JP4818579B2 - スルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体およびその製造方法、ならびに高分子固体電解質、プロトン伝導膜および電池用電極 - Google Patents

スルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体およびその製造方法、ならびに高分子固体電解質、プロトン伝導膜および電池用電極 Download PDF

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Description

本発明は、スルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体および該共重合体の製造方法、ならびに該共重合体から得られる高分子固体電解質、プロトン伝導膜および電池用電極に関する。
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替えていく傾向が高まってきている。その第1の理由としては、例えば、電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・省電力化への移行である。
従来、プロトン伝導性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなるものの両方が知られている。無機物の例としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が十分でなく、伝導層を基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
一方、有機化合物の例としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(商品名、デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基やリン酸基を導入したポリマー(Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.7, p.2490〜2492 (1993)、Polymer Preprints, Japan, Vol.43, No.3,
p.735〜736 (1994)、Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.3, p.730 (1993))などの有機系ポリマーが挙げられる。
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導度がまだ十分でないことに加え、耐久性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうこと、また力学的性質、特に弾性率が大きく低下することや、湿度条件下での依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が十分満足いくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼動中の過度の膨潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。したがってこれらの有機系ポリマーは、電気・電子材料などに応用するには種々の問題がある。
さらに、米国特許第5,403,675号明細書(特許文献1)では、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が提案されている。このポリマーはフェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマー(同明細書カラム9記載の構造)を主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度も向上するものの、同時に得られるスルホン化ポリマーの機械的性質、例えば破断伸び、耐折曲げ性等の靭性や耐熱水性は著しく損なわれる。
これらの材料を、電極用に用いた場合にも同様の問題が指摘されるとともに、スルホン酸基の導入位置や連鎖が規制されていないため、触媒粒子とスルホン酸基とが有効に接触できないため、すべてのスルホン酸が触媒で生成したプロトンの伝導に寄与できず、スルホン酸濃度から予想される性能を下回ってしまうという問題がある。
米国特許第5,403,675号明細書
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、電極に使用した際に、触媒との反応が効率的に行われるポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに前記ポリアリーレンを含む固体高分子電解質、プロトン伝導膜、および電池用電極を提供することを目的としている。
本発明の重合体は、スルホン酸基が側鎖に導入されるように規定されていること、連鎖数が規制されポリマー中にランダムに導入されていることから、電極に使用した際に、触媒との反応が効率的に行われるポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに前記ポリアリーレンを含む固体高分子電解質、プロトン伝導膜、および電池用電極を提供するものである。
すなわち、本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレンは、下記一般式(1)で表される構成単位;
Figure 0004818579
(式(1)中、mは0〜10の整数を示し、Xは2価の有機基または直接結合を示す。mが1以上である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。)
と、下記一般式(2)で表される構成単位および下記一般式(3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種とからなり、一般式(1)で表される構成単位同士の連鎖数の平均が1.0〜4.0であることを特徴とする;
Figure 0004818579
(式(2)中、Xは2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。)
Figure 0004818579
(式(3)中、Xは2価の有機基または直接結合を示す。)。一般式(1)で表される構成単位は、全構成単位に対して20〜80モル%であることが好ましい。また、一般式(1)、(2)および(3)におけるXで表される2価の有機基は、電子吸引性基であることが好ましい。
本発明の高分子固体電解質は、上記のポリアリーレンからなることを特徴とする。
本発明のプロトン伝導膜は、上記のポリアリーレンを含むことを特徴とする。
本発明の電池用電極は、上記のポリアリーレンを含むことを特徴とする。
本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法は、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物および下記一般式(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを重合し、得られた共重合体を加水分解することを特徴とする;
Figure 0004818579
(式(4)中、Rは炭化水素基を示し、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、mは0〜10の整数を示し、Xは2価の有機基または直接結合を示す。mが1以上である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0004818579
(式(5)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。)
Figure 0004818579
(式(6)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは2価の有機基または直接結合を示す。)
本発明によれば、スルホン酸基が側鎖に導入されるように規定されていること、連鎖数が規制されポリマー中にランダムに導入されていることから、電極に使用した際に、触媒との反応が効率的に行われるポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに前記ポリアリーレンを含む固体高分子電解質、プロトン伝導膜、および電池用電極が提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。
(スルホン酸基を有するポリアリーレン)
本発明のポリアリーレンは、下記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)で表される構成単位および下記一般式(3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種とからなる。
Figure 0004818579
上記一般式(1)において、mは0〜10の整数を示し、好ましくは、mは0〜3である。
Xは2価の有機基または直接結合を示す。mが1以上である場合、Xは互いに同一でも
異なっていてもよい。このような有機基としては、具体的には、−CO−、−SO2−、
−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF32−などの電子吸引性基、−CH2−、−C(CH32−、−O−
、−S−などの電子供与性基が挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基定数が、フェニル基のm位の場合に0.06以上、p位の場合に0.01以上
の値となる基をいう。Xは電子吸引性基であることが好ましい。
Figure 0004818579
上記一般式(1)において、Xは2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。Xは一般式(1)、(3)の有機基と互いに同一でも異なっていてもよい。このような有機基としては、上述したものと同様の基が挙げられる。Xは電子吸引性基であることが好ましい。
Arで示される芳香族基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基、4−フェニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基などが挙げられる。
Figure 0004818579
上記一般式(3)において、Xは2価の有機基または直接結合を示す。Xは一般式(1)、(2)の有機基と互いに同一でも異なっていてもよい。このような有機基としては、上述したものと同様の基が挙げられる。Xは電子吸引性基であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンにおいて、一般式(1)で表される構成単位同士の連鎖数の平均は1.0〜4.0である。すなわち、一般式(1)のスルホン酸基を有する構成単位は主として長鎖ブロックを構成しない配列でランダムに重合体中に導入され、一般式(1)のスルホン酸基を有する構成単位の両側に一般式(2)または(3)の構成単位が隣接した配列が主構成となっている。本発明の効果を十分に得る観点からは、一般式(1)で表される構成単位は、重合体中の全構成単位に対して20〜80モル%であることが好ましく、より好ましくは35〜65モル%である。
このように、重合体を、一般式(1)、(2)および(3)の構成単位から、上述した各構成単位の比率と上述した配列で構成することによって、スルホン酸基が側鎖に導入され、かつ連鎖数が規制され、電極に使用した際に、触媒との反応が効率的に行われるポリアリーレンおよびその製造方法、ならびに前記ポリアリーレンを含む固体高分子電解質、
プロトン伝導膜、および電池用電極が提供される。
(スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法)
本発明のポリアリーレンは、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物および下記一般式(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを触媒の存在下に重合し、得られた共重合体を加水分解することによって得ることができる。
Figure 0004818579
上記一般式(4)において、Rは炭化水素基を示し、好ましくは炭素原子数4〜20の炭化水素基を示す。具体的には、tert-ブチル基、iso-ブチル基、n-ブチル基、sec-ブチ
ル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。中でもネオペンチル基が好ましい。
Zは塩素、臭素およびヨウ素のうちいずれかのハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示す。一般式(4)中の2つのZで表される各原子または基は互いに同一でも異なっていてもよい。mは0〜10の整数を示し、好ましくは、mは0〜3である。Xは2価の有機基または直接結合を示し、具体的には一般式(1)の構成単位におけるXと同様である。mが1以上である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0004818579
一般式(5)において、Zは塩素、臭素およびヨウ素のうちいずれかのハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示す。Xは2価の有機基または直接結合を示し、具体的には一般式(2)の構成単位におけるXと同様である。このような有機基としては、上述したものと同様の基が挙げられる。Xは電子吸引性基であることが好ましい。Arは芳香族基を表し、具体的には、フェニル基、ナフチル基、4−フェニルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基などが挙げられる。
Figure 0004818579
一般式(6)において、Zは塩素、臭素およびヨウ素のうちいずれかのハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示す。Xは2価の有機基または直接結合を示し、具体的には一般式(3)の構成単位におけるXと同様である。このような有機基としては、上述したものと同様の基が挙げられる。Xは電子吸引性基であることが好ましい。
上述した一般式(4)のモノマーと、一般式(5)のモノマーおよび一般式(6)のモノマーから選ばれる少なくとも1種とから、触媒の存在下で重合を行う。使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
ここで、遷移金属塩としては、具体的には、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。中でも、特に塩化ニッケル、臭化ニッケルが好ましい。
また、配位子成分としては、具体的には、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジ
ン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。中でも、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、具体的には、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。中でも、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
上記触媒系に使用することができる還元剤としては、具体的には、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。中でも、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることによって、さらに活性化して用いることができる。
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、具体的には、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物;フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。中でも、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、重合に用いられるモノマー単位1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
また、還元剤の使用割合は、重合に用いられるモノマー単位1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、重合に用いられるモノマー単位1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
重合溶媒としては、具体的には、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルス
ルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。中でも、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
重合溶媒中における、重合に用いられるモノマーの濃度は、通常、1〜90質量%、好ましくは5〜40質量%である。
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
このように共重合体を得た後、一般式(A)の構成単位に相当する部分におけるスルホン酸エステル基を、公知の方法で加水分解してスルホン酸基とし、本発明のポリアリーレンを得ることができる。
本発明の共重合体中におけるスルホン酸基量は1.2〜2.8meq/g、好ましくは1.5〜2.5meq/gである。1.2meq/g未満では、プロトン伝導度が低く、一方、2.8meq/gを超えると、水溶性となるため好ましくない。
本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、5000〜500000、好ましくは10000〜300000である。5000未満では、機械的強度が低く、耐水性が不十分である。一方、500000を超えると、溶解性が不十分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題がある。
スルホン酸基を有するポリアリーレンの構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)により、6.8〜8.5ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
(高分子固体電解質)
本発明の高分子固体電解質は、上述したようなスルホン酸基を有するポリアリーレンからなる。
本発明の高分子固体電解質は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、直接メタノール型燃料電池用電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能である。
(プロトン伝導膜)
本発明のプロトン伝導膜は、例えば、上述した本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレン(以下、単に「スルホン酸基を有するポリアリーレン」という)を溶剤に溶解して溶液とした後、キャスティングにより基体上に流延し、フィルム状に成形する方法(キャスティング法)などにより、フィルム状に成形して製造される。基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
プロトン伝導膜を調製する際には、スルホン酸基を有するポリアリーレン以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを溶解する溶媒としては、具体的には、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)などの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。非プロトン系極性溶剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレンを溶解させる溶媒として上記した非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いてもよい。アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられ、特にメタノールが幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があり好ましい。アルコールは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒として非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が25〜95質量%、好ましくは25〜90質量%、アルコールが5〜75質量%、好ましくは10〜75質量%の組成の混合物が用いられる。アルコールの量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを溶解させた溶液のポリマー濃度は、スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量にもよるが、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。5質量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40質量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、
基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が
高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬することにより、未乾燥フィルム中の有機溶剤が水と置換され、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後に未乾燥フィルムを水へ浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、例えば、枚葉を水に浸漬するバッチ方式が採用される。あるいは、PETなどの基板フィルム上に成膜された状態で、この積層フィルムごと水に浸漬させるか、または基板から分離した膜を水に浸漬させて巻き取っていく連続方式が採用される。
バッチ方式の場合には、処理フィルムを枠に嵌める方式が、処理されたフィルムの表面における皺形成が抑制される点で好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1質量部に対し、水が10質量部以上、好ましくは30質量部以上の接触比となるようにすることが好ましい。また、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするためには、できるだけ大きな
接触比を維持するのが好ましい。さらに、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量の低減に有効である。プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面が荒れる場合がある。置換速度と取り扱い易さを考慮すると、10〜60℃の温度範囲がより好ましい。
浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間であり、好ましくは30分〜100時間である。
このように、未乾燥フィルムを水に浸漬してから乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られ、プロトン伝導膜中における残存溶媒量は、通常5質量%以下である。
また、例えば、未乾燥フィルムと水との接触比を、未乾燥フィルム1質量部に対して水が50質量部以上とし、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とすることによって、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を1質量%以下とすることができる。
以上説明したように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、0.5〜24時間、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下で真空乾燥することによってプロトン伝導膜が得られる。
こうして得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
本発明のプロトン伝導膜は、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有してもよく、老化防止剤を含有することでプロトン伝導膜としての耐久性をより向上させることができる。
このような分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名
:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイ
ト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などが挙げられる。
これらのヒンダードフェノール系化合物は、スルホン酸基を有するポリアリーレン100質量部に対して0.01〜10質量部の量で使用することが好ましい。
(電池用電極)
本発明の電池用電極は、例えば導電性多孔性粒子に担持された水素還元能を有する触媒微粒子および本発明のスルホン化ポリアリーレンとからなるペーストをガス拡散電極基材に塗布することにより調製される。
導電性多孔性粒子としては、通常ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどの高ストラクチャーで比表面積の大きなものが用いられる。水素還元能を有する触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属、これらの金属とクロム、モリブデン、タングステン、チタン、ジルコニウム、コバルトなどの金属との合金が用いられる。触媒金属の担持量は、導電性多孔性粒子に対して、通常10〜60質量%である。
電極基板は、触媒微粒子および高分子電解質成分からなるペーストをカーボンペーパーやカーボンクロスなどの多孔性ガス拡散電極基材に、ドクターブレードやスプレーなどの塗布法によって塗布することにより調製される。
電極基板の膜厚は、通常5〜100μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記実施例において、スルホン酸当量、分子量の測定と評価は以下のようにして行った。
1.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを、水洗水が中性になるまで洗浄してフリーの残存している酸を充分に除去した。これを乾燥した後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてNaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からスルホン酸当量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有さないポリアリーレンの数平均分子量および重量平均分子量については、基本的に溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの数平均分子量および重量平均分子量については、基本的に溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
3.熱水耐性試験
スルホン化ポリアリーレンのフィルムを、2.0cm×3.0cmにカット、秤量し、熱水耐性試験用のテストピースとした。このフィルムを、ポリカーボネート製の250ml瓶に入れ、そこに約100mlの蒸留水を加え、プレッシャークッカー試験機(HIRAYAMA MFS CORP製 PC−242HS)を用いて、120℃で24時間加温した。試験終了後、各フィルムを熱水中から取りだし、真空乾燥機で5時間乾燥し、水を留去して、熱水試験後の重量を秤量し、重量保持率を求めた。
4.フェントン試薬耐性
市販の30%過酸化水素水を3%になるよう蒸留水で希釈し、これに溶液中Fe(II)イオンが20ppmとなるよう第一硫酸鉄・七水和物を添加し、溶解させ、フェントン試
薬を調整した。この溶液を、250mlポリ瓶に200ml注ぎ、45℃で一定となるようウォーターバスを用いて加温した。溶液が45℃になったのを確認した後、各フィルムを入れて10時間加温した。26時間後、溶液中から固形物を取り出し、一晩風乾して秤量し、重量残存率を求めた。
5.プロトン伝導度の測定
交流抵抗は、5mm幅の短冊状膜試料の表面に、白金線(φ=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスから、プロトン伝導率を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
(1)ポリアリーレンの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた1000mLの3口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル90.3g(225mmoL)、2,5−ジクロロベンゾフェノン69.1g(275mmol)、4−クロロベンゾフェノン1.08g(5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド9.81g(15mmol)、よう化ナトリウム2.25g(15mmol)、トリフェニルホスフィン52.5g(200mmol)、亜鉛78.4g(1200mmol)を加えた。フラスコ内を2時間真空乾燥した後、乾燥窒素置換し、脱水したジメチルアセトアミド(DMAc)373mLを加え、重合を開始した。
反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間重合を続けた。次いで、DMAc1400mLを加えて重合溶液を希釈し、不溶部をろ過した。ろ液を10Lのメタノールに注ぎ、重合体を凝固させた。沈殿した重合体を真空乾燥し、120gのポリアリーレンを得た。GPCで求めた生成物の数平均分子量は39000、重量平均分子量は153000であった。
(2)スルホン化ポリアリーレンの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた300mL3口フラスコに、ポリアリーレン120g、DMAc970mL、臭化リチウム29.3g(338mmol)を加え、120℃で7時間撹拌した。反応溶液を5Lのアセトンに注ぎ、重合体を凝固させた。得られた固体を蒸留水/濃塩酸溶液(3.0L/0.37L)で2度処理した後、蒸留水でpHが中性になるまで洗浄した。70℃で12時間乾燥し、スルホン化ポリアリーレン100gを得た。このポリマーのイオン交換容量は1.97meq/gであった。
実施例1において、4−クロロベンゾフェノンの仕込み量を3.68g(17mmol)に変えた他は、実施例1と同様の操作を行い、ポリアリーレンを得た。GPCで求めた生成物の数平均分子量は14000、重量平均分子量は42000であった。
得られたポリアリーレンを、実施例1と同様の操作によってスルホン化ポリアリーレンに変換した。得られたポリマーのイオン交換容量は1.98meq/gであった。
実施例1、2で得られた共重合体についての諸特性のデータを表1に示した(比較例1としてスルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S-PEEK)を用いた)。
Figure 0004818579

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位;
    Figure 0004818579
    (式(1)中、Xは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)
    と、下記一般式(2)および下記一般式(3)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種とからなり、
    一般式(1)で表される構成単位同士の連鎖数の平均が1.0〜4.0であることを特徴とするスルホン酸基を有するポリアリーレン;
    Figure 0004818579
    (式(2)中、Xは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。)
    Figure 0004818579
    (式(3)中、Xは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)。
  2. 一般式(1)で表される構成単位が全構成単位に対して20〜80モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレン。
  3. 請求項1または2に記載のポリアリーレンからなることを特徴とする高分子固体電解質。
  4. 請求項1または2に記載のポリアリーレンを含むことを特徴とするプロトン伝導膜。
  5. 請求項1または2に記載のポリアリーレンを含むことを特徴とする電池用電極。
  6. 下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物および下記一式(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを重合し、得られた共重合体を加水分解することを特徴とする、下記一般式(1)で表される構成単位同士の連鎖数の平均が1.0〜4.0であるスルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法;
    Figure 0004818579
    (式(1)および(4)中、Rは炭化水素基を示し、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)
    Figure 0004818579
    (式(5)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。)
    Figure 0004818579
    (式(6)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)
  7. 下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物および下記一式(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを重合し、得られた共重合体を加水分解してなる、下記一般式(1)で表される構成単位同士の連鎖数の平均が1.0〜4.0であるスルホン酸基を有するポリアリーレン;
    Figure 0004818579
    (式(1)および(4)中、Rは炭化水素基を示し、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)
    Figure 0004818579
    (式(5)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示し、Arは芳香族基を示す。)
    Figure 0004818579
    (式(6)中、Zはフッ素を除くハロゲン原子、−OSO2CH3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示し、Xは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群から選ばれる2価の有機基または直接結合を示す。)
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