JP2015124225A - ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

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Koji Yamauchi
幸二 山内
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Abstract

【課題】ブロック共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントの分子量が低く、ポリフェニレンスルフィドセグメントに起因する特性が不十分であるという課題を解消したポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法を提供することにある。【解決手段】ブロック共重合体の反応に用いるポリフェニレンスルフィドとして、少なくとも環式ポリフェニレンスルフィドと反応性官能基を有するスルフィド化合物を加熱して得られるポリフェニレンスルフィド(A)を用いることを特徴とする、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明はポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法に関し、原料に環式ポリフェニレンスルフィドと反応性官能基を有するスルフィド化合物を含む混合物を加熱することにより得られるポリフェニレンスルフィドを用いることを特徴とする、耐熱性、耐薬品性に優れるポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法に関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは優れた耐熱性、バリア性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性、難燃性などエンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有する樹脂である。特に、ポリフェニレンスルフィド樹脂は射出成形、押出成形により各種成形部品、フィルム、シート、繊維などに成形可能であり、各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品など耐熱性、耐薬品性の要求される分野に幅広く用いられている。
一方で、ポリフェニレンスルフィド樹脂はナイロンやポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックと比較して耐衝撃性や靭性、成形加工性の面で劣っており、それらの改善のためこれまでに異種のポリマーとの複合化が試みたれてきた。代表的な複合化手法として、ポリフェニレンスルフィドと他の異種ポリマーとをブレンドしポリマーアロイとする方法、また異種のポリマーと化学的に結合させブロック共重合体とする方法などがあり、このなかでもブロック共重合化は、他の複合化手法と比較して均質かつ微細な相分離構造を形成することが可能であるため、ポリフェニレンスルフィド改質手法としてこれまで種々の検討がなされてきた。例えば特許文献1にはポリスルホン成分ブロックを含むポリフェニレンスルフィド共重合体が開示されており、この共重合体はブレンド混合物と比較して曲げ強度や耐衝撃性が向上している。ところで、この共重合体はまず両末端にクロロ基を有するポリスルホンを合成し、次いでクロロ末端ポリスルホン存在下でポリフェニレンスルフィドの重縮合を行うという手法により製造されているが、この手法では得られる共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントの分子量が高くなりにくいという問題点があり、そのためポリフェニレンスルフィドの特性が十分に発現しているとは言い難い方法であった。
その他ポリフェニレンスルフィドとの共重合成分としては、例えばポリフェニレンスルフィドケトン(例えば特許文献2、3参照。)、ポリエーテルスルホン(例えば特許文献4および非特許文献1参照。)、ポリスルフィドスルホン(例えば特許文献5参照。)、ポリエーテルエーテルケトン(例えば特許文献6参照。)、ポリエーテルイミド(例えば特許文献7参照。)、液晶ポリエステル(例えば特許文献8および非特許文献2参照。)が開示されているものの、いずれの共重合体も末端を反応性の低いクロロ基化したポリフェニレンスルフィドの存在下に異種のポリマーを重縮合法により共重合化する、ポリフェニレンスルフィド以外の共重合成分のホモポリマーの存在下にポリフェニレンスルフィドを重縮合法により共重合化する、もしくは末端反応性の低いポリフェニレンスルフィドを用いた異種のポリマーとの末端反応による共重合化による方法により製造されており、やはりブロック共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントの分子量が低くなる、もしくはホモポリマーが残存するなどの課題が残されている。
また、ポリフェニレンスルフィド成分ブロックを含む共重合体として、ポリアクリル酸エステルとの共重合体が特許文献9に開示されている。開示文献によれば、ジスルフィド結合を部分的に有するポリフェニレンスルフィドとアクリル酸エステルとをラジカル開始剤の存在下で加熱することにより、ジスルフィド結合へのラジカル連鎖移動が起き、その結果ポリフェニレンスルフィドとポリアクリル酸エステルとの共重合体が得られる。しかしながら、この方法ではポリフェニレンスルフィド中に安定性に乏しいジスルフィド結合の導入が必須であり、産業利用上の課題が多くあるのが現状であった。
特開昭61−225218号公報 特開平2−133428号公報 特開平2−229857号公報 特開2004−168834号公報 特開平2−2359929号公報 特開平2−228324号公報 特開昭64−045433号公報 特開平11−222527号公報 特開平4−505182号公報
Journal of Applied Polymer Science、61巻、1607〜1614ページ、1996年 Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry、36巻、2707〜2713ページ、1998年
従来手法では合成が困難であった、単峰性の分子量分布を有し、均質な組成分布を有するポリフェニレンスルフィド成分ブロックを含む共重合体であって、共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントが高分子量であり、耐熱性、耐薬品性などのポリフェニレンスルフィドの特性が十分に発現するポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明はかかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.少なくとも環式ポリフェニレンスルフィド、および環式ポリフェニレンスルフィドにおけるフェニレンスルフィド構造単位1モル当たりに対し、下記一般式(I)で表される反応性官能基を有するスルフィド化合物を0.1〜25モル%を含む混合物を加熱することにより得られるポリフェニレンスルフィド(A)と、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンから選ばれる少なくとも1種のポリマーを加熱することを特徴とする、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
Figure 2015124225
(ここで、一般式(I)におけるX、Yは少なくとも一方がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基、もしくはそれら誘導体から選ばれる官能基であり、pは0〜20の整数を表し、整数は単一でも複数の混合物でも良い。)。
2.環式ポリフェニレンスルフィドが、下記一般式(II)で表される環式ポリフェニレンスルフィドを50重量%以上含み、かつ式中i=4〜50からなる単量体もしくは混合物であることを特徴とする1項記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
Figure 2015124225
3.ポリフェニレンスルフィド(A)を、少なくとも環式ポリフェニレンスルフィドと、前記一般式(I)で表される反応性官能基を有するスルフィド化合物を含む混合物を溶媒の非存在下で加熱して調製することを特徴とする、1または2項のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
4.前記一般式(I)で表されるスルフィド化合物における反応性官能基が、アミノ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基から選ばれる官能基であることを特徴とする1〜3項のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
5.ポリフェニレンスルフィド(A)と、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンから選ばれる少なくとも1種のポリマーを、溶媒の非存在下で加熱することを特徴とする、1〜4項のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
本発明によれば、共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントが高分子量であるポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法を提供することができ、これにより従来製造方法による耐熱性、耐薬品性といったポリフェニレンスルフィドの特性に劣るという課題を解消することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体
本発明のブロック共重合体は、少なくとも2つのポリマー成分ブロックを含み、そのうち少なくとも1つは環式ポリフェニレンスルフィドおよび反応性官能基を有するスルフィド化合物を含む混合物を加熱することにより得られるポリフェニレンスルフィド(A)を原料とするブロック共重合体である。
本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を形成するポリフェニレンスルフィドセグメントの分子量に特に制限はないが、例えば数平均分子量で6,000以上であることが好ましく例示でき、7,000以上であることがより好ましく、8,000以上であることがさらに好ましく、10,000以上であることが特に好ましい。また、その条件は100,000以下であることが好ましく、80,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることが特に好ましく例示できる。ブロック共重合体における、ポリフェニレンスルフィドセグメントの数平均分子量が小さくなると、得られるブロック共重合体の耐熱性や耐薬品性といったポリフェニレンスルフィドとしての特性が損なわれる傾向にあり、一方でポリフェニレンスルフィドセグメントの数平均分子量が大きくなるとポリフェニレンスルフィドの溶融時における粘度が高くなるためポリフェニレンスルフィドブロック共重合体が得られ難くなる傾向にあるため、ポリフェニレンスルフィドセグメントの数平均分子量は上記範囲にあることが好ましい。なお、ここでの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した値である。
また、本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体は、ブロック共重合体を形成する少なくとも1つのセグメントがポリフェニレンスルフィドであるが、得られるブロック共重合体に含まれるポリフェニレンスルフィド単位は、ブロック共重合体全体に対して5重量%以上95重量%以下であることが好ましく、10重量%以上90重量%以下であることがさらに好ましい。ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体におけるポリフェニレンスルフィドセグメントの含有量がこの範囲にあることにより、均一な共重合体が得られ易く、高い耐熱性・耐薬品性などのポリフェニレンスルフィドに由来する特性が発現し易くなる。
さらに、本発明のブロック共重合体において、ポリフェニレンスルフィドセグメントとそれ以外のセグメントブロックはこれらが各ブロックの繰り返し単位以外の構造を介して連結されていても、各セグメントが各セグメントの繰り返し単位に由来する末端構造同士が直接連結していても良い。また、同一の繰り返し単位を有するブロックが同一ブロック共重合体分子内で複数存在していても良い。
このような本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の数平均分子量は、ブロック共重合体を形成するポリフェニレンスルフィド以外の成分の種類や構造により異なるため、一概には規定することはできないが、6,500以上であることが例示でき、8,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましい。また、その上限としては2,000,000以下であることが例示でき、1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましく例示できる。ブロック共重合体の数平均分子量が前記範囲にあることにより、ブロック共重合体の物性が良好となる傾向にある。また、本発明のブロック共重合体は単峰性の分子量分布を示すことも好ましい形態として例示することができる。なお、ここでの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した値である。
(2)環式ポリフェニレンスルフィド
本発明における環式ポリフェニレンスルフィドとは、式、−(Ph−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とし、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有する下記一般式(II)のごとき環式化合物の単量体もしくは混合物であり、(II)式の環式化合物を少なくとも50重量%以上含むものであり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含むものが好ましい。
Figure 2015124225
本発明で用いる環式ポリフェニレンスルフィドの純度の上限値に特に制限はないが、98重量%以下、好ましくは95重量%以下が好ましい範囲として例示できる。通常、環式ポリフェニレンスルフィドの純度が高いほど、加熱後に得られるポリフェニレンスルフィドの分子量が高くなる傾向にある。一方で、環式ポリフェニレンスルフィドの純度が前記した上限値を超えると、環式ポリフェニレンスルフィドの溶融解温度が高くなる傾向にあるため、環式ポリフェニレンスルフィドの純度を前記範囲にすることが好ましい。
また、一般式(II)で表される環式ポリフェニレンスルフィド中の繰り返し数iに特に制限はないが、i=4〜50であることが好ましく、i=4〜25であることがより好ましく、i=4〜15であることがさらに好ましく例示できる。後述するように環式ポリフェニレンスルフィドの加熱によるポリフェニレンスルフィドへの転化は環式ポリフェニレンスルフィドが溶融解する温度以上で行うことが好ましいが、繰り返し数iが大きくなると環式ポリフェニレンスルフィドの溶融解温度が高くなる傾向にあるため、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化をより低温で行うことができるようになるとの観点から、繰り返し数iを前記範囲にすることは有利となる。
さらに、環式ポリフェニレンスルフィドは、単一の繰り返し数を有する単独化合物、異なる繰り返し数を有する環式化合物の混合物のいずれでも良いが、異なる繰り返し数を有する環式化合物の混合物の方が単一の繰り返し数を有する単独化合物よりも溶融解温度が低くなる傾向にあり、異なる繰り返し数を有する環式化合物の混合物の使用はポリフェニレンスルフィドへの転化を行う際の温度をより低くできるため好ましい。
環式ポリフェニレンスルフィドにおける環式ポリフェニレンスルフィド以外の成分としてはポリフェニレンスルフィドオリゴマーが挙げられる。ここでポリフェニレンスルフィドオリゴマーとは、式、−(Ph−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有する線状のホモオリゴマーまたはコオリゴマーである。ポリフェニレンスルフィドオリゴマーの分子量としては、ポリフェニレンスルフィドよりも低分子量のものが例示でき、具体的には数平均分子量で5,000未満であることが好ましい。
(3)スルフィド化合物
本発明におけるスルフィド化合物とは、下記一般式(I)で表される反応性官能基を有するスルフィド化合物である。
Figure 2015124225
ここで式(I)中のX、Yは少なくとも一方がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基、もしくはそれらの誘導体から選ばれる反応性官能基であり、好ましくはアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基から選ばれる反応性官能基である。
また、スルフィド化合物における繰り返し数pは0〜20の整数を表し、単一の整数でも複数の混合物でも良い。好ましくは0〜15、より好ましくは0〜10の整数であり、繰り返し数pが20を超えると環式ポリフェニレンスルフィドとの溶解性や低粘度特性を損なう可能性があるため好ましくない。
このようなスルフィド化合物の具体例としては、ビス(2−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(2−カルボキシフェニル)スルフィド、ビス(3−カルボキシフェニル)スルフィド、ビス(4−カルボキシフェニル)スルフィド、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、5、5’−チオジサリチル酸、2、2’、4、4’−テトラヒドロキシジフェニルスルフィドなどが挙げられ、これらのオリゴマーも含む。これらのなかでも、反応性や結晶性の観点から、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−カルボキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、およびこれらのオリゴマーがより好ましく用いられる。また、これらのスルフィド化合物は1種類単独で用いても良いし、2種類以上混合あるいは組み合わせて用いても良い。
(4)共重合におけるポリフェニレンスルフィド以外の異種ポリマー
本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体におけるポリフェニレンスルフィドセグメント以外のブロックセグメントとしては、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンが好ましく例示できる。また使用できるこれら異種ポリマーの分子量に特に制限はないが、ポリフェニレンスルフィド(A)との反応性の観点から、数平均分子量500,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。以下、共重合におけるポリフェニレンスルフィド以外の異種ポリマーの具体例について示す。
本発明におけるポリアミドとは、分子を構成する結合としてアミド結合を有する化合物であれば特に制限はなく、例えばナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリキシリレンアジパミドおよびこれらのコポリマーまたは混合物が例示できる。さらに、これらポリアミドは置換基を有していても良い。
本発明におけるポリカーボネートとは、分子を構成する結合としてカーボネート結合を有する化合物であれば特に制限はなく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5,7−ジクロル−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−ブロム−3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドールなどの二価芳香族アルコールから誘導されるポリカーボネートおよびその誘導体が挙げられる。中でも、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から誘導されるポリカーボネートが特に好ましく用いられる。
本発明において好ましく用いられるポリスルホンは、分子を構成する結合としてスルホニル結合を有する分子であれば制限はないが、ジフェニルスルホン構造を構造単位とするポリスルホンが好ましい。特に、ジフェニルスルホン構造がエーテル結合で連結したポリスルホン化合物およびジフェニルスルホン構造と二価芳香族ジオキシ構造が交互に連結したポリスルホン化合物が好ましく用いられる。ここで、二価芳香族ジオキシ構造としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシフェニルエーテル類、およびこれらの構造異性体から誘導される構造が挙げられ、特にハイドロキノン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン)(ビスフェノール−A)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノール−F)、4,4’−エチリデンビスフェノール(ビスフェノール−E)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから誘導される構造が好ましく、最も好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン)(ビスフェノール−A)から誘導される構造である。
(5)ポリフェニレンスルフィド(A)
本発明におけるポリフェニレンスルフィド(A)とは、式、−(Ph−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする線状のホモポリマーである。その数平均分子量としては6,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましく、8,000以上であることがさらに好ましく、10.000以上であることが特に好ましい。また、その上限としては100,000以下であり、80,000以下であることが好ましく、50,000以下であることが特に好ましく例示できる。ポリフェニレンスルフィド(A)の数平均分子量が前記範囲にあることにより機械強度や耐薬品性などの特性が優れたものとなる。なお、ここでの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した値である。
本発明におけるポリフェニレンスルフィド(A)の分子量分布の広がり、すなわち重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)で表される分散度は2.5以下が好ましく、2.3以下がより好ましく、2.1以下がさらに好ましく、2.0以下がよりいっそう好ましい。分散度が2.5を超える場合はポリフェニレンスルフィドに含まれる低分子量成分の量が多くなる傾向があり、このことはポリフェニレンスルフィドの機械特性の低下、加熱した際のガス発生量の増大および溶剤と接した際の溶出成分量の増大などの要因になる傾向にある。なお、前記重量平均分子量及び数平均分子量は例えば示差屈折率検出器を具備したSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を使用して測定・算出することができる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド(A)は従来のものに比べ高純度であり、不純物であるアルカリ金属含量は500ppm以下が望ましい。好ましいアルカリ金属含含量としては300ppm以下、より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。アルカリ金属含量が500ppmを超えると、例えば高度な電気絶縁特性が要求される用途における信頼性が低下する傾向にある。なお、ここでのポリフェニレンスルフィド(A)のアルカリ金属含量とは、例えばポリフェニレンスルフィドを電気炉などを用いて焼成した残渣である灰分中のアルカリ金属量から算出される値であり、前記灰分は例えばイオンクロマト法や原子吸光法により分析することで定量することができる。また、ここでのアルカリ金属とは、周期律表第IA属のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムのことを指す。
さらに、本発明に用いられるポリフェニレンスルフィド(A)は従来重縮合法により得られるものとは異なり、重合する際にN−メチル−2−ピロリドンのような溶媒を必要としないこと、さらに公知のラジカル発生能を有する化合物やイオン性化合物などの触媒を使用しないことなどから、加熱時加工時のガス発生量が少ない特長を有する。具体的には、常圧の非酸化性雰囲気下で50℃から340℃まで昇温速度20℃/分で熱重量分析を行った際の100℃から330℃における重量減少率が0.2重量%以下であることが挙げられる。好ましくは、0.18重量%以下であり、さらに好ましくは0.12重量%以下であり、0.1重量%以下がよりいっそう好ましい。
上記重量減少率は一般的な熱重量分析によって求めることが可能であるが、この分析における雰囲気は常圧の非酸化性雰囲気を用いる。非酸化性雰囲気とは試料が接する気相における酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、すなわち窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱い性の容易さの面から窒素雰囲気が特に好ましい。また、常圧とは大気の標準状態近傍における圧力のことであり、約25℃近傍の温度、絶対圧で101.3kPa近傍の大気圧条件のことである。測定の雰囲気が前記以外では、測定中にポリフェニレンスルフィドの酸化などが起こる場合がある。
また、重量減少率の測定においては50℃から340℃以上の任意の温度まで昇温速度20℃/分で昇温して熱重量分析を行う。好ましくは50℃で1分間保持した後に昇温速度20℃/分で昇温して熱重量分析を行う。このような実使用温度領域における重量減少率は、実使用時のポリフェニレンスルフィドからのガス発生量に関連する。従って、このような温度範囲における重量減少率が少ないポリフェニレンスルフィドを用いたブロック共重合体の方がより品質の高い優れたブロック共重合体であると言える。
本発明のポリフェニレンスルフィド(A)製造時の雰囲気は、非酸化性雰囲気で行うことが好ましく、また加熱時の圧力については加圧、常圧、減圧、加圧もしくは常圧後に減圧とするなどいずれの条件も採用しうる。後で詳細を述べるが、ポリフェニレンスルフィドの原料となる反応混合物(環式ポリフェニレンスルフィドと反応性官能基を有するスルフィド化合物からなる混合物)に低分子量成分(環式ポリフェニレンスルフィドのなかでも分子量の低い成分や低いフェニレンスルフィド単位を含むオリゴマーなど)や原料合成時の残存溶媒が含まれる場合、また反応混合物を加熱して反応を行った後に未反応のスルフィド化合物などが、ポリフェニレンスルフィド(A)中に残存する場合には、ポリフェニレンスルフィド(A)を使用する際にガスの発生要因となる可能性がある。このような要因によるガスの発生を低減するとの観点で、ポリフェニレンスルフィド(A)の製造に際して少なくとも加熱の一部の段階で減圧とする段階を設けることが好ましく、加熱開始段階では加圧もしくは常圧条件で加熱を行った後に減圧として加熱を継続する条件で加熱を行うことがより好ましい。ここで、加熱において減圧条件を採用する場合には、環式ポリフェニレンスルフィドに配合したスルフィド化合物が、環式ポリフェニレンスルフィドと反応する前に反応系外へ揮散することを抑制するとの観点で、加圧もしくは常圧条件で加熱した後に減圧とする条件がより好ましい。
なおここで、非酸化性雰囲気とはポリフェニレンスルフィド成分が接する気相における酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、すなわち窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの面からは窒素雰囲気が好ましい。また、常圧条件とは大気圧のことを指し、加圧条件とは大気圧条件よりも圧力が高い条件を指す。また、減圧条件下とは反応を行う系内が大気圧よりも低いことを指し、上限として50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましく、10kPa以下がさらに好ましい。下限としては0.1kPa以上が例示でき、0.2kPa以上がより好ましい。
加圧もしくは常圧での反応後の減圧開始は、使用する環式ポリフェニレンスルフィドにおける環式化合物の含有率や繰り返し数、および分子量などの各種特性、使用するスルフィド化合物の種類、また、加熱の温度などの条件によって異なるため一様には規定できないが、配合したスルフィド化合物が環式ポリフェニレンスルフィドと十分に反応した後に減圧とすることが好ましい。環式ポリフェニレンスルフィドと配合したスルフィド化合物が十分に反応した状態とは、配合したスルフィド化合物が系内に残存する量が少なく、反応後の反応性官能基の含有量が多い状態ほど好ましい。配合したスルフィド化合物が系内に残存する量は例えば、配合したスルフィド化合物が系内に残存する量が配合した量の5%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。さらに減圧によるスルフィド化合物の揮散防止の観点から、減圧後の反応性官能基の含有量が減圧前の反応性官能基の含有量と同等であることが好ましい。環式ポリフェニレンスルフィドと配合したスルフィド化合物が十分に反応した状態とした後に減圧を開始することで、配合したスルフィド化合物の系外への揮散を大幅に抑制できる傾向にあるので、ポリフェニレンスルフィド(A)中に含まれる反応性官能基の量を多く出来るとの観点で好ましい。
ここでのポリフェニレンスルフィド(A)のひとつの特徴は、ポリフェニレンスルフィド(A)の末端に任意の官能基を定量的に導入可能なことである。導入する官能基末端はアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基、もしくはそれらの誘導体などが例示できる。特に反応性、汎用性の観点からアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基であることが好ましく例示できる。
末端に導入された官能基はポリフェニレンスルフィド(A)のフェニレンスルフィド構造単位1モル当たりに対し、0.01〜5モル%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3モル%であり、0.1〜2.7モル%が最も好ましい。反応性官能基末端量が0.01モル%以下では末端基の効果が得られにくく、5モル%以上では得られるポリフェニレンスルフィドの分子量が低下し、機械強度や耐薬品性などの特性が発現し難くなる。
ポリフェニレンスルフィド(A)の製造方法は、環式ポリフェニレンスルフィドを反応性官能基を有するスルフィド化合物と混合、加熱することによって得ることができる。この方法によれば容易にブロック共重合体の原料に用いることができるポリフェニレンスルフィド(A)を得ることができる。また、ポリフェニレンスルフィド(A)の製造における、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィド(A)の転化率は70%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。転化率が70%以上では前述した特性を有するポリフェニレンスルフィド(A)を得ることができる。
(6)ポリフェニレンスルフィド(A)の製造方法
本発明に用いるポリフェニレンスルフィド(A)を製造する際の加熱温度は、環式ポリフェニレンスルフィドと反応性官能基を有するスルフィド化合物からなる反応混合物が溶融解する温度であることが好ましく、このような温度条件であれば特に制限はない。ただし、加熱温度が環式ポリフェニレンスルフィドの溶融解温度未満ではポリフェニレンスルフィドを得るのに長時間が必要となる傾向がある。なお、環式ポリフェニレンスルフィドが溶融解する温度は、環式ポリフェニレンスルフィドの組成や分子量、また、加熱時の環境により変化するため、一意的に示すことはできないが、例えば環式ポリフェニレンスルフィドを示差走査型熱量計で分析することで溶融解温度を把握することが可能である。加熱温度の下限としては、180℃以上が例示でき、好ましくは200℃以上、より好ましくは220℃以上、さらに好ましくは240℃以上である。この温度範囲では、環式ポリフェニレンスルフィドが溶融解し、短時間でポリフェニレンスルフィドを得ることができる。一方、温度が高すぎると環式ポリフェニレンスルフィド間、加熱により生成したポリフェニレンスルフィド間、およびポリフェニレンスルフィドと環式ポリフェニレンスルフィド間などでの架橋反応や分解反応に代表される好ましくない副反応が生じ易くなる傾向にあり、得られるポリフェニレンスルフィドの特性が低下する場合があるため、このような好ましくない副反応が顕著に生じる温度は避けることが望ましい。加熱温度の上限としては、400℃以下が例示でき、好ましくは360℃以下、より好ましくは340℃以下である。この温度以下では、好ましくない副反応による得られるポリフェニレンスルフィドの特性への悪影響を抑制できる傾向にあり、前述した特性を有するポリフェニレンスルフィドを得ることができる。
反応時間は使用する環式ポリフェニレンスルフィドの純度や分子量などの各種物性、使用するスルフィド化合物の種類、さらには加熱温度などの条件によって異なるため一様には規定できないが、前記した好ましくない副反応が起こらないように設定することが好ましい。加熱時間としては0.01〜100時間が例示でき、0.05〜20時間が好ましく、0.05〜10時間がより好ましい。
環式ポリフェニレンスルフィドの加熱は、実質的に溶媒を含まない条件下で行うことも可能である。このような条件下で行う場合、短時間での昇温が可能であり、反応速度が速く、短時間でポリフェニレンスルフィド得やすくなる傾向にある。ここで実質的に溶媒を含まない条件とは、環式ポリフェニレンスルフィド中の溶媒が10重量%以下であることを指し、3重量%以下がより好ましい。
前記加熱は、通常の重合反応装置を用いる方法で行うのはもちろんのこと、押出機や溶融混練機を用いて行うなど、加熱機構を具備した装置であれば特に制限はなく行うことが可能であり、バッチ式、連続式など公知の方法が採用できる。
環式ポリフェニレンスルフィドの加熱の際の雰囲気は非酸化性雰囲気で行うことが好ましく、減圧条件下で行うことも好ましい。また、減圧条件下で行う場合、反応系内の雰囲気を一度非酸化性雰囲気としてから減圧条件にすることが好ましい。これにより環式ポリフェニレンスルフィド間、加熱により生成したポリフェニレンスルフィド間、およびポリフェニレンスルフィドと環式ポリフェニレンスルフィド間などで架橋反応や分解反応などの好ましくない副反応の発生を抑制できる傾向にある。なお、非酸化性雰囲気とは環式ポリフェニレンスルフィドが接する気相における酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、すなわち窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの観点からは窒素雰囲気が好ましい。また、減圧条件下とは反応を行う系内が大気圧よりも低いことを指し、上限として50kPa以下が好ましく、20kPa以下がより好ましく、10kPa以下がさらに好ましい。下限としては0.1kPa以上が例示でき、0.2kPa以上がより好ましい。減圧条件がこれら好ましい下限以上では、環式ポリフェニレンスルフィドに含まれる分子量の低い環状化合物が揮散しにくく、一方、好ましい上限以下では、架橋反応など好ましくない副反応が起こりにくい傾向にあり、前述した特性を有するポリフェニレンスルフィドを得ることができる。また、環式ポリフェニレンスルフィドの加熱は、加圧条件下で行うことも可能である。加圧条件下で行う場合、反応系内の雰囲気を一度非酸化性雰囲気としてから加圧条件にすることが好ましい。なお、加圧条件下とは反応を行う系内が大気圧よりも高いことを指し、上限としては特に制限はないが、反応装置の取り扱いの容易さの面からは0.2MPa以下が好ましい。
(7)ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法
本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法としては、前記(5)、(6)項に記したポリフェニレンスルフィド(A)とポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンから選ばれる少なくとも1種のポリマー(以下、異種ポリマーと記すことがある)、を加熱して反応させることによる製造方法を用いることが強く望まれる。
本発明のブロック共重合体の製造方法では、少なくともポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーを含む混合物を加熱して反応させることを特徴とする。ここでのポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーの混合比率は、用いるポリフェニレンスルフィド(A)の分子量や、異種ポリマーの種類、分子量、さらには反応条件などに依存するため一概には規定できないが、ポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーの総重量に対し、ポリフェニレンスルフィド(A)が5重量%以上95重量%以下であることが好ましい範囲として例示でき、10重量%以上90重量%以下であることがさらに好ましい範囲として挙げることができる。ポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーの混合比率がこのような好ましい範囲にあることにより、得られるポリフェニレンスルフィドブロック共重合体が均一な共重合体となり易く、さらに高い耐熱性・耐薬品性などのポリフェニレンスルフィド単位に由来する特性が発現しやすくなる傾向にあるため好ましい。
少なくともポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーを含む混合物を加熱してポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を製造する際、反応を触媒の非存在下、または触媒の存在下で行うことができる。ここでの触媒としては、ポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーの反応が加速する触媒であれば如何なるものでも用いることができるが、例えば、アンチモン、チタン、アルミニウム、スズ、ゲルマニウム、マグネシウム、マンガン、カルシウム、コバルト、亜鉛などが挙げられる。
アンチモン化合物としては、アンチモンの酸化物、アンチモンカルボン酸、アンチモンアルコキシドなどが挙げられ、具体的には、アンチモンの酸化物として、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられ、アンチモンカルボン酸として、酢酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリウムなどが挙げられ、アンチモンアルコキシドとして、アンチモントリ−n−ブトキシド、アンチモントリエトキシドなどが挙げられる。チタン化合物としては、チタン錯体、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマーなどのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。アルミニウム化合物としては、カルボン酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物、塩基性アルミニウム化合物などが挙げられ、具体的には酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイロプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、塩基性酢酸アルミニウムなどが挙げられる。スズ化合物としては、モノブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズオキサイド、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイドなどが挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、ゲルマニウムの酸化物、ゲルマニウムアルコキシドなどが挙げられ、具体的にはゲルマニウムの酸化物として、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコキシドとして、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシドなどが挙げられる。マグネシウム化合物としては、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。マンガン化合物としては、具体的には、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガンなどが挙げられる。カルシウム化合物としては、具体的には、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルコキシド、酢酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。コバルト化合物としては、具体的には、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト四水塩などが挙げられる。亜鉛化合物としては、具体的には酸化亜鉛、亜鉛アルコキシド、酢酸亜鉛などが挙げられる。なお、これら金属化合物は水和物であっても良い。
少なくともポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーを含む混合物を加熱して反応させる温度は、ポリフェニレンスルフィド(A)の分子量、異種ポリマーの種類や分子量などに依存するため一概には規定できないが、ポリフェニレンスルフィド(A)および異種ポリマーが溶融する温度以上であることが好ましく、具体例としては280℃以上であることが好ましく例示でき、285℃以上であることがより好ましく、290℃以上であることがさらに好ましく例示できる。また、反応温度の上限としては400℃以下であることが例示でき、380℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましく例示できる。反応温度がこのような好ましい範囲にあることにより、ポリフェニレンスルフィド(A)および異種ポリマーが熱分解せずに反応が進行するため好ましい。また、反応は一定の温度で行う1段階反応、段階的に温度を上げていく多段反応、あるいは連続的に温度を変化させていく形式の反応のいずれでも構わない。なお、ポリフェニレンスルフィド(A)および異種ポリマーが溶融する温度は示差走査型熱量測定装置(DSC)により、吸熱ピーク温度を観測することにより調べることができる。
ポリフェニレンスルフィド(A)と異種ポリマーの反応における反応時間は、反応に用いるポリフェニレンスルフィド(A)の分子量や、異種ポリマーの種類や分子量、反応温度などの条件に依存するため一概には規定できないが、0.05時間以上が例示でき、0.1時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましく例示できる。一方、反応時間に特に上限はないが、10時間以内でも十分に反応が進行し、好ましくは8時間以内、より好ましくは6時間以内も採用できる。さらに、本発明のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法における重合雰囲気は、窒素やヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下での反応、減圧下での反応などを適宜採用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
〈分子量の測定〉
ポリフェニレンスルフィド、環式ポリフェニレンスルフィド、ブロック共重合体の分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を算出した。GPCの測定条件を以下に記す。
装置 : センシュー科学 SSC−7100
カラム名 : センシュー科学 GPC3506
溶離液 : 1−クロロナフタレン
検出器 : 示差屈折率検出器
カラム温度 : 210℃
プレ恒温槽温度 : 250℃
ポンプ恒温槽温度 : 50℃
検出器温度 : 210℃
流量 : 1.0mL/min
試料注入量 : 300μL(スラリー状:約0.2重量%)。
〈転化率の測定〉
環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化率の算出は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて下記方法で行った。
環式ポリフェニレンスルフィドの加熱により得られた生成物約10mgを250℃で1−クロロナフタレン約5gに溶解させた。室温に冷却すると沈殿が生じた。孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いて1−クロロナフタレン不溶成分をろ過し、1−クロロナフタレン可溶成分を得た。得られた可溶成分のHPLC測定により、未反応の環式ポリフェニレンスルフィド量を定量し、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化率を算出した。HPLCの測定条件を以下に示す。
装置 : 島津株式会社製 LC−10Avpシリーズ
カラム : Mightysil RP−18 GP150−4.6(5μm)
検出器 : フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nm)
〈アミノ基含有量の分析〉
ポリフェニレンスルフィドに導入されたアミノ基の分析は例えばポリフェニレンスルフィドの溶融フィルムを作製し、FT−IR(日本分光IR−810型赤外分光光度計)を用い、ベンゼン環由来の1900cm−1の吸収を内部標準とし、アミノ基由来の3380および3470cm−1付近の吸収とを比較することでアミノ基導入量の相対評価に用いた。
溶融フィルムで測定する場合は以下の条件でプレスフィルムを作製した。
・アルミシートにカプトンフィルムを敷く。
・カプトンフィルム表面をアセトンで拭き、試料を載せる。
・さらにカプトンフィルムを重ね、アルミシートを重ねる。
・340℃に加熱したプレスの金型に挟む。
・1分間滞留させた後250kgf加圧する。
・3分間滞留させ、カプトンフィルムもしくはアルミシートごと取出し、用意した水へ漬けて急冷する。
〈カルボキシル基含有量の分析〉
ポリフェニレンスルフィドに導入されたカルボキシル基の分析は例えばポリフェニレンスルフィドの溶融フィルムを作製し、FT−IR(日本分光IR−810型赤外分光光度計)を用い、ベンゼン環由来の1900cm−1の吸収を内部標準とし、カルボキシル基由来の1730cm−1付近の吸収とを比較することでカルボキシル基導入量の相対評価に用いた。
〈ヒドロキシル基含有量の分析〉
ポリフェニレンスルフィドに導入されたヒドロキシル基の分析は例えばポリフェニレンスルフィドの溶融フィルムを作製し、FT−IR(日本分光IR−810型赤外分光光度計)を用い、ベンゼン環由来の1900cm−1の吸収を内部標準とし、ヒドロキシル基由来の3400〜3600cm−1付近に見られる吸収とを比較することでヒドロキシル基導入量の相対評価に用いた。
〈末端官能基の定量〉
ポリフェニレンスルフィドに導入された末端官能基量は、例えば用いた環式ポリフェニレンスルフィドと反応性官能基を有するスルフィド化合物を混合して溶融フィルムを作製し、FT−IR(日本分光IR−810型赤外分光光度計)を用い、導入後のポリフェニレンスルフィドとの官能基量の比較により末端官能基導入量を定量した。
〈参考例1〉環式ポリフェニレンスルフィドの調製
撹拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を14.03g(0.120モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した48重量%水溶液12.50g(0.144モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)615.0g(6.20モル)、及びp−ジクロロベンゼン(p−DCB)18.08g(0.123モル)を仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素ガス下に密封した。
400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで約1時間かけて昇温した。この段階で、反応容器内の圧力はゲージ圧で0.35MPaであった。次いで200℃から270℃まで約30分かけて昇温した。この段階の反応容器内の圧力はゲージ圧で1.05MPaであった。270℃で1時間保持した後、室温近傍まで急冷してから内容物を回収した。
得られた内容物をガスクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、モノマーのp−DCBの消費率は93%、反応混合物中のイオウ成分がすべて環式ポリフェニレンスルフィドに転化すると仮定した場合の環式ポリフェニレンスルフィド生成率は18.5%であることが分かった。
得られた内容物500gを約1500gのイオン交換水で希釈したのちに平均目開き10〜16μmのガラスフィルターでろ過した。フィルターオン成分を約300gのイオン交換水に分散させ、70℃で30分撹拌し、再度前記同様のろ過を行う操作を計3回行い、白色固体を得た。これを80℃で一晩真空乾燥に処し、乾燥固体を得た。
得られた固形物を円筒濾紙に仕込み、溶剤としてクロロホルムを用いて約5時間ソックスレー抽出を行うことで固形分に含まれる低分子量成分を分離した。
抽出操作後に円筒濾紙内に残留した固形成分を70℃で一晩真空乾燥しオフホワイト色の固体を約6.98g得た。分析の結果、赤外分光分析における吸収スペクトルよりこれはフェニレンスルフィド構造からなる化合物であり、また、重量平均分子量は6,300であった。
クロロホルム抽出操作にて得られた抽出液から溶媒を除去した後、約5gのクロロホルムを加えてスラリーを調製し、これを約300gのメタノールに撹拌しながら滴下した。これにより得られた沈殿物をろ過回収し、70℃で5時間真空乾燥を行い、1.19gの白色固体を得た。この白色粉末は赤外分光分析における吸収スペクトルよりフェニレンスルフィド単位からなる化合物であることを確認した。また、高速液体クロマトグラフィーにより成分分割した成分のマススペクトル分析(装置:日立製M−1200H)、さらにMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、この白色粉末はp−フェニレンスルフィド単位を主要構成単位とし繰り返し単位数4〜13の環式化合物を約98重量%含み、本発明におけるポリフェニレンスルフィド(A)の製造に好適に用いられる環式ポリフェニレンスルフィド混合物であることが分かった。なお、GPC測定を行った結果、環式ポリフェニレンスルフィド混合物は室温で1−クロロナフタレンに全溶であり、重量平均分子量は900であった。
〈参考例2〉ポリフェニレンスルフィド(A)の製造方法(アミノ基)
参考例1に示した方法により得られる環式ポリフェニレンスルフィド混合物20gに、ポリフェニレンスルフィド単位1モルに対し、ビス(4−アミノフェニル)スルフィドを0.20g(0.5モル%)混合した粉末を、ガラス製アンプルに仕込み、アンプル内を窒素で置換した。340℃に温調した電気炉内にアンプルを設置し60分間加熱した後、アンプルを取り出し室温まで冷却し黒色固体を得た。生成物は1−クロロナフタレンに250℃で全溶であった。HPLC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化率は96.5%であることが分かった。
GPC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドに由来するピークと生成したポリフェニレンスルフィドのピークが確認でき、得られたポリフェニレンスルフィドの重量平均分子量は49,000、数平均分子量は24,000、分散度は2.05であることが分かった。得られた生成物のNa含有量は3ppm、100℃〜330℃の加熱時重量減少率は0.078%であった。また、ポリフェニレンスルフィド構造単位1モル当たりに対するアミノ基含有量は0.15モル%であった。
〈参考例3〉ポリフェニレンスルフィド(A)の製造方法(ヒドロキシル基)
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドを0.5モル%とした以外は〈参考例2〉と同様に実施し、黒色固体を得た。生成物は1−クロロナフタレンに250℃で全溶であった。HPLC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化率は91.0%であることが分かった。
GPC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドに由来するピークと生成したポリフェニレンスルフィドのピークが確認でき、得られたポリフェニレンスルフィドの重量平均分子量は41,000、数平均分子量は20,000、分散度は2.08であることが分かった。得られた生成物のNa含有量は4ppm、100℃〜330℃の加熱時重量減少率は0.081%であった。また、ポリフェニレンスルフィド構造単位1モルあたりに対するヒドロキシル基含有量は0.15モル%であった。
〈参考例4〉ポリフェニレンスルフィド(A)の製造方法(カルボキシル基)
ビス(4−カルボキシフェニル)スルフィドを0.5モル%、反応時間を120分とした以外は〈参考例2〉と同様に実施し、黒色固体を得た。生成物は1−クロロナフタレンに250℃で全溶であった。HPLC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドのポリフェニレンスルフィドへの転化率は96.2%であることが分かった。
GPC測定の結果、環式ポリフェニレンスルフィドに由来するピークと生成したポリフェニレンスルフィドのピークが確認でき、得られたポリフェニレンスルフィドの重量平均分子量は35,000、数平均分子量は17,000、分散度は2.06であることが分かった。得られた生成物のNa含有量は3ppm、100℃〜330℃の加熱時重量減少率は0.077%であった。また、ポリフェニレンスルフィド構造単位1モル当たりに対するカルボキシル基含有量は0.37モル%であった。
〈参考例5〉ポリスルホンの製造方法
ここでのポリスルホンの合成は特開平5−86186を参考にして実施した。
撹拌機、温度計、冷却器および窒素導入管を備えた1Lの4つ口フラスコに、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、DHDPSと略す)50.06g(0.20モル)、トルエン100mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン250.8g、40%水酸化カリウム水溶液56.0g(0.39モル)を秤量し、撹拌しながら窒素ガスを通じ、反応系をすべて窒素置換した。窒素ガスを通じながら130℃まで加熱した。反応系の温度が上昇するとともにトルエンの還流が開始され、反応系内の水をトルエンとの共沸で除去し、トルエンを反応系に戻しながら共沸脱水を130℃で4時間行った。この後、冷却器を留出物分液器に変更し、4、4’−ジクロロジフェニルスルホン(以下、DCDPSと略す)57.40g(0.20モル)をトルエン40gとともに反応系に加え、反応系を150℃に加熱した。トルエンを留出させながら4時間反応させ、高粘度の茶褐色の溶液を得た。反応液の温度を室温まで冷却し、反応溶液をメタノール1kgに投入し、ポリマー粉を析出させた。ろ過によりポリマー粉を回収し、これに水1kgを加え、さらに1Nの塩酸を加え、スラリー溶液をpH3〜4になるまで加え酸性にした。ろ過によりポリマー粉を回収した後、ポリマー粉を水1kgで2回洗浄した。さらにメタノール1kgで洗浄し、150℃で12時間真空乾燥した。得られたポリマー粉は白色粉末状で終了は88.3g、ガラス転移温度(Tg)は234℃、10%重量減量温度は510℃であった。還元粘度は0.58dL/gであった。
〈参考例6〉ポリカーボネートの製造方法
ここでのポリカーボネートの合成は特開2012−67312号公報を参考に実施した。
撹拌装置、精留塔および減圧装置を備えた反応槽に、ビスフェノールAを137重量部およびジフェニルカーボネート135重量部、重合触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩4.1×10−5重量部、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド5.5×10−3重量部を仕込んで窒素雰囲気下180℃で溶融した。
40rpmの回転速度で撹拌下、反応槽を13.3kPa(100mmHg)に減圧し、生成するフェノールを留去しながら20分間反応させた。
次に200℃に昇温した後、徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.0kPa(30mmHg)で20分間反応させた。さらに徐々に昇温、220℃で20分間反応させた。
次いで、反応混合物の温度は180℃以下とならないように、重合槽加熱ジャケットで240℃に設定昇温した第二重合槽に送液、4.0kPa(30mmHg)で20分間反応させた。次いで、反応混合物の温度を急速に250℃に昇温、20分間反応させた。
次いで、250℃で撹拌速度を30rpmに変更し徐々に減圧度を高め、250℃、減圧度2.67kPa(20mmHg)で10分間、1.33kPa(10mmHg)で5分間反応を行った。
その後さらに反応温度を高め260℃で20分間反応させ、270℃に昇温、徐々に減圧度を高め、最終的に270℃、66.7Pa(0.5mmHg)で反応せしめた。その後、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を3.6×10−4重量部加え、270℃、66.7Pa(0.5mmHg)で10分間撹拌し、ポリカーボネートを調製した。
〈参考例7〉汎用的なポリフェニレンスルフィドの製造方法
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.94kg(70.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.1モル)、およびイオン交換水5.50kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水9.77kgおよびNMP0.28kgが留出した時点で加熱を終え冷却を開始した。この時点での仕込みアルカリ金属水硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.01モルであった。また、硫化水素の飛散量は1.4モルであったため、本工程後の系内スルフィド化剤は68.6モルであった。
その後、200℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)10.44kg(71.00モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加えた後に反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温し、270℃で140分反応した。その後、270℃から250℃まで15分かけて冷却しながら水2.40kg(133モル)を圧入した。次いで、250℃から220℃まで冷却しながら75分かけて徐々に冷却した後、室温近傍まで急冷し内容物を取り出した。
内容物を約35リットルのNMPで希釈しスラリーとして85℃で30分撹拌後、80メッシュ金網(目開き0.175mm)でろ別して固形物を得た。得られた固形物を同様にNMP約35リットルで洗浄ろ別した。得られた固形物を70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分撹拌後、80メッシュ金網でろ過して固形物を回収する操作を合計3回繰り返した。得られた固形物および酢酸32gを70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分間撹拌後、80メッシュ金網でろ過し、さらに得られた固形物を70リットルのイオン交換水で希釈し、70℃で30分撹拌後、80メッシュ金網でろ過して固液物を回収した。このようにして得られた固形物を窒素気流下、120℃で乾燥することにより乾燥PPSを得た。
GPC測定の結果、得られたポリフェニレンスルフィドの重量平均分子量は48,000、数平均分子量は15,000、分散度は3.20であることが分かった。
〈実施例1〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例2記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド(A)5.0g、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重合することにより得られる66ナイロン(ナイロン樹脂0.25gを96%硫酸25mLに溶解させ、オストワルド粘度計を用い、20℃で測定した相対粘度RV=2.8)5.0gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:3.0kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管を入れることにより開始させ、290℃で15分保持、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で120分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体のGPC測定の結果、重量平均分子量が61,000、数平均分子量が29,000であり、共重合体化の進行により反応に用いたポリフェニレンスルフィドからの高分子量化が進行していることが分かった。
また、冷却管を具備したフラスコに、得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体(粉砕)を0.5g、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)6.0gを量り取った。50gオイルバスを用いて3時間加熱撹拌することにより、ブロック共重合体中に残存する未反応の66ナイロンをHFIP中に溶出させた。3時間の加熱撹拌後、平均目開き10〜16μmのガラスフィルターを用いて熱時ろ過を行い、HFIP可溶成分と不溶成分に分離回収した。HFIP可溶成分に関しては、エバポレーターによりHFIPを除去後に、HFIP不溶成分とともに80℃で一晩真空乾燥に処し、乾燥固体を得た。得られた各乾燥固体の重量を量り、HFIP可溶成分の重量分率を算出した結果、6.3重量%であった。すなわち、ここで得られたブロック共重合体中に含まれる未反応の66ナイロンは6.3重量%であることが分かった。
〈実施例2〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例4記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド(A)5.0g、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重合することにより得られる66ナイロン(ナイロン樹脂0.25gを96%硫酸25mLに溶解させ、オストワルド粘度計を用い、20℃で測定した相対粘度RV=2.8)5.0gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:2.9kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管を入れることにより開始させ、290℃で15分保持、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で120分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体のGPC測定の結果、重量平均分子量が62,000、数平均分子量が29,000であり、共重合体化の進行により反応に用いたポリフェニレンスルフィドからの高分子量化が進行していることが分かった。
また、実施例1と同様に熱HFIP抽出により、得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体中に含まれる未反応の66ナイロンの分析を行った結果、5.9重量%であることが分かった。
〈比較例1〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例7記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド5.0g、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンを重合することにより得られる66ナイロン(ナイロン樹脂0.25gを96%硫酸25mLに溶解させ、オストワルド粘度計を用い、20℃で測定した相対粘度RV=2.8)5.0gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:2.1kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管を入れることにより開始させ、290℃で15分保持、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で120分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収した。
得られた生成物のGPC測定の結果、重量平均分子量は48,000、数平均分子量は15,000、分散度は3.20であり、反応に用いたポリフェニレンスルフィドの反応進行による高分子量化は確認できなかった。
また、実施例1と同様に熱HFIP抽出により、得られた生成物中に含まれる未反応の66ナイロンの分析を行った結果、HFIP可溶成分は50.0重量%であり、反応に用いた66ナイロンが全量回収される結果となった。
以上の結果より、ポリフェニレンスルフィドに反応性官能基末端を有するポリフェニレンスルフィド(A)を用いることでナイロンとのブロック共重合体化が進行することが分かった。
〈実施例3〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例3記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド(A)5.0g、参考例5記載の方法により得られるポリスルホン5.0gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:2.0kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管を入れることにより開始させ、290℃で15分保持、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で120分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体のGPC測定の結果、重量平均分子量が53,000、数平均分子量が26,000であり、共重合体化の進行により反応に用いたポリフェニレンスルフィドからの高分子量化が進行していることが分かった。
また、冷却管を具備したフラスコに、得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体(粉砕)を0.5g、クロロホルム10.0gを量り取った。50℃オイルバスを用いて3時間加熱撹拌することにより、ブロック共重合体中に残存する未反応のポリスルホンをクロロホルム中に溶出させた。3時間の加熱撹拌後、平均目開き10〜16μmのガラスフィルターを用いて熱時ろ過を行い、クロロホルム可溶成分と不溶成分に分離回収した。クロロホルム可溶成分に関しては、エバポレーターによりクロロホルムを除去後に、クロロホルム不溶成分とともに80℃で一晩真空乾燥に処し、乾燥固体を得た。得られた各乾燥固体の重量を量り、クロロホルム可溶成分の重量分率を算出した結果、0.0重量%であった。すなわち、ここで得られたブロック共重合体中に含まれる未反応のポリスルホンは9.5重量%であることが分かった。
〈比較例2〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例7記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド5.0g、参考例5記載の方法により得られるポリスルホン5.0gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:2.4kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管を入れることにより開始させ、290℃で15分保持、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で120分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収した。
得られた生成物のGPC測定の結果、重量平均分子量は48,000、数平均分子量は15,000、分散度は3.20であり、反応に用いたポリフェニレンスルフィドの反応進行による高分子量化は確認できなかった。
また、実施例3と同様に熱クロロホルム抽出により、得られた生成物中に含まれる未反応のポリスルホンの分析を行った結果、クロロホルム可溶成分は49.8重量%であり、反応に用いたポリスルホンが全量回収される結果となった。
以上の結果より、ポリフェニレンスルフィドに反応性官能基末端を有するポリフェニレンスルフィド(A)を用いることでポリスルホンとのブロック共重合体化が進行することが分かった。
〈実施例4〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例3記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド(A)5.0g、参考例6記載の方法により得られるポリカーボネート5.0g、およびチタン(IV)ブトキシド0.01gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:2.0kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管をいれることにより開始させ、290℃で15分、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で30分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体のGPC測定の結果、重量平均分子量が57,000、数平均分子量が27,000であり、共重合体化の進行により反応に用いたポリフェニレンスルフィドからの高分子量化が進行していることが分かった。
また、冷却管を具備したフラスコに、得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体(粉砕)を0.5g、クロロホルム10.0gを量り取った。50℃オイルバスを用いて3時間加熱撹拌することにより、ブロック共重合体中に残存する未反応のポリカーボネートをクロロホルム中に溶出させた。3時間の加熱撹拌後、平均目開き10〜16μmのガラスフィルターを用いて熱時ろ過を行い、クロロホルム可溶成分と不溶成分に分離回収した。クロロホルム可溶成分に関しては、エバポレーターによりクロロホルムを除去後に、クロロホルム不溶成分とともに80℃で一晩真空乾燥に処し、乾燥固体を得た。得られた各乾燥固体の重量を量り、クロロホルム可溶成分の重量分率を算出した結果、0.0重量%であった。すなわち、ここで得られたブロック共重合体中に含まれる未反応のポリカーボネートは8.2重量%であることが分かった。
〈実施例5〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例4記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド(A)5.0g、参考例6記載の方法により得られるポリカーボネート5.0g、および三酸化アンチモン0.02gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:1.8kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管をいれることにより開始させ、290℃で15分、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で30分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体を得た。
得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体のGPC測定の結果、重量平均分子量が62,000、数平均分子量が29,000であり、共重合体化の進行により反応に用いたポリフェニレンスルフィドからの高分子量化が進行していることが分かった。
また、実施例4と同様に熱クロロホルム抽出により、得られたポリフェニレンスルフィドブロック共重合体中に含まれる未反応のポリカーボネートの分析を行った結果、4.3重量%であることが分かった。
〈比較例3〉
撹拌機、バキュームスターラー、窒素吹き込み管を具備した試験管に、参考例7記載の方法により得られるポリフェニレンスルフィド5.0g、参考例6記載の方法により得られるポリカーボネート5.0g、およびチタン(IV)ブトキシド0.01gを量り取った。試験管内を窒素下に密封し3回窒素置換した後、系内を減圧にした(減圧度:1.9kPa)。
反応は、撹拌下にあらかじめ290℃に温調しておいたオイルバス中に試験管をいれることにより開始させ、290℃で15分、290℃から300℃まで15分で昇温、300℃で30分保持の温度条件下で実施した。反応終了後、試験管を急冷させることにより生成物を回収した。
得られた生成物のGPC測定の結果、重量平均分子量は48,000、数平均分子量は15,000、分散度は3.20であり、反応に用いたポリフェニレンスルフィドの反応進行による高分子量化は確認できなかった。
また、実施例4と同様に熱クロロホルム抽出により、得られた生成物中に含まれる未反応のポリカーボネートの分析を行った結果、クロロホルム可溶成分は48.7%であり、反応に用いたポリカーボネートが全量回収される結果となった。
以上の結果より、ポリフェニレンスルフィドに反応性官能基末端を有するポリフェニレンスルフィド(A)を用いることによりポリカーボネートとのブロック共重合体化が進行することが分かった。

Claims (5)

  1. 少なくとも環式ポリフェニレンスルフィド、および環式ポリフェニレンスルフィドにおけるフェニレンスルフィド構造単位1モル当たりに対し、下記一般式(I)で表される反応性官能基を有するスルフィド化合物を0.1〜25モル%を含む混合物を加熱することにより得られるポリフェニレンスルフィド(A)と、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンから選ばれる少なくとも1種のポリマーを加熱することを特徴とする、ポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2015124225
    (ここで、一般式(I)におけるX、Yは少なくとも一方がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基、もしくはそれら誘導体から選ばれる官能基であり、pは0〜20の整数を表し、pは単一の整数でも、異なる整数の混合物でも良い。)。
  2. 環式ポリフェニレンスルフィドが、下記一般式(II)で表される環式ポリフェニレンスルフィドを50重量%以上含み、かつ式中i=4〜50からなる単量体もしくは混合物であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
    Figure 2015124225
  3. ポリフェニレンスルフィド(A)を、少なくとも環式ポリフェニレンスルフィドと、前記一般式(I)で表される反応性官能基を有するスルフィド化合物を含む混合物を溶媒の非存在下で加熱して調製することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
  4. 前記一般式(I)で表されるスルフィド化合物における反応性官能基が、アミノ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基から選ばれる官能基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
  5. ポリフェニレンスルフィド(A)と、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスルホンから選ばれる少なくとも1種のポリマーを、溶媒の非存在下で加熱することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィドブロック共重合体の製造方法。
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