JP4080925B2 - 高分子電解質およびプロトン伝導膜 - Google Patents
高分子電解質およびプロトン伝導膜 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、水の電気分解、食塩の電気分解、湿度センサー、ガスセンサー等に用いられる耐酸化性、耐熱水性等に優れたスルホン酸基を有する重合体からなる固体高分子電解質、ならびに該電解質からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオンまたは陰イオンを選択的に透過する性質を有したりしていることから、高分子電解質型燃料電池や水電解セルにおける高分子電解質膜として利用される。
【0003】
高分子電解質型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素ガスを燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。また、水電解は、固体高分子電解質膜を用いて水を電気分解することにより燃料電池反応の逆反応が起こり水素と酸素を製造するものである。
【0004】
しかしながら、実際の燃料電池や水電解ではこれらの主反応の他に副反応が起こる。その代表的なものが過酸化水素(H2O2)の生成であり、この過酸化水素に起因するラジカル種が固体高分子電解質膜を劣化させる原因となっている。
【0005】
従来固体高分子電解質膜としては、NAFION(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成工業(株)製)、フレミオン(登録商標、旭硝子社製)の商品名で市販されているパーフルオロスルホン酸系膜がその化学安定性の点から用いられてきた。
【0006】
しかしながら、これらパーフルオロスルホン酸系電解質膜は、製造が困難であるため、非常に高価であるという問題点があるため、特殊用途への応用に限られ、自動車用、家庭用燃料電池等の民生用途への適用上の大きな障害となっている。また、分子内に大量のフッ素原子を有しているため、使用後の廃棄処理についても環境上の大きな問題点を抱えている。
【0007】
そこで、フッ素原子を含まないより安価な固体高分子電解質膜としてポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドの主鎖芳香環をスルホン化したポリマーが提案されている。しかしながらこれら主鎖芳香環がスルホン化されたポリマーは吸水性が大きく、耐熱水性に劣ると共に、発電耐久性の尺度とされるフェントン耐性(ラジカル耐性)に劣るという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来検討されてきた芳香族炭化水素系電解質膜の問題点を解決し、耐熱水性、ラジカル耐性(耐久性)が改良された、スルホン酸基を有する重合体からなる固体高分子電解質、および該電解質からなるプロトン伝導膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、下記一般式(1)で表される重合体のスルホン化物からなる高分子電解質を提供する。
【0010】
【化8】
〔式中、Xは下記式(X−1)、(X−2)および(X−3)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Yは下記式(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)および(Y−4)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、XとYはランダム、交互またはブロック状に結合し、xおよびyはそれぞれ2以上の数を示す。〕
【0011】
【化9】
〔式中、Aは電子吸引性基であり、Bは電子供与性基である。〕
【0012】
【化10】
〔式中、Arは2価の芳香族基であり、Wは電子吸引性基または電気供与性基である。〕
本発明は、第二に、下記一般式(2)で表される重合体のスルホン化物からなる高分子電解質を提供する。
【0013】
【化11】
〔式中、Xは下記式(X−1)、(X−2)および(X−3)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Yは下記式(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)および(Y−4)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Zは下記式(Z−1)および(Z−2)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、X、YおよびZはランダム、交互またはブロック状に結合し、x、yおよびzはそれぞれ2以上の数を示す。〕
【0014】
【化12】
〔式中、Aは電子吸引性基であり、Bは電子供与性基である。〕
【0015】
【化13】
〔式中、Arは2価の芳香族基であり、Wは電子吸引性基または電気供与性基である。〕
【0016】
【化14】
〔式中、Aは独立して−CO−または−C(CF 3 ) 2 −であり、Bは−O−であり、mは0〜200の数である。〕
ここで、本発明の高分子電解質は、スルホン酸基を0.5〜3.0meq/g含有することができる。
【0017】
本発明は、第三に、前記高分子電解質からなるプロトン伝導膜を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
[重合体]
まず、本発明の高分子電解質を構成する重合体について説明する。
【0019】
本発明の高分子電解質は、前記一般式(1)で表される重合体のスルホン化物からなる。前記一般式(1)において、Xは前記式(X−1)、(X−2)および(X−3)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Yは前記式(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)および(Y−4)から選ばれる少なくとも1つの構造である。
【0020】
また、本発明の高分子電解質は、前記一般式(2)で表される重合体のスルホン化物からなる。前記一般式(2)において、Xは前記式(X−1)、(X−2)および(X−3)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Yは前記式(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)および(Y−4)から選ばれる少なくとも1つの構造であり、Zは前記式(Z−1)および(Z−2)から選ばれる少なくとも1つの構造である。
【0021】
前記一般式(1)および(2)において、X、YおよびZはランダム、交互またはブロック状に結合し、x、yおよびzはそれぞれ2以上の数を示す。
【0022】
また、上記一般式(1)および一般式(2)の(X−1)、(X−2)、(X−3)において、Aの電子吸引性基としては、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられ、Bの電子供与性基としては、−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−などを挙げることができる。
【0023】
また、一般式(1)および(2)の(Y−1)、(Y−2)、(Y−3)、(Y−4)において、Arで示される2価の芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基などを、Wで示される電子吸引性基または電子供与性基としては、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−、−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−などをそれぞれ挙げることができる。
【0024】
さらに、一般式(2)の(Z−1)において、Aの電子吸引性基としては、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられ、Bの電子供与性基としては、−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、mは0〜200の数である。
【0025】
また、一般式(2)の(Z−1)において、Aの電子吸引性基およびBの電子供与性基としては、それぞれ、前述したように、一般式の(1)および(2)の(X−1)、(X−2)、(X−3)において、Aの電子吸引性基およびBの電子供与性基として示された具体例を挙げることができる。
【0026】
なお、本発明において、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
【0027】
前記一般式(1)または(2)で表される重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常1〜100万である。
【0028】
本発明の高分子電解質は、スルホン化剤を用いて、前記一般式(1)および(2)で表される重合体をスルホン化して得られるものである。なお、スルホン化剤およびスルホン化の方法については後述する。
【0029】
[重合体の製造方法]
一般式(1)で表される重合体は、下記一般式(X−1)’,(X−2)’および(X−3)’から選ばれる少なくとも1つのモノマー(以下、「モノマーX」という)と、下記一般式(Y−1)’、(Y−2)’、(Y−3)’および(Y−4)’から選ばれる少なくとも1つのモノマー(以下、「モノマーY」という)とを重合することにより得られる。
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
また、一般式(2)で表される重合体は、モノマーXと、モノマーYと、(Z−1)’および(Z−2)’から選ばれる少なくとも1つのモノマー(以下、「モノマーZ」という)とを重合することにより得られる。
【0032】
【化17】
上記各一般式(X−1)’〜(Z−2)’において、Qは、フッ素原子を除くハロゲン原子または−OSO2D(ここで、Dはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
【0033】
ここで、Dが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
【0034】
また、上記式(X−1)’〜(X−3)’および(Z−1)’において、AおよびBは、(X−1)〜(X−3)および(Z−1)における定義の通りである。さらに、(Y−1)’〜(Y−4)’において、ArおよびWは、(Y−1)〜(Y−4)における定義の通りである。
【0035】
一般式(1)で表される重合体および一般式(2)で表される重合体は、上記モノマーを触媒の存在下に反応させるが、使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
【0036】
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0037】
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0038】
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
【0039】
上記触媒系に使用することができる(ii)還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0040】
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0041】
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
【0042】
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
【0043】
また、還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
【0044】
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
【0045】
使用することのできる重合溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタムなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0046】
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0047】
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0048】
このようにして、モノマーX5〜95モル%と、モノマーY5〜95モル%(モノマーXとモノマーYの合計を100モル%とする)とを重合させることにより、一般式(1)で表される重合体が得られる。また、モノマーX5〜95モル%と、モノマーY5〜90モル%と、モノマーZ0.1〜90モル%(モノマーX、モノマーYおよびモノマーZの合計を100モル%とする)とを重合させることにより、一般式(2)で表される重合体(2)が得られる。
【0049】
次に、本発明のプロトン伝導膜に用いられる、スルホン酸基を有する重合体は、スルホン化剤を用い、常法により一般式(1)で表される重合体または一般式(2)で表される重合体にスルホン酸基を導入することにより得ることができる。
【0050】
本発明において、重合体が「スルホン化」される、ならびに重合体に「スルホン酸基が導入」されるとは、重合体の芳香環が、例えば、−SO3H、−(CH2)−SO3H、−(CF2)n−SO3Hなどの基で置換されることをいう。
【0051】
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記一般式(1)で表される重合体または一般式(2)で表される重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,pp.2490〜2492(1993)〕。
【0052】
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記一般式(1)で表される重合体または一般式(2)で表される重合体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
【0053】
このようにして得られる、スルホン酸基を有する重合体中のスルホン酸基量は、0.5〜3.0meq/g、好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.5meq/g未満では、プロトン伝導性が上がらず、一方3.0meq/gを超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとなってしまうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下する。
【0054】
上記のスルホン酸基量は、各モノマーの種類、組合せを変えることにより、容易に調整することができる。
【0055】
本発明のスルホン酸基を有する重合体の構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm−1、1,160〜1,190cm−1のS=O吸収、1,130〜1,250cm−1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm−1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0056】
[高分子電解質]
本発明の固体高分子電解質は、上記一般式(1)で表される重合体および一般式(2)で表される重合体をスルホン化した重合体(以下、「スルホン酸基を有する重合体」という)からなる。また、本発明のプロトン伝導膜は、前記高分子電解質からなる。スルホン酸基を有する重合体からプロトン伝導膜を調製する際には、上記スルホン酸基を有する重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
【0057】
[プロトン伝導膜]
本発明のプロトン伝導膜は、例えばスルホン酸基を有する重合体を、溶剤に溶解して溶液とした後、キャスティングにより、基体上に流延し、フィルム状に成形するキャスティング法を用いて、フィルム状に成形することにより製造することができる。ここで、上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
【0058】
スルホン酸基を有する重合体を溶解する溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)などの極性溶剤が挙げられる。溶剤は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
【0059】
またスルホン酸基を有する重合体を溶解させる溶媒として上記極性溶剤とアルコールとの混合物も用いることができる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられ、特にメタノールが幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があり好ましい。アルコールは、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
【0060】
溶媒として上記極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、アルコールが5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(但し、合計は100重量%)の組成の混合物が用いられる。アルコールの量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
【0061】
スルホン酸基を有する重合体を溶解させた溶液のポリマー濃度は、スルホン酸基を有する重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
【0062】
なお、溶液粘度は、スルホン酸基を有する重合体の分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
【0063】
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬することにより、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。
【0064】
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
【0065】
未乾燥フィルムを水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式であっても良いし、通常得られる基板フィルム(例えば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方法でも適用できる。
【0066】
バッチ方式の場合は、処理フィルムを枠にはめるなどの方式が処理されたフィルムの表面の皺形成が抑制されるので好都合である。
【0067】
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が10重量部以上、好ましくは30重量部以上の接触比となるようにすることがよい。得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするためには、できるだけ大きな接触比を維持するのがよい。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量の低減に有効である。プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることは効果がある。
【0068】
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が荒れる懸念がある。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。
【0069】
浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間の範囲である。好ましくは30分〜100時間の範囲である。
【0070】
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られるが、このようにして得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量は通常5重量%以下である。
【0071】
また、浸漬条件によっては、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることができる。このような条件としては、例えば未乾燥フィルムと水との接触比を、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が50重量部以上、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とする方法がある。
【0072】
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
【0073】
本発明の方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
【0074】
本発明のプロトン伝導膜中には老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有させてもよく、老化防止剤を含有することでプロトン伝導膜としての耐久性をより向上させることができる。
【0075】
本発明で使用することのできる分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
【0076】
本発明において、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物は、スルホン酸基を有する重合体100重量部に対して0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
【0077】
本発明のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサ、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0078】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0079】
実施例において、スルホン酸等量、プロトン伝導度、耐熱水性(フィルムの重量変化率)、フェントン試験における重量保持率は以下のようにして求めた。
【0080】
1.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
【0081】
2.プロトン伝導度の測定
交流抵抗は、5mm幅の短冊状のプロトン伝導膜試料の表面に、白金線(f=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で、交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスから、プロトン伝導度を算出した。
【0082】
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
3.耐熱水性
フィルム状のプロトン伝導膜試料をイオン交換水に浸し、95℃で48時間浸漬前後のフィルムの重量保持率を下記の数式により算出した。なお、フィルムは真空乾燥により絶乾して重量を求めた。
【0083】
耐熱水性試験における重量保持率(%)=耐熱水性試験後のフィルム重量/耐熱水性試験前のフィルム重量×100
4.フェントン試験
3重量%の過酸化水素に硫酸鉄・七水和物を鉄イオンの濃度が20ppmになるようにフェントン試薬を調製した。250ccのポリエチレン製溶液に200gのフェントン試薬を採取し、3cm×4cm、膜厚=55μmに切削したプロトン伝導膜を投入後、密栓後、40℃の恒温水槽に浸漬させ、30時間フェントン試験を行った。
【0084】
30時間フェントン試験後の重量保持率は、下記の数式により算出した。なお、フィルムは真空乾燥により絶乾して重量を求めた。
【0085】
フェントン試験における重量保持率(%)=フェントン試験後のフィルム重量/フェントン試験前のフィルム重量×100
また、上記物性測定に用いたプロトン伝導膜は、以下のようにして調製した。スルホン化ポリマーの固形分量が約10重量%となるように、スルホン化ポリマーが可溶な溶媒に溶解させた。このポリマーワニスを、ドクターブレードを用いてガラス基板上に塗布後、75℃にて1時間オーブンを用い予備乾燥させ、塗膜をガラス基板から剥がした。フィルムを耐熱テープでアルミ板上に固定後、さらにオーブンを用いて150℃、1時間乾燥させた。次いで、塗膜中に残存する溶媒を完全に除去するために、塗膜重量の約1000倍量のイオン交換水中に25℃で2時間浸漬させた。得られたフィルムを25℃、相対湿度50%の環境下に12時間静置して状態調節した後、各種物性測定を実施した。
【0086】
[実施例1]
2,5-ジクロロ-4’-(4-フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン13.9g(32mmol)、下記一般式(y−1)’で表される化合物25.4g(48mmol)、よう化ナトリウム1.56g(10.4mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.6g(192mmol)、およびビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.4mmol)をフラスコにとり、乾燥窒素置換した。 N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100mlを加え、70℃に加熱し、3時間撹拌し、重合反応を行った。反応液をメタノール:濃塩酸(容積比9:1)の混合液3,000mlに注ぎ、生成物を凝固沈殿させた。沈殿物を濾過、メタノールで洗浄後、真空乾燥して、ベースポリマー32g(95%)を得た。GPCで求めた重合体の数平均分子量は29,400、重量平均分子量は60,500であった。ここで得られたベースポリマーは、式(3)で表される構造を有することが推定された。なお、式(3)〜(6)において、a,b,cは2以上の数である。
【0087】
得られたベースポリマー20gに、濃度98.5wt%の濃硫酸200mlを加え、60℃で5時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。洗浄水のpHが5になるまでポリマーの洗浄を繰り返した後、このポリマーを乾燥させて、37g(96%)のスルホン化ポリマーを得た。
【0088】
【化18】
【0089】
【化19】
[実施例2]
実施例1において、一般式(y−1)’で表される化合物の代わりに、下記一般式(y−2)’で表される化合物30.1g(48mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にしてベースポリマーを製造した。ここで得られたベースポリマーは、式(4)で表される構造を有することが推定された。次いで、得られたベースポリマーのスルホン化を行ったところ、GPCで求めた重合体の数平均分子量47,200、重量平均分子量144,900のスルホン化ポリマー41g(94%)を得た。
【0090】
【化20】
【0091】
【化21】
[実施例3]
実施例1において、一般式(y−1)’で表される化合物の代わりに、下記一般式(y−3)’で表される化合物28.5g(48mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にしてベースポリマーを製造した。ここで得られたベースポリマーは、式(5)で表される構造を有することが推定された。得られたベースポリマーのスルホン化を行ったところ、GPCで求めた重合体の数平均分子量36,400、重量平均分子量108,000のスルホン化ポリマー39g(93%)を得た。
【0092】
【化22】
【0093】
【化23】
[実施例4]
2,5-ジクロロ-4’-(4-フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン26.1g(60mmol)、下記一般式(y−4)’で表される化合物8.2g(17.6mmol)、下記一般式(z−1)’で表される化合物(数平均分子量11,200)26.9g(2.4mmol)、よう化ナトリウム1.56g(10.4mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.6g(192mmol)、およびビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.4mmol)をフラスコにとり、乾燥窒素置換した。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)100mlを加え、70℃に加熱し、3時間撹拌し、重合反応を行った。反応液をメタノール:濃塩酸(容積比9:1)の混合液3,000mlに注ぎ、生成物を凝固沈殿させた。沈殿物を濾過、メタノールで洗浄後、真空乾燥し、ベースポリマー35g(95%)を得た。ここで得られたベースポリマーは、式(6)で表される構造を有することが推定された。GPCで求めた重合体の数平均分子量は46,800、重量平均分子量は146,800であった。
【0094】
得られたベースポリマー20gに、濃度98.5wt%の濃硫酸200mlを加え、60℃で5時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。洗浄水のpHが5になるまでポリマーの洗浄を繰り返した。その後、得られたポリマーを乾燥して、25g(96%)のスルホン化ポリマーを得た。
【0095】
【化24】
【0096】
【化25】
【0097】
【化26】
実施例1〜4でそれぞれ得られたスルホン化ポリマーの特性を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱水性、ラジカル耐性(耐久性)に優れた固体高分子電解質膜用として使用可能なスルホン酸基を有する重合体を提供することが可能である。そして、本発明の高分子電解質からなるプロトン伝導膜は、高耐久性の燃料電池用のプロトン伝導膜として好適に使用することができる。
Claims (4)
- 下記一般式(2)で表される重合体のスルホン化物からなる、高分子電解質。
- 請求項1または2において、
スルホン酸基を0.5〜3.0meq/g含有する、高分子電解質。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の高分子電解質からなる、プロトン伝導膜。
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