JPH11115554A - 車両運動制御装置 - Google Patents

車両運動制御装置

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JPH11115554A
JPH11115554A JP9288785A JP28878597A JPH11115554A JP H11115554 A JPH11115554 A JP H11115554A JP 9288785 A JP9288785 A JP 9288785A JP 28878597 A JP28878597 A JP 28878597A JP H11115554 A JPH11115554 A JP H11115554A
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vehicle
curve
vehicle behavior
control
yaw rate
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浩二 松野
Munenori Matsuura
宗徳 松浦
Toshihiro Konno
稔浩 紺野
Akira Takahashi
明 高橋
Atsushi Mine
篤 美禰
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】今後走行するカーブを事前に判断し、今後と現
在の走行状態に応じて各車両挙動制御装置が適切に動作
してカーブ走行を適切に行う。 【解決手段】車両挙動制御変更部100は、車両がカー
ブ走行中ではない場合、前方カーブに近づいた際は、カ
ーブでの旋回に備え、制動力制御部80には不感帯を狭
め速やかに制御に入るようにし操舵性に対する応答性を
向上させ、左右輪差動制限制御部70には左右輪間の差
動制限力を低下させ、動力配分制御部60にはトランス
ファトルクを低下させ車両の回頭性を良好にする。カー
ブ走行中、カーブが更に連続する場合は、良好な操舵
性、回頭性を更に持続させるべく上記制御を続けるが、
カーブ出口に近づいた場合は、カーブから直線路への移
行が適切に行えるように左右輪差動制限制御部70に対
し差動制限力を増加させ、動力配分制御部60に対しト
ランスファトルクを増加させ安定性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搭載した車両挙動
制御装置による制御を走行路のカーブに応じて適切に変
更させる車両運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の走行性能を向上させるため
に様々な車両挙動制御装置が開発・実用化されている。
コーナリング等の際に車両にはたらく力の関係からコー
ナリング中に制動力を適切な車輪に加えて走行安定性を
向上させる制動力制御装置、車両の走行状態を基に左右
輪間の差動制限力を制御する左右輪差動制限制御装置、
車両の走行状態を基に前後輪間のセンターディファレン
シャル装置の差動制限力を制御して前後輪間で所定にト
ルク配分を行う動力配分制御装置がその例である。
【0003】例えば、特開平2−70561号公報に示
される制動力制御装置では、目標ヨーレートと実際のヨ
ーレート(実ヨーレート)とを比較し、車両の運動状態
が目標ヨーレートに対しアンダーステアの傾向かオーバ
ーステアの傾向かを求め、実ヨーレートと目標ヨーレー
トとが一致するように、アンダーステア傾向の場合には
内側車輪に制動力を加え補正し、オーバーステア傾向の
場合には外側車輪に制動力を加え補正して車両の走行安
定性を向上させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各車両挙動制御装置では、現在の走行状態に基づく制御
であるため、不安定な走行状態が発生したら、これを安
定させようと制御するもので、不安定な走行の発生その
ものを防止することは困難であった。
【0005】例えば、従来の各車両挙動制御装置では、
前方にカーブが存在する場合、この前方カーブに対応す
る運転は全てドライバに委ねられており、ドライバによ
る操作が不適切なまま車両がカーブに進入した場合、不
安定な車両挙動が発生した際から上記各車両挙動制御装
置が動作することになり、制御が遅れることになる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、今後走行するであろうカーブを事前に判断し、今後
の走行状態と現在の走行状態に応じて各車両挙動制御装
置が適切に動作して、カーブ進入、脱出を含むカーブ走
行を適切に行うことができる車両運動制御装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車両運動制御装置は、自車
両の走行位置情報を検出する走行位置情報検出手段と、
上記走行位置と上記走行位置前方のカーブを検出してカ
ーブ情報を求めるカーブ情報検出手段と、車両の挙動を
制御する車両挙動制御手段と、上記自車両がカーブ走行
中ではない場合に前方カーブとの距離が予め設定してお
いた距離内の際に上記車両挙動制御手段を旋回に対応す
る車両挙動傾向に変更する車両挙動制御変更手段とを備
えたものである。
【0008】上記請求項1記載の車両運動制御装置は、
走行位置情報検出手段で自車両の走行位置情報を検出
し、カーブ情報検出手段で上記走行位置と上記走行位置
前方のカーブを検出してカーブ情報を求める。また、車
両挙動制御手段は車両の挙動を制御する。ここで、車両
挙動制御変更手段は、上記自車両がカーブ走行中ではな
い場合に前方カーブとの距離が予め設定しておいた距離
内の際に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両挙
動傾向に変更する。
【0009】また、請求項2記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項1記載の車両運動制御装置におい
て、上記車両挙動制御変更手段は、上記自車両がカーブ
を走行中の場合に走行位置から走行中のカーブ出口まで
の距離が予め設定しておいた距離内の際は上記車両挙動
制御手段を車両姿勢の安定に対応する車両挙動傾向に変
更する一方、上記自車両がカーブを走行中の場合に走行
位置から走行中のカーブ出口までの距離が上記予め設定
しておいた距離を超えている場合は上記車両挙動制御手
段を旋回に対応する車両挙動傾向に変更する。
【0010】さらに、請求項3記載の本発明による車両
運動制御装置は、請求項1又は請求項2記載の車両運動
制御装置において、上記車両挙動制御手段は、車両の走
行状態を基に制動力を所定の選択した車輪に加えて制御
する制動力制御部と、車両の走行状態を基に左右輪間の
差動制限力を制御する左右輪差動制限制御部と、車両の
走行状態を基に前後輪間のセンターディファレンシャル
装置の差動制限力を制御して前後輪間で所定にトルク配
分を行う動力配分制御部の少なくとも一つで、制動力制
御部の際は車両の走行状態を基に制動力を所定の選択し
た車輪に加えて制御し、左右輪差動制限制御部の際は車
両の走行状態を基に左右輪間の差動制限力を制御し、動
力配分制御部の際は車両の走行状態を基に前後輪間のセ
ンターディファレンシャル装置の差動制限力を制御して
前後輪間で所定にトルク配分を行う。
【0011】また、請求項4記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項3記載の車両運動制御装置におい
て、上記車両挙動制御手段が上記制動力制御部の場合に
上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両挙動傾向に
変更するには、制御感度に対応する制御パラメータを変
更して行う。
【0012】さらに、請求項5記載の本発明による車両
運動制御装置は、請求項3記載の車両運動制御装置にお
いて、上記車両挙動制御手段が上記左右輪差動制限制御
部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両
挙動傾向に変更するには左右輪間の差動制限力を低下さ
せることにより行うとともに、上記車両挙動制御手段を
車両姿勢の安定に対応する車両挙動傾向に変更するには
左右輪間の差動制限力を強めることにより行う。
【0013】また、請求項6記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項3記載の車両運動制御装置におい
て、上記車両挙動制御手段が上記センターディファレン
シャル装置の差動制限力を制御する上記動力配分制御部
の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両挙
動傾向に変更するには前後輪のどちらかに偏重したトル
ク配分に差動制限力を制御する一方、上記車両挙動制御
手段を車両姿勢の安定に対応する車両挙動傾向に変更す
るには等トルク配分側に差動制限力を制御する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図11は本発明の実施の形
態を示し、図1は車両における車両運動制御装置全体の
概略説明図、図2は制動力制御部の機能ブロック図、図
3は車両挙動制御変更部の入力に関する構成の説明図、
図4はセンターディファレンシャル装置の差動制限トル
クの特性の一例を示す説明図、図5は横すべり角αに対
応するヨーレート偏差補正値Δγ' の一例を示す説明
図、図6は制動力制御による車両の動作の説明図、図7
は実際にナビゲーション装置から得られる点データの例
の説明図、図8はカーブの曲率半径の求め方の説明図、
図9は求めたカーブの曲率半径の補正の説明図、図10
はデータ整理部での各ケースの説明図、図11は車両挙
動制御変更部における制御のフローチャートである。
尚、本発明の実施の形態の車両は、複合プラネタリギヤ
式のセンターディファレンシャル装置および自動変速装
置を有する4輪駆動車を例に説明する。
【0015】図1において、符号1は車両前部に配置さ
れたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、
上記エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ
等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2a
を経てセンターディファレンシャル装置3に伝達され、
このセンターディファレンシャル装置3から、リヤドラ
イブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン6を
介して後輪終減速装置7に入力される一方、トランスフ
ァドライブギヤ8、トランスファドリブンギヤ9、ドラ
イブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10
を介して前輪終減速装置11に入力されるように構成さ
れている。ここで、上記自動変速装置2、センターディ
ファレンシャル装置3および前輪終減速装置11等は、
一体にケース12内に設けられている。
【0016】上記後輪終減速装置7に入力された駆動力
は、後輪左ドライブ軸13rlを経て左後輪14rlに、後
輪右ドライブ軸13rrを経て右後輪14rrに伝達される
一方、上記前輪終減速装置11に入力された駆動力は、
前輪左ドライブ軸13flを経て左前輪14flに、前輪右
ドライブ軸13frを経て右前輪14frに伝達されるよう
になっている。
【0017】上記センターディファレンシャル装置3
は、入力側の上記トランスミッション出力軸2aに大径
の第1のサンギヤ15が形成されており、この第1のサ
ンギヤ15が小径の第1のピニオン16と噛合して第1
の歯車列が形成されている。
【0018】また、後輪への出力を行う上記リヤドライ
ブ軸4には、小径の第2のサンギヤ17が形成されてお
り、この第2のサンギヤ17が大径の第2のピニオン1
8と噛合して第2の歯車列が形成されている。
【0019】上記第1のピニオン16と上記第2のピニ
オン18はピニオン部材19に一体に形成されており、
複数(例えば3個)の上記ピニオン部材19が、キャリ
ア20に設けた固定軸に回転自在に軸支されている。
【0020】上記キャリア20の前端には、上記トラン
スファドライブギヤ8が連結され、前輪への出力が行わ
れるようになっている。
【0021】また、上記キャリア20には、前方から上
記トランスミッション出力軸2aが回転自在に挿入され
る一方、後方からは上記リヤドライブ軸4が回転自在に
挿入されて、空間中央に上記第1のサンギヤ15と上記
第2のサンギヤ17を格納する。そして、上記複数のピ
ニオン部材19の上記各第1のピニオン16が上記第1
のサンギヤ15に、上記各第2のピニオン18が上記第
2のサンギヤ17に、共に噛合されている。
【0022】こうして、入力側の上記第1のサンギヤ1
5に対し、上記第1,第2のピニオン16,18および
上記第2のサンギヤ17を介して一方の出力側に、上記
第1,第2のピニオン16,18の上記キャリア20を
介して他方の出力側に噛み合い構成され、リングギヤの
無い複合プラネタリギヤを成している。
【0023】そしてかかる複合プラネタリギヤ式センタ
ーディファレンシャル装置3は、上記第1,第2のサン
ギヤ15,17、および、これらサンギヤ15,17の
周囲に複数個配置される上記第1,第2のピニオン1
6,18の歯数を適切に設定することで差動機能を有す
る。
【0024】また、上記第1,第2のピニオン16,1
8と上記第1,第2のサンギヤ15,17との噛み合い
ピッチ半径を適切に設定することで、基準トルク配分を
所望の配分(例えば、後輪偏重にした不等トルク配分)
にすることができるようになっているのである。
【0025】さらに、上記センターディファレンシャル
装置3は、上記第1,第2のサンギヤ15,17と上記
第1,第2のピニオン16,18とを例えばはすば歯車
にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列のねじれ角
を異にしてスラスト荷重を相殺させることなくスラスト
荷重を残留させ上記ピニオン部材19の両端で発生する
摩擦トルクを、上記第1,第2のピニオン16,18と
上記キャリア20に設けた固定軸の表面に噛み合いによ
る分離、接線荷重の合成力が作用し、摩擦トルクが生じ
るように設定して、入力トルクに比例した差動制限トル
クを得られるようにすることで、このセンターディファ
レンシャル装置3自体によっても差動制限機能が得られ
るようになっている。
【0026】上記センターディファレンシャル装置3の
2つの出力部材、すなわち上記キャリア20と上記第2
のサンギヤ17との間には、動力配分制御部60により
制御される可変容量伝達クラッチとしての油圧多板クラ
ッチ(トランスファクラッチ)21が形成されている。
【0027】上記トランスファクラッチ21は、上記第
2のサンギヤ17と一体のリヤドライブ軸4側に設けら
れた複数のドリブンプレート21aと、上記キャリア2
0側に設けられた複数のドライブプレート21bとが交
互に重ねられて構成されている。そして、上記ケース1
2側に配設されたピストン,押圧プレート等により、上
記動力配分制御部60で制御される油圧装置と連結され
た油圧室(以上、トランスファクラッチ21の押圧部品
関連図示せず)の油圧で押圧され動作させられるように
なっている。
【0028】このため、上記トランスファクラッチ21
が開放された状態では、上記センターディファレンシャ
ル装置3によるトルク配分がそのまま出力されるが、上
記トランスファクラッチ21が完全に圧着すると上記セ
ンターディファレンシャル装置3の差動が制限され、ト
ルク配分が停止され、前後直結状態となる。
【0029】上記トランスファクラッチ21の圧着力
(トランスファトルク)は、上記動力配分制御部60で
制御され、例えば基準トルク配分が後輪偏重の、前後3
5:65とすると、前後35:65から前後直結状態で
得られるトルク配分比、例えば50:50の間でトルク
配分制御(動力配分制御)されるようになっている。
【0030】また、上記後輪終減速装置7も、本発明の
実施の形態では、上述のセンターディファレンシャル装
置3と同様の複合プラネタリギヤ式に構成されている。
すなわち、回転自在に保持されたディファレンシャルケ
ース31の外周にはクラウンギヤ32が設けられ、上記
ドライブピニオン6による駆動力は、このクラウンギヤ
32を介して上記ディファレンシャルケース31に伝達
されるようになっている。
【0031】上記ディファレンシャルケース31内に
は、左側部分がクラッチドラム33aとして円筒状に形
成されたキャリヤ34が回転自在に配設されており、こ
のキャリヤ34内に上記後輪右ドライブ軸13rrが挿通
されて上記キャリヤ34と結合されている。
【0032】また、上記ディファレンシャルケース31
内には、上記ディファレンシャルケース31に結合され
た大径の第1のサンギヤ35が設けられ、小径の第1の
ピニオン36と噛合して第1の歯車列が形成されてい
る。
【0033】さらに、上記ディファレンシャルケース3
1内には、上記後輪左ドライブ軸13rlが挿通され、こ
の後輪左ドライブ軸13rlの先端には小径の第2のサン
ギヤ37が形成されており、この第2のサンギヤ37が
大径の第2のピニオン38と噛合して第2の歯車列が形
成されている。
【0034】上記第1のピニオン36と上記第2のピニ
オン38はピニオン部材39に一体に形成されており、
複数(例えば3個)の上記ピニオン部材39が、キャリ
ア34に設けた固定軸に回転自在に軸支されている。
【0035】また、上記後輪左ドライブ軸13rlの上記
キャリヤ34のクラッチドラム33aに対向する位置に
はクラッチハブ33bが設けられ、これらクラッチドラ
ム33a、クラッチハブ33bにそれぞれドライブプレ
ート、ドリブンプレートが複数交互に設けられて油圧多
板クラッチ33が形成されている。
【0036】この油圧多板クラッチ33は、図示しない
ピストン,押圧プレート等により、左右輪差動制限制御
部70で制御される油圧装置と連結された油圧室の油圧
で押圧され動作させられるようになっている。
【0037】すなわち、上記後輪終減速装置7は、上記
ドライブピニオン6からの駆動力を、クラウンギヤ3
2、ディファレンシャルケース31を介して第1のサン
ギヤ35に伝達し、上記第2のサンギヤ37から上記後
輪左ドライブ軸13rlへ出力する一方、上記キャリヤ3
4から上記後輪右ドライブ軸13rrへ出力する複合プラ
ネタリ式の差動制限制御装置で構成するとともに、一方
の出力側である後輪左ドライブ軸13rlと他方の出力側
であるキャリヤ34との間に摩擦力が可変制御される油
圧多板クラッチ33を介装させた構造となっている。そ
して、複合プラネタリ式の差動制限制御装置部分で発生
される入力トルクに比例した差動制限トルクに加え、必
要に応じて油圧多板クラッチが差動制限トルクを加えて
最適な差動制限トルクが発生されるようになっている。
【0038】上記複合プラネタリ式の差動制限制御装置
の部分は、上記第1,第2のサンギヤ35,37および
これらサンギヤ35,37の周囲に複数個配置される上
記第1,第2のピニオン36,38の歯数を適切に設定
することで、差動機能を有する。
【0039】また、上記第1,第2のサンギヤ35,3
7と上記第1,第2のピニオン36,38との噛み合い
ピッチ円半径を適切に設定することで、基準トルク配分
が左右50:50の等トルク配分の機能を有する。
【0040】さらに、上記第1,第2のサンギヤ35,
37と上記第1,第2のピニオン36,38とを例えば
はすば歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列
のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺させることな
くスラスト荷重を残留させ上記ピニオン部材39の両端
で発生する摩擦トルクを、上記第1,第2のピニオン3
6,38と上記キャリア34に設けた固定軸の表面に噛
み合いによる分離、接線荷重の合成力が作用し、摩擦ト
ルクが生じるように設定して、入力トルクに比例した差
動制限トルクを得られるようにすることで、この差動制
限装置自体によっても差動制限機能が得られるようにな
っている。
【0041】このため、上記左右輪差動制限制御部70
により上記油圧多板クラッチ33が開放された状態で
は、基準トルク配分、すなわち左右50:50の等トル
ク配分で滑らかに差動が行われる一方、上記油圧多板ク
ラッチ33が連結されると、左右輪間の差動が制限さ
れ、スリップが防止されて安定した傾向の走行になる。
【0042】符号40は車両のブレーキ駆動部を示し、
このブレーキ駆動部40には、ドライバにより操作され
るブレーキペダル41と接続されたマスターシリンダ4
2が接続されており、ドライバが上記ブレーキペダル4
1を操作すると上記マスターシリンダ42により、上記
ブレーキ駆動部40を通じて、4輪14fl,14fr,1
4rl,14rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホイールシ
リンダ43fl,右前輪ホイールシリンダ43fr,左後輪
ホイールシリンダ43rl,右後輪ホイールシリンダ43
rr)にブレーキ圧が導入され、これにより4輪にブレー
キがかかって制動されるように構成されている。
【0043】上記ブレーキ駆動部40は、加圧源、減圧
弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、入力
信号に応じて、上記各ホイールシリンダ43fl,43f
r,43rl,43rrに対して、それぞれ独立にブレーキ
圧を導入自在に形成されている。
【0044】上記各車輪14fl,14fr,14rl,14
rrは、それぞれの車輪速度が車輪速度センサ(左前輪速
度センサ44fl,右前輪速度センサ44fr,左後輪速度
センサ44rl,右後輪速度センサ44rr)により検出さ
れるようになっており、これら車輪速度の信号は、車両
の挙動を制御する車両挙動制御手段としての上記動力配
分制御部60、上記左右輪差動制限制御部70、制動力
制御部80に入力されるようになっている。
【0045】また、スロットル開度センサ45、ギヤ位
置センサ46、ハンドル角センサ47、ヨーレートセン
サ48、横加速度センサ49、前後加速度センサ50か
らの各信号が得られるようになっており、スロットル開
度センサ45、ギヤ位置センサ46からの信号は共に上
記動力配分制御部60と上記左右輪差動制限制御部70
に、ハンドル角センサ47からの信号は上記左右輪差動
制限制御部70と上記制動力制御部80に、ヨーレート
センサ48と横加速度センサ49からの信号は上記制動
力制御部80に、前後加速度センサ50からの信号は上
記左右輪差動制限制御部70に入力されるようになって
いる。
【0046】上記動力配分制御部60は、上述のトラン
スファクラッチ21に対する制御を行うもので、例え
ば、上記センタディファレンシャル装置3に対する差動
制限力を、図4に示すように、スロットル開度θthと速
度Vをパラメータとして予め設定されたデューティ比の
テーブルマップを検索し制御することを基本とし、通常
制御、発進制御、転舵制御、スリップ制御等で実行する
ようになっている。
【0047】主として、上記通常制御では、上記テーブ
ルマップを通常制御用として、1速から4速及び後退の
各変速段ごとに合計5面持ち、スロットル開度θthが低
開度及び高車速領域ほど差動制限トルクを低めの値に制
御して旋回性能の向上や燃費向上を図っている。
【0048】上記発進制御では、低μ路における容易か
つスムーズな発進性能を確保するため、車速0km/hかつ
車両が直進状態と判断される場合、スロットル開度θth
に比例した値に差動制限トルクを制御する。
【0049】上記転舵制御では、低車速域での操舵感を
向上させるため、設定車速領域で通常制御に対して前後
輪回転比NR/NF(NR:後輪回転数,NF:前輪回
転数)に応じ差動制限トルクを低減する制御を行ってい
る。
【0050】上記スリップ制御では、最大駆動力の確保
や走行安定性の向上を図るため、後輪または前輪が設定
値以上にスリップした場合、通常制御に対して差動制限
トルクを高い値に制御する。
【0051】また、上記動力配分制御部60には、後述
する車両挙動制御変更部100からの制御信号が入力さ
れるようになっており、上記車両挙動制御変更部100
による制御で上記センタディファレンシャル装置3に対
する差動制限力の増減制御が実行されるようになってい
る。
【0052】上記左右輪差動制限制御部70は、上述の
油圧多板クラッチ33に対する制御を行うもので、例え
ば、左後輪回転数と右後輪回転数から後輪の回転速度差
を算出し、後輪回転速度差が予め設定しておいた基準値
以上の場合は左右後輪がスリップ状態と判定し、後輪回
転速度差が予め設定しておいた基準値より小さい場合は
非スリップ状態と判定する。
【0053】そして、スリップ状態の場合、実験、理論
計算等により、予め設定しておいたマップを、ハンドル
角θfを基に検索して補正するクラッチ油圧を設定して
制御する。
【0054】また、非スリップ状態の場合、非スリップ
状態における補正するクラッチ油圧を設定して制御す
る。ここで、この非スリップ状態におけるクラッチ油圧
は、車速V(例えば、4つの車輪速度の平均)とスロッ
トル開度θthによるマップ(予め実験、理論計算等によ
り設定しておいたもので、高速、高負荷側が増大するよ
うな特性になっている)を検索して定めた油圧を、さら
にギヤ位置iが低速段側で補正し、前後加速度Gxで補
正して設定される。
【0055】これら上記左右輪差動制限制御部70にて
設定されたスリップ状態の場合、あるいは、非スリップ
状態の場合のクラッチ油圧で上記図示しない油圧装置が
動作して上記油圧多板クラッチ33が動作させられるよ
うになっている。
【0056】また、上記左右輪差動制限制御部70に
は、上記車両挙動制御変更部100からの制御信号が入
力されるようになっており、上記車両挙動制御変更部1
00からの指令で上記油圧多板クラッチ33に対する制
御が実行されるようになっている。
【0057】上記制動力制御部80は、車両の走行状態
を基に制動力を所定の選択した車輪に加えて制御するも
ので、例えば、本出願人が特開平9−76894号公報
で先に提案した制動力制御装置により形成されている。
【0058】すなわち、この制動力制御部80は、図2
に示すように、車速算出部81,操舵角算出部82,目
標ヨーレート定常ゲイン算出部83,目標ヨーレート算
出部84,予測ヨーレート定常ゲイン算出部85,予測
ヨーレート算出部86,目標ヨーレート微分演算部8
7,予測ヨーレート微分演算部88,ヨーレート微分偏
差算出部89,第1の目標制動力算出部90,ヨーレー
ト偏差算出部91,第2の目標制動力算出部92,最終
目標制動力算出部93,制動輪判別部94,出力判定部
95および制動信号出力部96から主要に構成されてい
る。
【0059】上記車速算出部81は、前記各車輪速度セ
ンサ44fl,44fr,44rl,44rrからの車輪速度の
信号が入力され、これらの信号を予め設定しておいた数
式で演算して(例えば、上記各車輪速度センサ44fl,
44fr,44rl,44rrからの速度信号の平均値を算出
して)車速Vを求め、上記目標ヨーレート定常ゲイン算
出部83,予測ヨーレート定常ゲイン算出部85および
上記第2の目標制動力算出部92に出力するように形成
されている。
【0060】また、上記操舵角算出部82は、前記ハン
ドル角センサ47からの信号が入力され、ハンドル操舵
角θfをステアリングギア比Nで除して実舵角δf (=
θf/N)を算出し、上記目標ヨーレート算出部84,
予測ヨーレート算出部86および上記第2の目標制動力
算出部92に出力するように形成されている。
【0061】さらに、上記目標ヨーレート定常ゲイン算
出部83は、予め設定しておいた式に基づき、車両の定
常円旋回時の実舵角δf に対するヨーレートの値(目標
ヨーレート定常ゲインGγδf(0))を求めるもので
あり、算出した目標ヨーレート定常ゲインGγδf
(0)は、上記目標ヨーレート算出部84と上記第2の
目標制動力算出部92に出力される。ここで、ホイール
ベースをL,車両の諸元で決まるスタビリティファクタ
をA0 とすると、目標ヨーレート定常ゲインGγδf
(0)は以下の式で算出される。 Gγδf(0)=1/(1+A0 ・V2 )・V/L …(1) また、上記スタビリティファクタA0 は、車両質量を
m,前軸と重心間の距離をLf ,後軸と重心間の距離を
Lr ,フロント等価コーナリングパワーをCPf,リア
等価コーナリングパワーをCPr とすると次式で求めら
れる。 A0 ={−m・(Lf ・CPf −Lr ・CPr )} /(2・L2 ・CPf ・CPr ) …(2) また、上記目標ヨーレート算出部84は、上記操舵角算
出部82からの実舵角δf と、上記目標ヨーレート定常
ゲイン算出部83からの目標ヨーレート定常ゲインGγ
δf(0)を基に、車両の応答遅れを考慮して目標ヨー
レートγ' を算出し、この目標ヨーレートγ' を上記目
標ヨーレート微分演算部87と上記ヨーレート偏差算出
部91に出力するように形成されている。目標ヨーレー
トγ' の算出は、時定数をT,ラプラス演算子をsとし
て、 γ' =1/(1+T・s)・Gγδf(0)・δf …(3) で得られる。尚、上記(3)式は、2次系で表現される
車両の応答遅れを1次系に近似した式であり、またTは
時定数で、例えば下式で得られる。 T=m・Lf ・V/2・L・CPr …(4) さらに、上記予測ヨーレート定常ゲイン算出部85は、
予め設定しておいた式に基づき、低μ路走行での予測さ
れる車両の定常円旋回時の実舵角δf に対するヨーレー
トの値(予測ヨーレート定常ゲインGγδf(0)LOW
)を求めるようになっており、算出した予測ヨーレー
ト定常ゲインGγδf(0)LOW は、上記予測ヨーレー
ト算出部86に出力される。ここで、車両の諸元で決ま
る低μ路走行でのスタビリティファクタをA0LOWとする
と、予測ヨーレート定常ゲインGγδf(0)LOW は以
下の式で算出される。 Gγδf(0)LOW =1/(1+A0LOW・V2 )・V/L …(5) また、上記低μ路スタビリティファクタA0LOWは、低μ
路でのフロント等価コーナリングパワーをCPfLOW,低
μ路でのリア等価コーナリングパワーをCPrLOWとする
と次式で求められる。 A0LOW={−m・(Lf ・CPfLOW−Lr ・CPrLOW)} /(2・L2 ・CPfLOW・CPrLOW) …(6) また、上記予測ヨーレート算出部86は、上記操舵角算
出部82からの実舵角δf と、上記予測ヨーレート定常
ゲイン算出部85からの予測ヨーレート定常ゲインGγ
δf(0)LOW を基に、車両の応答遅れを考慮して低μ
路での予測ヨーレートγ'LOWを算出し、この予測ヨーレ
ートγ'LOWを上記予測ヨーレート微分演算部88に出力
するように形成されている。低μ路における予測ヨーレ
ートγ'LOWの算出は、時定数をTLOW として、 γ'LOW=1/(1+TLOW ・s)・Gγδf(0)LOW ・δf …(7) で得られる。尚、上記(7)式は、2次系で表現される
車両の応答遅れを1次系に近似した式であり、時定数T
LOW は、例えば下式で得られる。 TLOW =m・Lf ・V/2・L・CPrLOW …(8) さらに、上記目標ヨーレート微分演算部87は、上記目
標ヨーレート算出部84で算出した目標ヨーレートγ'
の微分値(目標ヨーレート微分値)Sγ' を算出するも
ので、また、上記予測ヨーレート微分演算部88は、上
記予測ヨーレート算出部86で算出した予測ヨーレート
γ'LOWの微分値(予測ヨーレート微分値)Sγ'LOWを算
出するように形成されている。
【0062】上記目標ヨーレート微分演算部87で算出
される目標ヨーレート微分値Sγ'と、上記予測ヨーレ
ート微分演算部88で算出される予測ヨーレート微分値
Sγ'LOWは、上記ヨーレート微分偏差算出部89に入力
され、このヨーレート微分偏差算出部89で、上記目標
ヨーレート微分値Sγ' と上記予測ヨーレート微分値S
γ'LOWとの偏差dΔγが算出される。 dΔγ=Sγ'LOW−Sγ' …(9) また、上記第1の目標制動力算出部90は、上記ヨーレ
ート微分偏差算出部89から、ヨーレート微分偏差dΔ
γが入力され、このヨーレート微分偏差dΔγを基に車
両諸元を考慮して、前輪と後輪の目標制動力(第1の前
輪目標液圧BF1f,第1の後輪目標液圧BF1r)を
算出するようになっており、算出した第1の目標液圧B
F1f,BF1rは、上記最終目標制動力算出部93に
出力される。上記第1の目標液圧BF1f,BF1r
は、次式により算出する。 BF1f=G1・dΔγ・Iz /(df/2) …(10) BF1r=G1 ・G2 ・dΔγ・Iz /(dr/2) …(11) ここで、G1 (例えば、0.05)およびG2 (例え
ば、0.15)はゲイン、Iz は車両のヨー慣性モーメ
ント、dfはフロントトレッド、drはリアトレッドを
示す。上記(10)式において、G1は、第1の大きい
ゲインであり、dΔγ・Iz /(df/2)は、第1の
前輪の理論制動力としての部分を示している。また、上
記(11)式において、G1 ・G2 は、第1の小さいゲ
インであり、dΔγ・Iz /(dr/2)は、第1の後
輪の理論制動力としての部分を示している。これは、特
に低μ路等において後輪の制動力によって後輪が横すべ
りを起こし安定性を失うことを防止するため、あるい
は、後輪に制動力が加えられる場合、運転者の意思に反
して回頭モーメントが強く不安定に感じることを防止す
るため、上記第1の後輪目標液圧BF1rは、第1の後
輪の理論制動力に第1の小さいゲインを乗算して、より
小さな値としているのである。
【0063】上述のように、ヨーレート微分偏差dΔγ
を基に算出される第1の目標液圧BF1f,BF1r
は、低μ路を走行していると仮想して得られる値となっ
ている。ここで、低μ路走行条件を仮想したのは、低μ
路走行になるほど制動力制御が必要とされるためであ
る。尚、上記各式で用いる低μ路における各定数は、車
両モデルによる実験データ、あるいは周知の理論計算等
により、予め求めたものである。
【0064】また、上記ヨーレート偏差算出部91で
は、前記ヨーレートセンサ48で検出した実ヨーレート
γから、上記目標ヨーレート算出部84で算出した目標
ヨーレートγ' を減算し、ヨーレート偏差Δγ(=γ−
γ' )を求め、このヨーレート偏差Δγを上記第2の目
標制動力算出部92,制動輪判別部94および上記出力
判定部95に出力するようになっている。
【0065】上記第2の目標制動力算出部92は、車両
諸元を考慮して、車両の運動状態とヨーレート偏差とを
基に前輪と後輪の目標制動力(第2の前輪目標液圧BF
2f,第2の後輪目標液圧BF2r)を算出するもの
で、算出した第2の目標液圧BF2f,BF2rは、上
記最終目標制動力算出部93に出力される。上記第2の
目標液圧BF2f,BF2rは、次式により算出する。 BF2f=G3 ・(ΔA・4・L2 ・CPf ・CPr ・V) /{(CPf +CPr )/df}・γ …(12) BF2r=G3 ・G4 ・(ΔA・4・L2 ・CPf ・CPr ・V) /{(CPf +CPr )/dr}・γ …(13) ここで、G3 (例えば、8.0)およびG4 (例えば、
0.15)はゲインを示し、ΔAは、 ΔA={δf/(Gγδf(0)・δf+Δγ)−1/Gγδf(0)} /(L・V) …(14) である。
【0066】尚、上記(14)式のΔγは、さらに車両
の進行方向と前後方向のなす角である横すべり角αを考
慮して補正したものを用いても良い。この横すべり角に
よる補正は、具体的には、図中、破線で示す横すべり角
算出部97で横すべり角αを算出し、上記第2の目標制
動力算出部92で、この横すべり角αに対応したヨーレ
ート偏差補正値Δγ' に変換して、上記(14)式中の
ΔγをΔγ+Δγ' として扱うことにより行う。すなわ
ち、上記(14)式は、 ΔA={δf/(Gγδf(0)・δf+(Δγ+Δγ' )) −1/Gγδf(0)}/(L・V)…(14)' で算出されることになる。
【0067】上記横すべり角算出部97では、例えば、
横加速度Gy,車速V,ヨーレートγを基に横すべり角
微分値dβを算出し、この横すべり角微分値dβを積分
することにより(積分値β)、上記横すべり角αを求め
るようになっている。
【0068】また、上記横すべり角αに対応するヨーレ
ート偏差補正値Δγ' は、図5に示すように与えられ、
例えば横すべり角αが−1〜+1までの範囲にヨーレー
ト偏差補正値Δγ' =0となる不感帯が設定されてい
る。
【0069】そして、上記第2の目標制動力算出部92
には、前記車両挙動制御変更部100からの信号が入力
されるようになっており、車両挙動制御変更部100か
らの指令により上述の横すべり角αの不感帯が狭まる方
向に制御されて、制動力制御が敏感に行われる方向に変
更可能になっている。
【0070】上記ゲインG3 ,G4 は、前記ゲインG1
,G2 と同じ理由で設定されているもので、上記(1
2)式において、G3 は、第2の大きいゲインであり、
他の部分は、第2の前輪の理論制動力としての部分を示
している。また、上記(13)式において、G3 ・G4
は、第2の小さいゲインであり、他の部分は、第2の後
輪の理論制動力としての部分を示している。すなわち、
上記(12),(13)式によっても、後輪に与える制
動力の大きさが抑制されている。このため、後輪の制動
力の抑制は、G1 〜G4 の各ゲインの設定により細かに
行なわれ、車両の自然な挙動の実現と走行安定性の向上
が図られる。
【0071】上記最終目標制動力算出部93は、入力さ
れた第1の目標液圧BF1f,BF1rと、第2の目標
液圧BF2f,BF2rとを加算して最終目標制動力
(最終目標液圧)BFf,BFrを算出するもので、算
出した最終目標液圧BFf,BFrは、上記制動信号出
力部96に出力される。 BFf=BF1f+BF2f …(15) BFr=BF1r+BF2r …(16) すなわち、本発明の実施の形態では、制御を行なう際の
走行条件を低μ路での走行の場合と予想し、補償するこ
とにより制御遅れを無くし、追従性と応答性の向上を図
るものである。ここで、補償の際に用いる微分計算は、
実際のヨーレート信号を利用することなく、予め設定し
ておいた車両モデルの値を用いて行なうため、十分な大
きさで精度良く補償することが可能になっている。
【0072】また、上記制動輪判別部94は、実ヨーレ
ートγとヨーレート偏差Δγの符号の組み合わせから車
両の制動輪を選択する部分で、以下の組み合わせが設定
されている。尚、実ヨーレートγと目標ヨーレートγ'
の符号は共に、車両の左旋回方向を+、右旋回方向を−
で与えられる。また、車両の直進状態を判定するため、
εを予め実験あるいは計算等から求めた略0に近い正の
数として設定し、車両が目標ヨーレートγ' に対し略ニ
ュートラルステアの状態を判定するため、εΔγを予め
実験あるいは計算等から求めた略0に近い正の数として
設定し、 (ケース1).γ>ε,Δγ<−εΔγ…左旋回状態で
目標ヨーレートγ'に対しアンダーステア傾向のとき…
左後輪制動 (ケース2).γ>ε,Δγ>εΔγ…左旋回状態で目
標ヨーレートγ' に対しオーバーステア傾向のとき…右
前輪制動 (ケース3).γ<ε,Δγ<−εΔγ…右旋回状態で
目標ヨーレートγ'に対しオーバーステア傾向のとき…
左前輪制動 (ケース4).γ<ε,Δγ>εΔγ…右旋回状態で目
標ヨーレートγ' に対しアンダーステア傾向のとき…右
後輪制動 (ケース5).|γ|<|ε|…略直進状態、あるい
は、|Δγ|=|εΔγ|…目標ヨーレートγ' に対し
略ニュートラルステアの状態のとき、制動輪の選択はせ
ず非制動とする(図6)。
【0073】すなわち、(ケース5)の|γ|<|ε|
で判定される略直進状態のときと、|Δγ|=|εΔγ
|で判定される目標ヨーレートγ' に対し略ニュートラ
ルステアの状態のとき以外の実ヨーレートγとヨーレー
ト偏差Δγの範囲において、実ヨーレートγとヨーレー
ト偏差Δγの符号が異なる場合は内側後輪を制動輪とし
て選択するとともに、実ヨーレートγとヨーレート偏差
Δγの符号が同じ場合は外側前輪を制動輪として選択す
るようになっている。そして、この制動輪判別部94で
の結果は、上記制動信号出力部96に出力される。
【0074】また、上記出力判定部95は、ヨーレート
偏差Δγが制御領域にあるか否かを判定する、制御の不
感帯である判定閾値εΔを後述の如く設定し、上記判定
閾値εΔとヨーレート偏差Δγとを比較し制御領域にあ
るか否か判定し上記制動信号出力部96に出力するよう
に形成されている。
【0075】上記判定閾値εΔには、通常は第一の閾値
εΔM が設定されており、車両の挙動がアンダーステア
傾向からオーバーステア傾向に移行してからは設定時間
(予めタイマにセットしておいた時間)、或いは、この
時間以内であってもオーバーステア傾向になってから、
ヨーレート偏差または実ヨーレートのどちらかの値が略
ゼロになるまで、第二の閾値εΔS を上記判定閾値εΔ
として設定するものである。ここで、上記第一の閾値ε
ΔM 、上記第二の閾値εΔS は、共に、予め実験あるい
は計算等から求めた正の数であり、ヨーレート偏差Δγ
を判定する各閾値の大きさは、|εΔM |>|εΔS |
≧|εΔγ|である。
【0076】尚、上記第一の閾値εΔM 、上記第二の閾
値εΔS は、少なくともどちらかの値を車速に応じてメ
モリテーブル等に可変に設定しておけば、車速に応じて
より適切な値を上記判定閾値εΔとして設定することが
可能となる。すなわち、車速が小さい場合は、大きい場
合に比較して、車両の挙動が不安定となっても運転者が
簡単に修正することができ制御の必要がないため、非制
御領域を大きな範囲に設定できる。
【0077】また、上記出力判定部95には、前記車両
挙動制御変更部100から信号が入力されるようになっ
ており、上記車両挙動制御変更部100からの指令によ
り、この出力判定部95で設定する閾値の大きさが小さ
く設定されて、制動力制御が速やかに行われる方向に制
御感度が変更可能になっている。
【0078】上記制動信号出力部96は、上記出力判定
部95で制御領域であるとの判定信号で、前記ブレーキ
駆動部40に対して、上記制動輪判別部94で選択した
制動輪へ、上記最終目標制動力算出部93で算出された
前輪最終目標液圧BFfあるいは後輪最終目標液圧BF
rを加えるようになっている。
【0079】一方、車両には、自車両の走行位置情報を
検出する走行位置情報検出手段としてナビゲーション装
置110が搭載され、走行位置と上記走行位置前方のカ
ーブを検出してカーブ情報を求めるカーブ情報検出手段
としてカーブ情報算出部120、道路形状検出装置13
0が搭載されている。
【0080】上記ナビゲーション装置110は、図3に
示すように、一般的なものを例として、車両位置検出用
センサ部110a、補助記憶装置110b、情報表示部
110c、操作部110d、演算部110eから主要に
構成されている。
【0081】上記車両位置検出用センサ部110aは、
具体的には、全世界測位衛星システム(Global Positio
ning System;GPS)によるGPS衛星からの電波を受
信して自己位置を測定するためのGPS受信機、車両の
絶対的な走行方向を検出する地磁気センサ、及び、車輪
に固定されたロータ外周に対向して設置された電磁ピッ
クアップ等からなり、車両の走行に伴って回転するロー
タ外周の突起を検出してパルス信号を出力する車輪速セ
ンサが接続されて、車両位置に係わる走行情報が収集さ
れるようになっている。
【0082】上記補助記憶装置110bは、CD−RO
M装置で、道路情報や地形情報等を含む道路地図情報を
収録したCD−ROMがセットされる読み込み専用の記
憶装置に形成されている。上記CD−ROMには、道路
地図情報が、互いに縮尺の異なる複数の階層レベルでそ
れぞれ記憶されており、さらに、高速道路、一般国道、
地方道というような道路種別情報や交差点に関する通行
条件等の情報が記憶されている。上記道路の地図情報中
の道路データは、図7に示すように、所定間隔で入力さ
れた点データ(ノード)及びこれらの点を連続的に結ん
で形成される線データ(リンク)からなる。
【0083】上記情報表示部110cは、地図、自車位
置(緯度・経度・高度)、方位、地図上の自車位置、目
的地までの最適経路等を表示する液晶ディスプレイで形
成されている。そして、この情報表示部110c(液晶
ディスプレイ)と一体に上記操作部110dとしてのタ
ッチパネルが接続され、地図の縮尺の変更、地名の詳細
表示、地域情報および経路誘導等の表示を切り換えるた
めの操作入力が行えるようになっている。
【0084】上記演算部110eは、上記車両位置検出
用センサ部110aから得られる車両の走行情報と、上
記補助記憶装置110bから読み込んだ地図情報とをマ
ップマッチング等の演算をしながら合成し、その結果
を、上記操作部110dから送られる操作信号に基づい
て上記情報表示部110cに送り、車両の現在位置及び
その周辺の地図、目的地までの最適経路等を表示させる
ようになっている。また、上述の各データ(道路データ
の点データ、道路種別情報、現在位置等のデータ)は、
上記車両挙動制御変更部100および上記カーブ情報算
出部120に対しても必要に応じて出力されるようにな
っている。
【0085】上記道路形状検出装置130は、本発明の
実施の形態では特に道路幅を検出するように設けられて
おり、一対のCCDカメラ130a、画像処理部130
b、道路幅検出部130cから主に構成されている。
【0086】上記一対のCCDカメラ130aは、車室
内の天井前方の左右に一定の間隔をもって取り付けら
れ、車外の対象を異なる視点からステレオ撮像するよう
になっており、この一対のCCDカメラ130aで撮像
した自車両の走行方向の映像信号は、上記画像処理部1
30bに入力されるようになっている。
【0087】上記画像処理部130bは、上記CCDカ
メラ130aで撮像した自車両の走行方向の環境の1組
のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三
角測量の原理によって画像全体に渡る距離情報を求める
処理を行なって、三次元の距離分布を表す距離画像を生
成して上記道路幅検出部130cに出力するように形成
されている。
【0088】上記道路幅検出部130cは、上記画像処
理部130bからの距離画像の距離分布についてヒスト
グラム処理を行うことで道路を認識して、この道路幅の
算出を行って、上記カーブ情報算出部120に対して必
要に応じて出力されるようになっている。
【0089】上記道路幅検出部130cでは、例えば白
線は、折れ線で近似され、左右の折れ線で囲まれた範囲
が自車線と判断され、この自車線の左右の折れ線の間隔
から道路幅を算出する。このように、この道路形状検出
装置130では道路形状を検出し、その道路形状から道
路幅を求めるようになっているため、この道路形状検出
装置130で検出した道路形状と上記ナビゲーション装
置110で得られる地図上の道路形状データとを比較し
て一致させるように上記ナビゲーション装置110の地
図上での自車位置を修正して自車位置をより正確に求め
るようにすることもできる。
【0090】上記カーブ情報算出部120は、例えば図
3に示すように、3点検出部120a、Pn-1 Pn 距離
演算部120b、Pn Pn+1 距離演算部120c、長短
判定部120d、中点演算部120e、中点同距離点演
算部120f、曲率半径演算部120gおよび補正部1
20hから主に構成されている。
【0091】上記3点検出部120aは、上記ナビゲー
ション装置110から入力された道路の点データ(ノー
ド)から、車両の走行方向あるいは運転者により選択さ
れた道路上にある3点を、図7に示すように、所定の間
隔で順に(車両に近い方から)第1の点Pn-1 、第2の
点Pn 、第3の点Pn+1 として読み込むものである。こ
れら読み込んだ3点から、上記第1の点Pn-1 と上記第
2の点Pn の位置情報は上記Pn-1 Pn 距離演算部12
0bに出力され、上記第2の点Pn と上記第3の点Pn+
1 の位置情報は上記Pn Pn+1 距離演算部120cに出
力されるようになっている。Pn-1 =(Xn-1 ,Yn-1
),Pn =(Xn ,Yn ),Pn+1 =(Xn+1 ,Yn+1
)とする。またカーブの代表点はPn となる。従っ
て、点P1のカーブは点P0,P1,P2から、点P2
のカーブは点P1,P2,P3から、…、点Pn のカー
ブは点Pn-1 ,Pn ,Pn+1 からそれぞれデータが算出
される。
【0092】上記Pn-1 Pn 距離演算部120bは、上
記3点検出部120aから入力された上記第1の点Pn-
1 と上記第2の点Pn の位置情報を基に上記第1の点P
n-1と上記第2の点Pn を結ぶ直線距離を演算し、上記
長短判定部120dと上記補正部120hとに出力する
ように形成されている。
【0093】上記Pn Pn+1 距離演算部120cは、上
記3点検出部120aから入力された上記第2の点Pn
と上記第3の点Pn+1 の位置情報を基に上記第2の点P
n と上記第3の点Pn+1 を結ぶ直線距離を演算し、上記
長短判定部120dと上記補正部120hとに出力する
ように形成されている。
【0094】上記長短判定部120dは、上記Pn-1 P
n 距離演算部120bから入力された上記第1の点Pn-
1 と上記第2の点Pn を結ぶ直線距離と、上記Pn Pn+
1 距離演算部120cから入力された上記第2の点Pn
と上記第3の点Pn+1 を結ぶ直線距離とを比較して、こ
れら直線距離の長短を判定するものである。そして、直
線距離が短い方の各データ(位置、距離)を上記中点演
算部120eと上記補正部120gとに出力するととも
に、直線距離が長い方の各データ(位置、距離)を上記
中点同距離点演算部120fに出力するようになってい
る。
【0095】尚、上記長短判定部120dでの比較の結
果、両方の直線距離が同じ長さと判定された場合には、
どちらの直線を用いても良いため上記第1の点Pn-1 と
上記第2の点Pn を結ぶ直線を短い直線として扱うよう
に予め設定しておく(上記第2の点Pn と上記第3の点
Pn+1 を結ぶ直線を短い直線として扱うようにしても良
い)。
【0096】上記中点演算部120eは、上記長短判定
部120dから入力された距離が短い直線の各データ
(位置、距離)に基づき、上記短い方の直線距離の半分
の距離を演算するとともに上記短い方の直線上の中点位
置を決定するように形成されている。ここで、例えば上
記第1の点Pn-1 と上記第2の点Pn を結ぶ直線を短い
直線とし、中点をPn-1,n =(Xn-1,n ,Yn-1,n )と
すると、 Pn-1,n =(Xn-1,n ,Yn-1,n ) =((Xn-1 +Xn )/2,(Yn-1 +Yn )/2) そして、上記中点演算部120eで演算した各データ
は、上記中点同距離点演算部120fと上記曲率半径演
算部120gに出力されるようになっている。
【0097】上記中点同距離点演算部120fは、上記
長短判定部120dから入力された距離が長い直線の各
データ(位置、距離)と上記中点演算部120eから入
力された上記短い方の直線距離の半分の距離のデータか
ら、上記長い方の直線上で上記第2の点から上記短い方
の直線距離の半分の距離の位置に中点同距離点を決定す
るものである。ここで、例えば上記第2の点Pn と上記
第3の点Pn+1 を結ぶ直線を長い直線とし、中点同距離
点をPn,n+1 =(Xn,n+1 ,Yn,n+1 )とすると、 Pn,n+1 =Pn +Pn Pn,n+1 =(Xn ,Yn )+K2・(Xn+1 −Xn ,Yn+1 −Yn ) =(Xn,n+1 ,Yn,n+1 ) ただし、K2=((Xn −Xn-1 )2 +(Yn −Yn-1 )2 1/2 /(2・((Xn+1 −Xn )2 +(Yn+1 −Yn )2 1/2 ) 上記中点同距離点演算部120fで演算した中点同距離
点Pn,n+1 の位置データは、上記曲率半径演算部120
gに出力されるようになっている。
【0098】上記曲率半径演算部120gは、上記中点
演算部120eから入力された中点Pn-1,n の位置デー
タと上記中点同距離点演算部120fで演算した中点同
距離点Pn,n+1 の位置データに基づき、図8に示すよう
に、上記中点Pn-1,n で短い方の直線(ここではPn-1
Pn )に直交する直線と上記中点同距離点Pn,n+1 で長
い方の直線(ここではPn Pn+1 )に直交する直線との
交点位置を走行路のカーブの中心位置On と決定してこ
のカーブ中心位置On を基に走行路の曲率半径Rn を演
算するように形成されている。この曲率半径演算部12
0gで演算した結果は上記補正部120hに出力される
ようになっている。
【0099】すなわち、 On =Pn-1,n +Pn-1,n On =(Xn-1,n ,Yn-1,n )+M・(Yn −Yn-1 ,Xn-1 −Xn ) …(17) On =Pn,n+1 +Pn,n+1 On =(Xn,n+1 ,Yn,n+1 )+N・(Yn+1 −Yn ,Xn −Xn+1 ) …(18) 従って、 Xn-1,n +M・(Yn −Yn-1 )=Xn,n+1 +N・(Yn+1 −Yn ) …(19) Yn-1,n +M・(Xn-1 −Xn )=Yn,n+1 +N・(Xn −Xn+1 ) …(20) 上記(19),(20)式からMを消去してNを求める
と、 N=((Xn-1 −Xn )・(Xn-1,n −Xn,n+1 ) +(Yn-1 −Yn )・(Yn-1,n −Yn,n+1 )) /(Xn-1 ・Yn+1 −Xn+1 ・Yn-1 −Xn-1 ・Yn +Xn ・Yn-1 −Xn ・Yn+1 +Xn+1 ・Yn )…(21) そして、カーブ中心位置On は、 On =(Xon,Yon)=(Xn,n+1 +N・Yn+1 −N・Yn ,Yn,n+1 +N・Xn −N・Xn+1 )…(22) となる。
【0100】従って、曲率半径Rn は次式により求めら
れる。 Rn =((Xn −Xn-1 )・(Yn+1 −Yn ) −(Xn+1 −Xn )・(Yn −Yn-1 )) /|((Xn −Xn-1 )・(Yn+1 −Yn ) −(Xn+1 −Xn )・(Yn −Yn-1 ))| ・((Xon−Xn-1,n )2 +(Yon−Yn-1,n )2 1/2 …(23) ここで、曲率半径Rn が正の場合は左旋回、負の場合は
右旋回となる。
【0101】また、上記カーブ中心位置On からカーブ
の代表点である上記第2の点Pn までの距離Lonは、以
下の(24)式により求められる。 Lon=((Xon−Xn )2 +(Yon−Yn )2 1/2 …(24) 上記補正部120hは、上記曲率半径演算部120gか
らの曲率半径Rn と上記カーブ中心位置On から上記第
2の点Pn までの距離Lonとの差Deln を演算し、こ
の差Deln が後述する誤差設定値を超える場合に、上
記曲率半径Rnを補正して常に上記差Deln を上記誤
差設定値以内にするものである。
【0102】この補正部120hにより補正された、あ
るいは、上記差Deln が上記誤差設定値以下であり補
正されなかった各点毎の最終的なカーブ情報(カーブの
代表点Pn の位置(Xn ,Yn ),点Pn-1 と点Pn と
の距離Ln ,最終的な曲率半径Rn ,カーブ中心位置O
n ,直線Pn-1 Pn と直線Pn Pn+1 のなす角度から求
められる各点のカーブ角度θn ,カーブ開始点Lsn(カ
ーブ中心位置On から直線Pn-1 Pn に垂直に下ろした
点)と点Pn-1 間の距離,車両位置から各カーブの代表
点までの距離Lssn )はメモリされ、前記データ整理部
120iに出力されるようになっている。
【0103】上記誤差設定値は、道路幅Dと上記長短判
定部120dの短い方の直線距離の両方に応じて可変さ
れ、(誤差設定値)=αh・Dで設定されるようになっ
ている(αhは短い方の直線距離に応じて設定される定
数:以後、点間隔補正係数と呼ぶ)。
【0104】上記道路幅Dには、通常、前記道路形状検
出装置130から得られる道路幅の値を採用するように
なっているが、上記道路形状検出装置130からデータ
が得られないときなどは、上記ナビゲーション装置11
0から得られる高速道路、一般国道、地方道というよう
な道路種別情報を基に道路幅Dを設定するようになって
いる。ここで、道路幅Dが大きくなるほど上記誤差設定
値が大きくなり補正を行わない方向になるが、これは、
実際の道路で道路幅が大きくなるにつれて曲率半径Rn
が大きくなることを表現するものである。
【0105】直線距離が短いということは、点データが
細かく設定されており正しく道路を表現しているとみな
せるため、補正を行わないようにするものである。
【0106】したがって、上記点間隔補正係数αhは、
短い方の直線距離が短い値ほど上記点間隔補正係数αh
は大きくなって誤差設定値が大きくなり補正を行わない
方向になっている。例えば、短い方の直線距離が20m
以下の短い場合はαh=1.2、100m以下の中距離
の場合はαh=0.6、100mより大きな場合はαh
=0.3とする。
【0107】上記補正部24hによる詳しい補正を図9
に示す。Pn-1 からPn へのベクトルをB1ve(添字ve
はベクトルであることを示す)、P2からP3へのベク
トルをB2ve(添字veはベクトルであることを示す)と
し、B1ve=(Xn −Xn-1,Yn −Yn-1 )=(Xb
1,Yb1)、B2ve=(Xn+1 −Xn ,Yn+1 −Yn )
=(Xb2,Yb2)とする。
【0108】B1veとB2veのなす角度θn は、 cos θn =(Xb1・Xb2+Yb1・Yb2)/(|B1ve|・|B2ve|) LonとRn の誤差(比率)Pdeln は、 Pdeln =Rn /Lon =cos( θn /2)=((cos θn +1)/2)1/2 …(25) よって、LonとRn の差Deln は次式のようになる。 Deln =Lon−|Rn |=Lon・(1−Pdeln ) =Lon・(1−((cos θn +1)/2)1/2 ) …(26) ここで、差Deln が誤差設定値(αh・D)を超える
場合に、曲率半径Rnに対してDeln =αh・Dとな
るように補正が行われる。すなわち、 Lon=Deln /(1−((cos θn +1)/2)1/2 ) =αh・D/(1−((cos θn +1)/2)1/2 ) =αh・D/(1−((Xb1・Xb2+Yb1・Yb2+|B1ve| ・|B2ve|)/(2・|B1ve|・|B2ve|))1/2 ) Rn =Lon・Pdeln =αh・D/(1−((cos θn +1)/2)1/2 ) ・((cos θn +1)/2)1/2 =αh・D/((2/(cos θn +1))1/2 −1) =αh・D/((2・|B1ve|・|B2ve|/(Xb1・Xb2 +Yb1・Yb2+|B1ve|・|B2ve|))1/2 −1)…(27) このように上記カーブ情報算出部120によりカーブ情
報を得るため、ナビゲーション装置110からの一定間
隔ではない点データ(ノード)をそのまま利用すること
ができ、計算のためのデータの補完や、特に複雑な計算
をすることなく簡単な演算処理で速やかに、かつ、正確
に走行路の曲率半径を求めることができるのである。
【0109】また、曲率半径を求める各カーブ検出点間
のつながりも自然で、実際の道路形状を正確に表現した
値が得られる。
【0110】さらに、演算誤差も実際のカーブの曲率半
径よりも小さめに生じるようになっており、例えばカー
ブ進入時の警報・減速制御において適切な警報を発する
上で好ましいものとなっている。
【0111】また、曲率半径の補正部120hを備える
ことにより、より正確な曲率半径の演算が可能になり、
補正の基準に用いられる誤差設定値を実際の道路形状と
点データの数で可変することにより、より一層正確な演
算が行えるようになっている。すなわち、実際の道路で
道路幅が大きくなるにつれて曲率半径が大きくなること
を表現するため、道路幅が大きくなるほど誤差設定値が
大きくなり補正を行わない方向になる。また、直線距離
が短いということは、点データ(ノード)が細かく設定
されており正しく道路を表現しているとみなせるため、
短い方の直線距離が短い値ほど誤差設定値が大きくなり
補正を行わない方向になる。
【0112】上記データ整理部120iは、上記補正部
120hで補正された各点毎のデータを整理するもの
で、不必要なカーブデータを整理して、余分な演算の削
減を行うものである。
【0113】すなわち、上記ナビゲーション装置110
からの点データ(ノード)は、1つのカーブを数点で表
している場合があり、また、別々のカーブであっても一
方のカーブを対象に制御を行えば他方のカーブについて
の制御を省略することができる場合がある。
【0114】従って、上記データ整理部120iでは、
上述のことを考慮し、各点データ(ノード)を点Pn-1
から点Pn に向かう場合について以下の4つのケースに
あてはめて、必要な点データ(ノード)に整理するよう
になっている。
【0115】・ケース1…カーブはきつくなるが、点P
n-1 から点Pn に行くまでに減速距離(=Rn-1 −Rn
)に余裕がある場合(図10(a)) |Rn-1 |>|Rn |,Rn-1 ・Rn >0、かつ、Ln
>|Rn-1 |−|Rn |ならば、点Pn-1 と点Pn のカ
ーブ情報が必要。すなわち、点Pn-1 から点Pnに行く
までに減速に余裕があるため、点Pn-1 と点Pn の各々
について独立した制御が必要になる。
【0116】また点Pn-1 と点Pn は1つのカーブを表
していると考えて、この1つのカーブ角度(カーブ全角
度θsn)を求めるために点Pn でのカーブ角度θn は加
算する。 点Pn までのカーブ全角度θsn=点Pn-1 までのカーブ
全角度θs(n-1)+2・cos-1 (Rn /Lon) ・ケース2…カーブはきつくなり、点Pn-1 から点Pn
に行くまでに減速距離(=Rn-1 −Rn )に余裕が無い
場合(図10(b)) |Rn-1 |>|Rn |,Rn-1 ・Rn >0、かつ、Ln
<|Rn-1 |−|Rn |ならば、点Pn-1 のカーブ情報
は無視(削減)。すなわち、点Pn のカーブについての
制御を行うことで点Pn-1 のカーブについての制御が吸
収されてしまい、点Pn-1 のカーブ情報は無駄になるた
め無視(削減)する。
【0117】また点Pn-1 と点Pn は1つのカーブを表
していると考えて、この1つのカーブ角度(カーブ全角
度θsn)を求めるために点Pn でのカーブ角度θn は加
算する。 点Pn までのカーブ全角度θsn=点Pn-1 までのカーブ
全角度θs(n-1)+2・cos-1 (Rn /Lon) ・ケース3…カーブが緩くなる場合(図10(c)) |Rn-1 |<|Rn |,Rn-1 ・Rn >0 ならば、点Pn のカーブ情報は無視(削減)。すなわ
ち、点Pn-1 で速度は減速されるようになっているた
め、この点Pn-1 よりも緩いカーブである点Pn のカー
ブ情報は不要になり無視(削減)する。尚、Ln が長い
場合、十分に加速してしまうと(点Pn-1 と点Pn とが
独立したカーブとみなせるなら)、点Pn に着くまでに
車速が大きくなってしまうことも考えられるので、Ln
の大きさに応じて点Pn のカーブ情報は保持するように
しても良い。
【0118】また点Pn-1 と点Pn は1つのカーブを表
していると考えて、この1つのカーブ角度(カーブ全角
度θsn)を求めるために点Pn でのカーブ角度θn は加
算する。 点Pn までのカーブ全角度θsn=点Pn-1 までのカーブ
全角度θs(n-1)+2・cos-1 (Rn /Lon) 尚、点Pn-1 と点Pn とが独立したカーブとみなせるな
ら点Pn でのカーブ角度θn は加算せず、新たに加算を
始める(Ln の大きさに応じて決定する)。
【0119】 ・ケース4…カーブの旋回方向が切り替わる場合(図1
0(d)) Rn-1 ・Rn <0 ならば、点Pn のカーブ情報は必要。すなわち、点Pn-
1 から点Pn に行く際は、旋回方向が異なるため、ここ
だけでのデータの整理は行わない。
【0120】また、点Pn-1 まで続いてきたカーブ角度
の合計を、点Pn-1 までのカーブ全角度θs(n-1)とす
る。
【0121】さらに、点Pn からのカーブ全角度θsnを
求めるために加算を始める。 点Pn までのカーブ全角度θsn=2・cos-1 (Rn /L
on) 尚、上記各ケースにあてはめて、1つの点に対し必要と
する場合と不要とする場合とが重なった際には、その点
は無視(削減)する。
【0122】ここで、減速距離を、カーブの曲率半径R
n とRn-1 の差で計算したのは、以下のためである。点
Pn における基準許容進入速度をVpn、減速度をa、許
容横加速度をayln として、 減速距離=(Vp(n-1)2 −Vpn2 )/(2・a) =(Rn-1 ・ayl(n-1) −Rn ・ayln )/(2・a) =(Rn-1 −Rn )・ayl/(2・a) 減速度aを許容横加速度aylの50%の(1/2)・a
ylとすると、 減速距離=Rn-1 −Rn この結果から、減速距離をカーブの曲率半径Rn とRn-
1 の差で計算したのである。
【0123】そしてこのようにデータ整理部120iで
整理されたデータは、整理前のデータとともに前記車両
挙動制御変更部100に入力されるようになっている。
【0124】上記車両挙動制御変更部100は、車両挙
動制御変更手段としてのもので、上記ナビゲーション装
置110からのデータと上記カーブ情報算出部120か
らのデータとが入力され、現在の走行位置と走行路中の
カーブの位置関係により上記動力配分制御部60、上記
左右輪差動制限制御部70、および、上記制動力制御部
80に所定に出力して、これら各制御部60,70,8
0による制御を変更させるようになっている。
【0125】以下に上記構成による作用を説明する。ま
ず、動力配分制御部60では、左前輪速度センサ44f
l,右前輪速度センサ44fr,左後輪速度センサ44r
l,右後輪速度センサ44rrから各車輪速度、スロット
ル開度センサ45からスロットル開度θth、ギヤ位置セ
ンサ46からギヤ位置の各信号が入力され、センタディ
ファレンシャル装置3に対する差動制限力、すなわちト
ランスファクラッチ21のトランスファトルクを、走行
状態から、例えば図4に示す、スロットル開度θthと速
度Vをパラメータとしたデューティ比のテーブルマップ
で検索して、通常制御、発進制御、転舵制御、スリップ
制御等で実行する。このため、走行状態により、例えば
基準トルク配分が後輪偏重の、前後35:65とする
と、前後35:65から前後直結状態で得られるトルク
配分比、例えば50:50の間でトルク配分制御(動力
配分制御)される。
【0126】また、左右輪差動制限制御部70には、左
前輪速度センサ44fl,右前輪速度センサ44fr,左後
輪速度センサ44rl,右後輪速度センサ44rrから各車
輪速度、スロットル開度センサ45からスロットル開度
θth、ギヤ位置センサ46からギヤ位置、ハンドル角セ
ンサ47からハンドル角θf、前後加速度センサ50か
ら前後加速度Gxの各信号が入力され、走行状態に応じ
て後輪終減速装置7の油圧多板クラッチ33が制御され
て左右後輪の差動制限制御が行われる。
【0127】具体的には、上述したように、左右後輪の
スリップ状態が判定され、スリップ状態の場合、実験、
理論計算等により予め設定しておいたマップからハンド
ル角θfを基にクラッチ油圧を設定して制御する。
【0128】また、非スリップ状態の場合、非スリップ
状態におけるクラッチ油圧を設定して制御する。ここ
で、この非スリップ状態におけるクラッチ油圧は、車速
V(例えば、4つの車輪速度の平均)とスロットル開度
θthによるマップ(予め実験、理論計算等により設定し
ておいたもので、高速、高負荷側が増大するような特性
になっている)を検索して定めた油圧を、さらにギヤ位
置iが低速段側で補正し、前後加速度Gxで補正して設
定し制御する。
【0129】さらに、制動力制御部80には、左前輪速
度センサ44fl,右前輪速度センサ44fr,左後輪速度
センサ44rl,右後輪速度センサ44rrから各車輪速
度、ハンドル角センサ47からハンドル角θf、ヨーレ
ートセンサ48から実際のヨーレートγ、横加速度セン
サ49から横加速度Gy(横すべり角αに対応するヨー
レート偏差補正値Δγ' で補正を行う場合)の各信号が
入力され、車両の走行状態、車両諸元を基に目標ヨーレ
ートγ' の微分値Sγ' 、低μ路走行の予測ヨーレート
γ'LOWの微分値Sγ'LOWおよび両微分値の偏差dΔγを
算出し、また実ヨーレートγと目標ヨーレートγ' との
偏差Δγを算出し、これらの値に基づいて、車両のアン
ダーステア傾向、あるいは、オーバーステア傾向を修正
する目標制動力BFf,BFrを算出する。ここで、こ
の目標制動力は横すべり角αに対応するヨーレート偏差
補正値Δγ' で補正して算出しても良い。
【0130】そして車両のアンダーステア傾向を修正す
るためには旋回方向内側後輪を、オーバーステア傾向を
修正するためには旋回方向外側前輪を制動力を加える制
動輪として選択し、予め設定する制御の不感帯であって
ヨーレート偏差Δγが制御領域にあるか否かを判定する
判定閾値εΔとヨーレート偏差Δγとを比較し制御領域
にある際(不感帯からヨーレート偏差Δγが外れる際)
には上記ブレーキ駆動部25に制御信号を出力して上記
選択車輪に目標制動力を付加して制動力制御する。
【0131】また、ナビゲーション装置110では、車
両の走行情報と地図情報とをマップマッチング等の演算
をしながら合成し、その結果を操作信号に基づいて情報
表示部110cに送り、車両の現在位置及びその周辺の
地図、目的地までの最適経路等を表示させる一方、これ
ら各データ(道路データの点データ、道路種別情報、現
在位置等のデータ)は、車両挙動制御変更部100およ
びカーブ情報算出部120に対して必要に応じて出力さ
れる道路形状検出装置130では、一対のCCDカメラ
130aで撮像した自車両の走行方向の映像信号につい
て三次元の距離分布を表す距離画像を生成し、この距離
画像の距離分布についてヒストグラム処理を行うことで
道路を認識して、この道路幅の算出を行って上記カーブ
情報算出部120に対して必要に応じて出力する。
【0132】カーブ情報算出部120では、上記ナビゲ
ーション装置110からの地図情報である走行路形状を
あらわす点データから走行方向の順に第1の点と第2の
点と第3の点の3点を検出し、上記第1の点と上記第2
の点を結ぶ直線と上記第2の点と上記第3の点を結ぶ直
線のそれぞれの距離を比較して上記直線の距離の長短を
判定する。
【0133】この判定した上記直線のうち短い方の直線
の距離の半分の距離を演算して上記短い方の直線上の中
点位置を決定する一方、判定した上記直線のうち長い方
の直線上で上記第2の点から上記短い方の直線の距離の
半分の距離の位置に中点同距離点を決定する。
【0134】そして、上記短い方の直線上の上記中点で
直交する直線と上記長い方の直線上の上記中点同距離点
で直交する直線との交点位置を走行路のカーブの中心位
置と決定してこのカーブ中心位置を基に走行路の曲率半
径を演算することでカーブに関するデータを得る。さら
に、このカーブに関するデータは、上記道路形状検出装
置130からの道路幅データで補正され、また所定にデ
ータ整理が行われて、上記車両挙動制御変更部100に
出力される。
【0135】上記車両挙動制御変更部100では、図1
1に示すフローチャートに示すように、制御が実行され
る。
【0136】まず、ステップ(以下「S」と略称)10
1で、上記ナビゲーション装置110から走行位置に関
する情報、上記カーブ情報算出部120から走行路中
(走行位置と走行位置前方)のカーブ情報の読み込みが
行われる。
【0137】次いで、S102に進みカーブを走行中か
否かの判定を行う。尚、この判定に用いるカーブ条件
は、例えば、道路幅、車速、曲率半径により予め設定さ
れており、ある道路幅、車速の基で所定の大きさ以下の
曲率半径の場合にカーブと判定するようになっている。
【0138】上記S102でカーブ走行中でないと判定
した場合はS103に進んで、前方カーブ入口まで予め
設定しておいた距離Lcu1 内か否か判定する。この距離
Lcu1 は、例えば、道路幅、車速、前方カーブの曲率半
径等をパラメータとして予め設定した距離である。
【0139】そして、上記S103で、前方カーブ入口
まで予め設定しておいた距離Lcu1内ではない場合は、
そのままプログラムを抜け、前方カーブ入口まで予め設
定しておいた距離Lcu1 内の場合はS104に進み、上
記制動力制御部80に対し不感帯を狭める(不感帯を小
とする)ように、上記左右輪差動制限制御部70に対し
左右輪間の差動制限力を低下させる(後輪終減速装置7
の油圧多板クラッチ33の圧着力を弱める)ように、上
記動力配分制御部60に対しトランスファトルクを低下
させる(センターディファレンシャル装置3が後輪偏重
の基本トルク配分になる)ように信号を出力してプログ
ラムを抜ける。
【0140】一方、前記S102でカーブ走行中と判定
した場合は、S105に進み、カーブ出口まで予め設定
しておいた距離Lcu2 内か否か判定する。この距離Lcu
2 も、例えば、道路幅、車速、前方カーブの曲率半径等
をパラメータとして予め設定した距離である。
【0141】そして、カーブ出口まで予め設定しておい
た距離Lcu2 内ではない場合は上記S104に進んで、
上記制動力制御部80に対し不感帯を狭める(不感帯を
小とする)ように、上記左右輪差動制限制御部70に対
し左右輪間の差動制限力を低下させる(後輪終減速装置
7の油圧多板クラッチ33の圧着力を弱める)ように、
上記動力配分制御部60に対しトランスファトルクを低
下させる(センターディファレンシャル装置3が後輪偏
重の基本トルク配分になる)ように信号を出力してプロ
グラムを抜ける。
【0142】また、上記S105でカーブ出口まで予め
設定しておいた距離Lcu2 内と判定した場合はS106
に進み、上記左右輪差動制限制御部70に対し左右輪間
の差動制限力を増加させる(後輪終減速装置7の油圧多
板クラッチ33の圧着力を強める)ように、上記動力配
分制御部60に対しトランスファトルクを増加させる
(センターディファレンシャル装置3が前後輪等トルク
配分になる)ように信号を出力してプログラムを抜け
る。
【0143】すなわち、車両がカーブ走行中ではない場
合、前方カーブまでの距離が予め設定しておいた距離L
cu1 内になった際は、カーブでの旋回に備え、上記制動
力制御部80に対しては不感帯を狭めて制御の感度を上
げて操舵性に対する応答性を向上させるようにするとと
もに、上記左右輪差動制限制御部70に対しては左右輪
間の差動制限力を低下させて車両の回頭性を良好にし、
さらに、上記動力配分制御部60に対してはトランスフ
ァトルクを低下させて車両の回頭性を良好にする。
【0144】また、車両がカーブ走行中の場合、カーブ
出口まで予め設定しておいた距離Lcu2 内ではなくカー
ブが更に連続している場合は、旋回中の良好な操舵性、
回頭性を更に持続させるべく、上記制動力制御部80に
対しては不感帯を狭め、上記左右輪差動制限制御部70
に対しては左右輪間の差動制限力を低下させ、さらに、
上記動力配分制御部60に対してはトランスファトルク
を低下させたままにする。
【0145】そして、車両が走行中のカーブ出口まで上
記距離Lcu2 内のところに到達した場合には、カーブか
ら直線路への移行が安定して自然に行えるように、上記
左右輪差動制限制御部70に対しては左右輪間の差動制
限力を増加させて走行安定性を向上させ、また、上記動
力配分制御部60に対してはトランスファトルクを増加
させて走行安定性を向上させるようになっている。
【0146】このように、本発明の実施の形態では、今
後走行するであろうカーブを事前に判断し、今後の走行
状態と現在の走行状態に応じて各車両挙動制御装置が適
切に変更されて動作し、カーブ進入、脱出を含むカーブ
走行を適切に行うことができるようになっている。
【0147】尚、本発明の実施の形態では、車両挙動制
御手段として、動力配分制御部、左右輪差動制限制御
部、制動力制御部の三つを有する車両で説明したが、ど
れか一つのみ、あるいは、いづれか二つを有する車両に
おいても適応できる。
【0148】また、左右輪差動制限制御部は後輪に設け
られているものを例に説明したが前輪に設けられている
ものを同様に制御しても良い。
【0149】さらに、動力配分制御部は後輪偏重のもの
で説明しているが、前輪偏重のものであっても良い。
【0150】また、センターディファレンシャル装置お
よび後輪終減速装置の差動機構は複合プラネタリギヤ式
のもので説明したが、べベルギヤ式のものや、リングギ
ヤを有するプラネタリギヤ式のもの等であっても良い。
【0151】さらに、制動力制御部の特性を変える際
に、ヨーレート偏差に対する閾値を不感帯とし、この不
感帯を狭く変更させることにより行うようにしている
が、横すべり角に応じてヨーレート偏差を補正するもの
であれば、例えば図5に示すように横すべり角の不感帯
の部分を狭く設定するように変更することによっても略
同様の効果を得ることができる。
【0152】また、制動力制御部における制動力制御
は、本発明の実施の形態で例示したもの以外であっても
良い。
【0153】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
今後走行するであろうカーブを事前に判断し、今後の走
行状態と現在の走行状態に応じて各車両挙動制御装置が
適切に動作して、カーブ進入、脱出を含むカーブ走行を
適切に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両における車両運動制御装置全体の概略説明
【図2】制動力制御部の機能ブロック図
【図3】車両挙動制御変更部の入力に関する構成の説明
【図4】センターディファレンシャル装置の差動制限ト
ルクの特性の一例を示す説明図
【図5】横すべり角αに対応するヨーレート偏差補正値
Δγ' の一例を示す説明図
【図6】制動力制御による車両の動作の説明図
【図7】実際にナビゲーション装置から得られる点デー
タの例の説明図
【図8】カーブの曲率半径の求め方の説明図
【図9】求めたカーブの曲率半径の補正の説明図
【図10】データ整理部での各ケースの説明図
【図11】車両挙動制御変更部における制御のフローチ
ャート
【符号の説明】
1 エンジン 3 センターディファレンシャル装置 7 後輪終減速装置 14fl、14fr 前輪 14rl、14rr 後輪 21 トランスファクラッチ 33 油圧多板クラッチ 40 ブレーキ駆動部 43fl、43fr 前輪側ホイールシリンダ 43rl、43rr 後輪側ホイールシリンダ 44fl、44fr 前輪側車輪速度センサ 44rl、44rr 後輪側車輪速度センサ 45 スロットル開度センサ 46 ギヤ位置センサ 47 ハンドル角センサ 48 ヨーレートセンサ 49 横加速度センサ 50 前後加速度センサ 60 動力配分制御部(車両挙動制御手段) 70 左右輪差動制限制御部(車両挙動制御手段) 80 制動力制御部(車両挙動制御手段) 100 車両挙動制御変更部(車両挙動制御変更手
段) 110 ナビゲーション装置(走行位置情報検出手
段) 120 カーブ情報算出部(カーブ情報検出手段) 130 道路形状検出装置(カーブ情報検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 明 東京都三鷹市大沢3丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内 (72)発明者 美禰 篤 東京都三鷹市大沢3丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車両の走行位置情報を検出する走行位
    置情報検出手段と、上記走行位置と上記走行位置前方の
    カーブを検出してカーブ情報を求めるカーブ情報検出手
    段と、車両の挙動を制御する車両挙動制御手段と、上記
    自車両がカーブ走行中ではない場合に前方カーブとの距
    離が予め設定しておいた距離内の際に上記車両挙動制御
    手段を旋回に対応する車両挙動傾向に変更する車両挙動
    制御変更手段とを備えたことを特徴とする車両運動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 上記車両挙動制御変更手段は、上記自車
    両がカーブを走行中の場合に走行位置から走行中のカー
    ブ出口までの距離が予め設定しておいた距離内の際は上
    記車両挙動制御手段を車両姿勢の安定に対応する車両挙
    動傾向に変更する一方、上記自車両がカーブを走行中の
    場合に走行位置から走行中のカーブ出口までの距離が上
    記予め設定しておいた距離を超えている場合は上記車両
    挙動制御手段を旋回に対応する車両挙動傾向に変更する
    車両挙動制御変更手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1記載の車両運動制御装置。
  3. 【請求項3】 上記車両挙動制御手段は、車両の走行状
    態を基に制動力を所定の選択した車輪に加えて制御する
    制動力制御部と、車両の走行状態を基に左右輪間の差動
    制限力を制御する左右輪差動制限制御部と、車両の走行
    状態を基に前後輪間のセンターディファレンシャル装置
    の差動制限力を制御して前後輪間で所定にトルク配分を
    行う動力配分制御部の少なくとも一つであることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の車両運動制御装置。
  4. 【請求項4】 上記車両挙動制御手段が上記制動力制御
    部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両
    挙動傾向に変更するには、制御感度に対応する制御パラ
    メータを変更して行うことを特徴とする請求項3記載の
    車両運動制御装置。
  5. 【請求項5】 上記車両挙動制御手段が上記左右輪差動
    制限制御部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応
    する車両挙動傾向に変更するには左右輪間の差動制限力
    を低下させることにより行うとともに、上記車両挙動制
    御手段を車両姿勢の安定に対応する車両挙動傾向に変更
    するには左右輪間の差動制限力を強めることにより行う
    ことを特徴とする請求項3記載の車両運動制御装置。
  6. 【請求項6】 上記車両挙動制御手段が上記センターデ
    ィファレンシャル装置の差動制限力を制御する上記動力
    配分制御部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応
    する車両挙動傾向に変更するには前後輪のどちらかに偏
    重したトルク配分に差動制限力を制御する一方、上記車
    両挙動制御手段を車両姿勢の安定に対応する車両挙動傾
    向に変更するには等トルク配分側に差動制限力を制御す
    ることを特徴とする請求項3記載の車両運動制御装置。
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