)、DFBP154.02g(706mmol)、CFBP39.34g(168mmol)、炭酸カリウム131.71g(953mmol)を加え、次いで、DMAc940mL、トルエン375mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP22.77g(97mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、346g(収率89%)の目的物(化
合物(D'-4))を得た。化合物(D'-4)の数平均分子量は6100、重量平均分子量は12
000であった。また、この化合物(D'-4)は、下記式で表される構成単位(B)を含む。
化合物(D'-4)の両末端は塩素原子であった。また、繰返し数は9であった。
Figure 2009242584
<電極電解質の調製>
〔実施例1〕スルホン化ポリアリーレン(1)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.73g(96.5mmol)
、合成例1で得られた化合物(D−1)23.80g(3.5mmol)、ビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケルジクロリド1.96g(3.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.
45g(3.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40.0mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)を加え、該フラスコ内を乾燥窒素で置換した。次いで、上記フラスコにDMAc200mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けた後、DMAc200mLを加えて希釈し、不溶物を濾過し、前駆体ポリマー(
E−1)を得た。
得られた前駆体ポリマー(E−1)を含む溶液を、攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム25.1g(29
0mmol)を加えた。7時間攪拌後、上記溶液を水1Lに注いで生成物を沈殿させた。
次いで、アセトン、10%硫酸水溶液、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー(1)42gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、110,000であった。1H−NMRスペクトルを図2に示す。得られた重合体は、下記式で表される構
成単位(A)、(B)、および、(C)を含み、構成単位(A)および(B)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが50モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%であると推定される。また、全構成単位に対して、構成単位(A)および(B)の合計量の割合fが3.5
モル%であり、構成単位(C)の割合eが96.5モル%であると推定される。イオン交換
容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009242584
〔実施例2〕スルホン化ポリアリーレン(2)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5
−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.73g(96.5mmol)、合成例2で得られた化合物(D−2)23.80g(3.5mmol)を使用し、それ以
外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(2)42gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、121,000であった。1H−NM
Rスペクトルを図2に示す。得られた重合体は、下記式で表される構成単位(A)、(B)、(C)および、フルオレン骨格を含有する第3成分(F)を含み、構成単位(A)、(B)、およびフルオレン骨格を含有する第3成分(F)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが66.5モル%であり、構成単位(B)の割合bが25モル%、第3成分(F)が8.5モル%であると推定される。また、全構成単位に対して、構成単位(A)、(B)、および第3成分(
F)の合計量の割合fが3.5モル%であり、構成単位(C)の割合eが96.5モル%であ
ると推定される。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009242584
〔実施例3〕スルホン化ポリアリーレン(4)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル39.13g(97.5mmol)
、合成例2で得られた化合物(D−2)16.98g(2.5mmol)を使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(4)37gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、135,000であった。得られた重合体は、下記式で表される構成単位(A)、(B)、および、(C)を含み、構成単位(A)および(B)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが66.5モル%であり、構成単位(B)の割合bが25モル%、第3成分(F)が8.5モル%であると推定される。また、全構成単位に対して、構成単位(A)、(B)、および第3成分(F)の合計量の割合fが2.5モル%で
あり、構成単位(C)の割合eが97.5モル%であると推定される。イオン交換容量は2
.2meq/gであった。
Figure 2009242584
〔比較例1〕スルホン化ポリアリーレン(4)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.43g(95.8mmol)
、合成例3で得られた化合物(D’−3)23.68g(4.2mmol)を使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(4)41gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、110,000であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009242584
〔比較例2〕スルホン化ポリアリーレン(5)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.57g(96.1mmol、割合e)、合成例4で得られた化合物(D’−5)23.73g(3.9mmol、割合f)を
使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(5)44gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、120,000であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009242584
〔評価結果〕
上記実施例および比較例で得られた電解質の膜物性(イオン交換容量、熱水中での面積
変化率、膜抵抗(プロトン伝導度))、Tg、プロトン伝導膜の貧溶媒に対する溶解性を表
1に示す。
Figure 2009242584
表1より、本発明の電解質は、低い膜抵抗(高プロトン伝導度)、熱水に対する寸法安定性、および、優れた加工性(溶解性)を発現できることがわかる。
図1は、化合物(D−1)の1H−NMRスペクトルである。 図2は、スルホン化ポリマー(1)の1H−NMRスペクトルである。 図3は、化合物(D−2)の1H−NMRスペクトルである。 図4は、スルホン化ポリマー(2)の1H−NMRスペクトルである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(A)と、下記一般式(B−1)または(B−2)で表されるフッ素を含
    有する構成単位(B)と、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)とを有する共重合体を含むことを特徴とするポリアリーレン。
    Figure 2009242584
    (式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であり、
    水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは単結合、−CO−、−SO2−、―SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Jは単結合、−O−
    、−S−、−CH2−、CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数
    である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1
    種の基を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する)
    Figure 2009242584
    (式(B−1)および(B−2)中、R20〜R35は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子
    、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少な
    くとも1種の原子または基を示し、Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−
    、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、ま
    たは−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。これらの置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上のフッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
    Figure 2009242584
    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
    −(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
    ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
  2. 前記共重合体中の構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、構成単位(B)の割合bが10〜90モル%である(ここで、a+b<100モル%)ことを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレン
  3. 上記ポリアリーレンのイオン性基が、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のポリアリーレン
    Figure 2009242584
    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
    −(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
    ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のポリアリーレンを含むことを特徴とするプロトン伝導膜。
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