JP6252470B2 - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
式中、mは4〜50の整数であり、前記環状ポリフェニレンスルフィドは、同一のmを有する環状ポリフェニレンスルフィド、または、異なるmを有する複数種類の環状ポリフェニレンスルフィドの混合物であるブロック共重合体。
式中、xは1以上の整数であるブロック共重合体。
式中、nは2〜40の整数であり、前記環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンは、同一のnを有する環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、または、異なるnを有する複数種類の環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの混合物であるブロック共重合体。
(a)環状ポリフェニレンスルフィドを、開始剤存在下で開環重合する工程と、
(b)環状ポリアリーレンスルフィドとは異なる環状化合物を、開始剤存在下で開環重合する工程と、
を備え、
前記(a)工程と前記(b)工程のうちの一方の工程で得られた生成物を、他方の工程の原料である環状化合物と混合して、前記他方の工程を行なう、ブロック共重合体の製造方法。
本発明の実施形態のブロック共重合体は、少なくとも2つのポリマー成分ブロックを含み、そのうち少なくも1つは環状ポリアリーレンスルフィドを原料とするポリアリーレンスルフィド成分ブロックである。
特に好ましい環状ポリアリーレンスルフィドとしては、主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有する、環状ポリフェニレンスルフィド(以下環状PPSと略する場合がある)が挙げられる。ここで言う環状ポリフェニレンスルフィドとは、下記一般式(v)のごとき環状化合物の単量体もしくは混合物である。環状PPSは、(v)式の環状化合物を少なくとも50重量%以上含むものであり、70重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むものがさらに好ましい。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロック以外のブロック成分の原料として用いる環状化合物としては、繰り返し単位を有する環状ポリマーまたはオリゴマーであっても、ラクタム、ラクトンなどの低分子環状化合物であってもよい。例えば環状のポリマーとしては、環状のポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンおよびそれらの誘導体が好ましく用いられる。その中でも、ラクタム、ラクトン、環状のポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホンおよびポリフェニレンエーテルエーテルケトンがさらに好適である。使用できる環状ポリマーまたはオリゴマーの分子量に特に制限はないが、環状物そのものや得られる共重合体の溶融粘度の観点から、数平均分子量100,000未満が好ましく、50,000未満がさらに好ましく、10,000以下が特に好ましい。
本発明の実施形態に記載の共重合体は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定される最大ピーク分子量が、2,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがさらに好ましく、5,000以上であることが特に好ましい。また、最大ピーク分子量が2,000,000未満であることが好ましく、1,000,000未満であることがさらに好ましく500,000未満であることが特に好ましい。さらに、最大ピーク分子量は、上記の範囲にあり、かつ前記範囲で単峰性の分子量分布を有することが好ましい。最大ピーク分子量が前記範囲内であれば、得られる共重合体の物性や成形加工性が良好となる。ここでの最大ピーク分子量とは、示差屈折率検出器を備えたSEC装置を用いた測定によって得られるクロマトグラムの最大値に対応する分子量を意味し、横軸を保持時間、縦軸を基質濃度としたクロマトグラムの場合、基質濃度が最大値をとる保持時間を求め、その値を、絶対分子量が既知の標準物質(本実施形態ではポリスチレンが使用される)の測定により得られた分子量と保持時間との関係式に代入することにより求めることが可能である。本実施形態では、SECの測定条件としては、1−クロロナフタレンを溶離液として用い、共重合体を0.05重量%の濃度で溶解させている。SECの測定温度は50〜250℃の範囲が例示でき、カラムや検出器などSEC装置を構成する工程毎に異なっていてもよい。本実施形態では、カラム温度210℃、プレ恒温槽温度250℃、ポンプ恒温槽温度50℃、検出器温度210℃としている。
本発明の実施形態の共重合体は、共重合体を構成する少なくとも2つのポリマー成分ブロックを同時に合成し共重合体を製造する方法、または少なくとも1つのポリマー成分ブロックを合成し、得られたポリマー成分ブロックを原料あるいは開始剤として用いる逐次的な製造方法のいずれによってでも製造することが可能である。このうち、共重合体中へのホモポリマーの混入低減という観点から、逐次的な製造方法が好ましく採用される。以下、本発明の実施形態の共重合体の製造方法を記述する。
(a)前記一般式(v)で表される環状ポリフェニレンスルフィドを、開始剤存在下で開環重合する工程。
(b)環状アミド、環状エステル、環状ポリカーボネート、環状ポリスルホンおよび環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンから選ばれるいずれか1種の環状化合物を、開始剤の存在下で開環重合する工程。
環状ポリフェニレンスルフィド、環状ポリフェニレンスルフィド成分ブロック、その他の成分ブロック、共重合体の各平均分子量、および最大ピーク分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によりポリスチレン換算で算出した。測定条件を以下に示す。
装置:株式会社センシュー科学 SSC−7100
カラム:株式会社センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流速:1.0mL/min
試料注入量:300μL
リンカム社製の顕微鏡用加熱ステージTH−600PM上に、ポリマーをカバーグラスに挟んで静置した。昇温速度90℃/分で25℃から300℃に昇温し、5分間滞留後の相分離状態を、株式会社ニコン インストルメンツカンパニー社製の位相差光学顕微鏡OPTIPHOT XF−Ph(倍率50倍)で観察した。溶融時均一性の評価は以下の基準で判断した。
均一:相分離サイズが1μm以下の均一な一相状態
不均一:数〜数十μmオーダーで粗大相分離している状態
共重合体中の環状ポリフェニレンスルフィドまたは環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの重量分率、および環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物中の含有環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成は、以下のようにして求めた。共重合体あるいは組成物を、p−クロロフェノール/1−クロロナフタレン=6/4(v/v)混合溶媒に220℃加熱下で溶解させ、テトラヒドロフラン(THF)で希釈し、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過したものを、高速液体クロマトグラフィーにより下記条件にて測定して算出した。
装置 :株式会社島津製作所製 LC−10Avpシリーズ
カラム :Mightysil RP−18GP150−4.6
検出器 :フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nmを使用)
カラム温度 :40℃
サンプル濃度:0.02重量%テトラヒドロフラン(THF)溶液
移動相 :THF/0.1重量%トリフルオロ酢酸水溶液
(共重合体中の環状ポリフェニレンスルフィドまたは環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの消費率)(%)=100−(共重合体中の環状ポリフェニレンスルフィドまたは環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの重量分率)(%)
示差走査型熱量分析装置として、セイコー電子工業株式会社製のロボットDSC RDC220を用い、窒素雰囲気下、得られたポリマーの熱的特性を測定した。下記測定条件を用い、融点としてはSecond Runの吸熱ピークの値を用い、降温結晶化温度としてはFirst Runの発熱ピークの値を用いた。
(First Run)
・50℃×1分 ホールド
・50℃から380℃へ昇温,昇温速度20℃/分
・昇温後×1分 ホールド
・50℃へ降温,降温速度20℃/分
(Second Run)
・50℃×1分 ホールド
・ 50℃から380℃へ昇温,昇温速度20℃/分
得られた共重合体の耐薬品性評価のため、共重合体500mgに、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジクロロメタン、N−メチル−2−ピロリドンおよびp−クロロフェノールから選択される1種の溶媒を20mL加え、80℃で2時間撹拌して、不溶成分を除去した。さらに溶媒を真空除去により除いて、溶媒中に溶解していた可溶成分を得て、共重合体中の可溶成分の重量分率を算出した。得られた可溶成分の重量分率が低いほど、共重合体は耐薬品性に優れていると言える。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を140.3g(1.20モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した水酸化ナトリウムの48重量%水溶液125.0g(1.44モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)6,150g、及びp−ジクロロベンゼン(p−DCB)180.8g(1.23モル)を仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素ガス下に密封した。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を28.06g(0.24モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した水酸化ナトリウムの48重量%水溶液25.00g(0.29モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1167g、及びp−ジクロロベンゼン(p−DCB)36.16g(0.25モル)を仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素ガス下に密封した。
参考例3の環状ポリカーボネートは、Macromolecules,24巻,3037頁(1991年)に記載の方法で合成した。
撹拌翼および冷却管を備えた1L三口ナスフラスコに、ジクロロメタン200mL、蒸留水7mL、9.75M水酸化ナトリウム水溶液3mLおよびトリエチルアミン2.4mLを投入した。混合溶液を30℃に保ち、400rpmで撹拌しながらビスフェノールAビス(クロロホルメート)の1.0Mジクロロメタン溶液200mLを、チューブポンプを用いて5.7mL/分の速度で系内に添加した。同時に9.75M水酸化ナトリウム水溶液59mLを滴下ロートを用いて25分かけて滴下し、トリエチルアミン2.4mLを、シリンジポンプを用いて28分かけて滴下した。ビスフェノールAビス(クロロホルメート)を添加終了後、10分間撹拌を行った後、撹拌を停止し有機層を取り出した。有機層を1.0M塩酸で洗浄後、蒸留水で3回洗浄した。有機層を濃縮乾固し、得られた粗生成物を良溶媒としてアセトン、貧溶媒として水を用いた沈殿操作を行い、得られた生成物を80℃で12時間真空乾燥し、白色固体36.2g(収率71.2%)を得た。得られた白色固体は、1H−NMR、FT−IRおよび高速液体クロマトグラフィーによる分析により、2〜15量体の環状ポリカーボネートであることが分かった。以下、この白色固体を、参考例3の環状ポリカーボネートと呼ぶ。
参考例4の環状ポリスルホンは、特開平3−088828に記載の方法で合成した。
撹拌翼、冷却管およびディーン・スターク装置を備えた5L三口ナスフラスコに、1,500mLのジメチルスルホキシドおよび800mLのトルエンを加え、混合溶液を撹拌しながら135℃で加熱還流した。加熱還流しながら、ビス(4−フルオロフェニル)スルホンの0.5Mジメチルスルホキシド溶液100mLと、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンジナトリウム塩の0.5M水溶液100mLを、0.33mL/分の速度でメタロールポンプを用いて同時に添加した。留出する水/トルエン共沸物をディーン・スターク装置で留去すると同時に、濃度を一定に保つために留出したトルエンを追加しながら、15時間加熱を続けた。反応混合物を室温まで冷却した後、5mLの無水酢酸を添加した。反応溶液を200mLに濃縮した後、約3000mLの水中に滴下し、生じた沈殿物をろ過により回収し、メタノールで数回洗浄した。得られた白色固体を80℃で6時間加熱乾燥した。得られた粗生成物20gを100mLのジメチルホルムアミドに投入し、生じた白色沈殿物をろ別し、メタノールで洗浄した。生成物を80℃の真空乾燥機で12時間乾燥し、白色固体5.2g(収率22.4%)を得た。得られた白色固体は、1H−NMR、FT−IRおよび高速液体クロマトグラフィーによる分析により、4〜6量体の環状ポリスルホンであることが分かった。以下、この白色固体を、参考例4の環状ポリスルホンと呼ぶ。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン10.91g(0.05モル)、ヒドロキノン5.51g(0.05モル)、無水炭酸カリウム6.91g(0.05モル)、およびN−メチル−2−ピロリドン486gを仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素ガス下に密封した。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、参考例1の環状ポリフェニレンスルフィド5g(フェニレンスルフィド繰り返し単位46.2mmol)と、重合開始剤としてのナトリウムチオフェノキシド122mg(0.92mmol)を仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて320℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し、加熱開始から1.5時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にナトリウムチオフェノキシドを有するポリフェニレンスルフィド(A−1)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は280℃であった。SEC測定の結果、数平均分子量は14,800、重量平均分子量は27,800、最大ピーク分子量は16,900であった。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、参考例2の環状ポリフェニレンスルフィド1g(フェニレンスルフィド繰り返し単位9.16mmol)と、重合開始剤としてのナトリウムチオフェノキシド24.2mg(0.18mmol)を仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて320℃に加熱した。50rpmで撹拌しながら1時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にナトリウムチオフェノキシドを有するポリフェニレンスルフィド(A−2)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点280℃であった。SECを用いた分子量測定の結果、数平均分子量は15,000、重量平均分子量は28,200、最大ピーク分子量は17,100であった。
重合開始剤としてナトリウムチオフェノキシド12.11mg(0.09mmol)を用いた以外は参考例7と同様の方法で、片末端にナトリウムチオフェノキシドを有するポリフェニレンスルフィド(A−3)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点282℃であった。SECを用いた分子量測定の結果、数平均分子量は20,300、重量平均分子量は50,600、最大ピーク分子量は23,100であった。
重合開始剤として4,4'−ビフェニルジチオールジナトリウム塩48.5mg(0.19mmol)を用いた以外は参考例6と同様の方法で、両末端にナトリウムチオフェノキシドを有するポリフェニレンスルフィド(A−4)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点282℃であった。SEC測定の結果、数平均分子量は28,700、重量平均分子量は68,900、最大ピーク分子量は31,100であった。
重合開始剤として4,4'−ビフェニルジチオールジナトリウム塩9.7mg(0.04mmol)を用いた以外は参考例7と同様の方法で、両末端にナトリウムチオフェノキシドを有するポリフェニレンスルフィド(A−5)を得た。 示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は275℃であった。SECを用いた分子量測定の結果、数平均分子量は28,700、重量平均分子量は72,500、最大ピーク分子量は32,000であった。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を5.85g(0.05モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した水酸化ナトリウムの48重量%水溶液5.21g(0.06モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1080g、および参考例1で合成したクロロホルム抽出残渣(ポリフェニレンスルフィド)108gを仕込み、窒素置換を3回繰り返した後、400rpmで撹拌を行いながら250℃まで45分で昇温した。その後、250℃で1時間反応させて、ポリフェニレンスルフィドの解重合による末端チオラート化を行った。反応液を冷却後、脱イオン水5000g中に投入し、沈殿物をろ別した。沈殿物を80℃の脱イオン水で数回洗浄し、得られた白色固体を80℃で8時間真空乾燥を行い、ポリフェニレンスルフィド(B−1)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点277℃であった。SEC測定の結果、得られたポリマーの数平均分子量は6,200、重量平均分子量は16,100、最大ピーク分子量は7,500であった。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を28.06g(0.24モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した水酸化ナトリウムの48重量%水溶液25.00g(0.29モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)123g、及びp−ジクロロベンゼン(p−DCB)33.81g(0.23モル)を仕込んだ。反応容器を室温・常圧下にて窒素ガス下に密閉した後、400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで約1時間かけて昇温した。次いで200℃から250℃まで約30分かけて昇温した。250℃で2時間保持した後、室温近傍まで急冷してから内容物を回収した。
撹拌翼を備えた試験管に、ω−ラウロラクタム1g(5.1mmol)と、重合開始剤としてのカリウムエトキシド109mg(0.38mmol)とN−アセチル−ε−カプロラクタム1.0mg(6.44×10-3mmol)とを仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて200℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し、加熱開始から3.0時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、ポリアミド(C−1)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は174℃であった。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、環状ポリブチレンテレフタレート(Cyclics社製CBT(登録商標)100)1.2gと重合開始剤としてナトリウムチオフェノキシド122mg(0.92mmol)を仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて250℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し、加熱開始から3.0時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にチオフェノキシドを有するポリエステル(C−2)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は228℃であった。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、参考例3の環状ポリカーボネート5gと、重合開始剤としてのナトリウムチオフェノキシド109mg(0.44mmol)を仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて300℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し、加熱開始から0.5時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にチオフェノキシドを有するポリカーボネート(C−3)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は251℃であった。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、参考例4の環状ポリスルホン5gと、重合開始剤としてのナトリウムチオフェノキシド109mg(0.44mmol)を仕込み、系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて300℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し、加熱開始から0.5時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にチオフェノキシドを有するポリスルホン(C−4)を得た。
撹拌翼、減圧アダプターおよびバキュームスターラを備えた試験管に、参考例5で得られた環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン5gと、重合開始剤としてナトリウムチオフェノキシド46mg(0.35mmol)を仕込んだ。系内を窒素置換した後、窒素雰囲気下で電気環状炉を用いて340℃に加熱した。加熱開始5分後、内容物が溶融しているのを確認してから撹拌を開始し加熱開始から1.0時間反応を行った。反応終了後、試験管を電気環状炉から取り出し、窒素下で室温まで冷却し、片末端にチオフェノキシドを有するポリフェニレンエーテルエーテルケトン(C−5)を得た。示差走査型熱量分析装置を用いた融点測定の結果、融点は341℃であった。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン11.46g(52.5mmol)、ヒドロキノン5.51g(50mmol)、無水炭酸カリウム6.91g(50mmol)、およびN−メチル−2−ピロリドン58gを仕込んだ。反応容器を室温・常圧下にて窒素ガス下に密閉した後、400rpmで撹拌しながら、室温から140℃まで昇温し140℃で1時間保持した。その後、180℃まで昇温して180℃で3時間保持した。その後、230℃にまで昇温して230℃で5時間保持した後、室温近傍まで冷却してから内容物を回収した。
参考例6で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−1)の凍結粉砕微粉末1gおよびω−ラウロラクタム1g(5.1mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラ、窒素導入管および還流管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で撹拌しながら、室温から200℃まで30分で昇温し、その後250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から30分で300℃まで昇温し、300℃で2時間保持した。撹拌を止め試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリアミドブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は22,500、最大ピーク分子量は24,800であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であることが分かった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は34重量%であった。結果を表1に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(A−4)を用いた以外は実施例1と同様の方法でポリフェニレンスルフィド−ポリアミドブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は35,200、最大ピーク分子量は38,100であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は39重量%であった。結果を表1に示す。
参考例13で得られたポリアミド成分ブロック(C−1)の凍結粉砕粉末1gおよび参考例1で得られた環状ポリフェニレンスルフィド1g(9.1mmol)を攪拌翼、バキュームスターラ、窒素導入管および還流管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で撹拌しながら、室温から200℃まで30分で昇温し、その後250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から30分で300℃まで昇温し、300℃で2時間保持した。撹拌を止め試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリアミドブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は42,600、最大ピーク分子量は44,800であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であることが分かった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は22重量%であった。結果を表1に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(B−1)を用いた以外は実施例1と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は9,500、最大ピーク分子量は11,500であり、クロマトグラムは、残存のホモポリフェニレンスルフィドに起因するピークが存在しており多峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造が観察され、不均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は68重量%であった。結果を表1に示す。
参考例6で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−1)の凍結粉砕微粉末1gおよび環状ポリブチレンテレフタレート(Cyclics社製CBT(登録商標)100)1.2g(5.45mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から200℃まで30分で昇温し、その後撹拌を行いながら250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から15分で280℃まで昇温し、反応を完結させた。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を50℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリブチレンテレフタレート共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は19,100、最大ピーク分子量は23,400であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は22重量%であった。結果を表2に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(A−4)を用いた以外は実施例4と同様の方法でポリフェニレンスルフィド−ポリブチレンテレフタレートブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は34,000、最大ピーク分子は量37,600であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は30重量%であった。結果を表2に示す。
参考例14で得られたポリブチレンテレフタレート成分ブロック(C−2)の凍結粉砕微粉末1gおよび参考例1の環状ポリフェニレンスルフィド1g(9.16mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から200℃まで30分で昇温し、その後、撹拌を行いながら250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から15分で280℃まで昇温し、反応を完結させた。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を50℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリブチレンテレフタレート共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は23,100、最大ピーク分子量は26,500であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は15重量%であった。結果を表2に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(B−1)を用いた以外は実施例4と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は8,700、最大ピーク分子量は10,300であり、クロマトグラムは、残存のホモポリフェニレンスルフィドに起因するピークが存在しており多峰性であった。また溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造が観察され、不均一であった。ヘキサフルオロイソプロパノールへの可溶成分の重量分率は61重量%であった。結果を表2に示す。
参考例6で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−1)の凍結粉砕微粉末1gおよび参考例3で得られた環状ポリカーボネート1.2g(4.72mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から200℃まで30分で昇温し、その後撹拌を行いながら250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から45分で300℃まで昇温し、反応を完結させた。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリカーボネート共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は22,200、最大ピーク分子量は24,900であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。ジクロロメタンへの可溶成分の重量分率は12重量%であった。結果を表3に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(A−4)を用いた以外は実施例7と同様の方法でポリフェニレンスルフィド−ポリカーボネートブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は35,700、最大ピーク分子量は39,300であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。ジクロロメタンへの可溶成分の重量分率は20重量%であった。結果を表3に示す。
参考例15で得られたポリカーボネート成分ブロック(C−3)の凍結粉砕微粉末1.2gおよび参考例1で得られた環状ポリフェニレンスルフィド1g(9.16mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から200℃まで30分で昇温し、その後撹拌を行いながら250℃まで60分で昇温した。次いで250℃から45分で320℃まで昇温し、反応を完結させた。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリカーボネート共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は22,200、最大ピーク分子量は24,900であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。ジクロロメタンへの可溶成分の重量分率は5重量%であった。結果を表3に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(B−1)を用いた以外は実施例7と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は10,600、最大ピーク分子量は11,900であり、クロマトグラムは残存のホモポリフェニレンスルフィドに起因するピークが存在しており多峰性であった。また溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造が観察され、不均一であった。ジクロロメタンへの可溶成分の重量分率は45重量%であった。結果を表3に示す。
参考例6で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−1)の凍結粉砕微粉末1gおよび参考例3で得られた環状ポリエーテルスルホン1.2g(5.17mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から280℃まで60分で昇温し、その後撹拌を行いながら320℃まで60分で昇温した。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリスルホン共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は21,800、最大ピーク分子量は24,400であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。N−メチル−2−ピロリドンへの可溶成分は18重量%であった。結果を表4に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(A−4)を用いた以外は実施例10と同様の方法でポリフェニレンスルフィド−ポリスルホンブロック共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は34,200、最大ピーク分子量は38,100であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。N−メチル−2−ピロリドンへの可溶成分は25重量%であった。結果を表4に示す。
参考例16で得られたポリスルホン成分ブロック(C−4)の凍結粉砕微粉末1.2gおよび参考例1で得られた環状ポリフェニレンスルフィド1g(9.16mmol)を、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えた試験管に入れ、3回窒素置換した。窒素気流下で室温から280℃まで60分で昇温し、その後撹拌を行いながら320℃まで60分で昇温した。試験管の内容物を水中に吐出し、得られた褐色固体を80℃で12時間真空乾燥し、ポリフェニレンスルフィド−ポリスルホン共重合体を得た。得られたポリマーのSEC測定を行った結果、数平均分子量は21,800、最大ピーク分子量は24,400であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡により評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な相分離構造は観察されず、均一であった。N−メチル−2−ピロリドンへの可溶成分は10重量%であった。結果を表4に示す。
ポリフェニレンスルフィド成分ブロックとして(B−1)を用いた以外は実施例10と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーのSEC測定の結果、数平均分子量は9,800、最大ピーク分子量は11,100であり、クロマトグラムは残存のホモポリフェニレンスルフィドに起因するピークが存在しており多峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造が観察され、不均一であった。N−メチル−2−ピロリドンへの可溶成分は47重量%であった。結果を表4に示す。
参考例7で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−2)の凍結粉砕微粉末0.92gおよび参考例5で得られた環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン0.08gを、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えたガラス製試験管(24mm径)に仕込んだ。試験管内を室温、常圧下で窒素置換した後、真空ポンプを用いて約0.4kPaに減圧した。約0.4kPaに減圧した約10秒後、320℃に温調した電気環状炉内に試験管を設置し、真空ポンプによって試験管内を約0.4kPaに保ち脱揮をしながら50rpmで撹拌し、90分間加熱した。その後、炉内から試験管を取り出し室温まで冷却し、茶褐色固体のポリマーを得た。
参考例7で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−2)の凍結粉砕微粉末0.7gと参考例5で得られた環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物0.3gを用いた以外は実施例13と同様の方法で共重合体の合成を行った。
参考例8で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−3)の凍結粉砕微粉末を用いた以外は実施例13と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーを1−クロロナフタレン/p−クロロフェノール=6/4(v/v)混合溶媒に220℃で溶解させ、高速液体クロマトグラフィー測定を行った結果、環状ポリフェニレンスルフィドの消費率は97%、環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの消費率は93%であった。示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は281℃、325℃の2種であり、降温結晶化温度は221℃であった。SEC測定の結果、数平均分子量は40,500、最大ピーク分子量は46,100であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。p−クロロフェノールへの可溶成分の重量分率は0重量%であった。結果を表5に示す。
参考例10で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−5)の凍結粉砕微粉末を用いた以外は実施例13と同様の方法で共重合体の合成を行った。得られたポリマーを1−クロロナフタレン/p−クロロフェノール=6/4(v/v)混合溶媒に220℃で溶解させ、高速液体クロマトグラフィー測定を行った結果、環状ポリフェニレンスルフィドの消費率は99%、環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの消費率は95%であった。示差走査型熱量分析装置を用いた融点および降温結晶化温度測定の結果、融点は269℃、313℃の2種であり、降温結晶化温度は183℃であった。SEC測定の結果、数平均分子量は31,300、最大ピーク分子量は35,400であり、クロマトグラムは単峰性であった。溶融時の均一性を光学顕微鏡で評価した結果、ホモポリマーに起因する粗大な分離構造は観察されず均一であった。p−クロロフェノールへの可溶成分の重量分率は0重量%であった。結果を表5に示す。
参考例17で得られたポリフェニレンエーテルエーテルケトン成分ブロック(C−5)の凍結粉砕微粉末0.30gおよび参考例2で得られた環状ポリフェニレンスルフィド0.70gを、撹拌翼、バキュームスターラおよび窒素導入管を備えたガラス製試験管(24mm径)に仕込んだ。試験管内を室温、常圧下で窒素置換した後、真空ポンプを用いて約0.4kPaに減圧した。約0.4kPaに減圧した約10秒後、350℃に温調した電気環状炉内に試験管を設置し、真空ポンプによって試験管内を約0.4kPaに保ち脱揮をしながら50rpmで撹拌し、90分間加熱した。その後、炉内から試験管を取り出し室温まで冷却し、茶褐色固体のポリマーを得た。
参考例7で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(A−2)の凍結粉砕微粉末0.5gと、参考例5で得られた環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン組成物0.5gとを用いた以外は、実施例13と同様の方法で共重合体の合成を行った。
参考例1の環状ポリフェニレンスルフィド0.3g、参考例5で得られた環状ポリフェニレンエーテルエールケトン組成物0.7g、および、環状ポリフェニレンスルフィドの主要構成単位である式−(Ph−S)−の繰り返し単位からなる化合物に対してナトリウムベンゼンチオラートを5モル%混合した粉末1gを、攪拌機を具備したガラス製試験管(24mm径)に仕込み、試験管内を室温、常圧下で窒素置換した。360℃に温調した電気炉内に試験管を設置し、50rpmで撹拌しながら60分間加熱した後、試験管を取り出し室温まで冷却し、茶褐色固体を得た。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、参考例12で得られたポリフェニレンスルフィド成分ブロック(B−2)51.9g(0.18mmol)、参考例18で得られたポリフェニレンエーテルエーテルケトン成分ブロック(D−1)20.0g(0.18mol)、およびN−メチル−2−ピロリドン50mLを仕込んだ。
攪拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を28.06g(0.24モル)、96%水酸化ナトリウムを用いて調製した水酸化ナトリウムの48重量%水溶液25.00g(0.29モル)、N−メチル−2ピロリドン120mL、及びp−ジクロロベンゼン33.81g(0.23モル)を仕込んだ。
Claims (8)
- ブロック共重合体の製造方法であって、(a)環状ポリアリーレンスルフィドを、開始剤存在下で開環重合する工程と、(b)環状ポリアリーレンスルフィドとは異なる環状化合物を、開始剤存在下で開環重合する工程と、を備え、前記(a)工程と前記(b)工程のうちの一方の工程で得られた生成物を、他方の工程の原料である環状化合物と混合して、前記他方の工程を行なう、ブロック共重合体の製造方法。
- 前記(b)工程で用いられる環状化合物が、環状アミド、環状エステル、環状ポリカーボネート、環状ポリスルホンおよび環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンから選ばれるいずれか1種の環状化合物である請求項1に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記一方の工程は前記(a)工程である、請求項1または2に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記(b)工程で用いられる環状化合物が、環状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンである、請求項3に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記一方の工程は前記(b)工程である、請求項1または2に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記(b)工程で用いられる環状化合物が、環状アミド、環状エステル、環状ポリカーボネートおよび環状ポリスルホンから選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記一方の工程で用いる前記開始剤が金属塩である、請求項1〜6いずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
- 前記(a)工程および前記(b)工程で進行する前記開環重合がアニオン開環重合である、請求項1〜7いずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
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