JP4684755B2 - 車両の前後駆動力配分制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジン側からの入力トルクと車両の走行状態とに応じて前後軸間に設けたクラッチの締結力を制御する車両の前後駆動力配分制御装置に関する。
従来より、クラッチ手段により車両の前後輪間の駆動力配分を制御する前後駆動力配分制御装置として、エンジンからの入力トルクに応じてクラッチ手段の締結力を適切に設定して行うものが種々知られている。
例えば、特開2002−127772号公報には、エンジンからの入力トルクを車速、ハンドル角、路面μ等により補正して、クラッチ手段の締結トルクとなるトルク感応トルクを演算する技術が開示されている。
特開2002−127772号公報
ところで、上述の特許文献1に開示されるようなトルク感応トルクを演算する技術においては、エンジンからの入力トルクが小さければ小さいほどトルク感応トルクも小さく設定されることになる。このため、特に、このトルク感応トルクに対し、車両の様々な走行状態により設定される補正係数を乗算して締結トルクを演算するような駆動力配分制御装置では、入力トルクが小さい領域では、導出される締結トルクの値が小さくなり、所望とする車両挙動が得られなくなる可能性がある。例えば、一定速ないし緩減速しながら急操舵するような状況が考えられるが、この状況では入力トルクが小さいために、急操舵によって発生する車両の不安定な挙動に駆動力配分制御が十分に対応できない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、たとえ、入力トルクが小さな領域であっても、車両の挙動に応じて十分な安定性を確保することができ適応領域の広い車両の前後駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、前後輪間の駆動力配分を可変するクラッチ手段と、少なくともエンジン側からの入力トルクに応じて上記クラッチ手段の締結トルクを演算する入力トルク感応トルク演算手段と、エンジン側からの入力トルクが予め設定した閾値よりも小さい領域で、上記入力トルク感応トルク演算手段で演算する締結トルクを増加補正する増加補正量を演算する増加補正量演算手段と、上記入力トルク感応トルク演算手段で演算する締結トルクを上記増加補正量演算手段で演算した増加補正量で増加させる入力トルク感応トルク増加補正手段と、上記増加補正した締結トルクに対して乗算する補正係数を締結トルク補正係数として車両の走行状態に基づき演算する締結トルク補正係数演算手段と、少なくとも上記増加補正した締結トルクに上記締結トルク補正係数を乗算したトルク値を基に上記クラッチ手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
本発明による車両の前後駆動力配分制御装置によれば、たとえ、入力トルクが小さな領域であっても、車両の挙動に応じて十分な安定性を確保することができ適応領域が広いという優れた効果を奏する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図7は本発明の実施の一形態を示し、図1は車両全体の駆動系の概略構成を示す説明図、図2は駆動力配分制御部の機能ブロック図、図3は駆動力配分制御プログラムのフローチャート、図4は入力トルク感応トランスファトルク基本値の特性図、図5は入力トルク感応トランスファトルク増加補正値の特性図、図6は車体すべり角速度補正係数の特性図、図7は入力トルク感応トランスファトルク基本値に入力トルク感応トランスファトルク増加補正値を加えて示した特性図である。
図1において、符号1は車両前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2a、トランスファドライブギヤ3、トランスファドリブンギヤ4を経てセンタデファレンシャル装置5に伝達される。
センタデファレンシャル装置5に伝達された駆動力は、リヤドライブ軸6、プロペラシャフト7、ドライブピニオン軸部8を介して後輪終減速装置9に入力される一方、フロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力される。
後輪終減速装置9に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸12rlを経て左後輪13rlに伝達される一方、後輪右ドライブ軸12rrを経て右後輪13rrに伝達される。また、前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸12flを経て左前輪13flに伝達される一方、前輪右ドライブ軸12frを経て右前輪13frに伝達される。
センタデファレンシャル装置5は、リングギヤ14がトランスファドリブンギヤ4と一体に構成されており、このリングギヤ14がダブルプラネタリギヤ15と噛合されている。フロントドライブ軸10は後方に延出され、リングギヤ14の回転軸芯を挿通されており、フロントドライブ軸10に設けたサンギヤ16とダブルプラネタリギヤ15とが噛合されている。
フロントドライブ軸10は、サンギヤ16の後方に更に延出され、また、ダブルプラネタリギヤ15を軸支するキャリア17は後方に延出されて、これらフロントドライブ軸10の後端側とキャリア17との間に、クラッチ手段としての湿式多板クラッチ(トランスファクラッチ)18が配設されている。
トランスファクラッチ18は、キャリア17の内面にアウタプレート18aが、フロントドライブ軸10にインナプレート18bが、それぞれ交互に重ねて構成されている。トランスファクラッチ18は、ピストン18cにより押圧自在に構成されており、ピストン18cは、差動制限機構19を介してリヤドライブ軸6の前端と連結されている。この差動制限機構19は、例えば、ドグ形状を成しており、カム面19aにより、前後軸間の差回転に応じた押圧力を発生し、前後軸間の差動制限力を生じるように構成されている。
更に、ピストン18cには、トランスファクラッチ駆動部31により駆動される図示しない電磁石が設けられており、駆動力配分制御部30からの制御信号でトランスファクラッチ駆動部31を通じて押圧力(トランスファトルク)を電子制御自在に構成されている。
車両には、駆動力配分制御部30で後述の如く実行する駆動力配分制御に必要なパラメータを検出するための、センサ類が設けられている。すなわち、各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrが車輪速度センサ21fl,21fr,21rl,21rrにより検出され、実際に車両に生じている横加速度(以下、実横加速度と略称)(dy/dt)が横加速度センサ22により検出され、実際に車両に生じているヨーレート(以下、実ヨーレートと略称)γがヨーレートセンサ23により検出され、アクセル開度θACCがアクセル開度センサ24により検出され、エンジン回転数NEがエンジン回転数センサ25により検出されて、駆動力配分制御部30に入力される。
そして、駆動力配分制御部30は、上述の各入力信号に基づいて、トランスファクラッチ18による前後駆動力配分をトランスファトルクTLSDとして演算し、トランスファクラッチ駆動部31に出力するように構成されている。
すなわち、駆動力配分制御部30は、図2に示すように、車速演算部30a、車体すべり角速度演算部30b、エンジン出力トルク演算部30c、トランスミッションギヤ比演算部30d、入力トルク演算部30e、入力トルク感応トランスファトルク基本値演算部30f、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30g、入力トルク感応トランスファトルク演算部30h、車体すべり角速度補正係数演算部30i、差動制限トルク補正値演算部30j、トランスファトルク演算部30k、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30l、トランスファトルク補正・出力部30mから主要に構成されている。
車速演算部30aは、4輪の車輪速度センサ、すなわち、各車輪速度センサ21fl,21fr,21rl,21rrから各車輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrが入力される。そして、例えば、これらの平均を演算することにより車速V(=(ωfl+ωfr+ωrl+ωrr)/4)を演算し、車体すべり角速度演算部30b、トランスミッションギヤ比演算部30dに出力する。
車体すべり角速度演算部30bは、横加速度センサ22から実横加速度(dy/dt)が入力され、ヨーレートセンサ23から実ヨーレートγが入力され、車速演算部30aから車速Vが入力される。
そして、以下の(1)式により、車体すべり角速度(dβ/dt)を演算し、車体すべり角速度補正係数演算部30iに出力する。
(dβ/dt)=|((dy/dt)/V)−γ| …(1)
エンジン出力トルク演算部30cは、アクセル開度センサ24からアクセル開度θACCが、エンジン回転数センサ25からエンジン回転数NEが入力される。そして、これらアクセル開度θACCとエンジン回転数NEを基に、予め設定しておいたエンジン特性のマップを参照してエンジントルクTEGを求め、このエンジントルクTEGを入力トルク演算部30eに出力する。
トランスミッションギヤ比演算部30dは、エンジン回転数センサ25からエンジン回転数NEが入力され、車速演算部30aから車速Vが入力される。そして、以下の(2)式によりトランスミッションギヤ比GTMを演算して入力トルク演算部30eに出力する。
GTM=(NE・Rt)/((V/3.6)・Gfin) …(2)
ここで、Rtはタイヤ径、Gfinはファイナルギヤ比である。
入力トルク演算部30eは、エンジン出力トルク演算部30cからエンジントルクTEGが入力され、トランスミッションギヤ比演算部30dからトランスミッションギヤ比GTMが入力されて、以下の(3)式により入力トルクTCDを演算し、入力トルク感応トランスファトルク基本値演算部30f、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30g、及び、差動制限トルク補正値演算部30jに出力する。
TCD=TEG・GTM …(3)
入力トルク感応トランスファトルク演算部30fは、横加速度センサ22から実横加速度(dy/dt)が入力され、入力トルク演算部30eから入力トルクTCDが入力される。そして、これら実横加速度(dy/dt)及び入力トルクTCDを基に、予め実験、計算等により設定しておいたマップを参照して入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を演算し、入力トルク感応トランスファトルク演算部30hに出力する。
この入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1のマップは、例えば、図4に示すように設定されており、入力トルクTCDが大きいほど高く、実横加速度(dy/dt)が大きいほど低く設定されており、入力トルク感応トランスファトルク演算部30fは、入力トルク感応トルク演算手段として設けられている。
入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gは、入力トルク演算部30eから入力トルクTCDが入力される。そして、入力トルクTCDを基に、予め実験、計算等により設定しておいたマップを参照して入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2を演算し、入力トルク感応トランスファトルク演算部30h、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lに出力する。
この入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2のマップは、例えば、図5に示すように設定されており、入力トルクTCDが、予め設定した閾値TCDCよりも小さい領域で、入力トルクTCDが小さくなるほど大きく線形な特性になるように設定される。すなわち、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gは、増加補正量演算手段として設けられている。
入力トルク感応トランスファトルク演算部30hは、入力トルク感応トランスファトルク基本値演算部30fから入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1が入力され、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gから入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2が入力される。
そして、以下の(4)式により、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを演算し、トランスファトルク演算部30kに出力する。
TLSDI=TLSDI1+TLSDI2 …(4)
すなわち、この入力トルク感応トランスファトルク演算部30hは、入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2で増加補正するものであり、入力トルク感応トルク増加補正手段として設けられている。
車体すべり角速度補正係数演算部30iは、車体すべり角速度演算部30bから車体すべり角速度(dβ/dt)が入力され、予め実験、計算等により設定されたマップを参照して、車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)を演算し、トランスファトルク演算部30kに出力する。
この車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)のマップは、例えば、図6に示すように設定されており、車体すべり角速度(dβ/dt)が大きいほど大きく設定される。尚、車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)は、車体すべり角速度(dβ/dt)が(dβ/dt)cで1.0となり、(dβ/dt)cより小さい領域では1.0より小さな値となり、(dβ/dt)cより大きい領域では1.0より大きな値となる。すなわち、この車体すべり角速度補正係数演算部30iは、締結トルク補正係数演算手段として設けられている。
差動制限トルク補正値演算部30jは、入力トルク演算部30eから入力トルクTCDが入力される。そして、以下の(5)式により差動制限トルク補正値TLSDSを推定演算し、トランスファトルク補正・出力部30mに出力する。
TLSDS=α・TCD …(5)
ここで、αは、予め実験、計算等により求めておいた差動制限機構19のバイアス率である。尚、差動制限トルク補正値TLSDSは、(5)式のように演算して求めるのではなく、予め設定しておいたマップを参照して設定するようにしても良い。
トランスファトルク演算部30kは、入力トルク感応トランスファトルク演算部30hから入力トルク感応トランスファトルクTLSDIが入力され、車体すべり角速度補正係数演算部30iから車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)が入力される。そして、以下の(6)式により、トランスファトルクTLSD1を演算し、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lに出力する。
TLSD1=K(dβ/dt)・TLSDI …(6)
すなわち、このトランスファトルク演算部30kにおける、トランスファトルクTLSD1の演算は、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIに車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)を乗算して求めるようになっている。従って、従来の制御では、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIの値が小さい領域(入力トルクTCDが小さい領域)では、車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)をいくら大きな値としてもトランスファトルクTLSD1を大きくすることができない。これに対し、本実施の形態では、入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2で増加補正した値を入力トルク感応トランスファトルクTLSDIとし、この入力トルク感応トランスファトルクTLSDIに車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)を乗算して、トランスファトルクTLSD1を演算するようになっているので、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIの値が適度に高く設定されるため、トランスファトルクTLSD1を適切に大きく設定することができるのである。
入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lは、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gから入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2が入力され、トランスファトルク演算部30kからトランスファトルクTLSD1が入力される。そして、以下の(7)式、すなわち、トランスファトルクTLSD1から入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2を減算補正して、トランスファトルクTLSD2を求め、トランスファトルク補正・出力部30mに出力する。
TLSD2=TLSD1−TLSDI2 …(7)
このように、トランスファトルク演算部30kの演算で必要であった増加分を削除することにより、不要な締結トルクを削除するのである。尚、この(7)式の演算の結果、0以下の値とならないように制限される。また、車両の特性によっては、この入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lの機能は省略することもできる。
トランスファトルク補正・出力部30mは、差動制限トルク補正値演算部30jから差動制限トルク補正値TLSDSが入力され、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lからトランスファトルクTLSD2が入力される。そして、以下の(8)式に示すように、トランスファトルクTLSD2から差動制限トルク補正値TLSDSを減じて補正し、トランスファトルクTLSDを演算し、トランスファクラッチ駆動部31に出力する。
TLSD=TLSD2−TLSDS …(8)
すなわち、このトランスファトルク補正・出力部30mでは、演算により求めたトランスファトルクTLSD2から差動制限トルク補正値TLSDSを減算補正することで、差動制限機構19が発生する差動制限トルク分の値が除かれて駆動力配分制御部30で設定するトランスファトルクTLSDを的確な値とし、駆動力配分制御部30で設定するトランスファトルクTLSDにより、旋回性能とトラクション性能の高度な両立を図れるようにするものである。尚、差動制限機構19が発生する差動制限トルクの値分を除く補正は、入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を演算する段階において、マップの傾きを緩やかにしておくことも考えられるが、この場合、特に、実横加速度(dy/dt)が高い場合で車体すべり角速度(dβ/dt)が大きく、大きなトランスファトルクが必要な場合において、必要なトランスファトルクが得られなくなる虞がある。これに対し、本発明の実施の形態では、差動制限機構19が発生する差動制限トルクの値分を除く補正は、最後のトランスファトルク補正・出力部30mでの減算により行われるようになっているため、上述のような虞がない。
こうして、本実施の形態では、トランスファトルク演算部30k、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30l、トランスファトルク補正・出力部30mで制御手段が構成されている。
次に、上述の駆動力配分制御部30で実行される駆動力配分制御について、図3のフローチャートで説明する。この図3のフローチャートは、駆動力配分制御プログラムを示すもので、まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で必要なパラメータ、すなわち、車輪速度センサ21fl,21fr,21rl,21rrからの車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrr、横加速度センサ22からの実横加速度(dy/dt)、ヨーレートセンサ23からの実ヨーレートγ、アクセル開度センサ24からのアクセル開度θACC、エンジン回転数センサ25からのエンジン回転数NEを読み込む。
次いで、S102に進み、車速演算部30aにおいて車速Vを演算する。
次に、S103に進み、車体すべり角速度演算部30bにおいて、前述の(1)式により車体すべり角速度(dβ/dt)を演算する。
次いで、S104に進み、エンジン出力トルク演算部30cにおいて、予め設定しておいたエンジン特性のマップを参照してエンジントルクTEGを演算する。
次に、S105に進み、トランスミッションギヤ比演算部30dにおいて、前述の(2)式によりトランスミッションギヤ比GTMを演算する。
次いで、S106に進み、入力トルク演算部30eにおいて、前述の(3)式により入力トルクTCDを演算する。
次に、S107に進み、入力トルク感応トランスファトルク基本値演算部30fにおいて、予め実験、計算等により設定しておいたマップを参照して入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を演算する。
次いで、S108に進み、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gにおいて、予め実験、計算等により設定しておいたマップを参照して入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2を演算する。
次に、S109に進み、入力トルク感応トランスファトルク演算部30hにおいて、前述の(4)式により、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを演算する。
次いで、S110に進み、車体すべり角速度補正係数演算部30iにおいて、予め実験、計算等により設定されたマップを参照して、車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)を演算する。
次に、S111に進み、差動制限トルク補正値演算部30jにおいて、前述の(5)式により差動制限トルク補正値TLSDSを推定演算する。
次いで、S112に進み、トランスファトルク演算部30kにおいて、前述の(6)式によりトランスファトルクTLSD1を演算する。
次に、S113に進み、入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部30lにおいて、前述の(7)式により、トランスファトルクTLSD2を演算する。
そして、S114に進み、トランスファトルク補正・出力部30mにおいて、前述の(8)式によりトランスファトルクTLSDを演算し、出力してプログラムを抜ける。
このように、本実施の形態によれば、入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2で増加補正した値を入力トルク感応トランスファトルクTLSDIとし、この入力トルク感応トランスファトルクTLSDIに車体すべり角速度補正係数K(dβ/dt)を乗算して、トランスファトルクTLSD1を演算するようになっているので、入力トルクTCDが小さな領域(TCDC以下の領域)であっても、安定したトランスファトルクTLSDを設定することができ、車両の挙動に応じて十分な安定性を確保することができ適応領域の拡大を図ることができる。また、増加補正に使用した入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2は、除去されて出力されるので、トランスファトルクTLSDは、入力トルクTCDに応じて設定され、回頭性、トラクション性能の両立を図ることができる。
尚、本実施の形態では、入力トルク感応トランスファトルク演算部30fで演算した入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1を入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部30gで演算した入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2で入力トルク感応トランスファトルク演算部30hにおいて増加補正した値を入力トルク感応トランスファトルクTLSDIとしているが、これらの処理を一つの機能部による処理で行っても良い。この場合、例えば、図7に示すように、予め入力トルク感応トランスファトルク基本値TLSDI1と入力トルク感応トランスファトルク増加補正値TLSDI2とを加算したマップを用意しておき、このマップから入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを求めるようにする。
尚、本実施の形態では、リングギヤを備えたセンタデファレンシャル装置5において、トランスファクラッチ18と差動制限機構19とを備えた例で説明しているが、他の公知の機構のセンタデファレンシャル装置であっても、また、センタデファレンシャル機構のない前後駆動力配分装置であっても良い。
車両全体の駆動系の概略構成を示す説明図 駆動力配分制御部の機能ブロック図 駆動力配分制御プログラムのフローチャート 入力トルク感応トランスファトルク基本値の特性図 入力トルク感応トランスファトルク増加補正値の特性図 車体すべり角速度補正係数の特性図 入力トルク感応トランスファトルク基本値に入力トルク感応トランスファトルク増加補正値を加えて示した特性図
符号の説明
1 エンジン
5 センタデファレンシャル装置
6 リヤドライブ軸
10 フロントドライブ軸
13fl,13fr,13rl,13rr 車輪
18 トランスファクラッチ(クラッチ手段)
30 駆動力配分制御部
30f 入力トルク感応トランスファトルク基本値演算部(入力トルク感応トルク演算手段)
30g 入力トルク感応トランスファトルク増加補正値演算部(増加補正量演算手段)
30h 入力トルク感応トランスファトルク演算部(入力トルク感応トルク増加補正手段)
30i 車体すべり角速度補正係数演算部(締結トルク補正係数演算手段)
30k トランスファトルク演算部(制御手段)
30l 入力トルク感応トランスファトルク増加補正値減算補正部(制御手段)
30m トランスファトルク補正・出力部(制御手段)

Claims (3)

  1. 前後輪間の駆動力配分を可変するクラッチ手段と、
    少なくともエンジン側からの入力トルクに応じて上記クラッチ手段の締結トルクを演算する入力トルク感応トルク演算手段と、
    エンジン側からの入力トルクが予め設定した閾値よりも小さい領域で、上記入力トルク感応トルク演算手段で演算する締結トルクを増加補正する増加補正量を演算する増加補正量演算手段と、
    上記入力トルク感応トルク演算手段で演算する締結トルクを上記増加補正量演算手段で演算した増加補正量で増加させる入力トルク感応トルク増加補正手段と、
    上記増加補正した締結トルクに対して乗算する補正係数を締結トルク補正係数として車両の走行状態に基づき演算する締結トルク補正係数演算手段と、
    少なくとも上記増加補正した締結トルクに上記締結トルク補正係数を乗算したトルク値を基に上記クラッチ手段を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の前後駆動力配分制御装置。
  2. 上記制御手段は、少なくとも上記増加補正した締結トルクに上記締結トルク補正係数を乗算してトルク値を求め、更に、該トルク値から上記増加補正量演算手段で演算した増加補正量を減算し、該減算補正したトルク値を基に上記クラッチ手段を制御することを特徴とする請求項1記載の車両の前後駆動力配分制御装置。
  3. 上記締結トルク補正係数演算手段は、上記締結トルク補正係数を車体のすべり角速度に基づいて演算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の前後駆動力配分制御装置。
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