JP5256130B2 - 4輪駆動車のタイヤ力制御装置 - Google Patents

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本発明は、前後軸間の駆動力配分を可変制御する前後駆動力配分制御と各輪毎の制動力制御を行う制動力制御でもって各輪のタイヤ力を制御する4輪駆動車のタイヤ力制御装置に関する。
近年、車両においては、各輪のタイヤ力を独立に制御することでタイヤ限界付近における車両安定性と限界性能(トラクション性能等)を向上する技術が開発されている。
例えば、特開2008−247066号公報(以下、特許文献1)では、各輪毎に、舵角制御装置、制動力制御装置、駆動力制御装置、サスペンション制御装置が各々独立して設けられた車両において、各輪に作用するタイヤ力をタイヤ力センサで検出すると共に路面摩擦係数と各輪の接地荷重とに基づいて各輪毎に最大タイヤ力(=摩擦円限界値)を算出する。そして、前後左右全4輪のうち検出したタイヤ力が最大タイヤ力を超える(=飽和する)車輪が1輪である場合は、飽和タイヤについて不足する分の横力を算出して左右で対となる一方のタイヤの横力を増大させる。また、前2輪又は後2輪のどちらか一方が飽する場合は、この一方の車輪の前後力を減少させて他方の2輪に付加して車両の不安定化を抑制する技術が開示されている。
特開2008−247066号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示される技術は必ずしも全4輪のタイヤ力を最大限活用した制御とは言い難く課題が残る。例えば、上述の特許文献1に開示される技術では前2輪が飽和した場合、前2輪の前後力を減少補正する一方、後2輪の前後力を増加補正するが、それでも飽和する車輪が存在する場合は補正を禁止してしまう。全4輪のタイヤ力の総和が全4輪の摩擦円限界値の総和の範囲内にある場合、すなわち、何れかの車輪が飽和した場合であっても残りの飽和していない車輪でもって飽和した車輪の飽和量(=オーバータイヤ力)を吸収できる場合、車両の走行環境等によっては残りの1輪でもって吸収させた方が好ましい時もある。しかし、上記特許文献1に開示される技術においては、例え、飽和していない残りの車輪でもって吸収できる場合でも、依然として飽和している車輪が存在する場合にはタイヤ力の補正を禁止してしまうため、全4輪のタイヤ力を最大限活用しているとは言い難い。
また、摩擦円限界値は各輪毎に異なる接地荷重に依存するため各輪毎に異なる大きさを有し、故に摩擦円限界値に対するタイヤ力の飽和量も各輪毎に異なってくる。そこで、上記特許文献1に開示される技術を、駆動源からの駆動力を前後軸に配分するトランスファクラッチ(=前後駆動力配分制御手段)を備えた4輪駆動車に適用し、飽和した前2輪の前後力の減少補正、および飽和していない後2輪の前後力の増加補正(前2輪の前後力の減少補正量と等しい量)をトランスファクラッチの締結トルクの制御によって実行したとする。トランスファクラッチは前後軸間のトルク移動しかできず、各輪毎の制御はできないため、トランスファクラッチによるトルク移動によって前2輪それぞれが減少される前後力はトルク移動量の1/2となる。したがって、異なる飽和量を有する前2輪の飽和を解消しようとする場合、より飽和量の大きい一方の前輪に合わせてトルク移動量を設定することになる。このことは飽和量の小さい他方の前輪の前後力を過剰に減少させることに繋がるため、各輪のタイヤ力を最大限活用できなくなってしまう。さらに、移動される後2輪に関しても同様なことが当てはまり、トルク移動前は後2輪共に飽和していなくてもトルク移動後に後輪が飽和してしまうことがある。したがって、上記特許文献1に開示される技術をトランスファクラッチを有する4輪駆動車に適用する場合、改良の余地が残る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、前後駆動力配分制御手段および制動力制御手段を適切に制御することで前後左右全4輪のタイヤ力を最大限活用し、タイヤ限界付近における車両の限界性能を向上させる4輪駆動車のタイヤ力制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、前後軸間の駆動力配分を可変制御自在な前後駆動力配分制御手段と、各輪毎の制動力制御を行う制動力制御手段と、各輪に発生するタイヤ力を算出するタイヤ力算出手段と、各輪のタイヤ力の摩擦円限界値を算出する摩擦円限界値算出手段と、各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、前後左右全4輪の上記タイヤ力の総和が全4輪の上記摩擦円限界値の総和より小さいことを判定する第1の判定手段と、各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、前2輪の上記タイヤ力の総和が前2輪の上記摩擦円限界値の総和を超えることを判定する第2の判定手段と、上記第1の判定手段および上記第2の判定手段の結果に応じて、上記前後駆動力制御手段および/または上記制動力制御手段に対して指令信号を出力する指令手段とを備え、上記指令手段は、上記第1の判定手段および上記第2の判定手段が共に成立した場合、前2輪の上記摩擦円限界値の総和に対する前2輪の上記タイヤ力の総和のオーバー力を第1のオーバータイヤ力として、前輪側から後輪側に上記第1のオーバータイヤ力を流すよう上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力すると共に、上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力した場合であっても各輪の上記タイヤ力のうち上記摩擦円限界値を超える車輪が存在する場合は、その車輪の上記タイヤ力が上記摩擦円限界値の範囲内に収まるよう、制動力制御手段に対して指令信号を出力することを特徴としている。
本発明による4輪駆動車のタイヤ力制御装置によれば、全4輪のタイヤ力の総和が全4輪の摩擦円限界値の総和より小さい場合、すなわち何れかの車輪が飽和した場合であっても残りの飽和していない車輪でもって飽和した車輪のオーバータイヤ力を吸収できる場合は、前後駆動力配分制御手段および制動力制御手段を適切に制御することで各輪のタイヤ力を最大限活用でき、タイヤ限界付近における車両の安定性を維持しつつ限界性能を向上させることが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る車両全体の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る制御ユニットの機能ブロック図である。 本発明の実施の一形態に係るメイン制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る各輪オーバータイヤ力演算ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る付加ヨーモーメント演算ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るオーバータイヤ力調整制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係る車速、アクセル開度に応じた目標差動制限トルクのマップの説明図である。 本発明の実施の一形態に係るエンジン回転数とスロットル開度により設定されるエンジントルクの一例を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る横加速度飽和係数の説明図である。 本発明の実施の一形態に係る車速感応ゲインの特性マップの説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は車両前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2aを経てトランスファ3に伝達される。
更に、このトランスファ3に伝達された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して後輪終減速装置7に入力される一方、リダクションドライブギヤ8、リダクションドリブンギヤ9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力される。ここで、自動変速装置2、トランスファ3および前輪終減速装置11等は、一体にケース12内に設けられている。
また、後輪終減速装置7に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸13rlを経て左後輪14rlに、後輪右ドライブ軸13rrを経て右後輪14rrに伝達される。前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13flを経て左前輪14flに、前輪右ドライブ軸13frを経て右前輪14frに伝達される。
トランスファ3は、リダクションドライブギヤ8側に設けたドライブプレート15aとリヤドライブ軸4側に設けたドリブンプレート15bとを交互に重ねて構成したトルク伝達容量可変型クラッチとしての湿式多板クラッチ(トランスファクラッチ)15と、このトランスファクラッチ15の締結力(差動制限トルク)を可変自在に付与するトランスファピストン16とにより構成されている。従って、本車両は、トランスファピストン16による押圧力を制御し、トランスファクラッチ15の差動制限トルクを制御することで、トルク配分比が前輪と後輪で、例えば100:0から50:50の間で可変できるフロントエンジン・フロントドライブ車ベース(FFベース)の4輪駆動車となっている。
トランスファピストン16の押圧力は、複数のソレノイドバルブ等を擁した油圧回路で構成するトランスファクラッチ駆動部31aで与えられる。このトランスファクラッチ駆動部31aを駆動させる制御信号(トランスファクラッチトルクTtrf)は、前後駆動力配分制御部31から出力される。
前後駆動力配分制御部31は、例えば、図7に示すような、予め設定しておいた、車速、アクセル開度に応じた目標差動制限トルクのマップを基に目標差動制限トルクを設定し、この目標差動制限トルクを基にトランスファクラッチトルクTtrfを算出してトランスファクラッチ駆動部31aに出力して制御する。そして、後述する制御ユニット30からは、トランスファクラッチトルクTtrfの補正量ΔTtrfが入力される。すなわち、トランスファクラッチトルクトルクTtrfは、大きく設定されるほど、後輪へのトルク移動量が大きくなり、+の符号の補正量ΔTtrfが入力されると後輪へのトルク移動量が大きくなるように補正され、逆に、−の符号の補正量ΔTtrfが入力されると後輪へのトルク移動量が小さくなるように補正される。この前後駆動力配分制御部31は、前後駆動力配分制御手段として設けられている。尚、前後駆動力配分制御部31から出力される最終的なトランスファクラッチトルクTtrfは、制御ユニット30に対しても出力される。
一方、符号32aは車両のブレーキ駆動部を示し、このブレーキ駆動部32aには、ドライバにより操作されるブレーキペダルと接続されたマスターシリンダ(図示せず)が接続されている。そして、ドライバがブレーキペダルを操作するとマスターシリンダにより、ブレーキ駆動部32aを通じて、4輪14fl,14fr,14rl,14rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホイールシリンダ17fl,右前輪ホイールシリンダ17fr,左後輪ホイールシリンダ17rl,右後輪ホイールシリンダ17rr)にブレーキ圧が導入され、これにより4輪にブレーキがかかって制動される。
ブレーキ駆動部32aは、加圧源、減圧弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、上述のドライバによるブレーキ操作以外にも、後述するブレーキ制御部32からの信号に応じて、各ホイールシリンダ17fl,17fr,17rl,17rrに対して、それぞれ独立にブレーキ圧を導入自在に構成されている。ブレーキ制御部32に対する各輪に対するブレーキ力の信号は、後述する制御ユニット30から入力される。ブレーキ駆動部32aは、制御ユニット30からブレーキ力の信号が入力されると、ブレーキ液圧に所定に換算してブレーキ駆動部32aに出力する。このブレーキ制御部32は、制動力制御手段として設けられている。
また、車両には、エンジン1に係る様々な制御を実行するエンジン制御部33が設けられており、このエンジン制御部33は、過剰な駆動力を低減させる駆動力制御手段としての機能を有し、後述の制御ユニット30から出力ダウンの指示とその値とが入力される。
また、車両には、自動変速装置2に係る様々な制御を実行するトランスミッション制御部34が設けられており、制御ユニット30に、主変速ギヤ比i、トルクコンバータのタービン回転数Ntを入力する。
更に、車両には、車輪速センサ21fl,21fr,21rl,21rr、ハンドル角センサ22、スロットル開度センサ23、エンジン回転数センサ24、ヨーレートセンサ25、横加速度センサ26、路面μ推定装置27等のセンサ類その他が設けられており、各車輪14fl,14fr,14rl,14rrの車輪速ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、ハンドル角θH、スロットル開度θth、エンジン回転数Ne、ヨーレートγ、横加速度(dy/dt)、路面摩擦係数μが制御ユニット30に入力される。
制御ユニット30は、図2に示すように、オーバータイヤ力演算部30aと調整制御部30bとにより主要に構成されている。
そして、上述の各入力信号を基に、オーバータイヤ力演算部30aは、ドライバ要求に基づいて各輪14fl,14fr,14rl,14rrに発生するタイヤ力F_fl_FF、F_fr_FF、F_rl_FF、F_rr_FFを算出し、各輪の摩擦円限界値μ_Fzfl、μ_Fzfr、μ_Fzrl、μ_Fzrrを算出し、各輪のタイヤ力F_fl_FF、F_fr_FF、F_rl_FF、F_rr_FFと各輪の摩擦円限界値μ_Fzfl、μ_Fzfr、μ_Fzrl、μ_Fzrrとに基づいて各輪毎に摩擦円限界値を超えるタイヤ力をオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFとして算出し、これら各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFの総和をオーバータイヤ力Foverとして算出する。
また、調整制御部30bは、オーバータイヤ力Foverと予め設定しておいた閾値(本実施の形態では「0」)とを比較してエンジン制御部33による出力ダウンの制御を判定する。また、前2輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FFの総和と予め設定しておいた閾値(本実施の形態では「0」)とを比較し、また、後2輪のオーバータイヤ力ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFの総和と予め設定しておいた閾値(本実施の形態では「0」)とを比較して、この比較結果に応じて、前後駆動力配分制御部31による前後駆動力配分制御と、ブレーキ制御部32による制動力制御とを選択的に実行するようになっている。
このように、オーバータイヤ力演算部30aは、タイヤ力算出手段、摩擦円限界値算出手段としての機能を有し、調整制御部30bは、指令手段としての機能を有し、第1の判定手段、第2の判定手段、第3の判定手段の機能を備えて構成されている。
次に、制御ユニット30で実行される制御プログラムを、図3〜図6のフローチャートで説明する。
図3のフローチャートは、制御ユニット30で実行されるメイン制御プログラムを示し、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、必要なパラメータ、すなわち、各車輪14fl,14fr,14rl,14rrの車輪速ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、ハンドル角θH、スロットル開度θth、エンジン回転数Ne、ヨーレートγ、横加速度(dy/dt)、路面摩擦係数μ、主変速ギヤ比i、トルクコンバータのタービン回転数Nt、トランスファクラッチトルクTtrfを読み込む。
次に、S102に進み、オーバータイヤ力演算部30aは、後述する図4の各輪オーバータイヤ力演算ルーチンに従って、各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFを演算する。
次いで、S103に進み、オーバータイヤ力演算部30aは、各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFの総和を演算してオーバータイヤ力Foverを求める(Fover=ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF+ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)。
そして、S104に進み、調整制御部30bは、後述する図6のオーバータイヤ力調整制御ルーチンに従って、オーバータイヤ力調整制御を実行してプログラムを抜ける。
次いで、上述のS102の各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFの演算を図4のフローチャートで説明する。
まず、S201で、エンジントルクTegを演算する。これは、例えば、予めエンジン特性により設定しておいたマップ(例えば、図8に示すエンジン回転数Neとスロットル開度θthにより設定されるマップ)を参照して設定する。
次に、S202に進み、トランスミッション出力トルクTtを、以下の(1)式により演算する。
Tt=Teg・t・i …(1)
ここで、tはトルクコンバータのトルク比であり、予め設定されている、トルクコンバータの回転速度比e(=Nt/Ne)とトルクコンバータのトルク比とのマップを参照することにより求められる。
次に、S203に進み、例えば、以下の(2)式により、総駆動力Fxを演算する。
Fx=Tt・η・if/Rt …(2)
ここで、ηは駆動系伝達効率、ifはファイナルギヤ比、Rtはタイヤ半径である。
次いで、S204に進み、以下の(3)式により前輪接地荷重Fzfを演算し、以下の(4)式により後輪接地荷重Fzrを演算する。
Fzf=Wf−((m・(dx/dt)・h)/L) …(3)
Fzr=W−Fzf …(4)
ここで、Wfは前輪静荷重、mは車両質量、(dx/dt)は前後加速度(=Fx/m)、hは重心高さ、Lはホイールベース、Wは車両重量(=m・G;Gは重力加速度)である。
次に、S205に進み、以下の(5)式により左輪荷重比率WR_lを演算する。
WR_l=0.5−((dy/dt)/G)・(h/Ltred) …(5)
ここで、Ltredは前輪と後輪のトレッド平均値である。
次いで、S206に進み、以下の(6)、(7)、(8)、(9)式により、それぞれ左前輪接地荷重Fzf_l、右前輪接地荷重Fzf_r、左後輪接地荷重Fzr_l、右後輪接地荷重Fzr_rを演算する。
Fzf_l=Fzf・WR_l …(6)
Fzf_r=Fzf・(1−WR_l) …(7)
Fzr_l=Fzr・WR_l …(8)
Fzr_r=Fzr・(1−WR_l) …(9)
次に、S207に進み、例えば、後述する手順に従って、左前輪前後力Fxf_l、右前輪前後力Fxf_r、左後輪前後力Fxr_l、右後輪前後力Fxr_rを演算する。
以下、左前輪前後力Fxf_l、右前輪前後力Fxf_r、左後輪前後力Fxr_l、右後輪前後力Fxr_rを演算する手順の一例を説明する。
まず、前輪前後力Fxf、後輪前後力Fxrを以下の(10)、(11)式で演算する。 Fxf=(Tt−Ttrf)・η・if/Rt …(10)
Fxr=Fx−Fxf …(11)
以上の前輪前後力Fxf、及び、後輪前後力Fxrを用いて、以下、(12)〜(15)式により、左前輪前後力Fxf_l、右前輪前後力Fxf_r、左後輪前後力Fxr_l、右後輪前後力Fxr_rを演算する。
Fxf_l=Fxf/2 …(12)
Fxf_r=Fxf_l …(13)
Fxr_l=Fxr/2 …(14)
Fxr_r=Fxr_l …(15)
次いで、S208に進み、後述する手順に従って(図5に示すフローチャートに従って)付加ヨーモーメントMzθを演算し、この付加ヨーモーメントMzθを基に、以下の(16)式により要求前輪横力Fyf_FFを演算し、以下の(17)式により要求後輪横力Fyr_FFを演算する。これら要求前輪横力Fyf_FF、要求後輪横力Fyr_FFを基に、(18)〜(21)式により、左前輪要求横力Fyf_l_FF、右前輪要求横力Fyf_r_FF、左後輪要求横力Fyr_l_FF、右後輪要求横力Fyr_r_FFを演算する。
Fyf_FF=Mzθ/L …(16)
Fyr_FF=(−Iz・(dγ/dt)
+m・(dy/dt)・Lf)/L …(17)
ここで、Izは車両のヨー慣性モーメント、Lfは前軸−重心間距離である。
Fyf_l_FF=Fyf_FF・WR_l …(18)
Fyf_r_FF=Fyf_FF・(1−WR_l) …(19)
Fyr_l_FF=Fyr_FF・WR_l …(20)
Fyr_r_FF=Fyr_FF・(1−WR_l) …(21)
また、付加ヨーモーメントMzθは、図5に示すように、まず、ステップ(以下、「S」と略称)301で車速Vを演算し(例えば、V=(ωfl+ωfr+ωrl+ωrr)/4)、S302に進み、以下の(22)式により、横加速度/ハンドル角ゲインGyを演算する。
Gy=(1/(1+A・V))・(V/L)・(1/n) …(22)
ここで、Aはスタビリティファクタ、nはステアリングギヤ比である。
次に、S303に進み、横加速度/ハンドル角ゲインGyとハンドル角θHを乗算した値(Gy・θH)と、横加速度(dy/dt)とに応じて予め設定されたマップを参照し、横加速度飽和係数Kμを演算する。この横加速度飽和係数Kμを求めるマップは、図9(a)に示すように、横加速度/ハンドル角ゲインGyとハンドル角θHを乗算した値(Gy・θH)と、横加速度(dy/dt)とに応じて予め設定され、ハンドル角θHが所定値以上において、横加速度(dy/dt)が大きくなる程、小さな値に設定される。これは、Gy・θHが大きいとき高μ路であるほど横加速度(dy/dt)が大きくなるが、低μ路では横加速度(dy/dt)が発生し難くなることを表現するものである。これにより、後述する基準横加速度(dyr/dt)の値は、図9(b)に示すように、Gy・θHが大きいとき横加速度(dy/dt)が大きく高μ路であると思われる場合は低い値に設定され、付加ヨーモーメントMzθに対する修正量が小さくなるようになっている。
次いで、S304に進み、以下の(23)式により、横加速度偏差感応ゲインKyを演算する。
Ky=Kθ/Gy …(23)
ここで、Kθは、舵角感応ゲインであり、以下の(24)式により演算される。
Kθ=(Lf・Kf)/n …(24)
Kfは前軸の等価コーナリングパワーである。
すなわち、上述の(23)式により、横加速度偏差感応ゲインKyは、設定の目安(最大値)として、極低μ路にて舵がまったく効かない状態(γ=0,(dy/dt)=0)で、付加ヨーモーメントMzθ(定常値)が0となる場合が考慮される。
次に、S305に進み、以下の(25)式により基準横加速度(dyr/dt)を演算する。
(dyr/dt)=Kμ・Gy・(1/(1+Ty・s))・θH …(25)
ここで、sは微分演算子、Tyは横加速度の1次遅れ時定数であり、この1次遅れ時定数Tyは、後軸の等価コーナリングパワーをKrとして、例えば以下の(26)式により算出される。
Ty=Iz/(L・Kr) …(26)
次いで、S306に進み、以下の(27)式により横加速度偏差(dye/dt)を演算する。
(dye/dt)=(dy/dt)−(dyr/dt) …(27)
次に、S307に進み、以下の(28)式によりヨーレート/ハンドル角ゲインGγを演算する。
Gγ=(1/(1+A・V))・(V/L)・(1/n) …(28)
次いで、S308に進み、以下の(29)式により、例えば、グリップ走行((dye/dt)=0)時に付加ヨーモーメントMzθ(定常値)が0となる場合を考えて、ヨーレート感応ゲインKγを演算する。
Kγ=Kθ/Gγ …(29)
次に、S309に進み、予め設定しておいたマップにより車速感応ゲインKvを演算する。このマップは、例えば図10に示すように、低速域での不要な付加ヨーモーメントMzθを避けるために設定されている。尚、図10において、Vc1は、例えば40km/hである。
そして、S310に進み、以下の(30)式により付加ヨーモーメントMzθを演算する。
Mzθ=Kv・(−Kγ・γ+Ky・(dye/dt)+Kθ・θH) …(30)
すなわち、この(30)式に示すように、−Kγ・γの項がヨーレートγに感応したヨーモーメント、Kθ・θHの項がハンドル角θHに感応したヨーモーメント、Ky・(dye/dt)の項がヨーモーメントの修正値となっている。このため、高μ路で横加速度(dy/dt)が大きな運転をした場合には、付加ヨーモーメントMzθも大きな値となり、運動性能が向上する。一方、低μ路での走行では、付加ヨーモーメントMzθは、上述の修正値が作用して付加ヨーモーメントMzθを低減するため回頭性が大きくなることがなく、安定した走行性能が得られるようになっている。
次に、S209に進み、以下の(31)〜(34)式により、左前輪摩擦円限界値μ_Fzfl、右前輪摩擦円限界値μ_Fzfr、左後輪摩擦円限界値μ_Fzrl、右後輪摩擦円限界値μ_Fzrrを演算する。
μ_Fzfl=μ・Fzf_l …(31)
μ_Fzfr=μ・Fzf_r …(32)
μ_Fzrl=μ・Fzr_l …(33)
μ_Fzrr=μ・Fzr_r …(34)
次いで、S210に進み、以下の(35)〜(38)式により、左前輪タイヤ力F_fl_FF、右前輪タイヤ力F_fr_FF、左後輪タイヤ力F_rl_FF、右後輪タイヤ力F_rr_FFを演算する。
F_fl_FF=(Fxf_l+Fyf_l_FF1/2 …(35)
F_fr_FF=(Fxf_r+Fyf_r_FF1/2 …(36)
F_rl_FF=(Fxr_l+Fyr_l_FF1/2 …(37)
F_rr_FF=(Fxr_r+Fyr_r_FF1/2 …(38)
次に、S211に進み、以下の(39)〜(42)式により、左前輪オーバータイヤ力ΔF_fl_FF、右前輪オーバータイヤ力ΔF_fr_FF、左後輪オーバータイヤ力ΔF_rl_FF、右後輪オーバータイヤ力ΔF_rr_FFを演算してルーチンを抜ける。
ΔF_fl_FF=F_fl_FF−μ_Fzfl …(39)
ΔF_fr_FF=F_fr_FF−μ_Fzfr …(40)
ΔF_rl_FF=F_rl_FF−μ_Fzrl …(41)
ΔF_rr_FF=F_rr_FF−μ_Fzrr …(42)
次いで、上述のS103のオーバータイヤ力調整制御について、図6のフローチャートで説明する。
まず、S401では、S103で算出した4輪全てのオーバータイヤ力の総和であるオーバータイヤ力Foverが0を超える状態か否か判定される。この判定の結果、オーバータイヤ力Foverが0を超える場合は、S402に進み、エンジン制御部33によるトラクション制御によるトルクダウン量として、オーバータイヤ力Foverに相当するエンジントルクToverを以下の(43)式により算出する。
Tover=Fover・Rt/t/i/η/if …(43)
次いで、S403に進んで、上述のS402で算出したエンジントルクToverをトルクダウンした後の各輪のオーバータイヤ力を、以下の(44)〜(47)式により推定し、この推定した各輪のオーバータイヤ力を各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFとして設定して、S404へと進む。
ΔF_fl_FF←F_fl_FF−Fover/4 …(44)
ΔF_fr_FF←F_fr_FF−Fover/4 …(45)
ΔF_rl_FF←F_rl_FF−Fover/4 …(46)
ΔF_rr_FF←F_rr_FF−Fover/4 …(47)
S401で、オーバータイヤ力Foverが0以下と判定され、或いは、上述のS403で、各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFを再度設定してS404に進むと、オーバータイヤ力が飽和した車輪が存在するかしないか判定される。すなわち、ΔF_fl_FF>0、或いは、ΔF_fr_FF>0、或いは、ΔF_rl_FF>0、或いは、ΔF_rr_FF>0が成立しているか否か判定される。
このS404の判定の結果、オーバータイヤ力が飽和する車輪が存在しないと判定された場合(ΔF_fl_FF≦0、且つ、ΔF_fr_FF≦0、且つ、ΔF_rl_FF≦0、且つ、ΔF_rr_FF≦0の場合)は、そのままルーチンを抜ける。逆に、オーバータイヤ力が飽和する車輪が存在すると判定された場合は、S405へと進む。
S405では、まず、前2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)が0を超えるか否か判定される。この判定の結果、前2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)が0を超える場合は、S406に進み、前後駆動力配分制御部31による前後駆動力配分制御によって駆動力を前輪側から後輪側に移動させるべく、以下の(48)式により、トランスファクラッチの補正量ΔTtrfを算出する。
ΔTtrf=Gtrf・(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF) …(48)
ここで、Gtrfはゲインである。
その後、S407に進み、トランスファクラッチトルク補正後の各輪のオーバータイヤ力を、以下の(49)〜(52)式により推定し、この推定した各輪のオーバータイヤ力を各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFとして設定して、S408へと進む。
ΔF_fl_FF←F_fl_FF−(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)/2 …(49)
ΔF_fr_FF←F_fr_FF−(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)/2 …(50)
ΔF_rl_FF←F_rl_FF+(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)/2 …(51)
ΔF_rr_FF←F_rr_FF+(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)/2 …(52)
S408では、オーバータイヤ力が飽和している(0を超えている)車輪(前輪、後輪ともに)を選択し、オーバータイヤ力が飽和している車輪に対するブレーキ制御部32によって付加する制動力を、そのタイヤのオーバータイヤ力に設定する。
そして、S409に進んで、各該当する制御部(エンジン制御部33、前後駆動力配分制御部31、ブレーキ制御部32)に対し、それぞれ制御量とともに作動信号を出力してルーチンを抜ける。
一方、上述のS405の判定の結果、前2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_fl_FF+ΔF_fr_FF)が0以下と判定された場合は、S410に進み、後2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)が0を超えるか否か判定される。この判定の結果、後2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)が0を超える場合は、S411に進み、前後駆動力配分制御部31による前後駆動力配分制御によって駆動力を後輪側から前輪側に移動させるべく、以下の(53)式により、トランスファクラッチの補正量ΔTtrfを算出する。
ΔTtrf=−Gtrf・(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF) …(53)
ここで、Gtrfはゲインである。
その後、S412に進み、トランスファクラッチトルク補正後の各輪のオーバータイヤ力を、以下の(54)〜(57)式により推定し、この推定した各輪のオーバータイヤ力を各輪のオーバータイヤ力ΔF_fl_FF、ΔF_fr_FF、ΔF_rl_FF、ΔF_rr_FFとして設定して、S408へと進む。
ΔF_fl_FF←F_fl_FF+(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)/2 …(54)
ΔF_fr_FF←F_fr_FF+(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)/2 …(55)
ΔF_rl_FF←F_rl_FF−(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)/2 …(56)
ΔF_rr_FF←F_rr_FF−(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)/2 …(57)
また、上述のS410の判定の結果、後2輪のオーバータイヤ力の総和(ΔF_rl_FF+ΔF_rr_FF)が0以下と判定された場合は、そのままS408に進む。
尚、本実施の形態では、S403、S407、S412での各輪のオーバータイヤ力の予想設定は、前後輪の駆動力配分比が50:50で行われ、左右輪間の差動制限がない場合を仮定して算出しているが、これらのシステムの影響が有る場合は、その影響を考慮して各輪のオーバータイヤ力の変化を予想するようにしても良い。また、本実施の形態では、作動する制御部を選択し、最後にこれら制御部を作動させるようになっているが、作動する制御部を決定した際に、その制御部を作動させるようにしても良い。
このように本発明の実施の形態によれば、全4輪のうち何れかの車輪が飽和した場合であっても残りの飽和していない車輪でもって飽和した車輪の飽和量を吸収できる場合はタイヤ力の補正を禁止せず、前後駆動力配分制御部31およびブレーキ制御部32を適切に制御する。それにより全4輪のタイヤ力を最大限活動した制御が可能となり、タイヤ限界付近におけるトラクション性能を向上させることができる。
また、残りの飽和していない車輪でもってその飽和量を吸収できない場合は、エンジン制御部33でもって、吸収できない分だけトルクダウンして4輪トータルのタイヤ力を摩擦円限界値の総和内に収める。そして、その後に上述の前後駆動力配分制御および制動力制御を実行することからあらゆる状況においても常に4輪のタイヤ力を十分活用することが可能となる。
これらのことを1輪飽和時、2輪飽和時および3輪飽和時をそれぞれ例にとり説明する。なお、前提として全4輪のタイヤ力の総和は全4輪の摩擦円限界値の総和内に収まっているものとし、仮に収まっていない場合は収めるようエンジン制御部33でもってトルクダウンを実行するものとする。
まず1輪(左前輪)が飽和した場合、対向する右前輪で左前輪の飽和量を吸収できれば左前輪に対してその飽和量だけブレーキ制御を実行するだけで良い。一方、右前輪でその飽和量を吸収できない場合は、前後駆動力配分制御部31でもって右前輪で吸収できない分だけ後2輪に流すようにする。この結果、前2輪トータルでは左前輪の飽和量を吸収できることになるが、左前輪は依然として飽和している場合があるため、左前輪に対して飽和量だけブレーキ制御する。一方、前2輪で吸収できない飽和量が後2輪に流されることになるが、それにより後2輪が飽和することがあるため、飽和した後輪に対してその飽和量だけブレーキ制御する。
次に2輪(前2輪)が飽和した場合、前後駆動力配分制御部31でもって前2輪トータルの飽和量だけ後2輪に流すようにする。この結果、前2輪トータルでは飽和量を吸収できることになるが、個々の前輪は必ずしも飽和が解消されるわけではないため、依然として飽和している前輪に対してはその飽和量だけブレーキ制御する。一方、前2輪トータルの飽和量が後2輪に流されることで、後2輪が飽和することがあるため、飽和した後輪に対してその飽和量だけブレーキ制御する。
次に3輪(右後輪のみが非飽和)が飽和した場合、前後前後駆動力配分制御部31でもって前2輪トータルの飽和量だけ後2輪に流すようにする。この結果、前2輪トータルでは飽和量を吸収できることになるが、個々の前輪は必ずしも飽和が解消されるわけではないため、依然として飽和している前輪に対してはその飽和量だけブレーキ制御する。一方、前2輪トータルの飽和量が後2輪に流されることで、既に飽和している左後輪の飽和量はさらに大きくなるが、左後輪に対してその飽和量だけブレーキ制御することで飽和を解消しつつ、飽和していない右後輪で吸収するようにする。
以上の通り、本発明の実施の形態によれば全4輪のタイヤ力を最大限活動した制御が可能となり、タイヤ限界付近におけるトラクション性能を向上させることができる。
1 エンジン
2 自動変速装置
3 トランスファ
14fl、14fr、14rl、14rr 車輪
15 トランスファクラッチ
17fl、17fr、17rl、17rr ホイールシリンダ
30 制御ユニット
30a オーバータイヤ力演算部(タイヤ力算出手段、摩擦円限界値算出手段)
30b 調整制御部(第1の判定手段、第2の判定手段、第3の判定手段、指令手段)
31 前後駆動力配分制御部(前後駆動力配分制御手段)
32 ブレーキ制御部(制動力制御手段)
33 エンジン制御部(駆動力制御手段)
34 トランスミッション制御部

Claims (4)

  1. 前後軸間の駆動力配分を可変制御自在な前後駆動力配分制御手段と、
    各輪毎の制動力制御を行う制動力制御手段と、
    各輪に発生するタイヤ力を算出するタイヤ力算出手段と、
    各輪のタイヤ力の摩擦円限界値を算出する摩擦円限界値算出手段と、
    各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、前後左右全4輪の上記タイヤ力の総和が全4輪の上記摩擦円限界値の総和より小さいことを判定する第1の判定手段と、
    各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、前2輪の上記タイヤ力の総和が前2輪の上記摩擦円限界値の総和を超えることを判定する第2の判定手段と、
    上記第1の判定手段および上記第2の判定手段の結果に応じて、上記前後駆動力制御手段および/または上記制動力制御手段に対して指令信号を出力する指令手段と、
    を備え、
    上記指令手段は、上記第1の判定手段および上記第2の判定手段が共に成立した場合、前2輪の上記摩擦円限界値の総和に対する前2輪の上記タイヤ力の総和のオーバー力を第1のオーバータイヤ力として、前輪側から後輪側に上記第1のオーバータイヤ力を流すよう上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力すると共に、上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力した場合であっても各輪の上記タイヤ力のうち上記摩擦円限界値を超える車輪が存在する場合は、その車輪の上記タイヤ力が上記摩擦円限界値の範囲内に収まるよう、制動力制御手段に対して指令信号を出力することを特徴とする4輪駆動車のタイヤ力制御装置。
  2. 前後軸間の駆動力配分を可変制御自在な前後駆動力配分制御手段と、
    各輪毎の制動力制御を行う制動力制御手段と、
    各輪に発生するタイヤ力を算出するタイヤ力算出手段と、
    各輪のタイヤ力の摩擦円限界値を算出する摩擦円限界値算出手段と、
    各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、前後左右全4輪の上記タイヤ力の総和が全4輪の上記摩擦円限界値の総和より小さいことを判定する第1の判定手段と、
    各輪の上記タイヤ力と各輪の上記摩擦円限界値とに基づいて、後2輪の上記タイヤ力の総和が後2輪の上記摩擦円限界値の総和を超えることを判定する第3の判定手段と、
    上記第1の判定手段および上記第3の判定手段の結果に応じて、上記前後駆動力制御手段および/または上記制動力制御手段に対して指令信号を出力する指令手段と、
    を備え、
    上記指令手段は、上記第1の判定手段および上記第3の判定手段が共に成立した場合、後2輪の上記摩擦円限界値の総和に対する後2輪の上記タイヤ力の総和のオーバー力を第2のオーバータイヤ力として、後輪側から前輪側に上記第2のオーバータイヤ力を流すよう上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力すると共に、上記前後駆動力配分制御手段に対して指令信号を出力した場合であっても各輪の上記タイヤ力のうち上記摩擦円限界値を超える車輪が存在する場合は、その車輪の上記タイヤ力が上記摩擦円限界値の範囲内に収まるよう、制動力制御手段に対して指令信号を出力することを特徴とする4輪駆動車のタイヤ力制御装置。
  3. 駆動源の駆動力を低減する駆動力制御手段を更に備え、
    上記指令手段は、上記第1の判定手段による判定が成立しない場合、全4輪の上記摩擦円限界値の総和に対する全4輪の上記タイヤ力の総和のオーバー力を第3のオーバータイヤ力として、該第3のオーバータイヤ力だけ駆動力を低減するよう上記駆動力制御手段に対して指令信号を出力すると共に、その後、上記第2の判定手段の結果に基づき上記前後駆動力配分制御手段および上記制動力制御手段に対して指令信号を出力することを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車のタイヤ力制御装置。
  4. 駆動源の駆動力を低減する駆動力制御手段を更に備え、
    上記指令手段は、上記第1の判定手段による判定が成立しない場合、全4輪の上記摩擦円限界値の総和に対する全4輪の上記タイヤ力の総和のオーバー力を第3のオーバータイヤ力として、該第3のオーバータイヤ力だけ駆動力を低減するよう上記駆動力制御手段に対して指令信号を出力すると共に、その後、上記第3の判定手段の結果に基づき上記前後駆動力配分制御手段および上記制動力制御手段に対して指令信号を出力することを特徴とする請求項2記載の4輪駆動車のタイヤ力制御装置。
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