JPWO2003050163A1 - ポリエーテルケトンおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

一次粒子径が50μm以下であることを特徴とするポリエーテルケトン;および、脱塩重縮合反応によりポリエーテルケトンを製造するに際し、ポリマーが析出した状態で重合反応を行なう工程を有することを特徴とするポリエーテルケトンの製造方法が開示される。本発明により得られるポリエーテルケトンは、粒径が小さく、高分子量であり、アルカリ金属分などの不純物が十分少ないものである。

Description

技術分野
本発明は、粒径が小さく、高分子量であり、アルカリ金属分などの不純物が十分少なく、例えばコーティング材料、さらには、電気・電子部品用材料あるいは半導体や電気・電子部品の製造に用いられる治具の材料等として好適な微粉状ポリエーテルケトンおよびその製造方法に関する。
背景技術
芳香族ポリエーテルケトンは、優れた耐熱性、耐薬品性、成形加工性、機械特性、電気的特性を有しており、電子部品、半導体プロセス用冶具、自動車などの機械部品、OA機器など幅広く用いられている。
芳香族ポリエーテルケトンの製法については、大別して2つの重合ルートがある。1つは芳香族求電子置換反応であり、もう1つは芳香族求核置換反応である。芳香族求電子置換反応としては、例えば、溶媒にニトロベンゼンを用いることによってポリエーテルケトンを得る方法(米国特許第3,065,205号明細書参照)、また、溶媒にジクロロメタンを用いることにより、わずかに分子量が上昇したとの報告(英国特許第971,227号参照)等がある。しかしながら、いずれもその分子量は極めて低いものであった。
また、米国特許第3,442,857号明細書には、溶媒に液体フッ化水素を用いたHF/BF系において、芳香族求電子置換反応により高分子量ポリエーテルケトンが得られたとの記載がある。しかしながら、これらの芳香族求電子置換反応によるポリエーテルケトンの製法は、高分子量体が得にくいこと、芳香環における反応位置が限定しにくいことから直鎖状ポリマーが得にくく、そのため熱物性に劣ること、また得られた場合においても、毒性の高い強酸性溶媒を用いる必要があることから、中和・脱酸処理などの工程が不可欠となり、工業的に好ましくない。
更に、溶媒にポリリン酸を用いた芳香族求電子置換反応による直接脱水重縮合によって、低分子量ポリエーテルケトンが得られることも知られている(J.Polym.Sci.A−1,6,3345(1968)参照)。しかしながら、この系では、ポリリン酸を用いることから、得られるポリエーテルケトンに不純物としてリン分が残留するため、好ましくない。
英国特許第1,387,303号には、HF/BFを直接脱水重縮合法に用いた場合にも、同様に高分子量体が得られたとの記載がある。しかしながら、毒性の高い強酸性溶媒を用いる必要があることから、やはり工業的に好ましくない。
一方、芳香族求核置換反応によるポリエーテルケトンの重合は、アルカリ金属化合物を触媒として、芳香族ジオールのアルカリ金属塩を生成した後、ハロゲン化ベンゾフェノン化合物との重縮合反応によって合成することができることが知られている(J.Polym.Sci.A−1,,2375(1967)参照)。上述の芳香族求核置換反応は、重縮合の際に、ハロゲン化アルカリ金属塩が脱離することから脱塩重縮合法と呼ばれている。通常、この方法では、ポリマーが溶剤に溶解した状態で反応することにより重合が進行する。しかしながら、例えばポリエーテルエーテルケトンといった溶剤への溶解性が低いポリマーは、低分子量の段階で析出し、その後の重合反応が進行しないため、高分子量のポリマーを得ることができなかった。
なお、脱塩重縮合法においては、芳香族ジオールのアルカリ塩が生成する際に副生する水を反応系外に十分除去することが重要であるといわれている。例えば特公昭42−7799号公報では、重合反応において、反応前および反応の間溶剤を無水状態に保つことが必須である、と記載されており、水を系外に除去するため、水の共沸溶媒としてベンゼンやトルエンを用いて留去する方法や、留出した水をモレキュラーシーブにて吸着除去する方法が取られている。
溶剤への溶解性の低いポリエーテルエーテルケトンは、極めて高温で反応を行うことにより、ポリマーを常に溶解した状態に保つことで、高分子量物を得ている。しかしながら、この方法は、極めて高温で重合反応を行なう必要性がある上に、精製には極めて煩雑なプロセスが必要となっている。Macromolecules,23,4029(1990)には、ポリエーテルエーテルケトンの製造において、ジフェニルスルホンを溶媒として用いた場合、生成するポリマーが析出する280℃以下の重合温度では分子量が上がらないと記載されている。また、同様に、ジフェニルスルホンを重合溶媒に用い、生成ポリマーを溶解状態に保つために段階的に温度を上昇させ、最終的には320℃において反応を実施しているものもある(特公昭60−32642号公報参照)。以上のように、ポリエーテルエーテルケトンの従来の製造方法では、高分子量体を得るために極めて高温で重合反応を実施することが必要であった。
しかしながら、上述のように溶液重合を行なうため、極めて高温で反応することにより、ポリマーのゲル化や分解反応が起こり、分子量分布が広くなることが懸念されるだけでなく、経済面、環境面からも好ましくない。更に反応終了後、反応液を冷却すると生成ポリマーが触媒やアルカリ金属塩とともに凝固するため、ポリマーを精製するためには、細かく粉砕するプロセスが必要であった。
また、成形物やコーティングとして優れた機械強度を有するに十分な高分子量のポリマーを機械的に微粉砕する事は極めて困難であり、いかに洗浄を強化しても、アルカリ金属分が20ppm以下のポリマーを得ることはできなかった。
以上のことから、従来と同等の分子量、機械物性等の諸物性を有し、かつ、ポリマー粒子径が従来品よりも十分小さく、アルカリ金属分などの不純物が従来品よりも十分少ないポリエーテルケトンおよびその製造方法が求められていた。
発明の開示
本発明の目的は、コーティング材料として優れる微粉末の、さらには、電気・電子部品用材料あるいは半導体や電気・電子部品の製造に用いられる治具の材料として優れる高純度のポリエーテルケトンを提供することである。より具体的には、本発明の目的は、従来法で得られるポリエーテルケトンよりも、粒径が小さく、高分子量であり、アルカリ金属分などの不純物が十分少ないポリエーテルケトンおよびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、脱塩重縮合反応において、ポリマーが析出した状態で重合反応することにより、好ましくは反応初期に水を共存させた状態で、生成するポリマーが析出した状態でも重合反応することにより、得られるポリエーテルケトンの平均粒径や一次粒子径が十分に小さく、アルカリ金属分、揮発成分などの不純物を容易に除去できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、一次粒子径が50μm以下であることを特徴とするポリエーテルケトン、ならびに、脱塩重縮合反応によりポリエーテルケトンを製造するに際し、ポリマーが析出した状態で重合反応を行なう工程を有することを特徴とするポリエーテルケトンの製造方法に関する。
本発明により得られるポリエーテルケトンは、粒径が非常に小さいため、特にコーティング用途における塗工性に優れ、また不純物が非常に少なく高温時のアウトガス発生量も非常に少ないため、電気・電子部品や半導体用途に求められるクリーン特性に優れるものである。
発明を実施するための最良の形態
本発明におけるポリエーテルケトンとは、特に制限はなく、繰り返し単位構造にカルボニル結合およびエーテル結合を含むポリマーであり、好ましくは、下記構造式(1)で表される繰り返し単位構造からなるポリマーである。
Figure 2003050163
(式中、mは1〜4の整数を示し、Arは下記式(2)のいずれかを示す。)
Figure 2003050163
(式中、Aは、直接結合、−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−CH(CH)−、または−C(CH−を示し、lは0から4の整数を示す。)
本発明におけるポリエーテルケトンで、上述の構造以外のものとしては、下記構造式(3)および(4)で表される繰り返し単位構造からなるポリマーが挙げられる。
Figure 2003050163
本発明のポリエーテルケトンは、一次粒子径が50μm以下であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。本発明における一次粒子とは、ポリエーテルケトン粒を形成する球状粒子を指し、粒の顕微鏡観察などにより確認することができる。ここで、一次粒子が凝集し、粒を形成している場合もあるが、本発明における一次粒子とは、粒を形成する粒子1つ1つを示す。
一次粒子径が50μmより大きい場合には、反応時に用いる触媒や複製するアルカリ金属塩の除去が困難となり、高純度のポリマーを得ることができない。ここで、粒が一次粒子の凝集により形成されている場合であっても、一次粒子同士は表面で弱く結着しているにすぎず、その界面には隙間があるため、一次粒子径が十分に小さければ、十分な精製効果が得られる。さらに、電気的あるいは機械的に分散させることも容易である。なお、一次粒子が機械的に粉砕された粒は、その破壊面が鋭利であることから、一次粒子とは明確に区別することができる。
本発明のポリエーテルケトンは、さらに平均粒子径が100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。
本発明における平均粒子径とは、レーザー回折散乱法により、粒子の屈折率を1.65として水中に分散させた粒子の粒子径分布を測定した場合における累積度数50%の粒子径を指す。また、一次粒子径とは、ポリエーテルケトン粒子を顕微鏡などを用いて拡大して観察した際に、球状粒子が凝集してより大きな粒子を形成している場合は、その球状粒子を指す。
本発明のポリエーテルケトンの製造方法については、特に制限はなく、芳香族求電子置換反応であるフリーデルクラフト反応、直接脱水重縮合法、または芳香族求核置換反応である脱塩重縮合反応などを用いることが出来る。特に、脱塩重縮合反応が好ましく、脱塩重縮合反応によりポリエーテルケトンを製造するに際しポリマーが析出した状態で重合反応を行うことがより好ましい。
本発明における脱塩重縮合反応とは、例えば、Polymer,25,1827(1984)に記載されているように、アルカリ金属化合物を触媒として、芳香族フェノール類のアルカリ金属塩を生成した後、ハロゲン化芳香族化合物との反応の際に、ハロゲン化アルカリ金属塩が脱離することにより重合が進行する反応である。一般に、芳香族ポリエーテルケトン製造の場合には、芳香族フェノール類として芳香族ジオール、ハロゲン化芳香族化合物としてジハロゲン化ベンゾフェノンが用いられる。
本発明における、ポリマーが析出した状態で重合反応を行うとは、ポリマーが析出した後もその分子量が増加する反応を示す。代表的な反応状態としては、例えば、反応の初期段階にモノマー及び/又はオリゴマーが溶解し、反応溶液が一度均質な溶液となった後、反応の進行と共にポリマーが析出し、反応溶液がスラリー状となっても反応を継続することにより、析出時に比べ分子量が増加していく状態が挙げられる。ここで、析出後における分子量の増加の程度に特に指定はないが、反応終了時のポリマーの還元粘度(ηinh)が、析出時の還元粘度(ηinh)に比べ、0.1dl/g以上増加することが好ましく、0.2dl/g以上増加することがより好ましい。
なお、従来の脱塩重縮合反応においては、析出したポリマーは反応性が著しく低く、析出後の分子量の増大は無いとされてきた。しかしながら、脱水反応である芳香族フェノール類のアルカリ金属塩形成時に、好ましくは反応系中に水を存在させることにより、芳香族フェノール類及び/又はポリマーの末端フェノールのアルカリ金属塩形成が促進され、結果として、析出後にも重合反応が進行し、ポリマー分子量が増加する。また、反応系中に水を存在させることにより、架橋反応の進行によるゲル化物の生成を抑えることができ、重合度の再現性が向上し易い傾向にある。ここで、反応系中の水の存在量に特に限定はないが、用いる芳香族フェノール類に対し0.01〜10モル倍、より好ましくは0.5〜2モル倍程度の量で十分である。
反応系への水の供給方法としては、反応初期の原料装入時あるいは反応中に水を添加して、原料や溶剤が吸湿により含有する水をそのまま用いる方法がある。また、それ以外にも、反応により生成する縮合水の全部あるいは一部を系中に戻す等の方法を取ることができる。なお、反応の終期には、添加または縮合により生成した水を系外に留去することが好ましい。
本発明において、脱塩重縮合反応によりポリエーテルケトンを製造する場合に用いることのできる芳香族フェノール類としては、下式で表される芳香族ジオール化合物などが挙げられる。
Figure 2003050163
(式中、Aは直接結合、−O−、−SO−、−CO−、−CH−、−CH(CH)−、または−C(CH−を示し、lは0から4の整数を示す。)
これらの芳香族ジオールは、単独で用いても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。芳香族ジオールの好ましい具体例としては、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)エーテルなどが挙げられる。なかでも、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンが好ましい。
本発明に用いることのできるジハロゲン化ベンゾフェノンとしては、例えば、下式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2003050163
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、mは1〜4の整数を示す。)
具体的には、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンなどが挙げられる。
また、同一分子内に水酸基とハロゲン基の両方を有する化合物についても、同様の重縮合を行なうことができる。この反応に用いることのできる化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
本発明に用いることのできるその他のモノマーとしては、例えば、下式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2003050163
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示し、nは0から4の整数を示す。)
具体的には、イソフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、ジフェニルエーテル、p−フェノキシ安息香酸などが挙げられる。
本発明において、ジオールとジハロゲン化物とのモル比は重合度を決める重要な因子であり、好ましくは、ジオール:ジハロゲン化物=0.8〜1.2:1.2〜0.8の範囲であり、更に好ましくはジオール:ジハロゲン化物=0.9〜1.1:1.1〜0.9である。
本発明におけるポリエーテルケトンの反応過程は、例えば、次に示す通りである。
Figure 2003050163
本発明に用いることのできるアルカリ金属化合物としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムなどの炭酸水素塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどの水酸化物;などが挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。これらアルカリ金属化合物の使用量は、2価の化合物の場合は、好ましくはジオール化合物1モルに対して1〜2モルであり、1価の化合物の場合は、好ましくはジオール化合物1モルに対して2〜4モルである。これら好適範囲は、ジオール化合物のアルカリ金属塩を十分に生成させ、重合度を上げる点、および、過剰のアルカリ金属化合物が生成したポリマーを加水分解しないようにして、重合度を低下させない点に意義がある。
本発明において用いることのできる溶媒としては、例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジメチルイミダゾール−2−オンなどが挙げられる。これらの使用量については特に制限はないが、全モノマー重量の1〜50倍程度が好ましい。
本発明における反応温度は、150〜250℃が好ましい。この好適範囲は、反応速度の点、および、ポリマーが溶解したまま反応が進行しないようにして、ゲル化反応や分解反応を抑制する点、さらに、反応終了後の冷却時にポリマーが触媒やアルカリ金属塩と共に凝固するのを抑制し、微粉末で高純度のポリマーを得る点において意義がある。
反応雰囲気としては、ジオールのアルカリ金属塩の酸化を防止するため、酸素を避け、窒素、アルゴンといった不活性ガス雰囲気を用いることが好ましい。
本発明のポリエーテルケトンの製造において、反応を停止させるためには、反応物を冷却すればよい。ここで、ポリマー末端にフェノキサイド基が存在する場合は、得られたポリマーの熱特性が悪化しないように、反応物を冷却する前に脂肪族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物などを添加してフェノキサイド基を安定化することが好ましい。これらハロゲン化物の具体例としては、塩化メチル、塩化エチル、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、p−クロロニトロベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4−クロロジフェニルスルホンなどが挙げられる。なお、反応を停止するためのハロゲン化合物量は、用いた芳香族ジオールに対し0.01〜0.2モル倍で十分である。
本発明のポリエーテルケトンの製造において、反応終了時に得られるポリエーテルケトンは、一次粒子径が50μm以下であることから、共存する触媒、アルカリ金属塩、残存モノマー類を容易に除去することができる。本発明において、その精製方法に特に制限はなく、例えば、純水、塩酸水、アルコール、アセトン等を用いた精製処理により、容易に高純度のポリエーテルケトンを得ることができる。
本発明により得られるポリエーテルケトンの不純物含有量(代表的にはアルカリ金属分)は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。含まれるアルカリ金属が少なければ、使用の際の環境によっても含有する金属分が溶出せず、絶縁破壊電圧が低下せず、機械強度が低下しなくなるので好ましい。
本発明のポリエーテルケトンは、240℃で30分保持した際に発生するアウトガス量がトルエン換算で、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは70ppm以下である。発生するアウトガス量が少なければ、例えば真空蒸着装置等の塗膜、シール等に用いた際に、真空度が経時的に低下することがなくなり、発生するガスが被蒸着物を汚染する等の問題が生じないので好ましい。
本発明により得られるポリエーテルケトンは、その重合度が、ポリエーテルケトン0.5gをp−クロロフェノール90重量%/フェノール10重量%混合溶媒100ミリリットルに溶解し、35℃において、ウベローデ粘度計で測定した場合の還元粘度(ηinh)にして、好ましくは0.5〜2.0dl/gであり、より好ましくは0.7〜1.5dl/gである。また、ポリエーテルケトンの重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定におけるポリスチレン換算分子量にして、数平均分子量(Mn)が好ましくは30,000〜80,000、より好ましくは30,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは150,000〜350,000である。重合度が高ければ、塗膜あるいは成形物として十分な機械強度を有するので好ましい。
本発明により得られるポリエーテルケトンは、従来のポリエーテルケトンが供される用途において、従来のポリエーテルケトンと同様に用いることができる。さらに、本発明により得られるポリエーテルケトンは、粒子径が小さく、不純物の含有量が少ないので、コーティング材料として好適であり、優れた塗膜を得ることができる。コーティングに際しては、粒径が小さいので、例えば、粉体塗装、静電塗装、溶媒に分散したスラリー塗装等に供することができる。なかでも、電気、電子、半導体部品製造工程における、配管、洗浄浴や、蒸着装置等のコーティング材として好適である。
本発明により得られるポリエーテルケトンは、含有するアルカリ金属分や揮発性不純物が非常に少ないので、従来のポリエーテルケトンでは用いることのできなかった、電気・電子部品や半導体部品、これらを製造する際の装置、治具用の材料として好適である。具体的には、例えば、フィルム、ベルト、ICトレー、ICソケット、ウェハーキャリア、表示基板キャリアー、コネクター、ソケット、ボビン、ハードディスクキャリアー、水晶発信器製造用トレー、プラズマリング、シールリング、配管フランジ等に好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例中の各評価の測定方法を以下に示す。
還元粘度(ηinh):ポリエーテルケトン0.5gを、p−クロロフェノール90重量%/フェノール10重量%混合溶媒100ミリリットルに溶解し、35℃において、ウベローデ粘度計で測定した。
分子量(数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw):ポリエーテルケトン0.5gを、p−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶媒100ミリリットルに溶解し、GPCにより、40℃において、p−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶媒を溶離液として測定したポリスチレン換算分子量を求めた。
一次粒子径:レーザー顕微鏡を用い、倍率20倍で観察した像より一次粒子の有無を確認し、一次粒子の直径を測定した。
平均粒子径:レーザー回折散乱法により、粒子の屈折率を1.65として水中に分散させた粒子の粒子径分布を測定した後、累積度数50%の粒径を平均粒子径とした。
アルカリ金属分:ポリエーテルケトン2gを石英製コニカルビーカーに採り、硫酸10ミリリットルを加えヒーターで過熱して有機物を分解し、さらに硝酸を少しずつ加えて炭化させて得られる透明の溶液を定容したものをICP(イオンクロマト発光法)により測定し、アルカリ金属の標準液と比較して含有量を決定した。
アウトガス:ポリマーを240℃で30分加熱保持、発生したガスを−120℃でコールドトラップ後、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)によって、毎分10℃で250℃まで昇温したガスを測定、トルエン換算値として定量化した。
<実施例1>
撹拌機、窒素導入管、冷却器、温度計を備えたフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン43.64g(0.2mol)、ヒドロキノン21.80g(0.198mmol)、無水炭酸ナトリウム22.26g(0.21mol)、N−メチル−2−ピロリドン660gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら205℃まで加熱した。加熱開始後、溶媒とともに水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮して反応系内に戻り、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。加熱開始から3時間後に溶液中にポリマーが析出した。この際、反応マスの一部をサンプリングした。更にその状態で5時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。濾過により回収した固形物を希塩酸水、メタノールおよびアセトンで洗浄し、重合触媒と無機塩を除いた。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して56.29gのポリマーを得た(収率98%)。
得られたポリマーの平均粒子径は44μm、一次粒子径は18μm、ηinhは0.86dl/g、数平均分子量Mnは34,000、重量平均分子量Mwは208,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は65ppmであった。レーザー顕微鏡にて観察したポリマー粒子像を図1に示した。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.27dl/gであった。
<実施例2>
加熱開始から重合停止するまでの時間を9時間とした他は実施例1と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は47μm、一次粒子径は20μm、ηinhは0.95dl/g、数平均分子量Mnは36,000、重量平均分子量Mwは221,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は68ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであった。
<実施例3>
N−メチル−2−ピロリドンの代わりに1,3−ジメチルイミダゾリジノンを用い、反応温度を220℃、加熱開始から重合停止するまでの時間を4時間とした他は実施例2と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は44μm、一次粒子径は18μm、ηinhは0.93dl/g、数平均分子量Mnは35,000、重量平均分子量Mwは181,000、含有アルカリ金属分は7ppm、アウトガス量は55ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであった。
<実施例4>
ヒドロキノンの代わりに4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンを用い他は実施例2と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は42μm、一次粒子径は18μm、ηinhは0.90dl/g、数平均分子量Mnは32,000、重量平均分子量Mwは180,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は50ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであった。
<実施例5>
ヒドロキノンの代わりに4,4’−ジヒドロキシビフェニルを用い他は実施例2と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は44μm、一次粒子径は17μm、ηinhは0.89dl/g、数平均分子量Mnは32,000、重量平均分子量Mwは180,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は53ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.27dl/gであった。
<実施例6>
撹拌機、窒素導入管、冷却器、温度計を備えたフラスコに、4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン43.24g(0.2mol)、無水炭酸ナトリウム22.26g(0.21mol)、N−メチル−2−ピロリドン405gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら205℃まで加熱した。加熱開始後、溶媒とともに水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮して反応系内に戻り、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。加熱開始から約3時間後に溶液中にポリマーが析出した。この際、反応マスの一部をサンプリングした。更にその状態で5時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。濾過により回収した固形物を希塩酸水、メタノールおよびアセトンで洗浄し、重合触媒と無機塩を除いた。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して34.54gのポリマーを得た(収率98%)。
得られたポリマーの平均粒子径は40μm、一次粒子径は15μm、ηinhは0.87dl/g、数平均分子量Mnは32,500、重量平均分子量Mwは204,000、含有アルカリ金属分は7ppm、アウトガス量は60ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.25dl/gであった。
<実施例7>
撹拌機、窒素導入管、冷却器、温度計を備えたフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン43.64g(0.2mol)、ヒドロキノン21.80g(0.198mol)、無水炭酸ナトリウム22.26g(0.21mol)、N−メチル−2−ピロリドン660gおよび水3.6gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら205℃まで加熱した。加熱開始後、溶媒とともに水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮して反応系内に戻り、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。加熱開始から3時間後に溶液中にポリマーが析出した。この際、反応マスの一部をサンプリングした。更にその状態で5時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。濾過により回収した固形物を希塩酸水、メタノールおよびアセトンで洗浄し、重合触媒と無機塩を除いた。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して56.38gのポリマーを得た(収率98%)。
得られたポリマーの平均粒子径は42μm、一次粒子径は16μm、ηinhは0.88dl/g、数平均分子量Mnは34,500、重量平均分子量Mwは209,000、含有アルカリ金属分は7ppm、アウトガス量は62ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.28dl/gであった。
<実施例8>
撹拌機、窒素導入管、留出物分液器および冷却器、温度計を備えた100mlフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン3.277g(15.02mmol)、ヒドロキノン1.652g(15.00mmol)、無水炭酸カリウム2.21g(16mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン50mlを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら230℃まで加熱した。加熱開始後、温度が上昇するとともに水と溶媒の留出が開始し、留出分は凝縮後モレキュラーシーブを通して水を除去し、反応系内に戻しながら反応を続けた。加熱開始から1時間後に溶液中にポリマーが析出した。この際、反応マスの一部をサンプリングした。更にその状態で6時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。濾過により回収した固形物を希塩酸水、メタノールおよびアセトンで洗浄し、重合触媒と無機塩を除いた。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して4.29gのポリマーを得た(収率99%)。
得られたポリマーの平均粒子径は41μm、一次粒子径は17μm、ηinhは0.91dl/g、数平均分子量Mnは32,000、重量平均分子量Mwは180,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は67ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.26dl/gであった。
<実施例9>
撹拌機、窒素導入管、冷却器、温度計を備えたフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.9100g(50mmol)、ヒドロキノン5.5055g(50mmol)、無水炭酸カリウム7.2560g(52.5mmol)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン130gを装入した。その後、この溶液を撹拌し、窒素ガスを通じながら224℃まで加熱した。加熱開始後、溶媒とともに水の蒸発が生じ、それらの一部は冷却器にて凝縮して反応系内に戻り、一部は窒素ガスの流通により、冷却管上部から系外へ留去された。加熱開始から1時間後に溶液中にポリマーが析出した。この際、反応マスの一部をサンプリングした。更にその状態で1時間反応を行なった後、反応容器を冷却し、重合を停止した。濾過により回収した固形物を希塩酸水、メタノールおよびアセトンで洗浄し、重合触媒と無機塩を除いた。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して14.09gのポリマーを得た(収率99%)。
得られたポリマーの平均粒子径は40μm、一次粒子径は17μm、ηinhは0.87dl/g、数平均分子量Mnは32,500、重量平均分子量Mwは204,000、含有アルカリ金属分は8ppm、アウトガス量は62ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.26dl/gであった。
<実施例10>
反応時間を4時間とした他は実施例9と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は43μm、一次粒子径は19μm、ηinhは1.32dl/g、数平均分子量Mnは49,000、重量平均分子量Mwは298,000、含有アルカリ金属分は7ppm、アウトガス量は65ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.32dl/gであった。
<実施例11>
1,3−ジメチルイミダゾリジノンの代わりにN−メチル−2−ピロリドンを用い、反応温度を204℃とした他は実施例9と同様に重合を実施し、ポリマーを得た。得られたポリマーの平均粒子径は41μm、一次粒子径は19μm、ηinhは1.05dl/g、数平均分子量Mnは40,000、重量平均分子量Mwは242,000、含有アルカリ金属分は7ppm、アウトガス量は60ppmであった。なお、析出時にサンプリングした反応マスを同様に洗浄、乾燥して得られたポリマーのηinhは0.29dl/gであった。
<実施例12>
撹拌機、窒素導入管、冷却器、滴下ロート、温度計を備えたフラスコに、ニトロベンゼン50mlと塩化アルミニウム10gを装入した。その後、ジフェニルエーテル4.25gおよびイソフタル酸クロライド5.07gをニトロベンゼン25mlに溶解した溶液を攪拌しながら各々滴下した。反応液を65℃に保ち14時間反応した後、メタノール200mlに投入した。ろ過により回収した白色固形物を希塩酸水、メタノールで洗浄した後、65℃で減圧乾燥して6.9gのポリマーを得た(収率93%)。
得られたポリマーの平均粒子径は48μm、一次粒子径は19μm、ηinhは0.20dl/g、含有アルカリ金属分は1ppm以下、アウトガス量は105ppmであった。
<実施例13>
p−フェノキシ安息香酸14.15gを乾燥雰囲気下チューブに装入し、−80℃まで冷却した後、フッ化水素13.2gとフッ化ホウ素26.6gを加えた。−20℃で2時間、40℃で2時間反応した。得られた固形物をメタノール洗浄後、室温で減圧乾燥して11.67gのポリマーを得た(収率90%)。
得られたポリマーの平均粒子径は43μm、一次粒子径は16μm、ηinhは0.53dl/g、含有アルカリ金属分は1ppm以下、アウトガス量は78ppmであった。
<比較例>
撹拌機、窒素導入管、留出物分液器、トラップ付き冷却器、温度計を備えたフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン10.91g(50mmol)、ヒドロキノン5.51g(50mmol)、無水炭酸カリウム7.26g(52.5mmol)、ジフェニルスルホン130gを装入した。この溶液を攪拌し、窒素ガスを通じながら段階的に320℃まで加熱し、原料は完全に溶解していた。生成した水分はトラップ付き冷却器により凝縮することで反応系外へ除去した。3時間反応を行なった後、反応容器を冷却し重合を停止した。得られた固形物を粉砕後、水とアセトンで洗浄し、溶媒と無機塩を除去した。その後、窒素流通下、200℃で2時間乾燥して13.52gのポリマーを得た(収率94%)。
得られたポリマーの平均粒子径は80μm、顕微鏡観察の結果、粉砕して得られた粒は球状ではなく鋭利であり、球状の粒子が凝集した形態ではなかった。レーザー顕微鏡にて観察したポリマー粒子像を図2に示した。ηinhは0.90dl/g、数平均分子量Mnは39,000、重量平均分子量Mwは254,000、含有アルカリ金属分は130ppm、アウトガス量は380ppmであった。
以上のとおり、本発明の実施例によって得られたポリエーテルケトンは、平均粒子径が100μm以下であり、一次粒子径が50μm以下、含まれるアルカリ金属分が20ppm以下、アウトガス量が100ppm以下、還元粘度が0.5〜2.0dl/g、数平均分子量(Mn)が30,000〜80,000、重量平均分子量(Mw)が150,000〜350,000というものであった。これらは従来法で製造されたポリエーテルエーテルケトンでは使用することが出来なかった電気・電子部品、半導体用途やコーティング用途に好適に供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られたポリマー粒子像をレーザー顕微鏡にて観察したものである。
図2は、比較例で得られたポリマー粒子像をレーザー顕微鏡にて観察したものである。

Claims (5)

  1. 一次粒子径が50μm以下であることを特徴とするポリエーテルケトン。
  2. ポリエーテルケトン0.5gをp−クロロフェノール90重量%/フェノール10重量%混合溶媒100ミリリットルに溶解し、35℃においてウベローデ粘度計で測定した場合の還元粘度(ηinh)が、0.5〜2.0dl/gである請求項1記載のポリエーテルケトン。
  3. アルカリ金属分の含有量が20ppm以下である請求項1記載のポリエーテルケトン。
  4. 脱塩重縮合反応によりポリエーテルケトンを製造するに際し、ポリマーが析出した状態で重合反応を行なう工程を有することを特徴とするポリエーテルケトンの製造方法。
  5. 反応の初期段階ではモノマー及び/又はオリゴマーは溶液中に溶解し、反応の進行と共にポリマーが析出して反応溶液がスラリー状となっても、水の存在下に重合反応を継続する請求項4記載のポリエーテルケトンの製造方法。
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