JP2006299080A - 多スルホン化芳香族化合物、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜 - Google Patents

多スルホン化芳香族化合物、スルホン化ポリマー、固体高分子電解質およびプロトン伝導膜 Download PDF

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Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kohei Goto
幸平 後藤
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Abstract

【課題】スルホン酸基の導入量を増加しても、優れた耐熱水性および機械的特性を有するスルホン化ポリマー、該ポリマーを得るためのモノマー、該スルホン化ポリマーからなり、プロトン伝導度が高く、発電性能に優れた固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を提供する。
【解決手段】モノマーは下記一般式(A)で表される。
Figure 2006299080

[式(A)中、Xはハロゲン原子、−OSO2CH3または−OSO2CF3を示し、Yは−CO−または−SO2−を示し、Zは−O−、−S−または直接結合を示し、Rは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、ArはSO3R基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、jは1〜3の整数、k、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、多スルホン化芳香族化合物、該化合物から導かれる構成単位を有するスルホン化ポリマー、該スルホン化ポリマーを含む固体高分子電解質およびプロトン伝導膜に関する。
固体高分子電解質の重要な用途として、これをプロトンの伝導体として利用する燃料電池が挙げられる。燃料電池に用いられる高分子電解質膜(プロトン伝導膜)としては、従来、スルホン酸基を有するパーフルオロ炭化水素系高分子が用いられてきた。しかし、この系統の材料は80℃付近に軟化点を有することから、100℃を越える高温では使用することができなかった。
そのため、高温でも使用できる固体高分子電解質として、芳香族系の高分子にスルホン酸基を導入した材料が検討されている(たとえば、特許文献1参照)。これらの材料は、高い軟化温度を有するが、ポリマー骨格へのスルホン酸基の導入により、強度や伸び(靭性)が損なわれるなど、機械的特性の低下が起きることが問題である。また、プロトン伝導性を上げるために、スルホン酸基の濃度を高くすると、吸水により大きな寸法変化を起こしたり、強度が著しく低下するなどの問題もある。
米国特許第5,403,675号公報
本発明の課題は、スルホン酸基の導入量を増加しても、優れた耐熱水性および機械的特性を有するスルホン化ポリマー、該ポリマーを得るためのモノマー、該スルホン化ポリマーからなり、プロトン伝導度が高く、発電性能に優れた固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、以下の多スルホン化芳香族化合物、該化合物から導かれる構成単位を有するスルホン化ポリマー、該ポリマーを含む固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を提供することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る芳香族スルホン酸誘導体は、下記一般式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2006299080
式(A)中、Xはハロゲン原子、−OSO2CH3または−OSO2CF3を示し、Yは−CO−または−SO2−を示し、Zは−O−、−S−または直接結合を示し、Rは水素原
子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、ArはSO3R基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、jは1〜3の整数、k
、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数を示す。
本発明に係るスルホン化ポリマーは、下記一般式(A’)で表される構成単位を有することを特徴とする。
Figure 2006299080
式(A’)中、Yは−CO−または−SO2−を示し、Zは−O−、−S−または直接
結合を示し、Ar’はSO3H基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、jは1〜
3の整数、k、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数を示す。
本発明に係る固体高分子電解質およびプロトン伝導膜は、上記本発明のスルホン化ポリマーを含むことを特徴とする。
本発明によれば、高濃度にスルホン酸基を有する芳香族スルホン酸誘導体、該化合物から誘導され、高濃度にスルホン酸基を有する構成単位を含むスルホン化ポリマー、さらに該ポリマーからなる固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を提供することができる。
すなわち、本発明の芳香族スルホン酸誘導体をモノマーとして使用することにより得られるスルホン化ポリマーは、局所的に非常に高濃度にスルホン酸基を有する構造を特徴とする。これによって、スルホン酸基を高濃度で導入しても、耐熱水性や機械的特性を損なうことなく、プロトン伝導性の優れた固体高分子電解質およびプロトン伝導膜を得ることができる。
以下、本発明に係る芳香族スルホン酸誘導体、該化合物から誘導される構成単位を有するスルホン化ポリマー、該ポリマーを含む固体高分子電解質およびプロトン伝導膜について詳細に説明する。
<芳香族スルホン酸誘導体>
本発明の芳香族スルホン酸誘導体は、下記一般式(A)で表される。
Figure 2006299080
式(A)中、Xはハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2CH3また
は−OSO2CF3を示す。これらの中では、フッ素原子および塩素原子が好ましい。Yは−CO−または−SO2−を示し、−CO−であることが好ましい。Zは−O−、−S−
または直接結合を示す。ArはSO3R基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、
SO3R基は、1個でも、2個以上有していてもよい。jは1〜3の整数、k、mおよび
nは、それぞれ0〜4の整数を示す。Rは、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属原子;または炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチルメチル基、アダマンチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、ビシクロ[2.2.2]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基および脂環式炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
上記式(A)で表される芳香族スルホン酸誘導体(以下「化合物(A)」ともいう)としては、たとえば、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2006299080
Figure 2006299080
Figure 2006299080
Figure 2006299080
上記化合物において、塩素原子やフッ素原子の位置が異なる他の異性体も例として挙げることができる。また、塩素原子やフッ素原子が他のハロゲン原子に置き換わったものも例としてあげることができる。さらに、スルホン酸基の結合の位置が異なる異性体も例として挙げることができる。上記化合物(A)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記化合物(A)は、たとえば、次のような反応によって合成することができる。
まず、下記一般式(1)で表される酸クロリドと、下記一般式(2)で表される化合物とをフリーデルクラフツ反応させることにより、対応する化合物を合成する。
Figure 2006299080
式(1)中、XおよびYは、上記式(A)中のXおよびYと同義である。
Figure 2006299080
式(2)中、Zは−O−、−S−または直接結合を示し、wは0〜8の整数を示し、Ar”はフェニル基またはナフチル基を示す。
上記式(1)で表される化合物としては、たとえば、2,4−ジクロロ安息香酸クロリド、2,5−ジクロロ安息香酸クロリド、2,6−ジクロロ安息香酸クロリド、2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、2,6−ジクロロベンゼンスルホン酸クロリド、2,4−ジフルオロ安息香酸クロリド、2,5−ジフルオロ安息香酸クロリド、2,6−ジフルオロ安息香酸クロリド、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸クロリド、2,5−ジフルオロベンゼンスルホン酸クロリド、2,6−ジフルオロベンゼンスルホン酸クロリドなどが挙げられる。これらの中では、2,4−ジクロロ安息香酸クロリド、2,6−ジクロロ安息香酸クロリド、2,4−ジフルオロ安息香酸クロリド、2,6−ジフルオロ安息香酸クロリドが好ましい。なお、こ
れらの化合物において、塩素原子が、臭素原子、ヨウ素原子に置き換わったものも例として挙げることができる。
上記式(2)で表される化合物としては、たとえば、ベンゼン、ナフタレン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビフェニル、1,4−ジフェノキシベンゼン、1,3−ジフェノキシベンゼン、p−ターフェニル、m−ターフェニル、o−ターフェニル、p−クォーターフェニルなどが挙げられる。
上記反応の際に用いることができるフリーデルクラフツ触媒としては、一般的に用いられている触媒であれば特に限定されず、たとえば、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ、塩化チタン、塩化亜鉛などが挙げられる。また、これらの化合物において、塩素原子が、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置き換わったものも用いることができる。これらの中では、塩化アルミニウムが好ましい。
上記反応は、無溶媒で行うこともでき、溶媒を用いて行うこともできる。用いることができる溶媒としては、たとえば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンなどが挙げられる。また、上記反応は、通常、−20℃〜200℃の範囲で行われる。
次に、上記反応で得られた化合物を、スルホン化剤を用いてスルホン化する。スルホン化剤としては、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸、無水硫酸などが挙げられ、発煙硫酸が好ましい。スルホン化剤の種類、反応温度および反応時間などを制御して、目的の芳香環にスルホン酸基が導入されるように反応を行う。また、反応温度は50℃〜200℃の範囲が好ましく、100℃〜180℃の範囲がより好ましい。
上記工程で得られたスルホン化物を、スルホン酸エステルに誘導する場合には、下記のような反応により合成することができる。
まず、得られたスルホン化物をスルホン酸クロリドに変換する。この反応には、塩化チオニル、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リンなどを用いることができる。なお、スルホン化剤としてクロロスルホン酸を用いた場合には、酸クロリドの形で単離できるため、この工程は省略してもよい。
次に、得られたスルホン酸クロリドと各種アルコールとを、エステル化反応させることにより本発明の芳香族スルホン酸誘導体が得られる。アルコールとしては、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロペンチルメチルアルコール、アダマンチルア
ルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、アダマンチルメチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メチルブチルアルコール、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチルアルコールなどが挙げられる。これらの中では、ネオペンチルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、シクロペンチルメチルアルコール、シクロヘキシルメチルアルコール、アダマンチルメチルアルコール、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチルアルコールが好ましく、特にネオペンチルアルコールが好ましい。
エステル化反応には、たとえば、ピリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリオクチルアミンなどの塩基性化合物を共存させることが好ましい。
<スルホン化ポリマー>
本発明に係るスルホン化ポリマーは、下記一般式(A’)で表される構成単位(以下「構成単位(A’)」ともいう)を有する。固体高分子電解質がこの重合体を含むことにより、熱水耐性や機械的特性を損なうことなく、高いイオン交換容量を有することができ、高いプロトン伝導性が得られる。
Figure 2006299080
式(A’)中、Y、Z、j、k、mおよびnは、上記式(A)中のY、Z、j、k、mおよびnと同義であり、Ar’はSO3H基を有するフェニル基またはナフチル基を示す
本発明のスルホン化ポリマーは、上記化合物(A)を単量体の一成分として重合して得られる構造の重合体であればよく、具体的には、ポリフェニレン、ポリアリーレン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。
本発明のスルホン化ポリマーは、上記構成単位(A’)のみを繰り返し単位とする単独重合体であってもよく、上記化合物(A)と共重合可能な化合物とを共重合させた共重合体であってもよい。さらに、共重合体の場合、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。本発明のスルホン化ポリマーを固体高分子電解質として使用する場合には、熱水耐性および機械的特性を考慮すると、共重合体であることが好ましい。
本発明のスルホン化ポリマーは、主に下記の2通りの方法で合成することができる。
第1の方法は、上記化合物(A)を、たとえば特開2004−137444号公報に記載の方法でカップリング重合させる方法である。このとき、化合物(A)中の置換基Xとしては、フッ素以外のハロゲン原子であることが好ましく、置換基Rとしては、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、炭素数4〜20であることがより好ましい。この重合においては、化合物(A)の置換基Xが脱離してフェニレン結合が形成される。すなわち、ポリフェニレンまたはポリアリーレンが得られる。次に、R基をHに変換する。つまり、得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより、本発明のスルホン化ポリマーを合成することができる。
この方法において、上記化合物(A)と共重合可能な化合物としては、フッ素以外のハ
ロゲン原子を2個以上有する芳香族系化合物が挙げられる。なお、ハロゲン原子は、隣接する電子吸引性基で活性化されていることが好ましい。具体的には、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,6−ジクロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物、または、配位子が配位された遷移金属錯体、および(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、塩を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の条件を挙げることができる。
たとえば、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好適に使用され、配位子としては、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビピリジンなどが挙げられる。還元剤としては、鉄、亜鉛、マンガンなどが好ましい。塩としては、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。重合に用いる溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
本発明のスルホン化ポリマーは、この前駆体のスルホン酸エステル基を有する重合体を、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化して得ることができる。脱エステル化は臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウムなどの塩を用いて、上記の溶媒中で行うことが好ましい。
本発明のスルホン化ポリマーの第2の合成方法としては、たとえば、上記化合物(A)と、フェノール性水酸基を有する各種の化合物とを求核置換反応により重合させる方法が挙げられる。このとき化合物(A)中のXは、フッ素原子または塩素原子であることが好ましく、Rは、水素原子またはアルカリ金属原子であることが好ましい。この重合においては、化合物(A)中の置換基Xと、フェノール性水酸基を有する化合物の該水酸基中の水素原子とが脱離し、エーテル結合が形成される。すなわち、この方法では、ポリアリーレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどのエーテル結合を有する重合体が得られる。
上記フェノール性水酸基を有する化合物として、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
また、他の成分として、スルホン酸基を有しないジハロゲン化物を共重合させることもできる。このようなジハロゲン化物としては、たとえば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、2,5−ジクロロベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、2,6−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、2,5−ジクロロジフェニルスルホン、
2,4−ジクロロジフェニルスルホン、2,6−ジクロロジフェニルスルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリルなどが挙げられる。また、これらの化合物の塩素原子をフッ素原子に置き換えた化合物も例として挙げることができる。
上記重合は、アルカリ炭酸金属塩、アルカリ金属、アルカリ水素金属、水酸化アルカリ金属の存在化で行うことが好ましい。具体的には、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水リチウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを挙げることができる。
上記重合に用いる溶媒としては、極性溶媒が好ましく、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどを挙げることができる。また、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの水と共沸する溶媒を共存させてもよい。
いずれの合成方法の場合にも、得られた重合体を固体高分子電解質として使用する際には、酸で処理し、スルホン酸基を各種の金属塩の状態からフリーの状態に変換しておくことが好ましい。
上記のような方法により製造されるスルホン化ポリマーのイオン交換容量は、通常、0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜4meq/g、さらに好ましくは0.8〜3.5meq/gである。イオン交換容量が上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低く、発電性能が低くなる傾向にあり、上記範囲を超えると、耐水性が大幅に低下することがある。
本発明のスルホン化ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で、1万〜100万、好ましくは2万〜50万、より好ましくは3万〜30万である。
<固体高分子電解質>
本発明の固体高分子電解質は、上記スルホン化ポリマーからなり、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤などを含んでもよい。
上記固体高分子電解質は、使用用途に応じて、粒状、繊維状、膜状など種々の形状で用いることができる。たとえば、燃料電池や水電解装置などの電気化学デバイスに用いる場合には、その形状を膜状(プロトン伝導膜)とすることが望ましい。
<プロトン伝導膜>
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン化ポリマーを含む固体高分子電解質を用いて調製される。また、プロトン伝導膜を調製する際に、固体高分子電解質以外に、硫酸やリン酸などの無機酸、カルボン酸などの有機酸、適量の水などを併用してもよい。
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン化ポリマーを溶媒に溶解した後、基体上に流延してフィルム状に成形するキャスティング法などにより製造することができる。
上記スルホン化ポリマーを溶解する溶媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性および溶液粘度の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。非プロトン系極性溶剤は1種単独で用い
ても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記溶媒として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物も用いることができる。アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられる。
上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、アルコールが5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(ただし、合計を100重量%とする)の割合で用いられる。
本発明のスルホン化ポリマーを溶解させた溶液のポリマー濃度は、重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。ポリマー濃度が上記範囲よりも低いと、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい傾向にある。一方、上記範囲を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、上記スルホン化ポリマーの分子量やポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。溶液粘度が上記範囲よりも低いと、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがあり、上記範囲を超えると、粘度が高過ぎてダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難になる傾向にある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬することにより、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜中の残留溶媒量を低減することができる。なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際は、バッチ方式でも連続方法でもよい。未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃の範囲である。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間、好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られるが、このようにして得られるプロトン伝導膜中の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。
上記のようにして未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
上記の方法により得られる本発明のプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
本発明のプロトン伝導膜は、たとえば、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに用いられるプロトン伝導性の固体高分子電解質膜として好適に用いるこ
とができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
(分子量)
重合体の重量平均分子量(Mw)は、臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去して十分に水洗し、乾燥した後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
(プロトン伝導度)
まず、短冊状の試料膜(40mm×5mm)の表面に、白金線(φ=0.5mm)を5mm間隔に5本押し当て、恒温恒湿装置((株)ヤマト科学製「JW241」)中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定により交流抵抗を求めた。測定は、抵抗測定装置として(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用いて、85℃、相対湿度90%の環境下、交流10kHzの条件で、線間距離を5〜20mmに変化させて行った。次いで、線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗Rを下記式に従って算出し、比抵抗Rの逆数からプロトン伝導度を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
(含水率)
厚さ50μmのプロトン伝導膜を、プレッシャークッカー中で120℃の熱水に24時間浸漬し、浸漬前のフィルムの重量に対する取り出し直後の重量の割合(含水率)を求めた。
〔実施例1〕テトラスルホン化物の合成(1)
攪拌機、温度計および窒素導入管をとりつけた100mLの三口フラスコに、2,4−ジクロロ−4'−フェニルベンゾフェノン2.0g(6.1mmol)をはかりとり、1
.6mLの濃硫酸をゆっくり加えて攪拌した。氷浴で冷却後、2.4mLの60%発煙硫酸を加えてから、110℃で10時間攪拌した。室温に冷却後、50gの氷水中に注ぎ、これを40%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、濃縮した。残渣を30mLのジメチルスルホキシドで抽出し、不溶物をろ過して除いた。ろ液を濃縮して、4.0g(89%)のテトラスルホン化物を得た。この化合物の1H-NMRを図1に示す。得られたテトラスルホン化物の構造は、下記式で表されることを確認した。
Figure 2006299080
〔実施例2〕テトラスルホン化物の合成(2)
2,4−ジクロロ−4'−フェニルベンゾフェノンの代わりに、2,4−ジフルオロ−
4'−フェニルベンゾフェノンを用いたこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、下記
式で表されるテトラスルホン化物を得た。
Figure 2006299080
〔実施例3〕テトラスルホン化物の合成(3)
2,4−ジクロロ−4'−フェニルベンゾフェノンのかわりに、2,4−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノンを用いたこと以外は、実施例1と同様に反応を行い、下記式で表されるテトラスルホン化物を得た。
Figure 2006299080
〔実施例4〕スルホン酸エステルの合成(1)
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管をとりつけた2Lの三口フラスコに、実施例3の方法で得られたスルホン化物75.1gおよびスルホラン400gをはかりとり、氷浴で冷却した。これに塩化ホスホリル153gを滴下した後、温度を80℃に上げ3時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を留去した後、酢酸エチル/n−ヘキサンで再結晶し、スルホン酸クロリド59.0gを得た。
攪拌機および窒素導入管をとりつけた2Lの三口フラスコに、得られたスルホン酸クロリド36.9gおよびピリジン475gをはかりとり、ネオペンチルアルコール212gを加えた。室温で8時間攪拌後、トルエンで希釈し、塩酸水溶液で洗浄した。溶媒を留去した後、酢酸エチル/n−ヘキサンで再結晶し、下記式で表されるスルホン酸エステル352gを得た。
Figure 2006299080
〔実施例5〕スルホン酸エステルの合成(2)
実施例3の方法で得られたスルホン化物の代わりに、実施例1の方法で得られたスルホン化物を用いたこと以外は、実施例4と同様に反応を行い、下記式で表されるスルホン酸エステルを得た。
Figure 2006299080
〔実施例6〕スルホン化ポリマーの合成(1)
攪拌機、窒素導入管および温度計を取り付けた2Lの3口フラスコに、実施例4で得られたスルホン酸エステル61.3g(65mmol)、2,5−ジクロロベンゾフェノン109.2g(435mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド9.81g(20mmol)、ヨウ化ナトリウム2.25g(20mmol)、トリフェニルホスフィン52.5g(200mmol)および亜鉛78.4g(1200mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)400mLを加え、反応温度を80℃に保ちながら3時間攪拌した後、DMAc350mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られたろ液を、攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた3Lの三口フラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム24.8g(290mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー125gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は118,000、イオン交換容量は1.9meq/gであった。得られた重合体は下記式で表されるスルホン化ポリマーであると推定される。
Figure 2006299080
〔実施例7〕スルホン化ポリマーの合成(2)
実施例4で得られたスルホン酸エステルの代わりに、実施例5で得られたスルホン酸エステルを用いたこと以外は、実施例6と同様に反応を行い、スルホン化ポリマー129gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は123,000、イオン交換容量は1.9meq/gであった。得られた重合体は下記式で表されるスルホン化ポリマーであると推定される。
Figure 2006299080
〔実施例8〕スルホン化ポリマーの合成(3)
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管および冷却管を取り付けた500mLの三口フラスコに、実施例2で合成したテトラスルホン化物19.4g(31.4mmol)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン9.0g(31.4mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン21.1g(62.8mmol)および炭酸カリウム11.3g(81.6mmol)をはかりとった。乾燥窒素置換した後、スルホラン130mLおよびトルエン65mLを加え、130℃で加熱攪拌した。反応によって生成する水は、Dean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。次に、反応温度を175℃にあげ、3時間攪拌を続けた。反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。不溶の塩をろ過し、ろ液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を1N塩酸、純水の順に洗浄した後、乾燥して目的のポリマー87gを得た。このポリマーの重量平均分子量は135,000、イオン交換容量は1.9meq/gであった。得られた重合体は下記式で表されるスルホン化ポリマーであると推定される。
Figure 2006299080
〔実施例9〕スルホン化ポリマーの合成(4)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンの代わりに9,9’―ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン22.0g(62.8mmol)を用いたこと以外は、実施例8と同様に反応を行い、スルホン化ポリマー69gを得た。得られた重合体の重量平均分子量は138,000、イオン交換容量は1.9meq/gであった。得られた重合体は下記式で表されるスルホン化ポリマーであると推定される。
Figure 2006299080
〔比較例1〕ポリエーテルエーテルケトンスルホン化物。
ポリエーテルエーテルケトン25gを濃硫酸250mLに加え、60℃で24時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、沈殿したスルホン化物を中性になるまで純水で洗浄した後、乾燥してスルホン化ポリマー28gを得た。このポリマーのイオン交換容量は1.8meq/gであった。
〔プロトン伝導膜の作製〕
実施例6〜9および比較例1の各スルホン化ポリマーをNMPに溶解し、キャスト法により膜厚50μmのプロトン伝導膜を作製した。各プロトン伝導膜のプロトン伝導度および含水率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006299080
表1に示すように、本発明のスルホン化ポリマー(実施例6〜9)からなるプロトン伝導膜は、イオン交換容量を高くしても、熱水中での含水率を低減でき、高いプロトン伝導度を発現する。
実施例1で得られたテトラスルホン化物のNMRスペクトルである。

Claims (4)

  1. 下記一般式(A)で表される芳香族スルホン酸誘導体。
    Figure 2006299080
    [式(A)中、Xはハロゲン原子、−OSO2CH3または−OSO2CF3を示し、
    Yは−CO−または−SO2−を示し、Zは−O−、−S−または直接結合を示し、
    Rは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、
    ArはSO3R基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、
    jは1〜3の整数、k、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数を示す。]
  2. 下記一般式(A’)で表される構成単位を有することを特徴とするスルホン化ポリマー。
    Figure 2006299080
    [式(A’)中、Yは−CO−または−SO2−を示し、
    Zは−O−、−S−または直接結合を示し、
    Ar’はSO3H基を有するフェニル基またはナフチル基を示し、
    jは1〜3の整数、k、mおよびnは、それぞれ0〜4の整数を示す。]
  3. 請求項2に記載のスルホン化ポリマーを含むことを特徴とする固体高分子電解質。
  4. 請求項2に記載のスルホン化ポリマーを含むことを特徴とするプロトン伝導膜。
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