JP4519216B2 - 車両運動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくともステアリングギヤ比を制御量を求める上でのパラメータとする、4輪操舵制御や動力配分制御等の車両運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、4輪操舵制御や動力配分制御等の様々な運動制御装置が開発され、多くの車両に採用されるようになっている。このような車両の運動制御装置では、車両の現在の走行状態を検出して必要な制御量を求めるようになっており、これら各運動制御装置が正確な制御を行うには、車両の走行状態を示す各パラメータの検出を精度良く行うことが重要である。
【0003】
例えば、車両の運動は、実際の前輪操舵角(実前輪舵角)と密接な関係があるため、実前輪舵角は、多くの車両運動制御装置において制御量を求める上での重要なパラメータとなっている。この実前輪舵角は、通常、ドライバによるハンドル角を検出し、このハンドル角をステアリングギヤ比で除することにより演算される。すなわち、実前輪舵角を精度良く検出するためには、ハンドル操舵角を精度良く検出すると共に、ステアリングギヤ比を正確に設定しておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、ステアリングギヤ比が異なる車種毎に、予めステアリングギヤ比が異なる別々のコントロールユニットを用意して対応することが行われている。しかしながら、近年、消費者のニーズの多様化により車種も増加し、また、例え同じ車種であっても多くのグレードが存在して、これら車種やグレード毎にステアリングギヤ比が異なる場合があり、これらに対応して複数種のコントロールユニットを製造することはコスト増加の一因となる。更に、コントロールユニットの種類の増加は、生産に応じた部品管理も煩雑にしてしまう問題がある。また、このステアリングギヤ比毎にコントロールユニットを用意する方法では、ステアリングギヤ比が、走行状態に応じて可変設定される、所謂、バリアブルギヤ比仕様の車両には対応することができない。
【0005】
このため、可能な限り部品の種類を削減するため、予めコントロールユニットに複数のステアリングギヤ比を組み込んでおき、車種及びグレード毎に、ステアリングギヤ比を切り替えスイッチ等で選択することが考えられる。しかし、車種及びグレード毎に切り替えスイッチ等を切り替えることは、作業が繁雑で、最悪の場合は、切り替え間違え等の人為的ミスを招きかねない。また、複数のステアリングギヤ比を組み込み且つ選択できるようにするため、切り替えスイッチ等のデバイスも追加となってコントロールユニットのコスト増加を招く。そして、この複数のステアリングギヤ比を生産時或いはメンテナンス時等に選択的に設定しておくコントロールユニットであっても、バリアブルギヤ比仕様の車両には対応することができない。
【0006】
このようなことから、ステアリングギヤ比については車両毎の正確な設定をすることなく、各ステアリングギヤ比の中間の値又は代表的な値とした仕様で統一してしまうことも考えられる。しかし、これでは、制御装置の制御が妥協的な性能にならざるえない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ステアリングギヤ比毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比を設定する必要もなく、また、ステアリングギヤ比がバリアブルギヤ比仕様の車両であっても適応でき、ステアリングギヤ比を正確に設定して制御精度を向上することができる車両運動制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明による車両運動制御装置は、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、ヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、上記ハンドル角と上記車速と上記ヨーレートとに応じ、車両モデルに基づいて上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備え、上記ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、上記ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持することを特徴とする。
【0009】
上記請求項1記載の車両運動制御装置は、ハンドル角検出手段でハンドル角を検出し、車速検出手段で車速を検出し、ヨーレート検出手段でヨーレートを検出する。そして、ステアリングギヤ比更新手段はハンドル角と車速とヨーレートとに応じ、車両モデルに基づいてステアリングギヤ比の更新を行う。車両は、少なくともこの更新自在なステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御が実行される。この際、ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持する。
【0010】
また、請求項2記載の本発明による車両運動制御装置は、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、横加速度を検出する横加速度検出手段と、上記ハンドル角と上記車速と上記横加速度とに応じ、車両モデルに基づいて上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備え、上記ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、上記ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持することを特徴とする。
【0011】
上記請求項2記載の車両運動制御装置は、ハンドル角検出手段でハンドル角を検出し、車速検出手段で車速を検出し、横加速度検出手段で横加速度を検出する。そして、ステアリングギヤ比更新手段はハンドル角と車速と横加速度とに応じ、車両モデルに基づいてステアリングギヤ比の更新を行う。車両は、少なくともこの更新自在なステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御が実行される。この際、ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持する。
【0012】
さらに、請求項3記載の本発明による車両運動制御装置は、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、予め設定する複数のハンドル最大回転角とステアリングギヤ比との対応関係に基づき、上記ハンドル角が上記ハンドル最大回転角の一つを超えた場合に、上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記請求項3記載の車両運動制御装置は、ハンドル角検出手段でハンドル角を検出し、ステアリングギヤ比更新手段は、予め設定する複数のハンドル最大回転角とステアリングギヤ比との対応関係に基づき、ハンドル角がハンドル最大回転角の一つを超えた場合に、ステアリングギヤ比の更新を行う。車両は、少なくともこの更新自在なステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御が実行される。また、請求項記載の本発明による車両運動制御装置は、請求項1又は請求項2記載の車両運動制御装置において、上記ステアリングギヤ比更新手段は、上記更新されたステアリングギヤ比をフィルタリング処理して演算することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の実施の第1形態を示し、図1は動力配分制御装置を適用した4輪駆動車の概略構成説明図、図2は車両に固定した座標系での4輪車の等価的な2輪車モデルの説明図、図3は動力配分制御装置での制御プログラムのフローチャート、図4はステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャートである。尚、本発明の実施の第1形態の車両は、リングギヤの無い複合プラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置および自動変速装置を有する4輪駆動車を例にしたもので、車両運動制御装置として4輪駆動車の前後の動力配分制御装置を例に説明する。
【0015】
図1において、符号1は車両前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2aを経てセンターディファレンシャル装置3に伝達される。そして、センターディファレンシャル装置3から、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して後輪終減速装置7に入力される一方、トランスファドライブギヤ8、トランスファドリブンギヤ9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力されるように構成されている。ここで、自動変速装置2、センターディファレンシャル装置3及び前輪終減速装置11等は、一体にケース12内に設けられている。
【0016】
後輪終減速装置7に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸13rlを経て左後輪14rlに伝達されると共に、後輪右ドライブ軸13rrを経て右後輪14rrに伝達される。一方、前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13flを経て左前輪14flに伝達されると共に、前輪右ドライブ軸13frを経て右前輪14frに伝達される。
【0017】
センターディファレンシャル装置3は、入力側のトランスミッション出力軸2aの後端には大径の第1のサンギヤ15が形成されており、この第1のサンギヤ15が小径の第1のピニオン16と噛合して第1の歯車列が形成されている。
【0018】
また、後輪への出力を行うリヤドライブ軸4の前端には、小径の第2のサンギヤ17が形成されており、この第2のサンギヤ17が大径の第2のピニオン18と噛合して第2の歯車列が形成されている。
【0019】
第1のピニオン16と第2のピニオン18はピニオン部材19に一体に形成されており、複数(例えば3個)のピニオン部材19が、キャリア20に設けた固定軸に回転自在に軸支されている。このキャリア20の前端には、トランスファドライブギヤ8が連結され、前輪への出力が行われるようになっている。
【0020】
また、キャリア20には、前方からトランスミッション出力軸2aが回転自在に挿入される一方、後方からはリヤドライブ軸4が回転自在に挿入されて、空間中央に第1のサンギヤ15と第2のサンギヤ17を格納する。そして、複数のピニオン部材19の各第1のピニオン16が第1のサンギヤ15に、また、各第2のピニオン18が第2のサンギヤ17に共に噛合されている。
【0021】
こうして、入力側の第1のサンギヤ15に対し、第1,第2のピニオン16,18および第2のサンギヤ17を介して後輪側に噛み合い構成され、一方、第1,第2のピニオン16,18のキャリア20を介して前輪側に噛み合い構成され、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを構成している。
【0022】
そしてかかる複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置3は、第1,第2のサンギヤ15,17、および、これらサンギヤ15,17の周囲に複数個配置される第1,第2のピニオン16,18の歯数を適切に設定することで差動機能を有する。また、第1,第2のサンギヤ15,17と第1,第2のピニオン16,18との噛み合いピッチ半径を適切に設定することで、基準トルク配分を所望の配分(例えば、後輪偏重にした不等トルク配分)にすることができるようになっている。
【0023】
さらに、センターディファレンシャル装置3は、第1,第2のサンギヤ15,17と第1,第2のピニオン16,18とを例えばはすば歯車にし、第1の歯車列と第2の歯車列のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺させることなくスラスト荷重を残留させピニオン部材19の両端で発生する摩擦トルクを、第1,第2のピニオン16,18とキャリア20に設けた固定軸の表面に噛み合いによる分離、接線荷重の合成力が作用し、摩擦トルクが生じるように設定して、入力トルクに比例した差動制限トルクを得られるようにすることで、このセンターディファレンシャル装置3自体によっても差動制限機能が得られるようになる。
【0024】
センターディファレンシャル装置3の2つの出力部材、すなわちキャリア20と第2のサンギヤ17との間には、車両運動制御装置としての動力配分制御装置70により制御される可変駆動力配分クラッチである油圧多板クラッチ21が設けられている。
【0025】
油圧多板クラッチ21は、第2のサンギヤ17と一体のリヤドライブ軸4側に複数のドリブンプレート21aが設けられ、キャリア20側に複数のドライブプレート21bが交互に重ねて設けられている。そして、ケース12側に配設されたピストン,押圧プレート等により、動力配分制御装置70で制御される油圧装置と連結された油圧室(以上、油圧多板クラッチ21の押圧関連部品図示せず)の油圧で押圧され動作させられるようになっている。
【0026】
このため、油圧多板クラッチ21が開放された状態では、センターディファレンシャル装置3によるトルク配分がそのまま出力されるが、油圧多板クラッチ21が完全に圧着するとセンターディファレンシャル装置3によるトルク配分が停止され、前後直結状態となる。
【0027】
油圧多板クラッチ21の圧着力(締結トルク)は、動力配分制御装置70で制御され、例えば基準トルク配分が後輪偏重の、前後35:65とすると、前後35:65から前後直結状態で得られるトルク配分、50:50の間でトルク配分制御(動力配分制御)されるようになっている。
【0028】
符号25は車両のブレーキ駆動部を示し、このブレーキ駆動部25には、ドライバにより操作されるブレーキペダル26と接続されたマスターシリンダ27が接続されている。そして、ドライバがブレーキペダル26を操作するとマスターシリンダ27により、ブレーキ駆動部25を通じて、4輪14fl,14fr,14rl,14rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホイールシリンダ28fl,右前輪ホイールシリンダ28fr,左後輪ホイールシリンダ28rl,右後輪ホイールシリンダ28rr)にブレーキ圧が導入され、4輪にブレーキがかかって制動される。
【0029】
ブレーキ駆動部25は、加圧源、減圧弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、入力信号に応じて、各ホイールシリンダ28fl,28fr,28rl,28rrに対して、それぞれ独立にブレーキ圧を導入自在に構成されている。
【0030】
各車輪14fl,14fr,14rl,14rrは、それぞれの車輪速度が車輪速度センサ(左前輪速度センサ29fl,右前輪速度センサ29fr,左後輪速度センサ29rl,右後輪速度センサ29rr)により検出されるようになっており、これら車輪速度の信号は制動力制御装置40及び動力配分制御装置70に入力される。そして、制動力制御装置40及び動力配分制御装置70において、所定の演算(例えば4輪の平均車輪速度を演算)を行って車速Vが演算される。すなわち、車輪速度センサ29fl,29fr,29rl,29rrは、車速検出手段を構成するものである。
【0031】
また、車両のハンドル部分には、ドライバによるハンドル30の回転角(ハンドル角θH )を検出する、ハンドル角検出手段としてのハンドル角センサ31が設けられており、ハンドル角センサ31からのハンドル角θH の信号は制動力制御装置40及び動力配分制御装置70に入力される。
【0032】
更に、車両のインストルメントパネル内の運転席側には、車両に実際に生じているヨーレート(実ヨーレート)γを検出する、ヨーレート検出手段としてのヨーレートセンサ32が設けられており、ヨーレートセンサ32からの実ヨーレートγの信号は制動力制御装置40及び動力配分制御装置70に入力される。
【0033】
また、車両のセンターコンソール内には、車両に生じている横加速度Gyを検出する、横加速度検出手段としての横加速度センサ33が設けられており、横加速度センサ33からの横加速度Gyの信号は動力配分制御装置70に入力される。
【0034】
上記制動力制御装置40は、車輪速度センサ29fl,29fr,29rl,29rr,ハンドル角センサ31,ヨーレートセンサ32からの信号、車両諸元を基に目標ヨーレートの微分値、低μ路走行の予測ヨーレートの微分値および両微分値の偏差を算出し、また実ヨーレートγと目標ヨーレートとの偏差(ヨーレート偏差)Δγを算出し、これらの値に基づいて、車両のアンダーステア傾向、あるいは、オーバーステア傾向を修正する目標制動力を算出する。そして、車両のアンダーステア傾向を修正するためには旋回方向内側後輪を、オーバーステア傾向を修正するためには旋回方向外側前輪を制動力を加える制動輪として選択し、ブレーキ駆動部25に制御信号を出力して上記選択車輪に目標制動力を付加して制動力制御する。この制動力制御装置40で演算したヨーレート偏差Δγ及び制動力制御装置40の作動信号は動力配分制御装置70に対しても出力される。
【0035】
一方、符号50はトランスミッション制御装置を示し、自動変速装置2に関して、変速制御、ロックアップ制御、ライン圧制御等の制御を行うもので、このトランスミッション制御装置50からギヤ比i及びトルクコンバータのタービン回転数Ntが動力配分制御装置70に対して出力されるようになっている。
【0036】
また、符号60はエンジン制御装置を示し、エンジン1に関して、燃料噴射制御、点火時期制御、空燃比制御、過給圧制御、スロットル開度制御等を行うもので、このエンジン制御装置60からスロットル開度θth、エンジン回転数Ne及びエンジン出力トルクTeが動力配分制御装置70に対して出力されるようになっている。
【0037】
動力配分制御装置70では、上述の4輪車輪速度、ハンドル角θH 、実ヨーレートγ、横加速度Gy、ヨーレート偏差Δγ、制動力制御装置40の作動信号、ギヤ比i、タービン回転数Nt、スロットル開度θth、エンジン回転数Ne及びエンジン出力トルクTeが入力され、これらのパラメータを基に更に必要なパラメータの演算が行われる。すなわち、動力配分制御装置70では、4輪車輪速度からの車速Vの演算(車速検出手段を構成する機能)の他、後述するステアリングギヤ比Nsの演算、更新が実行され、ステアリングギヤ比更新手段を備えている。そして、これら読み込んだ、或いは、演算により求めたパラメータを基に前記油圧多板クラッチ21の締結力(基本クラッチ締結力)FOtbを演算して、この基本クラッチ締結力FOtbに対応した出力信号に変換して出力し、油圧多板クラッチ21を作動させる。
【0038】
すなわち、動力配分制御装置70は、図3のフローチャートに示すように、動力配分制御のプログラムを実行する。この制御プログラムは所定時間毎に実行され、まず、ステップ(以下「S」と略称)101で4輪車輪速度、ハンドル角θH 、実ヨーレートγ、横加速度Gy、ヨーレート偏差Δγ、制動力制御装置40の作動信号、ギヤ比i、タービン回転数Nt、スロットル開度θth、エンジン回転数Ne及びエンジン出力トルクTeが入力され、これらのパラメータを基に更に必要なパラメータ(車速Vやステアリングギヤ比Ns)の演算を実行する。
【0039】
次いで、S102に進み、油圧多板クラッチ21の締結力すなわち基本クラッチ締結力FOtbを設定する。具体的には、例えば本出願人が特開平8−2274号公報で開示した方法、すなわち、車速V、ハンドル角θH 、ステアリングギヤ比Ns、実ヨーレートγを用いて車両の横運動の運動方程式に基づき、前後輪のコーナリングパワーを非線形域に拡張して推定し、高μ路での前後輪の等価コーナリングパワーに対する推定した前後輪のコーナリングパワーの比を基に路面状況に応じて路面摩擦係数μを推定する。
【0040】
そして、この路面摩擦係数μに感応して予め設定しておいたマップを参照し、ベースとなるクラッチトルクVTDout0を求め、このベースクラッチトルクVTDout0に対して、センターディファレンシャル装置3に入力される入力トルクTi(エンジン回転数Neとギヤ比iから演算)、スロットル開度θthおよび実ヨーレートγ、ヨーレート偏差Δγ、横加速度Gyを基に補正を加え、前後輪間動力配分の基本クラッチ締結力FOtbの基となる制御出力トルクVTDout を演算する。さらに、この制御出力トルクVTDout を、ハンドル角θH とステアリングギヤ比Nsで補正して、ハンドル角感応クラッチトルクとしてトランスファクラッチ21における基本クラッチ締結力FOtbとして設定する。
【0041】
その後、S103に進み、基本クラッチ締結力FOtbに対応した出力信号に変換して図示しない油圧回路に出力し、油圧多板クラッチ21を作動させ、センターディファレンシャル装置3に対する差動制限力となるように付与して前後輪間の動力配分制御を行う。
【0042】
次に、動力配分制御装置70における、動力配分制御に必要なパラメータであるステアリングギヤ比Nsの演算について説明する。まず、図2に示すように、車両に固定した座標系で、4輪の車両が等価的な2輪車モデルとして見なせる場合、車両の横方向の運動は次式で記述することができる。
m・V・((dβ/dt)+γ)=2・Yf+2・Yr …(1)
ここで、mは車両質量、βは車両重心点の横すべり角、Yfは前輪のコーナリングフォース、Yrは後輪のコーナリングフォースである。
【0043】
また、車両の重心点を通る鉛直軸回りのヨーイング運動は次式で記述される。
I・(dγ/dt)=2・Lf・Yf−2・Lr・Yr …(2)
ここで、Iは車両のヨーイング慣性モーメント、Lfは車両重心点と前車軸間の距離、Lrは車両重心点と後車軸間の距離である。
【0044】
前後輪のコーナリングフォースYf、Yrは、前後輪の横すべり角βf、βrが小さければ、前後輪の横すべり角βf、βrに比例し、図2のようにx−y座標をとり、角度はすべて反時計回りを正にとれば、横すべり角が正のときy方向で負の向きに作用する。従って、前後輪タイヤのコーナリングパワーをKf、Krとし、実前輪舵角をδfとすると、前後輪のコーナリングフォースYf、Yrは、
Yf=−Kf・βf=−Kf・(β+Lf・γ/V−δf) …(3)
Yr=−Kr・βr=−Kr・(β+Lr・γ/V) …(4)
で与えられる。
【0045】
そして、上記(3)、(4)式を、上記(1)、(2)式に代入して、整理すると、以下の(5)、(6)式が得られる。
m・V・(dβ/dt)+2・(Kf+Kr)・β
+(m・V+(2/V)・(Lf・Kf−Lr・Kr))・γ
=2・Kf・δf …(5)
2・(Lf・Kf−Lr・Kr)・β+I・(dγ/dt)
+(2/V)・(Lf2 ・Kf+Lr2 ・Kr))・γ
=2・Lf・Kf・δf…(6)
【0046】
上記(5)、(6)式を用いて、静的に安定した車両における実ヨーレートγと実前輪舵角δfとの関係を求めると、
γ=(1/(1+A・V2 ))・(V/L)・δf …(7)
となる。ここで、Aは車両のスタビリティファクタであり、
A=−(m/(2・L2 ))・(Lf・Kf−Lr・Kr)
/(Kf・Kr) …(8)
ここで、Lはホイールベース(=Lf+Lr)である。
【0047】
また、実前輪舵角δfは、ステアリングギヤ比Nsとハンドル角θH とを用いて表すと、δf=θH /Nsであるから、上記(7)式から
Ns=(θH /γ)・(1/(1+A・V2 ))・(V/L) …(9)
が得られる。
【0048】
尚、上記(9)式が成り立つのは、車両の運動が十分線形で扱える場合であるから、横加速度Gy(=V・γ)があまり大きくなく(GyLC ;例えば、0.2Gより低く)、また低速でない(VLC;例えば、10〜30km/hを超えている)時に限られる。更に、このようにして演算されたステアリングギヤ比Nsは、実ヨーレートγ等の動的なものを含んでいるからフィルタリングすることが望ましい。すなわち、上記(9)式により求められるステアリングギヤ比Nsは、フィルタリング処理すると、
Ns=Ns・(1/(1+T・s)) …(10)
で最終的なステアリングギヤ比Nsとして演算する。ここで、Tは一次遅れのフィルタ時定数、sはラプラス演算子である。
【0049】
このため、本実施の第1形態でのステアリングギヤ比Nsの演算は、図4に示すステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャートで行われる。このプログラムは所定時間毎に実行され、まず、S201で、ハンドル角θH 、車速V、実ヨーレートγを読み込む。
【0050】
次いで、S202に進み、車速VがVLC(例えば、10〜30km/h)を超えているか否か判定し、車速VがVLC以下(V≦VLC)で低速の場合は、上記(9)式の精度が低下していると判断してS203に進み、ステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する(ステアリングギヤ比Nsの演算は行わない)。
【0051】
また、S202で車速VがVLCを超えている(V>VLC)場合はS204に進み、制動力制御装置40が作動しているか否か判定する。そして、制動力制御装置40が作動しており、制動力制御装置40によりヨーモーメントが付加されている場合は、この付加されたヨーモーメントによる誤差が生じてしまうため、S203に進み、ステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。尚、他にも同様に、車両に対して走行により生じるヨーモーメント以外のヨーモーメントを発生する制御(例えばトラクション制御等)が行われている場合は、これらによる誤差を避けるためにステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。
【0052】
一方、上記S204で制動力制御装置40が作動していない場合はS205へと進み、横加速度Gy(=V・γ)がGyLC (例えば、0.2G)より低いか否か判定する。この結果、V・γがGyLC 以上(V・γ≧GyLC )の場合は、線形領域から外れる可能性があるのでS203に進みステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。逆に、V・γがGyLC より低い(V・γ<GyLC )場合は線形領域に保たれていると判断してS206へと進む。尚、S205での判定では、横加速度センサ33からの横加速度Gyを直接用いても良いが、横加速度センサ33によるノイズを排除するためにV・γの値で比較する。
【0053】
そして、S206では、新たなステアリングギヤ比Nsを上記(9)式で演算し、この値をフィルタリング処理して(上記(10)式で演算して)最終的なステアリングギヤ比Nsとし、今までのステアリングギヤ比Nsを更新してプログラムを抜ける。
【0054】
このように、本実施の第1形態によれば、動力配分制御装置70でステアリングギヤ比Nsを車両モデルを基に正確に求めるようにしたので、動力配分制御が精度良く実行できる。また、ステアリングギヤ比Ns毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比Nsを設定する必要もなく、また、ステアリングギヤ比Nsがバリアブルギヤ比仕様の車両であっても適応できる。
【0055】
次に、図5は本発明の実施の第2形態によるステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャートを示す。尚、本実施の第2形態は、ステアリングギヤ比Nsの設定を車両モデルを基にハンドル角θH 、車速V、横加速度センサ33からの横加速度Gyを用いて設定するようにしたことが前記実施の第1形態とは異なる。
【0056】
すなわち、上記(9)式は、実ヨーレートγの代わりに横加速度Gyを用いて表すと、
Ns=(θH ・(V/Gy))・(1/(1+A・V2 ))・(V/L) …(11)
となる。
【0057】
このため、本実施の第2形態でのステアリングギヤ比Nsの演算は、図5に示すステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャートで行われる。このプログラムは所定時間毎に実行され、まず、S301で、ハンドル角θH 、車速V、横加速度Gyを読み込む。
【0058】
次いで、S302に進み、車速VがVLC(例えば、10〜30km/h)を超えているか否か判定し、車速VがVLC以下(V≦VLC)で低速の場合は、上記(11)式の精度が低下していると判断してS303に進み、ステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。
【0059】
また、S302で車速VがVLCを超えている(V>VLC)場合はS304に進み、制動力制御装置40が作動しているか否か判定する。そして、制動力制御装置40が作動しており、制動力制御装置40によりヨーモーメントが付加されている場合は、この付加されたヨーモーメントによる誤差が生じてしまうため、S303に進み、ステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。尚、他にも同様に、車両に対して走行により生じるヨーモーメント以外のヨーモーメントを発生する制御(例えばトラクション制御等)が行われている場合は、これらによる誤差を避けるためにステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。
【0060】
一方、上記S304で制動力制御装置40が作動していない場合はS305へと進み、横加速度GyがGyLC (例えば、0.2G)より低いか否か判定する。この結果、横加速度GyがGyLC 以上(Gy≧GyLC )の場合は、線形領域から外れる可能性があるので、S303に進みステアリングギヤ比Nsは前回設定されている値を保持する。逆に、横加速度GyがGyLC より低い(Gy<GyLC )場合は線形領域に保たれていると判断してS306へと進む。尚、S305での判定では、横加速度センサ33によるノイズを排除するため、横加速度センサ33からの横加速度Gyの代わりに、前記S205のようにV・γの値で比較するようにしても良い。
【0061】
そして、S306では、新たなステアリングギヤ比Nsを上記(11)式で演算し、この値をフィルタリング処理して(前記(10)式で演算して)最終的なステアリングギヤ比Nsとし、今までのステアリングギヤ比Nsを更新してプログラムを抜ける。
【0062】
このように、本実施の第2形態によっても、前記実施の第1形態と同様、動力配分制御装置70でステアリングギヤ比Nsを車両モデルを基に正確に求めるようにしたので、動力配分制御が精度良く実行できる。また、ステアリングギヤ比Ns毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比Nsを設定する必要もなく、また、ステアリングギヤ比Nsがバリアブルギヤ比仕様の車両であっても適応できる。
【0063】
次に、図6は本発明の実施の第3形態によるステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャートを示す。尚、本実施の第3形態は、ステアリングギヤ比Nsの設定をハンドルの最大回転角から行うようにしたことが前記実施の第1、第2形態とは異なる。
【0064】
すなわち、一般の車両においては、ステアリングギヤ比Nsが異なるとハンドル30の最大回転角(所謂、左据え切りから右据え切り間のロックツーロックの角度)SθH も異なる。このため、予め車両のハンドル30の最大回転角SθH とステアリングギヤ比Nsとの関係を求めておき、ハンドル角センサ31からのハンドル角θH を基に推定したハンドル最大回転角SθH からステアリングギヤ比Nsを設定するようになっている。
【0065】
ここで、ハンドル最大回転角SθH の推定は、ハンドル角センサ31からのハンドル角θH がセンター位置を0°として検出される場合、簡易的にSθH =|2・θH |として演算する。
【0066】
また、本実施の第3形態の車両においては、ステアリングギヤ比Ns=16でハンドル最大回転角SθH が900°、ステアリングギヤ比Ns=18でハンドル最大回転角SθH が1000°、ステアリングギヤ比Ns=20でハンドル最大回転角SθH が1100°の3種類の仕様が設定されているものとする。
【0067】
このため、動力配分制御装置70でのステアリングギヤ比設定は、図6に示すフローチャートに従って実行される。このプログラムは所定時間毎に実行され、まず、S401でハンドル角θH を読み込み、S402に進んでハンドル30の最大回転角SθH の推定(SθH =|2・θH |)を行う。
【0068】
次いで、S403に進み、ハンドル最大回転角SθH が900°より大きいか否か判定し、ハンドル最大回転角SθH が900°以下(SθH ≦900°)と推定される場合はS404へと進みステアリングギヤ比Nsは前回の値を保持してプログラムを抜ける。尚、ステアリングギヤ比Nsの初期値はNs=16とする。
【0069】
また、S403でハンドル最大回転角SθH が900°より大きい(SθH >900°)と判定された場合はS405へと進み、SθH >900°は設定時間tc1(例えば、1秒)継続したか否か判定する。この結果、SθH >900°は設定時間tc1継続しなかった場合は、SθH >900°であったのは何らかの誤差でありハンドル最大回転角SθH が900°であることは排除できないと判定してS404に進み、ステアリングギヤ比Nsは前回の値を保持してプログラムを抜ける。
【0070】
一方、S405でSθH >900°が設定時間tc1継続した場合は、ハンドル最大回転角SθH が900°であることは排除できると判定し、S406へと進む。
【0071】
S406に進むと、ハンドル最大回転角SθH が1000°より大きいか否か判定し、ハンドル最大回転角SθH が1000°以下(SθH ≦1000°)と推定される場合はS407へと進みステアリングギヤ比Nsは18に更新してプログラムを抜ける。逆に、S406で、ハンドル最大回転角SθH が1000°より大きい(SθH >1000°)と推定される場合はS408へと進み、SθH >1000°は設定時間tc1(例えば、1秒)継続したか否か判定する。
【0072】
この結果、SθH >1000°は設定時間tc1継続しなかった場合は、SθH >1000°であったのは何らかの誤差でありハンドル最大回転角SθH が1000°であることは排除できないと判定してS407に進み、ステアリングギヤ比Nsは18に更新してプログラムを抜ける。
【0073】
また、S408でSθH >1000°が設定時間tc1継続した場合は、ハンドル最大回転角SθH が1000°であることは排除できる、すなわちハンドル最大回転角SθH が1100°であると判定し、S409へと進み、ステアリングギヤ比Nsは20に更新してプログラムを抜ける。
【0074】
このように、本実施の第3形態によっても、前記実施の第1、第2形態と同様、動力配分制御装置70でステアリングギヤ比Nsを推定したハンドル最大回転角SθH から正確に求めるようにしたので、動力配分制御が精度良く実行できる。また、ステアリングギヤ比Ns毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比Nsを設定する必要もない。更に、ハンドル角θH のみ検出できればステアリングギヤ比Nsを設定できるので、前記実施の第1形態での車速検出手段とヨーレート検出手段、或いは、前記実施の第2形態での車速検出手段と横加速度検出手段も必要なく簡素で低コストに実現できる。
【0075】
尚、上述の実施の各形態では、動力配分制御装置70を車両運動制御装置として説明しているが、その他、制動力制御装置、トラクション制御装置、4輪操舵制御装置、自動変速制御装置等の様々な少なくともステアリングギヤ比を用いて所定の運動制御を行う制御装置に適応できることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、ハンドル角と車速とヨーレートとに応じ車両モデルに基づいてステアリングギヤ比の更新を行い、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持するようにしたので、ステアリングギヤ比毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比を設定する必要もなく、また、ステアリングギヤ比がバリアブルギヤ比仕様の車両であっても適応でき、ステアリングギヤ比を正確に設定して制御精度を向上することが可能になる。
【0077】
また、請求項2記載の発明によれば、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、ハンドル角と車速と横加速度とに応じ車両モデルに基づいて上記ステアリングギヤ比の更新を行い、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持するようにしたので、請求項1記載の発明と同様に、ステアリングギヤ比毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比を設定する必要もなく、また、ステアリングギヤ比がバリアブルギヤ比仕様の車両であっても適応でき、ステアリングギヤ比を正確に設定して制御精度を向上することが可能になる。
【0078】
さらに、請求項3記載の発明によれば、少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、予め設定する複数のハンドル最大回転角とステアリングギヤ比との対応関係に基づき、ハンドル角がハンドル最大回転角の一つを超えた場合に、ステアリングギヤ比の更新を行うようにしたので、ステアリングギヤ比毎のコントロールユニットの用意、或いは、コントロールユニット上で予めステアリングギヤ比を設定する必要もなく、ステアリングギヤ比を正確に設定して制御精度を向上することが可能になる。また、ハンドル角のみでステアリングギヤ比の更新が行えるため、簡単で低コストに実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による、動力配分制御装置を適用した4輪駆動車の概略構成説明図
【図2】同上、車両に固定した座標系での4輪車の等価的な2輪車モデルの説明図
【図3】同上、動力配分制御装置での制御プログラムのフローチャート
【図4】同上、ステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャート
【図5】本発明の実施の第2形態による、ステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャート
【図6】本発明の実施の第3形態による、ステアリングギヤ比設定プログラムのフローチャート
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速装置
3 センターディファレンシャル装置
14fl、14fr 前輪
14rl、14rr 後輪
21 油圧多板クラッチ
29fl、29fr、29rl、29rr 車輪速度センサ(車速検出手段)
30 ハンドル
31 ハンドル角センサ(ハンドル角検出手段)
32 ヨーレートセンサ(ヨーレート検出手段)
33 横加速度センサ(横加速度検出手段)
70 動力配分制御装置(車両運動制御装置、車速検出手段、ステアリングギヤ比更新手段)

Claims (4)

  1. 少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、
    ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    ヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、
    上記ハンドル角と上記車速と上記ヨーレートとに応じ、車両モデルに基づいて上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備え、
    上記ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、上記ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持することを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、
    ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    上記ハンドル角と上記車速と上記横加速度とに応じ、車両モデルに基づいて上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備え、
    上記ステアリングギヤ比更新手段は、車速が予め設定する閾値以下の場合と車両に対してヨーモーメントを発生する制御が行われている場合には、上記ステアリングギヤ比の更新を行わず、前回更新時に設定されているステアリングギヤ比を保持することを特徴とする車両運動制御装置。
  3. 少なくともステアリングギヤ比を用いて車両の運動制御を行う車両運動制御装置において、
    ハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、
    予め設定する複数のハンドル最大回転角とステアリングギヤ比との対応関係に基づき、上記ハンドル角が上記ハンドル最大回転角の一つを超えた場合に、上記ステアリングギヤ比の更新を行うステアリングギヤ比更新手段とを備えたことを特徴とする車両運動制御装置。
  4. 上記ステアリングギヤ比更新手段は、上記更新されたステアリングギヤ比をフィルタリング処理して演算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両運動制御装置。
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