JPH11278083A - 車輪径差検出装置 - Google Patents

車輪径差検出装置

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JPH11278083A
JPH11278083A JP8730698A JP8730698A JPH11278083A JP H11278083 A JPH11278083 A JP H11278083A JP 8730698 A JP8730698 A JP 8730698A JP 8730698 A JP8730698 A JP 8730698A JP H11278083 A JPH11278083 A JP H11278083A
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JP
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torque
wheel
difference
diameter difference
clutch
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Application number
JP8730698A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Oba
充 大葉
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Takashi Yamamoto
貴史 山本
Katsuji Yamashita
勝司 山下
Akihiko Ikeda
暁彦 池田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面状態に拘らず、径差が正確に求められる
車輪径差検出装置を提供する。 【解決手段】 径差決定手段242により、入力トルク
算出手段122により算出された入力トルクtinに基づ
いて車輪の径差(径差補正係数kik )が決定されるの
で、単に直進走行のときの電磁クラッチ30の入出力回
転速度差或いは入出力回転速度比を用いる場合に比較し
て路面摩擦係数μの影響が加味されることにより、径差
が正確に求められる。すなわち、車輪38、40に加え
られるトルクの大きさによってその車輪38、40のス
リップ状態が異なる一方で、その車輪38、40に加え
られるトルクと電磁クラッチ30の入力トルクtinとは
互いに密接に関連していることから、その影響が加味さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機から複数の
車輪へそれぞれ伝達されるトルクの割合を調節するため
に車両の動力伝達経路に設けられたトルク配分クラッチ
を備える車両において、その車両の直進走行時において
該トルク配分クラッチの入出力回転速度差に基づいて車
輪の径差を検出する車輪径差検出装置の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】原動機から複数の車輪へ向かう動力伝達
経路に直列的に設けられたり、或いはその動力伝達経路
の差動歯車装置に対して並列的に設けられたトルク配分
クラッチを備え、各車輪へ伝達されるトルクの割合が調
節される形式の車両が知られている。たとえば、エンジ
ンと前輪差動歯車装置或いは後輪差動歯車装置との間に
直列に設けられたトルク配分用クラッチを有する4輪駆
動車、差動制限のために差動歯車装置に並列に設けられ
た差動制限クラッチを有する4輪駆動車などがそれであ
る。上記のトルク配分クラッチは、通常、発進時などに
おいて車両状態に応じたトラクションを得ることや、車
両の重量配分に応じた車輪の駆動力を得ることなどを目
的とするトルク配分制御に用いられる。
【0003】上記のような車両においては、その直進走
行且つ低速走行時の前後輪の回転速度差を不感帯回転速
度差(径差に由来する回転速度差)として設定し、その
不感帯回転速度差と実際のトルク配分クラッチの回転速
度差との差により制御に用いる回転速度差を算出するこ
とにより、トルク配分クラッチの回転速度差を補正する
ことが提案されている。このようにすれば、トルク配分
クラッチの回転速度差を用いたトルク配分制御の精度が
高められる。たとえば、特開平3−31031号公報に
記載された駆動力配分制御装置がそれである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両は、必
ずしも路面摩擦係数が高い路面を走行するとは限らず、
凍結路や圧雪路などのような路面摩擦係数が極めて低い
路面を走行する場合もあり、車輪のスリップが発生する
ような路面摩擦係数が低い走行路面となると、前記従来
の装置では、上記車輪のスリップ率の影響によってかな
らずしも前後輪の径差が正確に求められる訳ではなかっ
た。これに対し、実際のスリップ率を求め、このスリッ
プ率が所定値以下であるときの直進走行且つ低速走行時
の前後輪の回転速度差を用いればよいのであるが、路面
摩擦係数が低い走行路面では実際の車体速度が正確に検
出できないことからその実際のスリップ率を正確に求め
ることが困難であるため、前後輪の径差を正確に求める
ことができなかった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、路面状態に拘ら
ず、径差が正確に求められる車輪径差検出装置を提供す
ることにある。
【0006】本発明者等は、以上の事情を背景として種
々検討を重ねた結果、実際のスリップ率を求めることに
替えて、トルク配分クラッチの入力トルク或いは伝達ト
ルクが比較的低いために車輪のスリップ率と前後力係数
との比例関係が成立する領域において、前記スリップ率
の影響を上記入力トルク或いは伝達トルクに基づいて除
去できることを見いだした。以下の本発明はかかる知見
に基づいて為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、第1発
明の要旨とするところは、原動機から複数の車輪へそれ
ぞれ伝達されるトルクの割合を調節するトルク配分クラ
ッチを備える車両において、その車両の直進走行時にお
いてそのトルク配分クラッチの入出力回転速度差に基づ
いて車輪の径差を検出する車輪径差検出装置であって、
(a) 前記トルク配分クラッチの入力トルクを算出する入
力トルク算出手段と、(b) その入力トルク算出手段によ
り算出された入力トルクに基づいて、前記車輪の径差を
決定する径差決定手段とを、含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、径差決定手段に
より、入力トルク算出手段により算出された入力トルク
に基づいて車輪の径差が決定されるので、単に直進走行
のときのトルク配分クラッチの入出力回転速度差を用い
る場合に比較して路面摩擦係数の影響が加味されること
により、径差が正確に求められる。すなわち、車輪に加
えられるトルクの大きさによってその車輪のスリップ状
態が異なる一方で、その車輪に加えられるトルクとトル
ク配分クラッチの入力トルクとは互いに密接に関連して
いることから、その影響が加味されるのである。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、原動機
から複数の車輪へそれぞれ伝達されるトルクの割合を調
節するトルク配分クラッチを備える車両において、その
車両の直進走行時においてそのトルク配分クラッチの入
出力回転速度差に基づいて車輪の径差を検出する車輪径
差検出装置であって、(c) 前記トルク配分クラッチの伝
達トルクに基づいて前記車輪の径差を決定する径差決定
手段を、含むことにある。
【0010】
【第2発明の効果】このようにすれば、径差決定手段に
より、前記トルク配分クラッチの伝達トルクに基づいて
前記車輪の径差を決定するので、直進走行のときのトル
ク配分クラッチの入出力回転速度差を用いる場合に比較
して路面摩擦係数の影響が加味されることにより、径差
が正確に求められる。すなわち、車輪に加えられるトル
クの大きさによってその車輪のスリップ状態が異なる一
方で、その車輪に加えられるトルクとトルク配分クラッ
チの伝達トルクとは互いに密接に関連していることか
ら、その影響が加味されるのである。
【0011】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記入力トルク
が第1所定値以下であり且つ前記伝達トルクが第2所定
値以下であることに基づいて車輪が低スリップ率である
走行であることを判定する低スリップ率走行判定手段を
含み、前記径差決定手段は、その低スリップ率走行判定
手段により車輪の低スリップ率が判定されたときに、前
記車輪の径差を決定するものである。トルク配分クラッ
チの入力トルクが第1所定値以下であり且つそのトルク
配分クラッチの伝達トルクが第2所定値以下であるとき
は、車輪のスリップ率と前後力係数との間で線型の関係
が成立する車輪のスリップ率領域であるから、上記のよ
うにすれば、径差決定手段により決定される車輪の径差
の精度が一層高められる。
【0012】また、好適には、(d) 前記トルク配分クラ
ッチの回転速度差を算出する回転速度差算出手段と、
(e) 前記径差決定手段により決定された前記車輪の径差
に基づいて、その回転速度差算出手段により算出される
回転速度差を補正する回転速度差補正手段とを、含むも
のである。このようにすれば、回転速度差算出手段によ
り算出される回転速度差(差動回転速度)について径差
による誤差が除去されるので、その回転速度差の精度が
高められる。また、その回転速度差がトルク配分制御に
用いられる場合には、そのトルク配分制御の精度が一層
高められる。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例の車輪径差検出
装置を備えた車両の動力伝達装置を示している。図にお
いて、原動機として機能するエンジン10には、トルク
コンバータ付自動変速機12、前部差動歯車装置14、
およびトランスファ16を収容するトランスアクスルハ
ウジング18が締結されている。これにより、エンジン
10の出力トルクは、トルクコンバータ付自動変速機1
2、前部差動歯車装置14、左右1対の車軸20、22
を介して左右1対の前輪24、26へ伝達される一方、
上記トルクコンバータ付自動変速機12、トランスファ
16、プロペラシャフト28、トルク配分クラッチとし
て機能する電磁クラッチ30、後部差動歯車装置32、
左右1対の車軸34、36を介して左右1対の後輪3
8、40へ伝達されるようになっている。
【0015】上記電磁クラッチ30は、エンジン10か
ら前輪24、26と後輪38、40とへそれぞれ伝達さ
れるトルクの割合を調節するためのトルク配分クラッチ
として機能するものであって、プロペラシャフト28に
接続されてそれと共に回転する入力側摩擦板42と、後
部差動歯車装置32のドライブピニオン44に接続され
てそれと共に回転する出力側摩擦板46と、それら入力
側摩擦板42と出力側摩擦板46とを電磁力に従って押
圧することにより相互に摩擦係合させる電磁ソレノイド
48とを基本的に備え、後述の電子制御装置110から
の指令値trefに対応した大きさの伝達トルクを発生す
るように構成されている。上記電磁クラッチ30が解放
された場合には、エンジン10から出力されるトルクの
100%が前輪24、26へ伝達されるが、電磁クラッ
チ30が完全係合された場合には、エンジン10から出
力されるトルクの50%が前輪24、26へ伝達され、
残りの50%が後輪38、40へ伝達されるので、本実
施例では、上記電磁クラッチ30によるトルク配分調節
範囲は、前輪と後輪との重量配分比が0.5:0.5で
ある場合には、1:0から0.5:0.5の間までのト
ルク配分比範囲となっている。なお、一般には、電磁ク
ラッチ30が完全係合された場合には、前後輪の重量配
分相当に前後輪のトルクが分配される。本実施例では、
電磁クラッチ30により前輪駆動状態から直結4WDま
で前後輪のトルクを調節できる。
【0016】図2に詳しく示すように、電磁クラッチ3
0は、プロペラシャフト28に連結されるユニバーサル
ジョイント50およびクラッチドラム52を両軸端に有
し、クラッチハウジング54によりベアリング56を介
して回転可能に支持された入力軸58と、その入力軸5
8に対して同心となる状態でクラッチハウジング54に
よりベアリング60を介して回転可能に支持された出力
軸62と、入力軸58の軸端面に相対回転可能に嵌合さ
れた状態でその入力軸58と連結されたクラッチロータ
64と、回転不能となるように非回転部材であるクラッ
チハウジング54の突起65に係合させられた状態でベ
アリング66を介して入力軸58に支持された電磁ソレ
ノイド48と、電磁ソレノイド48の磁力により吸引さ
れる環状磁性部材68を有してクラッチドラム52の内
周面とクラッチロータ64の外周面との間に設けられ、
その電磁ソレノイド48の磁力によって比較的小さな摩
擦トルクが発生させられるコントロール(パイロット)
クラッチ70と、そのコントロールクラッチ70からの
摩擦トルクが伝達されるカムリング72とそのカムリン
グ72に接触するボールカム74とを有し、上記コント
ロールクラッチ70を介して伝達された比較的小さな回
転力をスラスト方向(軸心方向)の力に変換し且つ倍力
して環状押圧部材76に伝達する押圧装置78と、軸方
向において互いに重ねられた状態でクラッチドラム52
の内周面およびクラッチロータ64の外周面に対して軸
方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に設けられ
て、上記環状押圧部材76からのスラスト方向の力によ
り押圧される前記入力側摩擦板42および出力側摩擦板
46とを備え、たとえば図3に示す特性に従って、電磁
ソレノイド48に供給される駆動電流に対応した大きさ
の伝達トルクを発生させる。
【0017】図1に戻って、車両には、4輪駆動モード
を選択するときに操作される4輪駆動選択スイッチ8
0、左前輪24の回転速度を検出する車輪速度センサ8
2、右前輪26の回転速度を検出する車輪速度センサ8
4、左後輪38の回転速度を検出する車輪速度センサ8
6、右後輪40の回転速度を検出する車輪速度センサ8
8、車両の前後Gすなわち走行方向の加速度GX を検出
する前後Gセンサ90、車両の左右Gすなわち横方向の
加速度GY を検出する左右Gセンサ92、ステアリング
ホイール93により操作される車両の舵角を検出する舵
角センサ94、アクセルペダルにより操作されるスロッ
トル開度を検出するスロットルセンサ96、エンジン1
0の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ98、
自動変速機12の実際のギヤ段すなわちシフト位置を検
出するシフト位置センサ100、ブレーキペダル102
が操作されたことを検出するブレーキセンサ104、パ
ーキングブレーキレバー106が操作されたことを検出
するPBブレーキセンサ108がそれぞれ設けられてお
り、それらのスイッチ或いはセンサからは、4輪駆動モ
ードを選択されたことを示す信号S4WD、左前輪24
の回転速度NFLを示す信号SNFL、右前輪26の回転速
度NFRを示す信号SNFR、左後輪38の回転速度NRL
示す信号SNRL、右後輪40の回転速度NRRを示す信号
SNRR、前後加速度GX を示す信号SGX 、左右加速度
Y を示す信号SGY 、車両の舵角δを示す信号Sδ、
スロットル開度θを示す信号Sθth、エンジン10の回
転速度N E を示す信号SNE 、シフト位置SPを示す信
号SSP、ブレーキペダル102の操作を示す信号SB
K、パーキングブレーキレバー106の操作を示す信号
SPBが、トルク配分制御用の電子制御装置110へ供
給される。
【0018】上記電子制御装置110は、CPU、RA
M、ROM、入出力インターフェースなどを含む所謂マ
イクロコンピュータであって、CPUはRAMの記憶機
能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムを実
行することにより上記の入力信号を処理し、電磁クラッ
チ30へ制御信号を出力するとともに、電磁クラッチ3
0の作動中を示す作動表示灯112および電磁クラッチ
30の異常を示す異常表示灯114を表示させる。図4
は、上記電子制御装置110の構成例を詳細に示すもの
である。エンジン制御および変速制御用電子制御装置1
15からは、スロットル開度θth、自動変速機12のギ
ヤ段、エンジン系のフェイルを表す信号とエンジン10
の回転速度に対応した周波数のエンジンパルス信号が電
子制御装置110に供給される。電子制御装置110
は、ABS用制御装置116および4WD用制御装置1
17と、指令値tref を表す指令信号に応じて電磁クラ
ッチ30に制御電流を出力する駆動回路118とを備え
ている。
【0019】図5は、上記電子制御装置110の制御機
能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5にお
いて、トルク配分クラッチ制御手段120は、たとえば
発進時制御、旋回走行時制御、通常走行時制御、制動時
制御など、車両の前輪および後輪のトルク配分を制御す
る複数種類の制御モードの中のいずれか1つを、車両状
態に基づいて択一的に選択し、選択した制御モードにお
いて予め設定された制御式に従って、電磁クラッチ30
の伝達トルク或いはその電磁クラッチ30に供給すべき
駆動電流に対応する大きさの指令値tref を表す制御信
号SCを出力すると共に、作動表示灯112を点灯させ
る。たとえば、4輪駆動選択スイッチ80によって4輪
駆動モードが選択されているとき、ブレーキセンサ10
4により主ブレーキの操作が検出されると制動時制御が
選択される。また、たとえば図6に示す関係から車速V
と車両舵角δとで示される走行状態に基づいて発進時制
御(図6の)、旋回走行時制御(図6の)、通常走
行時制御(図6の)のいずれかが選択されるのであ
る。
【0020】上記発進時制御では、車両状態に応じた最
大のトラクションを得るために、前輪24、26と後輪
38、40とに対する車両の重量配分に相当するトルク
配分となるように電磁クラッチ30が制御されたり、舵
角δに応じて後輪38、40への伝達トルクを制限する
ように電磁クラッチ30が制御される。また、上記旋回
走行時制御では、特に路面摩擦係数が小さい圧雪路或い
は凍結路における旋回走行中の操縦安定性を高めるため
に、たとえばアンダーステアとオーバーステアとの中間
の中立ステアとなる目標ヨーレート(重心を通る鉛直線
まわりの旋回角速度)に実際のヨーレートが追従するよ
うに、電磁クラッチ30が制御される。また、上記通常
走行時制御では、基本的には重量配分に対応したトルク
配分となるように電磁クラッチ30の入力側および出力
側の回転速度差が発生すると伝達トルクが大きくなるよ
うにされるが、直進走行などのような4輪駆動が不要な
ときには燃費を高めるために可及的に締結力を小さくす
るように、電磁クラッチ30が制御される。また、上記
制動時制御では、ABS制御やVSC制御との制御干渉
を回避するために、ブレーキペダル102が操作される
と、直接的に電磁クラッチ30の締結力が小さくされる
ように、或いはABS制御が開始されるまでは電磁クラ
ッチ30が締結されてエンジンブレーキ力を4輪に分配
させるが、ABS制御が開始されると締結力が小さくさ
れ、またVSC制御が開始されると解放されるように、
電磁クラッチ30が制御される。
【0021】上記通常走行時制御においては、数式1に
示すように、電磁クラッチ30に対する差動制限トルク
(伝達トルク)を指令するためのトルク指令値t
ref は、重量配分に対応した大きさとなるようにたとえ
ば数式2から算出される基準トルク指令値tdfと、差動
回転数に対応する大きさとなるようにたとえば数式3か
ら算出されるトルク指令値tdnとの加算値である。上記
基準トルク指令値tdfは前後輪の重量配分相当の前後輪
のトルク配分を得るための値であり、上記トルク指令値
dnは前後輪の径差を補正を考慮して加速応答を改善す
るための値である。数式2において、Mtindf (V)は
たとえば図7に示す予め記憶された関係から車速Vに基
づいて決定されるマップ値であり、LF は車体の重心か
ら前輪軸心までの距離であり、Lはホイールベースであ
り、HCGは車体の重心の高さであり、G X は車両前後方
向の加速度である。加速意思のある状態では電磁クラッ
チ30による差動制限を積極的に行う方がよいが、直進
定速走行のような定常走行状態では差動制限の利益はな
くむしろ差動制限により燃費や電磁クラッチ30の耐久
性が低下するという不利益が生じることから、上記図7
に示す関係は、車両の空気抵抗やころがり抵抗により定
まる定常走行のための駆動トルク(エンジン10の出力
トルクtin)を車速Vの函数として実線で示しており、
実際のエンジン10の出力トルクtinがその定常走行の
ための駆動トルクを下まわると、数式2から基準トルク
指令値tdnが負となるが、その基準トルク指令値tdn
0以上の正の値をとるという条件(tdf≧0)から、そ
のような場合には基準トルク指令値t dnが零とされて電
磁クラッチ30が解放されるようになっている。
【0022】また、上記数式3において、マップ値M
thnA(ΔN’)またはMthnA(ΔN)はたとえば図8に
示す予め記憶された関係から径差補正係数kik による補
正後の回転速度差ΔN’または補正前の回転速度差ΔN
に基づいて決定されるマップ値であり、MthnB(ΔN)
またはMthnB(ΔN’)はたとえば図9に示す予め記憶
された関係から補正前の回転速度差ΔNまたは補正後の
回転速度差ΔN’に基づいて決定されるマップ値であ
る。車両において、車輪(タイヤ)の横力は、図10に
示すように、スリップ率の絶対値の増加と共に減少する
性質があるため、電磁クラッチ30の伝達トルクの増加
に伴って後輪38、40のスリップ率が増加してその横
力が減少し、直進安定性が損なわれる傾向がある。この
ため、車両駆動時において前輪24、26に比較して後
輪38、40の回転速度Nr が高い状態すなわち回転速
度差ΔNが負の状態では、電磁クラッチ30の差動制限
トルクを零としてそれを解放し、径差に由来する横力の
減少を防止することが望まれる。また、車両制動時にお
いて前輪24、26に比較して後輪38、40の回転速
度Nr が低い状態すなわち回転速度差ΔNが正の状態で
も、電磁クラッチ30の差動制限トルクを零としてそれ
を解放し、径差に由来する横力の減少を防止することが
望まれる。このことから、径差に起因して前輪24、2
6に比較して後輪38、40の回転速度Nr が高い状態
である(kik >1)場合は、(3-2) 式が用いられ、径差
に起因して前輪24、26に比較して後輪38、40の
回転速度N r が低い状態である(kik ≦1)場合は、(3
-1) 式が用いられることにより、直進安定性を高めるた
めに、2種類の回転速度差ΔNおよびΔN’とマップ値
th nAおよびMthnBの使い分けが行われるようになって
いる。
【0023】
【数1】tref =tdf+tdn ・・・(1)
【0024】
【数2】 tdf=(1/2)〔tin−Mtindf (V)〕・ 〔(LF /L)+(HCG/L・GX )〕 ・・・(2) 但し、tdf≧0
【0025】
【数3】 径差補正係数kik ≦1.0のときは tdn=MthnA(ΔN’)+MthnB(ΔN) ・・・(3-1) 径差補正係数kik >1.0のときは tdn=MthnA(ΔN)+MthnB(ΔN’) ・・・(3-2)
【0026】本実施例のように、前輪駆動と4輪駆動と
の間でトルク配分が制御される場合には、後述の数式8
は、sf=(tin−tr )/(K・Wf ・Rf )と、s
r=(−tr )/(K・Wr ・Rr )となる。このた
め、入力トルクtinが正であるときには、電磁クラッチ
30の伝達トルクtr の増加するほど、前輪スリップ率
の絶対値|sf|および後輪スリップ率の絶対値|sr
|がそれぞれ増加して、図10に示すように車輪の横力
が小さくなって直進安定性が損なわれる。したがって、
上記のように、後輪38、40が前輪24、26に比較
して速く回転する場合には電磁クラッチ30による差動
制限クラッチを零とし、前輪24、26が後輪38、4
0に比較して速く回転する場合にも電磁クラッチ30に
よる差動制限クラッチを零とすることが望まれるのであ
る。
【0027】入力トルク算出手段122は、エンジン1
0のプロペラシャフト28まわりの出力トルク(車両の
駆動トルク)すなわち電磁クラッチ30の入力トルクt
in(N・m)を、たとえば図11に示す予め記憶された
関係から実際のエンジン回転速度NE (rpm)および
スロットル開度θth(%)或いは吸入空気量Qに基づい
て逐次算出する。この入力トルク算出手段122は、好
ましくは車両の直進、定速、平坦地走行が判定されてい
る状態において、予め設定された時間幅を有して時間経
過とともに移動させられる移動区間内に得られた複数個
の入力トルクt inの平均値すなわち移動平均値tinav
入力トルクtinとして算出する。ここで、上記入力トル
クtinは、前輪24、26側へ配分されるトルクtf
電磁クラッチ30から後輪38、40側へ配分されるト
ルクtr との和(tin=tf +t r )として定義され
る。上記後輪38、40側へ配分されるトルクtr は電
磁クラッチ30の伝達トルクであり、定常状態では電磁
クラッチ30に対する指令値tref に対応している。
【0028】回転速度差算出手段124は、電磁クラッ
チ30の入力軸58の回転速度Nfを前輪回転速度NFL
およびNFRの平均値と前部差動歯車装置14のギヤ比と
に基づいて算出するとともに、電磁クラッチ30の出力
軸62の回転速度Nr を後輪回転数度NRLおよびNRR
平均値と後部差動歯車装置32のギヤ比とに基づいて算
出し、入力軸58の回転速度Nf から出力軸62の回転
速度Nr を差し引くことにより、入力軸58と出力軸6
2との回転速度差ΔN(rpm)すなわち電磁クラッチ
30の差動(スリップ)回転数ΔN(=Nf −Nr )を
算出する。この回転速度差算出手段124も、好ましく
は車両の直進、定速、平坦地走行が判定されている状態
において、予め設定された時間幅を有して時間経過とと
もに移動させられる移動区間内に得られた複数個の差動
回転数ΔNの平均値すなわち移動平均値として差動回転
数ΔNavを算出する。
【0029】車速算出手段178は、たとえば前輪回転
速度NFLおよびNFR、後輪回転速度NRLおよびNRRのい
ずれかから、或いは図示しない車速センサにより自動変
速機12の出力軸の回転速度に基づいて検出された車速
信号から、車速すなわち車体速度Vを算出する。
【0030】左右輪回転速度差判定手段すなわち直進走
行判定手段162は、たとえば舵角δに基づいて、或い
は左右輪の回転速度差〔(NFL+NRL)/2〕−〔(N
FR+NRR)/2〕が所定の判断基準値以下であることに
基づいて車両の直進走行を判定する。定速走行判定手段
164は、たとえば上記車速の変化率ΔVが所定の判断
基準値以下であることにもとづいて車両の定速走行を判
定する。低スリップ率走行判定手段240は、各車輪の
スリップ率が小さい車両の低トルク走行であるか否か
を、電磁クラッチ30の入力トルクtinが所定値以下で
あり且つ電磁クラッチ30の伝達トルクtr すなわち指
令トルクtref が所定値以下であることに基づいて判定
する。それらの所定値は、たとえば図12に示すスリッ
プ率〔(車体速度−車輪速度)/車体速度〕と前後力係
数(路面摩擦係数μの函数である車輪の駆動力に対応す
る値)との間の関係において略線型となる領域A内であ
ることを判定するために予め実験的に求められたもので
ある。
【0031】径差決定手段242は、たとえば、直進走
行判定手段162において車両の直線走行が判定され、
定速走行判定手段164において車両の定速走行が判定
され、低スリップ率走行判定手段240において車両の
低スリップ率走行が判定された場合には、数式4に示す
予め記憶された算出式から、そのような直進走行、定速
走行、低スリップ率走行時の電磁クラッチ30の入力軸
58の回転速度Nf 、出力軸62の回転速度Nr 、電磁
クラッチ30の実際の入力トルクtinおよび伝達(出
力)トルクtr に基づいて、前輪と後輪との径差に関連
する径差パラメータ、たとえば回転速度比すなわち径差
補正係数kik を、算出する。
【0032】
【数4】 kik =(Nr /Nf )+Kkik ・(tin−2tr ) ・・・(4)
【0033】上記数式4は、路面状態に拘らず径差を正
確に求めるために車輪のスリップの影響を考慮した右辺
第2項を加えたものであり、以下の理論によって導かれ
たものである。すなわち、前後輪の2輪の力学モデルに
おいて、電磁クラッチ30の回転運動は、数式5として
表される。ここで、Ir は電磁クラッチ30の出力側回
転体の慣性モーメントを出力軸62まわりに換算したも
のであり、If は電磁クラッチ30の入力側回転体の慣
性モーメントをドライブピニオン44(入力軸58)ま
わりに換算したものである。また、ωf およびωr は、
入力軸58および出力軸62の回転角速度、μ(sf)
およびμ(sr)は前輪24、26および後輪38、4
0の前後力係数、Wf およびWr は前輪24、26およ
び後輪38、40の接地荷重、sfおよびsrは前輪2
4、26および後輪38、40のスリップ率〔=(Rf
ωf −V)/Rf ωf 、および=(Rr ωr −V)/R
rωr 〕、Rf およびRr は前輪24、26および後輪
38、40の動荷重半径である。この数式5からRf
r を求めることができ、この値により径差を補正する
ことが最も精度がよくなる。
【0034】
【数5】 If ・ dωf /dt =tin−tr −μ(sf)・Wf ・Rf ・・・(5-1) Ir ・ dωr /dt =tr −μ(sr)・Wr ・Rr ・・・(5-2)
【0035】上記数式5において、定常走行では dωf
/dt =0、 dωr /dt =0と見做すことができるので、
数式6となる。また、図12に示すように、前輪24、
26或いは後輪38、40の前後力係数(車輪に発生す
る駆動力に対応する係数)は、車輪スリップ率が比較的
小さい範囲A内ではその車輪スリップ率に対して線型で
あるから、数式7に示すように、前輪24、26のスリ
ップ率sfおよび後輪38、40のスリップ率srに比
例する一方、前輪24、26の動荷重半径Rfと後輪3
8、40の動荷重半径Rr は互いに同じ値Rであるの
で、上記数式6は数式8に示すように書き替えられる。
【0036】
【数6】 tin−tr −μ(sf)・Wf ・Rf =0 ・・・(6-1) tr −μ(sr)・Wr ・Rr =0 ・・・(6-2)
【0037】
【数7】μ(sf)=K・sf ・・・(7-1) μ(sr)=K・sr ・・・(7-2)
【0038】
【数8】 tin−tr =K・sf・Wf ・Rf ・・・(8-1) tr =K・sr・Wr ・Rr ・・・(8-2)
【0039】ここで、接地荷重であるWf およびWr
求めることも可能であるが、ここでは互いに同じ値Wf
=Wr として上式(8-1) から(8-2) を差し引くと数式9
が導かれる。また、ωf =ωr とすると、数式10が導
かれる。
【0040】
【数9】 tin−2tr =K・(sf・Rf −sr・Rr )Wf ・・・(9-1) tin−2tr =K・〔(Rf ・ωf −V)/(Rf ・ωf )・Rf −(Rr ・ωr −V)/(Rr ・ωr )・Rr 〕Wf ・・・(9-2) tin−2tr =K・〔(Rf ・ωf −V)/ωf −(Rr ・ωr −V)/ωr 〕・Wf ・・・(9-3)
【0041】
【数10】 Rf ・ωf −Rr ・ωr =ωf /(K・Wf )・(tin−2tr ) ・・・(10-1) Rf /Rr =ωr /ωf +1/(K・Wf ・Rr )・(tin−2tr ) ・・・(10-2)
【0042】Rf /Rr =kik であるから、上式(10-2)
すなわち前記数式4を用いることにより、車輪のスリッ
プを考慮した高い精度の径差補正係数 kikが求められる
のである。ここで、路面摩擦係数μが高い路面であるた
め、上式の定数Kには、路面摩擦係数μが高い路面での
定数値が設定される。
【0043】図5の平滑化処理手段244は、良く知ら
れたローパス処理或いは移動平均処理などを用いて径差
決定手段242において逐次求められる径差補正係数 k
ikを平滑化する。回転速度差補正手段132は、上記回
転速度差算出手段124により算出された回転速度差Δ
Nから前輪および後輪の径差に起因する誤差を除去する
ために、たとえば数式11に示す補正式から上記平滑化
された径差補正係数 kikに基づいてその回転速度差ΔN
を補正し、補正後の回転速度差ΔN’を前記トルク配分
クラッチ制御手段120へ供給する。
【0044】
【数11】 ΔN’=ΔN−(1−kik )Nf ・・・(11)
【0045】図13、図14、図15、図16は、前記
電子制御装置110の制御作動の要部を説明するフロー
チャートであって、図13は制御モード選択ルーチン、
図14は径差算出ルーチン、図15は通常走行時のトル
ク配分制御ルーチン、図16は、図15の差動回転数に
由来するトルク指令値tdn算出ルーチンを示している。
【0046】図13において、ステップ(以下、ステッ
プを省略する)S1では、車速V、舵角δ、ブレーキセ
ンサ104の出力信号などが読み込まれた後、S2にお
いて、ブレーキペダル102が操作されたか否かがブレ
ーキセンサ104からの信号に基づいて判断される。こ
のS2の判断が肯定された場合は、S3において制動時
制御が選択され、本ルーチンが終了させられる。しか
し、S2の判断が否定された場合は、S4において、図
6に示す予め記憶された関係から車速V、舵角δに基づ
いて発進時制御、旋回走行時制御、通常走行時制御のい
ずれかが判定される。S4において発進時制御が判定さ
れた場合にはS5において発進時制御が選択され、S4
において旋回走行時制御が判定された場合にはS6にお
いて旋回走行時制御が選択され、S4において通常走行
時制御が判定された場合にはS7において所定車速以上
の直進走行時に適用される通常走行時制御が選択され
る。
【0047】図14の径差算出ルーチンは、たとえば所
定の割込周期で繰り返し実行されるものである。図14
において、前記直進走行判定手段162に対応するSP
1では、車両の直進走行であるか否かが、舵角δに基づ
いて、或いは左右輪の回転速度差〔(NFL+NRL)/
2〕−〔(NFR+NRR)/2〕が所定の判断基準値以下
であることに基づいて判断される。このSP1の判断が
否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定
される場合は、前記定速走行判定手段164に対応する
SP2では、たとえば上記車速の変化率ΔVが所定の判
断基準値以下であることにもとづいて車両の定速走行で
あるか否かが判定される。このSP2の判断が否定され
る場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場
合は、SP3において、電磁クラッチ30の伝達トルク
r すなわち指令トルクtref が所定の判断基準値t
rik 以下であるか否かが判断され、この判断が肯定され
る場合には、SP4において、電磁クラッチ30の入力
トルクtinが所定の下限値tin ik1 以上かつ所定の上限
値tinik2 以下であるか否かが判断される。上記判断基
準値trik およびtinik2 は、たとえば図12に示すス
リップ率〔(車体速度−車輪速度)/車体速度〕と前後
力係数(路面摩擦係数μの函数である車輪の駆動力に対
応する値)との間の関係において略線型の関係となる領
域A内であることを判定するために予め実験的に求めら
れたものであるから、上記SP3およびSP4は、各車
輪のスリップ率が小さい車両の低トルク走行であるか否
かを判定する前記低スリップ率走行判定手段240に対
応している。なお、上記下限値tin ik1 はエンジンブレ
ーキ状態を避けるための値であるから、零値であっても
よい。
【0048】上記SP1乃至SP4の判断がいずれも肯
定された場合は、前記入力トルク算出手段122に対応
するSP5において、たとえば図11に示す関係から実
際のエンジン回転速度NE およびスロットル開度θth
基づいて入力トルクtinが算出される。次いで、SP6
では、電磁クラッチ30の伝達トルクtr として実際の
トルク指令値tref が読み込まれる。また、SP7で
は、前輪回転速度Nf 〔=(NFL+NFR)/2〕が左右
の前輪24、26の回転速度NFL、NFRから算出される
とともに、後輪回転速度Nr 〔=(NRL+NRR)/2〕
が左右の後輪38、40の回転速度NRL、NRRから算出
される。
【0049】次いで、前記径差決定手段242に対応す
るSP8において、直進走行、定速走行、低スリップ率
走行時の電磁クラッチ30の入力軸58の回転速度Nf
と出力軸62の回転速度Nr とから、前輪と後輪との径
差に由来する回転速度比すなわち径差補正係数kik が前
記数式4から実際の前輪回転速度Nf 、後輪回転速度N
r 、入力トルクtin、および伝達トルクtr に基づいて
逐次算出される。続いて、前記平滑化処理手段244に
対応するSP9では、よく知られたローパスフィルタ処
理或いは移動平均処理が実行されることにより、逐次求
められる上記径差補正係数kik が平滑化される。
【0050】次いで、前記回転速度差補正手段132に
対応するSP10では、前記数式11から実際の回転速
度差ΔN、径差補正係数kik に基づいて補正後の回転速
度差ΔN’が求められ、それが後述のトルク配分制御に
用いられる。
【0051】前記トルク配分クラッチ制御手段120に
対応する図15の通常走行時のトルク配分制御ルーチン
において、SQ1では、前記数式2から実際の入力トル
クt in、および車速の函数であるマップ値M
tindf (V)に基づいて、前後輪の重量配分相当の前後
輪のトルク配分を得るための基準トルク指令値tdfが算
出される。次いで、SQ2では、図16に示すトルク指
令値tdnの算出ルーチンが実行され、前記数式3から実
際の径差補正係数kik 、回転速度差ΔNの函数であるマ
ップ値MthnA(ΔN)またはMthnB(ΔN)、補正後の
回転速度差ΔN’の函数であるマップ値MthnA(Δ
N’)またはMthnB(ΔN’)に基づいて、差動回転数
ΔNに対応する大きさの差動制限力を得るためのトルク
指令値tdnが算出される。
【0052】図16において、SR1では、車両の前輪
24、26の平均径である前輪径が後輪38、40の平
均径である後輪径よりも大きいか否かが、たとえば前記
径差補正係数kik が「1」より大きい(kik >1)か否
かに基づいて判断される。このSR1の判断が肯定され
た場合は、SR2において、前式(3-2) から実際の回転
速度差ΔNおよび補正後の回転速度差ΔN’に基づい
て、回転速度差に対応するトルク指令値tdnが算出され
る。反対に、上記SR1の判断が否定された場合は、ki
k ≦1である状態であるから、SR3において、前式(3
-1) から実際の回転速度差ΔNおよび補正後の回転速度
差ΔN’に基づいて、回転速度差に対応するトルク指令
値tdnが算出される。
【0053】図15に戻って、続くSQ3では、通常走
行時のトルク配分制御時のトルク指令値tref が、数式
1から上記基準トルク指令値tdfとトルク指令値tdn
基づいて算出された後、続くSQ4では、上記算出され
たトルク指令値tref が予め設定された上限値Tmax
上の大きさである場合(tref ≧Tmax )には、その上
限値Tmax に制限(tref =Tmax )され、トルク指令
値tref が予め設定された下限値Tmin 以下の大きさで
ある場合(tref ≦Tmin )には、その下限値Tmax
制限(tref =Tmin )されることにより、変化範囲が
制限される。また、上記トルク指令値tref が入力トル
ク|tref |に所定の増加量Tdup を加えた値(|t
ref |+Tdup )を越えるときにはその値に制限される
ことにより、その変化率が制限される。これにより、A
BS制御作動時に何らかの故障によって差動制限トルク
を零にできない場合でも、ABS制御性能の低下、およ
び差動制限装置の発熱などが好適に防止されるようにな
っている。通常、ABS制御が作動するのはブレーキを
操作しているときであってアクセルペダルを踏み込んで
はいないことから、入力トルクtinは略零となるので、
上記上限値Tmax は極めて小さい値に設定される。ま
た、通常の加速時などにおいても必要なトルクは入力ト
ルクtin以上とはならないので、すべての場合に上記制
限を設けておいても差し支えない。
【0054】次いで、SQ5では、制御モードの切り換
えなどによって上記トルク指令値t ref の急変を避ける
ために、そのトルク指令値tref に対してローパスフィ
ルタ処理、移動平均処理などのなまし処理が実行され
る。特に、発進時制御から通常走行時制御が選択された
場合にトルク指令値tref が急減して駆動系の振動の発
生が予想されるが、このSQ5のなまし処理によってト
ルク指令値tref が緩やかに変化させられて振動の発生
が抑制されるようになっている。そして、SQ6では、
なまし処理されたトルク指令値tref がトルク配分制御
のために出力される。
【0055】上述のように、本実施例によれば、径差決
定手段242(SP8)により、入力トルク算出手段1
22(SP5)により算出された入力トルクtinに基づ
いて車輪の径差(径差補正係数kik )が決定されるの
で、単に直進走行のときの電磁クラッチ30の入出力回
転速度差或いは入出力回転速度比を用いる場合に比較し
て路面摩擦係数μの影響が加味されることにより、径差
が正確に求められる。すなわち、車輪38、40に加え
られるトルクの大きさによってその車輪38、40のス
リップ状態が異なる一方で、その車輪38、40に加え
られるトルクと電磁クラッチ30の入力トルクtinとは
互いに密接に関連していることから、その影響が加味さ
れるのである。
【0056】また、本実施例によれば、径差決定手段2
42(SP8)により、電磁クラッチ30の伝達トルク
r すなわちトルク指令値tref (=tr )に基づいて
前後の車輪の径差(径差補正係数kik )が決定されるの
で、単に直進走行のときの電磁クラッチ30の入出力回
転速度差或いは入出力回転速度比を用いる場合に比較し
て路面摩擦係数μの影響が加味されることにより、径差
が正確に求められる。すなわち、車輪38、40に加え
られるトルクの大きさによってその車輪38、40のス
リップ状態が異なる一方で、その車輪38、40に加え
られるトルクと電磁クラッチ30の伝達トルクtr とは
互いに密接に関連していることから、その影響が加味さ
れるのである。
【0057】また、本実施例によれば、入力トルクtin
が第1の所定値tinik2 以下であり且つ伝達トルクtr
が第2の所定値trik 以下であることに基づいて車輪の
低スリップ率の走行であることを判定する低スリップ率
走行判定手段240(SP3、SP4)が設けられ、前
記径差決定手段242(SP8)は、その低スリップ率
走行判定手段240(SP3、SP4)により車輪の低
スリップ率の走行が判定されたときに、前後の車輪の径
差(径差補正係数kik )を決定するものである。電磁ク
ラッチ30の入力トルクtinが第1所定値tinik2 以下
であり且つその伝達トルクtr が第2所定値trik 以下
であるとときは、車輪のスリップ率と前後力係数との間
で線型の関係が成立する車輪のスリップ率領域A内であ
るから、上記のようにすれば、径差決定手段242(S
P8)により決定される車輪の径差(径差補正係数kik
)の精度が一層高められる。
【0058】また、本実施例によれば、電磁クラッチ3
0の回転速度差ΔNを算出する回転速度差算出手段12
4と、前記径差決定手段242(SP8)により決定さ
れた前後の車輪の径差(径差補正係数kik )に基づい
て、その回転速度差算出手段124により算出される回
転速度差ΔNを補正する回転速度差補正手段132(S
P10)とが設けられていることから、回転速度差算出
手段124により算出される回転速度差(差動回転速
度)ΔNについて径差による誤差が除去されるので、そ
の補正後の回転速度差ΔN’の精度が高められる。ま
た、その回転速度差ΔN’がトルク配分制御に用いられ
る場合には、そのトルク配分制御の精度が一層高められ
る。
【0059】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0060】たとえば、前述の径差決定手段242は、
数式4から、直進走行、定速走行、低スリップ率走行時
の電磁クラッチ30の入力軸58の回転速度Nf と出力
軸62の回転速度Nr 、電磁クラッチ30の実際の入力
トルクtinおよび伝達(出力)トルクtr に基づいて、
前輪と後輪との径差に由来する回転速度比すなわち径差
補正係数kik を算出するものであったが、上記入力トル
クtinおよび伝達(出力)トルクtr の一方が定数とし
て設定される結果他方に基づいて算出されるものであっ
てもよい。
【0061】また、前述の実施例において、補正後の回
転速度差ΔN’が通常走行時のトルク配分制御に用いら
れていたが、他の制御に用いられてもよい。
【0062】また、前述の実施例では、エンジン10の
出力トルクすなわち電磁クラッチ30の入力トルクtin
を算出する際などに用いられるスロットル開度θthに替
えて、アクセルペダル操作量、エンジン10の燃料噴射
量や吸入空気量などの要求出力量が用いられても差し支
えない。
【0063】また、前述の実施例の電磁クラッチ30
は、プロペラシャフト28と後部差動歯車装置32との
間に設けられるものであったが、所謂センターデフの差
動を制限するためにそれに並列に設けられた差動制限ク
ラッチ、トランスファと前部差動歯車装置との間に設け
られたクラッチ、プロペラシャフト28とそれに連結さ
れた差動歯車装置の出力側の1対の車軸との3軸のうち
の何れかの2軸間に設けられたクラッチなどであっても
よい。要するに、原動機から複数の車輪へそれぞれ伝達
されるトルクの割合を調節する電磁式、油圧式などのト
ルク配分クラッチであればよいのである。
【0064】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車輪径差検出装置を備えた
4輪駆動車両の動力伝達経路と共に説明する図である。
【図2】前輪および後輪のトルク配分を行うために、図
1の動力伝達経路に設けられた電磁クラッチの構成を説
明する断面図である。
【図3】図2の電磁クラッチのクラッチ特性を説明する
特性図である。
【図4】図1の電子制御装置の構成例を詳細に説明する
図である。
【図5】図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図6】図5のトルク配分クラッチ制御手段において複
数種類の制御モードを切り換えるために予め記憶された
関係を示す図である。
【図7】図5のトルク配分クラッチ制御手段において基
準トルク指令値を決定するために用いられる関係を示す
図である。
【図8】図5のトルク配分クラッチ制御手段において、
トルク配分クラッチの回転速度差に対応したトルク指令
値を決定するために用いられる関係であって、前輪径が
後輪径よりも大きい場合に選択される関係を示す図であ
る。
【図9】図5のトルク配分クラッチ制御手段において、
トルク配分クラッチの回転速度差に対応したトルク指令
値を決定するために用いられる関係であって、前輪径が
後輪径よりも小さい場合に選択される関係を示す図であ
る。
【図10】車輪のスリップ率とその車輪の横力との関係
を示す図である。
【図11】図5の入力トルク算出手段において、トルク
配分クラッチの入力トルクすなわちエンジンの出力トル
クを求めるために用いられる関係を示す図である。
【図12】車輪のスリップ率と前後力係数との関係を示
す図である。
【図13】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するためのフローチャートであって、制御モード選択ル
ーチンを示す図である。
【図14】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するためのフローチャートであって、径差算出ルーチン
を示す図である。
【図15】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するためのフローチャートであって、通常走行時のトル
ク配分制御ルーチンを示す図である。
【図16】図15の指令値tdnを算出するための算出ル
ーチンを示す図である。
【符号の説明】
10:エンジン(原動機) 24、26:前輪(車輪) 30:電磁クラッチ(トルク配分クラッチ) 38、40:後輪(車輪) 122:入力トルク算出手段 124:回転速度差算出手段 132:回転速度差補正手段 242:径差決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 勝司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 暁彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機から複数の車輪へそれぞれ伝達さ
    れるトルクの割合を調節するトルク配分クラッチを備え
    る車両において、該車両の直進走行時において該トルク
    配分クラッチの入出力回転速度差に基づいて車輪の径差
    を検出する車輪径差検出装置であって、 前記トルク配分クラッチの入力トルクを算出する入力ト
    ルク算出手段と、 該入力トルク算出手段により算出された入力トルクに基
    づいて、前記車輪の径差を決定する径差決定手段とを、
    含むことを特徴とする車輪径差検出装置。
  2. 【請求項2】 原動機から複数の車輪へそれぞれ伝達さ
    れるトルクの割合を調節するトルク配分クラッチを備え
    る車両において、該車両の直進走行時において該トルク
    配分クラッチの入出力回転速度差に基づいて車輪の径差
    を検出する車輪径差検出装置であって、 前記トルク配分クラッチの伝達トルクに基づいて、前記
    車輪の径差を決定する径差決定手段を、含むことを特徴
    とする車輪径差検出装置。
  3. 【請求項3】 前記径差決定手段は、前記入力トルクが
    第1所定値以下であり且つ前記伝達トルクが第2所定値
    以下であるときに、前記車輪の径差を決定するものであ
    る請求項1または2の車輪径差検出装置。
  4. 【請求項4】 前記トルク配分クラッチの回転速度差を
    算出する回転速度差算出手段と、 前記径差決定手段により決定された前記車輪の径差に基
    づいて、該回転速度差算出手段により算出される回転速
    度差を補正する回転速度差補正手段とを含むものである
    請求項1乃至3のいずれかの車輪径差検出装置。
JP8730698A 1998-03-31 1998-03-31 車輪径差検出装置 Withdrawn JPH11278083A (ja)

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