JPWO2002099180A1 - 炭素繊維用サイジング剤、その水分散液、サイジング処理された炭素繊維、該炭素繊維を使用したシート状物、及び炭素繊維強化複合材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、炭素繊維用サイジング剤、その水分散液、前記炭素繊維サイジング剤を付与した炭素繊維、この炭素繊維を含むシート状物、及び炭素繊維強化複合材料に関する。
背景技術
炭素繊維は伸度が小さく且つ脆い性質を有するために、機械的摩擦等によって毛羽が発生し易く、またマトリックス樹脂に対する濡れ性に乏しい。このため、強化材として使用する炭素繊維の優れた性質を十分に発揮させることが難しい。これを改善するために、従来から炭素繊維に対してサイジング剤による処理が施されている。このようなサイジング剤として、多種の化合物が知られている。例えば、特開昭50−59589号公報には、ポリグリシジルエーテル類からなるサイジング剤の溶剤溶液(以下「サイジング剤1」と略記する)を炭素繊維に付与することが開示されている。また、特開昭61−28074号公報には、ビスフェノール型ポリアルキレンエーテルエポキシ化合物類を少量の乳化剤で水性エマルション(以下「サイジング剤2」と略記する)とし、これを炭素繊維に付与することが知られている。
また、繊維強化複合材料の1つに、炭素繊維からなる強化材と、マトリックス樹脂とによる樹脂組成物を成形してなる成形品がある。このような繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂が広く使用されている。また、エポキシ樹脂以外にも、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などのラジカル重合系樹脂を含む多くの樹脂が用いられている。
強化材としての炭素繊維と、マトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化樹脂組成物を得る際に、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させる方法としては、離型紙上に薄くマトリックス樹脂を塗布した上に炭素繊維を一方向に並べるプリプレグ法や、樹脂浴中に炭素繊維を通過させるディッピング法等がある。
また、織機により織布に加工した後の炭素繊維織布に、マトリックス樹脂を含浸させて、炭素繊維強化樹脂組成物とすることもできる。このような炭素繊維織布強化樹脂組成物を得る方法としては、離型紙上に薄くマトリックス樹脂を塗布した上に、炭素繊維織布を重ねるプリプレグ法や、樹脂浴中に炭素繊維織布を通過させるディッピング法等がある。
品質の高い繊維強化複合材料を工業的に安定に成形するためには、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させる含浸工程において、数千本のフィラメントからなる炭素繊維束とマトリックス樹脂の含浸が容易に、そして完全に行なえるようにすることが必要である。
しかしながら、炭素繊維は伸度が小さく且つ脆い性質を有するために、機械的摩擦等によって毛羽が発生し易く、しかもマトリックス樹脂に対する濡れ性に乏しい。このため、強化材として使用する炭素繊維に、上記の如き優れた性質を十分に発揮させることができず、これを改善するために、従来から、繊維強化複合材料の強化材に使用する炭素繊維に対してサイジング剤による処理が施されている。すなわち、炭素繊維にサイジング剤による処理を施すことにより、炭素繊維の取扱い性を向上させるとともに、マトリックス樹脂に対する濡れ性を向上させる。これによって、炭素繊維を強化材とする繊維強化複合材料からなる成形品の品質の向上が図られている。このようなサイジング剤として、多種の化合物が用いられている。
例えば、ポリグリシジルエーテル類などを用いるサイジング剤(特公昭57−15229号公報等参照)(以下「サイジング剤3」と略記する)が提案されている。また、エポキシ樹脂と、不飽和二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物との縮合物と、単環フェノール及び多環フェノール類から選ばれるフェノール類のアルキレンオキシド付加物とを必須成分とするサイジング剤(特開昭53−52796号公報、特開平7−19738号公報:以下「サイジング剤4」と略記する)が提案されている。また、エポキシ樹脂、単環又は多環フェノール類のアルキレンオキシド付加物、並びに不飽和二塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物との酸価が40以下のポリエステル縮合物からなるサイジング剤(特開平10−60779号公報:以下「サイジング剤5」と略記する)などの種々のものが提案されている。
上記サイジング剤3は、その使用に際し、含浸性や界面接着力などに優れているという利点を有している。サイジング剤4は、マトリックス樹脂、特に不飽和ポリエステル樹脂との接着性を向上させることができる。また、エポキシ樹脂をマトリックス樹脂として用いた場合には、硬化条件の変動による炭素繊維強化樹脂組成物の物性が変動するという従来からの問題点を低減できる優れたサイジング剤である。また、サイジング剤5は、経時的に安定で、解舒性に優れ、かつ不飽和ポリエステルとの接着性が良好なサイジング剤である。
しかしながら、サイジング剤1は、溶剤溶液を用いるため、炭素繊維用サイジング剤を付与する処理に際して、工業的な取り扱いや、安全性の面など水系に比較して悪いという欠点を有していた。また、サイジング剤2はサイジング剤1の欠点は改善されるものの、乳化剤の選択によって以下のような欠点があることがわかっている。すなわち、乳化剤がノニオン系界面活性剤の場合は、エポキシ化合物の乳化安定性が十分ではないため、炭素繊維用サイジング剤を付与する処理に際して、一部乳化が壊れ、付着斑や、炭素繊維の製造工程でのトラブル発生の原因となった。
また、電荷を有し、乳化安定性を向上させることができるアニオン系界面活性剤の場合は、対イオンがアルカリ金属やアルカリ土類金属イオンであるアニオン系界面活性剤では、これらアルカリ金属やアルカリ土類金属イオンが繊維強化複合材料に混入し、その熱安定性が低下するなどの問題が生じる不都合があった。
一方、対イオンがアンモニウムイオンであるアニオン系界面活性剤は、エポキシ基との反応活性を有することから、炭素繊維にサイジング剤として付着した後に、付着したサイジング剤のエポキシ基が徐々に反応してしまう。その結果、炭素繊維が硬くなる顕著な経時変化が生じる不都合があった。更に、同様に電荷を有し、乳化安定性を向上させることができるカチオン系界面活性剤の場合は、アニオン系界面活性剤に比べ高価である欠点を有していた。
さらに、サイジング剤3は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などのラジカル重合系樹脂に対する接着性が十分ではないので、これらの樹脂を炭素繊維強化樹脂組成物のマトリックス樹脂として使用するには不適当である。また、サイジング剤4およびサイジング剤5は、サイジング剤3に比較してラジカル重合系樹脂に対する接着性に優れてはいるが、まだ十分なものではない。そのため、上述した樹脂を炭素繊維強化樹脂組成物のマトリックス樹脂として使用するにはなお問題がある。
発明の開示
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決し、炭素繊維の良好な樹脂含浸性及び樹脂との接着性を有し、安定した工程通過性、物性改善効果を与える炭素繊維用サイジング剤を提供することを目的とする。
本発明は、炭素繊維の経時変化が少ない炭素繊維用サイジング剤を提供することを目的とする。
本発明は、エポキシ樹脂だけでなく、特にアクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などのラジカル重合系樹脂による樹脂含浸性及びこれらの樹脂との接着性を向上させる炭素繊維用サイジング剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のサイジング剤を用いてサイジングを行なう炭素繊維のサイジング方法、このサイジング剤によってサイジング処理された炭素繊維、このサイジング処理された炭素繊維を含むシート状物、及びこのサイジング処理された炭素繊維又はこの炭素繊維を含むシート状物を強化材として含む繊維強化複合材料を提供することを目的とする。
本発明は、(A)分子中に少なくとも一個のエポキシ基を有する化合物、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤、(C)ノニオン系界面活性剤を含み、(B)アニオン系界面活性剤に対して(C)ノニオン系界面活性剤が1/50〜1/2(質量比)含まれる炭素繊維用サイジング剤である。
また、化合物(A)が、分子中に複数個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と不飽和一塩基酸とのエステルであって、分子中に少なくとも1つの未反応エポキシ基を有する化合物である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の炭素繊維用サイジング剤の特徴は、(A)分子中に少なくとも一個のエポキシ基を有する化合物、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤、及び(C)ノニオン系界面活性剤を含み、(B)アニオン系界面活性剤に対して(C)ノニオン系界面活性剤を1/50〜1/2(質量比)含むことを特徴とする。これによって、(B)アニオン系界面活性剤由来のアンモニウムイオンのエポキシ基に対する反応活性を低下させることができる。その結果、サイジング剤を付着させた炭素繊維の経時変化を著しく抑制することができる。
「(C)ノニオン系界面活性剤」
本発明に用いられる(C)ノニオン系界面活性剤としては、特に限定はしない。脂肪族系ノニオン系界面活性剤は、反応活性低下作用が非常に優れるので好ましい。脂肪族ノニオン系界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これらエチレンオキサイド付加物においては、ポリエチレンオキサイド鎖中の一部にプロピレンオキサイドユニットをランダムあるいはブロック状に含有したタイプも好適に用いられる。
高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物としては、これらのポリエチレンオキサイド鎖中の一部にプロピレンオキサイドユニットをランダム又はブロック状に含有したものがより好ましい。なぜならば、これらはアンモニウムイオンのエポキシ基に対する反応活性を低下させる能力が優れているためである。
脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物としては、モノエステルタイプのもの、ジエステルタイプさらにはトリエステル、テトラエステルタイプのものなども利用できる。
本発明では、(C)ノニオン系界面活性剤は、後述の(B)アニオン系界面活性剤に対して、1/50〜1/2(質量比)で含むことが、(B)由来のアンモニウムイオンがエポキシ基に及ぼす反応活性を低下するために必要である。1/50未満では、目的とするアンモニウムイオンの反応活性を低下させる効果が不十分である。一方、1/2を超えると、乳化の安定性が低下し、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤を乳化剤とする利点を損なう。(C)ノニオン系界面活性剤の添加量の下限は、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤に対して、1/10が好ましく、1/5が更に好ましい(いずれも質量比)。一方、(C)ノニオン系界面活性剤の添加量の上限は、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤に対して、1/3が好ましく、1/4が更に好ましい(いずれも質量比)。
「(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤」
本発明に用いられる(B)アンモニウムイオンを対イオンとするアニオン系界面活性剤としては、特に限定はなく、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩などを挙げることができる。この中で、硫酸エステル塩、スルホン酸塩は、エポキシ樹脂化合物の乳化能力に特に優れるので好ましい。
前記硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、多環フェニルエーテルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
又、高級アルキルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩、多環フェニルエーテルポリエチレングリコールエーテル硫酸エステル塩におけるポリエチレンオキサイド鎖中の一部に、プロピレンオキサイドユニットをランダム又はブロック状に含有したものも用いることもできる。
前記スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、多環フェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩などが挙げられる。
さらに、より好ましくは、アニオン系界面活性剤の疎水基は、式1または式2の構造を有するものである。炭素繊維は樹脂との複合化により、優れた機械物性を発現することが特徴である。そのため、マトリックスとして組み合わせられる樹脂は、剛直性の点から芳香族骨格を有するものが用いられ、炭素繊維用サイジング剤の主成分も芳香族骨格を有するものが多い。このような化合物の乳化において、乳化剤の疎水基は芳香族系との親和性が高い。その結果、乳化物が安定し、貯蔵性、炭素繊維製造時の製造・工程で良い結果をもたらす。さらに、マトリックス樹脂との複合化の際、マトリックス樹脂へのサイジング剤成分の拡散が生じ、特に界面層においては、マトリックス樹脂成分の中に、サイジング剤成分を高濃度に含む領域が形成される。この領域は、複合材料の機械特性に大きな影響を及ぼす。したがって、乳化剤とマトリックス樹脂との優れた相溶性は、複合材料の機械物性発現に非常に重要な特性である。さらに、外因性内分泌撹乱物質誘導体の観点からは、ノニルフェノール系や、オクチルフェノール系といった比較的長いアルキル基を有するフェノール基を有するアニオン系界面活性剤の使用を避ける必要性もでてきている。このような状況において、式1あるいは式2で表せる疎水基を有するアニオン系界面活性剤は、サイジング剤の主成分化合物やマトリックス樹脂構成化合物との親和性、相溶性に優れる。そのため、式1あるいは式2で表せるアニオン系界面活性剤は、乳化能、乳化物安定性、複合材料の機械特性発現性に優れた性能を有するものである。
式1
式2
ここで、R1は水素原子あるいはC1〜C3の鎖状炭化水素基であり、より好ましくは、水素あるいはメチル基である。R2、R3は水素原子あるいはC3以下の鎖状炭化水素基である。R4は2価の脂肪族系炭化水素基である。また、フェニル基に置換している芳香環数mは1〜3が良く、より好ましくは1〜2である。mが3を越えると、疎水基自体が嵩高い構造となり、サイジング剤の主成分化合物やマトリックス樹脂構成化合物との親和性、相溶性が低下する。その結果、乳化の安定性、樹脂含浸特性、さらには複合材料の界面特性からくる機械物性等の低下が生じる。フェニル基に置換している芳香族化合物は、疎水基部の分子の嵩高さの点から、ベンジル基あるいはスチレン基が良い。また、フェニル基への置換体は、同一であっても良いし、また混合物であっても良い。これらの置換基は、外因性内分泌撹乱物質誘導体の観点からアルキル基置換体でないものが選択されることが好ましい。
(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤の配合量は、(A)から(C)の全質量の5〜30質量%であることが、サイジング剤液の乳化安定性がよく、サイジング剤の効果に悪影響を与えることがないので好ましい。(B)アニオン系界面活性剤の更に好ましい下限値は、10質量%であり、更に好ましい上限値は25質量%である。
「(A)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物」
本発明に用いる(A)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物は、特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノール類のエポキシ化合物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加エポキシ化合物、水素化ビスフェノール類のエポキシ化合物、水素化ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加エポキシ化合物などを挙げることができる。ここで、ビスフェノール類は、特に限定されるものではなく、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型、ビスフェノールS型などの化合物が挙げられる。又、ビスフェノール類のエポキシ化合物以外のフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ジフェニル型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン骨格型などのエポキシ樹脂をかかる成分として用いることもできる。更に、直鎖脂肪族系骨格を有するものでも良い。
また、エポキシ基としては、例えば、グリシジル基、環式脂肪族エポキシ基などが挙げられる。ここで、環式脂肪族エポキシ基は、以下のような構造を有するものである。
本発明では、炭素繊維とマトリックスとの界面接着性を向上させるために、(A)分子中に少なくとも1つ以上エポキシ基を有する化合物を含有する。エポキシ基を複数個有する化合物の場合は、上記効果はより大きいものとなる。
また、エポキシ基を複数個有する化合物は、一部のエポキシ基を変性し、他の官能基を導入することも可能である。たとえば、不飽和一塩基酸あるいは不飽和二塩基酸とのエステル化で変性したタイプの化合物は、分子中にエポキシ基と不飽和基を有しているため、ビニルエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂との界面接着性を向上させる効果がある。
さらに、ビスフェノール類のジエポキシ化合物やビスフェノール類のアルキレンオキシド付加ジエポキシ化合物のような両末端にエポキシ基を有する化合物と不飽和一塩基酸とのエステルで、分子の主鎖の片方の端部に不飽和基を有し、他方の端部にエポキシ基をそれぞれ有する化合物は、炭素繊維表面と樹脂分子の間でのカップリング機能が非常に高い。その結果、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などのラジカル重合系樹脂と炭素繊維とを強力に結合させることができ、優れた界面接着性を発現させることができる。
ここで不飽和一塩基酸としては、いずれも特に限定はないが、不飽和基に結合しているアルキル基が嵩高くないこと、形成されるエステル化合物の主鎖の剛直性を低下させないことから、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
一方、本発明で用いられる不飽和二塩基酸は、炭素数が4〜6の脂肪族(系)であるのが好ましい。芳香族(系)の不飽和二塩基酸を用いると、得られるエステル化合物の融点が高く、マトリックス樹脂との溶解性が悪くなる。その結果、良好な濡れ性を発現させることができないことがある。一方、炭素数が7個以上の脂肪族(系)不飽和二塩基酸を用いると、得られるエステル化合物の剛直性が失われ、マトリックス樹脂との親和性が低下することがある。
本発明において、(A)分子中に少なくとも一個のエポキシ基を有する化合物は1種単独で用いてもよく、又、複数の化合物の混合物として用いてもよい。
「ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と不飽和二塩基酸とのエステルで、その酸価が50以上であるエステル化合物」
本発明において、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と不飽和二塩基酸とのエステル化合物で、その酸価が50以上であるエステル化合物を添加することにより、炭素繊維の樹脂との濡れ性を向上させることができる。本エステル化合物として、酸価が50以上であるものが好ましく用いられる。このことから、本エステル化合物は、分子量1000程度で、一方の末端にカルボキシル基を有する化合物を主要構成成分とするものである。このような化合物は、マトリックス樹脂との相溶性が非常に優れたものとなり、その結果優れた濡れ性を炭素繊維に付与することができる。
本エステル化合物を形成する(D)ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物は、ビスフェノール類に、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2〜4モル付加したものであるのが好ましい。ビスフェノール類にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを5モル以上付加したものでは、ビスフェノール類が本来有する分子鎖の剛直性が失われ、マトリックス樹脂との親和性が悪化することがある。より好ましくは、ビスフェノール類にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2モル付加したものである。これらの(D)ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物は、単独でもよく、また複数の化合物を混合したものであってもよい。
(D)ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物とエステルを形成する不飽和二塩基酸は、炭素数が4〜6の脂肪族(系)であるのが好ましい。芳香族(系)の不飽和二塩基酸を用いると、得られるエステル化合物の融点が高く、マトリックス樹脂との溶解性が悪くなる。その結果、良好な濡れ性を発現させることができないことがある。一方、炭素数が7個以上の脂肪族(系)不飽和二塩基酸を用いると、得られるエステル化合物の剛直性が失われ、マトリックス樹脂との親和性が低下することがある。前述のエポキシ基を少なくとも一つ有するエステル化合物を形成するビスフェノール類のアルキレンオキシド付加ジエポキシ化合物においても、上述した理由から、ビスフェノール類にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2〜4モル付加したものであることが好ましい。より好ましくは、ビスフェノール類にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを2モル付加したものである。
「上記以外の化合物」
本発明では、上記の効果を損なわない範囲で、エステル化合物、ウレタン化合物、ポリアミド化合物、ポリイミド化合物などを添加してもよい。
「サイジング剤の水分散液」
本発明のサイジング剤は、水に分散した水分散液として炭素繊維に付与するものである。サイジング剤を水に分散した水分散液として用いるほうが、有機溶剤に溶解する場合と比較して、工業的にも、また安全性の面からも優れている。
本発明のサイジング剤液は、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤により、(A)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物を安定に水中に分散させることができる。そのため、サイジング剤液は、良好な液安定性を有する取扱い性の良好なものとなる。
(B)アニオン系界面活性剤の配合量は、全質量の5〜30質量%であるのが、サイジング剤液の乳化安定性がよく、またサイジング剤の効果に悪影響を与えることがないので好ましい。より好ましい下限値は7質量%であり、更に好ましい上限値は20質量%である。
「上記サイジング剤を付与した炭素繊維」
本発明の炭素繊維は、上記サイジング剤をその表面に付与したものである。処理される炭素繊維は、ピッチ、レーヨンあるいはポリアクリロニトリルなどのいずれの原料物質から得られたものであってよく、高強度タイプ(低弾性率炭素繊維)、中高弾性炭素繊維又は超高弾性炭素繊維のいずれでもよい。
炭素繊維のサイジング剤の付与量は、炭素繊維の質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3.0質量%が更に好ましい。なぜならば、炭素繊維に収束性、耐擦過性を十分に付与し、樹脂との濡れ性、界面接着力を有し、得られる炭素繊維強化樹脂組成物が良好な力学的特性を得ることができるためである。
「サイジング剤の付与方法」
本発明の炭素繊維を製造するには、サイジング剤、又はサイジング剤の分散液をローラー浸漬法、ローラー接触法により炭素繊維に付与、乾燥することによって行うことができる。その際、サイジング剤の付与量は、サイジング剤液の濃度調整や、絞り量調整によって調節することができる。乾燥は、熱風、熱板、加熱ローラー、各種赤外線ヒーターなどによって行うことができる。
「炭素繊維を使用したシート材及び炭素繊維強化複合材料」
本発明の炭素繊維は、上記サイジング剤液を付与することによって、機械的摩擦などによる毛羽などが発生しにくく、さらにマトリックス樹脂に対する濡れ性や接着性に優れる。更に、上記サイジング剤液を付与することによって、(B)由来のアンモニウムイオンのエポキシ基に対する反応活性を低下させることができる。その結果、本発明の炭素繊維は、サイジング剤を付着させた炭素繊維の経時変化を著しく抑制したものである。
このような炭素繊維は、製織、切断等々の工程通過性に優れ、織布、一方向配列シート、不織布、マット等のシート材に好適に加工することができる。特に製織においては、通常、炭素繊維は擦過により毛羽立ちやすいが、本発明の炭素繊維は、上記サイジング剤により著しく毛羽立ちを抑えることが可能となっている。
本発明の炭素繊維を使用したシート材において、織り組織は特に限定はされず、平織り、綾織り、朱子織りなどのほか、これらの組織を変化させたものであってもよい。また、緯糸、経糸ともに上記炭素繊維からなっていてもよい。また、他の炭素繊維や炭素繊維以外の繊維との混織であってもよい。炭素繊維以外の繊維としては、硝子繊維、チラノ繊維、SiC繊維などの無機繊維、アラミド、ポリエステル、PP、ナイロン、ポリイミド、ビニロンなどの有機繊維などが挙げられる。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物は、上記炭素繊維を用いたことを特徴とするものである。上記炭素繊維は、マトリックス樹脂と複合化され、一方向プリプレグ、クロスプリプレグ、トウプレグ、短繊維強化樹脂含浸シート、短繊維マット強化樹脂含浸シートなどの形態で、炭素繊維強化樹脂組成物を構成する。
ここで使用されるマトリックス樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、ラジカル重合系樹脂であるアクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、さらにはフェノール樹脂などが挙げられる。
このような炭素繊維強化樹脂組成物を製造するには、一般に、通常行われている方法を採用することができる。例えば、ホットメルト法、溶剤法、シラップ法、又はシートモールドコンパウンド(SMC)などに用いられる増粘樹脂法などの方法を挙げることができる。炭素繊維強化樹脂組成物の製造に際しては、上記サイジング剤液で処理された炭素繊維を用い、これを上記マトリックス樹脂で含浸する。
このような炭素繊維強化樹脂組成物においては、前記サイジング剤で処理された炭素繊維を用いているため、マトリックス樹脂として、エポキシ樹脂やアクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などのラジカル重合系樹脂、さらにはフェノール樹脂などとの含浸性に優れ、炭素繊維とマトリックス樹脂の界面接着力が強く、良好な力学的特性を示すものとすることができる。
実施例
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(粘度上昇開始温度測定)
サイジング剤の反応性を評価するため、粘度上昇開始温度を測定した。
各サイジング剤組成を90℃で混合した(但し、ニューコール560SFは、有効成分30質量%の水溶液品であり、真空乾燥を行い、水分を除去した後に使用した)。混合した後50℃まで冷却して、レオメトリックス社製DSR−200を用いて昇温粘度を50℃から2℃/分の昇温速度のもとで測定し、粘度の上昇する温度を記録した。
(サイジング剤の調製)
サイジング剤の調製は、特殊機化工業(株)製ハイビスディスパーミックス(ホモミクサー仕様:型式3D−5型)を用いて、転相乳化により実施した。乳化の手順を以下に詳細に説明する。
アニオン系界面活性剤の多くは、30〜50質量%の水溶液である。
まず、所定の主剤および添加剤を100℃にてプラネタリーミキサーとホモミキサーで混練、混合した。その後、混練した状態で90℃に降温し、引き続きアニオン系界面活性剤の水溶液を少量ずつ添加した。この工程で、内容物の粘度は徐々に上昇した。アニオン系界面活性剤水溶液を全て投入した後、10分間十分に混練しながら80℃まで降温した。次に、脱イオン水を少量ずつ滴下して転相点を通過した後、滴下する水量を増加した。最終的に有効成分40質量%程度の乳化物を得た。
(炭素繊維へのサイジング剤付与)
サイジング剤は転相乳化により水への乳化を実施した。サイジング剤水分散液中のサイジング剤濃度は、界面活性剤を含めて表した。
サイジング剤を付与していない炭素繊維束パイロフィルTR50SX(三菱レイヨン株式会社製、フィラメント数12000本、ストランド強度5,000MPa、ストランド弾性率242GPa)を各サイジング剤の水分散液を満たした浸漬槽内部にフリーローラーを有する浸漬槽に浸漬した。その後、熱風乾燥してからボビンに巻き取った。サイズ付与工程でのサイジング剤の性状を「○:浸漬ローラー表面へ樹脂付着なし、乳化安定性良好。×:浸漬ローラー表面へ樹脂付着若干あり、乳化安定性低下あり。」で評価した。
(一方向プリプレグの製作)
Bステージ化したエポキシ樹脂#350(三菱レイヨン(株)製)を塗布した離型紙上に、ボビンから巻き出した炭素繊維束の63本を引き揃えて配置して、加熱圧着ローラを通して、エポキシ樹脂を含浸した。その上に、保護フィルムを積層して、樹脂含有量約30質量%、炭素繊維目付100g/m2、幅500mmの一方向引揃え(UD)プリプレグを作製した。
上記のUDプリプレグの製造工程中でのボビンからの炭素繊維束の解舒、巻き出しを「○:ボビンからの解舒性良好、毛羽なし、開繊性良好、擦過バーへの樹脂付着なし。×:ボビンからの解除時の糸切れあり、毛羽発生、開繊性斑あり、擦過バーへの樹脂付着あり。」で評価した。また、UDプリプレグの外観及び保護フィルムを剥がしたときの樹脂の吸い込み方(樹脂含浸性のよしあし)を「○:未含浸部に起因する色斑なし、平滑性良好、樹脂吸い込み良好。×:未含浸部に起因する色斑なし、平滑性良好、樹脂吸い込み緩慢。」で評価した。
(ラジカル重合系樹脂との複合化)
サイジング処理した炭素繊維束を使用した緯糸5本/インチと、経糸5本/インチとによる炭素繊維目付315g/m2の平織りクロスを織成した。
次に、ビニルエステル樹脂あるいは不飽和ポリエステル樹脂を含浸、繊維体積含有率VF 45%程度のシート状コンポジット材料を作製した。これらを8枚重ね、加熱、加圧して積層板を作製し、これを試験体とした。なお、用いた樹脂は以下の通りである。
1.ビニルエステル樹脂:ネオポール 8260/パーメックN/6%ナフテン酸コバルト=100/1/0.5、硬化条件:60℃×2Hr→80℃×2Hr→120℃×2Hr
2.不飽和ポリエステル樹脂:ユピカ 4521PT:パーメックN=100:1、硬化条件:室温1晩放置後、60℃×2Hr+80℃×2Hr+120℃×2Hr
(0°、90°曲げ試験と層間剪断強度(ILSS))
炭素繊維とマトリックス樹脂との界面接着性は、このUDプリプレグを使用して、厚み2mmのUD積層板を成形した。これを積層板の機械的特性の一般的な評価法である0°と90°曲げ試験ASTM−D−790に準拠し、評価した。また、この積層板を層間剪断試験ASTM−D−2344に準拠して実施評価した。
(合成したエステル化合物)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP828、油化シェル製)と、メタクリル酸とを反応させて、EP828/EP828片末端メタクリル変性エポキシ樹脂(ハーフエステル)/EP828両末端メタクリル変性エポキシ樹脂(ジエステル)の混合比1/2/1の混合物(A1)を得た。
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(三洋化成工業(株))と無水マレイン酸を反応させて、酸価55のエステル化合物(i)と酸価30のエステル化合物(ii)をそれぞれ得た。さらに、ビスフェノールAのエチレンオキサイド6モル付加物(三洋化成工業(株))と無水マレイン酸を反応させて、酸価52のエステル化合物(iii)を得た。
(サイジング剤に使用した化合物)
使用した化合物は第1表の通りである。
実施例1〜6、比較例1〜5
第2表、第3表に示した種々のサイジング剤により各種評価を実施した。その結果を第4表、第5表に示す。
実施例2、4、6、比較例1
ビニルエステル樹脂および不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂とした、クロス積層板の曲げ物性を評価した。評価結果を第6表に示した。
また、第1図にサイジング剤の実施例と比較例の典型的な昇温粘度の変化を示した。ある温度で、急激な粘度上昇が観測され、サイジング剤の反応が生じていることがわかる。さらに実施例の方が、明らかに反応開始温度が高くなっているので、反応しにくくなっている。
産業上の利用可能性
本発明の炭素繊維用サイジング剤は、炭素繊維強化複合材料の機械特性発現性に優れた(A)分子中少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物と、乳化安定性と炭素繊維強化複合材料の耐熱特性発現性に優れた(B)アンモニウムイオンを対イオンとするアニオン系界面活性剤を含み、さらにアンモニウムイオンのエポキシ基との反応活性を抑制する効果を有する(C)ノニオン系界面活性剤を適量含んでいる。そのため、各種マトリックス樹脂との優れた含浸性を有する。更に、このサイジング剤で処理された炭素繊維は、その経時変化を非常に小さくすることができる。又、本発明のサイジング剤液は、前記炭素繊維用サイジング剤にアニオン系界面活性剤を使用して水に溶解、あるいは分散させてなるものである。これは、炭素繊維用サイジング剤の効果を付与する処理に際して、工業的にも安全性の面からも優れたものである。また、このサイジング剤液は、良好な溶液安定性を有し、取扱いやすい。
さらに、分子中の不飽和基とエポキシ基を有するエステル化合物を成分として含むことにより、エポキシ樹脂だけでなく、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などのラジカル重合系樹脂などのマトリックス樹脂に対しても優れた親和性を有する。そのため、このサイジング剤で処理された炭素繊維と前記マトリックス樹脂の濡れ性を向上させることができる。
さらに、酸価50以上の特殊なエステル化合物を含むサイジング剤は、より一層のマトリックス樹脂との濡れ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、サイジング剤の実施例と比較例の典型的な昇温粘度の変化を示したグラフである。
Claims (15)
- (A)分子中に少なくとも一個のエポキシ基を有する化合物、(B)アンモニウムイオンを対イオンとして有するアニオン系界面活性剤、(C)ノニオン系界面活性剤を含み、(B)アニオン系界面活性剤に対して、(C)ノニオン系界面活性剤が1/50〜1/2(質量比)含まれる炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(C)ノニオン系界面活性剤が、脂肪族系ノニオンである請求項1記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(C)ノニオン系界面活性剤が、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、及び多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(A)エポキシ基を有する化合物が、分子中に複数個のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、不飽和一塩基酸あるいは不飽和2塩基酸とのエステルであって、分子中に少なくとも1つの未反応エポキシ基を有する化合物である請求項1記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(A)エポキシ基を有する化合物が、ビスフェノール類のジエポキシ化合物及びビスフェノール類のアルキレンオキシド付加ジエポキシ化合物のいずれか一方又は両方と、不飽和一塩基酸あるいは不飽和二塩基酸とのエステルであって、分子の主鎖の片方の端部に不飽和基を有し、他方の端部にエポキシ基をそれぞれ有する化合物である請求項1記載の炭素繊維用サイジング剤。
- (D)ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と不飽和二塩基酸とのエステルであって、その酸価が50以上であるエステル化合物を含む請求項1記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(D)ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを2〜4モル付加したものである、請求項6記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記不飽和二塩基酸が、炭素数4〜6の脂肪族系化合物である、請求項6記載の炭素繊維用サイジング剤。
- 前記(B)アニオン系界面活性剤を乳化剤として、(A)エポキシ基を有する化合物、(B)アニオン系界面活性剤、(C)ノニオン系界面活性剤を水中に分散化した炭素繊維用サイジング剤水分散液。
- 乳化剤として用いる(B)アニオン系界面活性剤が、水を除く全成分に対して5〜30質量%である請求項10記載の炭素繊維用サイジング剤水分散液。
- 請求項1〜9に記載した炭素繊維用サイジング剤が付与されてなる炭素繊維。
- 炭素繊維用サイジング剤の付与量が、炭素繊維に対して0.1〜5質量%である請求項12記載のサイジング処理された炭素繊維。
- 請求項12記載の炭素繊維を含むシート状物。
- 請求項12記載の炭素繊維を含む炭素繊維強化複合材料。
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