JPH1060779A - 炭素繊維用表面処理剤 - Google Patents

炭素繊維用表面処理剤

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JPH1060779A
JPH1060779A JP8227437A JP22743796A JPH1060779A JP H1060779 A JPH1060779 A JP H1060779A JP 8227437 A JP8227437 A JP 8227437A JP 22743796 A JP22743796 A JP 22743796A JP H1060779 A JPH1060779 A JP H1060779A
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JP
Japan
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bisphenol
treating agent
alkylene oxide
oxide adduct
unsaturated dibasic
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JP8227437A
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Yasumasa Kondo
康正 近藤
Yukitada Imada
幸忠 今田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素繊維に処理することにより、優れた
解舒性とマトリックス樹脂との相溶性を付与する。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A),単環または多環フ
ェノール類のアルキレンオキシド付加物(B)ならびに
不飽和二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキシ
ド付加物の縮合物で酸価が40以下である化合物(C
1)または不飽和二塩基酸の低級アルコールジエステル
とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物の縮合
物(C2)からなる炭素繊維用表面処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維用表面処
理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維用表面処理剤としては、
エポキシ樹脂、不飽和二塩基酸とビスフェノール類の
アルキレンオキシド付加物との縮合物、及び単環フェノ
ールや多環フェノール類のアルキレンオキシド付加物を
必須成分とする水性分散液(特公昭57−49675号
公報)や室温において固形状のジグリシジルエーテル
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂を加え、50℃にお
ける粘度が10〜103ポイズであるエポキシ樹脂組成
物の水エマルション(特公昭62−56266号公報)
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のポリエ
ステル縮合物は解舒性が不十分で、特に経時的に低下す
る傾向があり、後者は不飽和ポリエステル樹脂との接着
性に不十分である。本発明の目的は、解舒性優れかつ不
飽和ポリエステルとの接着性が良好な炭素繊維用処理剤
の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、(1)不飽和二塩基
酸とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物の縮
合物において酸価が40以下、または(2)不飽和二塩
基酸の低級アルコールエステルとビスフェノール類のア
ルキレンオキシド付加物の縮合物(実質酸価が0)であ
るため、解舒性に優れた炭素繊維用表面処理剤を見い出
し、本発明に到達した。即ち本発明は、エポキシ樹脂
(A)、単環または多環フェノール類のアルキレンオキ
シド付加物(B)、並びに不飽和二塩基酸もしくはその
エステル形成性誘導体とビスフェノール類のアルキレン
オキシド付加物とのポリエステル縮合物で酸価が40以
下である化合物(C)からなる炭素繊維用表面処理剤に
関する。
【0005】本発明のエポキシ樹脂(A)は、通常のも
のでよく、例えばグリシジル型エポキシ樹脂、非グリシ
ジル系(過酢酸系)エポキシ樹脂などがあげられる。グ
リシジル型エポキシ樹脂としては、(1)ビスフェノー
ル型グリシジルエーテル[例えばエピクロルヒドリンと
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン(ビスフェノールF)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA
D)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン
などのビスフェノール類との縮合によって得られるも
の];(2)フェノール系グリシジルエーテル(例えば
ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反
応させたもの);(3)エステル系グリシジルエーテル
[例えばメタクリル酸グリシジルエステルとエチレン性
二重結合含有単量体(例えばアクリロニトリル、スチレ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル)との共重合物]、(4)
エーテル系グリシジルエーテル(例えば通常のポリオー
ル、ポリエーテルポリオールなどにエピクロルヒドリン
を反応させたもの)があげられる。また、非グリシジル
系エポキシ樹脂としては、エポキシ化ブタジエン、エポ
キシ化グリセライド、エポキシ化大豆油などがあげられ
る。これらのエポキシ樹脂は2種類以上併用することも
できる。上記エポキシ樹脂のうち、好ましいものはグリ
シジル系エポキシ樹脂であり、その中でも特に好ましい
ものはビスフェノール系、フェノール系などのエポキシ
樹脂である。
【0006】本発明の単環または多環フェノール類のア
ルキレンオキシド付加物(B)において、(1)単環フ
ェノール類としてはフェノール、モノまたはポリアルキ
ル置換フェノール、多価フェノールなど、(2)多環フ
ェノール類としてはフェニルフェノール、クミルフェノ
ール、ベンジルフェノール、ハイドロキノンモノフェニ
ルエーテル、ナフトール、ビスフェノール、スチレン化
フェノール類(単環または多環フェノールなどとスチレ
ン、α−メチルスチレンなどとの反応生成物)などがあ
げられる。また、アルキレンオキシドとしてはエチレン
オキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチ
レンオキシド(BO)などがあげられ、付加物として
は、1種または2種以上のアルキレンオキシド付加物
(ブロック状またはランダム状付加物)があげられる。
これらのアルキレンオキシド付加物(B)で好ましいも
のはスチレン化フェノール類のEO付加物またはスチレ
ン化フェノール類のEOおよびPO付加物である。フェ
ノール類へのアルキレンオキシドの付加方法は常法でよ
く、また付加モル数は通常1〜120、好ましくは10
〜90、とくに好ましくは30〜80である。
【0007】本発明の不飽和二塩基酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体とビスフェノール類のアルキレンオキ
サイド付加物のポリエステル縮合物で酸価が40以下で
ある化合物(C)において、不飽和二塩基酸(a)とし
ては、炭素数4〜6の脂肪族不飽和二塩基酸があげら
れ、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イ
タコン酸などがあげられる。また、そのエステル形成性
誘導体(b)としては、不飽和二塩基酸の酸無水物、酸
ハロゲン化物(酸クロライドなど)、ジアルキルエステ
ルが挙げられる。ビスフェノール類のアルキレンオキシ
ド付加物としては、ビスフェノール類[例えば、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタンなど]
のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物
(2種以上のアルキレンオキシド付加物の場合はランダ
ム状またはブロック状)があげられる。本発明の不飽和
二塩基酸とビスフェノール類のアルキレンオキサイド付
加物のポリエステル縮合物で酸価が40以下である化合
物(C1)のうちで好ましいものはフマル酸またはマレ
イン酸とビスフェノールAのEOまたはPO付加物との
縮合物である。アルキレンオキシドの付加方法は常法で
よくまた付加モル数は通常1〜100、好ましくは1〜
20、とくに好ましくは1〜5である。上記の不飽和二
塩基酸には、必要によりその一部として飽和二塩基酸や
少量の一塩基酸を、またビスフェノール類のアルキレン
オキシド付加物には通常のグリコール、ポリエーテルグ
リコール(例えは、エチレングリコール、プロピレング
リコールなど)および少量の多価アルコール(例えば、
グリセリン、ソルビトールなど)などを、性能(マトリ
ックス樹脂との接着性)がそこなわれない範囲で併用す
ることもできる。
【0008】本発明の(C)の酸価は通常40以下、好
ましくは30以下である。40を越えると解舒性が経時
で低下する。本発明の不飽和二塩基酸(a)とビスフェ
ノール類のアルキレンオキサイド付加物(b)とのポリ
エステル縮合物(C1)における直接エステル化方法は
常法でよい。上記不飽和二塩基酸(a)とビスフェノー
ル類のアルキレンオキシド付加物(b)とのモル比は通
常(a):(b)=0.8〜1.2:1.2〜0.8、
好ましくは実質的に1:1である。本縮合方法におい
て、通常酸価が100以下になれば、酸価をさらに50
以下にする方法としては、1官能の活性水素基を有する
化合物を用いて反応させることができる。この化合物は
特に限定されるものではないが、例えば1価アルコー
ル、2級アミン、1価チオールなどがあげられ、好まし
いものは、1価アルコールまたは2級アミンである。1
価アルコールとしては、炭素数1〜20のアルコールが
あげられるが、好ましくは炭素数4〜18、とくに好ま
しくは炭素数10〜18のアルコールである。2級アミ
ンとしては、炭素数1〜20のアルキル置換2級アミン
があげられる。
【0009】本発明の不飽和二塩基酸のエステル形成性
誘導体としての低級アルコールジエステルとビスフェノ
ール類のアルキレンオキシド付加物のポリエステル縮合
物(C2)において、不飽和二塩基酸の低級アルコール
ジエステルとしては、(a)で前述した不飽和二塩基酸
(フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸な
ど)の低級アルコールエステルであり、低級アルコール
としては炭素数1〜4の直鎖または分岐脂肪族アルコー
ルがあげられる。具体的には、ジメチルエステル、ジエ
チルエステル、ジプロピルエステル、ジイソプロピルエ
ステル、ジブチルエステルなどがあげられる。ビスフェ
ノール類のアルキレンオキシド付加物としては先に
(b)で述べたものと同じである。(C2)のうちで好
ましいものはフマル酸ジメチルエステルまたはマレイン
酸ジメチルエステルとビスフェノールAのEOまたはP
O付加物との縮合物である。アルキレンオキシドの付加
方法は常法でよくまた付加モル数は通常1〜100、好
ましくは1〜20とくに好ましくは1〜5である。(C
2)の縮合方法(エステル交換法)は常法でよく、また
上記不飽和二塩基酸の低級アルコールジエステル成分
(c)とビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物
(b)とのモル比は通常(c):(b)=0.8〜1.
2:1.2〜0.8、好ましくは実質的に1:1であ
る。
【0010】本発明の炭素繊維処理剤は、上記の
(A)、(B)および(C)からなることを特徴とする
が、不飽和二塩基酸からのポリエステル縮合物(C1)
と不飽和二塩基酸ジエステルからのポリエステル縮合物
(C2)を併用してもよい。配合割合は、とくに限定さ
れないが通常、重量比で(A)/(C)=10/90〜
90/10、好ましくは30/70〜70/30であ
る。また(B)は[(A)と(C)の合計量]に対して
通常重量%で5〜30、好ましくは8〜25とくに好ま
しくは15〜25である。
【0011】本発明の炭素繊維処理剤において、
(A)、(B)にさらに(C)を配合したことにより、
炭素繊維に処理した場合の解舒性が改良できる。さら
に、マトリックス樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ビニルエステル樹脂など)との接着性も良好
である。
【0012】本発明の炭素繊維処理剤は通常水分散液の
形にして用いられ、これらは種々の方法で製造できる。
たとえば(A)、(B)、(C)および水(必要により
水系溶媒、例えばメタノール、アセトンを併用)を任意
の順で加え、必要により加熱して乳化する方法、
(B)、(C)および水を任意の順で加えて必要により
加熱下乳化したものに(A)を加える方法などがあげら
れる。この場合通常は固形分濃度30〜70重量%程度
に設定し、最終的には1〜20重量%程度まで水で希釈
して炭素繊維に付着させるのが好ましい。
【0013】本発明の炭素繊維処理剤を炭素繊維に付着
させる手段としてはとくに限定されるものではなく、従
来公知の方法が適用される。たとえば、前記炭素繊維処
理剤の1〜20重量%の水分散液を用いて、ローラー給
油法、浸漬処理法、ガイドローラー法、噴霧処理法など
により炭素繊維に該炭素繊維処理剤を付着含有せしめる
ことができる。
【0014】本発明の炭素繊維処理剤は炭素繊維フイラ
メントまたはトウに対して優れた集束性を有するので、
従来よく知られている、たとえばポリビニルアルコール
などに代表される集束剤による処理を省略することがで
きる利点があるが、樹脂マトリックスの種類や加工プロ
セス条件に応じてこれら公知の集束剤処理を行った後、
本発明の炭素繊維処理剤による処理を行ってもさしつか
えない。
【0015】本発明の炭素繊維処理剤の炭素繊維に対す
る付着量は、炭素繊維重量当り約0.01〜10重量
%、好ましくは約0.1〜5%の範囲量にするのがよ
く、約0.01%より少なくなると炭素繊維フィラメン
トまたはトウの集束性が不十分になるばかりでなく、樹
脂マトリックスの種類によっては炭素繊維と樹脂マトリ
ックスとの間に十分な接着力が得られないので好ましく
ない。また、一方付着量が約10%を超えても、複合材
として適用される樹脂マトリックスの硬化性挙動などに
悪影響が発生し、最終的に得られるコンポジット物性が
低下するので好ましくない。
【0016】本発明の炭素繊維処理剤の処理に供する炭
素繊維としてはアクリル系、レーヨン系、リグニン系、
ピッチ系の各種繊維を原料とする各種炭素繊維があげら
れるが、とくにこれらに限定されるものではない。さら
に、これらの炭素繊維は予め表面酸化処理を行ったもの
が好ましい。
【0017】本発明の炭素繊維処理剤で処理された炭素
繊維フィラメントまたはトウは、従来公知のたとえば、
ポリビニルアルコールなどに代表される集束剤処理を省
略することができ、また集束性が、ポリビニルアルコー
ルなどに代表される集束剤で処理されたものと遜色がな
く、成型加工工程中での毛羽の発生も少なく良好なハン
ドリング性を発揮する。さらに、公知の樹脂マトリック
スとの接着性に対して、実質的に選択性を有しない炭素
繊維を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明をさらに
説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
製造例1 撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および留出管のついた
1Lコルベンに、常法にしたがってビスフェノールAに
水酸化カリウム触媒にてEOを付加させた後、触媒を処
理して得たビスフェノールAのEO(2モル)付加物3
16g(1モル)と、フマル酸116g(1モル)を仕
込み、液中に窒素を吹き込みながら、生成する水を留出
除去しながら160℃で4時間で反応を行った。酸価が
80であることを確認後、引き続いて、ドデシルアルコ
ール186g(1モル)を添加し、反応続行し、酸価が
5の反応物(C1−1)を得た。
【0020】製造例2 撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および留出管のついた
1Lコルベンに、常法にしたがってビスフェノールAに
水酸化カリウム触媒にてEOを付加させた後、触媒を処
理して得たビスフェノールAのEO(2モル)付加物3
16g(1モル)と、フマル酸116g(1モル)を仕
込み、液中に窒素を吹き込みながら、生成する水を留出
除去しながら160℃で4時間で反応を行った。酸価が
80であることを確認後、引き続いて、ステアリルアル
コール270g(1モル)を添加し、反応続行し、酸価
が30の反応物(C1−2)を得た。
【0021】製造例3 撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および留出管のついた
2Lコルベンに、常法にしたがってビスフェノールAに
水酸化カリウム触媒にてEOを付加させた後、触媒を処
理して得たビスフェノールAのEO(4モル)付加物4
04g(1モル)と、マレイン酸116g(1モル)を
仕込み、液中に窒素を吹き込みながら、生成する水を留
出除去しながら160℃で4時間で反応を行った。酸価
が80であることを確認後、引き続いて、ジステアリル
アミン521g(1モル)を添加し、反応続行し、酸価
が10の反応物(C1−3)を得た。
【0022】製造例4 撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および留出管のついた
1Lコルベンに、常法にしたがってビスフェノールAに
水酸化カリウム触媒にてEOを付加させた後、触媒を処
理して得たビスフェノールAのEO(2モル)付加物3
16g(1モル)と、フマル酸ジメチルエステル194
g(1モル)を仕込み、液中に窒素を吹き込みながら、
生成するメタノールを留出除去しながら160℃で4時
間で反応を行い反応物(C2−1)を得た。
【0023】比較製造例 撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および留出管のついた
1Lコルベンに、常法にしたがってビスフェノールAに
水酸化カリウム触媒にてEOを付加させた後、触媒を処
理して得たビスフェノールAのEO(2モル)付加物3
16g(1モル)と、フマル酸116g(1モル)を仕
込み、液中に窒素を吹き込みながら、生成する水を留出
除去しながら160℃で5時間で反応を行った。酸価が
50である反応物(C1−4)を得た。
【0024】表面処理剤の調製 表1記載の表面処理剤(実施例1〜5)および表2記載
の表面処理剤(比較例1〜5)をそれぞれ配合して調製
した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1および表2において、数値は重量部
で、全体100重量部の残部は水である。なお、(A−
1)は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(油化
シェル社製、エピコート828)、(A−2)は、フェ
ノールノボラック型グリシジルエーテル(油化シェル社
製、エピコート154)、(B−1)は、ポリオキンエ
チレン(30モル)ポリオキシプロピレン(10モル)
スチレン化(5モル)フェノール、(B−2)は、ポリ
オキンエチレン(70モル)スチレン化(5モル)クミ
ルフェノール、(C1−1)〜(C1−4)、(C2−
1)は製造例の1〜4の反応物を使用した。
【0028】<解舒性の試験方法>上記処理剤を水で希
釈して固形分20%のエマルション溶液を調整し、この
エマルション溶液に接触回転する給油ローラー上に、炭
素繊維の代用としてポリエステルフィラメント75d
(36fil)糸を連続的に接触させた後、さらに19
0℃〜200℃に加熱されたゾーンを数十秒間通過させ
ポリエステルフィラメントを乾燥する。ここで得られた
ポリエステルフィラメント糸には実質1.0重量%の処
理剤が付着している。処理剤を付着させた糸を、室温お
よび80℃(乾燥機)で20日間放置した。処理剤を付
着させた直後および20日間放置した糸を25℃×60
%R.H.の温湿度条件下に4時間放置後、糸速30m
/分の条件下にて解舒張力(g)を測定した。解舒張力
が低いほど、解舒性が良好であることを示す。結果を表
3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】<マトリックス樹脂との相溶性の試験方法
>上記処理剤の固形分を、エポキシ樹脂(油化シェル社
製、エピコート828)およびポリエステル樹脂[大日
本インキ化学工業社製、ポリライトFH−113−
(N)]に対し、重量比1:1で配合し、50℃で2時
間放置後の安定性を目視にて判定した。結果を表4に示
す。
【0031】
【表4】 ○:安定,△:分離傾向 表3および表4から明らかなように、実施例1〜5のい
ずれもが解舒張力は低く、マトリックス樹脂との相溶性
も良好である。これに対して比較例1〜5は解舒張力が
高く、さらに比較例4,5はマトリックス樹脂との相溶
性に問題がある。
【0032】
【発明の効果】本発明の炭素繊維処理剤は、炭素繊維に
付与することにより優れた解舒性を与え、マトリツクス
樹脂との相溶性に問題のない有用な処理剤である。上記
効果を奏することから、本発明の処理剤は、炭素繊維用
処理剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/555 D06M 15/507 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、単環または多環フ
    ェノール類のアルキレンオキシド付加物(B)、並びに
    不飽和二塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体とビ
    スフェノール類のアルキレンオキシド付加物とのポリエ
    ステル縮合物で酸価が40以下である化合物(C)から
    なる炭素繊維用表面処理剤。
  2. 【請求項2】 該エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノー
    ルA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグ
    リシジルエーテル、ビスフェノールAD型ジグリシジル
    エーテルおよびフェノールノボラック型エポキシ樹脂か
    らなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の炭
    素繊維用表面処理剤。
  3. 【請求項3】 該化合物(C)において、不飽和二塩基
    酸が炭素数4〜6の脂肪族不飽和二塩基酸もしくはその
    エステル形成性誘導体である請求項1または2記載の炭
    素繊維用表面処理剤。
  4. 【請求項4】 該化合物(C)において、不飽和二塩基
    酸がフマル酸またはマレイン酸である請求項1〜3いず
    れか記載の炭素繊維用表面処理剤。
  5. 【請求項5】 該縮合物(C)が、不飽和二塩基酸のエ
    ステル形成性誘導体が炭素数4〜6の脂肪族不飽和二塩
    基酸と炭素数1〜4の直鎖または分岐脂肪族アルコール
    との不飽和二塩基酸ジエステルとビスフェノール類のア
    ルキレンオキシド付加物とのポリエステル縮合物(C
    2)である請求項1〜4いずれか記載の炭素繊維用表面
    処理剤。
  6. 【請求項6】 該化合物(C)において、アルキレンオ
    キシド付加物が少なくともオキシエチレン基を有する請
    求項1〜5いずれか記載の炭素繊維用表面処理剤。
  7. 【請求項7】 該化合物(C)において、アルキレンオ
    キシド付加物がエチレンオキシド付加物である請求項1
    〜6いずれか記載の炭素繊維用表面処理剤。
  8. 【請求項8】 該化合物(C)において、アルキレンオ
    キシド付加物がエチレンオキシド1〜5モル付加物であ
    る請求項7記載の炭素繊維用処理剤。
  9. 【請求項9】 該化合物(C)において、ビスフェノー
    ル類がビスフェノールAである請求項1〜8いずれか記
    載の炭素繊維用表面処理剤。
  10. 【請求項10】 (A)/(C)の重量比が10/90
    〜90/10である請求項1〜9いずれか記載の炭素繊
    維用表面処理剤。
  11. 【請求項11】 (B)の含有量が[(A)と(C)の
    合計量]に対して5〜30重量%である請求項1〜10
    いずれか記載の炭素繊維用表面処理剤。
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Cited By (5)

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