JPH11278088A - 車両用トルク配分クラッチの制御装置および車両用パーキングブレーキターン判定装置 - Google Patents

車両用トルク配分クラッチの制御装置および車両用パーキングブレーキターン判定装置

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JPH11278088A
JPH11278088A JP8730598A JP8730598A JPH11278088A JP H11278088 A JPH11278088 A JP H11278088A JP 8730598 A JP8730598 A JP 8730598A JP 8730598 A JP8730598 A JP 8730598A JP H11278088 A JPH11278088 A JP H11278088A
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JP
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parking brake
vehicle
torque
torque distribution
clutch
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JP8730598A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Oba
充 大葉
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Takashi Yamamoto
貴史 山本
Katsuji Yamashita
勝司 山下
Akihiko Ikeda
暁彦 池田
Muneyoshi Igaki
宗良 井垣
Manabu Takada
学 高田
Takeshi Sakai
剛 坂井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実にパーキングブレーキターンのときだけ
トルク配分クラッチの開放が行われる車両用トルク配分
クラッチの制御装置を提供する。 【解決手段】 パーキングブレーキセンサ(パーキング
ブレーキ操作検出装置)108によりパーキングブレー
キレバー106が操作されてパーキングブレーキが作動
されたことが検出され、且つ原動機出力判定手段222
によりエンジン10の出力が所定の判断基準値以下であ
ると判定された場合には、トルク配分クラッチ制御手段
120により、電磁クラッチ30が開放させられること
から、確実にパーキングブレーキターンのときだけ電磁
クラッチ30が開放されるので、不要にトルク配分制御
が阻害されることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機から車輪へ
それぞれ伝達されるトルクの割合を調節する車両用トル
ク配分クラッチの制御装置および車両用パーキングブレ
ーキターン判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および課題】車両の制動或いはターンなど
に際して、走行中にパーキングブレーキを操作すること
により後輪だけを停止させ、その停止させた後輪の横す
べりを利用して車両を小さな回転半径で転回(小回り)
させる所謂パーキングブレーキターン操作が知られてい
る。このようなパーキングブレーキターン操作は、特
に、圧雪路面や凍結路面のような路面摩擦係数の低い路
面において用いられる。ところで、前輪および後輪にも
エンジンの出力トルクが伝達される4輪駆動車両では、
前輪と後輪が相互に機械的に連結されていることから、
パーキングブレーキの操作によって後輪だけ回転停止さ
せることができないので、上記のパーキングブレーキタ
ーン操作を用いることができないという不都合があっ
た。これに対し、たとえば、特開昭63−125436
号公報に記載された、差動制限クラッチ付センターデフ
を用いたフルタイム4輪駆動車において、パーキングブ
レーキにより制動が行われたときには差動制限クラッチ
クラッチを開放させることにより、その差動制限クラッ
チを保護するという技術を転用することが考えられる。
しかしながら、上記従来のトルク配分クラッチの制御装
置に用いられている技術を転用し得たとしても、パーキ
ングブレーキスイッチのオン信号のみに基づいてトルク
配分クラッチの開放を行うことになるので パーキング
ブレーキスイッチの故障やブレーキパッドの摩耗による
誤判定により、不要にトルク配分クラッチの開放を行う
ことになり、トルク配分制御が阻害されるという不都合
があった。
【0003】また、従来の制動時のトルク配分制御にお
いて、前輪と後輪との間で好適な制動力配分を得るよう
に、エンジンの出力トルクに応じて前輪と後輪へ伝達さ
れるトルク配分を制御することが提案されている。しか
し、従来の制動時のトルク配分制御では路面の摩擦係数
の変化を考慮していないため、路面摩擦抵抗が低くなる
と、車両の後部のせり出しやスピンが発生し易くなると
いう不都合があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その第1の目的とするところは、確実にパ
ーキングブレーキターンのときだけトルク配分クラッチ
の開放が行われる車両用トルク配分クラッチの制御装置
を提供することにある。また、第2の目的とするところ
は、確実にパーキングブレーキターンを判定できる車両
用パーキングブレーキターン判定装置を提供することに
ある。また、第3の目的とするところは、路面摩擦抵抗
が低くても、制動時の車両の後部のせり出しやスピンが
発生し難いトルク配分クラッチの制御装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】上記第1の目的を
達成するための本第1発明の要旨とするところは、原動
機から複数の車輪へそれぞれ伝達されるトルクの割合を
調節するトルク配分クラッチを備え、そのトルク配分ク
ラッチの伝達トルクを所定の値とするための指令値を出
力する車両用トルク配分クラッチの制御装置であって、
(a) 前記車両のパーキングブレーキが操作されたことを
検出するパーキングブレーキ操作検出装置と、(b) 原動
機の出力が予め設定された判断基準値以下であるか否か
を判定する原動機出力判定手段と、(c) 前記パーキング
ブレーキ操作検出装置によりパーキングブレーキが操作
されたことが検出され、且つ前記原動機出力判定手段に
より前記原動機の出力が前記判断基準値以下であると判
定された場合には、前記トルク配分クラッチを開放させ
るトルク配分クラッチ制御手段とを、含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、トルク配分クラ
ッチ制御手段により、前記パーキングブレーキ操作検出
装置によりパーキングブレーキが操作されたことが検出
され、且つ前記原動機出力判定手段により前記原動機の
出力が前記判断基準値以下であると判定された場合に
は、前記トルク配分クラッチが開放させられることか
ら、確実にパーキングブレーキターンのときだけトルク
配分クラッチが開放されるので、不要にトルク配分制御
が阻害されることがない。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】前記第2の目的を
達成するための本第2発明の要旨とするところは、車両
のパーキングブレーキを操作しつつその車両を旋回させ
るパーキングブレーキターンを判定する車両用パーキン
グブレーキターン判定装置であって、(a) 前記車両のパ
ーキングブレーキが操作されたことを検出するパーキン
グブレーキ操作検出装置と、(b) 原動機の出力が予め設
定された判断基準値以下であるか否かを判定する原動機
出力判定手段と、(c) 前記パーキングブレーキ操作検出
装置によりパーキングブレーキが操作されたことが検出
され、且つ前記原動機出力判定手段により前記原動機の
出力が前記判断基準値以下であると判定された場合に
は、パーキングブレーキターン状態であることを判定す
るパーキングブレーキターン判定手段とを、含むことに
ある。
【0008】
【第2発明の効果】このようにすれば、パーキングブレ
ーキターン判定手段において、前記パーキングブレーキ
操作検出装置によりパーキングブレーキが操作されたこ
とが検出され、且つ前記原動機出力判定手段により前記
原動機の出力が前記判断基準値以下であると判定された
場合には、パーキングブレーキターン状態であることが
判定されるので、確実にパーキングブレーキターンであ
ることが判定される。パーキングブレーキターンは、運
転者による制動意思のあることが前提とされるので、原
動機の出力が所定の判断基準値よりも低い走行状態であ
ることを条件に加えることにより確実にパーキングブレ
ーキターンであることを判定できるのである。
【0009】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記第3の
目的を達成するための第3発明の要旨とするところは、
原動機から前輪および後輪へそれぞれ伝達されるトルク
の割合を調節するトルク配分クラッチを備え、そのトル
ク配分クラッチの伝達トルクを所定の値とするための指
令値を出力する車両用トルク配分クラッチの制御装置で
あって、(a) 車両の制動状態を判定する制動状態判定手
段と、(b) 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、
(c) 車両の制動状態において車両の加速度が小さくなる
ほど、前記トルク配分クラッチを介して前記後輪へ伝達
されるトルクを増加させるトルク配分クラッチ制御手段
とを、含むことにある。
【0010】
【第3発明の効果】このようにすれば、トルク配分クラ
ッチ制御手段により、車両の制動状態において車両の加
速度が小さくなるほど前記トルク配分クラッチを介して
前記後輪へ伝達されるトルクが増加させられる、すなわ
ち車両の加速度が増大するほど後輪へ伝達されるトルク
が減少させられる。この制動時における車両の加速度は
路面摩擦係数μの函数である車輪の摩擦力を越えること
ができないという関係にあって、車両の加速度が増大す
るにつれて、路面摩擦係数μに応じた車輪のグリップ限
界に近づくことを意味するので、上記のように、車両の
加速度が増大するほど後輪へ伝達されるトルクが減少さ
せられることにより、旋回制動時の車体後部のせり出し
やスピンが回避されるのである。
【0011】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第1発明に
おいて、前記トルク配分クラッチ制御手段により、パー
キングブレーキが操作され且つ原動機の出力が判断基準
値以下であると判定された場合にトルク配分クラッチが
開放させられるとき、そのトルク配分クラッチを緩やか
に開放させるために、上記トルク配分クラッチ制御手段
からトルク配分クラッチへの出力を緩やかに変化させる
まなし処理手段が設けられる。このようにすれば、トル
ク配分クラッチが緩やかに開放させられることから、ト
ルク配分クラッチの急開放に起因する車輪トルクの急変
による違和感が解消されるとともに、操縦安定性が高め
られる。
【0012】また、好適には、前記第3発明において、
前記トルク配分クラッチ制御手段により、車両の制動状
態において車両の加速度が小さくなるほどトルク配分ク
ラッチを介して前記後輪へ伝達されるトルクが増加させ
られるとき、そのトルク配分クラッチに供給されるトル
ク指令信号の変化を抑制するなまし処理手段が設けられ
る。このようにすれば、車輪に伝達されるトルクの急変
による違和感が解消されるとともに、操縦安定性が高め
られる。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例のトルク配分制
御装置および車両用パーキングブレーキターン判定装置
を備えた車両の動力伝達装置を示している。図におい
て、原動機として機能するエンジン10には、トルクコ
ンバータ付自動変速機12、前部差動歯車装置14、お
よびトランスファ16を収容するトランスアクスルハウ
ジング18が締結されている。これにより、エンジン1
0の出力トルクは、トルクコンバータ付自動変速機1
2、前部差動歯車装置14、左右1対の車軸20、22
を介して左右1対の前輪24、26へ伝達される一方、
上記トルクコンバータ付自動変速機12、トランスファ
16、プロペラシャフト28、トルク配分クラッチとし
て機能する電磁クラッチ30、後部差動歯車装置32、
左右1対の車軸34、36を介して左右1対の後輪3
8、40へ伝達されるようになっている。
【0015】上記電磁クラッチ30は、エンジン10か
ら前輪24、26と後輪38、40とへそれぞれ伝達さ
れるトルクの割合を調節するためのトルク配分クラッチ
として機能するものであって、プロペラシャフト28に
接続されてそれと共に回転する入力側摩擦板42と、後
部差動歯車装置32のドライブピニオン44に接続され
てそれと共に回転する出力側摩擦板46と、それら入力
側摩擦板42と出力側摩擦板46とを電磁力に従って押
圧することにより相互に摩擦係合させる電磁ソレノイド
48とを基本的に備える摩擦係合装置であって、後述の
電子制御装置110からの指令値tref に対応した大き
さの伝達トルクを発生するように構成されている。上記
電磁クラッチ30が解放された場合には、エンジン10
から出力されるトルクの100%が前輪24、26へ伝
達されるが、電磁クラッチ30が完全係合された場合に
は、エンジン10から出力されるトルクの50%が前輪
24、26へ伝達され、残りの50%が後輪38、40
へ伝達されるので、本実施例では、上記電磁クラッチ3
0によるトルク配分調節範囲は、前輪と後輪との重量配
分比が0.5:0.5である場合に、1:0から0.
5:0.5の間までのトルク配分比範囲となっている。
なお、一般には、電磁クラッチ30が完全係合された場
合には、前後輪の重量配分相当に前後輪のトルクが分配
される。本実施例では、電磁クラッチ30により前輪駆
動状態から直結4WDまで前後輪のトルクを調節でき
る。ルク配分比が1:0から0.5:0.5の間までの
範囲となっている。
【0016】図2に詳しく示すように、電磁クラッチ3
0は、プロペラシャフト28に連結されるユニバーサル
ジョイント50およびクラッチドラム52を両軸端に有
し、クラッチハウジング54によりベアリング(入力側
軸受)56を介して回転可能に支持された入力軸58
と、その入力軸58に対して同心となる状態でクラッチ
ハウジング54によりベアリング(出力側軸受)60を
介して回転可能に支持された出力軸62と、入力軸58
の軸端面に相対回転可能に嵌合された状態でその入力軸
58と連結されたクラッチロータ64と、回転不能とな
るように非回転部材であるクラッチハウジング54の突
起65に係合させられた状態でベアリング66を介して
入力軸58に支持された電磁ソレノイド48と、電磁ソ
レノイド48の磁力により吸引される環状磁性部材68
を有してクラッチドラム52の内周面とクラッチロータ
64の外周面との間に設けられ、その電磁ソレノイド4
8の磁力によって比較的小さな摩擦トルクが発生させら
れるコントロール(パイロット)クラッチ70と、その
コントロールクラッチ70からの摩擦トルクが伝達され
るカムリング72とそのカムリング72に接触するボー
ルカム74とを有し、上記コントロールクラッチ70を
介して伝達された比較的小さな回転力をスラスト方向
(軸心方向)の力に変換し且つ倍力して環状押圧部材7
6に伝達する押圧装置78と、軸方向において互いに重
ねられた状態でクラッチドラム52の内周面およびクラ
ッチロータ64の外周面に対して軸方向の移動可能且つ
軸まわりの相対回転不能に設けられて、上記環状押圧部
材76からのスラスト方向の力により押圧される前記入
力側摩擦板42および出力側摩擦板46とを備え、たと
えば図3に示す特性に従って、電磁ソレノイド48に供
給される駆動電流に対応した大きさの伝達トルクを発生
させる。
【0017】図1に戻って、車両には、4輪駆動モード
を選択するときに操作される4輪駆動選択スイッチ8
0、左前輪24の回転速度を検出する車輪速度センサ8
2、右前輪26の回転速度を検出する車輪速度センサ8
4、左後輪38の回転速度を検出する車輪速度センサ8
6、右後輪40の回転速度を検出する車輪速度センサ8
8、車両の前後加速度すなわち走行方向の加速度GX
検出する前後Gセンサ90、車両の左右加速度すなわち
横方向の加速度GY を検出する左右Gセンサ92、ステ
アリングホイール93により操作される車両の舵角を検
出する舵角センサ94、アクセルペダルにより操作され
るスロットル開度θthを検出するスロットルセンサ9
6、エンジン10の回転速度を検出するエンジン回転速
度センサ98、自動変速機12の実際のギヤ段すなわち
シフト位置を検出するシフト位置センサ100、ブレー
キペダル102が操作されたことを検出するブレーキセ
ンサ104、パーキングブレーキレバー106が操作さ
れたことを検出するPBブレーキセンサ108がそれぞ
れ設けられており、それらのスイッチ或いはセンサから
は、4輪駆動モードを選択されたことを示す信号S4W
D、左前輪24の回転速度NFLを示す信号SNFL、右前
輪26の回転速度NFRを示す信号SNFR、左後輪38の
回転速度NRLを示す信号SNRL、右後輪40の回転速度
RRを示す信号SNRR、前後加速度GX を示す信号SG
X 、左右(横)加速度GY を示す信号SG Y 、車両の舵
角δを示す信号Sδ、スロットル開度θth(%)を示す
信号Sθ、エンジン10の回転速度NE を示す信号SN
E 、シフト位置SPを示す信号SSP、ブレーキペダル
102の操作を示す信号SBK、パーキングブレーキレ
バー106の操作を示す信号SPBが、トルク配分制御
用の電子制御装置110へ供給される。
【0018】上記前後Gセンサ90および左右Gセンサ
92は、比較的大きな質量をもった部材とその部材に作
用する力すなわち加速度を検出する圧電素子とを備えた
圧電型や、比較的大きな質量をもった部材とその部材に
加えられる加速度による変位を元位置に保つような平衡
力を電磁力にて発生させる電磁コイルとを備えてその電
磁コイルの駆動電流に基づいて加速度を検出するサーボ
型などにより構成されている。
【0019】また、上記ブレーキペダル102は、左前
輪24、右前輪26、左後輪38、右後輪40に設けら
れた図示しないブレーキに対して油圧配管を介して接続
されたマスタシリンダに機械的に連結されたものであ
り、そのブレーキペダル102の操作によって上記4輪
のブレーキが同時に作動させられる。上記パーキングブ
レーキレバー106は、ケーブルを介して左後輪38、
右後輪40に設けられた図示しないブレーキに連結され
ており、そのパーキングブレーキレバー106の操作に
よって上記左後輪38および右後輪40に設けられた1
対のブレーキが作動させられるようになっている。
【0020】上記電子制御装置110は、CPU、RA
M、ROM、入出力インターフェースなどを含む所謂マ
イクロコンピュータであって、CPUはRAMの記憶機
能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムを実
行することにより上記の入力信号を処理し、電磁クラッ
チ30へ制御信号を出力するとともに、電磁クラッチ3
0の作動中を示す作動表示灯112および電磁クラッチ
30の異常を示す異常表示灯114を表示させる。図4
は、上記電子制御装置110の構成例を詳細に示すもの
である。エンジン制御および変速制御用電子制御装置1
15からは、スロットル開度θth、自動変速機12のギ
ヤ段、エンジン系のフェイルを表す信号とエンジン10
の回転速度に対応した周波数のエンジンパルス信号が電
子制御装置110に供給される。電子制御装置110
は、ABS用制御装置116および4WD用制御装置1
17と、指令値tref を表す指令信号に応じて電磁クラ
ッチ30に制御電流を出力する駆動回路118とを備え
ている。
【0021】図5は、上記電子制御装置110の制御機
能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5にお
いて、トルク配分クラッチ制御手段120は、たとえば
発進時制御、旋回走行時制御、通常走行時制御、制動時
制御など、車両の前輪および後輪のトルク配分を制御す
る複数種類の制御モードの中のいずれか1つを、車両状
態に基づいて択一的に選択し、選択した制御モードにお
いて予め設定された制御式に従って、電磁クラッチ30
の伝達トルク或いはその電磁クラッチ30に供給すべき
駆動電流に対応する大きさの指令値tref を表す制御信
号SCを出力すると共に、作動表示灯112を点灯させ
る。たとえば、4輪駆動選択スイッチ80によって4輪
駆動モードが選択されているとき、ブレーキセンサ10
4により主ブレーキの操作が検出されると制動時制御が
選択される。また、たとえば図6に示す関係から車速V
と車両舵角δとで示される走行状態に基づいて発進時制
御(図6の)、旋回走行時制御(図6の)、通常走
行時制御(図6の)のいずれかが選択されるのであ
る。
【0022】上記発進時制御では、車両状態に応じた最
大のトラクションを得るために、前輪24、26と後輪
38、40とに対する車両の重量配分に相当するトルク
配分となるように電磁クラッチ30が制御されたり、舵
角δに応じて後輪38、40への伝達トルクを制限する
ように電磁クラッチ30が制御される。また、上記旋回
走行時制御では、特に路面摩擦係数が小さい圧雪路或い
は凍結路における旋回走行中の操縦安定性を高めるため
に、たとえばアンダーステアとオーバーステアとの中間
の中立ステアとなる目標ヨーレート(重心を通る鉛直線
まわりの旋回角速度)に実際のヨーレートが追従するよ
うに、電磁クラッチ30が制御される。また、上記通常
走行時制御では、基本的には重量配分に対応したトルク
配分となるように電磁クラッチ30の入力側および出力
側の回転速度差が発生すると伝達トルクが大きくなるよ
うにされるが、燃費を高めるために直進走行などのよう
な4輪駆動の不要なときには可及的に締結力を小さくす
るように、電磁クラッチ30が制御される。また、上記
制動時制御では、たとえばABS制御やVSC制御との
制御干渉を回避するために、ブレーキペダル102が操
作されると、直接的に電磁ブレーキ30の締結力を小さ
くするように、或いはABS制御が開始されるまでは電
磁クラッチ30が締結されてエンジンブレーキ力を4輪
に分配させるが、ABS制御が開始されると締結力が小
さくされ、VSC制御が開始されると解放されるよう
に、電磁クラッチ30が制御される。また、この制動時
制御では、制動時に車輪ロックを生じ難くする制動力配
分とするために入力トルクtinすなわちスロットル弁開
度θthが減少するほど電磁クラッチ30の開放に向かっ
てその伝達トルクを減少させる。
【0023】車速算出手段178は、たとえば前輪回転
速度NFL、NFR、および後輪回転速度NRL、NRRのいず
れかから、或いは図示しない車速センサにより自動変速
機12の出力軸の回転速度に基づいて検出された車速信
号から、車速すなわち車体速度Vを算出する。合成加速
度算出手段180は、前後Gセンサ90により検出され
た前後加速度GX と左右Gセンサ92により検出された
左右(横)加速度GYとから、平面内における平面加速
度すなわち合成加速度GXY〔=√(GX 2 +G Y 2 )〕
を算出する。
【0024】入力トルク算出手段122は、エンジン1
0のプロペラシャフト28まわりの出力トルク(車両の
駆動トルク)すなわち電磁クラッチ30の入力トルクt
in(N・m)を、たとえば図7に示す予め記憶された関
係から実際のエンジン回転速度NE (rpm)およびス
ロットル開度θth(%)或いは吸入空気量Qに基づいて
逐次算出する。この入力トルク算出手段122では、予
め設定された時間幅を有して時間経過とともに移動させ
られる移動区間内に得られた複数個の入力トルクtin
平均値すなわち移動平均値として入力トルクtinavが算
出される。ここで、上記入力トルクtinは、前輪24、
26側へ配分されるトルクtf と電磁クラッチ30から
後輪38、40側へ配分されるトルクtr との和(tin
=tf +tr )として定義される。上記後輪38、40
側へ配分されるトルクtr は電磁クラッチ30の伝達ト
ルクであり、定常状態では電磁クラッチ30に対する指
令値tref に対応している。
【0025】制動状態判定手段220は、車両がそのブ
レーキペダル102の操作による制動が行われている制
動状態であるか否かをブレーキセンサ104からの信号
に基づいて判定する。原動機出力判定手段222は、エ
ンジン10の出力が所定値以下であることを、たとえば
スロットルセンサ96により検出されるスロットル開度
θthが予め設定された判断基準値θth1 以下であること
に基づいて判定する。この判断基準値θth1 は、車両の
惰行走行或いは制動走行中のパーキングブレーキターン
状態を判定するために比較的小さい値たとえば0%に近
い値に設定されている。
【0026】パーキングブレーキターン判定手段224
は、少なくとも前輪が回転している車両の走行中におい
て、パーキングブレーキレバー106が操作されたこと
がパーキングブレーキセンサ108からの信号に基づい
て判定され、且つ上記原動機出力判定手段222により
エンジン10の出力が所定値以下であることが判定され
た場合には、車両のパーキングブレーキターン状態であ
ると判定する。
【0027】また、制動時トルク配分制御禁止判定手段
226は、ABS作動領域外である車両の低速走行たと
えば車速Vが5km/h以下の低速走行であり、且つブレー
キペダル102或いはパーキングブレーキレバー106
による車両の制動状態である場合には、前記トルク配分
クラッチ制御手段120による制動時制御を禁止し、前
記図6の領域で決まる他の制御を実行させる。これによ
り、制動操作後における登坂発進時などにおいては、電
磁クラッチ30が一旦開放され(伝達トルクが零状態)
てから再び電磁クラッチ30の伝達トルクが増加させら
れることによる応答遅れが解消され、通常の発進時の制
御によって登坂性能が向上する。
【0028】なまし処理手段228は、図8に示すよう
に、前記パーキングブレーキターン判定手段224によ
り車両のパーキングブレーキターン状態が判定されるこ
とによりトルク配分クラッチ制御手段120から電磁ク
ラッチ30の伝達トルクtrすなわちその電磁クラッチ
30へ出力されるトルク指令値tref が零に決定された
とき、そのトルク指令値tref を零に向かって緩やかに
変化させる。
【0029】図9、図10、図11、図12、図13
は、電子制御装置110の制御作動の要部を説明するフ
ローチャートであって、図9はトルク配分制御の制御モ
ードを選択するための制御モード選択ルーチンを示し、
図10はパーキングブレーキターン状態を判定するパー
キングブレーキターン判定ルーチンを示し、図11は制
動時トルク配分制御ルーチンの一部を示し、図12はそ
の図11に含まれるなまし処理ルーチンを示し、図13
は制動時トルク配分制御禁止判定ルーチンを示してい
る。それらルーチンは所定の順序で直列的或いは並列的
に繰り返し実行される。
【0030】図9の制御モード選択ルーチンは、前記ト
ルク配分クラッチ制御手段120に対応するものであ
る。図において、ステップ(以下、ステップを省略す
る)S1では、車速V、舵角δ、ブレーキセンサ104
の出力信号などが読み込まれた後、S2において、ブレ
ーキペダル102が操作されたか否かがブレーキセンサ
104からの信号に基づいて判断される。このS2の判
断が肯定された場合は、S3において制動時制御が選択
され、本ルーチンが終了させられる。しかし、S2の判
断が否定された場合は、S4において、図6に示す予め
記憶された関係から車速V、舵角δに基づいて発進時制
御、旋回走行時制御、通常走行時制御のいずれかが判定
される。S4において発進時制御が判定された場合には
S5において発進時制御が選択され、S4において旋回
走行時制御が判定された場合にはS6において旋回走行
時制御が選択され、S4において通常走行時制御が判定
された場合にはS7において通常走行時制御が選択され
る。
【0031】図10のパーキングブレーキターン判定ル
ーチンにおいて、SL1では、パーキングブレーキが作
動させられたか否かが、パーキングブレーキセンサ10
8からの信号に基づいて判断される。この判断SL1の
判断が肯定された場合は、前記原動機出力判定手段22
2に対応するSL2において、エンジン10の出力トル
クが所定値よりも低い状態であるか否かが、スロットル
弁開度θthが予め設定された判断基準値θth1 以下であ
るか否かに基づいて判断される。
【0032】上記SL2の判断が肯定された場合は、前
記パーキングブレーキターン判定手段224に対応する
SL3において、制動時制御許可フラグF3 の内容が
「1」にセットされるが、上記SL1またはSL2の判
断が否定された場合は、SL4において制動時制御許可
フラグF3 の内容が「0」にクリアされる。この制動時
制御許可フラグF3 は、その内容が「1」にセットされ
ているときには前記S3の制動時のトルク配分制御を許
可し、その内容が「0」にクリアされているときにはそ
の制動時のトルク配分制御を禁止するものである。
【0033】図11は、図9のS3のうち、パーキング
ブレーキターン状態或いは制動状態において実行される
一部分を示している。すなわち、S31において、制動
時制御許可フラグF3 の内容が「1」にセットされてい
るか否かが判断される。このS31の判断が肯定された
ときのみ、制動時トルク配分制御を実行するS32以下
が実行される。S32の制動時トルク配分制御では、ス
ロットル弁開度θthすなわち入力トルクtinが極めて小
さい状態に対応して、トルク指令値tref が零に決定さ
れる。次いで、前記なまし処理手段228に対応するS
33では、指令トルクtref をS32において決定され
た値へ向かって緩やかに変化させるなまし処理が実行さ
れる。
【0034】図12は、上記S33のなまし処理ルーチ
ンの一例を示し、tref =gard(T BK、KD、KU)と
して表される。この式は、急激に変化する指令値tref
をその初期値TBKから下げ側制限定数KD或いは上げ側
制限定数KUを越えないように制限して緩やかに変化さ
せるものである。図12のS331では、今回の指令値
ref が前回の指令値tref -1よりも小さいか否かが判
断される。このS331の判断が肯定された場合は、S
332において今回の指令値tref が前回の指令値t
ref -1よりも下げ側制限定数KDだけ小さい値(tref
-1−KD)よりも小さいか否かが判断される。このS3
32の判断が肯定された場合は、S333において今回
の指令値tref が(tref -1−KD)に制限されるが、
S332の判断が否定された場合はS334において今
回の指令値tref が前回の値tref -1とされる。S33
5およびS336は、指令値tref が増加側へ急変した
ときにその増加を上げ側制限定数KUを用いて制限する
ものであるが、本実施例では直接に関係しない。
【0035】図13の制動時トルク配分制御禁止判定ル
ーチンにおいて、SM1では、ABS制御の作動範囲内
であるか否かが、たとえば車速VがABS制御の作動条
件車速値(5km/h)以下であるか否かに基づいて判断さ
れる。このSM1の判断が肯定された場合は、SM2に
おいて、車両の制動中であるか否かがブレーキセンサ1
04或いはパーキングブレーキセンサ108からの信号
に基づいて判断される。このSM2の判断が肯定された
場合は、制動時制御許可フラグF3 の内容が「1」にセ
ットされるが、上記SM1またはSM2の判断が否定さ
れた場合は、SM4において制動時制御許可フラグF3
の内容が「0」にクリアされる。上記SM2は前記制動
状態判定手段220に対応し、上記SM4は前記制動時
トルク配分制御禁止判定手段226に対応している。
【0036】上述のように、本実施例によれば、パーキ
ングブレーキセンサ(パーキングブレーキ操作検出装
置)108によりパーキングブレーキレバー106が操
作されてパーキングブレーキが作動されたことが検出さ
れ、且つ原動機出力判定手段222(SL2)によりエ
ンジン10の出力が所定の判断基準値以下であると判定
された場合には、トルク配分クラッチ制御手段120
(S32)により、電磁クラッチ30が開放させられる
ことから、確実にパーキングブレーキターンのときだけ
電磁クラッチ30が開放されるので、不要にトルク配分
制御が阻害されることがない。
【0037】また、本実施例によれば、パーキングブレ
ーキセンサ(パーキングブレーキ操作検出装置)108
によりパーキングブレーキレバー106が操作されてパ
ーキングブレーキが作動されたことが検出され、且つ原
動機出力判定手段222(SL2)によりエンジン10
の出力が所定の判断基準値以下であると判定された場合
には、パーキングブレーキターン判定手段224(SL
3)により車両のパーキングブレーキターン状態である
ことが判定されるので、確実にパーキングブレーキター
ンであることが判定される。このパーキングブレーキタ
ーンは、運転者による制動意思のあることが前提とされ
るので、エンジン10の出力が所定の判断基準値よりも
低い走行状態であることを条件に加えることにより確実
にパーキングブレーキターンであることを判定できるの
である。
【0038】また、本実施例によれば、トルク配分クラ
ッチ制御手段120により、パーキングブレーキが作動
され且つエンジン10の出力が判断基準値以下であると
判定された場合に電磁クラッチ30が開放させられると
き、その電磁クラッチ30を緩やかに開放させるため
に、上記トルク配分クラッチ制御手段120から電磁ク
ラッチ30への出力tref を緩やかに変化させるまなし
処理手段228が設けられていることから、電磁クラッ
チ30が緩やかに開放させられるので、電磁クラッチ3
0の急開放に起因する車輪トルクの急変による違和感が
解消されるとともに、操縦安定性が高められる。
【0039】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】図14は、図11の制動時制御ルーチンに
代えて用いられるものである。この図のSN1では、指
令値tref が、予め記憶された数式1から舵角δ、車速
V、入力トルクtin、合成加速度GXYに基づいて決定さ
れる。この数式1は、第1マップ値Mbk1 (|δ|,
V)と第2マップ値Mbk2 (tin,GXY)との掛け算式
から構成されている。第1マップ値Mbk1 (|δ|,
V)は、舵角δの絶対値と車速Vとの函数であって、タ
イトコーナリング走行に対応した伝達トルクを発生させ
るために設けられている。図15は、舵角|δ|が増加
するほど第1マップ値Mbk1 が減少するという上記第1
マップ値Mbk1 と舵角|δ|との変化傾向を示す関係を
表し、図16図は、車速Vが増加するほど第1マップ値
bk1 が増加するがある位置で飽和するという上記第1
マップ値Mbk1 と車速Vとの変化傾向を示す関係を表し
ている。
【0041】また、第2マップ値Mbk2 (tin,GXY
は、入力トルクtinと合成加速度G XYとの函数であっ
て、制動時に好適な制動力配分が得られ且つ制動中の旋
回走行におけるスピン傾向を防止するために設けられて
いる。図17は、入力トルクt inが増加するほど第2マ
ップ値Mbk2 が増加するという第2マップ値Mbk2 と入
力トルクtinとの変化傾向を示す関係を表し、図18
は、合成加速度GXYが増加するほど第2マップ値Mbk2
が減少するという第2マップ値Mbk2 と合成加速度GXY
との変化傾向を示す関係を表している。上記合成加速度
XYは、路面摩擦係数μに関連する車輪の摩擦力を越え
ることができないことから、上記第2マップ値Mbk2
路面摩擦係数μが加味された値となっている。すなわ
ち、合成加速度GXYが増大するにつれて路面摩擦係数μ
に応じた大きさの車輪のグリップ限界に近づくことを意
味することから、合成加速度GXYが増大してグリップ限
界に近づくほど、電磁クラッチ30を介して後輪38、
40へ伝達される伝達トルクが小さくされることによ
り、車両のスピンが回避されるようになっているのであ
る。
【0042】
【数1】 tref =Mbk1 (|δ|,V)・Mbk2 (tin,GXY) ・・・(1)
【0043】次いで、SN2では、車両の急制動である
か否かが判断される。この判断は、たとえば前後加速度
X が予め負の値たとえば−3G乃至−0.3G程度に
設定された判断基準値よりもさらに低いか否か、或いは
前後加速度の制動初期値GXb k との差(GX −GXbk
が予め設定された判断基準値よりも大きいか否かに基づ
いて判断される。このSN2の判断が肯定された場合
は、急な制動状態であるので、SN3においてなまし処
理の初期値が更新された後、前記なまし処理手段228
に対応するSN4において、上記SN1にて決定された
指令値tref を緩やかに変化させるためのなまし処理が
開始される。このなまし処理は、たとえば図12に示す
ものと同様のものである。しかし、上記SN2の判断が
否定された場合は、緩やかな制動であるので、連続的に
なまし処理を実行させるために、上記SN4が直接的に
実行される。
【0044】上述のように、本実施例によれば、トルク
配分クラッチ制御手段120(SN1)により、車両の
制動状態において車両の合成加速度GXYが小さくなるほ
ど電磁クラッチ30を介して前記後輪へ伝達されるトル
クtr が増加させられる、すなわち車両の合成加速度G
XYが増大するほど指令値tref が小さくされて後輪3
8、40へ伝達されるトルクが減少させられる。この制
動時における車両の合成加速度GXYは路面摩擦係数μの
函数である車輪の摩擦力を越えることができないという
関係にあって、車両の合成加速度GXYが増大するにつれ
て、路面摩擦係数μに応じた車輪のグリップ限界に近づ
くので、上記のように、車両の合成加速度GXYが増大す
るほど指令値tref が小さくされて後輪38、40へ伝
達されるトルクが減少させられることにより、旋回制動
時の車体後部のせり出しやスピンが好適に回避されるの
である。
【0045】また、本実施例では、前記トルク配分クラ
ッチ制御手段120(SN1)により、車両の制動状態
において車両の合成加速度GXYが小さくなるほど指令値
re f が大きくされて後輪38、40へ伝達されるトル
クが増加させられるとき、その電磁クラッチ30に供給
されるトルク指令値tref の変化を抑制するなまし処理
手段228(SN4)が設けられているので、車輪に伝
達されるトルクの急変による違和感が解消されるととも
に、操縦安定性が高められる。
【0046】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0047】たとえば、前述の原動機出力判定手段22
2は、エンジン10の出力が所定値以下であることを、
スロットルセンサ96により検出されるスロットル開度
θthが予め設定された判断基準値θth1 以下であること
に基づいて判定するものであったが、そのスロットル開
度θthに替えて、アクセルペダル操作量、燃料噴射量、
吸入空気量などのエンジン出力に関連するパラメータが
用いられてもよい。
【0048】また、前述の図14の実施例において用い
られる数式1は、第1マップ値Mbk 1 (|δ|,V)と
第2マップ値Mbk2 (tin,GXY)との掛け算式から構
成されていたが、第2マップ値Mbk2 (tin,GXY)だ
けから構成されていても差し支えない。車両の制動走行
時におけるタイトコーナリングは殆ど発生しないからで
ある。
【0049】また、前記なまし処理手段228では、た
とえば図12に示す変化制限処理が用いられていたが、
ローパスフィルタ処理などの他のなまし処理手段が用い
られても差し支えない。
【0050】また、前述の実施例の電磁クラッチ30
は、プロペラシャフト28と後部差動歯車装置32との
間に設けられるものであったが、所謂センターデフの差
動を制限するためにそれに並列に設けられた差動制限ク
ラッチ、トランスファと前部差動歯車装置との間に設け
られたクラッチ、プロペラシャフト28とそれに連結さ
れた差動歯車装置の出力側の1対の車軸との3軸のうち
の何れかの2軸間に設けられたクラッチなどであっても
よい。要するに、原動機から複数の車輪へそれぞれ伝達
されるトルクの割合を調節する電磁式、油圧式などのト
ルク配分クラッチであればよいのである。
【0051】また、前述の実施例において、原動機とし
て機能するエンジン10は、電気モータや電気モータと
エンジンとのハイブリッドであっても差し支えない。
【0052】また、前述の実施例では、パーキングブレ
ーキターン判定装置がトルク配分制御に適用されていた
が、ABS制御装置、TRC制御装置、VSC制御装置
などの他の制御にも適用され得るものである。
【0053】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のトルク配分制御装置を備え
た4輪駆動車両の動力伝達経路を説明する図である。
【図2】前輪および後輪のトルク配分を行うために、図
1の動力伝達経路に設けられた電磁クラッチの構成を説
明する断面図である。
【図3】図2の電磁クラッチのクラッチ特性を説明する
特性図である。
【図4】図1の電子制御装置の構成例を詳細に説明する
図である。
【図5】図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図6】図5のトルク配分クラッチ制御手段において複
数種類の制御モードを切り換えるために予め記憶された
関係を示す図である。
【図7】図5の入力トルク算出手段において入力トルク
を算出するために予め記憶された関係を示す図である。
【図8】図5のなまし処理手段によりなまし処理され
た、トルク配分制御手段の出力であるトルク指令値t
ref の時間的変化を説明する図である。
【図9】図1の電子制御装置の制御作動の要部を説明す
るフローチャートであって、制御モード選択ルーチンを
示す図である。
【図10】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するフローチャートであって、パーキングブレーキター
ン状態を判定するパーキングブレーキターン判定ルーチ
ンを示す図である。
【図11】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するフローチャートであって、制動時トルク配分制御ル
ーチンの一部を示す図である。
【図12】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するフローチャートであって、図11に含まれるなまし
処理ルーチンを示す図である。
【図13】図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明
するフローチャートであって、制動時トルク配分制御禁
止判定ルーチンを示す図である。
【図14】本発明の他の実施例における図4の電子制御
装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであっ
て、制動時制御ルーチンを示す図である。
【図15】図14の実施例においてトルク指令値tref
の決定のために用いられる関係であって、舵角|δ|と
第1マップ値Mbk1 との間の変化傾向を示す図である。
【図16】図14の実施例においてトルク指令値tref
の決定のために用いられる関係であって、車速Vと第1
マップ値Mbk1 との間の変化傾向を示す図である。
【図17】図14の実施例においてトルク指令値tref
の決定のために用いられる関係であって、入力トルクt
inと第2マップ値Mbk2 との間の変化傾向を示す図であ
る。
【図18】図14の実施例においてトルク指令値tref
の決定のために用いられる関係であって、合成加速度G
XYと第2マップ値Mbk2 との間の変化傾向を示す図であ
る。
【符号の説明】
30:電磁クラッチ(トルク配分クラッチ) 108:パーキングブレーキセンサ(パーキングブレー
キ操作検出装置) 120:トルク配分クラッチ制御手段 222:原動機出力判定手段 224:パーキングブレーキターン判定手段 226:制動時トルク配分制御禁止判定手段 228:なまし処理手段
フロントページの続き (72)発明者 山下 勝司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 暁彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井垣 宗良 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高田 学 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 坂井 剛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機から複数の車輪へそれぞれ伝達さ
    れるトルクの割合を調節するトルク配分クラッチを備
    え、該トルク配分クラッチの伝達トルクを所定の値とす
    るための指令値を出力する車両用トルク配分クラッチの
    制御装置であって、 前記車両のパーキングブレーキが操作されたことを検出
    するパーキングブレーキ操作検出装置と、 原動機の出力が予め設定された判断基準値以下であるか
    否かを判定する原動機出力判定手段と、 前記パーキングブレーキ操作検出装置によりパーキング
    ブレーキが操作されたことが検出され、且つ前記原動機
    出力判定手段により前記原動機の出力が前記判断基準値
    以下であると判定された場合には、前記トルク配分クラ
    ッチを開放させるトルク配分クラッチ制御手段とを、含
    むことを特徴とする車両用トルク配分クラッチの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 車両のパーキングブレーキを操作しつつ
    該車両を旋回させるパーキングブレーキターンを判定す
    る車両用パーキングブレーキターン判定装置であって、 前記車両のパーキングブレーキが操作されたことを検出
    するパーキングブレーキ操作検出装置と、 原動機の出力が予め設定された判断基準値以下であるか
    否かを判定する原動機出力判定手段と、 前記パーキングブレーキ操作検出装置によりパーキング
    ブレーキが操作されたことが検出され、且つ前記原動機
    出力判定手段により前記原動機の出力が前記判断基準値
    以下であると判定された場合には、パーキングブレーキ
    ターン状態であることを判定するパーキングブレーキタ
    ーン判定手段とを、含むことを特徴とする車両用パーキ
    ングブレーキターン判定装置。
  3. 【請求項3】 原動機から前輪および後輪へそれぞれ伝
    達されるトルクの割合を調節するトルク配分クラッチを
    備え、該トルク配分クラッチの伝達トルクを所定の値と
    するための指令値を出力する車両用トルク配分クラッチ
    の制御装置であって、 車両の制動状態を判定する制動状態判定手段と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 車両の制動状態において車両の加速度が小さくなるほ
    ど、前記トルク配分クラッチを介して前記後輪へ伝達さ
    れるトルクを増加させるトルク配分クラッチ制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用トルク配分クラッチの
    制御装置。
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